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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131930
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】学童机
(51)【国際特許分類】
   A47B 41/02 20060101AFI20240920BHJP
   A47B 13/08 20060101ALI20240920BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20240920BHJP
   F16B 12/44 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A47B41/02
A47B13/08 A
F16B5/10 M
F16B12/44 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042507
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】516079017
【氏名又は名称】佐野 武
(74)【代理人】
【識別番号】100137327
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 勝義
(72)【発明者】
【氏名】佐野 武
【テーマコード(参考)】
3B053
3J001
3J024
【Fターム(参考)】
3B053PA05
3B053PA06
3B053PB03
3B053PC06
3J001FA02
3J001GA10
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA08
3J001HA09
3J001JD15
3J024AA02
3J024BA03
3J024CA11
3J024CA15
(57)【要約】
【課題】使用時において木製天板が外れ難く、全体の重量を抑制することができる学童机を提供する。
【解決手段】木製天板1の対向する2側面1c、1d近傍の裏面1aには一対の凹状溝10が側面1c、1dに沿って設けられ、一対の凹状溝10の長手方向の両側の側部には係合凹部11が凹設されている。また、支持脚2には凹状溝10に嵌め込まれる一対の凸状板20が設けられ、一対の凸状板20の長手方向の両側の側部には係合凹部11に係合する係合凸部21が突設されている。支持脚2の凸状板20を木製天板1の凹状溝10に嵌め込んで係合凸部21と係合凹部11とを係合させた状態で支持脚2又は木製天板1を所定位置までスライドさせた後、木製天板1と凸状板20とに設けられたパッチン錠50により木製天板1と支持脚2とを固着させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形板状の木製天板と、該木製天板を支持する支持脚と、該木製天板と該支持脚とを固着させる係止具と、からなる学童机において、
該木製天板の対向する2側面近傍の裏面には一対の凹状溝が該側面に沿って設けられ、一対の該凹状溝の長手方向の両側の側部には係合凹部が凹設され、
該支持脚には該凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、一対の該凸状板の長手方向の両側の側部には該係合凹部に係合する係合凸部が突設され、
該支持脚の該凸状板を該木製天板の該凹状溝に嵌め込んで該係合凸部と該係合凹部とを係合させた状態で該支持脚又は該木製天板を所定位置までスライドさせた後、該木製天板と該凸状板とに設けられた該係止具により該木製天板と該支持脚とを固着させることを特徴とする学童机。
【請求項2】
前記木製天板と前記凸状板との裏面には、前記係止具を収納する第1、2取付凹部が凹設されていることを特徴とする請求項1記載の学童机。
【請求項3】
前記係止具はパッチン錠であることを特徴とする請求項1又は2記載の学童机。
【請求項4】
長方形板状の木製天板と、該木製天板を支持する支持脚と、該木製天板と該支持脚とを固着させる係止具と、からなる学童机において、
該木製天板の対向する2側面近傍の裏面には一対の凹状溝が該側面に沿って設けられ、一対の該凹状溝の長手方向の同じ側の側部には係合凹部が凹設され、
該支持脚には該凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、一対の該凸状板の長手方向の同じ側の側部には該係合凹部に係合する係合凸部が突設され、
該支持脚の該凸状板を該木製天板の該凹状溝に嵌め込んだ後、該支持脚又は該木製天板をスライドさせて該係合凸部と該係合凹部とを係合させたとき、該凹状溝にできる係止空間に該係止具を嵌入して該木製天板と該支持脚とを固着させることを特徴とする学童机。
【請求項5】
前記係止空間の長手方向と直角方向の両側面部には一対の係止穴が凹設され、
前記係止具は、両端が該係止穴に嵌入され、弾性体により該係止空間に係止されることを特徴とする請求項4記載の学童机。
【請求項6】
長方形板状の木製天板と、該木製天板を支持する支持脚と、該木製天板と該支持脚とを固着させる係止具と、からなる学童机において、
該木製天板の対向する2側面近傍の裏面には一対の凹状溝が該側面に沿って設けられ、一対の該凹状溝の長手方向の同じ側の側部には係合凹部が凹設され、
該支持脚には該凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、一対の該凸状板の長手方向の同じ側の側部には該係合凹部に係合する係合凸部が突設され、
該支持脚の該凸状板を該木製天板の該凹状溝に嵌め込み、該支持脚又は該木製天板をスライドさせて該係合凸部と該係合凹部とを係合させた後、該木製天板と該凸状板とに設けられた該係止具により該木製天板と該支持脚とを固着させることを特徴とする学童机。
【請求項7】
前記木製天板と前記凸状板との裏面には、前記係止具を収納する第3、4取付凹部が凹設されていることを特徴とする請求項6記載の学童机。
【請求項8】
前記係止具はパッチン錠であることを特徴とする請求項6又は7記載の学童机。
【請求項9】
前記係合凸部及び前記係合凹部の長手方向と直角方向の断面形状は、三角形と、四角形と、半円形と、のいずれか1つであることを特徴とする請求項1又は4又は6記載の学童机。
【請求項10】
前記木製天板の表面には、タブレットコンピュータを安定して載置するための溝又は突起が該木製天板の長手方向の側面と平行に設けられていることを特徴とする請求項1又は4又は6記載の学童机。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学童用の机に関する。
【背景技術】
【0002】
天板に無垢の木材が使用されている学童机は、天板から有害な化学物質を放出されることがなく学童に優しいものである。さらに、天板用の木材として間伐材を使用すれば環境に優しいものにできるとともに、資源の有効利用を図ることができる。このような観点から、本発明者は特許文献1に示す学童机用木製保護天板を既に提案している。この学童机用木製保護天板は、上面が長方形をなす板状であって天板を覆う保護天板(60)と、保護天板(60)の側面(60a、60b)に垂設される側板(61)と、保護天板(60)との間に天板が嵌入される間隙(63)を有して側板(61)から突設される内フランジ板(62)とを有し、保護天板(60)の側板(61)を有しない側面(60d)は、保護天板(60)を天板に載着して係止するストッパ板(65)を有している。
【0003】
この学童机用木製保護天板によれば、保護天板(60)の側面(60d)の方向から学童机(90)の天板(91)を間隙(63)に嵌入した後、ストッパ板(65)を取り付ければ、保護天板(60)を学童机(90)の天板(91)に載着して係止することがでる。これにより、学童机用木製保護天板は学童机(90)から外れ難くなる。また、ストッパ板(65)は保護天板(60)の側面(60d)に設けられるため、ストッパ板(65)が学童机(90)の天板(91)を傷つけることはない。したがって、この学童机用木製保護天板によれば、学童机(90)の天板(91)を傷つけ難く、かつ外れ難い。
【0004】
なお、この学童机用木製保護天板では、学童の身長の伸びに合わせて保護天板(60)を取り外し、別の学童机に容易に取り付けることができる。そのため、小学1年から小学6年まで自分専用の保護天板(60)を使用して、卒業時においてその保護天板(60)を記念品として持ち帰ることができる。そして、このような試みは、一部の小学校において既に実践されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-217444号公報(段落[0030]から[0037]、図1から図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1記載の学童机用木製保護天板では、保護天板を学童机に取り付けるため、学童机全体の重量の削減には限界がある。
【0007】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、使用時において木製天板が外れ難く、全体の重量を抑制することができる学童机を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る学童机の特徴は、長方形板状の木製天板と、該木製天板を支持する支持脚と、該木製天板と該支持脚とを固着させる係止具と、からなる学童机において、該木製天板の対向する2側面近傍の裏面には一対の凹状溝が該側面に沿って設けられ、一対の該凹状溝の長手方向の両側の側部には係合凹部が凹設され、該支持脚には該凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、一対の該凸状板の長手方向の両側の側部には該係合凹部に係合する係合凸部が突設され、該支持脚の該凸状板を該木製天板の該凹状溝に嵌め込んで該係合凸部と該係合凹部とを係合させた状態で該支持脚又は該木製天板を所定位置までスライドさせた後、該木製天板と該凸状板とに設けられた該係止具により該木製天板と該支持脚とを固着させることである。
【0009】
請求項2に係る学童机の特徴は、請求項1において、前記木製天板と前記凸状板との裏面には、前記係止具を収納する第1、2取付凹部が凹設されていることである。
【0010】
請求項3に係る学童机の特徴は、請求項1又は2において、前記係止具はパッチン錠であることである。
【0011】
請求項4に係る学童机の特徴は、長方形板状の木製天板と、該木製天板を支持する支持脚と、該木製天板と該支持脚とを固着させる係止具と、からなる学童机において、該木製天板の対向する2側面近傍の裏面には一対の凹状溝が該側面に沿って設けられ、一対の該凹状溝の長手方向の同じ側の側部には係合凹部が凹設され、該支持脚には該凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、一対の該凸状板の長手方向の同じ側の側部には該係合凹部に係合する係合凸部が突設され、該支持脚の該凸状板を該木製天板の該凹状溝に嵌め込んだ後、該支持脚又は該木製天板をスライドさせて該係合凸部と該係合凹部とを係合させたとき、該凹状溝にできる係止空間に該係止具を嵌入して該木製天板と該支持脚とを固着させることである。
【0012】
請求項5に係る学童机の特徴は、請求項4において、前記係止空間の長手方向と直角方向の両側面部には一対の係止穴が凹設され、前記係止具は、両端が該係止穴に嵌入され、弾性体により該係止空間に係止されることである。
【0013】
請求項6に係る学童机の特徴は、長方形板状の木製天板と、該木製天板を支持する支持脚と、該木製天板と該支持脚とを固着させる係止具と、からなる学童机において、該木製天板の対向する2側面近傍の裏面には一対の凹状溝が該側面に沿って設けられ、一対の該凹状溝の長手方向の同じ側の側部には係合凹部が凹設され、該支持脚には該凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、一対の該凸状板の長手方向の同じ側の側部には該係合凹部に係合する係合凸部が突設され、該支持脚の該凸状板を該木製天板の該凹状溝に嵌め込み、該支持脚又は該木製天板をスライドさせて該係合凸部と該係合凹部とを係合させた後、該木製天板と該凸状板とに設けられた該係止具により該木製天板と該支持脚とを固着させることである。
【0014】
請求項7に係る学童机の特徴は、請求項6において、前記木製天板と前記凸状板との裏面には、前記係止具を収納する第3、4取付凹部が凹設されていることである。
【0015】
請求項8に係る学童机の特徴は、請求項6又は7において、前記係止具はパッチン錠であることである。
【0016】
請求項9に係る学童机の特徴は、請求項1又は4又は6において、前記係合凸部及び前記係合凹部の長手方向と直角方向の断面形状は、三角形と、四角形と、半円形と、のいずれか1つであることである。
【0017】
請求項10に係る学童机の特徴は、請求項1又は4又は6において、前記木製天板の表面には、タブレットコンピュータを安定して載置するための溝又は突起が該木製天板の長手方向の側面と平行に設けられていることである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る学童机では、木製天板の裏面には一対の凹状溝が設けられ、この一対の凹状溝の長手方向の両側の側部には係合凹部が凹設されている。また、支持脚には凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、この一対の凸状板の長手方向の両側の側部には係合凹部に係合する係合凸部が突設されている。この学童机では、支持脚の凸状板を木製天板の凹状溝に嵌め込んで係合凸部と係合凹部とを係合させた状態で支持脚又は木製天板を所定位置までスライドさせた後、木製天板と凸状板とに設けられた係止具により木製天板と支持脚とを固着させることができる。これにより、学童机の使用時において木製天板が外れ難くなる。また、この学童机は、木製天板と支持脚と係止具とからなっているため、既存の学童机に木製保護天板を装着する場合に比べ、重量を抑えることができる。したがって、この学童机によれば、使用時において木製天板が外れ難く、全体の重量を抑制することができる。なお、「所定位置」とは、係止具の係止が可能となる木製天板と凸状板との相対的位置をいう。また、この学童机は、学童のみならず、生徒(中学生、高校生)用の机にも使用することができる。
【0019】
請求項2に係る学童机では、木製天板と凸状板との裏面には、係止具を収納する第1、2取付凹部が凹設されている。そのため、係止具の係止時において、木製天板の裏面及び凸状板の裏面から係止具が突出しないようにすることができ、怪我を防止することができる。
【0020】
請求項3に係る学童机では、係止具としてパッチン錠を採用しているため、簡易かつ安価である。
【0021】
請求項4に係る学童机では、木製天板の裏面には一対の凹状溝が設けられ、この一対の凹状溝の長手方向の同じ側の側部には係合凹部が凹設されている。また、支持脚には凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、この一対の凸状板の長手方向の同じ側の側部には係合凹部に係合する係合凸部が突設されている。この学童机では、支持脚の凸状板を木製天板の凹状溝に嵌め込んだ後、支持脚又は木製天板をスライドさせて係合凸部と係合凹部とを係合させると、凹状溝には係止空間が形成される。この係止空間に係止具を嵌入すれば、木製天板と支持脚とを固着させることができる。そして、係止具が係止空間に嵌入されれば、係合凸部と係合凹部との係合が解除されることはなく、学童机の使用時において木製天板が外れ難くなる。また、この学童机は、木製天板と支持脚と係止具とからなっているため、既存の学童机に木製保護天板を装着する場合に比べ、重量を抑えることができる。したがって、この学童机によれば、使用時において木製天板が外れ難く、全体の重量を抑制することができる。なお、この学童机は、学童のみならず、生徒(中学生、高校生)用の机にも使用することができる。
【0022】
請求項5に係る学童机では、係止空間の長手方向と直角方向の両側面部に一対の係止穴が凹設されている。そして、係止具の両端が係止穴に嵌入され、弾性体により係止具が係止空間に係止される。これにより、係合凸部の係合凹部内での移動が規制され、係合凸部と係合凹部との係合を確実に維持することができる。
【0023】
請求項6に係る学童机では、木製天板の裏面には一対の凹状溝が設けられ、この一対の凹状溝の長手方向の同じ側の側部には係合凹部が凹設されている。また、支持脚には凹状溝に嵌め込まれる一対の凸状板が設けられ、この一対の凸状板の長手方向の同じ側の側部には係合凹部に係合する係合凸部が突設されている。この学童机では、支持脚の凸状板を木製天板の凹状溝に嵌め込み、支持脚又は木製天板をスライドさせて係合凸部と係合凹部とを係合させた後、木製天板と凸状板とに設けられた係止具により木製天板と支持脚とを固着させることができる。これにより、係合凸部と係合凹部との係合が解除されることはなく、学童机の使用時において木製天板が外れ難くなる。また、この学童机は、木製天板と支持脚と係止具とからなっているため、既存の学童机に木製保護天板を装着する場合に比べ、重量を抑えることができる。したがって、この学童机によれば、使用時において木製天板が外れ難く、全体の重量を抑制することができる。なお、この学童机は、学童のみならず、生徒(中学生、高校生)用の机にも使用することができる。
【0024】
請求項7に係る学童机では、木製天板と凸状板との裏面には、係止具を収納する第3、4取付凹部が凹設されている。そのため、係止具の係止時において、木製天板の裏面及び凸状板の裏面から係止具が突出しないようにすることができ、怪我を防止することができる。
【0025】
請求項8に係る学童机では、係止具としてパッチン錠を採用しているため、簡易かつ安価である。
【0026】
請求項9に係る学童机では、係合凸部及び係合凹部の長手方向と直角方向の断面形状として、三角形、四角形、半円形のうちの1つを採用している。このような形状であれば、係合凸部と係合凹部との係合が解除され難いからである。
【0027】
請求項10に係る学童机では、木製天板の表面には、タブレットコンピュータを安定して載置するための溝又は突起が木製天板の長手方向の側面と平行に設けられている。近年、タブレットコンピュータを授業に取り入れることが多くなっている。この溝又は突起によりタブレットコンピュータの下端部の移動を規制すれば、タブレットコンピュータを安定して木製天板上に立て掛けることができるため、授業に集中することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態1の学童机の分解斜視図。
図2】実施形態1の学童机の分解正面断面図。
図3】実施形態1の学童机の分解側面図。
図4】実施形態1の学童机に係り、支持脚の凸状板を木製天板の凹状溝に嵌め込む状態を表す拡大断面図。
図5】実施形態1の学童机に係り、係止具により木製天板と支持脚とを固着させる方法を示す拡大断面図。
図6】実施形態1の学童机に係り、係止具の取り付け位置を変えた状態の学童机の分解斜視図。
図7】実施形態1の学童机に係り、別の係止具を用いた拡大断面図。
図8】実施形態1の学童机に係り、別の係止具を用いた拡大断面図。
図9】実施形態1の学童机に係り、別の係合凸部を有する凸状板の断面図。
図10】実施形態1の学童机に係り、木製天板の裏面の図。
図11】実施形態2の学童机の分解斜視図。
図12】実施形態2の学童机の分解正面断面図。
図13】実施形態2の学童机の分解側面図。
図14】実施形態2の学童机に係り、図13におけるXIV―XIV矢視拡大断面図。
図15】実施形態2の学童机に係り、支持脚の凸状板を木製天板の凹状溝に嵌め込んだ状態を表す拡大断面図。
図16】実施形態2の学童机に係り、支持脚の係合凸部と木製天板の係合凹部とを係合させた状態を表す拡大断面図。
図17】実施形態2、3の学童机に係り、別の係合凸部を有する凸状板の断面図。
図18】実施形態2の学童机に係り、図16におけるXVIII―XVIII矢視拡大断面図。
図19】実施形態2の学童机に係り、係止空間に係止具を嵌入中の状態を表す拡大断面図。
図20】実施形態2の学童机に係り、係止空間に係止具を嵌入した状態を表す拡大断面図。
図21】実施形態2の学童机に係り、別の係止穴と係止具の拡大断面図。
図22】実施形態2、3の学童机に係り、木製天板の裏面の図。
図23】実施形態3の学童机の分解斜視図。
図24】実施形態3の学童机の分解正面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る学童机を具体化した実施形態1から3を図面に基づいて以下に説明する。まず、実施形態1の学童机について説明する。図1は学童机の分解斜視図、図2は学童机の分解正面断面図、図3は学童机の分解側面図である。図1から図3に示すように、この学童机は木製天板1と支持脚2と係止具であるパッチン錠50とからなっている。木製天板1は長方形板状をなし、対向する2つの側面1c、1d近傍の裏面1bには略長方形状の一対の凹状溝10が側面1c、1dに沿って設けられている。そして、凹状溝10の長手方向の一端側(図3において図面左側)には側面1eに開口する開口部10aを有し、他端側(図3において図面右側)には側面1fと平行な壁面10bを有している。また、凹状溝10の長手方向であって両側の側部には係合凹部11が凹設されている。この凹状溝10の長手方向に直角方向の断面形状は逆等脚台形になっている。さらに、木製天板1の裏面1bには、パッチン錠50を収納する一対の第1取付凹部12が壁面10bに開口して凹設されている。
【0030】
また、木製天板1の表面1aには、タブレットコンピュータを安定して載置するための溝15が側面1e、1fと平行に設けられている。ただし、溝15の長手方向の長さは適宜変更可能であり、例えば、側面1c、1dに開口するようにしてもよい。この溝15にタブレットコンピュータのケースの下端部を入れ込めば、タブレットコンピュータを安定して木製天板1上に立て掛けることができる。なお、本実施形態1においては、一対の凹状溝10は側面1c、1dに沿って設けられているが、側面1e、1fに沿って設けることもできる。また、溝15の替わりに突起を設けて、タブレットコンピュータを安定して載置することができるようにしてもよい。
【0031】
支持脚2は、木製天板1を安定して水平に支持するものであり、脚本体90と一対の凸状板20とからなっている。脚本体90は一般的なものであり、金属製の物入れ90a、フレーム90b、補強パイプ90cが溶着されている。なお、本実施形態1においては脚本体90として金属製のものを用いているが、樹脂製又は木製のものであってもよい。
【0032】
凸状板20は略長方形板状をなし、長手方向に直角方向の断面形状は凹状溝10と同様の逆等脚台形になっている。そして、木製天板1の第1取付凹部12に対応する凸状板20の裏面20bには、パッチン錠50を収納する一対の第2取付凹部20cが凹設されている。この凸状板20は補強パイプ90cに沿って設けられ、木製天板1の凹状溝10に嵌め込まれる。そして、凸状板20は原則として取り替えられることがないため、脚本体90にビス締めされている。また、一対の凸状板20の長手方向であって両側の側部には、木製天板1の係合凹部11に係合する係合凸部21が突設されている。この凸状板20を凹状溝10に嵌入して、係合凸部21と係合凹部11とを係合させることにより、木製天板1を支持脚2に取り付けることができる。なお、木製天板1において一対の凹状溝10を側面1e、1fに沿って設けた場合は、凸状板20は両端を補強パイプ90cに架け渡した状態で設けられる。
【0033】
パッチン錠50は、木製天板1と支持脚2とを固着させるものである。凸状板20を凹状溝10に嵌め込み、支持脚2又は木製天板1をスライドさせて凸状板20を凹状溝10の壁面10bに当接させた後、パッチン錠50により木製天板1と支持脚2とを固着させることができる。
【0034】
以上の構成の学童机について、木製天板1を支持脚2に取り付ける方法を説明する。まず、図4の矢印で示すように、木製天板1を支持脚2に近づけて、凹状溝10の開口部10aに凸状板20を嵌め込む。そして、木製天板1をスライドさせて凸状板20を凹状溝10の壁面10bに当接させる。これにより、係合凸部21と係合凹部11とが完全に係合されるとともに、木製天板1と支持脚2とが所定の位置に位置決めされる。その後、パッチン錠50により木製天板1と支持脚2とを固着させる。
【0035】
パッチン錠50により木製天板1と支持脚2とを固着させる方法について、図5を用いて詳細に説明する。図5に示すように、パッチン錠50は、レバー50aとフック50bと突起50cとからなっている。レバー50aは第1取付凹部12に取り付けられた軸回りに回動可能になっている。また、フック50bはレバー50aに設けられた軸回りに回動可能になっている。さらに突起50cは第2取付凹部20cに取り付けられている。このパッチン錠50により木製天板1と支持脚2とを固着させるには、まず図5(1)に示すように、フック50bを矢印で示す方向に倒し、フック50bの先端を突起50cに引っ掛ける。そして、図5(2)に示すようにレバー50aを矢印で示す方向に倒す。これにより、図5(3)に示すように、木製天板1と支持脚2とが引き合わされて固着される。また、レバー50aを引き上げれば、木製天板1と支持脚2との固着を解除することができる。なお、怪我を防止する観点から、パッチン錠50の係止時において、木製天板1の裏面1b及び凸状板20の裏面20bからパッチン錠50が突出しないことが望ましい。さらに、このタイプのパッチン錠50では、突起50cがフック50b内に収納されるため、安全上好ましい。
【0036】
このように、特別な工具を必要とせずに木製天板1の支持脚2への取り付け、取り外しができるため、学童自身で必要な操作をすることができ非常に便利である。また、ビスを使用しないため、木製天板1の支持脚2への取り付け、取り外しを頻繁に行っても劣化し難く、耐久性に優れている。そのため、学童の身長の伸びに合わせて木製天板1を支持脚2から取り外し、別の支持脚に容易に取り付けることができる。また、小学1年から小学6年まで自分専用の木製天板1を使用して、卒業時においてその木製天板1を記念品として持ち帰ることができる。
【0037】
なお、木製天板1の裏面1bには、パッチン錠50を収納する第1取付凹部12が凹状溝10の壁面10bに開口して凹設されているが、図6に示すように、凹状溝10の係合凹部11に開口して第1取付凹部13を凹設してもよい。そして、木製天板1の第1取付凹部13に対応する凸状板20の裏面20bには、係合凸部21に開口してパッチン錠50を収納する第2取付凹部20dが凹設される。この場合におけるパッチン錠50の使用方法については図5に示すものと同じである。
【0038】
また、図7に示すように、第1取付凹部12、13と第2取付凹部20c、20dを設けることなく、木製天板1の裏面1bと凸状板20の裏面20bとに直接、パッチン錠51を取り付けてもよい。パッチン錠51はレバー51aとフック51bと突起51cとからなり、作用、効果はパッチン錠50と同様である。なお、パッチン錠50、51は例示であり、その他のパッチン錠を用いてもよい。
【0039】
さらに、パッチン錠50、51の替わりに、係止具として、図8に示すスナップボタン52を用いてもよい。スナップボタン52は凹部品のバネ52aと凸部品のゲンコ52bとからなっている。バネ52aは第1取付凹部12に固定された取付布53に取り付けられ、ゲンコ52bは第2取付凹部20cに取り付けられている。また、係止具として、スナップボタン52の替わりに面ファスナーを用いてもよい。
【0040】
また、凸状板20、係合凸部21の替わりに、図9(1)、(2)、(3)に示す凸状板22、24、26、係合凸部23、25、27を用いることもできる。図7(1)の係合凸部23の断面形状は二等辺三角形であり、図7(2)の係合凸部25の断面形状は四角形であり、図7(3)の係合凸部27の断面形状は半円形である。なお、凸状板22、24、26、係合凸部23、25、27に対応する凹状溝、係合凹部はそれぞれ略同じ断面形状であり図示を省略する。
【0041】
図10は、木製天板1の裏面1bの図である。図10に示すように、木製天板1の裏面1bに、児童の各学年における目標や身長を記載できる。これにより、木製天板1への愛着がより大きくなり、学童机をより大切に取り扱うという気持ちが育つことになる。
【0042】
実施形態1の学童机においては、木製天板1の裏面1bには一対の凹状溝10が設けられ、この一対の凹状溝10の長手方向の両側の側部には係合凹部11が凹設されている。また、支持脚2には凹状溝10に嵌め込まれる一対の凸状板20が設けられ、この一対の凸状板20の長手方向の両側の側部には係合凹部11に係合する係合凸部21が突設されている。この学童机では、支持脚2の凸状板20を木製天板1の凹状溝10に嵌め込んで係合凸部21と係合凹部11とを係合させた状態で支持脚2又は木製天板1を所定位置までスライドさせた後、木製天板1と凸状板20とに設けられたパッチン錠50により木製天板1と支持脚2とを固着させることができる。これにより、学童机の使用時において木製天板1が外れ難くなる。また、この学童机は、木製天板1と支持脚2とパッチン錠50とからなっているため、既存の学童机に木製保護天板を装着する場合に比べ、重量を抑えることができる。したがって、この学童机によれば、使用時において木製天板1が外れ難く、全体の重量を抑制することができる。
【0043】
また、この学童机では、木製天板1と凸状板20との裏面1b、20bには、パッチン錠50を収納する第1、2取付凹部12、20cが凹設されている。そのため、パッチン錠50の係止時において、木製天板1の裏面1b及び凸状板20の裏面20bからパッチン錠50が突出しないようにすることができ、怪我を防止することができる。
【0044】
さらに、この学童机では、係止具としてパッチン錠50を採用しているため、簡易かつ安価である。
【0045】
また、この学童机では、係合凸部21及び係合凹部11の長手方向と直角方向の断面形状が直角三角形であり、係合凸部21と係合凹部11との係合が解除され難い。
【0046】
さらに、この学童机では、木製天板1の表面1aには、タブレットコンピュータを安定して載置するための溝15が木製天板1の長手方向の側面1e、1fと平行に設けられている。この溝15にタブレットコンピュータのケースの下端部を入れ込めば、タブレットコンピュータを安定して木製天板1上に立て掛けることができる。なお、溝15のかわりに突起を用いて、タブレットコンピュータを安定させることもできる。
【0047】
次に、実施形態2の学童机について説明する。図11は学童机の分解斜視図、図12は学童机の分解正面断面図、図13は学童机の分解側面図である。図11から図13に示すように、この学童机は木製天板3と支持脚4と係止具6とからなっている。木製天板3は長方形板状をなし、対向する2つの側面3c、3d近傍の裏面3bには略長方形状の一対の凹状溝30が側面3c、3dに沿って設けられ、一対の凹状溝30の長手方向であって側面3c側の側部には係合凹部31が凹設されている。
【0048】
また、木製天板3の表面3aには、タブレットコンピュータを安定して載置するための溝35が側面3e、3fと平行に設けられている。ただし、溝35の長手方向の長さは適宜変更可能であり、例えば、側面3c、3dに開口するようにしてもよい。この溝35にタブレットコンピュータのケースの下端部を入れ込めば、タブレットコンピュータを安定して木製天板3上に立て掛けることができる。なお、本実施形態においては、一対の凹状溝30は側面3c、3dに沿って設けられているが、側面3e、3fに沿って設けることもできる。また、溝35の替わりに突起を設けて、タブレットコンピュータを安定して載置することができるようにしてもよい。
【0049】
支持脚4は、木製天板3を安定して水平に支持するものであり、脚本体90と一対の凸状板40とからなっている。脚本体90は一般的なものであり、金属製の物入れ90a、フレーム90b、補強パイプ90cが溶着されている。なお、本実施形態2においては脚本体90として金属製のものを用いているが、樹脂製又は木製のものであってもよい。凸状板40は略長方形板状をなし、補強パイプ90cに沿って設けられ、木製天板3の凹状溝30に嵌め込まれる。この凸状板40は原則として取り替えられることがないため、脚本体90にビス締めされている。また、一対の凸状板40の長手方向であって同じ側の側部には、木製天板3の係合凹部31に係合する係合凸部41が突設されている。この係合凸部41と係合凹部31とを係合させることにより、木製天板3を支持脚4に取り付けることができる。なお、木製天板3において一対の凹状溝30を側面3e、3fに沿って設けた場合は、凸状板40は両端を補強パイプ90cに架け渡した状態で設けられる。
【0050】
係止具6は、木製天板3と支持脚4とを固着させるものである。支持脚4の凸状板40を木製天板3の凹状溝30に嵌め込んだ後、支持脚4又は木製天板3をスライドさせて係合凸部41と係合凹部31とを係合させたとき、凹状溝30には係止空間32(図16参照)ができる。この係止空間32(図16参照)に係止具6を嵌入して木製天板3と支持脚4とを固着させることができる。
【0051】
図14に示すように、凹状溝30は幅の長さL1の開口部30aを有し、木製天板3の裏面3b側に開口している。また、凹状溝30は長手方向に直角の断面が高さH1の直角台形をなし、一方の側部には係合凹部31が凹設されている。この係合凹部31は長手方向に直角の断面が直角三角形をなし、凹状溝30は全体として木製天板3の表面3a方向に向かって幅広になっている。そして、凹状溝30の他方の側部であって、長手方向に直角の側面部には後述する係止具6の係止突起61(図18参照)が嵌入される係止穴32aが凹設されている。
【0052】
また、凸状板40の長手方向に直角の断面は、凹状溝30と同様、高さH2の直角台形をなし、一方の側部には係合凸部41が一体として突設されている。この係合凸部41は長手方向に直角の断面が直角三角形をなし、凸状板40は全体として上方に向かって幅広になっている。なお、凸状板40の高さH2は、凹状溝30の高さH1と同じになっている。これにより、木製天板3と支持脚4とを固着させたとき、木製天板3の裏面3bと凸状板40とが面一になる。また、係合凸部41と係合凹部31とは同じ形状であり、係合凸部41の方が係合凹部31より僅かに小さくなっている。さらに、凸状板40の最大幅の長さL2は、凹状溝30の開口部30aの幅の長さL1より少し短くなっている。
【0053】
図15は、支持脚4の上方から木製天板3を被せて、凸状板40を凹状溝30に嵌め込んだ状態を表している。ここで、凸状板40の最大幅の長さL2は、凹状溝30の開口部30aの幅の長さL1より少し短くなっているため、凸状板40を凹状溝30に容易に嵌め込むことができる。なお、本実施形態においては、支持脚4の上方から木製天板3を被せているが、木製天板3の裏面3bを上方に向けて置き、その上から支持脚4を上下反対にして下し、凸状板40を凹状溝30に嵌め込んでもよい。図15の状態において、矢印の方向に木製天板3をスライドさせると、図16に示すように、係合凸部41と係合凹部31とが係合する。
【0054】
図16に示すように、係合凸部41と係合凹部31とは同じ形状であり、係合凸部41の大きさの方が係合凹部31の大きさより僅かに小さくなっているため確実に係合し、木製天板3を支持脚4に取り付けることができる。そして、係合凸部41と係合凹部31とが係合すると、凹状溝30の長手方向と直角方向であって係合凹部31と反対側には係止具6が嵌入される係止空間32ができる。また、係止空間32の長手方向に直角の側面には係止穴32aが凹設されている。この係止空間32に係止具6を嵌入して、木製天板3と支持脚4とを固着させることができる。そして、木製天板3と支持脚4とが固着すると、凸状板40の高さH2と凹状溝30の高さH1とが同じになっているため、木製天板3の裏面3bと凸状板40とが面一になる。これにより、学童の脚が木製天板3の裏面3bに触れた場合でも安全性が確保されるのみならず、不快感を覚えることもない。
【0055】
なお、凸状板40、係合凸部41の替わりに、図17(1)、(2)、(3)に示す凸状板42、44、46、係合凸部43、45、47を用いることもできる。図17(1)の係合凸部43の断面形状は二等辺三角形であり、図17(2)の係合凸部45の断面形状は四角形であり、図17(3)の係合凸部47の断面形状は半円形である。なお、凸状板42、44、46、係合凸部43、45、27に対応する凹状溝、係合凹部はそれぞれ略同じ断面形状であり図示を省略する。
【0056】
図18は、長さがL3の係止空間32の断面図であって、木製天板3の側面3c、3dと平行な断面図である。そして、係止具6を係止空間32と対応させて示している。図18に示すように、係止空間32の長手方向に直角の2つの側面部には、断面形状が円形である深さL4、L5の係止穴32a、32bが凹設されている。係止穴32aは木製天板3の側面3f側に設けられ、係止穴32bは木製天板3の側面3e側に設けられている。係止穴32aの深さL4は係止穴32bの深さL5より深くなっており、係止穴32aには弾性体としてのスプリング36が一端を係止穴32aの底部に固着されて設けられている。
【0057】
また、係止具6は、長さL6の四角柱状の係止具本体60と、係止具本体60の両端に段付き状に一体として設けられた係止突起61、62とからなっている。係止具本体60には、滑り止め用の外周溝60aが外周に設けられている。係止突起61、62の径は、それぞれ係止穴32a、32bの径より少し小さくなっており、係止突起61、62が係止穴32a、32bに嵌入されるようになっている。また、係止突起61の長さL7は係止突起62の長さL8より長くなっており、係止突起62の長さL8は係止穴32bのL5と略同じである。そして、係止空間32の長さL3は、係止具本体60の長さL6と係止突起62の長さL8とを加えた長さ(L6+L8)より少し長くなっているとともに、係止具本体60の長さL6と係止突起61の長さL7とを加えた長さ(L6+L7)より少し短くなっている。これにより、係止具6を係止空間32に嵌入することができるとともに、係止具6の係止空間32からの脱落を防止することができる。なお、係止具本体60を四角柱状としているが、円柱状であってもよい。また、係止具6は木製であっても金属製であってもよいが、金属製の場合は係止具6全体を中空とすることが望ましい。
【0058】
図19図20において、係止具6を係止空間32に嵌入する方法について詳細に説明する。まず、図19に示すように、係止具本体60を外周溝60aを利用して把持し、係止突起61をスプリング36の付勢力に抗して係止穴32aに嵌入させる。係止具本体60の長さL6と係止突起62の長さL8とを加えた長さ(L6+L8)が係止空間32の長さL3より少し短くなっているため、係止突起61が係止穴32aに十分に嵌入された状態において係止具6を矢印の方向に回転させれば、図20に示すように、係止具6を係止空間32に嵌入することができる。
【0059】
図20においては、係止具6がスプリング36により係止穴32bの方向に付勢され、係止突起62が係止穴32bに嵌入する。ここで、係止具本体60の長さL6と係止突起61の長さL7とを加えた長さ(L6+L7)が係止空間32の長さL3より少し長くなっているため、係止具6は係止空間32から脱落することはない。このようにして、係止具6は係止空間32内に係止される。これにより、係合凸部41の係合凹部31内での移動が規制され、係合凸部41と係合凹部31との係合を確実に維持することができ、使用時において木製天板3が支持脚4から外れ難くなる。
【0060】
また、係止具6を係止空間32から取り外すには、係止具本体60の外周溝60aを利用して、指で係止具6をスプリング36の付勢力に抗して係止穴32aの方向に押圧すればよい。これにより、係止具本体60の長さL6と係止突起32の長さL8とを加えた長さ(L6+L8)が係止空間32の長さL3より少し短くなっているため、係止具6を係止空間32から取りだすことができる。そして、係合凸部41と係合凹部31との係合が解除されて、木製天板3を支持脚4から取り外すことができる。
【0061】
このように、特別な工具を必要とせずに木製天板3の支持脚4への取り付け、取り外しができるため、学童自身で必要な操作をすることができ非常に便利である。また、ビスを使用しないため、木製天板3の支持脚4への取り付け、取り外しを頻繁に行っても劣化し難く、耐久性に優れている。そのため、学童の身長の伸びに合わせて木製天板3を支持脚4から取り外し、別の支持脚に容易に取り付けることができる。また、小学1年から小学6年まで自分専用の木製天板3を使用して、卒業時においてその木製天板3を記念品として持ち帰ることができる。なお、本実施形態2においては、一対の係止空間32の一方のみに係止具6を使用しているが、両方の係止空間32に係止具6を使用してもよい。
【0062】
また、係止具6の替わりに図21に示す係止具7を用いることもできる。図21は、係止空間33の断面図であって、木製天板3の側面3c、3dと平行な断面図である。そして、係止具7を係止空間33と対応させて示している。図21に示すように、係止空間33の長手方向に直角の2つの側面部には、断面形状が円形である係止穴33a、33bが凹設されている。係止穴33aは木製天板3の側面3f側に設けられ、係止穴33bは木製天板3の側面3e側に設けられている。
【0063】
また、係止具7は、係止具本体70、係止突起71、ガイド突起72、係止円筒73、スプリング74、Cリング75からなっている。係止具本体70は四角柱状をなし、外周に滑り止め用の外周溝70aが設けられている。係止突起71は係止具本体70の一端に段付き状に一体として設けられ、係止穴33bに嵌入される。ガイド突起72は係止具本体70の他端に段付き状に一体として設けられ、スプリング74が巻回されている。係止円筒73は有底円筒状をなし、底面73aにはガイド突起72の一端が貫通する貫通孔73bが開けられている。そして、ガイド突起72の一端には、係止円筒73内においてCリング75が取り付けられている。これにより、ガイド突起72にガイドされて係止円筒73が移動し、係止具7全体の長さを変えることができるようになっているため、係止具7を係止空間33に嵌入することができるとともに、係止具7の係止空間33からの脱落を防止することができる。なお、係止空間33への係止具7の取り付け、取り外しについては、係止空間32及び係止具6と略同様であり、記載を省略する。また、係止具本体70を四角柱状としているが、円柱状であってもよい。さらに、係止具7は木製であっても金属製であってもよいが、係止具7が金属製の場合は、係止具本体70及び係止突起71を中空とすることが望ましい。
【0064】
図22は、木製天板3の裏面3bの図である。図22に示すように、木製天板3の裏面3bに、児童の各学年における目標や身長を記載できる。これにより、木製天板3への愛着がより大きくなり、学童机をより大切に取り扱うという気持ちが育つことになる。
【0065】
実施形態2の学童机においては、木製天板3の裏面3bには一対の凹状溝30が設けられ、この一対の凹状溝30の長手方向の同じ側の側部には係合凹部31が凹設されている。また、支持脚4には凹状溝30に嵌め込まれる一対の凸状板40が設けられ、この一対の凸状板40の長手方向の同じ側の側部には係合凹部31に係合する係合凸部41が突設されている。この学童机では、支持脚4の凸状板40を木製天板3の凹状溝30に嵌め込んだ後、木製天板3をスライドさせて係合凸部41と係合凹部31とを係合させると、凹状溝30には係止空間32が形成される。この係止空間32に係止具6を嵌入すれば、木製天板3と支持脚4とを固着させることができる。そして、係止具6が係止空間32に嵌入されれば、係合凸部41と係合凹部31との係合が解除されることはなく、学童机の使用時において木製天板3が外れ難くなる。また、この学童机は、木製天板3と支持脚4と係止具6とからなっているため、既存の学童机に木製保護天板を装着する場合に比べ、重量を抑えることができる。したがって、この学童机によれば、使用時において木製天板3が外れ難く、全体の重量を抑制することができる。
【0066】
また、この学童机では、係合凸部41及び係合凹部31の長手方向と直角方向の断面形状が直角三角形であり、係合凸部41と係合凹部31との係合が解除され難い。
【0067】
さらに、この学童机では、係止空間32の長手方向と直角方向の両側面部に一対の係止穴32a、32bが凹設されている。そして、係止具6の両端の係止突起31、32が係止穴32a、32bに嵌入され、スプリング36により係止具6が係止空間32に係止される。これにより、係合凸部41の係合凹部31内での移動が規制され、係合凸部41と係合凹部31との係合を確実に維持することができる。
【0068】
また、この学童机では、木製天板3の表面3aには、タブレットコンピュータを安定して載置するための溝35が木製天板3の長手方向の側面3e、3fと平行に設けられている。この溝35にタブレットコンピュータのケースの下端部を入れ込めば、タブレットコンピュータを安定して木製天板3上に立て掛けることができる。なお、溝35のかわりに突起を用いて、タブレットコンピュータの下端部を安定させることもできる。
【0069】
次に、実施形態3の学童机について説明する。図23、24は実施形態3の学童机の分解斜視図、分解正面断面図である。この学童机は実施形態2の学童机と略同一の構成であり、同一の構成については同一の符号を用いるものとし、異なる構成についてのみ説明する。図23、24に示すように、木製天板3の裏面3b及び凸状板40の裏面40bには第1、2取付凹部34、40cが凹設され、第1、2取付凹部34、40cには実施形態1と同じパッチン錠50が収納されて取り付けられている。この第2取付凹部40cは、一方の凸状板40(図23において図面左側)に2つ設けられ、他方の凸状板40には設けられていない。そして、第1取付凹部34は第2取付凹部40cに対応した木製天板3の位置に設けられている。また、係止空間32には係止穴32aは設けられていない。その他の構成は実施形態2と同様である。この学童机では、支持脚4の凸状板40を木製天板3の凹状溝30に嵌め込み、支持脚4又は木製天板3をスライドさせて係合凸部41と係合凹部31とを係合させた後、パッチン錠50を係止させることにより木製天板3と支持脚4とを固着させることができる。なお、本実施形態3においては、パッチン錠50を第1、2取付凹部34、40cに収納して取り付けているが、第1、2取付凹部34、40cを設けることなく、木製天板3の裏面3b及び凸状板40の裏面40bにパッチン錠50を直接取り付けてもよい。なお、パッチン錠50により木製天板3と支持脚4とを固着させる方法については、実施形態1と同様であり説明を省略する。
【0070】
実施形態3の学童机においては、木製天板3の裏面3b及び凸状板40の裏面40bには、パッチン錠50を収納する第1、2取付凹部34、40cが凹設されている。この学童机では、支持脚4の凸状板40を木製天板3の凹状溝30に嵌め込み、支持脚4又は木製天板3をスライドさせて係合凸部41と係合凹部31とを係合させた後、第1、2取付凹部34、40cに設けられたパッチン錠50により木製天板3と支持脚4とを固着させることができる。これにより、係合凸部41と係合凹部31との係合が解除されることはなく、学童机の使用時において木製天板3が外れ難くなる。また、この学童机は、木製天板3と支持脚4とパッチン錠50とからなっているため、既存の学童机に木製保護天板を装着する場合に比べ、重量を抑えることができる。したがって、この学童机によれば、使用時において木製天板3が外れ難く、全体の重量を抑制することができる。その他の作用、効果は実施形態2と同様である。
【0071】
以上、本発明の学童机を実施形態に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0072】
1、3…木製天板、1a、3a…表面、1b、3b、20b、40b…裏面、1c、1d、1e、1f、3c、3d、3e、3f…側面、2、4…支持脚、6、7、50、51、52…係止具(50、51…パッチン錠、52…スナップボタン)、10、30…凹状溝、11、31…係合凹部、12、13…第1取付凹部、15、35…溝、20、22、24、26、40、42、44、46…凸状板、20c、20d…第2取付凹部、21、23、25、27、41,43、45、47…係合凸部、32、33…係止空間、32a、32b、33a、33b…係止穴、34…第3取付凹部、36、74…弾性体(スプリング)、40c…第4取付凹部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24