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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131952
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報共有システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240920BHJP
   G06Q 50/163 20240101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042538
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】有坂 太志
(72)【発明者】
【氏名】池田 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】菊池 賢
(72)【発明者】
【氏名】木村 優
(72)【発明者】
【氏名】関口 洋嗣
(72)【発明者】
【氏名】林 康治
(72)【発明者】
【氏名】森本 貴之
(72)【発明者】
【氏名】守谷 一希
(72)【発明者】
【氏名】吉永 沙織
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC15
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】本発明は、所有者などが、自身の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報のみならず、他人の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報も知得できるようにすることを目的とする。
【解決手段】情報共有システムは、複数の端末装置と、情報処理装置と、を備える。前記複数の端末装置は、同一の種類のコンポーネントが設けられた複数の住宅をそれぞれ所有し、使用し又は居住する複数のユーザーによってそれぞれ用いられる。情報処理装置は、電子掲示板により、外装材の劣化に関する情報を前記複数の端末装置の間で共有させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の同一の種類のコンポーネントが設けられた複数の住宅をそれぞれ所有し、使用し又は居住する複数のユーザーがそれぞれ用いる複数の端末装置と、情報処理装置とを備える情報共有システムであって、
前記情報処理装置は、コンポーネントの劣化に関する情報を前記複数の端末装置の間で共有させる
ことを特徴とする情報共有システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報共有システムであって、
前記情報処理装置が、電子掲示板により、コンポーネントの劣化に関する情報を前記複数の端末装置の間で共有させる
ことを特徴とする情報共有システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報共有システムであって、
前記複数の端末装置のうち何れかの第1端末装置が、ユーザーにより操作されることによってコンポーネントの劣化に関する情報を投稿情報として受け付けて、前記投稿情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置が、前記投稿情報を前記第1端末装置から受信し、ストレージ装置に記憶されて投稿リストデータに前記投稿情報を追加的に記録し、
前記複数の端末装置のうち何れかの第2端末装置が、前記情報処理装置にアクセスしたら、前記情報処理装置が、前記ストレージ装置から前記投稿リストデータを読み込み、前記投稿リストデータに含まれる複数の投稿情報を前記第2端末装置に送信し、前記第2端末装置が、送信された前記複数の投稿情報を表示する
ことを特徴とする情報共有システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報共有システムであって、
前記情報処理装置が前記投稿リストデータに前記投稿情報を追加的に記録したら、前記情報処理装置が、前記第1端末装置を操作するユーザーに割り当てられたユーザーIDに対応付けられたポイントデータに所定加算ポイントを加算して前記ポイントデータを更新する
ことを特徴とする情報共有システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の情報共有システムであって、
前記投稿情報が、コンポーネントの劣化状況を表す劣化状況情報、コンポーネントの使用期間を表す使用期間情報、コンポーネントが用いられる住宅の所在地を表す所在地情報、塩害の有無を表す塩害有無情報、海からの遠近を表す遠近情報、コンポーネントが受けてきた気象環境を表す気象環境情報、フリーワード情報、又は、コンポーネントが写った現物画像を含む
ことを特徴とする情報共有システム。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の情報共有システムであって、
前記情報処理装置が、地域の気象環境の影響によるコンポーネントの劣化のし易さを表す劣化容易性を地域ごとに含む分布データに基づいて、地域ごとの劣化容易性の分布を表した分布図を生成して、前記分布図を前記第2端末装置に送信し、
前記第2端末装置が、前記分布図を表示する
ことを特徴とする情報共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2は、住宅メンテナンスシステムを開示する。
【0003】
特許文献1に開示の住宅メンテナンスシステムは、外装材の耐用年数及び建設地の気候条件に基づいて、外装材の経年劣化による外装材の劣化進行を表す第1劣化予測線を算出する。この住宅メンテナンスシステムは、災害予測情報に基づいて、災害による外装材の劣化進行を表す第2劣化予測線を算出する。この住宅メンテナンスシステムは、第1劣化予測線及び第2劣化予測線に基づいて、劣化許容値となる外装材のメンテナンス時期を算出する。
【0004】
特許文献2に開示の住宅メンテナンスシステムは、建物の建設地の環境条件の評価結果に基づいて、建物の屋根部材の経年劣化に応じた劣化度合を算出する。この住宅メンテナンスシステムは、算出した劣化度合いと、屋根部材の耐用年数と、屋根部材の劣化許容値とに基づいて、屋根部材のメンテナンス時期を算出する。実際の環境条件の評価結果が所定期間ごとに変わるため、この住宅メンテナンスシステムは所定期間ごとに屋根部材のメンテナンス時期を再算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-103960号公報
【特許文献2】特開2012-241325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
住宅の所有者などが自身の住宅の外装材のメンテナンス時期を判断するにあたって、自身の住宅の外装材の劣化度合が重要な指標になる。所有者などの住宅の外装材が他人の住宅の外装材と同一種類であれば、これら外装材が同じように劣化することから、所有者など住宅の外装材の劣化度合のみならず、他人の住宅の外装材の劣化度合もメンテナンス時期の判断の材料になり得る。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、所有者などが、自身の住宅の外装材などのようなコンポーネントの劣化に関する情報のみならず、他人の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報も知得できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、住宅の同一の種類のコンポーネントが設けられた複数の住宅をそれぞれ所有し、使用し又は居住する複数のユーザーがそれぞれ用いる複数の端末装置(10)と、情報処理装置(20)とを備える情報共有システム(1)であって、前記情報処理装置(20)は、コンポーネントの劣化に関する情報を前記複数の端末装置(10)の間で共有させることを特徴とする情報共有システム(1)が提供される。
【0008】
以上のような請求項1に係る発明によれば、コンポーネントの劣化に関する情報が複数の端末装置(10)の間で共有されるため、ユーザーが自身の端末装置(10)を通じて、自身の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報のみならず、他人の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報も知得できる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の情報共有システム(1)であって、前記情報処理装置(20)が、電子掲示板により、コンポーネントの劣化に関する情報を前記複数の端末装置(10)の間で共有させることを特徴とする情報共有システム(1)が提供される。
【0010】
以上のような請求項2に係る発明によれば、ユーザーが自身の端末装置(10)を情報処理装置(20)にアクセスさせることによって、ユーザーが自身の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報のみならず、他人の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報も知得できる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、請求項1に記載の情報共有システム(1)であって、前記複数の端末装置(10)のうち何れかの第1端末装置(10)が、ユーザーにより操作されることによってコンポーネントの劣化に関する情報を投稿情報として受け付けて、前記投稿情報を前記情報処理装置(20)に送信し、前記情報処理装置(20)が、前記投稿情報を前記第1端末装置(10)から受信し、ストレージ装置(40)に記憶されて投稿リストデータ(39)に前記投稿情報を追加的に記録し、前記複数の端末装置(10)のうち何れかの第2端末装置(10)が、前記情報処理装置(20)にアクセスしたら、前記情報処理装置(20)が、前記ストレージ装置(40)から前記投稿リストデータ(39)を読み込み、前記投稿リストデータ(39)に含まれる複数の投稿情報を前記第2端末装置(10)に送信し、前記第2端末装置(10)が、送信された前記複数の投稿情報を表示することを特徴とする情報共有システム(1)が提供される。
【0012】
以上のような請求項3に係る発明によれば、ユーザーが第1端末装置(10)を操作することによって、コンポーネントの劣化に関する情報を第1端末装置(10)に入力すると、その情報が投稿情報として第1端末装置(10)に受け付けられて、第1端末装置(10)から情報処理装置(20)へ送信されて、ストレージ装置(40)の投稿リストデータ(39)に追加的に記録される。これにより、ユーザーがコンポーネントの劣化に関する情報を情報処理装置(20)に提供することができる。
他のユーザーが第2端末装置(10)を情報処理装置(20)にアクセスさせたら、投稿リストデータ(39)に含まれる複数の投稿情報が情報処理装置(20)から第2端末装置(10)に送信されて、第2端末装置(10)によって表示される。これにより、そのユーザーが、投稿リストデータ(39)に含まれる複数の投稿情報を閲覧することによって、他人の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報を知得できる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、請求項3に記載の情報共有システム(1)であって、前記情報処理装置(20)が前記投稿リストデータ(39)に前記投稿情報を追加的に記録したら、前記情報処理装置(20)が、前記第1端末装置(10)を操作するユーザーに割り当てられたユーザーIDに対応付けられたポイントデータに所定加算ポイントを加算して前記ポイントデータを更新することを特徴とする情報共有システム(1)が提供される。
【0014】
以上のような請求項4に係る発明によれば、ユーザーがコンポーネントの劣化に関する情報を情報処理装置(20)に提供したら、そのユーザーに割り当てられたユーザーIDに対応付けられたポイントデータが所定加算ポイントだけ加算される。ポイントの加算は、コンポーネントの劣化に関する情報の提供の動機付けをユーザーに与える。よって、コンポーネントの劣化に関する情報の共有が進みやすい。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、請求項3又は4に記載の情報共有システム(1)であって、前記投稿情報が、コンポーネントの劣化状況を表す劣化状況情報、コンポーネントの使用期間を表す使用期間情報、コンポーネントが用いられる住宅の所在地を表す所在地情報、塩害の有無を表す塩害有無情報、海からの遠近を表す遠近情報、コンポーネントが受けてきた気象環境を表す気象環境情報、フリーワード情報、又は、コンポーネントが写った現物画像を含むことを特徴とする情報共有システム(1)が提供される。
【0016】
以上のような請求項5に係る発明によれば、ユーザーが自身の端末装置(10)を通じて、他人の住宅のコンポーネントに関する劣化状況情報、使用期間情報、所在地情報、塩害有無情報、遠近情報、気象環境情報、フリーワード情報又は現物画像を知得できる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、請求項3又は4に記載の情報共有システム(1)であって、前記情報処理装置(20)が、地域の気象環境の影響によるコンポーネントの劣化のし易さを表す劣化容易性を地域ごとに含む分布データ(38)に基づいて、地域ごとの劣化容易性の分布を表した分布図(171)を生成して、前記分布図(171)を前記第2端末装置(10)に送信し、前記第2端末装置(10)が、前記分布図(171)を表示することを特徴とする情報共有システム(1)が提供される。
【0018】
以上のような請求項6に係る発明によれば、地域ごとの劣化容易性の分布を表した分布図(171)が、第2端末装置(10)のユーザーに提供される。そのため、そのユーザーは、自身の地域の気象環境がコンポーネントを劣化させるのか否かを知得できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、所有者などが、自身の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報のみならず、他人の住宅のコンポーネントの劣化に関する情報も知得できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、情報共有システムの全体的な構成を示す図である。
図2図2は、情報処理装置及びストレージ装置のブロック図である。
図3A図3Aは、劣化度の高い外装材が写った標本画像の一例を示す図である。
図3B図3Bは、中程度の劣化度の外装材が写った標本画像の一例を示す図である。
図3C図3Cは、劣化度の低い外装材が写った標本画像の一例を示す図である。
図4図4は、特性リストデータをデータテーブル形式で示す図である。
図5図5は、外装材リストデータをデータテーブル形式で示す図である。
図6図6は、分布データをデータテーブル形式で示す図である。
図7図7は、劣化度と時間の関係を表した経年劣化関数のグラフである。
図8図8は、予測結果データをデータテーブル形式で示す図である。
図9図9は、予測結果の表示画面の一例を示す図である。
図10図10は、劣化度と時間の関係を表した経年劣化関数及び補正済みの経年劣化関数のグラフである。
図11図11は、補正結果データをデータテーブル形式で示す図である。
図12図12は、補正結果の表示画面の一例を示す図である。
図13図13は、外装材の劣化に関する情報を入力するための入力画面の一例を示す図である。
図14図14は、投稿リストデータをデータテーブル形式で示す図である。
図15図15は、投稿情報の表示画面の一例を示す図である。
図16図16は、分布図の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。実施形態の特徴及び技術的な効果は、以下の詳細な説明及び図面から理解される。ただし、本発明の範囲は、以下に開示された実施形態に限定されない。図面は例示のみのために提供されるため、本発明の範囲は図面の例示に限定されない。
【0022】
以下の説明において、「第1」及び「第2」などのような序数が共通の名称に付されている場合、序数はそれが付された対象を識別する目的でのみ用いられる。序数はそれが付された対象を特定の対象に限定しない上、序数はそれが付された対象の順番、順位、順序、階級、優先及び劣後などを特定しない。
【0023】
<情報共有システムの概要>
図1は、情報共有システム1の全体的な構成を示すブロック図である。情報共有システム1は、住宅92ごとに、住宅92の外装材の劣化を予測するシステムである。情報共有システム1は、或る住宅92の或る外装材の劣化に関する情報を、その外装材と同種の外装材を用いた複数の住宅92の間で共有させるシステムである。
なお、以下の説明では、住宅92のコンポーネントの例として外装材が挙げる。但し、コンポーネントは住宅92を構成する要素であれば、外装材以外であってもよい。例えばコンポーネントは構造材、内装材又は外構材であってもよい。構造材とは、住宅92の骨格を成す例えば基礎、土台、柱、梁、壁パネル、小屋組及び屋根版などのような部材をいう。外装材とは、構造体の組立体に外装されるとともに屋外に露出した部材をいう。外装材は、例えば屋根材、外壁材、ルーフィング、シーリング、窓サッシ及び玄関ドアなどのような部材である。内装材とは、構造体の組立体に内装されるとともに屋外に露出していない部材をいう。内装材は、例えば間仕切り壁、造作材、床材、天井材、建具及び内装ドアなどのような部材である。外構材とは、庭等のような屋外に設置される例えばフェンス、カーポート部品及びアプローチ部品などのような部材をいう。
【0024】
住宅92は、日本各地に存在する。住宅92は、様々な方角に向けて建てられている。各住宅92の外装は、例えば屋根材、外壁材、ルーフィング及びシーリングなどのような外装材によって仕上げられている。住宅92は、ユーザー91によって所有され、使用され、又は居住される。以下、ユーザー91によって所有され、使用され、又は居住される住宅92のことをユーザー91の住宅92という。住宅92は、新築と中古のどちらであってもよい。住宅92の施工業者は問わない。例えば、全ての住宅92が同一業者によって施工されてもよいし、幾つかの住宅92が異なる業者によって施工されてもよい。
【0025】
情報共有システム1は、情報処理装置20、ストレージ装置40、多数の端末装置10及び多数の撮像装置11を備える。
【0026】
<端末装置及び撮像装置>
端末装置10は、それぞれユーザー91によって使用される。端末装置10は、汎用コンピューターシステム又は専用コンピューターシステムから構成される。汎用コンピュータシステムとは、汎用OS(Operating System)がインストールされた例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピューター、ラップトップ型コンピューター及びデスクトップ型コンピューターなどのようなコンピューターシステムをいう。汎用OSは、例えば、Windows(登録商標)、Android(登録商標)、iOS(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)又はUnix(登録商標)である。専用コンピューターシステムとは、住宅92の内壁などに設置されているとともに、住宅92の電気製品の監視又は制御をする機能を有するコンピューターシステムをいう。例えば、専用コンピューターシステムとしては、HEMS(Home Energy Management System)コントローラーが挙げられる。電気製品は、例えば、空調装置、照明器、給湯器、冷蔵庫、テレビ、家庭用電気機器、通信装置、太陽光発電機又は蓄電器である。電気製品の監視とは、例えば、電気製品の状態の監視、電気製品の消費電力の監視若しくは積算、電気製品の発電電力の監視若しくは積算などをいう。端末装置10は、電気製品を無線又は有線により制御するリモートコントローラに内蔵されてもよい。
【0027】
端末装置10は、表示装置を有する。端末装置10は、表示装置により各種の表示をする。端末装置10は、タッチパネル、押しボタン、キー、キーボード、マウス、タッチパッド、スタライス及びポインティングデバイスなどのような入力装置を有する。ユーザー91が入力装置を操作することによって、端末装置10がその操作に応じた指令及び情報などを受け付ける。
【0028】
端末装置10は、携帯電話回線通信モジュール、ネットワークカード及びWiFi(登録商標)子機などのような通信器を有する。端末装置10は、通信器によって、インターネットなどのような通信ネットワーク30に接続されている。端末装置10は、通信ネットワーク30を通じて情報処理装置20にアクセス可能である。例えばVPN(Virtual Private Network)などのようなセキュアな通信プロトコルが、端末装置10と情報処理装置20の間の通信に採用されてもよい。
【0029】
例えばインターネットブラウザ及び閲覧プログラムなどのようなアプリケーションプログラムが端末装置10にインストールされている。端末装置10は、アプリケーションプログラムを実行することによって、通信ネットワーク30を通じて情報処理装置20にアクセスし、ユーザーID(identifier)及びパスワードに基づいて情報処理装置20にログインし、情報処理装置20に情報を提供し、情報処理装置20から情報の提供を受け、提供された情報の内容を表示装置に表示する。ユーザーIDはユーザー91ごとに割り当てられている。各ユーザーIDは一意の値である。ユーザーIDは何れかの住宅92に対応付けられている。
【0030】
端末装置10は、撮像装置11に接続されている。撮像装置11は、撮影対象を撮像して、撮影対象が写った画像を生成する。端末装置10は、撮像装置11によって生成された画像を記憶する。
【0031】
撮像装置11は、端末装置10に内蔵されてもよいし、有線又は無線により端末装置10に対して外付けされてもよい。撮像装置11は、携帯型であってもよいし、据え付け型であってもよい。撮像装置11は、端末装置10と一緒にユーザー91によって携帯されてもよい。撮像装置11は、住宅92の外構に設置されてもよい。撮像装置11は、住宅92の外に設置された防犯カメラ又は定点カメラであってもよい。撮像装置11は、住宅92の近くを飛行するマルチコプターなどのような飛行体に搭載されてもよく、この場合、飛行体はホバリング可能であることが好ましい。撮像装置11は、住宅92の外において住宅92の外装材に向けられるように設置されてもよい。撮像装置11は、住宅92の向かいの住宅の外壁又は屋根等において住宅92の外装材に向けられて設置されてもよい。撮像装置11の画素数は多いほど好ましい。
【0032】
端末装置10は、住宅92の外装材が写った現物画像12及び現物画像13を記憶する。現物画像12は、住宅92の外装材の劣化予測の際に利用される。現物画像13は、住宅92の外装材の劣化に関する情報の提供の際に利用される。
【0033】
現物画像12は撮像装置11によって撮像されて、端末装置10に記録されてもよい。現物画像12は、撮像装置11以外の撮像装置によって撮像されて、端末装置10に記録されてもよい。現物画像12は、例えばGoogle(登録商標) Maps、Google Earth及びGoogle Street Viewなどのような外部サービスから通信ネットワーク30を通じてダウンロードされた画像であってもよい。現物画像12は、住宅92の外装材が写った航空写真、空中写真又はストリートビュー写真であってもよい。現物画像12は、ユーザー91が端末装置10又は撮像装置11を操作することによって撮像装置11により撮像されて、端末装置10に記録されてもよく、この場合、端末装置10は現物画像12に写った外装材を認識して、インターネットを通じて外装材に関する情報を取得し、その情報を表示装置に表示してもよい。外装材に関する情報は、例えば、外装材のメンテナンス履歴又はメンテナンス方法であったり、外装材の点検の際のチェックリストであったりする。現物画像12は、端末装置10が撮像装置11を自動制御することによって撮像装置11により自動的に撮像されて、端末装置10に記録されてもよい。
【0034】
現物画像12の撮影タイミングは問わず、現物画像12が予め撮像されてもよいし、リアルタイムに撮像されてもよい。現物画像12はできる限り新しくて、現物画像12の撮影時間が現物画像12を利用する時刻に近いことが好ましい。現物画像12の撮影時間は、朝、昼、夕及び夜の何れであってもよい。現物画像12に写った外装材は、フラッシュなどのような照明器によって照明されてもよいし、晴天時又は曇天時の日光などのような自然光に当てられてもよい。
【0035】
住宅92の外装材のみが現物画像12に写っていてもよい。住宅92の外装材がその背景と一緒に現物画像12に写っていてもよい。住宅92の外装材が、標本と一緒に現物画像12に写ってもよい。ここでいう標本とは、例えば、住宅92の外装材と同種のサンプル外装材又はその写真をいう。
【0036】
現物画像12は、Exif(Exchangeable image file format)などのようなメタデータを有してもよい。メタデータとしては、例えば、撮影日時情報、位置情報、撮影方向情報、端末装置10又は撮像装置11のメーカー名の情報、端末装置10又は撮像装置11の機種・モデルの名称の情報、現物画像12の解像度、現物画像12の水平方向の単位あたり解像度、現物画像12の垂直方向の単位あたり解像度、及び、現物画像12の撮影条件に関する情報などがある。現物画像12の撮影条件とは、例えばシャッター速度、絞り、ISO感度、測光モード、フラッシュ使用の有無、露光補正ステップ値、焦点距離及び色空間などのような条件をいう。
【0037】
現物画像13は撮像装置11によって撮像されて、端末装置10に記録されてもよい。現物画像13は、撮像装置11以外の撮像装置によって撮像されて、端末装置10に記録されてもよい。現物画像13は、端末装置10が撮像装置11を自動制御することによって撮像装置11により自動的に撮像されて、端末装置10に記録されてもよい。現物画像13の撮影タイミングは問わず、現物画像13が予め撮像されてもよいし、リアルタイムに撮像されてもよい。現物画像13はできる限り新しくて、現物画像13の撮影時間が現在時に近いことが好ましい。現物画像13の撮影時間は、朝、昼、夕及び夜の何れであってもよい。現物画像13に写った外装材は、フラッシュなどのような照明器によって照明されてもよいし、晴天時又は曇天時の日光などのような自然光に当てられてもよい。
【0038】
現物画像13は、Exif(Exchangeable image file format)などのようなメタデータを有してもよい。メタデータとしては、例えば、撮影日時情報、位置情報、撮影方向情報、端末装置10又は撮像装置11のメーカー名の情報、端末装置10又は撮像装置11の機種・モデルの名称の情報、現物画像13の解像度、現物画像12の水平方向の単位あたり解像度、現物画像13の垂直方向の単位あたり解像度、及び、現物画像13の撮影条件に関する情報などがある。現物画像13の撮影条件とは、例えばシャッター速度、絞り、ISO感度、測光モード、フラッシュ使用の有無、露光補正ステップ値、焦点距離及び色空間などのような条件をいう。
【0039】
<情報処理装置>
情報処理装置20は、管理者94によって管理されている。管理者94は、住宅92の施工業者であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0040】
情報処理装置20は、コンピューターシステムにより構成されたサーバー又はホストマシンである。情報処理装置20は、クラウドコンピューティングシステムであってもよい。
【0041】
図2は、情報処理装置20のブロック図である。
情報処理装置20は、コンピューター21、記憶装置22、入力デバイス24、表示デバイス26及び通信器28を備える。
【0042】
コンピューター21は、情報処理装置20の全体的な制御を司るとともに、時間を計って現在時刻を認識する計時機能を有する。コンピューター21は、メインボード、1又は複数のハードウェアプロセッサー、GPU(Graphics Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)などを有する。メインボードは、バス、バスコントローラ及びインターフェース回路などを有するとともに、ハードウェアプロセッサー、GPU、RAM、記憶装置22、入力デバイス24、表示デバイス26及び通信器28の間で情報を伝送する。ハードウェアプロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。ハードウェアプロセッサーは、各種の演算処理を行う。RAMは、ハードウェアプロセッサーによる演算処理に際して、ハードウェアプロセッサーに記憶領域又は作業領域を提供する。GPUは、ハードウェアプロセッサーよりも高速に行える処理(例えば、画像処理及び行列演算処理)をハードウェアプロセッサーの指令の下で行う。
【0043】
入力デバイス24は、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッド、スタライス、ポインティングデバイス、キー及び押しボタンなどのような入力装置である。入力デバイス24は、管理者94が入力デバイス24に対して行った操作の内容に応じた信号をコンピューター21に出力する。コンピューター21は、入力デバイス24から転送された信号に従って、管理者94による入力及び指令を認識する。
【0044】
表示デバイス26は、例えば液晶ディスプレイデバイス又は有機ELディスプレイデバイスであってもよい。表示デバイス26は、コンピューター21から入力した映像信号に従った映像を表示する。
【0045】
通信器28は、例えばネットワークカード又はWiFi(登録商標)子機であってもよい。通信器28は、ルーターなどを介して通信ネットワーク30に接続される。
【0046】
記憶装置22は、例えばHDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)などのようなメモリーデバイスであってもよい。OS(Operating System)が記憶装置22に格納され、OSがコンピューター21によって実行されるように情報処理装置20にインストールされている。記憶装置22には、コンピューター21、特にハードウェアプロセッサーがOS上で実行可能なプログラム23が格納されている。
【0047】
<ストレージ装置>
ストレージ装置40は、半導体記憶装置、磁気記憶装置、NAS(Network Attached Storage)、データサーバー、ファイルサーバー又はクラウドコンピューティングシステムである。情報処理装置20のコンピューター21は、ストレージ装置40に情報を記録したり、ストレージ装置40に記録された情報を読み込んだりする。ストレージ装置40は、インターフェース回路によりコンピューター21に接続されてもよいし、通信ネットワーク30を介してコンピューター21によってアクセスされてもよい。
【0048】
ストレージ装置40は、半導体記憶装置、磁気記憶装置、NAS(Network Attached Storage)、データサーバー、ファイルサーバー又はクラウドコンピューティングシステムである。情報処理装置20のコンピューター21は、ストレージ装置40に情報を記録したり、ストレージ装置40に記録された情報を読み込んだりする。
【0049】
ストレージ装置40は、コンピューター21がプログラム23を実行する際に利用される各種のデータを記憶する。ストレージ装置40は、コンピューター21によって算出されたデータを記憶する。以下に、ストレージ装置40が記憶するデータについて詳細に説明する。
【0050】
ストレージ装置40は、ユーザー91ごとに真正なユーザーIDとパスワードを対応付けた照合用データ41を暗号化した状態で記憶する。各ユーザー91は、ユーザーIDとパスワードを利用して、ログインすることができる。
【0051】
ストレージ装置40は、ユーザー91ごとに、ポイントデータ42を記憶する。ポイントデータ42はユーザーIDごとに準備されているため、ポイントデータ42がユーザーIDにそれぞれ対応付けられている。ポイントデータ42は、経済価値のある換金性のポイントを表す。ポイントデータ42の値が高いほど、ポイントの経済価値が高い。
【0052】
ストレージ装置40は、外装材の種類ごとに、複数の標本画像43を記憶する。つまり、1種類の外装材につき、複数の標本画像43がストレージ装置40に準備されている。各標本画像43は、それに写った外装材の種類に割り当てられた種類IDに対応付けられている。各種類IDは一意の値であり、外装材の種類がそれに割り当てられた種類IDによって特定される。
【0053】
標本画像43は、劣化が進行し又は進行していない外装材を写した画像である。各標本画像43は、それに写った外装材の劣化度に対応付けられている。外装材の劣化度とは、外装材の劣化の進行度合いを表す。劣化度は、ゼロ以上の値である。外装材の劣化が進行していなければ、その外装材の劣化度がゼロである。外装材がより劣化しているほど、その外装材の劣化度がより高い。劣化度は、100分率で表現されてもよいし、100分率による点数で表現されてもよい。
【0054】
図3A図3Bは、複数の標本画像43のうち標本画像43a,43b,43cを示す。
同一の種類の外装材が標本画像43a,43b,43cに写っている。標本画像43aは、劣化が進行していない外装材の画像である。標本画像43aに対応付けられた劣化度は「0」である。標本画像43bに写った外装材は、標本画像43aに写った外装材よりも劣化が進行している。標本画像43bに写った外装材は、標本画像43aに写った外装材よりも色褪せている。標本画像43bに対応付けられた劣化度は「45」である。標本画像43cに写った外装材は、標本画像43bに写った外装材よりも劣化が進行している。標本画像43cに写った外装材は、標本画像43bに写った外装材よりも色褪せている。標本画像43cに対応付けられた劣化度は「90」である。
【0055】
ストレージ装置40は、特性リストデータ44を記憶する。図4に示すように、特性リストデータ44は、外装材の種類ごとの種類ID、種類係数及び許容劣化度からなるリストであり、外装材の種類ごとに種類ID、種類係数及び許容劣化度が互いに対応付けられている。種類IDが外装材の種類にそれぞれ割り当てられている。各種類IDは一意の値であり、外装材の種類がそれに割り当てられた種類IDによって特定される。種類係数とは、外装材の種類及び材料から決まる係数をいう。種類係数は、外装材の種類及び材料が外装材の劣化に及ぼす影響を特定する。種類係数は、例えば実験又はシミュレーションなどのような事前検証によって求められたものである。許容劣化度は外装材が使用に耐え得る最大劣化度であり、外装材の劣化度が許容劣化度を超えた場合には外装材の寿命が尽きる。許容劣化度は、例えば実験又はシミュレーションなどのような事前検証によって求められたものである。許容劣化度は、100分率で表現されてもよいし、100分率による点数で表現されてもよい。
【0056】
ストレージ装置40は、ユーザー91ごとに、外装材リストデータ45を記憶する。外装材リストデータ45はユーザーIDごとに準備されているため、外装材リストデータ45がユーザーIDにそれぞれ対応付けられている。外装材リストデータ45は、ユーザー91の住宅92に使用される外装材を一覧したものである。具体的には、図5に示すように、外装材リストデータ45は一又は複数の項目からなり、各項目は部材番号、種類ID及び設置係数から構成され、項目ごとに部材番号、種類ID及び設置係数が互いに対応付けられている。各部材番号は一意の値である。部材番号は、ユーザー91の住宅92の外装材に割り当てらている。部材番号は、ユーザー91の住宅92の外装材を特定する。種類IDは、ユーザー91の住宅92の外装材の種類を特定する。設置係数とは、ユーザー91の住宅92の外装材の設置位置及び設置方角と住宅92の立地条件とから決まる係数をいう。設置係数は、ユーザー91の住宅92の外装材の劣化の予測に利用される。設置係数は、外装材の設置位置及び設置方角が外装材の劣化に及ぼす影響を特定する。設置係数は、例えば実験又はシミュレーションなどのような事前検証によって求められたものである。なお、外装材の設置位置及び設置方角が変われば、日光が外装材に入射する状況も変わることから、外装材の設置位置及び設置方角が外装材の劣化に及ぼす。
【0057】
ストレージ装置40は、ユーザー91ごとに、予測結果データ46及び補正結果データ47を記憶する。予測結果データ46及び補正結果データ47はユーザーIDごとにあり、予測結果データ46がユーザーIDにそれぞれ対応付けられ、補正結果データ47がユーザーIDにそれぞれ対応付けられている。予測結果データ46及び補正結果データ47は、コンピューター21によって計算されて記録されたものである。予測結果データ46及び補正結果データ47の詳細については後述する。
【0058】
ストレージ装置40は、外装材の種類ごとに、分布データ38を記憶する。分布データ38が外装材の種類ごとに準備されているため、分布データ38が種類IDにそれぞれ対応付けられている。図6に示すように、分布データ38は、地域ごとの、より具体的には都道府県ごとの地域特定情報及び劣化容易性からなるデータである。地域特定情報が地域にそれぞれ割り当てられている。各地域特定情報は一意の値であり、地域がそれに割り当てられた地域特定情報によって特定される。劣化容易性は、地域の気象環境等の影響による外装材の劣化のし易さを表す。劣化容易性は、複数段階、例えば4段階で表現される。地域に割り当てられる劣化容易性は、その地域に存在する住宅92の外装材を調査又は点検することによって統計的に得られた値である。このような分布データ38は、地域ごとの劣化容易性の分布を表す。分布データ38は、新たな点検又は調査の実行によって、管理者94によって更新される。
【0059】
ストレージ装置40は、外装材の種類ごとに、投稿リストデータ39を記憶する。投稿リストデータ39が外装材の種類ごとに準備されているため、投稿リストデータ39が種類IDにそれぞれ対応付けられている。ユーザー91が端末装置10を利用して情報を提供するごとに、提供された情報が投稿リストデータ39に蓄積される。投稿リストデータ39の詳細については後述する。
【0060】
<情報処理装置及び端末装置の動作(1)>
以下に、端末装置10、撮像装置11、情報処理装置20及びストレージ装置40を用いた劣化予測方法について説明する。併せて、情報処理装置20のコンピューター21がプログラム23に従って実行する処理の流れについて説明する。端末装置10がアプリケーションプログラムに従って実行する処理の流れについて説明する。情報処理装置20のコンピューター21と端末装置10の間の連携について説明する。
【0061】
(1) ログイン
ユーザー91が、端末装置10の入力装置を操作することによって、アプリケーションプログラムの実行を端末装置10に指令する。端末装置10がその指令を受けると、端末装置10がアプリケーションプログラムを起動する。そして、端末装置10は、アプリケーショプログラムに従って、通信ネットワーク30を介して情報処理装置20にアクセスする。そうすると、情報処理装置20のコンピューター21が、ログイン画面を表示するための情報を端末装置10に送信する。端末装置10がコンピューター21から情報を受け取ると、端末装置10がその情報に従ってログイン画面を表示装置に表示する。ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって、自身のユーザーID及びパスワードを端末装置10に入力するとともに、ログインを端末装置10に指令する。そうすると、端末装置10がユーザーID及びパスワードを取得するとともに、ユーザーID及びパスワードを情報処理装置20に送信する。情報処理装置20のコンピューター21がユーザーID及びパスワードを受信すると、コンピューター21がユーザーID及びパスワードを照合用データ41と照合する。コンピューター21は、照合によりユーザーID及びパスワードの真正性を認めたら、そのユーザーIDによるログインを許可する。一方、コンピューター21は、照合によりユーザーID及びパスワードの虚偽性を認めたら、ログインを許可しない上、ログイン画面を表示するための情報を端末装置10に再度送信する。そのため、ユーザー91は、再度のログインを試みることができる。
【0062】
(2) メニュー画面の表示
ユーザー91のユーザーIDのログインが許可されたら、コンピューター21が、メニュー画面を表示するための情報を端末装置10に送信する。端末装置10がコンピューター21から情報を受け取ると、端末装置10がその情報に従ってメニュー画面を表示装置に表示する。
【0063】
メニュー画面では、ユーザー91が電子掲示板の開始の指令を行える。つまり、GUI(Graphical User Interface)の要素としての電子掲示板の開始のボタン又はタブがメニュー画面に配置され、ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって、電子掲示板の開始を端末装置10に指令することができる。なお、電子掲示板は電子会議室ともいう。
【0064】
メニュー画面では、ユーザー91が劣化予測開始の指令を行える。つまり、GUI(Graphical User Interface)の要素としての劣化予測開始のボタン又はタブがメニュー画面に配置され、ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって、劣化予測開始を端末装置10に指令することができる。
【0065】
(3) 劣化度の推移の予測
ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって劣化予測開始のボタン又はタブを選択して決定すると、端末装置10が劣化予測開始の指令を認識するとともに、コンピューター21に劣化予測の開始を指令する。
【0066】
コンピューター21が劣化予測の開始の指令を受けると、コンピューター21がログイン許可済みのユーザーIDに対応付けられた外装材リストデータ45を読み込む。更に、コンピューター21は、特性リストデータ44から、外装材リストデータ45の中の種類IDと同じ種類IDに対応付けられた種類係数を読み込む。
【0067】
次に、コンピューター21は、外装材リストデータ45の中の部材番号ごとに(つまり、部材番号によって特定された外装材ごとに)、外装材の種類、材料、設置位置及び設置方角に基づいて、外装材の劣化度の推移を予測する。つまり、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、種類係数と設置係数とに基づいて経年劣化関数を算出する。具体的には、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、経年劣化関数における係数(以下、経年劣化係数という。)を種類係数及び設置係数から算出することによって、経年劣化関数を算出する。経年劣化関数は、時間経過に伴う外装材の劣化度の推移を表す。以下、経年劣化関数について詳細に説明する。
【0068】
図7は、経年劣化関数を表したグラフである。図7において、横軸は、外装材の使用開始時からの時間を表し、縦軸は、外装材の劣化度を表す。外装材の使用開始時は、例えば、ユーザー91の住宅92の竣工時である。図7から明らかなように、経年劣化関数は、使用開始時からの時間と外装材の劣化度を変数として、経年劣化係数を用いて時間と劣化度の関係を表す。従って、経年劣化関数は、時間経過に伴う外装材の劣化度の推移を表す。経年劣化関数では、時間が経つにつれて劣化度が増加する。グラフでは、経年劣化関数が線で表現され、その線のことを経年劣化線という。経年劣化関数において、時間を表す変数のことを時間変数といい、劣化度を表す変数のことを劣化度変数という。
【0069】
例えば、経年劣化関数は、時間変数の次数及び劣化度変数の次数を1とした1次関数である。その1次関数の係数としての傾きは、種類係数と設置係数からコンピューター21によって算出される経年劣化係数である。その1次関数の係数としての切片「0」は、種類係数と設置係数からコンピューター21によって算出される経年劣化係数である。経年劣化関数における時間の最小単位は、限定されるものではなく、例えば、1秒、1分、1時間、6時間、12時間、24時間、1週間、2週間、1月、3月、6月又は1年である。時間は、暦により表されてもよい。
【0070】
なお、経年劣化関数における経年劣化係数は、種類係数及び設置係数に加えて環境係数も考慮にいれて算出されてもよい。つまり、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、経年劣化関数における経年劣化係数を種類係数、設置係数及び環境係数から算出することによって、経年劣化関数を算出してもよい。環境係数は、住宅92が使用開始時から現在までに受けてきた環境の影響に基づいて算出された係数である。環境とは、例えば気象、災害、冷房、暖房、湿気および周辺植物などのように住宅92を劣化させる要因をいう。環境係数は、使用開始時から現在までの気温履歴、日照履歴、風速履歴、風向履歴、気中塩分濃度および天候履歴などのような気象情報から算出された係数であってもよい。環境係数は、使用開始時から現在までに生じた地震、津波、台風及び豪雨などのような自然災害に関する災害情報(例えば、災害発生日、震度、床下浸水情報、瞬間風速又は瞬間降水量)から算出された係数であってもよい。環境係数は、災害情報および気象情報から算出された係数であってもよい。環境係数は、使用開始時から現在までの屋内温度履歴および屋内湿度履歴などのような屋内環境情報から算出された係数であってもよい。環境係数は、屋内温度と屋外温度の差の履歴から算出された係数であってもよい。環境係数は、凍害係数又は北風係数であってもよい。環境係数は、ストレージ装置40又は記憶装置22に記憶されている。環境係数は、例えばコンピューター21が、通信ネットワーク30に接続された気象情報データベースに蓄積された気象情報又は災害情報を定期的にダウンロードして、気象情報又は災害情報から算出したものでもよい。環境係数は、例えば、管理者94が算出した上で、ストレージ装置40又は記憶装置22に記録したものでもよい。
【0071】
経年劣化関数における経年劣化係数は、種類係数及び設置係数に加えて補修歴係数も考慮にいれて算出されてもよい。つまり、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、経年劣化関数における経年劣化係数を種類係数、設置係数及び補修歴係数から算出することによって、経年劣化関数を算出してもよい。補修歴係数は、住宅92の外装材が使用開始時から現在までに受けてきた補修に基づいて算出された係数である。補修とは、例えば外装材の修理及び交換などのように、外装材の劣化度を上昇させたり、外装材の劣化の進行を遅らせたりする要因をいう。補修歴係数は、例えば、管理者94が算出した上で、ストレージ装置40又は記憶装置22に記録したものでもよい。補修歴係数は、ユーザー91が端末装置10に入力して、コンピューター21に送信された情報に基づいて、管理者94又はコンピューター21が算出した上で、ストレージ装置40又は記憶装置22に記録したものでもよい。補修歴係数は、管理者94又はコンピューター21によって、算出のたびに更新されてもよい。補修歴係数が更新されることによって、経年劣化関数が再度の予測の際に補正されて更新される。
【0072】
(4) 現在劣化度の予測
次に、コンピューター21は、現在時刻を認識する。そして、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、現在時刻と経年劣化関数に基づいて外装材の現在劣化度を予測する。具体的には、コンピューター21は、現在時刻を経年劣化関数の時間変数に当てはめることによって劣化度を算出し、その劣化度を外装材の現在劣化度とする。なお、経年劣化関数における経年劣化係数が補修歴係数を考慮に入れて算出された場合に算出される現在劣化度は、そうでない場合に算出される現在劣化度よりも低い。
【0073】
(5) メンテナンス時期の予測
次に、コンピューター21は、特性リストデータ44から、外装材リストデータ45の中の種類IDと同じ種類IDに対応付けられた許容劣化度を読み込む。そして、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、許容劣化度と経年劣化関数に基づいて外装材のメンテナンス時期を予測する。具体的には、コンピューター21は、許容劣化度を経年劣化関数の劣化度変数に当てはめることによって時刻を算出し、その時刻をメンテナンス時期とする。
【0074】
(6) 予測結果の記録
次に、コンピューター21は、予測結果データ46をストレージ装置40に記録する。つまり、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、予測した外装材の劣化度の推移(具体的には、経年劣化関数における経年劣化係数)、現在劣化度及びメンテナンス時期と部材番号とを互いに対応づけて、更にそれらをユーザーIDに対応付けて、部材番号、劣化度の推移、現在劣化度及びメンテナンス時期をストレージ装置40に記録する。図8に示すように、予測結果データ46は一又は複数の項目からなり、各項目は部材番号、経年劣化関数における経年劣化係数、現在劣化度及びメンテナンス時期からなる。
【0075】
(7) 予測結果の表示
次に、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、予測結果データ46に従って、予測結果表示用情報を生成する。予測結果表示用情報とは、予測した外装材の劣化度の推移(経年劣化関数における経年劣化係数)、現在劣化度及びメンテナンス時期を表示するための情報である。次に、コンピューター21は、予測結果表示用情報を端末装置10に送信する。端末装置10がコンピューター21から予測結果表示用情報を受け取ると、端末装置10が、予測結果表示用情報に従って、予測した外装材の劣化度の推移、現在劣化度及びメンテナンス時期を表示装置に表示する。図9は、その表示の画面100の一例を示す。画面100には、グラフ101、提示部102、提示部103、補正開始ボタン104及びホームボタン105が配置されている。
【0076】
グラフ101は、予測した外装材の劣化度の推移を表す。グラフ101においては、横軸が時間を表し、縦軸が劣化度を表し、経年劣化係数により時間と劣化度の関係を表した経年劣化関数が線により描画されており、その線が経年劣化線である。
提示部102は、現在劣化度の値を文字で表すとともに、現在劣化度の値を矢印でグラフ101に指し示す。提示部102は、現在劣化度のみならず、積算日射量を数値等により提示してもよい。積算日射量とは、使用開始時から現在までの単位時間当たりの日射量を時間で積分したものである。積算日射量は、例えば、住宅92の外装材の近くに設置された日射量計測器の出力信号に基づいてコンピューター21又は端末装置10によって算出される。日射量計測器は、それに入射する日射量を計測する。
提示部103は、メンテナンス時期の値を文字で表すとともに、メンテナンス時期の値を矢印でグラフ101に指し示す。提示部103は、外装材のメンテナンス方法などを表した文章、画像又は動画を提示してもよい。
補正開始ボタン104は、予測した劣化度の推移、現在劣化度及びメンテナンス時期を補正する処理の開始をコンピューター21に指示するためのGUI要素である。
ホームボタン105は、画面100からメニュー画面への遷移をコンピューター21に指示するためGUI要素である。ユーザー91が端末装置10を操作してホームボタン105を選択して決定した場合には、端末装置10がホームボタン105の決定を認識した上で、画面遷移指令を情報処理装置20のコンピューター21に送信する。その指令を受けたコンピューター21が、メニュー画面を表示するための情報を端末装置10に送信するため、メニュー画面が端末装置10の表示装置に表示される。
なお、グラフ101、提示部102、提示部103、補正開始ボタン104及びホームボタン105に加えて費用提示部が画面100に配置されてもよい。費用提示部は、第1メンテナンス費用及び第2メンテナンス費用を表示する。第1メンテナンス費用は、現在に外装材をメンテナンスした場合の費用である。第2メンテナンス費用は、現在に外装材をメンテナンスせずに、メンテナンス時期に外装材をメンテナンスした場合の費用である。第1メンテナンス費用及び第2メンテナンス費用は、例えばコンピューター21によって現在劣化度から算出されて、コンピューター21から端末装置10に転送されて、端末装置10によって表示される。
グラフ101、提示部102、提示部103及び補正開始ボタン104に加えて住宅モデル又は外装材モデルが画面100に配置されてもよい。住宅モデル又は外装材モデルは、住宅又は外装材をモデル化したCG(Computer Graphics)の二次元モデル又は三次元モデルである。住宅モデル又は外装材モデルは、住宅又は外装材をキャラクターにより擬人化した二次元モデル又は三次元モデルであってもよい。住宅モデル又は外装材モデルは、住宅又は外装材を状態キャラクターにより擬人化した二次元モデル又は三次元モデルであってもよい。状態キャラクターとは、状態キャラクターの様子が現在劣化度に基づいて表現されるものをいう。例えば、現在劣化度が高くなるにつれて、状態キャラクターの元気が低くなり、端末装置10がそのような様子の状態キャラクタを住宅モデル又は外装材モデルとして生成して、表示装置に表示する。
【0077】
ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって他の外装材の予測結果の表示を指令したら、端末装置10の表示が、他の外装材の劣化度の推移、現在劣化度及びメンテナンス時期の表示に切り替わる。
【0078】
なお、コンピューター21が定期的に又は災害発生時にアラーム指令信号を端末装置10に送信してもよい。端末装置10がアラーム指令信号を受けると、端末装置10が音声又は映像によるアラームを出力する。アラームの出力は、表示画面100における補正開始ボタン104の選択決定をユーザー91に催促する。
【0079】
ところで、外装材は、使用開始時から現在までの間に屋外に暴露されている。そのため、外装材の劣化は、使用開始時から現在までの間の天候などの影響を受ける。しかしながら、端末装置10に表示された劣化度の推移(具体的にはグラフ101)、現在劣化度(具体的には提示部102)及びメンテナンス時期(具体的には提示部103)が標準的なものであるから、端末装置10に表示された劣化度の推移、現在劣化度及びメンテナンス時期は使用開始時から現在までの間の天候などの影響を殆ど反映していない。そこで、使用開始時から現在までの間の天候などの影響が反映されるように、端末装置10及びコンピューター21によって補正が行われる。以下、補正について詳細に説明する。
【0080】
(8) 補正
(8-1) 補正開始の指令
予測結果の表示画面100において、ユーザー91が端末装置10の入力装置の操作により補正開始ボタン104を選択して決定すると、端末装置10がその旨を認識する。そうすると、端末装置10は、画像選択画面を表示装置に表示する。
【0081】
(8-2) 現物画像の選択
ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって、画像選択画面において現物画像12を選択する。現物画像12には、住宅92の外装材が写っている。なお、前述のように、現物画像12は、この時点よりも前に予め撮像されてもよいし、この時点でリアルタイムに撮像されてもよい。後者の場合、ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって撮像装置11を起動させて、撮像装置11により外装材を撮影すると、撮像装置11が外装材を撮像するとともに、外装材の写った現物画像12を端末装置10に転送し、端末装置10が現物画像12を記憶する。なお、現物画像12に関する幾つかの例示は、上述に記載されている。
【0082】
(8-3) 現物画像の送信
ユーザー91が現物画像12を選択すると、端末装置10がその旨を認識する。その後、ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって、選択の決定を端末装置10に指令する。そうすると、端末装置10は、ユーザー91によって選択された現物画像12をコンピューター21に送信する。
【0083】
なお、ユーザー91は、現物画像12を選択するのみならず、気象状況に関する複数の選択肢の中から何れかを端末装置10の入力装置を用いて選択してもよい。この場合、端末装置10が、ユーザー91による気象状況の選択(以下、「気象状況に関するユーザー選択」という。)をコンピューター21に送信される。気象状況の選択肢としては、例えば、「高温な日が続いたこと」、「低温な日が続いたこと」、「日射の強い日が続いたこと」及び「日射の弱い日が続いたこと」などがある。
【0084】
また、ユーザー91は、現物画像12を選択するのみならず、端末装置10の入力装置を用いて現物画像12の撮影条件を端末装置10に入力してもよい。この場合、端末装置10が、ユーザー91による撮影条件の入力を受け付けて、その撮影条件をコンピューター21に送信する。撮影条件としては、例えば、撮影日時情報、位置情報、撮影方向情報、端末装置10又は撮像装置11のメーカー名の情報、端末装置10又は撮像装置11の機種・モデルの名称の情報、現物画像12の解像度、現物画像12の水平方向の単位あたり解像度、現物画像12の垂直方向の単位あたり解像度、及び、現物画像12の撮影条件に関する情報などがある。
【0085】
(8-4) 現物画像の受付
その後、コンピューター21が端末装置10から現物画像12を受信して受け付ける。また、コンピューター21が端末装置10から気象状況に関するユーザー選択を受信して受け付ける。また、コンピューター21が端末装置10から撮影条件を受信して受け付ける。コンピューター21は、気象状況に関するユーザー選択と現物画像12と撮影条件を互いに対応付けて、これらをストレージ装置40に記録する。
【0086】
(8-5) ポイント加算
コンピューター21が現物画像12を受け付けたら、コンピューター21は、ログインが許可されたユーザーIDによって、そのユーザーIDに対応付けられたポイントデータ42を特定する。次に、コンピューター21は、特定されたポイントデータ42のポイントに所定加算ポイントだけ加算する。そして、コンピューター21は、ポイントデータ42のポイントを加算後のポイントに更新する。
【0087】
(8-6) 補正処理
コンピューター21は、現物画像12に基づいて、劣化度の推移、現在劣化度及びメンテナンス時期を補正する。その補正の処理は、具体的に以下の(8-6-1)~(8-6-6)の通りである。補正された劣化度の推移を補正済み推移といい、補正された現在劣化度を補正済み劣化度といい、補正されたメンテナンス時期を補正済みメンテナンス時期という。
【0088】
(8-6-1) 画像処理
まず、コンピューター21は、現物画像12に対して各種の画像処理を施す。画像処理とは、例えば、以下の(A)~(C)の何れかをいう。
【0089】
(A) コンピューター21は、現物画像12から現物画像12の特徴量を抽出して、その特徴量に基づいて現物画像12を画像認識する。これにより、コンピューター21は、現物画像12から外装材の像を抽出して、外装材の像の位置、大きさ、範囲及び色を認識する。標本が現物画像12に写っている場合には、コンピューター21は、現物画像12から標本の像を抽出して、標本の像の位置、大きさ、範囲及び色を認識する。外装材の像の色とは、その外装材の像を構成する画素のRGB値の分布をいう。標本の像の色についても同様である。
【0090】
(B) 上記の(A)に加えて、コンピューター21は、現物画像12の中の外装材の像の色とメタデータとに基づいて、現物画像12の色温度を標本画像43の色温度に近づけるように現物画像12の色を補正する。これにより、現物画像12に写った外装材の像は、現物画像12の撮影時間、現物画像12の撮影状況(外装材に入射する光の色温度等)及び撮像装置11の機種・モデルなどに起因したバラツキが除去され、現物画像12の色温度が標本画像43の色温度に近づく。
【0091】
(C) 上記の(A)に加えて、コンピューター21は、現物画像12の中の外装材の像の色と、現物画像12の中の標本の像の色と、必要に応じてメタデータとに基づいて、現物画像12の色温度を標本画像43の色温度に近づけるように現物画像12の色を補正する。これにより、現物画像12に写った外装材の像は、現物画像12の撮影時間、現物画像12の撮影状況及び撮像装置11の機種・モデルなどに起因したバラツキが除去され、現物画像12の色温度が標本画像43の色温度に近づく。
【0092】
上記の(B)及び(C)において使用されるメタデータは、撮影日時情報、位置情報、撮影方向情報、端末装置10又は撮像装置11のメーカー名の情報、端末装置10又は撮像装置11の機種・モデルの名称の情報、及び、現物画像12の撮影条件に関する情報のうち、1つ以上である。
【0093】
なお、(B)及び(C)において、メタデータの代わりに、ユーザー91によって入力されるとともに端末装置10からコンピューター21に送信される撮影条件が使用されてもよい。
【0094】
(8-6-2) 現物画像中の外装材の劣化度の算出
コンピューター21は、画像処理済み又はそうでない現物画像12と複数の標本画像43を対比して、複数の標本画像43の中から、現物画像12の中の外装材の像(特にその像の色)に近似した標本画像43を検索する。コンピューター21は、検索した標本画像43に対応付けられた劣化度を現物画像12に対応付けて、その劣化度を現物画像12の中の外装材の劣化度として認識する。
【0095】
なお、コンピューター21は、AI(Artificial Intelligence)機能により現物画像12の中の外装材の劣化度を算出してもよい。つまり、コンピューター21は、現物画像12を学習済みモデルに入力して、現物画像12の中の外装材の劣化度を学習済みモデルから出力し、その劣化度を現物画像12に対応付けてもよい。学習済みモデルは、様々な劣化度の外装材がそれぞれ写った多数の画像と、これら画像にそれぞれ対応付けられた多数の劣化度(各劣化度はそれに対応付けられた画像に写った外装材の劣化度である。)とを対応付けた教師データによって学習されたニューラルネットワークである。学習済みモデルは、プログラム23のサブルーチンとして、記憶装置22に記憶されている。
【0096】
なお、現物画像12の中の外装材の劣化度は、コンピューター21によって算出されたものではなく、管理者94によって入力されたものでもよい。具体的には、コンピューター21が現物画像12を表示デバイス26に表示させると、管理者94が表示された現物画像12を見て、現物画像12の中の外装材の劣化度を判定する。そして、管理者94が入力デバイス24を操作することによって劣化度をコンピューター21に入力する。そうすると、コンピューター21は、入力デバイス24から転送された信号に従って管理者94による入力を認識して、管理者94によって入力された劣化度を現物画像12に対応付ける。
【0097】
(8-6-3) 補正係数の算出
コンピューター21は、現物画像12に対応付けられた劣化度と現在劣化度に基づいて、補正係数を算出する。例えば、コンピューター21は、現物画像12に対応付けられた劣化度と現在劣化度の差を算出して、その差を補正係数とする。なお、コンピューター21は、現物画像12に対応付けられた劣化度と現在劣化度の差に加えて、気象状況に関するユーザー選択にも基づいて、補正係数を算出してもよい。
【0098】
(8-6-4) 補正済み推移の予測
次に、コンピューター21は、外装材の種類、材料、設置位置及び設置方角と補正係数とに基づいて、外装材の劣化度の補正済み推移を予測する。つまり、コンピューター21は、種類係数と設置係数と補正係数とに基づいて補正済み経年劣化関数を算出する。具体的には、コンピューター21は、補正済み経年劣化関数における係数(以下、補正済み経年劣化係数という。)を種類係数、設置係数及び補正係数から算出することによって、補正済み経年劣化関数を算出する。補正済み経年劣化関数が外装材の劣化度の補正済み推移に相当する。
【0099】
図10は、補正済み経年劣化関数を実線で表すとともに及び補正前の経年劣化関数を破線で表したグラフである。図10において、横軸は、外装材の使用開始時からの時間を表し、縦軸は、外装材の劣化度を表す。図10から明らかなように、補正済み経年劣化関数は、使用開始時からの時間と外装材の劣化度を変数として、補正済み経年劣化係数を用いて時間と劣化度の関係を表す。従って、補正済み経年劣化関数は、時間経過に伴う劣化度の推移を表す。補正済み経年劣化関数では、時間が経つにつれて劣化度が増加する。
【0100】
例えば、補正済み経年劣化関数は、時間変数の次数及び劣化度変数の次数を1とした1次関数である。その1次関数の係数としての傾きは、種類係数と設置係数と補正係数からコンピューター21によって算出される補正済み経年劣化係数である。その1次関数の係数としての切片「0」は、種類係数と設置係数と補正係数からコンピューター21によって算出される補正済み経年劣化係数である。
【0101】
現物画像12に写った外装材の劣化度が現在劣化度よりも高ければ、外装材が標準よりも劣化していることになるから、図10の実線201のような補正済み経年劣化関数における傾きは、図10の破線203のような補正前の経年劣化関数における傾きよりも大きい。現物画像12に写った外装材の劣化度が現在劣化度よりも低ければ、外装材が標準よりも劣化してないことになるから、図10の実線202のような補正済み経年劣化関数における傾きは、図10の破線203のような補正前の経年劣化関数における傾きよりも小さい。
【0102】
なお、補正済み経年劣化関数における補正済み経年劣化係数は、種類係数、設置係数及び補正係数に加えて補修歴係数も考慮にいれて算出されてもよい。つまり、コンピューター21は、部補正済み経年劣化関数における補正済み経年劣化係数を種類係数、設置係数、補正係数及び補修歴係数から算出することによって、補正済み経年劣化関数を算出してもよい。補修歴係数は、住宅92の外装材が使用開始時から現在までに受けてきた補修に基づいて算出された係数である。補修とは、例えば外装材の修理及び交換などのように、外装材の劣化度を上昇させたり、外装材の劣化の進行を遅らせたりする要因をいう。補修歴係数は、例えば、管理者94が算出した上で、ストレージ装置40又は記憶装置22に記録したものでもよい。補修歴係数は、ユーザー91が端末装置10に入力して、コンピューター21に送信された情報に基づいて、管理者94又はコンピューター21が算出した上で、ストレージ装置40又は記憶装置22に記録したものでもよい。補修歴係数は、管理者94又はコンピューター21によって、算出のたびに更新されてもよい。補修歴係数が更新されることによって、補正済み経年劣化関数が再度の予測の際に補正されて更新される。
【0103】
(8-6-5) 補正済み劣化度の予測
次に、コンピューター21は、現在時刻を認識する。そして、コンピューター21は、現在時刻と補正済み経年劣化関数に基づいて外装材の補正済み劣化度を予測する。具体的には、コンピューター21は、現在時刻を補正済み経年劣化関数の時間変数に当てはめることによって劣化度を算出し、その劣化度を外装材の補正済み劣化度とする。
【0104】
(8-6-6) 補正済みメンテナンス時期の予測
次に、コンピューター21は、許容劣化度と補正済み経年劣化関数に基づいて外装材の補正済みメンテナンス時期を予測する。具体的には、コンピューター21は、許容劣化度を補正済み経年劣化関数の劣化度変数に当てはめることによって時刻を算出し、その時刻を補正済みメンテナンス時期とする。なお、補正済み経年劣化関数における補正済み経年劣化係数が補修歴係数を考慮に入れて算出された場合に算出される補正済み劣化度は、そうでない場合に算出される補正済み劣化度よりも低い。
【0105】
(8-7) 補正結果の記録
補正処理後、コンピューター21は、補正結果データ47をストレージ装置40に記録する。つまり、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、補正済み推移(具体的には、補正済み経年劣化関数における補正済み経年劣化係数)、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期と部材番号とを互いに対応づけて、更にそれらをユーザーIDに対応付けて、部材番号、補正済み推移、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期をストレージ装置40に記録する。図11に示すように、補正結果データ47は一又は複数の項目からなり、各項目は部材番号、補正済み経年劣化関数における補正済み経年劣化係数、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期からなる。
【0106】
(8-8) 補正結果の表示
次に、コンピューター21は、部材番号によって特定された外装材ごとに、補正結果データ47に従って、補正結果表示用情報を生成する。補正結果表示用情報とは、補正済み推移(補正済み経年劣化関数における補正済み経年劣化係数)、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期を表示するための情報である。次に、コンピューター21は、補正結果表示用情報を端末装置10に送信する。端末装置10がコンピューター21から補正結果表示用情報を受け取ると、端末装置10が、補正結果表示用情報に従って、補正済み推移、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期を表示装置に表示する。図12は、その表示の画面120の一例を示す。画面120には、グラフ121、提示部122、提示部123、補正開始ボタン124及びホームボタン125が配置されている。
【0107】
グラフ121は、補正済み推移を表す。グラフ121においては、横軸が時間を表し、縦軸が劣化度を表し、補正済み経年劣化係数により時間と劣化度の関係を表した補正済み経年劣化関数が線により描画されている。
提示部122は、補正済み劣化度の値を文字で表すとともに、補正済み劣化度の値を矢印でグラフ121に指し示す。提示部122は、補正済み劣化度のみならず、積算日射量を数値等により提示してもよい。
提示部123は、補正済みメンテナンス時期の値を文字で表すとともに、補正済みメンテナンス時期の値を矢印でグラフ121に指し示す。
補正開始ボタン124は、補正済み推移、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期を補正する処理の開始をコンピューター21に指示するためのGUI要素である。ユーザー91が補正開始ボタン124を選択して決定すると、「(8-1) 補正開始の指令」から「(8-8) 補正結果の表示」までの説明における処理が端末装置10及びコンピューター21によって再度実行される。
ホームボタン125は、画面120からメニュー画面への遷移をコンピューター21に指示するためGUI要素である。ユーザー91が端末装置10を操作してホームボタン125を選択して決定した場合には、端末装置10がホームボタン125の決定を認識した上で、画面遷移指令を情報処理装置20のコンピューター21に送信する。その指令を受けたコンピューター21が、メニュー画面を表示するための情報を端末装置10に送信するため、メニュー画面が端末装置10の表示装置に表示される。
なお、グラフ121、提示部122、提示部123及び補正開始ボタン124に加えて費用提示部が画面120に配置されてもよい。費用提示部は、第1補正済み費用及び第2補正済み費用を表示する。第1補正済み費用は、現在に外装材をメンテナンスした場合の費用である。第2補正済み費用は、現在に外装材をメンテナンスせずに、メンテナンス時期に外装材をメンテナンスした場合の費用である。第1補正済み費用及び第2補正済み費用は、コンピューター21によって補正済み劣化度から算出されて、コンピューター21から端末装置10に転送されて、端末装置10によって表示される。
グラフ121、提示部122、提示部123及び補正開始ボタン124に加えて住宅モデル又は外装材モデルが画面120に配置されてもよい。住宅モデル又は外装材モデルは、住宅又は外装材をモデル化した二次元モデル又は三次元モデルである。住宅モデル又は外装材モデルは、住宅又は外装材をキャラクターにより擬人化した二次元モデル又は三次元モデルであってもよい。住宅モデル又は外装材モデルは、住宅又は外装材を状態キャラクターにより擬人化した二次元モデル又は三次元モデルであってもよい。状態キャラクターとは、状態キャラクターの様子が補正済み劣化度に基づいて表現されるものをいう。例えば、補正済み劣化度が高くなるにつれて、状態キャラクターの元気が低くなり、端末装置10がそのような様子の状態キャラクタを住宅モデル又は外装材モデルとして生成して、表示装置に表示する。
【0108】
<有利な効果(1)>
ユーザー91が住宅92の外装材を手動的に撮影すること、撮像装置11が住宅92の外装材を自動的に撮像すること、ユーザー91が画像をダウンロードして必要に応じてその画像を処理すること等によって、外装材が写った現物画像12が端末装置10に記録される。ユーザー91が、端末装置10を用いて現物画像12を選択して、現物画像12を端末装置10から情報処理装置20に送信する。そうすると、現物画像12に写った外装材の劣化度が情報処理装置20によって算出されるとともに、外装材の劣化度の推移を表す経年劣化関数が現物画像12に写った外装材の劣化度に基づいて情報処理装置20によって補正される。そのため、現状の外装材の劣化状況が補正済み経年劣化関数に反映されている。補正済み経年劣化関数から算出される補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期にも現状の外装材の劣化状況が反映され、それゆえ補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期が正確である。
【0109】
ユーザー91が端末装置10を用いて現物画像12を情報処理装置20に送信すると、ポイントデータ42のポイントが加算される。このポイントが経済価値を有する。よって、ポイントの加算は、現物画像12の送信の動機付けをユーザーに与える。よって、経年劣化関数の補正の頻度が上がる上、ユーザーが正確な補正済み劣化関数、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期を知る機会が増える。
【0110】
上述のように、経年劣化関数が、現物画像12のみならず、気象状況に関するユーザー選択にも基づいて、補正されてもよい。こうした場合、ユーザー91が選択した気象状況の選択肢が補正済み劣化関数、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期に反映され、補正済み劣化関数、補正済み劣化度及び補正済みメンテナンス時期が正確になり得る。
【0111】
上述のように、画面100,120には、住宅92の外装材の劣化の推移、現在劣化度及びメンテナンス時期が表示される。そのため、ユーザー91が適切なタイミングで外装材をメンテナンスし、又は交換することができる。従って、外装材の過度なメンテナンス、又は交換が防止される。ところで、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。前記画面100,120が外装材のメンテナンス頻度・交換頻度の抑制に貢献するため、この情報共有システム1が脱炭素社会の実現と持続可能な開発目標の達成とに貢献できる。
【0112】
<情報処理装置及び端末装置の動作(2)>
上述のように、画面100,120には、住宅92の外装材の劣化の推移、現在劣化度及びメンテナンス時期が表示される。そのため、この画面100,120は、ユーザー91に対して住宅92の外装材及びその劣化について興味を持たせる。従って、画面100,120は、住宅92の外装材の点検及びメンテナンスの動機付けをユーザー91に与える。そのユーザー91が自身の住宅92の外装材の点検及びメンテナンスを業者等に依頼して、自身の住宅92の外装材の点検及びメンテナンスが実施されると、ユーザー91が自身の住宅92の外装材の劣化の状況などを知得できる。ユーザー91の住宅92の外装材の劣化に関する情報は、それと同一種類の外装材を用いた他の住宅92を所有等する他のユーザー91にとっても有益な情報である。そこで、情報共有システム1は、同一種類の外装材を使用する複数のユーザー91の間で情報を共有させる。情報共有のためには、ユーザー91が情報を提供する必要がある。以下、ユーザー91が情報を提供する際に情報処理装置20のコンピューター21がプログラム23に従って実行する処理の流れについて説明する。併せて、端末処理装置10がアプリケーションプログラムに従って実行する処理の流れについて説明する。情報処理装置20のコンピューター21と端末装置10の間の連携について説明するとともに、端末装置10、撮像装置11、情報処理装置20及びストレージ装置40を用いた情報提供方法について説明する。
【0113】
(1A) ログイン及びメニュー画面
「(1) ログイン」及び「(2) メニュー画面の表示」の説明にあったように、ユーザー91が端末装置10を用いてログインをしたら、メニュー画面が端末装置10の表示装置に表示される。なお、ここでのユーザー91は、「情報処理装置及び端末装置の動作(1)」におけるユーザー91と同一人・別人を問わない。つまり、ここでログインが許可されたユーザーIDは、「情報処理装置及び端末装置の動作(1)」においてログインが許可されたユーザーIDと同一・相違を問わない。
【0114】
(2A) 第2メニュー画面の表示
ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって電子掲示板の開始のボタン又はタブを選択して決定すると、端末装置10が電子掲示板の開始の指令を認識するとともに、コンピューター21に電子掲示板の開始を指令する。コンピューター21が電子掲示板の開始の指令を受けると、コンピューター21が、第2メニュー画面を表示するための情報を端末装置10に送信する。端末装置10がコンピューター21から情報を受け取ると、端末装置10がその情報に従って第2メニュー画面を表示装置に表示する。
【0115】
第2メニュー画面では、ユーザー91が情報提供と情報閲覧の選択を行える。つまり、GUIの要素としての情報提供のボタン又はタブが第2メニュー画面に配置され、ユーザー91が端末装置10の入力装置の操作により情報提供のボタン又はタブを選択して決定すると、情報提供に関する処理の開始を端末装置10に指令することができる。一方、GUIの要素としての情報閲覧のボタン又はタブが第2メニュー画面に配置され、ユーザー91が端末装置10の入力装置の操作により情報閲覧のボタン又はタブを選択して決定すると、情報閲覧に関する処理の開始を端末装置10に指令することができる。
【0116】
(3A) 外装材のリストの表示
ユーザー91が第2メニュー画面において情報提供に関する処理の開始を端末装置10に指令する。そうすると、端末装置10がその指令を認識するとともに、情報提供に関する処理の開始をコンピューター21に指令する。コンピューター21がその指令を受けると、コンピューター21がログイン許可済みのユーザーIDに対応付けられた外装材リストデータ45を読み込む。コンピューター21は、外装材リストデータ45に基づいて、ユーザー91の住宅92に使用される外装材のリストに関するリスト情報を生成する。リスト情報は一又は複数の項目からなり、各項目は部材番号及び種類IDから構成されている。その後、コンピューター21は、リスト情報を端末装置10に送信する。端末装置10がコンピューター21からリスト情報を受けると、端末装置10が部材番号及び種類IDに対応付けられた複数の項目(項目は、ユーザー91の住宅92に使用される外装材に相当する)からなるリストを表示装置に表示する。端末装置10は、リストに加えて、CGの住宅モデルと、項目に相当する外装材が住宅92に設置される位置を住宅モデルに指し示した指示部と、を表示装置に表示してもよい。
【0117】
(4A) 種類IDの特定
ユーザー91が、端末装置10の入力装置を操作することによって、リストの表示画面においてリストの中から何れか1つの項目を選択して決定する。そうすると、端末装置10が、選択・決定された項目に対応付けられた部材番号及び種類IDを特定する。これにより、ユーザー91の住宅92に使用される複数の外装材の中から1つの外装材が選択される。
【0118】
(5A) 入力画面の表示及び入力情報の受付
次に、端末装置10は、ユーザー91が外装材の劣化に関する情報を入力するための入力画面を表示装置に表示する。図13は、そのような入力画面150の一例を示す。入力画面150には、提示部151a~151g、回答入力部152a~152g及び決定ボタン153が配置されている。提示部151a~151gは、ユーザー91に対する質問をテキストで表す。提示部151aは、外装材の劣化状況を問い合わせる質問を提示する。提示部151bは、外装材の使用期間を問い合わせる質問を提示する。提示部151cは、外装材が用いられる住宅92の所在地を問い合わせる質問を提示する。提示部151dは、外装材が海に近くて塩害を受けやすいか否かを問い合わせる質問を提示する。提示部151eは、外装材が受けてきた気象環境を問い合わせる質問を提示する。提示部151fは、外装材が写った画像の入力を催促する文言を提示する。提示部151gは、外装材及びその劣化・メンテナンス・点検等に関して自由な入力を催促する文言を提示する。
【0119】
回答入力部152a~152gは、提示部151a~151gにそれぞれ対応する。回答入力部152a~152eは、テキストボックス又はドロップダウンリストなどのようなGUI要素である。回答入力部152fは、住宅92の外装材が写った現物画像13を選択するためのダイアログを表示させるためのボタンなどのようなGUI要素である。回答入力部152fは、テキストボックスのようなGUI要素である。
決定ボタン153は、回答入力部152a~152gに入力された情報を確定するためのGUI要素である。
【0120】
入力画面150の表示中にユーザー91が端末装置10の入力装置を操作して、外装材の劣化に関する情報を回答入力部152a~152e,152gに入力する。そうすると、端末装置10は、回答入力部152a~152e,152gに入力された情報を認識して、それら情報を回答入力部152a~152e,152gに表示する。
また、ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作して、現物画像13を選択する。そうすると、端末装置10は、選択された現物画像13のファイル名を回答入力部152eに表示する。現物画像13には、住宅92の外装材が写っている。なお、前述のように、現物画像13は、この時点よりも前に予め撮像されてもよいし、この時点でリアルタイムに撮像されてもよい。後者の場合、ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって撮像装置11を起動させて、撮像装置11により外装材を撮影すると、撮像装置11が外装材を撮像するとともに、外装材の写った現物画像13を端末装置10に転送し、端末装置10が現物画像13を記憶する。なお、現物画像13に関する幾つかの例示は、上述に記載されている。
【0121】
その後、ユーザー91は、端末装置10の入力装置の操作により、決定ボタン153を選択して決定する。そうすると、端末装置10は、回答入力部152a~152e,152gに入力された情報を確定するとともに、回答入力部152eにおける選択を現物画像13に確定する。これにより、端末装置10は、外装材の劣化に関する情報を受け付ける。外装材の劣化に関する情報は、回答入力部152a~152e,152gにそれぞれ入力された情報と、回答入力部152eにおいて選択された現物画像13とを含む。
回答入力部152aに入力された情報は、ユーザー91又は業者が外装材を点検した結果得られた外装材の劣化状況を表す。回答入力部152aに入力された情報を劣化状況情報という。
回答入力部152bに入力された情報は、外装材の使用期間を表す。回答入力部152bに入力された情報を使用期間情報という。使用期間は、1日単位、1月単位又は1年単位の何れで表現されてもよい。
回答入力部152cに入力された情報は、外装材が用いられる住宅92の所在地を表す。回答入力部152cに入力された情報を所在地情報という。
回答入力部152dに入力された情報は、塩害の有無と、海からの遠近とを表す。回答入力部152dに入力された情報を塩害有無情報又は遠近情報という。
回答入力部152eに入力された情報は、外装材が受けてきた気象環境を表す。回答入力部152eに入力された情報を気象環境情報という。
回答入力部152gに入力された情報はユーザー91により自由に作成される文章であり、その文章は外装材及びその劣化・メンテナンス・点検等に関するものである。回答入力部152eに入力された情報をフリーワード情報という。
【0122】
(6A) 入力情報の送信及び受信
次に、端末装置10は、受け付けた情報、つまり外装材の劣化に関する情報(以下、投稿情報という。)を、「(4A) 種類IDの特定」又は後述の「(4B) 種類IDの特定」において特定した種類IDに対応付ける。更に、端末装置10は、投稿情報を投稿時刻情報に対応付ける。投稿時刻情報とは、ユーザー91が決定ボタン153を選択して決定した時刻を表す。投稿時刻は、1月単位、1分単位、1時間単位、1日単位及び1月単位の何れで表現されてもよい。
そして、端末装置10は、投稿情報と種類IDと投稿時刻情報を情報処理装置20に送信する。情報処理装置20のコンピューター21は、端末装置10によって送信された投稿情報、種類ID及び投稿時刻情報を受信する。これにより、コンピューター21は投稿情報、種類ID及び投稿時刻情報を取得する。
なお、端末装置10は、送信後に、「(2A) 第2メニュー画面の表示」に記載されているように、第2メニュー画面を表示装置に表示する。
【0123】
(7A) 入力情報の記録
コンピューター21が投稿情報と種類IDと投稿時刻情報を受信したら、コンピューター21がその種類IDと同一の種類IDに対応付けられた投稿リストデータ39を更新する。具体的には、コンピューター21は、投稿番号、投稿者情報、投稿情報及び投稿時刻情報に互いに対応付けて、その投稿情報及び投稿時刻情報を投稿リストデータ39に追記して、追記後の投稿リストデータ39をストレージ装置40に更新記録する。投稿者情報は、投稿情報を提供したユーザー91を特定するものである。より具体的には、投稿者情報の値は、「(1A) ログイン及びメニュー画面」においてログインが許可されたユーザーIDと同一である。
【0124】
図14は、投稿リストデータ39をデータテーブル形式で示す図である。図14に示すように、投稿リストデータ39は、複数の投稿情報を一覧したものである。具体的には、投稿リストデータ39は複数の項目からなり、各項目は投稿番号、投稿時刻情報、投稿者情報及び投稿情報から構成され、項目ごとに投稿番号、投稿時刻情報、投稿者情報及び投稿情報が互いに対応付けられている。各投稿番号は一意の値である。投稿番号は、投稿情報に割り当てられている。投稿番号は、投稿情報を特定する。各投稿情報は、提供された劣化状況情報、使用期間情報、所在地情報、塩害有無情報、気象環境情報、フリーワード情報及び現物画像13を含む。
【0125】
(8A) ポイント加算
次に、コンピューター21は、ログインが許可されたユーザーIDによって、そのユーザーIDに対応付けられたポイントデータ42を特定する。次に、コンピューター21は、特定されたポイントデータ42のポイントに所定加算ポイントだけ加算する。そして、コンピューター21は、ポイントデータ42のポイントを加算後のポイントに更新する。
【0126】
<有利な効果(2)>
ユーザー91が自身の端末装置10を操作することによって、外装材の劣化に関する情報を端末装置10に入力すると、その情報が投稿情報として端末装置10に受け付けられて、端末装置10から情報処理装置20へ送信されて、ストレージ装置40の投稿リストデータ39に追加的に記録される。これにより、ユーザー91が外装材の劣化に関する情報を情報処理装置20に提供することができ、その情報が他のユーザー91にも共有され得る。
【0127】
ユーザー91が外装材の劣化に関する情報を端末装置10に入力すると、そのユーザー91に割り当てられたユーザーIDに対応付けられたポイントデータ42に所定加算ポイントが加算される。ポイントの加算は、外装材の劣化に関する情報の提供の動機付けをユーザー91に与える。よって、外装材の劣化に関する情報の共有が進みやすい。
【0128】
<情報処理装置及び端末装置の動作(3)>
上述のように複数のユーザー91が自身の外装材の劣化に関する投稿情報を提供することによって、それらの投稿情報が外装材の種類ごとに投稿リストデータ39に蓄積される。同一種類の外装材を使用する複数のユーザー91が投稿リストデータ39に蓄積された投稿情報を共有できるように、情報処理装置20のコンピューター21がプログラム23に従って以下のような処理を実行し、端末装置10がアプリケーションプログラムに従って以下のような処理を実行する。
【0129】
(1B) ログイン及びメニュー画面
「(1) ログイン」及び「(2) メニュー画面の表示」の説明にあったように、ユーザー91が端末装置10を用いてログインをしたら、メニュー画面が端末装置10の表示装置に表示される。なお、ここでのユーザー91は、「情報処理装置及び端末装置の動作(1)」及び「情報処理装置及び端末装置の動作(2)」におけるユーザー91と同一人・別人を問わない。つまり、ここでログインが許可されたユーザーIDは、「情報処理装置及び端末装置の動作(1)」及び「情報処理装置及び端末装置の動作(2)」においてログインが許可されたユーザーIDと同一・相違を問わない。
【0130】
(2B) 第2メニュー画面の表示
ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって電子掲示板の開始のボタン又はタブを選択して決定すると、端末装置10が電子掲示板の開始の指令を認識する。そうすると、端末装置10は、情報処理装置20のコンピューター21にアクセスするとともに、コンピューター21に電子掲示板の開始を指令する。コンピューター21が電子掲示板の開始の指令を受けると、コンピューター21が、第2メニュー画面を表示するための情報を端末装置10に送信する。端末装置10がコンピューター21から情報を受け取ると、端末装置10がその情報に従って第2メニュー画面を表示装置に表示する。なお、第2メニュー画面の詳細については、前述されている。
【0131】
(3B) 外装材のリストの表示
ユーザー91が第2メニュー画面において情報閲覧に関する処理の開始を端末装置10に指令する。そうすると、端末装置10がその指令を認識するとともに、情報閲覧に関する処理の開始をコンピューター21に指令する。コンピューター21がその指令を受けると、コンピューター21がログイン許可済みのユーザーIDに対応付けられた外装材リストデータ45を読み込む。コンピューター21は、外装材リストデータ45に基づいて、ユーザー91の住宅92に使用される外装材のリストに関するリスト情報を生成する。リスト情報は一又は複数の項目からなり、各項目は部材番号及び種類IDから構成されている。その後、コンピューター21は、リスト情報を端末装置10に送信する。端末装置10がコンピューター21からリスト情報を受けると、端末装置10が部材番号及び種類IDに対応付けられた複数の項目(項目は、ユーザー91の住宅92に使用される外装材に相当する)からなるリストを表示装置に表示する。端末装置10は、リストに加えて、CGの住宅モデルと、項目に相当する外装材が住宅92に設置される位置を住宅モデルに指し示した指示部と、を表示装置に表示してもよい。
【0132】
(4B) 種類IDの特定
ユーザー91が、端末装置10の入力装置を操作することによって、リストの表示画面においてリストの中から何れか1つの項目を選択して決定する。そうすると、端末装置10が、選択・決定された項目に対応付けられた部材番号及び種類IDを特定する。これにより、ユーザー91の住宅92に使用される複数の外装材の中から1つの外装材が選択される。その後、端末装置10が、特定された種類IDを情報処理装置20のコンピューター21に送信する。
【0133】
(5B) 投稿リストデータの読み込み
コンピューター21が、特定された種類IDを端末装置10から受信すると、コンピューター21が、特定された種類IDに対応付けられた投稿リストデータ39を読み込む。
【0134】
(6B) 投稿表示用情報の生成
次に、コンピューター21は、投稿リストデータ39に含まれた複数の投稿情報を投稿時刻の新しい順で配列する。そして、コンピューター21は、配列された投稿情報と、これら投稿情報に対応付けられた時刻情報とに基づいて、これら投稿情報及び時刻情報を含んだ投稿表示用情報を生成する。
【0135】
(7B) 投稿表示用情報の送信・受信
次に、コンピューター21は、投稿表示用情報を端末装置10に送信する。端末装置10は、コンピューター21から投稿表示用情報を受信する。
【0136】
(8B) 投稿情報及び投稿時刻の表示
端末装置10がコンピューター21から投稿表示用情報を受け取ると、端末装置10が、投稿表示用情報に従って、複数の投稿情報及び時刻情報を表示装置に表示する。図15は、その表示の画面160の一例を示す。画面160には、投稿提示部161、ホームボタン163、移行ボタン164、移行ボタン165及び移行ボタン166が配置されている。
【0137】
投稿提示部161には、複数の提示部162が垂直方向に配列されている。各提示部162は、投稿情報を提示する。具体的には、各提示部162は、劣化状況情報、使用期間情報、所在地情報、塩害有無情報、気象環境情報、フリーワード情報及び現物画像13を提示する。ユーザー91が端末装置10の入力装置を操作することによって、端末装置10が投稿提示部161内の提示部162を垂直方向にスクロールさせるように表示画面160を表示する。
【0138】
ホームボタン163は、画面160からメニュー画面への遷移をコンピューター21に指示するためGUI要素である。ユーザー91が端末装置10を操作してホームボタン163を選択して決定した場合には、端末装置10がホームボタン163の決定を認識した上で、画面遷移指令を情報処理装置20のコンピューター21に送信する。その指令を受けたコンピューター21が、メニュー画面を表示するための情報を端末装置10に送信するため、メニュー画面が端末装置10の表示装置に表示される。
【0139】
移行ボタン164は、画面160から、外装材のリストを表示した画面(「(3B) 外装材のリストの表示」参照)への遷移を端末装置10に指示するためのGUIである。ユーザー91が端末装置10を操作して移行ボタン164を選択して決定した場合には、端末装置10が移行ボタン164の決定を認識した上で、画面遷移指令を情報処理装置20のコンピューター21に送信する。その指令を受けたコンピューター21の処理は、「(3B) 外装材のリストの表示」に記載の処理に戻る。
【0140】
移行ボタン165は、画面160から、ユーザー91が外装材の劣化に関する情報を入力するための入力画面150への遷移を端末装置10に指示するためのGUIである。ユーザー91が端末装置10を操作して移行ボタン165を選択して決定した場合には、端末装置10が移行ボタン165の決定を認識した上で、端末装置10及びコンピューター21の処理は、「(5A) 入力画面の表示及び入力情報の受付」に記載の処理に戻る。
【0141】
移行ボタン166は、画面160から、分布図を表示する画面への遷移を端末装置10に指示するためのGUIである。
【0142】
(8B) 分布図の表示
ユーザー91が端末装置10を操作して移行ボタン166を選択して決定した場合には、端末装置10が移行ボタン166の決定を認識した上で、画面遷移指令を情報処理装置20のコンピューター21に送信する。その指令を受けたコンピューター21は、「(4B) 種類IDの特定」において特定された特定された種類IDに対応付けられた分布データ38を読み取る。
【0143】
次に、コンピューター21は、分布データ38に基づいて、地域ごとの劣化容易性の分布を表した分布図を生成する。具体的には、コンピューター21は、分布データ38の全ての地域特定情報によって特定された全地域の地図を生成し、その地図を地域ごとに領域分けし、分布データ38の劣化容易性に応じた色を地図内の各領域に付す。コンピューター21は、生成した分布図を端末装置10に送信し、端末装置10が、分布図を受信する。そして、端末装置10は、分布図を表示装置に表示する。図16は、その表示の画面170の一例を示す。画面170には、分布図171及びリターンボタン172が配置されている。
【0144】
分布図171は、各都道府県の劣化容易性を色で表現するとともに、都道府県ごとの劣化容易性の分布を模様で表す日本地図である。リターンボタン172は、画面170から画面160への遷移を端末装置10に指示するためのGUIである。ユーザー91が端末装置10を操作してリターンボタン172を選択して決定した場合には、端末装置10がリターンボタン172の決定を認識した上で、その指令を受けた端末装置10の処理は、「(8B) 投稿情報及び投稿時刻の表示」に記載の処理に戻る。
【0145】
<有利な効果(3)>
ユーザー91が自身の端末装置10を情報処理装置20にアクセスさせたら、投稿リストデータ39に含まれる複数の投稿情報が情報処理装置20から端末装置10に送信されて、端末装置10によって表示される。これにより、そのユーザー91が、投稿リストデータ39に含まれる複数の投稿情報を閲覧することで、他人の住宅92の外装材の劣化に関する情報を知得できる。
【0146】
地域ごとの劣化容易性の分布を表した分布図171が、端末装置10のユーザー91に提供される。そのため、そのユーザー91は、自身の地域の気象環境が外装材を劣化させるのか否かを知得できる。
【符号の説明】
【0147】
1 情報共有システム
10 端末装置
11 撮像装置
13 現物画像
20 情報処理装置
21 コンピューター
22 記憶装置
23 プログラム
38 分布データ
39 投稿リストデータ
40 ストレージ装置
91 ユーザー
92 住宅
150 入力画面
152a~152g 回答入力部
160 画面
161 投稿提示部
162 提示部
170 画面
171 分布図
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16