(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131953
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20240920BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240920BHJP
A63F 13/216 20140101ALI20240920BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240920BHJP
A63F 13/655 20140101ALI20240920BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/35
A63F13/216
A63F13/69
A63F13/655
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042539
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(57)【要約】
【課題】 位置情報を利用したゲームにおいて、現実空間においてユーザにゲーム外の行動を促すことができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供する。
【解決手段】 ゲームプログラムは、ユーザが操作するコンピュータと、コンピュータに通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバとを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、サーバおよびコンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部を、コンピュータの位置情報を取得する位置情報取得手段、コンピュータの位置に応じたゲームを実行するゲーム実行手段、現実空間における所定の実行位置にて、現実空間における所定の行動を実行することを達成目標とするミッションを、サーバからコンピュータに送信するミッション送信手段、およびミッションの実行内容をコンピュータからサーバに送信する実行内容送信手段として機能させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作するコンピュータと、前記コンピュータに通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバとを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、
前記サーバおよび前記コンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部を、
前記コンピュータの位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記コンピュータの位置に応じたゲームを実行するゲーム実行手段、
現実空間における所定の実行位置にて、現実空間における所定の行動を実行することを達成目標とするミッションを、前記サーバから前記コンピュータに送信するミッション送信手段、および
前記ミッションの実行内容を前記コンピュータから前記サーバに送信する実行内容送信手段として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲーム実行手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、前記ゲームにおいて有利な効果を発生させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ミッション送信手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、対応する前記ミッションを送信する、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ミッション送信手段は、前記実行位置に基づいて設定される第2領域内のユーザ数に応じて前記ミッションの達成条件を設定する、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記制御部を、前記ミッションの実行内容に基づいてユーザが前記ミッションを達成したか否かを判定し、前記ミッションを達成した場合に、前記ユーザに所定の報酬を付与する報酬付与手段として機能させる、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記報酬付与手段は、前記ミッションを実行した時間帯に応じて前記報酬を変更する、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記報酬付与手段は、前記ミッションを達成したユーザ数に応じた前記報酬を付与する、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記報酬付与手段は、前記実行位置に基づいて設定される第2領域内のユーザ数に応じた前記報酬を付与する、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ミッションは、前記実行位置における撮影を含み、
前記実行内容送信手段は、ユーザが撮影した撮影画像を送信する、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記ミッションは、所定の時刻または所定の期間に、前記実行位置に基づいて設定される所定領域内にユーザが位置することを含み、
前記実行内容送信手段は、前記コンピュータの位置情報を時刻情報と対応付けて送信する、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記制御部を、前記達成目標を設定することにより前記ミッションを作成し、作成した前記ミッションを前記サーバにアップロードするミッション作成手段として機能させる、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記ゲーム実行手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、ゲーム内イベントを発生させる、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
請求項1または2に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶された前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の通信端末にインストールされるゲームにおいて、通信端末の位置情報を利用したゲームが知られている。例えば、二次元または三次元の仮想空間が現実空間に対応付けられており、ユーザの位置、すなわち、ユーザが所持する通信端末の位置に対応した仮想空間の位置にプレイヤキャラクタが配置される。ユーザが様々な場所に行くことにより、対応する仮想空間の位置においてアイテムが得られたり、敵キャラクタと対戦したり、ゲーム内イベントが発生したりする。
【0003】
また、下記特許文献1には、現実空間で撮影された画像を、撮影場所を特定する位置特定データとともに取り込むことにより、現実空間で撮影された画像を用いたゲームを提供することが提案されている。
【0004】
このように、ユーザが操作するコンピュータの位置情報を利用したゲームのユーザは、新しいアイテム、敵キャラクタ、ゲーム内イベント等を見つけるために現実空間における様々な場所に移動する蓋然性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような位置情報を利用したゲームでは、現実空間の位置情報を利用してはいるものの、そのゲームと現実空間との関連性はあまり高くない。例えば、特許文献1のゲームにおいては、ユーザはあくまでゲームに利用するための画像を撮影しにその場所に行くだけである。すなわち、位置情報を利用したゲームのユーザは、上記のように様々な場所に移動するかもしれないが、その場所でゲーム外の行動を取る訳ではない。このように、位置情報を利用したゲームにおいて、様々な場所に移動する蓋然性のあるユーザをゲーム外で利用することについて改善の余地がある。
【0007】
そこで本発明は、位置情報を利用したゲームにおいて、現実空間においてユーザにゲーム外の行動を促すことができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るゲームプログラムは、ユーザが操作するコンピュータと、前記コンピュータに通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバとを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、前記サーバおよび前記コンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部を、前記コンピュータの位置情報を取得する位置情報取得手段、前記コンピュータの位置に応じたゲームを実行するゲーム実行手段、現実空間における所定の実行位置にて、現実空間における所定の行動を実行することを達成目標とするミッションを、前記サーバから前記コンピュータに送信するミッション送信手段、および前記ミッションの実行内容を前記コンピュータから前記サーバに送信する実行内容送信手段として機能させる。
【0009】
前記ゲーム実行手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、前記ゲームにおいて有利な効果を発生させてもよい。
【0010】
前記ミッション送信手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、対応する前記ミッションを送信してもよい。
【0011】
前記ミッション送信手段は、前記実行位置に基づいて設定される第2領域内のユーザ数に応じて前記ミッションの達成条件を設定してもよい。
【0012】
前記制御部を、前記ミッションの実行内容に基づいてユーザが前記ミッションを達成したか否かを判定し、前記ミッションを達成した場合に、前記ユーザに所定の報酬を付与する報酬付与手段として機能させてもよい。
【0013】
前記報酬付与手段は、前記ミッションを実行した時間帯に応じて前記報酬を変更してもよい。
【0014】
前記報酬付与手段は、前記ミッションを達成したユーザ数に応じた前記報酬を付与してもよい。
【0015】
前記報酬付与手段は、前記実行位置に基づいて設定される第2領域内のユーザ数に応じた前記報酬を付与してもよい。
【0016】
前記ミッションは、前記実行位置における撮影を含み、前記実行内容送信手段は、ユーザが撮影した撮影画像を送信してもよい。
【0017】
前記ミッションは、所定の時刻または所定の期間に、前記実行位置に基づいて設定される所定領域内にユーザが位置することを含み、前記実行内容送信手段は、前記コンピュータの位置情報を時刻情報と対応付けて送信してもよい。
【0018】
前記制御部を、前記達成目標を設定することにより前記ミッションを作成し、作成した前記ミッションを前記サーバにアップロードするミッション作成手段として機能させてもよい。
【0019】
前記ゲーム実行手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、ゲーム内イベントを発生させてもよい。
【0020】
また、本発明の他の態様に係るゲームシステムは、上記ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶された前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、位置情報を利用したゲームにおいて、現実空間においてユーザにゲーム外の行動を促すことができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態におけるゲームの流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施の形態におけるミッションの第1例のためのミッション実行画面を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態におけるミッションの第2例のためのミッション実行画面を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態におけるミッションの第3例のためのミッション実行画面を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態におけるミッション作成画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態に係るゲームシステム1について、図面を参照しつつ説明する。本発明のゲームシステム1により、例えば、ゲームプログラムの少なくとも一部がインストールされたスマートフォン等のコンピュータ装置において後述するゲームが実行される。以下、ゲームプログラムの少なくとも一部がインストールされたコンピュータ装置をゲーム装置2と称する。
【0024】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、ゲーム装置2と、サーバ3とが、インターネットやLAN等の通信ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された構成になっている。サーバ3には、複数のゲーム装置2が通信ネットワークNWを介して接続される。
【0025】
ゲーム装置2は、その動作を制御するCPU10等のプロセッサを備え、このCPU10にはバス11を介して操作入力部12、記憶装置14、ROM15、およびRAM16が接続されている。なお、
図1には、複数のゲーム装置2のうちの一のゲーム装置2についての構成を例示し、他のゲーム装置2の例示を省略しているが、他のゲーム装置2の構成も上記一のゲーム装置2の構成と同様である。
【0026】
ゲーム装置2は、表示部であるモニタ19が設けられた移動筐体をユーザが把持するように構成される。当該移動筐体には操作入力部12が設けられている。本実施の形態において、ゲーム装置2の各構成は、移動筐体内に収められている。
【0027】
ROM15は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラム等が記憶されている。RAM16は、DRAMまたはSRAM等により構成され、CPU10が実行するべきゲームプログラム30aや、その実行の際に必要となる各種ゲームデータ30b等を、ゲームの実行状況に応じて読み込んで一時的に記憶する。
【0028】
さらに、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、ネットワークインターフェイス25、撮像部28および位置情報受信部29が接続されている。
【0029】
このうち、グラフィック処理部17は、CPU10の指示に従ってユーザ画像を表示するユーザ画像表示部を含む所定のアプリ画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介してゲーム装置2に内蔵されたモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたアプリ画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
【0030】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。したがって、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
【0031】
撮像部28は、移動筐体のモニタ19の表示面とは反対側および/または表示面側に設けられ、外部の風景(現実空間の画像)を撮像する。撮像された画像データは、記憶装置14に記憶される。
【0032】
位置情報受信部29は、ゲーム装置2の現在位置の情報を受信する。位置情報受信部29は、例えばGPS衛星受信器等により構成される。
【0033】
操作入力部12は、モニタ19上に設けられたタッチパネルで構成され、モニタ19上に表示された操作ボタン等をユーザが触れることにより、対応する操作入力が行われる。
【0034】
一方、サーバ3は、その動作を制御する高性能のCPU40を備え、このCPU40には高速バス41を介して記憶装置42、ROM43、RAM44およびネットワークインターフェイス45が接続されている。
【0035】
サーバ3のROM43は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、サーバ3と他のゲーム装置2との間の通信を制御するプログラム等、サーバ3の基本的な動作を実現するための基本プログラムが記憶されている。
【0036】
また、RAM44は、DRAMまたはSRAM等から構成され、CPU40が実行するべきプログラムや、その実行の際に必要になるデータ等を、記憶装置42等から読み込んで一時的に記憶する。
【0037】
本実施の形態において、ゲームシステム1は、いわゆるネイティブアプリによって動作する。
【0038】
サーバ3の記憶装置42は、サーバ3が内蔵する大容量記憶媒体である。サーバ3は、記憶装置42にサーバ3のCPU40が実行するべきゲームプログラム42aおよびそれに用いられる各種ゲームデータ42bを記憶している。CPU40は、各ゲーム装置2(アカウント)からアップロードされた画像データを保存、管理する。サーバ3とゲーム装置2とは、通信ネットワークNWを介して互いに通信を行う。
【0039】
ゲーム装置2は、ユーザの操作に基づいてアプリを実行するために、通信ネットワークNWを介してサーバ3の記憶装置42に記憶されたゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。さらに、ゲーム装置2は、サーバ3からアップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。
【0040】
ゲーム装置2は、インストールしたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいて、ゲーム装置2にてアプリの進行を行い、アプリの進行に伴う演出(画像、音声)をモニタ19およびスピーカ22等に出力する。
【0041】
複数のゲーム装置2のそれぞれには、そのゲーム装置2を操作するユーザ毎に異なるアカウント情報(固有の識別情報)が付与される。そして、アカウント情報ごとにID(識別符号)が付与される。各ゲーム装置2が、サーバ3に対してIDとともに所定の画像データを送信(アップロード)すると、サーバ3のCPU40は、記憶装置42にその画像データを対応するIDとともに記憶する。また、CPU40は、各ゲーム装置2におけるアプリの進行に応じて、記憶装置42に記憶された画像データに基づく画像を、そのゲーム装置2のモニタ19に表示する。
【0042】
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、本実施の形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ゲームシステム1を構成するゲーム装置2は、CPU10、記憶装置14、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、オーディオ合成部20等を含む制御部5aを備えたコンピュータとして動作する。また、サーバ3は、CPU40、記憶装置42、ROM43、およびRAM44等を含む制御部5bを備えたコンピュータとして動作する。
【0043】
そして、
図2に示すように、ゲーム装置2の制御部5aとサーバ3の制御部5bとが協動することにより構成されるゲームシステム1の制御部5は、ゲームプログラム30a,42aを実行することで、位置情報取得手段51、ゲーム実行手段52、ミッション送信手段53、実行内容送信手段54、報酬付与手段55、およびミッション作成手段56等の機能を発揮する。
【0044】
このうち、ゲーム実行手段52は、所定のゲームを実行する。本実施の形態におけるゲームは、例えば、二次元または三次元の仮想空間に配置されたプレイヤキャラクタをユーザが操作して、仮想空間に出現するノンプレイヤキャラクタ(モンスター)を捕獲したり、捕獲したキャラクタを育成したりするゲームである。このため、ゲーム実行手段52は、仮想空間を生成し、プレイヤキャラクタおよびノンプレイヤキャラクタを仮想空間に配置する。また、ゲーム実行手段52は、ユーザの操作に基づいてプレイヤキャラクタを制御する。ゲーム実行手段52は、ノンプレイヤキャラクタの制御、各キャラクタのパラメータ管理、捕獲したノンプレイヤキャラクタまたは取得したアイテム等のゲーム内オブジェクトの管理を行う。
【0045】
ゲーム実行手段52は、ゲーム装置2の位置に応じたゲームを実行する。このために、位置情報取得手段51がゲーム装置2の位置情報を取得する。ゲーム実行手段52は、取得した位置情報に基づいてゲームを実行する。例えば、仮想空間が現実空間に即して形成される。ゲーム実行手段52は、現実空間におけるゲーム装置2の位置(すなわち、ユーザの現在位置)に対応する仮想空間の位置にプレイヤキャラクタを配置する。また、仮想空間に配置されるゲーム内オブジェクトの少なくとも一部が現実空間の位置に対応付けられて配置される。
【0046】
また、ミッション送信手段53は、現実空間における所定の実行位置にて、現実空間における所定の行動を実行することを達成目標とするミッションを、サーバ3からゲーム装置2に送信する。実行内容送信手段54は、当該ミッションの実行内容をゲーム装置2からサーバ3に送信する。
【0047】
また、報酬付与手段55は、ミッションの実行内容に基づいてユーザがミッションを達成したか否かを判定する。報酬付与手段55は、ミッションを達成したと判定した場合に、対応するユーザ(のアカウント)に所定の報酬を付与する。
【0048】
また、ミッション作成手段56は、ユーザの操作入力に基づいて達成目標を設定することによりミッションを作成し、作成したミッションをサーバ3にアップロードする。
【0049】
[ミッション実行処理]
以下、本実施の形態におけるミッション実行処理について具体例を挙げて詳しく説明する。
【0050】
図3は、本実施の形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図3に示すように、本例におけるゲーム画面Gは、メイン表示部Ga、クエスト表示部Gbおよびゲーム状況表示部Gcを含む。メイン表示部Gaには、仮想空間Sが三次元表示され、そこにプレイヤキャラクタC1等のキャラクタを含むゲーム内オブジェクトが配置される。クエスト表示部Gbには、現在実行中のクエストの内容が表示される。ゲーム状況表示部Gcには、現在のゲーム状況がテキストで表示される。
【0051】
上述したように、本ゲームにおいては、仮想空間Sが現実空間に即して形成される。例えば、現実空間における道路が仮想空間Sにおいても同じように再現されている。現実空間におけるゲーム装置2の位置とプレイヤキャラクタC1の位置とが対応付けられている。また、仮想空間Sにおいても現実空間と同じように方角が設定されている。したがって、ゲーム装置2を所持するユーザが移動する方向に仮想空間S内に配置されたプレイヤキャラクタC1が移動する。メイン表示部Gaにおいては所定の位置にプレイヤキャラクタC1が配置され、ユーザが移動することにより、メイン表示部Gaに表示される仮想空間Sの領域部分が変化する。すなわち、仮想空間SがプレイヤキャラクタC1に対して移動することにより、プレイヤキャラクタC1の仮想空間S内における移動が表現される。
【0052】
図4は、本実施の形態におけるゲームの流れの一例を示すフローチャートである。本ゲームにおいてはゲームの進行状況等に応じて様々なクエストが提示され、ユーザが所望のクエストを選択して受注する操作を行うことにより、クエストの達成条件が設定される。クエストの達成条件を満たせば、クエスト報酬がユーザ(のアカウント)に付与される。
【0053】
本実施の形態において、複数のクエストには、クエストの達成条件の少なくとも一部に目的地(への移動)を含む移動クエストが含まれる。移動クエストは、例えば、目的地への到達をクエストの達成条件とするクエストおよび目的地において所定のクリア条件を満たすことをクエストの達成条件とするクエストを含み得る。所定のクリア条件は、例えば、ノンプレイヤキャラクタと対戦すること、アイテム等の所定のゲーム内オブジェクトを見つけること等を含み得る。
【0054】
ゲーム実行手段52は、移動クエストを受注した場合(ステップS1でYes)、クエストの達成条件の少なくとも一部である目的地を設定する(ステップS2)。
図3の例では、目的地T1への到達をクエストの達成条件とするクエストQ1を受注した場合が例示されている。受注したクエストQ1の内容は、ゲーム画面Gのクエスト表示部Gbに表示される。また、仮想空間Sにおける目的地T1には、クエストQ1の目的地T1を示すゲーム内オブジェクト(目標オブジェクト)B1が配置される。したがって、ユーザ(ゲーム装置2)が目的地T1に近づくとメイン表示部Gaにおいて対応する箇所に目標オブジェクトB1が表示される。
【0055】
クエストQ1を受注したユーザは、クエストQ1を達成するために、ゲーム装置2とともに目的地T1へ移動する。ゲーム実行手段52は、ユーザ(ゲーム装置2)が目的地T1に到着したかどうかを判定する(ステップS3)。このとき、ゲーム実行手段52は、ゲーム装置2の位置が目的地T1に基づいて設定される到着判定領域Aa内に含まれる場合に、ユーザが目的地T1に到着したと判定する。なお、
図3においては、到着判定領域Aaが示されているが、実際のゲーム画面G上には表示されない。
【0056】
ゲーム実行手段52は、ユーザが目的地T1に到着したと判定された場合(ステップS3でYes)、さらに受注中のクエストQ1が達成されたかどうかを判定する(ステップS4)。
図3の例では、クエストQ1の達成条件は、目的地T1への到着のみのため、ゲーム実行手段52は、目的地T1に到着したと判定したことをもってクエストが達成されたと判定する(ステップS4でYes)。
【0057】
ゲーム実行手段52は、クエストQ1の達成に基づく所定のクエスト報酬を付与する(ステップS5)。クエスト報酬は、例えば、アイテム等のゲーム内オブジェクトを付与すること等である。その他、後述するゲーム内効果と同様の効果を発生させる態様を取り得る。
【0058】
図3の例では、プレイヤキャラクタC1が目的地T1に到着し、クエストQ1を達成することにより、宝箱が手に入ることによるアイテムの付与処理が行われる。ゲーム状況表示部Gcには、目的地T1に到着したこと、クエストQ1を達成(クリア)したこと、宝箱を手に入れたことが順に表示される。
【0059】
クエストQ1の達成時において、ミッション送信手段53は、ミッションをサーバ3からゲーム装置2に送信するか否かの判定を行う(ステップS6)。ここで、クエストは、ゲーム内での行動目的、達成条件等を示すものである。一方、ミッションは、現実空間における所定の実行位置にて、現実空間における所定の行動を実行することを達成目標とする。すなわち、ミッションは、ゲームとは直接関係しない現時空間におけるユーザの行動を促すものである。ただし、ミッションは、後述するようにゲーム内で写真撮影を行う、アンケート内容を入力する等のゲーム内行動を一部に含み得る。サーバ3の記憶装置14には、複数のミッションが各ミッションの実行位置とともに記憶されており、ミッションの実行位置から対応するミッションを検索可能である。
【0060】
本実施の形態において、ミッション送信手段53は、ゲーム装置2の位置がミッションM1の実行位置に基づいて設定される第1領域A1に含まれるか否かを判定する。ミッション送信手段53は、ゲーム装置2の位置が第1領域A1に含まれる場合に、対応するミッションM1をサーバ3から対応するゲーム装置2に送信し、ゲーム装置2において当該ミッションM1を受注する(ステップS7)。言い換えると、ミッション送信手段53は、ゲーム装置2の位置で実行可能なミッションを記憶装置14から検索する。
【0061】
さらに、ゲーム実行手段52は、ゲーム装置2の位置が第1領域A1に含まれる場合に、ゲーム内効果を発生させる(ステップS8)。ゲーム内効果は、ゲームにおいて有利な効果を発生させるものである。ゲーム内効果は、例えば、アイテム等のゲーム内オブジェクトを付与すること、体力値、スタミナ値等のゲーム内パラメータを回復または上昇させること、攻撃力等のプレイヤキャラクタC1の能力を強化するバフ効果またはノンプレイヤキャラクタの能力を弱化するデバフ効果を付与すること、キャラクタや装備等の抽選付与処理(いわゆるガチャ等)の実行が可能になること等を含み得る。クエスト報酬とゲーム内効果とは同種である場合もあり得るし、互いに異なる種類である場合もあり得る。
【0062】
ここで、本実施の形態において、第1領域A1は、クエストの到着判定領域Aaに等しい領域に設定される。したがって、ゲーム装置2の位置がクエストの目的地T1に基づいて設定されるクエストの到着判定領域Aa内に含まれる場合に、ミッション送信手段53は、対応するミッションM1を当該ゲーム装置2に送信する(ステップS7)とともに、ゲーム実行手段52は、ゲーム内効果を発生させる(ステップS8)と言い換えられる。
【0063】
図3の例では、ゲーム内効果としてプレイヤキャラクタC1の体力値が回復する体力回復処理が行われる。ミッションM1を受注したことおよびゲーム内効果として体力が回復したことは、ゲーム状況表示部Gcに表示される。ミッションM1の受注後、ユーザによる所定の操作に基づいて、ゲーム実行手段52は、ミッションの実行処理を行う(ステップS9)。例えば、
図3の例において、ゲーム画面Gには、仮想のメニュー表示ボタンVB1が表示される。メニュー表示ボタンVB1をユーザがタッチ操作することにより、所定のメニュー画面が表示され、その中に、ミッションM1を開始するための仮想の実行開始ボタンが表示される。ミッションM1の実行開始ボタンがタッチ操作されることにより、ミッションM1の実行処理が開始される。
【0064】
ミッションの実行処理において、ゲーム実行手段52は、受注したミッションに応じたミッション実行画面(後述する
図5~7参照)をゲーム画面Gに表示する。ユーザは、ミッション実行画面に表示される内容に従ってミッションに応じた行動(操作入力等)を行う。ゲーム実行手段52は、ユーザの操作入力等に基づいてミッションに応じたミッション実行内容を生成する。実行内容送信手段54は、そのミッション実行内容をユーザアカウントとともにゲーム装置2からサーバ3に送信する(ステップS10)。サーバ3は、受信したミッション実行内容をユーザアカウントとともに記憶装置42に記憶する。
【0065】
報酬付与手段55は、サーバ3に送信したミッションの実行内容に基づいて当該ミッションを達成したか否かを判定する(ステップS11)。報酬付与手段55は、ミッションを達成したと判定した場合(ステップS11でYes)、ユーザ(アカウント)に所定のミッション報酬を付与する(ステップS12)。ミッション報酬は、例えば、ゲーム内通貨等のクエスト報酬とは異なる種類のゲーム内報酬である。
【0066】
一方、報酬付与手段55は、ミッションを達成していないと判定した場合(ステップS11でNo)、報酬付与手段55は、対応するゲーム装置2にミッションが未達成だったことを報知する(ステップS13)。例えば、報酬付与手段55は、ゲーム画面Gにミッションが未達成だったことを示す結果表示を行う。
【0067】
[ミッションの例示]
図5は、本実施の形態におけるミッションの第1例のためのミッション実行画面を示す図である。第1例におけるミッションの目的は、現実空間におけるミッションの実行位置における植物の生態調査である。このために、第1例におけるミッションの内容は、目的地T1周辺の植物(例えば花等)の写真撮影を行い、撮影画像をサーバ3に送信することに設定される。
【0068】
第1例におけるミッションにおいて、ミッション実行画面Gd1は、ミッション内容を表示するミッション表示部Ge、撮像部28による撮影領域を表示する撮影領域表示部Gfおよび仮想のシャッターボタンVB2を含む。ユーザは、撮影領域表示部Gfを通して、撮像部28の撮影領域を把握し、任意のタイミングでシャッターボタンVB2をタッチ操作する。これにより、撮像部28は、その時の撮影領域における写真撮影を行い、記憶装置14に記憶する。
【0069】
写真撮影後、ゲーム実行手段52は、得られた撮影画像をサーバ3に送信するか否かを確認する確認画面をゲーム画面Gに表示する。実行内容送信手段54は、ユーザの送信許可操作に基づいて、ユーザが撮影した撮影画像をミッションの実行内容としてユーザアカウントとともにゲーム装置2からサーバ3に送信する(ステップS10)。
【0070】
報酬付与手段55は、撮影画像が適正か否かを判定する。例えば、報酬付与手段55は、撮影画像に植物が撮影されているかどうかの判定を行う。この判定は、例えば、AIによる画像認識処理等により実現される。報酬付与手段55は、撮影画像が適正であると判定した場合(撮影画像に対象の植物が撮影されていると判定した場合)、ミッション達成と判定し(ステップS11でYes)、対応するユーザ(アカウント)にミッション報酬を付与する(ステップS12)。
【0071】
図6は、本実施の形態におけるミッションの第2例のためのミッション実行画面を示す図である。第2例におけるミッションの目的は、現実空間におけるミッションの実行位置付近の混雑度調査である。このために、第2例におけるミッションの内容は、目的地T1周辺の所定の場所(例えば公園等)の混雑度についてのアンケートに回答し、それをサーバ3に送信することに設定される。
【0072】
第2例におけるミッションにおいて、ミッション実行画面Gd2は、ミッション内容を表示するミッション表示部Ge、アンケート内容(選択肢等)を表示するアンケート表示部Ggを含む。
図6において、アンケート表示部Ggは、少なくとも1つの質問に対する複数の選択肢のそれぞれに対応する仮想の選択ボタンVB3~VB11を含む。
【0073】
ユーザは、目的地T1周辺にある指定されたP1公園に行き、P1公園の混雑度を目視で確認する。その上で、ユーザは、アンケート表示部Ggに表示される選択肢の中から適切と思う選択肢に対応する選択ボタンVB3~VB11をタッチ操作する。
図6の例において、アンケート内容は2つの質問を含む。
【0074】
1つ目の質問は、ユーザが公園の混雑度を確認したときの時間帯であり、対応する複数の選択肢は、例えば「午前中」、「昼」、「夕方」、「夜」を含む。これらの選択肢に対応する選択ボタンとしてVB3~VB6が割り当てられている。ユーザが選択ボタンVB3~VB6の何れかをタッチ操作するとその選択ボタンが択一的に選択状態となる。
図6の例では「夕方」に対応する選択ボタンVB5が選択状態となっている。複数の時間帯を選択可能とすることにより、時間帯ごとの混雑度の違い(変化)も調査することができる。
【0075】
2つ目の質問は、ユーザが確認したときの公園の混雑度であり、対応する複数の選択肢は、例えば、「とても混んでいる」、「まあまあ混んでいる」、「普通」、「やや空いている」、「とても空いている」を含む。これらの選択肢に対応する選択ボタンとしてVB7~VB11が割り当てられている。ユーザが選択ボタンVB7~VB11の何れかをタッチ操作するとその選択ボタンが択一的に選択状態となる。
図6の例では「やや空いている」に対応する選択ボタンVB10が選択状態となっている。
【0076】
ユーザが、アンケート表示部Ggに表示されるアンケート内容に基づいて選択ボタンVB3~VB10をタッチ操作して各質問に対する複数の選択肢のうちの何れかを選択状態にした上で、仮想の送信ボタンVB12をタッチ操作することにより、ユーザによる回答内容が確定する。ゲーム実行手段52は、ユーザが選択した選択肢に基づいて、ミッション回答信号を生成する。実行内容送信手段54は、ゲーム実行手段52が生成したミッション回答信号をミッションの実行内容としてユーザアカウントとともにゲーム装置2からサーバ3に送信する(ステップS10)。
【0077】
報酬付与手段55は、ミッション回答信号を受信した場合、ミッション達成と判定し(ステップS11でYes)、対応するユーザ(アカウント)にミッション報酬を付与する(ステップS12)。
【0078】
図7は、本実施の形態におけるミッションの第3例のためのミッション実行画面を示す図である。第3例におけるミッションの目的は、現実空間におけるミッションの実行位置における通学見守り活動である。このために、第3例におけるミッションの内容は、目的地T1周辺の通学路に基づいて定められる所定領域内において所定のミッション設定期間滞在することに設定される。例えば、所定領域は、目的地T1に基づいて設定される第1領域A1に一致する。
【0079】
第3例におけるミッションにおいて、ミッション実行画面Gd3は、ミッション内容を表示するミッション表示部Ge、残り時間を表示する残り時間表示部Ghおよび仮想の終了ボタンVB13を含む。ユーザは、通学時間帯の開始時刻に対応するミッションの開始時刻から通学時間帯の終了時刻に対応するミッションの終了時刻まで通学路近傍に滞在する。
【0080】
位置情報取得手段51は、第3例におけるミッション開始後も所定のタイミングごとにゲーム装置2の位置情報を取得する。ミッション開始後、ゲーム装置2の位置がミッションの実行位置に基づく所定領域(本例においては第1領域A1)外になった場合、ゲーム実行手段52は、ミッション実行画面Gd3において「目的地T1に戻って下さい」等の警告文を表示する等の警告報知を行う。所定領域外に位置してからの期間が基準期間以上になった場合、ゲーム実行手段52は、そのミッションがキャンセルされた(失敗した)と判定する。また、ミッションを自主的にキャンセルする場合は終了ボタンVB13をタッチ操作することによってもミッションをキャンセルすることができる。
【0081】
ゲーム装置2の位置が所定領域内に維持された状態で、ミッションの終了時刻を経過すると、実行内容送信手段54は、ミッションの実行内容として、ミッション設定期間における所定のタイミングごとのゲーム装置2の位置情報(位置履歴情報)を時刻情報およびユーザアカウントと対応付けてゲーム装置2からサーバ3に送信する(ステップS10)。
【0082】
報酬付与手段55は、ミッション設定期間に、対応するユーザのゲーム装置2の位置が所定領域内に位置している否かを判定する。報酬付与手段55は、ミッションにおいて設定されている期間、対応するユーザのゲーム装置2の位置が所定領域内に位置していると判定した場合、ミッション達成と判定し(ステップS11でYes)、対応するユーザ(アカウント)にミッション報酬を付与する(ステップS12)。
【0083】
[ミッション依頼態様]
次に、ミッションの依頼態様について説明する。ミッションの依頼者(発注者)は、ゲームの製作者または運営者、製作者または運営者に依頼する第三者、ゲームユーザを含み得る。
【0084】
このうち上記第三者は、例えば植物学者等の研究者、学術研究機関、学校、企業、自治体等を含む。第三者は、所定の依頼方法によりゲームの製作者または運営者に対して現実空間における所望の調査を依頼する。ゲームの製作者または運営者は、それに基づいてミッションを設定し、設定したミッションをその実行位置に対応付けてサーバ3にアップロードする。ゲームの製作者または運営者がミッションを発注する場合も同様に所望の調査内容に基づいてミッションを設定し、設定したミッションをその実行位置に対応付けてサーバ3にアップロードする。
【0085】
上記第三者は、依頼に際してゲームの製作者または運営者に対して対価を支払う。ゲームの製作者または運営者は、ミッションの内容(難易度等)、対価等に応じて対応するミッションをユーザが達成した場合のミッション報酬を設定する。このように、ミッション報酬は、ミッションの内容等に応じて異なり得る。第三者は、ユーザが実行したミッションの実施結果(サーバ3に送信された実行内容のデータ)をゲーム制作者または運営者から受け取る。
【0086】
ゲームユーザがミッションの依頼を行う場合、ゲーム内でミッションの作成を行うことが可能である。ユーザが、メイン表示部Gaが表示されているゲーム画面Gにおいてメニュー表示ボタンVB1をタッチ操作することにより、メニュー画面が表示される。メニュー画面には、ミッション依頼用の仮想の操作ボタンが設けられている。この仮想の操作ボタンをタッチ操作することにより、ミッション作成画面が表示される。
【0087】
図8は、本実施の形態におけるミッション作成画面の一例を示す図である。ミッション作成画面Giは、場所指定部Gj、達成目標指定部Gkおよび仮想の完成ボタンVB14を含む。場所指定部Gjは、例えばプルダウンによる選択形式の設定入力部を含む。場所指定部Gjをプルダウン表示させることにより、想定される実行位置(例えばゲーム上ですでに設定されている目的地の位置)が一覧表示される。
【0088】
達成目標指定部Gkも、例えばプルダウンによる選択形式の設定入力部を含む。達成目標指定部Gkをプルダウン表示させることにより、想定される達成目標(例えば、写真撮影、アンケート、見守り等)が一覧表示される。ユーザは、これらの指定部Gj,Gkから所望の内容を選択し、ミッションを作成する。ユーザは、入力すべきすべての項目について選択した後、完成ボタンVB14をタッチ操作する。これにより、ミッションの作成が完了する。ミッション作成手段56は、作成されたミッションの内容をサーバ3に送信する。サーバ3は、受信したミッションの内容を実行位置から検索可能なように記憶装置42に記憶する。
【0089】
[まとめ]
以上をまとめると、本実施の形態はユーザが操作するコンピュータ(ゲーム装置)2と、前記コンピュータ(ゲーム装置)2に通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されたサーバ3とを備えたゲームシステム1のためのゲームプログラムであって、前記サーバ3および前記コンピュータ(ゲーム装置)2の少なくとも1つにより構成される制御部5を、前記コンピュータ(ゲーム装置)2の位置情報を取得する位置情報取得手段51、前記コンピュータ(ゲーム装置)2の位置に応じたゲームを実行するゲーム実行手段52、現実空間における所定の実行位置にて、現実空間における所定の行動を実行することを達成目標とするミッションを、前記サーバ3から前記コンピュータ(ゲーム装置)2に送信するミッション送信手段53、および前記ミッションの実行内容を前記コンピュータ(ゲーム装置)2から前記サーバ3に送信する実行内容送信手段54として機能させる、ゲームプログラムである。
【0090】
[発明の効果]
本実施の形態におけるゲームプログラムによれば、位置情報を利用したゲームにおいて、現実空間における所定の行動を実行することを達成目標とするミッションが対応する位置にいるユーザのコンピュータ(ゲーム装置)2に送信される。ユーザがそのミッションを実行した内容がゲーム装置2からサーバ3に送信される。したがって、位置情報を利用したゲームにおいて、現実空間においてユーザにゲーム外の行動を促すことができる。これにより、位置情報を利用したゲームをプレイする複数のユーザを調査員とみなして大規模な調査を行ったり、特定の場所にユーザを集めて人手不足を解消したりすることができる。
【0091】
また、本実施の形態において、前記ゲーム実行手段52は、前記コンピュータ(ゲーム装置)2の位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域A1内に含まれる場合に、前記ゲームにおいて有利な効果を発生させる。このため、ゲームをプレイするユーザがミッションの実行位置に積極的に行く動機を与えることができる。
【0092】
さらに、本実施の形態において、前記ミッション送信手段53は、前記コンピュータ(ゲーム装置)2の位置が前記ミッション(ゲーム装置)2の前記実行位置に基づいて設定される第1領域A1内に含まれる場合に、対応する前記ミッションを送信する。このため、ゲームに有利な効果を発生させようと実行位置付近に来たユーザにミッションを送信することができ、そのユーザによるミッションの実行率を向上させることができる。
【0093】
さらに、本実施の形態において、前記制御部5を、前記ミッションの実行内容に基づいてユーザが前記ミッションを達成したか否かを判定し、前記ミッションを達成した場合に、前記ユーザに所定の報酬を付与する報酬付与手段55として機能させる。このため、ゲーム外のミッションを達成しても所定の報酬が得られるため、ユーザによるミッションの実行率を向上させることができる。
【0094】
また、本実施の形態において、前記制御部5を、前記達成目標を設定することにより前記ミッションを作成し、作成した前記ミッションを前記サーバ3にアップロードするミッション作成手段56として機能させる。このため、ミッションをゲームユーザから広く募集することができ、ミッションの実行をゲームの活性化にも役立たせることができる。
【0095】
[他の実施形態]
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0096】
例えば、上記実施の形態において、ゲーム装置2の位置情報を利用したゲーム(コンピュータの位置に応じたゲーム)として、ゲーム装置2の位置に対応する仮想空間位置にプレイヤキャラクタが配置されるような、ゲーム空間である仮想空間Sが現実空間に応じて形成されているゲームを例示したが、ゲーム装置2の位置情報を利用したゲームは、現実空間に対応する仮想空間がないゲームであってもよい。例えば、ゲーム装置2の位置が所定の位置に位置した場合に、それをトリガとして所定のイベント等が発生するゲームであってもよい。
【0097】
また、上記実施の形態において、ゲーム装置2の位置がミッションの実行位置に基づいて設定される第1領域A1に含まれる場合に、対応するミッションが送信される態様を例示したが、ゲーム装置2の現在位置とミッションの実行位置とに関係なくミッションが送信されてもよい。例えば、ミッション送信手段53は、ユーザによって予め登録された地域内に実行位置が含まれるミッションを受け付けた場合に、そのユーザがそのミッションの実行位置に基づいて設定される所定領域内にいるかどうかにかかわらず、当該地域を登録しているユーザにミッションを送信してもよい。
【0098】
また、上記実施の形態において、クエストを達成した場合に、ミッションが送信される態様を例示したが、クエストの実行中(達成前)にミッションがユーザに送信されてもよいし、クエストとは無関係にミッションがユーザに送信されてもよい。また、上記実施の形態において、ゲーム内のクエストとミッションとが対応付けられていない態様を例示したが、ゲーム実行手段52は、登録されたミッションに応じたクエストを発生するように制御してもよい。例えば、ゲーム実行手段52は、登録されたミッションの実行位置を目的地または経由地とするクエストを優先的に発生させてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態では、ゲーム装置2がミッションの実行位置に基づいて設定される第1領域A1内に含まれる場合に、クエスト達成によるクエスト報酬とは別に、ゲーム内効果を発生させる例を示したが、これに限られない。例えば、クエストを達成した結果、ゲーム装置2の位置がミッションの実行位置に基づいて設定される第1領域Aに含まれることになった場合、発生するゲーム内効果は、クエスト報酬であるとしてもよい。この場合、クエストの目的地においてミッションが登録されていない場合に比べて、付与されるクエスト報酬(ゲーム内効果)の内容がユーザにより有利な内容(付与されるアイテム数が増える、付与されるアイテムのグレードが上がる、体力の回復量が増える等)になってもよい。
【0100】
また、上記実施の形態において、ユーザが受注するクエストを選択するゲームを例示したが、クエストの受注はユーザの受注操作なしに自動で行われてもよい。一方、上記実施の形態において、ミッションの受注はユーザの受注操作なしに自動で行われる態様を例示したが、ミッションの受注はユーザが受注するか否かを事前に選択可能としてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態において、クエストの目的地T1に基づいて設定される到着判定領域Aaとミッション送信のための第1領域A1とが同じ例を示したが、到着判定領域Aaと第1領域A1とは異なる領域としてもよい。この場合、到着判定領域Aaが第1領域A1を含み、第1領域A1より広い領域として設定されてもよいし、第1領域A1が到着判定領域Aaを含み、到着判定領域Aaより広い領域として設定されてもよい。また、到着判定領域Aaと第1領域A1とが一部に互いに重複しない領域を有していてもよい。
【0102】
また、クエストの目的地T1(到着判定領域Aa)だけでなく、その周辺領域においてゲーム内効果が付与される地点が設定されてもよい。例えば、複数のクエストの目的地がミッションの実行位置の近く(第1領域A1内)に設定されてもよい。これにより、ユーザをミッションの実行位置の近くに誘導することができ、多くのユーザにミッションを受注させることができる。
【0103】
また、クエストとは無関係にミッションの実行位置(第1領域A1)が設定される場合、ゲーム内効果が発生する位置がゲーム内の仮想空間Sにおいて視認可能に表現されてもよい。これによりゲーム内効果が発生する位置がユーザに分かるため、ユーザが積極的に当該位置に移動する。その結果、多くのユーザにミッションを受注させることができる。
【0104】
例えば、クエストとは関係なくゲーム内効果が発生する位置を示すゲーム内効果オブジェクトがミッションの実行位置付近に配置されてもよい。ゲーム内効果オブジェクトは、例えば、アイテムが付与されるゲーム内効果が発生する宝箱のオブジェクトや、体力等が回復するゲーム内効果が発生する宿屋のオブジェクト等、ゲーム内効果が推測可能なオブジェクトであってもよいし、その位置がぼんやり光る、「?」マーク等のゲーム内効果が推測不能なオブジェクトであってもよい。推測不能なオブジェクトが表示される場合、その位置で発生するゲーム内効果は、予め定められていてもよいし、抽選によりその都度決定されてもよい。
【0105】
1つのミッションの実行位置に対して配置されるゲーム内効果オブジェクトは、1つでも複数でもよい。ミッションの実行位置に近づくほどゲーム内効果オブジェクトの配置数(配置密度)が増大するようにゲーム内効果オブジェクトが配置されてもよい。これにより、より多くのゲーム内効果を発生させるためにユーザをミッションの実行位置に基づく第1領域A1に移動させることができ、多くのユーザにミッションを受注させることができる。
【0106】
また、ミッションが登録されてからの時間が経過するにつれてゲーム内効果の内容が高まるようにしてもよい。例えば、時間が経過するにつれてゲーム内効果が付与される位置が増えてもよいし、付与されるゲーム内効果の内容がユーザにより有利な内容(付与されるアイテム数が増える、付与されるアイテムのグレードが上がる、体力の回復量が増える等)になってもよい。
【0107】
また、ミッションの登録期間(受注可能期間)が予め定められている場合、ミッションを実行したユーザ数が所定数未満のミッションについて、受注可能期間が残り少なくなるほどゲーム内効果の内容が高まるようにしてもよい。
【0108】
また、ミッション送信のための第1領域A1とミッションの実施領域とが異なっていてもよい。例えば、第1領域A1と実施領域とが一部に互いに重複しない領域を有していてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態における第1例のミッションにおいて、写真撮影を行う場合、
図5に示すように、現実空間のみの撮影画像を得るような構成としてもよいし、現実空間の撮影画像にゲーム内オブジェクト(プレイヤキャラクタC1等)を重ね合わせたAR撮影画像を得るような構成としてもよい。また、写真撮影の代わりに、動画撮影または音声収録を要求するようにしてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態における第2例のミッションにおいて、ユーザが公園の混雑度を確認したときの時間帯を複数の選択肢の中から選択する態様を例示したが、ユーザによる時間帯の選択はなくてもよい。例えば、実行内容送信手段54がミッションの実行内容を送信するときの時刻情報を、ミッションを実行したときの時刻とみなしてもよい。この場合、サーバ3の記憶装置42には、ミッションの実行内容が時刻情報に対応付けて記憶される。
【0111】
また、上記実施の形態における第2例のミッションにおいて、公園の混雑度調査の実行内容としてアンケート形式を例示したが、これに加えてまたはこれに代えて、ユーザによる公園の撮影画像を実行内容としてもよい。この場合、サーバ3は、撮影画像から公園の混雑度を所定の画像処理を用いて判定してもよい。
【0112】
また、上記実施の形態における第3例のミッションにおいて、ミッションの実行内容として、ミッション設定期間内における所定のタイミングごとのゲーム装置2の位置情報が時刻情報およびユーザアカウントと対応付けてサーバ3に送信される態様を例示したがこれに限られない。例えば、ミッション開始からミッション終了まで所定のタイミングごとにゲーム装置2の位置情報が逐一サーバ3に送信されてもよい。また、このときのミッションの達成条件は、ミッション設定期間内におけるゲーム装置2の位置(複数の位置情報)がすべて所定領域内であることとしてもよいし、複数の位置情報のうちの基準数以上の位置情報が所定領域内であることとしてもよいし、複数の位置情報のうち所定領域内にない位置情報が基準数未満であることとしてもよいし、ミッション設定期間内において所定領域内に1度でも位置することとしてもよい。
【0113】
また、ミッション設定期間の代わりに、所定の時刻に所定領域内にユーザ(ゲーム装置2)が位置することをミッションの達成条件としてもよい。この場合、ミッションの実行内容として、所定の時刻におけるゲーム装置2の位置情報がサーバ3に送信される。
【0114】
また、上記実施の形態における第3例のミッションにおいて、ミッションの実行内容を、ゲーム装置2の位置情報に加えて、または、これに代えて、見守りを行った際のユーザの感想をテキストによる自由記載形式または第2例のようなアンケート形式で入力したものとしてもよい。例えば、見守りの感想には、見守りを行った領域における通学時間帯の交通量の多寡、学童の様子、危険度等が含まれ得る。
【0115】
ミッションの内容は、上記実施の形態に例示したミッションに限られない。例えば、ミッションの対象となる調査は、害虫調査、ごみの不法投棄の調査、動物または昆虫等の生態調査、自販機のラインナップの調査、抜け道調査を含み得る。
【0116】
上記実施の形態におけるミッションを実行可能なゲームにおいて、ミッションの実行を主に行うゲームモード(ミッションモード)があってもよい。例えば、通常のゲームモードにおいてミッションを受注するには、クエストを達成する(目的地T1に行き、そこで所定のゲーム課題をクリアする)必要があるのに対し、ミッションモードにおいては、目的地T1に行けば、ミッションが受注できる(ゲーム課題のクリアが要求されない)としてもよい。ただし、ミッションモードにおいては、通常のゲームモードにはないゲーム上の制限(例えば、クエスト報酬がない等)があってもよい。
【0117】
ミッションに設定される達成条件は、ミッションを受注したユーザまたはミッションを受注する可能性の高いユーザの数に応じて変化してもよい。例えば、ミッション送信手段53は、ミッションの実行位置に基づいて設定される第2領域内のユーザ数に応じてミッションの達成条件を設定してもよい。第2領域は、ミッションの送信領域である第1領域と同じ領域でもよいし、第1領域を含み第1領域より広い領域であってもよい。例えば、第2領域は、実行位置を含む広域の地域(都道府県または市区町村等の単位)であってもよい。
【0118】
例えば、第1例のミッションのような写真撮影が必要なミッションの場合、必要撮影枚数が第2領域内のユーザ数によって増減されてもよい。例えば、第2領域内のユーザ数が多い場合、必要撮影枚数を減らし、第2領域内のユーザ数が少ない場合、必要撮影枚数を増やしてもよい。これにより、ユーザ数が多ければ難易度を下げてより多くの人にミッションを実行してもらうことができ、ユーザ数が少なければ一人あたりが提供する情報量を増やして少ないユーザ数をカバーすることができる。反対に、第2領域内のユーザ数が多い場合、必要撮影枚数を増やし、第2領域内のユーザ数が少ない場合、必要撮影枚数を減らしてもよい。これにより、ユーザ数が多ければ難易度を上げてミッション報酬を付与するユーザ数を限定的にすることができ、ユーザ数が少なければ難易度を下げてミッションを実行するユーザを確保することができる。
【0119】
また、例えば、第3例のミッションのような滞在期間が設定されるミッションの場合、実行位置にいる期間が第2領域内のユーザ数によって増減されてもよい。この場合も第2領域内のユーザ数が多い場合、実行位置にいる期間を増やし、第2領域内のユーザ数が少ない場合、実行位置にいる期間を減らしてもよいし、逆に、第2領域内のユーザ数が多い場合、実行位置にいる期間を減らし、第2領域内のユーザ数が少ない場合、実行位置にいる期間を増やしてもよい。
【0120】
また、ミッションを達成したユーザに付与されるミッション報酬は、ミッションを達成したユーザ数に応じて変化してもよい。すなわち、報酬付与手段55は、ミッションを達成したユーザ数に応じた報酬を付与してもよい。例えば、ミッションを達成したユーザ数が所定人数以上となった場合にミッションを達成したユーザに対して追加報酬が付与されてもよい。また、例えば、達成したユーザ数が多いほど付与される報酬の数または量(例えば付与されるゲーム内アイテムの数)が増えてもよい。また、例えば、達成したユーザ数が所定人数以上となった場合に付与される報酬がグレードアップしてもよい。例えば、達成したユーザ数が所定人数以上となった場合に所定人数未満である場合に付与されるアイテムより効果の高いアイテムが付与されてもよい。
【0121】
また、報酬付与手段55は、ミッションの実行位置に基づいて設定される第2領域内のユーザ数に応じた報酬を付与してもよい。例えば、第2領域内のユーザ数が多い場合、報酬を少なくし、第2領域内のユーザ数が少ない場合、報酬を多くしてもよい。
【0122】
また、報酬付与手段55は、ミッションを実行した時間帯に応じてミッション報酬を変更してもよい。例えば、ミッションの依頼者が指定した時間帯に近いほど数、量が多いまたは質(グレード等)が高い報酬が付与されてもよい。また、例えば、ユーザ数が少ない時間帯によりよい報酬または追加報酬が付与されてもよい。例えば第3例のミッションのような見守りミッションにおいては、通学時間(登校時間および下校時間)および夜間における報酬が高く、学校にいる昼間における報酬が低くなってもよい。
【0123】
上記実施の形態において、ミッション報酬は、クエスト報酬とは異なる種類のゲーム内報酬である例を示したが、クエスト報酬と同種のゲーム内報酬でもよい。この場合、例えば、ミッション報酬の方がクエスト報酬に比べてゲーム内報酬の数、量が多いまたは質(グレード等)が高い報酬が付与される等、両者に量的または質的な差が設けられてもよい。また、ミッション報酬は、ゲーム外の報酬であってもよい。例えば、ゲーム外の報酬は、電子通貨、所定商品の購入等に使用可能なポイント、所定のイベント等に参加できる電子チケット等を含み得る。
【0124】
ゲーム実行手段52は、ゲーム装置2の位置がミッションの実行位置に基づいて設定される第1領域A1内に含まれる場合に、ゲーム内イベントを発生させてもよい。例えば実行位置が近いミッションが所定の基準数以上ある場合、または、ミッションに参加するユーザの数が所定人数以上必要な場合に、それらのミッションがイベント発生ミッションとして登録され、何れかのミッションの実行位置にユーザ(ゲーム装置2)が位置した場合に、対応するゲーム内イベントが発生してもよい。
【0125】
ゲーム内イベントは、例えば複数のユーザが同時に一のボスキャラクタに攻撃を行ってそのボスキャラクタを討伐するレイドボス討伐イベント等であってもよい。
【0126】
このときのゲーム内イベントは、実行位置に基づいたイベントであってもよい。例えば、ミッションの達成目標が実行位置周辺のゴミ拾いである場合、ゲーム内イベントもゴミ拾いを模したイベント(例えば、仮想空間Sに配置されるゴミオブジェクトを多く拾うほど多くのアイテムが付与される等)が実行されてもよい。
【0127】
また、ミッションの依頼をゲームユーザがゲームを通じて行う場合に、対価の支払いが要求されなくてもよいし、対価の支払いが要求されてもよい。逆に、ミッションの依頼を行うことにより、ゲームユーザにゲーム内報酬等の報酬が付与されてもよい。
【0128】
また、上記実施の形態ではゲーム装置2として、スマートフォン、タブレットPC等の操作入力部12としてタッチパネルを有する携帯型の情報端末を想定して説明したが、レバーやボタン等を含む物理的な操作子を有する携帯型のゲーム専用機器についても、本発明を好適に適用することができる。また、スマートウォッチ等のウェアラブル端末についても、本発明を好適に適用することができる。
【0129】
また、ゲーム装置2は、ディスクドライブ、メモリカードスロットまたはHDD等を備えていてもよい。ディスクドライブを備えるゲーム装置においては、当該ディスクドライブにDVD-ROM等のディスク型記記憶体を装填することにより、アプリプログラムおよびアプリデータをゲーム装置2が取得することとしてもよい。また、メモリカードスロットを備えるゲーム装置においては、カード型記憶媒体を装填することにより、当該カード型記憶媒体に、セーブデータを格納可能としてもよい。
【0130】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0131】
[開示のまとめ]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施の形態の開示である。
【0132】
[項目1]
ユーザが操作するコンピュータと、前記コンピュータに通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバとを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、
前記サーバおよび前記コンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部を、
前記コンピュータの位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記コンピュータの位置に応じたゲームを実行するゲーム実行手段、
現実空間における所定の実行位置にて、現実空間における所定の行動を実行することを達成目標とするミッションを、前記サーバから前記コンピュータに送信するミッション送信手段、および
前記ミッションの実行内容を前記コンピュータから前記サーバに送信する実行内容送信手段として機能させる、ゲームプログラム。
【0133】
[項目2]
前記ゲーム実行手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、前記ゲームにおいて有利な効果を発生させる、項目1に記載のゲームプログラム。
【0134】
[項目3]
前記ミッション送信手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、対応する前記ミッションを送信する、項目1または2に記載のゲームプログラム。
【0135】
[項目4]
前記ミッション送信手段は、前記実行位置に基づいて設定される第2領域内のユーザ数に応じて前記ミッションの達成条件を設定する、項目3に記載のゲームプログラム。
【0136】
[項目5]
前記制御部を、前記ミッションの実行内容に基づいてユーザが前記ミッションを達成したか否かを判定し、前記ミッションを達成した場合に、前記ユーザに所定の報酬を付与する報酬付与手段として機能させる、項目1から4の何れかに記載のゲームプログラム。
【0137】
[項目6]
前記報酬付与手段は、前記ミッションを実行した時間帯に応じて前記報酬を変更する、項目5に記載のゲームプログラム。
【0138】
[項目7]
前記報酬付与手段は、前記ミッションを達成したユーザ数に応じた前記報酬を付与する、項目5または6に記載のゲームプログラム。
【0139】
[項目8]
前記報酬付与手段は、前記実行位置に基づいて設定される第2領域内のユーザ数に応じた前記報酬を付与する、項目5から7の何れかに記載のゲームプログラム。
【0140】
[項目9]
前記ミッションは、前記実行位置における撮影を含み、
前記実行内容送信手段は、ユーザが撮影した撮影画像を送信する、項目1から8の何れかに記載のゲームプログラム。
【0141】
[項目10]
前記ミッションは、所定の時刻または所定の期間に、前記実行位置に基づいて設定される所定領域内にユーザが位置することを含み、
前記実行内容送信手段は、前記コンピュータの位置情報を時刻情報と対応付けて送信する、項目1から9の何れかに記載のゲームプログラム。
【0142】
[項目11]
前記制御部を、前記達成目標を設定することにより前記ミッションを作成し、作成した前記ミッションを前記サーバにアップロードするミッション作成手段として機能させる、項目1から10の何れかに記載のゲームプログラム。
【0143】
[項目12]
前記ゲーム実行手段は、前記コンピュータの位置が前記ミッションの前記実行位置に基づいて設定される第1領域内に含まれる場合に、ゲーム内イベントを発生させる、項目1から11の何れかに記載のゲームプログラム。
【0144】
[項目13]
項目1から12の何れかに記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶された前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えた、ゲームシステム。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、位置情報を利用したゲームにおいて、現実空間においてユーザにゲーム外の行動を促すことができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供するために有用である。
【符号の説明】
【0146】
1 ゲームシステム
2 ゲーム装置(コンピュータ)
3 サーバ
5 制御部
5a ゲーム装置の制御部
5b サーバの制御部
51 位置情報取得手段
52 ゲーム実行手段
53 ミッション送信手段
54 実行内容送信手段
55 報酬付与手段
56 ミッション作成手段