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特開2024-13197情報処理装置、コンピュータ、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013197
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、コンピュータ、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/38 20060101AFI20240124BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240124BHJP
【FI】
H02B1/38 C
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060189
(22)【出願日】2023-04-03
(62)【分割の表示】P 2022114727の分割
【原出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】509152552
【氏名又は名称】株式会社コバヤシ精密工業
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】小林 昌純
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】複数の電気負荷に電力を供給する配電盤に取り付けられた場合に、見栄えが低下することを抑制可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】複数のブレーカ18が内部17Aに設けられる配電盤12のドア19の内面19Aに取り付けられ、かつ、複数のブレーカ18に接続される複数の接続部24を有し、かつ、複数のブレーカ18の電流をそれぞれ検出して電流の検出結果を送信する電流検出装置21と、ドア19の外面19Bに取り付けられ、かつ、電流検出装置21から送信される電流の検出結果を受信する管理装置22と、電流検出装置21と管理装置22とを通信可能に接続し、かつ、ドア19が閉じられた状態で配電盤12の本体17とドア19との間を通される接続ケーブル28と、を有する、情報処理装置13を構成した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気部品が内部に設けられる配電盤のドアの内面に取り付けられ、かつ、複数の前記電気部品に接続される複数の接続部を有し、かつ、複数の前記電気部品の電流をそれぞれ検出して電流の検出結果を送信する電流検出装置と、
前記ドアの外面に取り付けられ、かつ、前記電流検出装置から送信される電流の検出結果を受信する管理装置と、
前記電流検出装置と前記管理装置とを通信可能に接続し、かつ、前記ドアが閉じられた状態で前記配電盤の本体と前記ドアとの間を通される接続ケーブルと、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
複数の前記電気部品は、
前記配電盤の外部に設けられる複数の電気負荷にそれぞれ電流を供給する複数の電力ケーブルと、
複数の前記電力ケーブルにそれぞれ設けられた複数のブレーカと、
を含み、
前記電流検出装置は、複数の前記電力ケーブルを流れる電流をそれぞれ検出する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の情報処理装置において、
前記管理装置は、
複数の前記電気負荷の消費電力、及び複数の前記電気負荷の消費電力に相当する電力の発電により発生する二酸化炭素の排出量を処理して利用情報を生成する制御部と、
前記利用情報をネットワークへ無線で送信する通信部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置及びユーザ端末に対してネットワークを介して通信可能に接続され、かつ、前記情報処理装置から情報を取得し、かつ、取得した情報を前記ユーザ端末へ提供する情報提供部を有するコンピュータにおいて、
前記情報処理装置は、
複数の電気部品が内部に設けられる配電盤のドアの内面に取り付けられ、かつ、複数の前記電気部品に接続される複数の接続部を有し、かつ、複数の前記電気部品の電流をそれぞれ検出して電流の検出結果を送信する電流検出装置と、
前記ドアの外面に取り付けられ、かつ、前記電流検出装置から送信される電流の検出結果を受信する管理装置と、
前記電流検出装置と前記管理装置とを通信可能に接続し、かつ、前記ドアが閉じられた状態で前記配電盤の本体と前記ドアとの間を通される接続ケーブルと、
を有し、
複数の前記電気部品は、
前記配電盤の外部に設けられる複数の電気負荷にそれぞれ電流を供給する複数の電力ケーブルと、
複数の前記電力ケーブルにそれぞれ設けられた複数のブレーカと、
を含み、
前記電流検出装置は、複数の前記電力ケーブルを流れる電流をそれぞれ検出し、
前記管理装置は、
複数の前記電気負荷の消費電力、及び複数の前記電気負荷の消費電力に相当する電力の発電により発生する二酸化炭素の排出量を処理して利用情報を生成する制御部と、
を有し、
前記情報提供部は、前記情報処理装置から前記利用情報を取得し、かつ、取得した前記利用情報を前記ユーザ端末へ提供する、コンピュータ。
【請求項5】
電気負荷に供給される電流を検出する情報処理装置と、前記情報処理装置からネットワークを介して受信する情報を処理することにより、利用情報を生成するコンピュータと、前記コンピュータからネットワークを介して前記利用情報を受信するユーザ端末と、を有する情報処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、複数の電気部品が内部に設けられる配電盤のドアの内面に取り付けられ、かつ、複数の前記電気部品に接続される複数の接続部を有し、かつ、複数の前記電気部品の電流をそれぞれ検出して電流の検出結果を送信する電流検出装置と、前記ドアの外面に取り付けられ、かつ、前記電流検出装置から送信される電流の検出結果を受信する管理装置と、前記電流検出装置と前記管理装置とを通信可能に接続し、かつ、前記ドアが閉じられた状態で前記配電盤の本体と前記ドアとの間を通される接続ケーブルと、を有する、情報処理システム。
【請求項6】
複数の電気部品が内部に設けられる配電盤のドアの内面に取り付けられ、かつ、複数の前記電気部品に接続される複数の接続部を有し、かつ、複数の前記電気部品の電流をそれぞれ検出して電流の検出結果を送信する電流検出装置と、
前記ドアの外面に取り付けられ、かつ、前記電流検出装置から送信される電流の検出結果を受信する管理装置と、
前記電流検出装置と前記管理装置とを通信可能に接続し、かつ、前記ドアが閉じられた状態で前記配電盤の本体と前記ドアとの間を通される接続ケーブルと、
を有し、
複数の前記電気部品は、
前記配電盤の外部に設けられる複数の電気負荷にそれぞれ電流を供給する複数の電力ケーブルと、
複数の前記電力ケーブルにそれぞれ設けられた複数のブレーカと、
を含み、
前記管理装置を、
前記電流検出装置から送信される複数の前記電気負荷の消費電力、及び複数の前記電気負荷の消費電力に相当する電力の発電により発生する二酸化炭素の排出量を処理して利用情報を生成する手段、
として機能させる、プログラム。
【請求項7】
情報処理装置から情報を取得し、かつ、取得した情報をユーザ端末へ提供する情報提供部を有するコンピュータのプログラムにおいて、
前記情報処理装置は、
複数の電気部品が内部に設けられる配電盤のドアの内面に取り付けられ、かつ、複数の前記電気部品に接続される複数の接続部を有し、かつ、複数の前記電気部品の電流をそれぞれ検出して電流の検出結果を送信する電流検出装置と、
前記ドアの外面に取り付けられ、かつ、前記電流検出装置から送信される電流の検出結果を受信する管理装置と、
前記電流検出装置と前記管理装置とを通信可能に接続し、かつ、前記ドアが閉じられた状態で前記配電盤の本体と前記ドアとの間を通される接続ケーブルと、
を有し、
複数の前記電気部品は、
前記配電盤の外部に設けられる複数の電気負荷にそれぞれ電流を供給する複数の電力ケーブルと、
複数の前記電力ケーブルにそれぞれ設けられた複数のブレーカと、
を含み、
前記電流検出装置は、複数の前記電力ケーブルを流れる電流をそれぞれ検出し、
前記管理装置は、
複数の前記電気負荷の消費電力、及び複数の前記電気負荷の消費電力に相当する電力の発電により発生する二酸化炭素の排出量を処理して利用情報を生成する制御部と、
を有し、
前記情報提供部を、前記情報処理装置から前記利用情報を取得し、かつ、取得した前記利用情報を前記ユーザ端末へ提供する手段、
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設置場所、例えば、工場に設けられる複数の電気負荷の消費電力に基づいて、二酸化炭素の排出量を求める情報処理装置、コンピュータ、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場等に設けられる複数の電気負荷の消費電力に基づいて、二酸化炭素の排出量を求める情報処理装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された情報処理装置は、製品または部品の製造工程において、発電方式の異なる複数種類の電力のうち使用された1種類以上の電力に関する電力情報を含む管理情報を取得する取得部と、管理情報に含まれる電力情報に基づき、製品または部品の製造に対応する二酸化炭素の排出量を算出する算出部と、算出部で算出された二酸化炭素の排出量に関する情報を出力する出力部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-189566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、特許文献1に記載された情報処理装置によると、複数の電気負荷に電力を供給する配電盤にどのように取り付けられか分からず、見栄えが低下するという課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、複数の電気負荷に電力を供給する配電盤に取り付けられた場合に、見栄えが低下することを抑制可能な情報処理装置、コンピュータ、情報処理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報処理装置は、複数の電気部品が内部に設けられる配電盤のドアの内面に取り付けられ、かつ、複数の前記電気部品に接続される複数の接続部を有し、かつ、複数の前記電気部品の電流をそれぞれ検出して電流の検出結果を送信する電流検出装置と、前記ドアの外面に取り付けられ、かつ、前記電流検出装置から送信される電流の検出結果を受信する管理装置と、前記電流検出装置と前記管理装置とを通信可能に接続し、かつ、前記ドアが閉じられた状態で前記配電盤の本体と前記ドアとの間を通される接続ケーブルと、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の情報処理装置は、配電盤における取り付けられた場合に見栄えが低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置を含む情報処理システムの概要を示すブロック図である。
図2】(A)は、電気負荷に電力を供給する配電盤の正面図、(B)は、配電盤のドアを開いた正面図である。
図3】情報処理システムで行われる処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の情報処理装置、コンピュータ及び情報処理システムの実施形態を、図面に基づいて説明する。情報処理装置を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
[全体構成の説明]
図1には、情報処理装置を含む情報処理システム10の概要が示されている。情報処理システム10は、複数の電気負荷11、配電盤12、情報処理装置13、コンピュータ14及びユーザ端末15を含む。複数の電気負荷11は、設置場所、例えば、工場、会社、施設等に設けられ、かつ、電力が供給されて作動及び機能する機械、装置、機器等を含む。複数の電気負荷11は、配電盤12の外部に配置される。複数の電気負荷11は、機能が異なるもの、例えば、工作機械、空調装置、照明装置等を含む。工作機械は、例えば、旋盤、フライス盤、研削盤、型削り盤等を含む。空調装置は、冷房装置、暖房装置、送風機等を含む。照明装置は、蛍光灯、発光ダイオードランプ等を含む。なお、複数の電気負荷11は、単数種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
【0011】
配電盤12は、電源16、例えば、交流電源の電力を、電気負荷11にそれぞれ供給する回路の一部を構成する。配電盤12は、電気負荷11を有する建物の内部または外部に設けられる。図2(A),(B)のように、配電盤12は、箱形状に構成された金属製の本体17と、本体17の内部17Aに設けられる複数のブレーカ18と、本体17の前面に開閉可能に取り付けられる金属製のドア19と、を有する。電源16と各電気負荷11とが電力ケーブル20によりそれぞれ接続されており、各電力ケーブル20の途中にブレーカ18がそれぞれ配置されている。各ブレーカ18は、電源16と電気負荷11との間の電気回路をそれぞれ接続及び遮断する機器である。
【0012】
[情報処理装置の説明]
情報処理装置13は、電気負荷11の消費電力を求め、かつ、電気負荷11に供給する電力に応じた電力の発電により発生する二酸化炭素の排出量を求める(推定する)機能を有する。情報処理装置13は、ドア19の内面19Aに取り付けられる電流検出装置21と、ドア19の外面19Bに取り付けられる管理装置22と、を有する。電流検出装置21は、ドア19の内面19Aに取り付けられる合成樹脂製の本体23と、本体23に設けられた複数の接続部(差し込み部)24と、本体23に設けられた電源ソケット44と、を有する。
【0013】
本体23には、永久磁石が取り付けられており、本体23を永久磁石の吸着力でドア19に対して取り付けること、及び本体23をドア19から取りすこと、ができる。接続部24には、電力ケーブル25の第1端部を接続及び取り外しすることができる。電力ケーブル25の第2端部には、電流検出クランプ(センサ)26が取り付けられている。電流検出クランプ26は、電力ケーブル20を挟むように取り付け及び取り外しすることができる。電源ソケット44には、電力ケーブル 27の第1端部が接続され、電力ケーブル27の第2端部が電源16に接続される。電流検出装置21は、電源16から供給される電力で動作する。
【0014】
管理装置22は、接続ケーブル28により電流検出装置21へ接続される。接続ケーブル28の第1端部は、管理装置22に対して接続及び取り外しが可能であり、接続ケーブル28の第2端部は、電流検出装置21に対して接続及び取り外しが可能である。接続ケーブル28は、全体がベルト形状を有する。つまり、接続ケーブル28は、長手方向に対して交差する平面内における外周形状が扁平である。
【0015】
管理装置22は、ドア19の外面19Bに取り付けられる合成樹脂製の本体29と、本体29の外部に取り付けられた永久磁石と、本体29の内部に設けられた制御部30、記憶部31及び通信部32と、を有する。本体29に永久磁石が固定されており、本体29を永久磁石の吸着力でドア19に取り付けること、本体29をドア19から取り外すこと、ができる。制御部30は、中央演算処理回路、タイマー、入力ポート及び出力ポートを有する。管理装置22は、電気負荷11の消費電力に基づいて、利用情報を生成する機能を有する。利用情報については、後述する。
【0016】
記憶部31には、制御部30において各種の処理、判断、制御を行うためのアプリケーション、プログラム、情報及びデータが記憶され、かつ、制御部30が利用情報を生成するための前提情報及び補助情報が記憶されている。先ず、前提情報について説明する。発電所から電源16に供給される電力は、発電所における発電方式が水力、火力、原子力、風力、太陽光発電、グリーンエネルギーなのかにより、発電時における二酸化炭素の排出量が異なる。記憶部31には、電気負荷11及び電源16が設置されている設置場所の所在地が記憶されている。また、記憶部31には、該当する所在地の電源16に供給される電力の発電方式が何れであるかを判断できる情報が記憶されている。さらに、記憶部31には、消費電力と二酸化炭素の排出量との関係を示す情報が記憶されている。消費電力と二酸化炭素の排出量との関係を示す情報は、消費電力と二酸化炭素の排出量との関係を、シミュレーションまたは実験的に求めたマップ、または、消費電力と二酸化炭素の排出量との関係を算出する計算式のうち、少なくとも1つの情報を含む。
【0017】
次に、補助情報について説明する。補助情報は、ユーザ端末15から取得する情報である。補助情報は、電気負荷11に印加される電圧、電気負荷11の消費電力を低減する提案を行うための情報、電気負荷11のメンテナンス時機の提案を行うための情報、電気負荷11の買い替え時期を提案するための情報を含む。例えば、電気負荷11が工作機械である場合において、電気負荷11の消費電力を低減するための提案として、部品の加工手順の提案、使用する加工工具の種類または材質の提案、を行うことが可能である。また、電気負荷11の耐用年数、及び電気負荷11の使用期間に基づいて、電気負荷11のメンテナンス時機の提案、または、電気負荷11の買い替え時期の提案のうち、少なくとも一方を行うことが可能である。
【0018】
制御部30は、記憶部31へ情報を送り、制御部30は、記憶部31から情報及びデータを読み出すことができる。通信部32は、電流検出装置21から入力される信号を受信する機能、コンピュータ14からネットワーク33を介して入力される信号を無線により受信する機能、ネットワーク33を介してコンピュータ14へ信号を無線により送信する機能を有する。通信部32は、ルータとしての機能を有する。制御部30は、通信部32及び記憶部31に接続されており、制御部30は、通信部32が受信する信号を処理する機能と、記憶部31に記憶されている情報及びデータを用いて各種の処理及び判断を行う機能と、処理及び判断結果を記憶部31へ記憶する機能と、を有する。
【0019】
電流検出装置21で検出された電流は、接続ケーブル28を介して管理装置22へ送られる。また、本体29に電源ソケット34が設けられており、電力ケーブル 35の第1端部が電源ソケット34に接続され、電力ケーブル35の第2端部が電源16へ接続される。管理装置22は、電源16から供給される電力で動作する。なお、電力ケーブル27,35のうち、少なくとも一方は設けられていなくてもよい。この場合、電流検出装置21と管理装置22との間で、接続ケーブル28を介して電流が行き来できる。
【0020】
[コンピュータの説明]
コンピュータ14は、ネットワーク33を介してユーザ端末15及び管理装置22へ接続される。コンピュータ14は、ユーザ端末15及び管理装置22から送られる信号及び情報を処理する機能と、信号及び情報をユーザ端末15及び管理装置22へ送る機能と、得られた情報を記憶する機能と、を有する。コンピュータ14は、サーバ、ワークステーション、メインフレーム、スーパーコンピュータ等のうちの何れでもよい。
【0021】
コンピュータ14は、制御部36、記憶部37、通信部38を有する。通信部38は、管理装置22からネットワーク33を介して送られる信号を受信する機能と、ユーザ端末15からネットワーク33を介して送られる信号を受信する機能と、管理装置22及びユーザ端末15へ信号を送る機能と、を有する。記憶部37には、管理装置22から送られる利用情報、ユーザ端末15から送られるユーザ情報及び補助情報が記憶される。なお、ユーザ情報は、後述する。また、記憶部37には、利用情報、ユーザ情報及び補助情報を処理するためのアプリケーション、プログラム、情報、データ等が記憶されている。
【0022】
制御部36は、記憶部37へ情報及び信号を送り、制御部36は、記憶部37から情報及びデータを読み出すことができる。制御部36は、記憶部37及び通信部38に接続されており、制御部36は、通信部38が受信する信号及び情報を処理する機能と、記憶部37に記憶されている情報及びデータを用いて各種の処理及び判断を行う機能と、処理及び判断結果を記憶部37へ記憶する機能と、通信部38を介して管理装置22及びユーザ端末15へ信号及び情報を送る機能と、を有する。
【0023】
[ユーザ端末の説明]
ユーザ端末15は、情報処理装置13の設置場所における内部関係者、及び情報処理装置13で生成される利用情報を利用する取得者により利用される。取得者は、内部関係者の他、内部関係者ではないが環境に関する研究、または、コンサルティングを行う部外者を含む。ユーザ端末15は、固定型端末、または、携帯型端末の何れでもよい。固定型端末は、デスクトップパーソナルコンピュータを含む。携帯型端末は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末を含む。ユーザ端末15は、制御部39、表示部40、入力部41、記憶部42及び通信部43を有する。
【0024】
表示部40は、コンピュータ14がネットワーク33上で提供するWebサイト、ログイン画面、サービス提供画面等を表示する。表示部40は、液晶モニタまたは有機エレクトロルミネッセンスモニタの何れでもよい。入力部41は、キーボード、マウス、タッチペン、カメラ及びバーコードリーダを含む。通信部43は、コンピュータ14から送られる信号及び情報を受信する機能と、コンピュータ14へ信号及び情報を送る機能と、を有する。記憶部42には、入力部41から入力される情報、及びコンピュータ14から送られる情報が記憶される。また、記憶部42には、入力される情報及び信号を処理するためのアプリケーション、プログラム、情報及びデータが記憶されている。
【0025】
制御部39は、記憶部42へ情報及び信号を送り、制御部39は、記憶部42から情報及びデータを読み出すことができる。制御部39は、通信部43及び記憶部42に接続されており、制御部39は、通信部43が受信する信号及び情報を処理する機能と、記憶部42に記憶されている情報及びデータを用いて各種の処理及び判断を行う機能と、処理及び判断結果を記憶部42へ記憶する機能と、通信部43を介してコンピュータ14へ信号及び情報を送る機能と、を有する。
【0026】
[処理例]
図3には、情報処理システム10で行われる処理の一例が示されている。内部関係者がユーザ端末15を操作し、ステップS10においてwebサイトにアクセスできる。内部関係者は、ユーザ端末15を操作することにより、入力部41からユーザ情報の登録、補助情報の入力を行うことができる。ユーザ情報は、ユーザ端末15がwebサイトにアクセスした状態において、コンピュータ14が提供するサービス提供画面にログインするための情報である。ユーザ情報は、メールアドレス、ユーザ端末15の登録者番号、パスワード等を含む。
【0027】
補助情報は、ユーザ端末15で表示されるサービス提供画面において、入力する情報である。補助情報は、設置場所における電気負荷11の情報、及び設置場所の所在地を含む。電気負荷11の情報は、電気負荷11毎の耐用年数、電気負荷11毎の使用開始時期、電気負荷11に供給される電圧、電気負荷11の数、電気負荷11の種類、電気負荷11の写真、電気負荷11の識別番号(型番)等を含む。電気負荷11の数は、電気負荷11の台数である。電気負荷11の種類は、工作機械、空調装置、照明装置等の識別を意味する。電気負荷11の写真は、電気負荷11の少なくとも一部を撮影した映像である。設置場所の所在地は、都道府県、市町村、何丁目、何番地等である。ユーザ端末15は、入力される補助情報を、ステップS10においてコンピュータ14へ送信する。ステップS10で行う操作及び入力は、内部関係者により行われる。
【0028】
コンピュータ14は、ユーザ端末15から送信される補助情報を、ステップS11において受信及び処理し、かつ、受信した補助情報を管理装置22へ送信する。なお、コンピュータ14は、受信した補助情報の少なくとも一部を、記憶部37へ記憶することもできる。管理装置22は、コンピュータ14から受信した補助情報を、ステップS12において処理し、かつ、記憶部31へ記憶する。
【0029】
一方、電流検出装置21は、電流検出クランプ26から電力ケーブル25を経由して送信される信号を、ステップS13において処理することにより、各電気負荷11へ供給される電流(電流値)を計測する。また、電流検出装置21は、各電気負荷11に供給される電流の計測結果を、ステップS13において管理装置22へ送信する。電流検出装置21は、ステップS13の処理を所定時間おきに繰り返す。なお、電流検出装置21は、同一の設置場所、または同一の会社に単数または複数けられていてもよいし、電流検出装置21は、異なる設置場所、または、異なる会社に設けられていてもよい。
【0030】
管理装置22は、電流検出装置21から送信される電流の計測結果を、ステップS14において受信し、かつ、受信した電流の検出結果を処理する。管理装置22は、電流の検出結果を処理する場合、記憶部31に記憶されている補助情報を用いる。管理装置22は、所定時間内における各電気負荷11の消費電力を、ステップS15において求める。各電気負荷11の消費電力は、電流検出装置21で測定される電流、及び記憶部31に記憶されている電圧から求めることができる。また、管理装置22は、ステップS15において、各電気負荷11の消費電力に応じた二酸化炭素(CO2)の排出量、各電気負荷11の消費電力に応じた電気料金を求める。記憶部31には、発電方法及び電気負荷への消費電力に基づいて、各電気負荷11の消費電力に応じて二酸化炭素の排出量を求めるための情報が記憶されている。また、記憶部31には、各電気負荷11の消費電力に応じて電気料金を求めるための情報が記憶されている。
【0031】
例えば、補助情報に含まれる設置場所の所在地に基づいて、設置場所で使用する電源16の電力が、何れの発電方法により得られたものであるかを判断可能である。発電方法には、火力発電、水力発電、原子力発電、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電等が含まれる。一例として、火力発電またはバイオマス発電における二酸化炭素の排出量は、水力発電、原子力発電、風力発電、太陽光発電のそれぞれにおける二酸化炭素の排出量より多い。
【0032】
さらに、記憶部31には、電気負荷11の消費電力から二酸化炭素の排出量を求める情報として、各種の発電方式のそれぞれについて、電気負荷11の消費電力から二酸化炭素の排出量を求めるための算出式、シミュレーションにより設定されたマップ、実験により設定されたマップのうち、少なくとも1つの情報及びデータが記憶されている。また、管理装置22は、記憶部31に記憶されている補助情報、及び各電気負荷11の電流値の計測結果に基づいて、各電気負荷11の使用を開始した時点からの使用期間を求めることができる。
【0033】
管理装置22は、ステップS16において、各電気負荷11の消費電力、各電気負荷11の消費電力に応じた二酸化炭素の排出量、各電気負荷11の消費電力に応じた電気料金を含む利用情報を作成する。この利用情報は、各電気負荷11の消費電力、全ての電気負荷11の消費電力、各電気負荷11の消費電力に応じた二酸化炭素の排出量、全ての電気負荷11の消費電力に応じた二酸化炭素の排出量を、1日のうちの時間帯毎、1日毎、1週間毎、1月毎、6か月毎、1年毎等の間隔で表示したグラフまたは表のうちの少なくとも一方を含む。
【0034】
また、電流検出装置21が、同一の会社の工場に設けられている場合、利用情報は、その会社に設けられている電気負荷11の消費電力及び二酸化炭素の排出量を含む。これに対して、電流検出装置21が、異なる会社の工場にそれぞれ設けられている場合、利用情報は、異なる会社毎における、電気負荷11の消費電力及び二酸化炭素の排出量を含む。さらに、求められる電気料金は、1日毎、1週間毎、1月毎、6か月毎、1年毎等の間隔で表示したグラフまたは表のうちの少なくとも一方を含む。
【0035】
さらに、利用情報は、電気負荷11の消費電力を低減するための提案、電気負荷11のメンテナンス時機の提案、電気負荷11の買い替え時期の提案を含む。例えば、電気負荷11が工作機械である場合において、電気負荷11の消費電力を低減するための提案として、部品の加工手順の提案、使用する加工工具の種類または材質の提案、を行うことが可能である。また、電気負荷11の耐用年数、及び電気負荷11の使用期間に基づいて、電気負荷11のメンテナンス時機の提案、または、電気負荷11の買い替え時期の提案のうち、少なくとも一方を行うことが可能である。
【0036】
さらに、電気負荷11が工作機械である場合、利用情報は、同じ部品を加工及び製造している工作機械について、異なる会社毎に、工作機械の消費電力及び二酸化炭素の排出量を対して示す情報を含む。さらに、利用情報は、同じ業種の工場同士、または同規模の工場同士について、電気負荷11の消費電力及び二酸化炭素の排出量を対比する情報を含む。そして、利用情報は、どのようにすれば電気負荷11の消費電力を低減でき、かつ、どのようにすれば二酸化炭素の排出量を低減できるかという提案の情報を含む。また、利用情報は、二酸化炭素の排出量に応じてカーボンオフセットの手法を提案する情報を含む。
【0037】
管理装置22は、作成した利用情報を、ステップS17においてコンピュータ14へ送信する。コンピュータ14は、管理装置22から送られる利用情報を、ステップS18で受信し、かつ、ステップS19において、利用情報を処理して記憶部37へ記憶する。なお、既に記憶部37に利用情報が記憶されている場合、記憶されている利用情報を更新することもできる。
【0038】
そして、取得者はユーザ端末15を操作することにより、ステップS20において、サービス提供画面にログインする操作を行い、かつ、利用情報を取得する操作を行う。取得者が内部関係者であり、ステップS10でログイン操作を行った状態が保持されていると、ステップS20では、利用情報を取得する操作を行えばよい。また、ステップS20の操作は、部外者が行うこともできる。部外者は、前述と同様のユーザ情報を入力することにより、サービス提供画面にログインすることができる。
【0039】
ユーザ端末15において、利用情報を取得する操作が行われると、コンピュータ14は、ステップS21において、利用情報をユーザ端末15へ提供、つまり、送信する。そして、ユーザ端末15は、ステップS22において、コンピュータ14から送信される利用情報を取得できる。
【0040】
利用情報の取得者が内部関係者であると、内部関係者は、自社工場における消費電力及び二酸化炭素の排出量を把握できる。内部関係者は、取得した利用情報を基に、自社内で電気代の節約、電気負荷11の稼働状況の見直し等を行うことができる。また、利用情報の取得者が内部関係者であると、自社における二酸化炭素の排出量を、親会社または自治体の要求に応じて開示したり、自社ホームページ等において開示することができる。また、利用情報の取得者が内部関係者であり、かつ、ユーザ端末15が携帯型端末であると、内部関係者が現場を見ながらユーザ端末15を持ち歩き、電気負荷11の稼働状態等を監視及び調整することができる。さらに、利用情報の取得者が、自治体の者、または、コンサルティングを行う者であると、省エネルギー補助金が付与された会社について、費用対効果を確認することができる。
【0041】
[情報処理装置の効果]
本開示の情報処理装置13は、管理装置22が配電盤12の金属製のドア19の外面19Bに取り付けられ、電流検出装置21がドア19の内面19Aに取り付けられる。また、ドア19が本体17の開口部を閉じている状態て、電力ケーブル25が内部17Aに配置される。つまり、ドア19の外面19Bに取り付けられる部品の点数を低減できる。したがって、ドア19が閉じられている状態において、配電盤12の外観の見栄えが低下することを抑制できる。
【0042】
また、管理装置22は、配電盤12の金属製のドア19の外面19Bに取り付けられる。このため、ドア19が閉じられている状態において、通信部32から出力される電波、通信部32へ入力される電波が阻害されることを抑制でき、通信部32の通信機能の低下を抑制できる。さらに、接続ケーブル28は、長手方向に対して交差する平面内における外周形状が扁平である。このため、ドア19が閉じられている状態で、接続ケーブル28の長手方向の一部は、配電盤12の本体17とドア19との間に位置する。したがって、ドア19を開閉する場合に、接続ケーブル28が邪魔になることを抑制できる。
【0043】
[補足説明]
本実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。電力ケーブル25及びブレーカ18は、電気部品の一例である。配電盤12は、配電盤の一例である。ドア19は、ドアの一例である。接続部24は、接続部の一例である。電流検出装置21は、電流検出装置の一例である。管理装置22は、管理装置の一例である。接続ケーブル28は、接続ケーブルの一例である。制御部30は、制御部の一例である。通信部32は、通信部の一例である。制御部36及び通信部38は、情報提供部の一例である。
【0044】
本実施形態は、図面を用いて開示されたものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本実施形態において、電気負荷11の数及び種類は限定されない。また、電気負荷11の数に応じて、電力ケーブル25の数が増減し、かつ、ブレーカ18の数が増減する。さらに、電流検出装置21及び管理装置22は、永久磁石によりドア19に取り付けられているため、電流検出装置21及び管理装置22をドア19に取り付けられる位置を任意に変更できる。また、接続ケーブル28は、ドア19の上縁に接触するように配置してもよい。このようにすると、接続ケーブル28が、自重で垂れ下がることを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本実施形態は、配電盤に取り付けられる情報処理装置、コンピュータ、システム及びプログラムとして利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
12…配電盤、18…ブレーカ、19…ドア、21…電流検出装置、22…管理装置、24…接続部、25…電力ケーブル、28…接続ケーブル、30,36…制御部、32,38…通信部
図1
図2
図3