(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013198
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】タイミング生成装置、生体情報測定システム、タイミング生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240124BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20240124BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
G16H10/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061182
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2022114709の分割
【原出願日】2022-07-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田口 健太
(72)【発明者】
【氏名】中西 剛
(72)【発明者】
【氏名】古谷 佳大
(72)【発明者】
【氏名】米山 暁夫
(72)【発明者】
【氏名】高井 公一
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XB04
4C117XB09
4C117XB12
4C117XB15
4C117XC11
4C117XD15
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE18
4C117XE23
4C117XE38
4C117XH16
4C117XJ13
4C117XJ21
4C117XJ42
4C117XJ52
4C117XL01
4C117XP12
5L099AA15
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】ユーザの生体情報の適切な測定タイミングを生成して、ユーザの疾患を発見しやすくする。
【解決手段】判定条件を記憶する記憶部と、ユーザが生活している間に測定した測定タイミングの情報を含むユーザの活動情報と、ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む第2生体情報とを取得する情報取得部と、ユーザの活動情報及び第2生体情報が判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、判定部がユーザの活動情報及び第2生体情報が判定条件を満たすと判定した場合、第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知する通知部とを備える、タイミング生成装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの疾患を発見するための参考情報である第1生体情報を取得するタイミングを生成するタイミング生成装置であって、
前記ユーザの前記第1生体情報の測定タイミングを通知するか否かを判定するための判定条件を記憶する記憶部と、
前記ユーザが生活している間に測定した測定タイミングの情報を含む前記ユーザの活動情報と、前記ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む第2生体情報とを取得する情報取得部と、
前記ユーザの前記活動情報及び前記第2生体情報が前記判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記ユーザの前記活動情報及び前記第2生体情報が前記判定条件を満たすと判定した場合、前記ユーザに前記活動情報の測定タイミングを基準とした前記第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知する通知部と
を備え、
前記判定条件は、前記第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つの条件を含む、
タイミング生成装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記判定条件が1又は複数の条件を含み、前記判定部が前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件のうちの第1条件を満たすと判定し、前記通知部が前記第1メッセージを前記ユーザに通知した後に、前記ユーザが前記第1生体情報を測定した場合、前記第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を更に取得し、
前記測定結果情報が前記疾患の疑いのある異常を示す場合、より広い範囲の前記活動情報が前記第1条件を満たすように前記第1条件を変更して、前記記憶部に記憶されている前記判定条件を更新する条件更新部を更に備える、
請求項1に記載のタイミング生成装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記条件更新部がより広い範囲の前記活動情報が条件を満たすように前記判定条件を更新した後に、前記判定部が前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件を満たすと判定した場合、前記第1メッセージを前記ユーザに通知する回数を前回の通知回数から増加させる、
請求項2に記載のタイミング生成装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記判定部が前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件のうちの第1条件を満たすと判定し、前記通知部が前記第1メッセージを前記ユーザに通知した後に、前記ユーザが前記第1生体情報を測定した場合、前記第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を更に取得し、
前記測定結果情報が前記疾患の疑いのない正常を示す場合、より狭い範囲の前記活動情報が前記第1条件を満たすように前記第1条件を変更して、前記記憶部に記憶されている前記判定条件を更新する条件更新部を更に備える、
請求項1に記載のタイミング生成装置。
【請求項5】
前記通知部は、
前記第1メッセージに加えて、条件を満たした前記判定条件を前記ユーザに通知し、
前記ユーザが前記第1生体情報を測定した場合、前記条件更新部が前記判定条件を更新する前に、前記判定条件を更新させるか否かを示す第2メッセージを前記ユーザに通知し、
前記情報取得部は、前記ユーザから前記判定条件を更新させるか否かを示す入力情報を更に取得し、
前記条件更新部は、前記入力情報が前記判定条件を更新させることを示す場合に、前記判定条件を更新する、
請求項2から4のいずれか一項に記載のタイミング生成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記ユーザが前記疾患の診断結果を示す疾患記録情報をさらに記憶し、
前記条件更新部は、前記疾患記録情報に基づいて、前記判定条件を更新するか否かを判定する、
請求項2から4のいずれか一項に記載のタイミング生成装置。
【請求項7】
前記活動情報は、前記ユーザの1日の歩数、起床時刻、就寝時刻、及び食事毎の摂取カロリのうち少なくとも1つを含む情報であり、
前記判定条件は、前記活動情報に対応する、所定の歩数、所定の睡眠時間、及び所定の合計摂取カロリのうち少なくとも1つを含む条件である、
請求項1に記載のタイミング生成装置。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を更に取得し、
前記測定結果情報が所定の条件を満たした測定結果を示す場合に、前記測定結果情報を前記記憶部に記憶させる情報制御部と、
前記記憶部に記憶されている前記測定結果情報が前記疾患の疑いのある異常を示す場合、より広い範囲の前記活動情報が条件を満たすように前記記憶部に記憶されている前記判定条件を更新する条件更新部と
を更に備える、
請求項1に記載のタイミング生成装置。
【請求項9】
前記情報取得部は、前記ユーザが前記疾患の診療を申し込んだか否かを示す診療状況情報と、診療機関における前記ユーザの前記疾患の診断結果を示す疾患記録情報とを更に取得し、
前記情報制御部は、
前記判定部の判定結果、前記測定結果情報、前記診療状況情報、及び前記疾患記録情報を前記ユーザの識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させ、
外部からの前記ユーザの識別情報と共に情報の要求を受け取った場合、対応する前記ユーザの情報を要求元に供給する、
請求項8に記載のタイミング生成装置。
【請求項10】
前記条件更新部は、前記ユーザの識別情報に対応する前記疾患記録情報を前記記憶部から読み出し、前記ユーザの前記疾患記録情報に基づいて、前記判定条件を更新するか否かを判定する、
請求項9に記載のタイミング生成装置。
【請求項11】
前記情報制御部は、前記通知部が前記第1メッセージを前記ユーザに通知した通知時刻の情報を、前記ユーザの識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させ、
前記通知部は、過去の前記第1メッセージの前記通知時刻と前記活動情報を測定した測定タイミングとの時間差に基づくタイミングで、又は過去の前記第1メッセージの前記通知時刻と前記活動情報を測定した測定タイミングとの時間差に基づく情報を含めて、前記第1メッセージを通知する、
請求項8から10のいずれか一項に記載のタイミング生成装置。
【請求項12】
前記ユーザに装着され、前記ユーザが生活している間に前記ユーザの前記活動情報を測定する活動情報測定装置と、
前記活動情報測定装置と通信して、前記ユーザの前記活動情報の測定結果に基づいて前記ユーザの前記第1生体情報を取得するタイミングを生成する、請求項1から4、及び7から10のいずれか一項に記載の前記タイミング生成装置と、
前記ユーザの前記第1生体情報を測定し、前記第1生体情報の測定結果を前記タイミング生成装置に送信する第1生体情報測定装置と
を備える、
生体情報測定システム。
【請求項13】
コンピュータが実行する、ユーザの疾患を発見するための参考情報である第1生体情報を取得するタイミングを生成する方法であって、
前記ユーザが生活している間に測定した測定タイミングの情報を含む前記ユーザの活動情報と、前記ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む第2生体情報とを取得するステップと、
前記ユーザの前記活動情報及び前記第2生体情報が、前記ユーザの前記第1生体情報の測定タイミングを通知するか否かを判定するための判定条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記ユーザの前記活動情報及び前記第2生体情報が前記判定条件を満たすと判定した場合、前記ユーザに前記活動情報の測定タイミングを基準とした前記第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知するステップと
を有し、
前記判定条件は、前記第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つの条件を含む、
タイミング生成方法。
【請求項14】
コンピュータにより実行されると、前記コンピュータを請求項1から4、及び7から10のいずれか一項に記載の前記タイミング生成装置として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイミング生成装置、生体情報測定システム、タイミング生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数項目の生体指標(血圧値、血糖値、体重、体脂肪率、血清総コレステロール等)の測定値を蓄積し、一の生体指標において変動パターンから外れた値が測定された場合に、当該一の生体指標と相関の大きい他の生体指標を、健康状態の評価に必要な生体指標として提示してユーザに測定を促す技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ユーザの健康状態を評価するための生体指標に加えて、心電図等といったユーザの疾患の早期発見に役立つ生体情報を携帯型の装置等で簡易的に測定できるようになった。しかしながら、疾患に関わるような予兆が測定結果に表れるタイミングは限定されており、このような装置で予兆を把握すること、疾患に罹患しているか否か等を判定することは困難であった。また、予兆の把握のために、このような生体情報を定期的に測定して測定結果を大量に蓄積して解析することもできるが、ユーザにとっては手間と負担が大きかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの生体情報の適切な測定タイミングを生成して、ユーザの疾患を発見しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、ユーザの疾患を発見するための参考情報である第1生体情報を取得するタイミングを生成するタイミング生成装置であって、前記ユーザの前記第1生体情報の測定タイミングを通知するか否かを判定するための判定条件を記憶する記憶部と、前記ユーザが生活している間に測定した測定タイミングの情報を含む前記ユーザの活動情報と、前記ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む第2生体情報とを取得する情報取得部と、前記ユーザの前記活動情報及び前記第2生体情報が前記判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記ユーザの前記活動情報及び前記第2生体情報が前記判定条件を満たすと判定した場合、前記ユーザに前記活動情報の測定タイミングを基準とした前記第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知する通知部とを備え、前記判定条件は、前記第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つの条件を含む、タイミング生成装置を提供する。
【0007】
前記情報取得部は、前記判定条件が1又は複数の条件を含み、前記判定部が前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件のうちの第1条件を満たすと判定し、前記通知部が前記第1メッセージを前記ユーザに通知した後に、前記ユーザが前記第1生体情報を測定した場合、前記第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を更に取得し、前記タイミング生成装置は、前記測定結果情報が前記疾患の疑いのある異常を示す場合、より広い範囲の前記活動情報が前記第1条件を満たすように前記第1条件を変更して、前記記憶部に記憶されている前記判定条件を更新する条件更新部を更に備えてもよい。
【0008】
前記通知部は、前記条件更新部がより広い範囲の前記活動情報が条件を満たすように前記判定条件を更新した後に、前記判定部が前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件を満たすと判定した場合、前記第1メッセージを前記ユーザに通知する回数を前回の通知回数から増加させてもよい。
【0009】
前記情報取得部は、前記判定部が前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件のうちの第1条件を満たすと判定し、前記通知部が前記第1メッセージを前記ユーザに通知した後に、前記ユーザが前記第1生体情報を測定した場合、前記第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を更に取得し、前記タイミング生成装置は、前記測定結果情報が前記疾患の疑いのない正常を示す場合、より狭い範囲の前記活動情報が前記第1条件を満たすように前記第1条件を変更して、前記記憶部に記憶されている前記判定条件を更新する条件更新部を更に備えてもよい。
【0010】
前記通知部は、前記第1メッセージに加えて、条件を満たした前記判定条件を前記ユーザに通知し、前記ユーザが前記第1生体情報を測定した場合、前記条件更新部が前記判定条件を更新する前に、前記判定条件を更新させるか否かを示す第2メッセージを前記ユーザに通知し、前記情報取得部は、前記ユーザから前記判定条件を更新させるか否かを示す入力情報を更に取得し、前記条件更新部は、前記入力情報が前記判定条件を更新させることを示す場合に、前記判定条件を更新してもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記ユーザが前記疾患の診断結果を示す疾患記録情報をさらに記憶し、前記条件更新部は、前記疾患記録情報に基づいて、前記判定条件を更新するか否かを判定してもよい。
【0012】
前記活動情報は、前記ユーザの1日の歩数、起床時刻、就寝時刻、及び食事毎の摂取カロリのうち少なくとも1つを含む情報であり、前記判定条件は、前記活動情報に対応する、所定の歩数、所定の睡眠時間、及び所定の合計摂取カロリのうち少なくとも1つを含む条件であってもよい。
【0013】
前記情報取得部は、前記第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を更に取得し、前記タイミング生成装置は、前記測定結果情報が所定の条件を満たした測定結果を示す場合に、前記測定結果情報を前記記憶部に記憶させる情報制御部と、前記記憶部に記憶されている前記測定結果情報が前記疾患の疑いのある異常を示す場合、より広い範囲の前記活動情報が条件を満たすように前記記憶部に記憶されている前記判定条件を更新する条件更新部とを更に備えてもよい。
【0014】
前記情報取得部は、前記ユーザが前記疾患の診療を申し込んだか否かを示す診療状況情報と、診療機関における前記ユーザの前記疾患の診断結果を示す疾患記録情報とを更に取得し、前記情報制御部は、前記判定部の判定結果、前記測定結果情報、前記診療状況情報、及び前記疾患記録情報を前記ユーザの識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させ、外部からの前記ユーザの識別情報と共に情報の要求を受け取った場合、対応する前記ユーザの情報を要求元に供給してもよい。
【0015】
前記条件更新部は、前記ユーザの識別情報に対応する前記疾患記録情報を前記記憶部から読み出し、前記ユーザの前記疾患記録情報に基づいて、前記判定条件を更新するか否かを判定してもよい。
【0016】
前記情報制御部は、前記通知部が前記第1メッセージを前記ユーザに通知した通知時刻の情報を、前記ユーザの識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させ、前記通知部は、過去の前記第1メッセージの前記通知時刻と前記活動情報を測定した測定タイミングとの時間差に基づくタイミングで、又は過去の前記第1メッセージの前記通知時刻と前記活動情報を測定した測定タイミングとの時間差に基づく情報を含めて、前記第1メッセージを通知してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様においては、前記ユーザに装着され、前記ユーザが生活している間に前記ユーザの前記活動情報を測定する活動情報測定装置と、前記活動情報測定装置と通信して、前記ユーザの前記活動情報の測定結果に基づいて前記ユーザの前記第1生体情報を取得するタイミングを生成する、第1の態様の前記タイミング生成装置と、前記ユーザの前記第1生体情報を測定し、前記第1生体情報の測定結果を前記タイミング生成装置に送信する第1生体情報測定装置とを備える、生体情報測定システムを提供する。
【0018】
本発明の第3の態様においては、コンピュータが実行する、ユーザの疾患を発見するための参考情報である第1生体情報を取得するタイミングを生成する方法であって、前記ユーザが生活している間に測定した測定タイミングの情報を含む前記ユーザの活動情報と、前記ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む第2生体情報とを取得するステップと、前記ユーザの前記活動情報及び前記第2生体情報が、前記ユーザの前記第1生体情報の測定タイミングを通知するか否かを判定するための判定条件を満たすか否かを判定するステップと、前記ユーザの前記活動情報及び前記第2生体情報が前記判定条件を満たすと判定した場合、前記ユーザに前記活動情報の測定タイミングを基準とした前記第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知するステップとを有し、前記判定条件は、前記第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つの条件を含む、タイミング生成方法を提供する。
【0019】
本発明の第4の態様においては、コンピュータにより実行されると、前記コンピュータを第1の態様の前記タイミング生成装置として機能させる、プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザの生体情報の適切な測定タイミングを生成して、ユーザの疾患を発見しやすくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態に係る生体情報測定システムSの構成例を示す。
【
図2】本実施形態に係るタイミング生成装置100の構成例を示す。
【
図3】本実施形態に係る生体情報測定システムSの動作フローの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<生体情報測定システムSの構成例>
図1は、本実施形態に係る生体情報測定システムSの構成例を示す。生体情報測定システムSは、ユーザの生体情報の適切な測定タイミングを生成してユーザに通知する。また、生体情報測定システムSは、ユーザが生体情報を測定した場合、生体情報の測定結果を生体情報の測定タイミングの生成条件にフィードバックする。生体情報測定システムSは、活動情報測定装置10と、タイミング生成装置100と、第1生体情報測定装置200と、携帯端末300とを備える。
【0023】
活動情報測定装置10は、ユーザに装着され、ユーザが生活している間にユーザの活動情報を測定する(
図1の(1))。活動情報測定装置10は、ユーザが生活している間に測定した活動情報を測定する。ここで、活動情報は、例えば、ユーザの1日の歩数、起床時刻、就寝時刻、及び食事毎の摂取カロリのうち少なくとも1つを含む情報である。
【0024】
活動情報測定装置10は、所定の時間間隔で活動情報を測定してもよく、これに代えて、又はこれに加えて、所定の時刻に活動情報を測定してもよい。活動情報測定装置10は、例えば、活動情報を検出するための検出器が組み込まれたウェアラブル端末、携帯端末、携帯型の測定装置等である。
図1は、活動情報測定装置10がスマートウォッチである例を示す。
【0025】
タイミング生成装置100は、活動情報測定装置10と通信して、ユーザの活動情報の測定結果を取得する(
図1の(2))。タイミング生成装置100は、活動情報の測定結果に基づいてユーザの第1生体情報を取得するタイミングを生成する(
図1の(3))。タイミング生成装置100は、例えば、ユーザの活動情報が所定の条件を満たした場合に、第1生体情報の測定タイミングを生成する。タイミング生成装置100の詳細については後述する。
【0026】
第1生体情報は、ユーザの疾患を発見するための参考情報である。本実施形態において、第1生体情報がユーザの心電図波形を含む情報である例を説明する。この場合、タイミング生成装置100は、ユーザの心電図を測定するタイミングを生成してユーザに通知する(
図1の(4))。タイミング生成装置100は、例えば、ユーザの携帯端末300に測定タイミングを示すメッセージを通知する。携帯端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット、スマートグラス、スマートウォッチ、携帯型PC等である。
【0027】
これに代えて、タイミング生成装置100は、活動情報測定装置10にメッセージを通知してもよい。また、タイミング生成装置100は、第1生体情報測定装置200にメッセージを通知してもよい。このような通知を受信した装置は、表示部等にメッセージを表示することにより、ユーザに第1生体情報を測定することを促すことができる。また、ユーザは、第1生体情報を測定するタイミングを容易に把握することができる。
【0028】
第1生体情報測定装置200は、ユーザの第1生体情報を測定するための装置である。第1生体情報測定装置200は、ユーザに装着可能であるか、又は携帯可能であり、ユーザの操作によって第1生体情報を容易に測定可能な装置である。第1生体情報測定装置200は、例えば、第1生体情報を測定するための測定器が組み込まれたウェアラブル端末、携帯端末、携帯型の測定装置等である。
図1は、活動情報測定装置10が第1生体情報測定装置200と同一の装置である例を示す。
【0029】
以上のように、第1生体情報測定装置200は、簡便にユーザの第1生体情報を測定できるので、タイミング生成装置100が第1生体情報の測定を促すことにより、ユーザは第1生体情報を適切なタイミングで測定しやすくなる。ここで、ユーザは、第1生体情報測定装置200を操作して、第1生体情報を測定したとする(
図1の(5))。この場合、第1生体情報測定装置200は、第1生体情報の測定結果をタイミング生成装置100に送信する(
図1の(6))。
【0030】
第1生体情報の測定結果を受け取ったタイミング生成装置100は、第1生体情報の測定タイミングを生成する条件に第1生体情報の測定結果をフィードバックする(
図1の(7))。これにより、タイミング生成装置100は、ユーザに合わせてより適切な第1生体情報の測定タイミングを生成することができる。このようなタイミング生成装置100について、次に説明する。
【0031】
<タイミング生成装置100の構成例>
図2は、本実施形態に係るタイミング生成装置100の構成例を示す。タイミング生成装置100は、第1生体情報を取得するタイミングを生成する。タイミング生成装置100は、例えば、サーバ等のコンピュータである。タイミング生成装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0032】
通信部110は、活動情報測定装置10、第1生体情報測定装置200、及び携帯端末300と通信ネットワーク等を介して通信する。通信部110は、インターネット回線、無線LAN、携帯電話網等の通信ネットワークに接続するためのインターフェースである。
【0033】
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。また、記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでもよい。例えば、コンピュータがタイミング生成装置100として機能する場合、コンピュータを機能させるOS(Operating System)、及びプログラム等の情報を格納してもよい。また、記憶部120は、プログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。
【0034】
また、記憶部120は、タイミング生成装置100が動作の過程で生成する(又は利用する)中間データ、算出結果、閾値、基準値、及びパラメータ等をそれぞれ記憶してもよい。また、記憶部120は、タイミング生成装置100内の各部の要求に応じて、記憶したデータを要求元に供給してもよい。
【0035】
記憶部120は、ユーザの第1生体情報の測定の要否を判定するための判定条件を記憶する。判定条件は、活動情報測定装置10が測定するべき活動情報に対応する、所定の歩数、所定の睡眠時間、及び所定の合計摂取カロリのうち少なくとも1つを含む条件である。判定条件は、医師、医療機関等による知見、論文等に基づく条件であることが望ましい。判定条件は、例えば、睡眠中及び安静時の脈拍と生活習慣との関連の研究結果、日常の生活の中で心臓に異常が出やすく心電図の測定を勧める時間帯の臨床データ等に基づいて予め定められた条件である。
【0036】
より具体的には、ユーザの発作が発生した日の前日にユーザが歩いた歩数は、発作が発生していない日の前日に歩いた歩数よりも有意に多く、疲労がリスク因子になると学会で報告されている。これより、判定条件は、例えば、「前日の歩数が7000歩以上」といった条件を含む。また、ユーザの発作が発生した日の前日のユーザの睡眠時間は、発作が発生していない日の前日の睡眠時間よりも有意に短いことが学会で報告されている。これより、判定条件は、「前日の睡眠時間が6時間以下」といった条件を含んでもよい。
【0037】
同様に、心房細動発作が生じている場合、心拍数は安静時の心拍数よりも有意に高いことが学会で報告されていることから、判定条件は、所定の心拍数の値を含んでもよい。このように、記憶部120は、臨床研究に基づく1又は複数の条件を判定条件として記憶する。
【0038】
制御部130は、タイミング生成装置100の各部を制御する。例えば、制御部130は、通信部110を介して種々の情報を授受する。制御部130は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部130は、情報取得部131と、判定部132と、通知部133と、条件更新部134と、情報制御部135とを有する。言い換えると、CPUは、記憶部120に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部131、判定部132、通知部133、条件更新部134、及び情報制御部135を有する制御部130として機能する。
【0039】
情報取得部131は、通信部110を介して、ユーザが生活している間に測定した測定タイミングの情報を含むユーザの活動情報を活動情報測定装置10から取得する。情報取得部131は、例えば、所定の時間間隔で活動情報測定装置10が測定した活動情報を取得する。これに代えて、又はこれに加えて、情報取得部131は、所定の時刻に活動情報を取得してもよい。また、情報取得部131は、ユーザが第1生体情報測定装置200を用いて第1生体情報を測定した場合、第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を第1生体情報測定装置200から取得する。
【0040】
判定部132は、ユーザの活動情報が判定条件を満たすか否かを判定する。判定部132は、例えば、記憶部120から判定条件を読み出し、活動情報測定装置10が測定した活動情報と対応する判定条件とを比較して、活動情報が判定条件を満たすか否かを判定する。
【0041】
通知部133は、判定部132がユーザの活動情報が判定条件を満たすと判定した場合、ユーザに活動情報の測定タイミングを基準とした第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知する。通知部133は、通信部110を介して、活動情報測定装置10、第1生体情報測定装置200、及び/又は携帯端末300に第1メッセージを送信する。
【0042】
通知部133は、例えば、情報取得部131が昨日のユーザの歩数が8000歩といった活動情報の測定結果を活動情報測定装置10から取得し、当該活動情報が「前日の歩数が7000歩以上」といった判定条件を満たすと判定部132が判定した場合、「本日、心電図を測定してください」といった第1メッセージを携帯端末300に通知する。通知部133は、第1生体情報の測定をする時間帯、測定回数等、より好ましい詳細な測定条件を含めた第1メッセージを通知してもよい。
【0043】
以上のタイミング生成装置100によれば、活動情報測定装置10が測定したユーザの活動情報に基づき、第1生体情報の適切な測定タイミングをユーザに把握させることができる。なお、測定タイミングの判定は、臨床研究に基づく判定条件を用いることを説明したが、判定条件は、ユーザの第1生体情報の測定結果に応じて、ユーザに適した条件となるように調節されてもよい。このような動作を、条件更新部134が実行する。
【0044】
例えば、判定条件が1又は複数の条件を含み、判定部132がユーザの活動情報が判定条件のうちの第1条件を満たすと判定し、通知部133が第1メッセージをユーザに通知した後に、ユーザが第1生体情報測定装置200を用いて第1生体情報を測定した場合を考える。ここで、情報取得部131は、上述のように、第1生体情報測定装置200から第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を更に取得する。
【0045】
条件更新部134は、情報取得部131が取得した測定結果情報が疾患の疑いのある異常を示す場合、より広い範囲の活動情報が第1条件を満たすように第1条件を変更して、記憶部120に記憶されている判定条件を更新する。条件更新部134は、例えば、第1条件が「前日の歩数が7000歩以上」であり、心電図の測定結果に心房細動が検出された場合、第1条件を「前日の歩数が6000歩以上」に変更して、記憶部120の判定条件を更新する。
【0046】
このように、条件更新部134は、ユーザの生体情報に異常が検出された場合は、ユーザの活動情報がより判定条件を満たしやすいように判定条件を変更する。これにより、ユーザの生体情報の測定を促す機会を増加させて、生体情報の異常の測定漏れを低減させることができる。
【0047】
また、条件更新部134は、測定結果情報が疾患の疑いのない正常を示す場合、より狭い範囲の活動情報が第1条件を満たすように第1条件を変更して、記憶部120に記憶されている判定条件を更新してもよい。条件更新部134は、例えば、第1条件が「前日の睡眠時間が6時間以下」であり、心電図の測定結果に異常が検出されなかった場合、第1条件を「前日の睡眠時間が7時間以下」に変更して、記憶部120の判定条件を更新する。
【0048】
このように、条件更新部134は、ユーザの生体情報に異常が検出されなかった場合は、ユーザの活動情報がより判定条件を満たしにくいように判定条件を変更する。これにより、ユーザの生体情報の測定を促す機会を減少させて、ユーザが生体情報を測定する負担を軽減させることができる。
【0049】
なお、情報取得部131が第1生体情報測定装置200から取得した測定結果情報が、通知部133が通知した測定タイミングとは異なるタイミングで測定した結果を示す場合や、通知した測定回数よりも少ない測定回数の測定結果を示している場合がある。そこで、情報制御部135は、情報取得部131が取得した測定結果情報が所定の条件を満たした測定結果を示す場合に、測定結果情報を記憶部120に記憶させる。情報制御部135は、例えば、測定結果情報が第1メッセージに含まれている条件を満たしていない測定結果を示す場合、当該測定結果情報を破棄する。
【0050】
そして、条件更新部134は、記憶部120に記憶されている測定結果情報に応じて、記憶部120に記憶されている判定条件を更新する。これにより、条件更新部134は、通知部133が通知した測定タイミングで生体情報を測定した場合に、判定条件を更新することができる。言い換えると、条件更新部134は、測定結果情報が通知した条件を満たした測定結果ではない場合には、判定条件の更新に用いる情報としては用いない。これにより、条件更新部134は、適切な測定結果を用いて判定条件を精度よく更新することができる。
【0051】
<生体情報測定システムSの動作フローの一例>
図3は、本実施形態に係る生体情報測定システムSの動作フローの一例を示す。
図3の例は、ユーザが活動情報測定装置10と第1生体情報測定装置200とを身につけ、携帯端末300を保持しているものとする。そして、タイミング生成装置100は、第1メッセージを携帯端末300に送信する例を説明する。なお、活動情報測定装置10及び第1生体情報測定装置200は、別個独立の装置であってもよく、これに代えて、1つの装置であってもよい。
【0052】
また、生体情報測定システムSは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)を用いて、複数の装置間におけるデータのやりとりを管理することが望ましい。この場合、ユーザIDは、活動情報測定装置10、タイミング生成装置100、第1生体情報測定装置200、携帯端末300のうち、少なくとも1つの装置で登録された情報であることが望ましい。ユーザIDは、例えば、携帯端末300に予め登録されているユーザ固有の情報、電話番号、携帯端末300において利用している決済サービスに用いられるユーザID、携帯端末300に固有の情報等である。
【0053】
まず、活動情報測定装置10は、ユーザが生活している間にユーザの活動情報を測定する(S51)。活動情報測定装置10は、所定の測定項目(ユーザが歩いた1日の歩数、起床時刻、就寝時刻、食事毎の摂取カロリ、心拍数等)を所定の測定タイミングで測定し、測定結果と測定タイミングの情報を蓄積する。なお、活動情報測定装置10は、ユーザからの入力に基づく食事毎の摂取カロリを蓄積してもよい。
【0054】
次に、タイミング生成装置100の情報取得部131は、活動情報測定装置10の測定結果と測定タイミングの情報を含むユーザの活動情報を取得する(S52)。判定部132は、ユーザの活動情報が判定条件を満たすか否かを判定する(S53)。判定部132は、判定条件が複数の条件を含む場合、条件毎に活動情報が条件を満たすか否かを判定する。判定条件は、例えば、「前日の歩数が7000歩以上」、「前日の睡眠時間が6時間以下」、「安静時の心拍数が1分間に70回以上」等である。
【0055】
判定部132がユーザの活動情報が判定条件のうちの第1条件を満たすと判定した場合(S53:Yes)、通知部133は、第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを携帯端末300に通知する(S54)。通知部133は、ユーザの活動情報が判定条件のうち少なくとも1つの条件を満たしたと判定部132が判定した場合に、第1メッセージを通知してよい。通知部133は、第1メッセージを所定の回数だけ繰り返し通知してもよい。この場合、通知部133は、所定の時間間隔で第1メッセージを通知する。
【0056】
通知部133は、例えば、活動情報が第1条件の「前日の歩数が7000歩以上」を満たしたと判定部132が判定した場合に、第1メッセージを通知する。そして、携帯端末300は、例えば、「本日、心電図を測定してください」といった第1メッセージを表示させる。ユーザは、携帯端末300のメッセージを確認することで、生体情報の測定タイミングを把握することができる。ここで、ユーザの操作により、第1生体情報測定装置200が第1生体情報を測定したものとする(S55)。
【0057】
タイミング生成装置100の情報取得部131は、第1生体情報測定装置200から第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を取得する(S56)。情報制御部135は、S57において、測定結果情報が所定の条件を満たした測定結果を示す場合に、測定結果情報を記憶部120に記憶させる(S58)。情報制御部135は、例えば、測定結果情報が第1メッセージを通知した日の測定結果であることを示す場合、測定結果情報を記憶部120に記憶させる。
【0058】
条件更新部134は、記憶部120に測定結果情報が記憶されていることに応じて、記憶部120に記憶されている判定条件のうち、判定部132の直前の判定に用いた第1条件を更新する(S59)。条件更新部134は、測定結果情報が異常を示す場合、より広い範囲の活動情報が第1条件を満たすように記憶部120に記憶されている第1条件を更新する。条件更新部134は、例えば、心電図の測定結果に心房細動が検出された場合、第1条件を「前日の歩数が6000歩以上」に変更して、記憶部120の判定条件を更新する。
【0059】
なお、第1生体情報測定装置200は、測定結果情報が異常を示す場合、ユーザに医療機関の受診することを促すメッセージを表示部等に表示させてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、タイミング生成装置100の通知部133は、測定結果情報が異常を示す場合、ユーザに医療機関を受診することを促すメッセージを携帯端末300に通知してもよい。このように、生体情報測定システムSは、疾患の発見、疾患の再発、疾患の悪化等の診断結果を速やかに把握するために、医療機関の受診をユーザに促すこともできる。
【0060】
また、条件更新部134は、測定結果情報が正常を示す場合、より狭い範囲の活動情報が第1条件を満たすように記憶部120に記憶されている第1条件を更新する。条件更新部134は、例えば、心電図の測定結果に異常が検出されなかった場合、第1条件を「前日の歩数が8000歩以上」に変更して、記憶部120の判定条件を更新する。なお、条件更新部134は、第1条件が予め定められた上限値から下限値の範囲であれば、このような更新を繰り返してよく、第1条件が上限値から下限値の範囲を超える場合は更新をしなくてもよい。
【0061】
以上の生体情報測定システムSは、ユーザ等によって処理の停止が入力された場合、メンテナンス又は異常動作等によって動作を停止する場合等は(S60:Yes)、動作を終了させる。生体情報測定システムSは、動作を終了させずに処理を継続する場合は(S60:No)、S51に戻り、動作を終了させるまでS51からS60の処理を繰り返す。なお、生体情報測定システムSは、判定部132がユーザの活動情報が判定条件を満たさないと判定した場合(S53:No)、測定結果情報が所定の条件を満たさなかった測定結果を示す場合(S57:No)も、S60に移動して、処理を継続させるか、動作を終了させる。
【0062】
以上の本実実施形態に係る生体情報測定システムSによれば、ユーザの生活において負担なく測定できる活動情報に基づき、疾患に関わるような予兆を把握するための生体情報の適切な測定タイミングをユーザに通知することができる。また、生体情報測定システムSは、ユーザの生体情報の測定結果に基づき、測定タイミングを生成するための条件を更新して、測定タイミングを精度よく生成することができる。これにより、生体情報測定システムSは、ユーザの疾患を発見しやすくすることができる。
【0063】
以上の本実実施形態に係る生体情報測定システムSにおいて、タイミング生成装置100の条件更新部134が、活動情報の判定条件を更新する例を説明した。この場合、通知部133は、条件更新部134の更新結果に対応して、通知内容を変更してもよい。例えば、通知部133は、条件更新部134がより広い範囲の活動情報が条件を満たすように判定条件を更新した後に、判定部132がユーザの活動情報が判定条件を満たすと判定した場合、第1メッセージをユーザに通知する回数を前回の通知回数から増加させる。
【0064】
ユーザの活動情報が過去に判定条件を満たしている場合、更に活動情報が判定条件を満たしたことに応じて、疾患の予兆が検出される可能性が高い。そこで、通知部133は、通知の回数を増加させることで、ユーザが生体情報をより確実に測定するように促すことができる。また、通知部133は、生体情報の測定をより強く促すように第1メッセージを変更してもよい。通知部133は、例えば、複数回の測定を勧めるメッセージ、医師への相談を勧めるメッセージ等を第1メッセージに含める。
【0065】
ここで、通知部133は、前回の第1メッセージの文言に比べてより強い指示の文言に変更した第1メッセージを通知してもよい。通知部133は、例えば、前回の第1メッセージが「8時に測定してください。」といった文言を含む場合、当該文言を「必ず8時に測定してください。」と変更して今回の第1メッセージとする。タイミング生成装置100は、このような強い指示を第1メッセージとすることにより、ユーザが生体情報を測定することを強く促して、ユーザに自覚症状がなく異常が発生しても第1生体情報を測定して異常の発生を検出できるようにする。これにより、タイミング生成装置100は、ユーザの異常の検出率の向上を図ることができる。
【0066】
また、通知部133は、過去に第1メッセージを通知した時刻と、第1生体情報測定装置200が第1生体情報を測定したタイミングとに基づき、第1メッセージの内容を変更してもよい。この場合、例えば、
図3のS54において、情報制御部135は、通知部133が第1メッセージをユーザに通知した通知時刻の情報を、記憶部120に記憶させる。ここで、情報制御部135は、ユーザIDに関連付けて通知時刻の情報を記憶させることが望ましい。
【0067】
これにより、通知部133は、S54において、同一のユーザに対して第1メッセージを過去に通知しているか否かを把握することができる。そして、通知部133は、過去に第1メッセージを通知しているユーザに対して第1メッセージを通知する場合、過去の第1メッセージの通知時刻と活動情報を測定した測定タイミングとの時間差に基づくタイミングで第1メッセージを通知してもよい。
【0068】
通知部133は、例えば、当該時間差が閾値よりも大きい場合、より早いタイミングで第1メッセージを通知する。これにより、タイミング生成装置100は、第1生体情報を測定するタイミングをより早くするように促すメッセージをユーザに通知できる。
【0069】
これに代えて、又はこれに加えて、通知部133は、過去の第1メッセージの通知時刻と活動情報を測定した測定タイミングとの時間差に基づく情報を含めて、第1メッセージを通知してもよい。通知部133は、例えば、当該時間差が2時間の場合、「今から2時間以内に心電図を測定してください」という第1メッセージを通知する。これにより、タイミング生成装置100は、第1生体情報のより詳細な測定タイミングを生成してユーザに通知できる。
【0070】
また、以上の条件更新部134は、ユーザから判定条件を更新することを確認してから判定条件を更新してもよい。この場合、例えば、
図3のS54において、通知部133は、第1メッセージに加えて、活動情報が条件を満たした判定条件をユーザに通知する。一例として、通知部133は、「前日の歩数が7000歩以上でした。本日、心電図を測定してください。」といったメッセージを通知する。
【0071】
そして、通知部133は、ユーザが第1生体情報を測定した場合、条件更新部134が判定条件を更新する前に、判定条件を更新させるか否かを示す第2メッセージをユーザに通知する。通知部133は、第1メッセージを送信した送信先に、第2メッセージを送信することが望ましい。一例として、
図3のS56とS57の間において、通知部133は、「前日の歩数が7000歩以上という判定条件を、前日の歩数が6000歩以上という判定条件に更新しますか?」といったメッセージを携帯端末300に通知する。
【0072】
次に、情報取得部131は、ユーザから判定条件を更新させるか否かを示す入力情報を更に取得する。ここで、第2メッセージを表示したデバイス(例えば、活動情報測定装置10、第1生体情報測定装置200、又は携帯端末300)は、ユーザからの入力を受け付け可能な構成を有するものとする。そして、入力情報が判定条件を更新させることを示す場合に、タイミング生成装置100はS57からの動作を実行させ、条件更新部134は、判定条件を更新する。
【0073】
これにより、ユーザは、判定条件を更新させるか否かをタイミング生成装置100に指示することができる。例えば、ユーザが第1生体情報を測定しても、安静時ではなかったり、第1生体情報測定装置200の操作が正しくなかったりして、正確な測定結果をタイミング生成装置100が取得していない場合がある。この場合において、ユーザは、判定条件を更新させないことを選択して指示できるので、タイミング生成装置100は不正確な測定結果情報を用いずに、精度よく判定条件を更新することができる。
【0074】
なお、以上の条件更新部134は、ユーザが疾患に罹患している場合、設定に応じた更新動作を実行してもよい。この場合、例えば、記憶部120は、ユーザが疾患の診断結果を示す疾患記録情報をさらに記憶する。そして、一例として、
図3のS58の後に、条件更新部134は、疾患記録情報に基づいて、判定条件を更新するか否かを判定する。
【0075】
条件更新部134は、例えば、ユーザが疾患に罹患していることを疾患記録情報が示す場合、判定条件を更新しない。例えば、ユーザが疾患に罹患しており、判定条件を固定して経過を観察したい場合、判定条件を変更してもあまり意味がない場合等がある。そこで、条件更新部134は、ユーザが疾患を有する場合は判定条件を更新しないように設定可能な構成を有する。ここで、条件更新部134の設定値は、記憶部120に記憶されていてもよい。
【0076】
また、条件更新部134は、ユーザが疾患に罹患していることを疾患記録情報が示す場合、判定条件を更新してもよい。例えば、ユーザが疾患に罹患しており、判定条件を微調整して判定条件を最適化したい場合もある。そこで、条件更新部134は、ユーザが疾患を有する場合は判定条件を更新するように設定可能な構成を有し、設定値は記憶部120に記憶されていてもよい。以上により、タイミング生成装置100は、疾患を有するユーザに対して、目的に応じた適切な判定条件を用いることができる。
【0077】
ここで、ユーザの疾患の診断結果を示す疾患記録情報は、ユーザからの入力によって記憶部120が記憶してもよく、これに代えて、診療機関等から取得してもよい。この場合、診療機関等が管理するサーバとタイミング生成装置100の通信部110とが通信可能であり、情報取得部131は、ユーザが疾患の診療を申し込んだか否かを示す診療状況情報と、診療機関におけるユーザの疾患の診断結果を示す疾患記録情報とを取得することが望ましい。
【0078】
そして、情報制御部135は、活動情報、判定部132の判定結果、測定結果情報、診療状況情報、及び疾患記録情報をユーザIDに関連付けて記憶部120に記憶させることが更に望ましい。これにより、タイミング生成装置100は、ユーザの健康状態を示す情報から疾患に関わる情報までを管理することができる。そして、情報制御部135は、ユーザIDと共に情報の要求を内部又は外部から受け取った場合、対応するユーザの情報を要求元に供給してもよい。
【0079】
例えば、条件更新部134は、ユーザIDに対応する疾患記録情報を記憶部120から読み出し、ユーザの疾患記録情報に基づいて、判定条件を更新するか否かを判定する。このように、タイミング生成装置100は、ユーザIDに基づくデータベースとして機能することもできる。
【0080】
以上の本実施形態に係る生体情報測定システムSにおいて、タイミング生成装置100がユーザの活動情報に基づき、ユーザの第1生体情報を測定する測定タイミングを生成する例を説明したが、これに限定されることはない。タイミング生成装置100は、第1生体情報とは異なる第2生体情報に基づき、第1生体情報を測定する測定タイミングを生成してもよい。
【0081】
例えば、活動情報測定装置10は、ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む第2生体情報を測定可能に構成されている。また、ユーザは、第2生体情報を測定可能なウェアラブルデバイス等を更に装着していてもよい。情報取得部131は、このような活動情報測定装置10、ウェアラブルデバイス等から第2生体情報を更に取得する。
【0082】
この場合、記憶部120は、第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つを含む判定条件を記憶する。そして、判定部132は、ユーザの活動情報及び第2生体情報が判定条件を満たすか否かを判定する。
【0083】
この場合、条件更新部134は、第2生体情報の判定条件も、活動情報の判定条件と同様に更新してもよい。以上のタイミング生成装置100は、活動情報及び第2生体情報を用いることにより、より正確に第1生体情報を測定する測定タイミングを生成することができる。
【0084】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0086】
10 活動情報測定装置
100 タイミング生成装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 情報取得部
132 判定部
133 通知部
134 条件更新部
135 情報制御部
200 第1生体情報測定装置
300 携帯端末