(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131987
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】建物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/76 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
E04B1/76 500F
E04B1/76 400F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042605
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】青木 亮
(72)【発明者】
【氏名】飯田 和仁
(72)【発明者】
【氏名】片桐 徹
(72)【発明者】
【氏名】川上 隆士
(72)【発明者】
【氏名】竹迫 利喜也
(72)【発明者】
【氏名】土屋 奈美子
(72)【発明者】
【氏名】東山 純也
(72)【発明者】
【氏名】藤塚 亮太
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001FA04
2E001HA32
2E001HA33
(57)【要約】
【課題】付加断熱パネルの配置や使用される種類を、敷地の状況や建物の熱負荷を考慮したものとし、敷地境界線までの離隔距離を確保するとともに、建物の断熱に係るコストの上昇を抑える。
【解決手段】建物Hが、建物本体の外周に設けられて屋内側の部屋に隣接して配置された外壁100a~100dを備え、外壁100a~100dには、付加断熱構造部が形成される第一領域と、付加断熱構造部が形成されない第二領域と、が含まれ、第一領域における付加断熱構造部は、外壁100a~100cに、複数種類の付加断熱パネルのいずれかが設けられることで形成され、複数種類の付加断熱パネルには、外壁100aの屋外側面に設けられる第一付加断熱パネル10と、外壁100bの屋内側面に設けられる第二付加断熱パネル20と、外壁100cの屋外側面と屋外側面の双方に設けられる第三付加断熱パネル30と、が含まれている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物本体の外周に設けられて屋内側の部屋に隣接して配置された外壁を備えており、
前記外壁には、付加断熱構造部が形成される第一領域と、付加断熱構造部が形成されない第二領域と、が含まれ、
前記第一領域における前記付加断熱構造部は、前記外壁に、複数種類の付加断熱パネルのいずれかが設けられることで形成され、
前記複数種類の付加断熱パネルには、
前記外壁の屋外側面に設けられる第一付加断熱パネルと、
前記外壁の屋内側面に設けられる第二付加断熱パネルと、
前記外壁の屋外側面と屋外側面の双方に設けられる第三付加断熱パネルと、が含まれていることを特徴とする建物。
【請求項2】
請求項1に記載の建物において、
前記第三付加断熱パネルは、前記外壁の屋外側面に設けられる屋外側パネルと、前記外壁の屋内側面に設けられる屋内側パネルと、からなり、
前記屋外側パネルと前記屋内側パネルの各々は、その厚さ寸法が、前記第一付加断熱パネル及び前記第二付加断熱パネルの厚さ寸法よりも短く設定されていることを特徴とする建物。
【請求項3】
請求項1に記載の建物において、
前記複数種類の付加断熱パネルのうち前記第一付加断熱パネルが、前記外壁の屋外側面に設けられて前記付加断熱構造部が形成された場合に、前記外壁を支持する基礎の屋外側面に、基礎断熱パネルが付加されて設けられることを特徴とする建物。
【請求項4】
請求項1に記載の建物において、
前記複数種類の付加断熱パネルのうち前記第二付加断熱パネルが、前記外壁の屋内側面に設けられて前記付加断熱構造部が形成された場合に、前記外壁を支持する基礎の屋内側面に、基礎断熱パネルが付加されて設けられることを特徴とする建物。
【請求項5】
請求項2に記載の建物において、
前記複数種類の付加断熱パネルのうち前記第三付加断熱パネルが、前記外壁の屋外側面と屋外側面の双方に設けられて前記付加断熱構造部が形成された場合に、前記外壁を支持する基礎の屋外側面と屋外側面の双方に、基礎断熱パネルが付加されて設けられ、
前記基礎断熱パネルは、前記基礎の屋外側面に付加されて設けられる屋外側用の基礎断熱パネルと、前記基礎の屋内側面に付加されて設けられる屋内側用の基礎断熱パネルと、からなり、
前記屋外側用の基礎断熱パネルと前記屋内側用の基礎断熱パネルの各々は、その厚さ寸法が、前記第一付加断熱パネル及び前記第二付加断熱パネルの厚さ寸法よりも短く設定されていることを特徴とする建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物における断熱性能を向上させる目的で設けられる外張断熱構造の一例として、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1に記載の外張断熱構造においては、複数のふかし材が、外壁を構成する壁体の構造材に沿って配置されるとともに壁体における屋外側の表面に固定されている。すなわち、ふかし材は、壁体の表面から突出した状態に設けられている。そして、付加断熱パネルが、ふかし材に当接した状態で壁体の表面に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、都市部等では、建物が建築される敷地が狭小である場合が多い。そのような場合に、建物の断熱性を向上させたいからと言って、むやみに外張断熱構造を採用してしまうと、外張断熱構造を含む外壁の厚みが屋外側に増す分、外装材の表面から敷地境界線までの離隔距離が短くなってしまう。そして、建物の全方位に外張断熱構造を採用してしまうと、建物の周囲に沿って通行することも難しくなってしまう場合がある。一方、敷地境界線までの離隔距離が短くなるのを防ぐために、付加断熱パネルを外壁の屋内側に付加してしまうと、部屋の中が狭くなってしまうという問題がある。
さらに、建物の内部には、熱負荷の大きい場所もあれば熱負荷の小さい場所もあり、全ての場所に同一の厚みや同一の性能を有する断熱材を採用すると、建物の断熱に係るコストの上昇を招く場合がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、付加断熱パネルの配置や使用される種類を、敷地の状況や建物の熱負荷を考慮したものとし、敷地境界線までの離隔距離を確保するとともに、建物の断熱に係るコストの上昇を抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、建物Hであって、例えば
図1~
図9に示すように、建物本体の外周に設けられて屋内側の部屋に隣接して配置された外壁100a,100b,100c,100dを備えており、
前記外壁100a~100dには、付加断熱構造部が形成される第一領域と、付加断熱構造部が形成されない第二領域と、が含まれ、
前記第一領域における前記付加断熱構造部は、前記外壁100a~100cに、複数種類の付加断熱パネル10,20,30のいずれかが設けられることで形成され、
前記複数種類の付加断熱パネル10,20,30には、
前記外壁100aの屋外側面に設けられる第一付加断熱パネル10と、
前記外壁100bの屋内側面に設けられる第二付加断熱パネル20と、
前記外壁100cの屋外側面と屋外側面の双方に設けられる第三付加断熱パネル30と、が含まれていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、建物本体の外周に設けられて屋内側の部屋に隣接して配置された外壁100a,100b,100c,100dに、付加断熱構造部が形成される第一領域と、付加断熱構造部が形成されない第二領域と、が含まれているので、付加断熱構造部が形成される領域では、付加断熱構造部によって建物Hの断熱性を向上させつつ、付加断熱構造部が形成されない領域では、敷地境界線までの離隔距離を確保して建物Hの周囲における通行が妨げられないようにすることができる。さらに、付加断熱構造部が形成されない領域では、部屋の広さが狭められることを防ぐことができる。また、付加断熱構造部が形成されない領域がある分、建物Hの断熱に係るコストの上昇を抑えることができる。
さらに、複数種類の付加断熱パネル10,20,30には、外壁100aの屋外側面に設けられる第一付加断熱パネル10と、外壁100bの屋内側面に設けられる第二付加断熱パネル20と、外壁100cの屋外側面と屋外側面の双方に設けられる第三付加断熱パネル30と、が含まれているので、建物Hが建築される敷地100の状況や建物Hの熱負荷を考慮して、付加断熱構造部を外張断熱としたり、内張断熱としたり、外張断熱と内張断熱の双方を含むものとしたりすることができる。すなわち、第一付加断熱パネル10と、第二付加断熱パネル20と、第三付加断熱パネル30のいずれかを適宜選択することで、敷地100の状況や建物Hの熱負荷を考慮した最適な建物Hの断熱が可能となるので、結果的に、建物Hの断熱に係るコストの上昇を抑えることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば
図1,
図8に示すように、請求項1に記載の建物Hにおいて、
前記第三付加断熱パネル30は、前記外壁100cの屋外側面に設けられる屋外側パネル30aと、前記外壁100cの屋内側面に設けられる屋内側パネル30bと、からなり、
前記屋外側パネル30aと前記屋内側パネル30bの各々は、その厚さ寸法が、前記第一付加断熱パネル10及び前記第二付加断熱パネル20の厚さ寸法よりも短く設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第三付加断熱パネル30における屋外側パネル30aと屋内側パネル30bの各々は、その厚さ寸法が、第一付加断熱パネル10及び第二付加断熱パネル20の厚さ寸法よりも短く設定されているので、屋外側パネル30aは、外壁100cの屋外側面に設けられた場合に、第一付加断熱パネル10が外壁100aに設けられた場合よりも屋外側に突出しない。そのため、第一付加断熱パネル10によって付加断熱構造部が形成された場合よりも、敷地境界線までの離隔距離を長く確保できるので、建物Hの周囲における通行が妨げられることを抑制できる。また、屋内側パネル30bは、外壁100cの屋内側面に設けられた場合に、外壁100bに第二付加断熱パネル20が設けられた場合よりも屋内側に突出しない。そのため、第二付加断熱パネル20によって付加断熱構造部が形成された場合よりも、部屋の広さが狭められることを抑制できる。しかも、屋外側パネル30aと屋内側パネル30bの双方の厚さ寸法が短く設定されていても、屋外側パネル30aと屋内側パネル30bとを足し合わせた分の厚さ寸法は、いずれか一方の厚さ寸法よりも長いので、建物Hの断熱性を向上させることに貢献できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図3に示すように、請求項1に記載の建物Hにおいて、
前記複数種類の付加断熱パネル10,20,30のうち前記第一付加断熱パネル10が、前記外壁100aの屋外側面に設けられて前記付加断熱構造部が形成された場合に、前記外壁100aを支持する基礎1の屋外側面に、基礎断熱パネル13が付加されて設けられることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、第一付加断熱パネル10が、外壁100aの屋外側面に設けられて付加断熱構造部が形成された場合に、外壁100aを支持する基礎1の屋外側面1aに、基礎断熱パネル13が付加されて設けられるので、床下の断熱性を向上させることができる。さらに、外張断熱である付加断熱構造部の屋外側面6aと基礎1の屋外側面1aとの間に生じた段差に隣接して付加断熱構造部の屋外側面6aよりも基礎1側に位置する空間S1に、基礎断熱パネル13を補填するように配置できるので、空間S1を満たすことができ、段差を極力目立たなくして建物Hの見栄えを向上させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図7に示すように、請求項1に記載の建物Hにおいて、
前記複数種類の付加断熱パネル10,20,30のうち前記第二付加断熱パネル20が、前記外壁100bの屋内側面に設けられて前記付加断熱構造部が形成された場合に、前記外壁100bを支持する基礎1の屋内側面1bに、基礎断熱パネル23が付加されて設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、第二付加断熱パネル20が、外壁100bの屋内側面に設けられて付加断熱構造部が形成された場合に、外壁100bを支持する基礎1の屋内側面1bに、基礎断熱パネル23が付加されて設けられるので、床下の断熱性を向上させることができる。さらに、基礎断熱パネル23を基礎1の屋内側に配置して、基礎断熱パネル23を隠すことができるので、建物Hの見栄えを向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図8に示すように、請求項2に記載の建物Hにおいて、
前記複数種類の付加断熱パネル10,20,30のうち前記第三付加断熱パネル30が、前記外壁100cの屋外側面と屋外側面の双方に設けられて前記付加断熱構造部が形成された場合に、前記外壁100cを支持する基礎1の屋外側面1aと屋内側面1bの双方に、基礎断熱パネル35,37が付加されて設けられ、
前記基礎断熱パネル35,37は、前記基礎1の屋外側面1aに付加されて設けられる屋外側用の基礎断熱パネル35と、前記基礎1の屋内側面1bに付加されて設けられる屋内側用の基礎断熱パネル37と、からなり、
前記屋外側用の基礎断熱パネル35と前記屋内側用の基礎断熱パネル37の各々は、その厚さ寸法が、前記第一付加断熱パネル10及び前記第二付加断熱パネル20の厚さ寸法よりも短く設定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、屋外側用の基礎断熱パネル35と屋内側用の基礎断熱パネル37の各々は、その厚さ寸法が、第一付加断熱パネル10及び第二付加断熱パネル20の厚さ寸法よりも短く設定されているので、屋外側用の基礎断熱パネル35は、基礎1の屋外側面1aに付加されて設けられた場合に、屋外側への突出寸法を短くすることができる。そのため、基礎1の部分においても、敷地境界線までの離隔距離を長く確保できるので、建物Hの周囲における通行が妨げられることを抑制できる。屋外側用の基礎断熱パネル35と屋内側用の基礎断熱パネル37の双方の厚さ寸法が短く設定されていても、屋外側用の基礎断熱パネル35と屋内側用の基礎断熱パネル37とを足し合わせた分の厚さ寸法は、いずれか一方の厚さ寸法よりも長いので、床下の断熱性を向上させることに貢献できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、付加断熱パネルの配置や使用される種類を、敷地の状況や建物の熱負荷を考慮したものとし、敷地境界線までの離隔距離を確保するとともに、建物の断熱に係るコストの上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】建物が建築された敷地の状態を示す平面図である。
【
図2】建築用木質パネルの構造を示す斜視図である。
【
図3】外壁の屋外側に形成された付加断熱構造部の例を示す断面図である。
【
図4】外壁の屋外側に形成された付加断熱構造部の例を示す断面図である。
【
図5】外壁の屋外側に形成された付加断熱構造部の例及び外付けサッシの例を示す断面図である。
【
図6】外壁の屋外側に形成された付加断熱構造部の例及び内付けサッシの例を示す断面図である。
【
図7】外壁の屋内側に形成された付加断熱構造部の例を示す断面図である。
【
図8】外壁の屋外側と屋内側の双方に形成された付加断熱構造部の例を示す断面図である。
【
図9】外壁の屋外側に形成されたパイプスペースの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方角は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
【0019】
図1において符号Hは、住宅等の建物を示す。この建物Hは、敷地100に建築されている。本実施形態の敷地100は、隣地101,102に挟まれており、南側には道路103が通っている。北側には、他の隣地があってもよいし、斜面であってもよい。また、隣地101,102には、住宅等の建物Hが建築されている。また、隣地101,102との境界には、塀101a,102aがそれぞれ建てられているものとする。
なお、このような本実施形態の敷地100の配置は、あくまでも一例であって、これに限られるものではなく、少なくとも、道路103に隣接し、かつ、一つの隣地に隣接していればよいものとする。
【0020】
本実施形態の建物Hは、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築するパネル工法で構築されるが、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物にも適用することができる。
【0021】
また、このパネル(以下、建築用木質パネル)とは、
図2に例示されるように、縦横の框材Fmが矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材Cpが縦横に組み付けられて枠体Fが構成され、この枠体Fの両面もしくは片面に、合板等の面材Bdが貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、グラスウールやロックウール等の断熱材(以下、繊維系断熱材In1)、発泡プラスチック断熱材が適宜選択されて装填される。
【0022】
本実施形態においては、
図2~
図8に示すように、建築用木質パネルとして、建物Hの床を構成する床パネルP1と、建物Hの壁を構成する壁パネルP2が用いられる。
床パネルP1は、枠体Fの上面にのみ面材Bが設けられている。そして、基礎1の上面に、床下換気を可能とする換気台輪2を介在させた状態で設置される。
壁パネルP2は、枠体Fの両面に面材Bが設けられている。また、壁パネルP2は、床パネルP1の上面に載せられて設置される。壁パネルP2が、屋外側に位置する外壁の場合は、半土台3の上面及び床パネルP1における屋外側端部の上面に跨って設けられる。
【0023】
なお、本実施形態の建物Hは、平面視において矩形状に形成されており、南側の建物正面に位置する第一壁100aと、北側の建物裏手に位置する第二壁100bと、西側に位置する第三壁100cと、東側に位置する第四壁100dと、を備えている。
第一壁100aと道路103との間には、庭やカーポート、玄関アプローチがあり、第一壁100aには玄関出入口Eが形成されている。
第二壁100bは、図示しない北側の隣地側に位置し、第三壁100cは、一方の隣地101側に位置し、第四壁100dは、他方の隣地102側に位置している。
【0024】
基礎1は、本実施形態においては布基礎とされているが、これに限られるものではなく、べた基礎でもよい。基礎1の立ち上がり部は地面よりも上方に突出しており、立ち上がり部の上面に、換気台輪2が設けられている。
また、基礎1は、図示はしないが、上面から上方に突出するアンカーボルトを有する。アンカーボルトは、基礎1上に設けられた換気台輪2、半土台3、床パネルP1、及び壁パネルP2における下端部の框材Fmを貫通した状態になっている。そして、アンカーボルトの先端には座金やナットが設けられ、このナットが締め付けられることにより、基礎1から、換気台輪2、半土台3及び床パネルP1を経て、壁パネルP2までが一体化する構成となっている。
【0025】
以上のような基本構造を有する建物Hの外壁100a,100b,100c,100dのうち、断熱性の向上を図りたい外壁には付加断熱構造部が形成されている。
すなわち、建物Hにおける外壁100a,100b,100c,100dのうち、全方位の外壁に付加断熱構造部が形成されて、その付加断熱構造部が全て屋外側に位置する外張断熱だと、隣地101,102との間隔が狭くなってしまい、建物Hの裏手に回ることもままならない。また、付加断熱構造部の全てを屋内側に位置する内張断熱にしてしまうと、建物H内の空間が狭まり、部屋の中が狭くなってしまう。さらに、建物の内部には、熱負荷の大きい場所もあれば熱負荷の小さい場所もあるため、全方位の外壁に、同一の厚みや同一の性能を有する付加断熱構造部が形成されてしまうと、建物Hの断熱に係るコストの上昇を招く場合がある。
以上のような理由から、本実施形態においては、
図1に示すように、建物Hの外壁100a,100b,100c,100dのうち、東側に位置する第四壁100dには付加断熱構造部が形成されていない。一方、南側の第一壁100aと、北側の第二壁100bと、西側の第三壁100cには付加断熱構造部が形成されている。これらの各外壁100a,100b,100c,100dは、屋内側に部屋が形成された建物本体の外周に設けられて、屋内側の部屋に隣接して配置された外壁である。例えば、カーポートにのみ隣接して屋内の部屋には隣接しない外壁などには付加断熱構造部が形成されなくてもよい。
換言すれば、建物Hの外壁100a,100b,100c,100dには、付加断熱構造部が形成される領域(すなわち、第一領域)と、付加断熱構造部が形成されない領域(すなわち、第二領域)が含まれるようにする。本実施形態においては、南側の第一壁100aと、北側の第二壁100bと、西側の第三壁100cが、付加断熱構造部が形成される領域とされ、東側の第四壁100dが、付加断熱構造部が形成されない領域とされている。
その上で、付加断熱構造部が形成される領域(第一壁100a、第二壁100b、第三壁100c)には、
図1,
図3~
図9に示すように、屋外側に付加される第一付加断熱パネル10と、屋内側に付加される第二付加断熱パネル20と、屋外側と屋内側の双方に付加される第三付加断熱パネル30のいずれかが採用される。
【0026】
建物Hの外壁100a,100b,100c,100d(第一壁100a、第二壁100b、第三壁100c、第四壁100d)について、より詳細に説明すると、この外壁100a,100b,100c,100dは、屋外側に位置する壁パネルP2を主として構成されている。また、建物Hの外壁100a,100b,100c,100dには、壁パネルP2の直下に位置し、かつ、壁パネルP2と床パネルP1との取り合い部に位置する半土台3が含まれてもよい。さらに、図示はしないが、壁パネルP2の直上に位置する上部構造(例えば梁、上階の床パネルP1及び半胴差、他の壁パネルP2、調整材など)が含まれてもよい。本実施形態において建物Hの外壁100a,100b,100c,100dは、屋外側に位置する壁パネルP2と、その直下に位置する半土台3と、を含んで構成されている。
さらに、建物Hの外壁100a,100b,100c,100dは、屋外側に付加断熱構造部が形成されるか否かにかかわらず、外装材6によって被覆されている。なお、建物Hの外壁100a,100b,100c,100dの屋内側は、石膏ボード12及び内装仕上げ材(図示省略)によって被覆されている。
【0027】
このような外壁100a,100b,100c,100dの屋外側面、屋内側面、もしくは屋外側面と屋内側面の双方に、付加断熱構造部が形成されている。
そして、本実施形態においては、南側の第一壁100aにおける屋外側面に第一付加断熱パネル10が付加されて、付加断熱構造部が形成されている。また、北側の第二壁100bにおける屋内側面に第二付加断熱パネル20が付加されて、付加断熱構造部が形成されている。さらに、西側の第三壁100cにおける屋外側面と屋内側面の双方に第三付加断熱パネル30が付加されて、付加断熱構造部が形成されている。
【0028】
(第一壁100aの付加断熱構造部)
第一付加断熱パネル10は、
図3~
図5に示すように、ふかし材11と共に、第一壁100aの屋外側面に設けられ、これにより、第一壁100aの屋外側面に付加断熱構造部が形成されている。また、第一付加断熱パネル10及びふかし材11の屋外側には、縦胴縁5が設けられるとともに外装材6が設けられている。すなわち、付加断熱構造部が形成される領域を構成する第一壁100aの付加断熱構造部は、第一付加断熱パネル10と、ふかし材11と、縦胴縁5と、外装材6と、を少なくとも備えている。
【0029】
ふかし材11は、木材であることが好ましく、本実施形態においては、例えば角材によって構成されている。形状は、角材に限られるものではなく、板材であってもよい。
また、ふかし材11は、第一壁100aのうち半土台3や壁パネルP2における框材Fm又は/及び補助桟材Cpに沿って配置されている。そして、ふかし材11は、最小限の数のビス等の固定材によって、半土台3及び壁パネルP2における框材Fm又は/及び補助桟材Cpに固定されている(
図4参照)。固定材は、半土台3や框材Fm、補助桟材Cpを狙って設けられているものとする。また、ふかし材11は、面材Bに対して接着剤により接着されてもよい。
【0030】
このようなふかし材11は、半土台3に沿って、かつ水平方向(横方向)に配置される横ふかし材11aと、壁パネルP2に沿って、かつ垂直方向(縦方向)に配置される縦ふかし材11bと、を有する。
縦ふかし材11bは、その下端面が、横ふかし材11aの上面に接した状態となっている。
なお、第一壁100aに、壁パネルP2の直上に位置する上部構造が含まれる場合、その上部構造の表面にも横ふかし材11aが固定されてよい。その場合、縦ふかし材11bの上端面が、上側の横ふかし材11aの下面に接した状態となる。
また、縦ふかし材11bは、一本の横ふかし材11aに対して複数本が用いられるものとする。これにより、第一壁100aの表面には、横ふかし材11aと縦ふかし材11bからなる凹型又はロ字型の枠組みが形成されることとなる。
【0031】
第一付加断熱パネル10は、横ふかし材11a及び縦ふかし材11bからなる枠組みの内側に収まるようにして、第一壁100aの表面に設けられている。すなわち、第一付加断熱パネル10は、横ふかし材11aの上面、縦ふかし材11bの側面及び第一壁100aの表面に接した状態となっている。
本実施形態の第一付加断熱パネル10は、発泡プラスチック断熱材(発泡系断熱材)によって構成されている。
また、第一付加断熱パネル10は、ふかし材11に固定された複数の押さえ材(図示省略)によって第一壁100aの表面に押さえ付けられて保持されている。複数の押さえ材に代えて接着剤を用い、第一付加断熱パネル10を第一壁100aの表面やふかし材11に接着してもよい。
なお、第一付加断熱パネル10は、ふかし材11に対して予め固定されて、一つのパネルとして取り扱えるようにしてもよい。これにより、輸送時や施工時の効率を良くすることができる。
また、第一付加断熱パネル10の屋外側面に合板等の面材を予め貼り付けて一体化し、一つのパネルとして取り扱えるようにしてもよい。
【0032】
ふかし材11及び押さえ材の表面には、防水透湿シート(図示省略)が貼られ、その上から複数の縦胴縁5が設けられている。そして、これら複数の縦胴縁5に外装材6が取り付けられている。これにより、ふかし材11及び第一付加断熱パネル10の表面と、外装材6の裏面との間には、縦胴縁5の厚み分の隙間が形成されることとなる。
なお、横ふかし材11aの表面には水切り材7が設けられている。
【0033】
ここで、例えばふかし材11の厚みが100mmだとすると、その表面には縦胴縁5が設けられ、更にその表面に外装材6が設けられている。そのため、第一壁100aの表面から外装材6の表面6a(すなわち、付加断熱構造部の屋外側面6a)までの出寸法は、優に100mmを超えることとなる。
さらに、仮に、基礎1の立ち上がり部における屋外側面1a(以下、基礎1の屋外側面1a)と第一壁100aの表面が、同一鉛直面上に位置していたとすると、外装材6の表面6aは、基礎1の屋外側面1aからも優に100mm以上、屋外側に位置していることとなる。
図3に示す例においては、基礎1の屋外側面1aは、第一壁100aの表面よりも屋内側(床下側)に位置しているため、より大きな間隔が空いた状態となっている。
【0034】
すなわち、
図3に示す付加断熱構造部が形成された第一壁100aのうち、最も屋外側に位置する部位である外装材6の表面6aと、基礎1の屋外側面1aとの間には、大きな段差が形成されることとなる。
より詳細に説明すると、外装材6の表面6aにおける下端部から下方に、二点鎖線(
図3等参照)で表した仮想的な垂直線L1を延ばし、その垂直線L1から基礎1の屋外側面1aまでの間には空間S1が形成されている。すなわち、その空間S1は、基礎1の立ち上がり部における屋外側面1aの屋外側であって、かつ、地面と付加断熱構造部との間に形成されている。
すなわち、外装材6の表面6aと基礎1の屋外側面1aとの間に段差が形成されると、空間S1も同時に形成されることとなり、両者は不可分の関係にある。そして、段差が大きくなればなるほど、空間S1も前後(屋内外)方向に広くなり、建物を見たときに非常に目立つようになる。
【0035】
そこで、本実施形態においては、上記の空間S1に、段差を解消するための基礎断熱パネル13が配置されている。
基礎断熱パネル13は、全体として板状に形成されており、本体である板状断熱材13aと、板状断熱材13aの一側面に設けられた基礎用外装材13bと、を備えている。
【0036】
板状断熱材13aは、本実施形態においては板状に形成された発泡系断熱材によって構成されている。
基礎用外装材13bは、付加断熱構造部における外装材6と同一の種類の外装材とされており、接着剤によって板状断熱材13aの屋外側面に接着されて一体化している。これにより、板状断熱材13aと基礎用外装材13bは、一つの基礎断熱パネル13として機能することになる。
【0037】
このような基礎断熱パネル13は、基礎1のフーチング部の上面に載せられるとともに立ち上がり部の屋外側面1aに接した状態に配置されている。基礎用外装材13bは、屋外側に向けられており、板状断熱材13aは、接着剤によって基礎1の屋外側面1aに接着されている。
なお、床下換気を、換気台輪2からではなく、図示しない他の箇所から行うことで、基礎断熱パネル13として、ふかし材11及び半土台3に達する高さのものを使用することができる。これにより、基礎断熱パネル13の上方に、換気台輪2による換気用に開けていた隙間を閉じることができるので、床下断熱性を向上させることができる。換気台輪2も、換気機能を有しない台輪でよいものとする。
【0038】
また、基礎断熱パネル13は、上記のように、基礎1のフーチング部の上面に載せられているため、下端部は、地面に埋められた状態となっている。そのため、基礎断熱パネル13の下端部は、防蟻材14によって保護された状態で地面に埋められている。
本実施形態の防蟻材14は、防蟻シートが採用されているが、これに限られるものではなく、防蟻薬剤によって基礎断熱パネル13の下端部の保護を図ってもよい。なお、防蟻材14である防蟻シートは、防湿・防水の機能も有しているものとする。
【0039】
付加断熱構造部の屋外側面6aと基礎1の屋外側面1aとの間に生じた段差に隣接して付加断熱構造部の屋外側面6aよりも基礎1側に位置する空間S1に、当該空間S1を補填するための基礎断熱パネル13が配置されているので、この基礎断熱パネル13によって空間S1を満たすか、又は満たすように見せることができる。これにより、付加断熱構造部の屋外側面6aと基礎1の屋外側面1aとの間に生じた段差を極力目立たなくし、建物の見栄えを向上させることができる。
【0040】
また、第一壁100aには、
図5に示すように、窓開口部が形成されており、付加断熱構造部は、窓開口部周りにも形成されている。
第一壁100aのうち窓開口部側の端縁部には、角材によって構成された調整材8が取り付けられている。そして、この調整材8に対し、ふかし材11、第一窓サッシ15及び窓枠16が固定材によって固定されている。
図5に示す例においては、第一窓サッシ15が屋外側に位置し、窓枠16が屋内側に位置している。
【0041】
第一窓サッシ15は、サッシ下枠15a、サッシ上枠15b、サッシ側枠15c、サッシ障子15dと、を備えている。
サッシ下枠15a及びサッシ上枠15bは、サッシ障子15dの上下フレームに形成された溝(戸車)に嵌まるレールが一体形成されている。これらサッシ下枠15a及びサッシ上枠15bの両端部間にサッシ側枠15cが設けられて、第一窓サッシ15は枠状に形成されている。なお、サッシ障子15dの開閉方式は、引違い式とされている。
【0042】
窓枠16は、第一窓サッシ15の屋内側端部及び調整材8を被覆しており、下枠16aと、上枠16bと、側枠16cと、を備えている。
下枠16a及び上枠16bの両端部間に側枠16cが設けられて、窓枠16は枠状に形成されている。
図5に示す例においては、第一窓サッシ15が屋外側に位置しているため、窓枠16における屋内外方向の寸法を広く確保できるようになっている。すなわち、窓枠16を構成する各枠16a,16b,16cにおける長さ方向と直交する幅方向の寸法を、壁パネルP2の壁厚よりも長く確保することができる。そのため、下枠16aの上面は、小物を置くようなスペースとしても機能させることができる。
【0043】
窓開口部の上下には、横ふかし材11aが、第一窓サッシ15に接した状態で設けられている。また、図示はしないが、窓開口部の側方には、縦ふかし材11bが、第一窓サッシ15に接した状態で設けられている。第一窓サッシ15は、調整材8だけでなく、縦横のふかし材11a,11bにも固定されているものとする。
なお、第一窓サッシ15のサッシ障子15dは、上下の横ふかし材11a間であって、かつ左右の縦ふかし材11b間に配置されている。
【0044】
そして、窓開口部周囲の各ふかし材11には、当該各ふかし材11a,11bに接した状態で、第一付加断熱パネル10が設けられている。これにより、第一壁100aのような外壁に窓や出入口等の開口部があっても、それを避けて第一付加断熱パネル10を配置でき、壁一面に付加断熱構造部を形成できる。
なお、第一窓サッシ15のサッシ障子15dには、複層ガラスを採用して窓の断熱性を向上させることが望ましい。
【0045】
また、窓開口部に設けられる窓サッシは、
図5に示す第一窓サッシ15のように、サッシ障子15dが、壁パネルP2よりも屋外側に配置される形態に限られない。すなわち、
図6に示すように、サッシ障子17dが第一付加断熱パネル10よりも屋内側に配置される形態の第二窓サッシ17が設けられてもよい。
【0046】
第二窓サッシ17は、窓開口部の屋外側縁から屋内側縁まで奥行のある状態に形成されたものであり、サッシ下枠17a、サッシ上枠17b、サッシ側枠17c、サッシ障子17dと、を備えている。
サッシ下枠17a及びサッシ上枠17bは、サッシ障子17dの上下フレームに形成された溝(戸車)に嵌まるレールが一体形成されている。当該レールは、屋内側に寄せて配置されている。そして、サッシ下枠17a及びサッシ上枠17bの両端部間にサッシ側枠17cが設けられて、第二窓サッシ17は枠状に形成されている。なお、サッシ障子17dの開閉方式は、引違い式とされている。
【0047】
また、第二窓サッシ17における屋内側端部は、化粧枠18によって覆われて化粧されている。化粧枠18は、下枠18aと、上枠18bと、側枠18cと、を備えている。そして、下枠18a及び上枠18bの両端部間に側枠18cが設けられて、化粧枠18は枠状に形成されている。
【0048】
窓開口部の上下には、横ふかし材11aが、第二窓サッシ17に接した状態で設けられている。また、図示はしないが、窓開口部の側方には、縦ふかし材11bが、第二窓サッシ17に接した状態で設けられている。第二窓サッシ17は、調整材8だけでなく、縦横のふかし材11a,11bにも固定されているものとする。
なお、第二窓サッシ17のサッシ障子17dは、上下の調整材8間に配置されている。そのため、サッシ障子17dは、第二窓サッシ17の屋外側端部よりも屋内側に奥まった位置に配置されることとなる。これにより、サッシ障子17dをセットバックさせて配置できるので、陰影のあるファサードを形成できて建物Hの意匠性を高めることができる。
【0049】
(第二壁100bの付加断熱構造部)
第二付加断熱パネル20は、
図7に示すように、第二壁100bの屋内側面に設けられ、これにより、第二壁100bの屋内側面に付加断熱構造部が形成されている。また、第二付加断熱パネル20の屋内側には、下地枠21が設けられるとともに内装材としての石膏ボード22が設けられている。すなわち、付加断熱構造部が形成される領域を構成する第二壁100bの付加断熱構造部は、第二付加断熱パネル20と、下地枠21と、石膏ボード22と、を少なくとも備えている。
【0050】
本実施形態の第二付加断熱パネル20は、発泡プラスチック断熱材(発泡系断熱材)によって構成されている。
下地枠21は、第二付加断熱パネル20の表面に接した状態で周囲の床パネルP1や壁パネルP2に対して、ビス等の固定材によって固定されている。なお、下地枠21は、第二付加断熱パネル20の表面に対して、接着剤によって接着された上で固定材によって固定されてもよい。
石膏ボード22は、このように固定された下地枠21に対して、ビス等の固定材によって固定されている。なお、石膏ボード22の表面には、壁クロス等の仕上げ材が設けられるものとする。
なお、第二付加断熱パネル20の屋内側面に合板等の面材を予め貼り付けて一体化し、一つのパネルとして取り扱えるようにしてもよい。
【0051】
第二付加断熱パネル20は、外壁である第二壁100bを構成する壁パネルP2の屋内側面に固定される。すなわち、第一付加断熱パネル10の場合とは異なり、内張断熱の構造となる。そのため、外装材6の表面6aと基礎1の屋外側面1aとの間には大きな段差が形成されない。したがって、基礎1の屋外側面1aには、厚みのある基礎断熱パネルを設けることができない。
そこで、第二付加断熱パネル20を用いた内張断熱構造の場合は、基礎1の屋内側面1bに基礎断熱パネル23が設けられている。また、床下の地面の上にも基礎断熱パネル23が敷き込まれている。つまり、床下断熱が施されている。
【0052】
基礎断熱パネル23は、全体として板状に形成されており、発泡系断熱材によって構成されている。そして、基礎断熱パネル23は、地面の上に敷き込まれた上で、基礎1の屋内側面1bに接した状態に配置されている。基礎1の屋内側面1bに接する基礎断熱パネル23は、接着剤によって基礎1の屋内側面1bに接着されている。
なお、地面の上に敷き込まれる基礎断熱パネル23は、防蟻処理が施されていることが好ましい。
さらに、床下換気を、換気台輪2からではなく、図示しない他の箇所から行うことで、基礎断熱パネル23として、床パネルP1に達する高さのものを使用することができる。これにより、基礎断熱パネル23の上方に、換気台輪2による換気用に開けていた隙間を閉じることができるので、床下断熱性を向上させることができる。換気台輪2も、換気機能を有しない台輪でよいものとする。
【0053】
なお、第二壁100bには、第一壁100aと同様に窓や出入口等の開口部が形成されてもよく、その場合、第二付加断熱パネル20は、図示はしないが、窓サッシや窓枠と隣り合って配置されることとなる。
【0054】
(第三壁100cの付加断熱構造部)
第三付加断熱パネル30は、
図8に示すように、第三壁100cの屋外側面及び屋内側面に設けられ、これにより、第三壁100cの屋外側面及び屋内側面に付加断熱構造部が形成されている。
第三付加断熱パネル30は、第三壁100cの屋外側面に設けられる屋外側パネル30aと、第三壁100cの屋内側面に設けられる屋内側パネル30bと、からなる。
【0055】
屋外側パネル30a及び屋内側パネル30bの厚さ寸法は、第一付加断熱パネル10及び第二付加断熱パネル20の厚さ寸法の半分程度に設定されている。したがって、屋外側パネル30aと屋内側パネル30bとを重ね合わせた場合の厚さ寸法は、第一付加断熱パネル10及び第二付加断熱パネル20の厚さ寸法と略等しい。そのため、屋外側パネル30aと屋内側パネル30bとがセットで用いられれば、高い断熱性能を発揮することができる。
本実施形態の屋外側パネル30a及び屋内側パネル30bは、発泡プラスチック断熱材(発泡系断熱材)によって構成されている。
なお、屋外側パネル30aの屋外側面に合板等の面材を予め貼り付けて一体化し、一つのパネルとして取り扱えるようにしてもよい。また、屋内側パネル30bの屋内側面に合板等の面材を予め貼り付けて一体化し、一つのパネルとして取り扱えるようにしてもよい。
【0056】
屋外側パネル30aは、ふかし材31と共に第三壁100cの屋外側面に設けられ、これにより、第三壁100cの屋外側面に付加断熱構造部が形成されている。また、屋外側パネル30a及びふかし材31の屋外側には、縦胴縁が設けられるとともに外装材6が設けられている。すなわち、付加断熱構造部が形成される領域を構成する第三壁100cの屋外側の付加断熱構造部は、屋外側パネル30aと、ふかし材31と、縦胴縁と、外装材6と、を少なくとも備えている。
【0057】
ふかし材31は、屋外側パネル30aの厚みに応じた厚さ寸法に設定された木材であり、上記のふかし材11と同様に、半土台3や壁パネルP2における框材Fm又は/及び補助桟材Cpに沿って配置されて固定されている。また、このようなふかし材31は、横ふかし材31aと、縦ふかし材31bと、を有する。
【0058】
屋外側パネル30aは、横ふかし材31a及び縦ふかし材31bからなる枠組みの内側に収まるようにして、第三壁100cの屋外側面に設けられている。すなわち、屋外側パネル30aは、横ふかし材31aの上面、縦ふかし材31bの側面及び第三壁100cの屋外側面に接した状態となっている。
また、屋外側パネル30aは、ふかし材31に固定された複数の押さえ材(図示省略)によって第三壁100cの屋外側面に押さえ付けられて保持されている。そして、ふかし材31及び押さえ材の表面には、防水透湿シート(図示省略)が貼られ、その上から複数の縦胴縁が設けられ、これら複数の縦胴縁に外装材6が取り付けられている。
【0059】
さらに、第三壁100cの屋外側面には、屋外側パネル30aによる付加断熱構造部が形成されているため、外装材6の表面6aと基礎1の屋外側面1aとの間には、やや大きな段差が形成される。そして、このような段差の形成に伴い、基礎1の立ち上がり部における屋外側面1aの屋外側であって、かつ、地面と付加断熱構造部との間には、上記の空間S1よりも奥行の浅い空間S2が形成されることとなる。
【0060】
空間S2には、段差を解消するための基礎断熱パネル35が配置されている。基礎断熱パネル35は、全体として板状に形成されており、本体である板状断熱材35aと、板状断熱材35aの一側面に設けられた基礎用外装材35bと、を備えている。
【0061】
板状断熱材35aは、本実施形態においては板状に形成された発泡系断熱材によって構成されている。
基礎用外装材35bは、付加断熱構造部における外装材6と同一の種類の外装材とされており、接着剤によって板状断熱材35aの屋外側面に接着されて一体化している。
【0062】
このような基礎断熱パネル35は、基礎1のフーチング部の上面に載せられるとともに立ち上がり部の屋外側面1aに接した状態に配置されている。基礎用外装材35bは、屋外側に向けられており、板状断熱材35aは、接着剤によって基礎1の屋外側面1aに接着されている。
また、基礎断熱パネル35の下端部は、防蟻材36によって保護された状態で地面に埋められている。
なお、床下換気を、換気台輪2からではなく、図示しない他の箇所から行うことで、基礎断熱パネル35として、ふかし材31及び半土台3に達する高さのものを使用することができる。これにより、基礎断熱パネル35の上方に、換気台輪2による換気用に開けていた隙間を閉じることができるので、床下断熱性を向上させることができる。換気台輪2も、換気機能を有しない台輪でよいものとする。
【0063】
屋外側の付加断熱構造部の屋外側面6aと基礎1の屋外側面1aとの間に生じた段差に隣接して付加断熱構造部の屋外側面6aよりも基礎1側に位置する空間S2に、当該空間S2を補填するための基礎断熱パネル35が配置されているので、この基礎断熱パネル35によって空間S2を満たすか、又は満たすように見せることができる。これにより、屋外側の付加断熱構造部の屋外側面6aと基礎1の屋外側面1aとの間に生じた段差を極力目立たなくし、建物の見栄えを向上させることができる。
【0064】
一方、屋内側パネル30bは、第三壁100cの屋内側面に設けられ、これにより、第三壁100cの屋内側面に付加断熱構造部が形成されている。また、屋内側パネル30bの屋内側には、下地枠32が設けられるとともに内装材としての石膏ボード33が設けられている。すなわち、付加断熱構造部が形成される領域を構成する第三壁100cの付加断熱構造部は、屋内側パネル30bと、下地枠32と、石膏ボード33と、を少なくとも備えている。
【0065】
下地枠32は、屋内側パネル30bの表面に接した状態で周囲の床パネルP1や壁パネルP2に対して、ビス等の固定材によって固定されている。なお、下地枠32は、屋内側パネル30bの表面に対して、接着剤によって接着された上で固定材によって固定されてもよい。
石膏ボード33は、このように固定された下地枠32に対して、ビス等の固定材によって固定されている。なお、石膏ボード33の表面には、壁クロス等の仕上げ材が設けられるものとする。
【0066】
基礎1の屋内側面1bには、床下用の基礎断熱パネル37が設けられている。
基礎断熱パネル37は、全体として板状に形成されており、発泡系断熱材によって構成されている。そして、基礎断熱パネル37は、地面の上に敷き込まれた上で、基礎1の屋内側面1bに接した状態に配置されている。基礎1の屋内側面1bに接する基礎断熱パネル37は、接着剤によって基礎1の屋内側面1bに接着されている。
なお、床下換気を、換気台輪2からではなく、図示しない他の箇所から行うことで、基礎断熱パネル37として、床パネルP1に達する高さのものを使用することができる。これにより、基礎断熱パネル37の上方に、換気台輪2による換気用に開けていた隙間を閉じることができるので、床下断熱性を向上させることができる。換気台輪2も、換気機能を有しない台輪でよいものとする。
【0067】
なお、第三壁100cには、第一壁100aや第二壁100bと同様に窓や出入口等の開口部が形成されてもよく、その場合、屋外側パネル30a及び屋内側パネル30bは、図示はしないが、窓サッシや窓枠と隣り合って配置されることとなる。
【0068】
(第四壁100d)
付加断熱構造部が形成されない領域である第四壁100dは、繊維系断熱材In1が充填された壁パネルP2によって構成されている。そのため、付加断熱構造部が形成されなくても十分な断熱性能を有した状態となっている。
そして、第四壁100dには付加断熱構造部が形成されないため、第四壁100dの屋外側面(外装材6の表面)から敷地境界線までの離隔距離を長く確保することができる。そのため、第四壁100dの前を通って建物Hの裏手に回るなど、建物Hの周囲に沿って通行しやすくなる。
しかも、第四壁100dの屋内側にも付加断熱構造部が形成されないため、第四壁100dの内側にある部屋の広さが狭まるのを防ぐことができる。
【0069】
また、このように付加断熱構造部が形成されない領域があった場合でも、建物H全体のUA値が基準をクリアしていればよい。また、本実施形態においては、壁パネルP2として、建築用木質パネルが用いられ、当該建築用木質パネルは断熱材が充填されて、一定以上の断熱性能が確保されている。そのため、付加断熱構造部が形成されない領域があっても、一定以上の断熱性能は確保された状態となっている。
UA値とは、外皮平均熱貫流率であり、建物Hの内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値を指している。つまり、UA値とは、熱損失の合計を建物Hの外皮等面積で除した値で、値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示している。
したがって、第四壁100dに付加断熱構造部が形成されていなくても、他の壁100a,100b,100cによって熱損失を抑えることができれば、UA値の基準をクリアすることができる。
なお、UA値の基準は、建物Hが建築される地域によって異なる。
【0070】
なお、本実施形態においては、付加断熱構造部が形成される領域が、南側の第一壁100a、北側の第二壁100b、西側の第三壁100cとされ、付加断熱構造部が形成されない領域が、東側の第四壁100dとされているが、これに限られるものではない。
上記のようにUA値の基準さえクリアしていればよいため、付加断熱構造部が形成されない領域を多くしてコストの低減を図ってもよい。例えば、南北の壁を付加断熱構造部が形成される領域とし、東西の壁を付加断熱構造部が形成されない領域としてもよい。
また、本実施形態においては、各方角の壁全体を「領域」と捉えて説明しているが、壁の一部を「領域」と捉えてもよい。これにより、例えば部屋単位で付加断熱構造部が形成される領域を設定してもよいし、同一の方角でも部分的に付加断熱構造部が形成される領域を設定してもよい。また、上階と下階で付加断熱構造部が形成される領域と、付加断熱構造部が形成されない領域が分かれていてもよい。
【0071】
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、建物本体の外周に設けられて屋内側の部屋に隣接して配置された外壁100a,100b,100c,100dに、付加断熱構造部が形成される第一領域と、付加断熱構造部が形成されない第二領域と、が含まれているので、付加断熱構造部が形成される領域では、付加断熱構造部によって建物Hの断熱性を向上させつつ、付加断熱構造部が形成されない領域では、敷地境界線までの離隔距離を確保して建物Hの周囲における通行が妨げられないようにすることができる。さらに、付加断熱構造部が形成されない領域では、部屋の広さが狭められることを防ぐことができる。また、付加断熱構造部が形成されない領域がある分、建物Hの断熱に係るコストの上昇を抑えることができる。
さらに、複数種類の付加断熱パネル10,20,30には、外壁100aの屋外側面に設けられる第一付加断熱パネル10と、外壁100bの屋内側面に設けられる第二付加断熱パネル20と、外壁100cの屋外側面と屋外側面の双方に設けられる第三付加断熱パネル30と、が含まれているので、建物Hが建築される敷地100の状況や建物Hの熱負荷を考慮して、付加断熱構造部を外張断熱としたり、内張断熱としたり、外張断熱と内張断熱の双方を含むものとしたりすることができる。すなわち、第一付加断熱パネル10と、第二付加断熱パネル20と、第三付加断熱パネル30のいずれかを適宜選択することで、敷地100の状況や建物Hの熱負荷を考慮した最適な建物Hの断熱が可能となるので、結果的に、建物Hの断熱に係るコストの上昇を抑えることができる。
【0072】
また、第三付加断熱パネル30における屋外側パネル30aと屋内側パネル30bの各々は、その厚さ寸法が、第一付加断熱パネル10及び第二付加断熱パネル20の厚さ寸法よりも短く設定されているので、屋外側パネル30aは、外壁100cの屋外側面に設けられた場合に、第一付加断熱パネル10が外壁100aに設けられた場合よりも屋外側に突出しない。そのため、第一付加断熱パネル10によって付加断熱構造部が形成された場合よりも、敷地境界線までの離隔距離を長く確保できるので、建物Hの周囲における通行が妨げられることを抑制できる。また、屋内側パネル30bは、外壁100cの屋内側面に設けられた場合に、外壁100bに第二付加断熱パネル20が設けられた場合よりも屋内側に突出しない。そのため、第二付加断熱パネル20によって付加断熱構造部が形成された場合よりも、部屋の広さが狭められることを抑制できる。しかも、屋外側パネル30aと屋内側パネル30bの双方の厚さ寸法が短く設定されていても、屋外側パネル30aと屋内側パネル30bとを足し合わせた分の厚さ寸法は、いずれか一方の厚さ寸法よりも長いので、建物Hの断熱性を向上させることに貢献できる。
【0073】
また、第一付加断熱パネル10が、外壁100aの屋外側面に設けられて付加断熱構造部が形成された場合に、外壁100aを支持する基礎1の屋外側面1aに、基礎断熱パネル13が付加されて設けられるので、床下の断熱性を向上させることができる。さらに、外張断熱である付加断熱構造部の屋外側面6aと基礎1の屋外側面1aとの間に生じた段差に隣接して付加断熱構造部の屋外側面6aよりも基礎1側に位置する空間S1に、基礎断熱パネル13を補填するように配置できるので、空間S1を満たすことができ、段差を極力目立たなくして建物Hの見栄えを向上させることができる。
【0074】
また、第二付加断熱パネル20が、外壁100bの屋内側面に設けられて付加断熱構造部が形成された場合に、外壁100bを支持する基礎1の屋内側面1bに、基礎断熱パネル23が付加されて設けられるので、床下の断熱性を向上させることができる。さらに、基礎断熱パネル23を基礎1の屋内側に配置して、基礎断熱パネル23を隠すことができるので、建物Hの見栄えを向上させることができる。
【0075】
また、屋外側用の基礎断熱パネル35と屋内側用の基礎断熱パネル37の各々は、その厚さ寸法が、第一付加断熱パネル10及び第二付加断熱パネル20の厚さ寸法よりも短く設定されているので、屋外側用の基礎断熱パネル35は、基礎1の屋外側面1aに付加されて設けられた場合に、屋外側への突出寸法を短くすることができる。そのため、基礎1の部分においても、敷地境界線までの離隔距離を長く確保できるので、建物Hの周囲における通行が妨げられることを抑制できる。屋外側用の基礎断熱パネル35と屋内側用の基礎断熱パネル37の双方の厚さ寸法が短く設定されていても、屋外側用の基礎断熱パネル35と屋内側用の基礎断熱パネル37とを足し合わせた分の厚さ寸法は、いずれか一方の厚さ寸法よりも長いので、床下の断熱性を向上させることに貢献できる。
【0076】
また、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。本実施形態の建物Hは、建築用木質パネルによるパネル工法によって構築されているので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
【0077】
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の各変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
【0078】
〔変形例1〕
建物Hの設計時に配線や配管の位置が確定しておらず、配線や配管のためのスペースを最小限に抑えられない場合がある。そのような場合に対応できるように、外壁には、付加断熱構造部と並んで、パイプスペース43用の付加パネル40が設けられる。
【0079】
パイプスペース43用の付加パネル40は、
図9に示すように、並んで設けられる第一付加断熱パネル10が固定されたふかし材11(縦ふかし材11b)と同様のサイズに設定された複数の支持部41と、複数の支持部41における屋外側端部間に架け渡された面材42と、を備えている。
【0080】
支持部41は、第一壁100aの屋外側面からの突出寸法が、ふかし材11と同等に設定されている。また、支持部41は、角材によって構成されており、ビス等の固定材によって壁パネルP2における框材Fm又は/及び補助桟材Cpに固定されている。図示はしないが、半土台3や上部構造に対して固定されてもよい。
【0081】
面材42は、本変形例においては木製の板材によって構成されているものとするが、これに限られるものではなく、例えば硬質ウレタンボードのような比較的硬質な断熱材が採用されてもよい。
この面材42は、第一壁100aの屋外側面から離間して配置された状態で、複数の支持部41における屋外側端部間に架け渡されている。そして、第一壁100aの屋外側面と面材42との間の空間が、パイプスペース43とされている。
【0082】
なお、複数の支持部41と面材42は、予め一体化されて一つのパイプスペース43用の付加パネル40として機能しているが、これに限られるものではなく、それぞれ別体として第一壁100aに取り付けられてもよい。
また、このような付加パネル40は、外壁(第二壁100b)の屋内側面に設けられてもよい。
【0083】
本変形例によれば、外壁(第一壁100a、第二壁100b)の表面に、付加断熱構造部と並んで、パイプスペース43用の付加パネル40を配置できるので、新築かリフォームかにかかわらず、配線や配管のためのスペースを確保できる。これにより、建物Hの設計時に配線や配管の位置が確定していなくても、配線や配管のためのスペースを最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0084】
H 建物
P1 床パネル
P2 壁パネル
100 敷地
100a 第一壁
100b 第二壁
100c 第三壁
100d 第四壁
101 隣地
102 隣地
1 基礎
1a 屋外側面
1b 屋内側面
6 外装材
6a 屋外側面
10 第一付加断熱パネル
11 ふかし材
11a 横ふかし材
11b 縦ふかし材
13 基礎断熱パネル
20 第二付加断熱パネル
23 基礎断熱パネル
30 第三付加断熱パネル
30a 屋外側パネル
30b 屋内側パネル
31 ふかし材
35 基礎断熱パネル
37 基礎断熱パネル