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特開2024-132024金属含浸方法、パターン形成方法、および半導体装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132024
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】金属含浸方法、パターン形成方法、および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240920BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042644
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中 義祐
【テーマコード(参考)】
2H197
5F004
【Fターム(参考)】
2H197CA08
2H197CE01
2H197HA03
2H197JA15
2H197JA17
5F004AA04
5F004EA03
5F004EB01
(57)【要約】
【課題】エッチングマスクのエッチング耐性の低下を抑制する。
【解決手段】金属含浸方法は、加工対象物の上に設けられ、パターンを有するとともに有機材料を含むマスク層を金属材料を含む第1のガスに曝露してマスク層に金属材料を浸透させ、水蒸気または過酸化水素を含む第2のガス、または、水素を含む第3のガスにマスク層を曝露し、オゾンを含む第4のガスにマスク層を曝露してマスク層の中の金属材料を酸化して金属酸化物を形成し、フッ素を含む第5のガスにマスク層を曝露して金属酸化物をフッ素化して金属フッ化物を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象物の上に設けられ、パターンを有するとともに有機材料を含むマスク層を、金属材料を含む第1のガスに曝露して前記マスク層に前記金属材料を浸透させ、
水蒸気または過酸化水素を含む第2のガス、または、水素を含む第3のガスに前記マスク層を曝露し、
オゾンを含む第4のガスに前記マスク層を曝露して前記マスク層の中の前記金属材料を酸化して金属酸化物を形成し、
フッ素を含む第5のガスに前記マスク層を曝露して前記金属酸化物をフッ素化して金属フッ化物を形成する、
金属含浸方法。
【請求項2】
前記マスク層は、前記第1のガスの排気後に前記第2のガスまたは前記第3のガスに曝される、請求項1に記載の金属含浸方法。
【請求項3】
前記有機材料は、架橋型樹脂である、請求項1に記載の金属含浸方法。
【請求項4】
前記有機材料は、ネガ型フォトレジストであり、
前記マスク層は、前記ネガ型フォトレジストを塗布してレジスト層を形成し、フッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザ光を照射して前記レジスト層を選択的に硬化させることにより形成される、請求項1に記載の金属含浸方法。
【請求項5】
前記マスク層の形成後、前記第2のガスに前記マスク層を曝露し、その後前記第4のガスに前記マスク層を曝露することにより、前記マスク層の中にOHラジカルを形成する、請求項1に記載の金属含浸方法。
【請求項6】
前記マスク層の形成後、前記第3のガスに前記マスク層を曝露し、その後前記第4のガスに前記マスク層を曝露することにより、前記マスク層の中に水を形成する、請求項1に記載の金属含浸方法。
【請求項7】
前記第5のガスは、フッ化水素を含む、請求項1に記載の金属含浸方法。
【請求項8】
前記金属材料は、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む、請求項1に記載の金属含浸方法。
【請求項9】
加工対象物の上に設けられ、パターンを有するとともに有機材料を含むマスク層を、金属材料を含む第1のガスに曝露し、
水蒸気または過酸化水素を含む第2のガス、または、水素を含む第3のガスに前記マスク層を曝露し、
オゾンを含む第4のガスに前記マスク層を曝露して前記マスク層に金属酸化物を形成し、
フッ素を含む第5のガスに前記マスク層を曝露して前記金属酸化物をフッ素化して金属フッ化物を形成し、
前記金属フッ化物を含む前記マスク層を用いて前記加工対象物をエッチングする、
パターン形成方法。
【請求項10】
半導体基板を有する加工対象物の上に設けられ、パターンを有するとともに有機材料を含むマスク層を、金属材料を含む第1のガスに曝露し、
水蒸気または過酸化水素を含む第2のガス、または、水素を含む第3のガスに前記マスク層を曝露し、
オゾンを含む第4のガスに前記マスク層を曝露して前記マスク層に金属酸化物を形成し、
フッ素を含む第5のガスに前記マスク層を曝露して前記金属酸化物をフッ素化して金属フッ化物を形成し、
前記金属フッ化物を含む前記マスク層を用いて前記加工対象物をエッチングする、
半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、金属含浸方法、パターン形成方法、および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元メモリ等の半導体装置の製造方法において、ハードマスクを用いて加工対象物をエッチングする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-49828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の発明が解決しようとする課題は、エッチングマスクのエッチング耐性の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の金属含浸方法は、パターンを有するとともに有機材料を含むマスク層を加工対象物の上に形成し、金属材料を含む第1のガスにマスク層を曝露してマスク層に金属材料を浸透させ、水蒸気または過酸化水素を含む第2のガス、または、水素を含む第3のガスにマスク層を曝露し、オゾンを含む第4のガスにマスク層を曝露してマスク層の中の金属材料を酸化して金属酸化物を形成し、フッ素を含む第5のガスにマスク層を曝露して金属酸化物をフッ素化して金属フッ化物を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態の金属含浸方法例、パターン形成方法例、および半導体装置の製造方法例を説明するためのフローチャートである。
図2】対象物準備工程S1を説明するための模式図である。
図3】対象物準備工程S1における加工対象物10の構造例を示す模式図である。
図4】金属材料ガス曝露工程S2を説明するための模式図である。
図5】金属材料ガス曝露工程S2を説明するための模式図である。
図6】金属材料ガス曝露工程S2を説明するための模式図である。
図7】金属材料ガス曝露工程S2における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。
図8】水素化合物ガス曝露工程S3-1を説明するための模式図である。
図9】水素化合物ガス曝露工程S3-1を説明するための模式図である。
図10】水素化合物ガス曝露工程S3-1における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。
図11】オゾンガス曝露工程S4を説明するための模式図である。
図12】オゾンガス曝露工程S4を説明するための模式図である。
図13】オゾンガス曝露工程S4における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。
図14】フッ素含有ガス曝露工程S5を説明するための模式図である
図15】フッ素含有ガス曝露工程S5を説明するための模式図である。
図16】フッ素含有ガス曝露工程S5を説明するための模式図である。
図17】フッ素含有ガス曝露工程S5における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。
図18】エッチング工程S6の例を説明するための模式図である。
図19】第2の実施形態の金属含浸方法例、パターン形成方法例、および半導体装置の製造方法例を説明するためのフローチャートである。
図20】水素ガス曝露工程S3-2を説明するための模式図である。
図21】水素ガス曝露工程S3-2を説明するための模式図である。
図22】水素ガス曝露工程S3-2における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。
図23】オゾンガス曝露工程S4における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。
図24】記憶装置の構成例を示すブロック図である。
図25】メモリセルアレイ200の回路構成を示す回路図である。
図26】メモリの構造例を示す断面模式図である。
図27】メモリピラーMPの構造例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図面に記載された各構成要素の厚さと平面寸法との関係、各構成要素の厚さの比率等は現物と異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し適宜説明を省略する。
【0008】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の金属含浸方法例、パターン形成方法例、および半導体装置の製造方法例を説明するためのフローチャートである。第1の実施形態の金属含浸方法例、パターン形成方法例、および半導体装置の製造方法例は、図1に示すように、対象物準備工程S1と、金属材料ガス曝露工程S2と、水素化合物ガス曝露工程S3-1と、オゾンガス曝露工程S4と、フッ素含有ガス曝露工程S5と、エッチング工程S6と、を有する。金属材料ガス曝露工程S2、水素化合物ガス曝露工程S3-1、オゾンガス曝露工程S4、およびフッ素含有ガス曝露工程S5は、同一の処理装置を用いて連続的に行うことができる。
【0009】
[対象物準備工程S1]
図2は、対象物準備工程S1を説明するための模式図である。対象物準備工程S1では、エッチング工程S6によりエッチングされる加工対象物10を準備する。加工対象物10は、搬送アームを用いて処理装置のチャンバ2の中に設けられたホルダ3の上に載置される。対象物準備工程S1では、チャンバ2と供給口5とを接続するバルブ50を閉じ、チャンバ2と排出口6とを接続するバルブ60を開け、チャンバ2内のガス(空気)をチャンバ2から排出してチャンバ2の内部を減圧する。供給口5は、複数のガス供給源に接続される。排出口6は、真空ポンプ等の排気装置に接続される。
【0010】
図3は、対象物準備工程S1における加工対象物10の構造例を示す模式図である。図3は、加工対象物10のX-Z断面の一部を示す。図3は、X軸と、X軸に直交するY軸と、X軸およびY軸に直交するZ軸とを示す。
【0011】
加工対象物10の例は、3次元メモリの製造途中のデバイスウェハ等が挙げられる。加工対象物10は、基板101と、導電層103と、絶縁層104と、上部層105と、を有する。加工対象物10は、図3に示す構成に限定されない。例えば、導電層103に代えて、窒化シリコン層等の犠牲層を用いてもよい。
【0012】
基板101の例は、単結晶シリコン基板等の半導体基板が挙げられる。加工対象物10は、基板101の表面に下地膜をさらに有していてもよい。下地膜は、例えば酸化シリコン層や窒化シリコン層等の絶縁層や絶縁膜間の導電層を含む。基板101の表面は、例えば、X軸およびY軸に沿って延在する。基板101の厚さ方向は、例えば、Z軸に沿う。
【0013】
図3は、複数の導電層103(導電層103a、導電層103b、導電層103c)と、複数の導電層104(絶縁層104a、絶縁層104b)を示す。導電層103と絶縁層104は、基板101の上方に交互に積層されて積層体102を形成する。導電層103と絶縁層104との積層数は、図3に示す数に限定されない。なお、図3では、基板101と積層体102との間を点線で省略しているが、基板101上に積層体102を形成してもよい。
【0014】
複数の導電層103は、例えば3次元メモリのワード線としての機能を有する。導電層103は、例えば金属、金属化合物、または導電性不純物元素を含有する半導体を含む。金属の例は、タングステン等が挙げられる。金属化合物の例は、窒化チタン、窒化タングステン等が挙げられる。導電性不純物元素を含有する半導体の例は、n型多結晶シリコン、p型多結晶シリコン等が挙げられる。
【0015】
絶縁層104は、複数の導電層103の間に設けられる。絶縁層104は、例えば酸化シリコンを含む。
【0016】
上部層105は、積層体102の上に設けられる。上部層105は、酸化シリコン層等の絶縁層を有していてもよい。上部層105は、無機材料の窒化物、酸化物、カーボン、金属、または金属酸化物もしくは金属窒化物を含む無機材料層を上記絶縁層の上に有してもよい。加工対象物10は、必ずしも上部層105を有していなくてもよい。
【0017】
マスク層106は、上部層105の上に設けられる。マスク層106は、有機材料を含む。マスク層106は、例えばフォトレジストを塗布して上部層105の上にレジスト層を形成し、フッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザ光等の露光光を照射してレジスト層を選択的に硬化させることにより形成可能である。
【0018】
フォトレジストは、例えばネガ型フォトレジストである。ネガ型フォトレジストの例は、ポリヒドロキシスチレン(PHS)等の有機材料を用いた架橋型樹脂が挙げられる。ここでは、ネガ型フォトレジストを用いてレジスト層を形成する場合について説明するが、ポジ型フォトレジストを用いてレジスト層を形成することも可能である。
【0019】
マスク層106は、金属材料と反応可能な反応サイトを有する。金属材料と反応可能な反応サイトとは、例えば金属材料が配位可能な非共有電子対を含み、例えばポリマーに含まれるカルボニル基やアミド基等の官能基に存在する非共有電子対等が挙げられる。
【0020】
マスク層106に対し、上部層105が有機材料を含む場合、上部層105は、反応サイトの数がマスク層106よりも少ないまたは反応サイトを有しない有機材料を含む。
【0021】
加工対象物10は、凹部H1と、凹部H2と、凹部H3と、を有するパターンを有する。凹部H1、凹部H2、凹部H3は、X-Y平面において例えばホール形状を有する。
【0022】
マスク層106は、凹部H1において導電層103bを部分的に露出させ、凹部H2において上部層105を部分的に露出させ、凹部H3を覆う。凹部H1は、積層体102内をZ軸方向に延在して導電層103bに達する。凹部H2は、マスク層106内をZ軸方向に延在して上部層105に達する。凹部H3は、上部層105内をZ軸方向に延在して導電層103cに達する。
【0023】
[金属材料ガス曝露工程S2]
図4図5、および図6は、金属材料ガス曝露工程S2を説明するための模式図である。金属材料ガス曝露工程S2では、図4に示すように、バルブ60を閉じ、バルブ50を開け、供給口5を介してチャンバ2に金属材料ガスを供給する。その後、図5に示すように、バルブ60を閉じたままバルブ50を閉じ、加工対象物10を金属材料ガスに曝す。その後、図6に示すように、バルブ50を閉じたままバルブ60を開けて、チャンバ2内のガスを、排出口6を介して排出する。
【0024】
金属材料ガスは、例えばアルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む金属材料MMを含む。金属材料MMの例は、例えば化学気相成長(CVD)法や原子層堆積(ALD)法で使用可能なプレカーサ等を含む。プレカーサは、例えば三塩化アルミニウム(AlCl)、四塩化チタン(TiCl)、六塩化タングステン(WCl)、四塩化バナジウム(VCl)、四塩化ハフニウム(HfO)、四塩化ジルコニウム(ZrCl)、およびトリメチルアルミニウム(TMA)からなる群より選ばれる少なくとも一つである。なお、複数のプレカーサを含む金属材料ガスでマスク層106を曝露してもよく、その場合、互いに反応しにくいまたは反応しないプレカーサを含む金属材料ガスを用いることが好ましい。
【0025】
図7は、金属材料ガス曝露工程S2における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。図7は、加工対象物10のX-Z断面の一部を示す。金属材料ガス曝露工程S2では、加工対象物10が金属材料MMを含む金属材料ガスに曝露され、マスク層106の内部に金属材料MMを浸透させる。
【0026】
[水素化合物ガス曝露工程S3-1]
図8および図9は、水素化合物ガス曝露工程S3-1を説明するための模式図である。水素化合物ガス曝露工程S3-1では、図8に示すように、バルブ60を閉じ、バルブ50を開け、供給口5を介してチャンバ2に水素化合物ガスを導入する。その後、図9に示すように、バルブ50を閉じたままバルブ60を開けて、チャンバ2内のガスを、排出口6を介して排出する。水素化合物ガスは、水素と酸素とを含み、例えば、水蒸気または過酸化水素ガス等の水素化合物HCを含む。
【0027】
図10は、水素化合物ガス曝露工程S3-1における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。図10は、加工対象物10のX-Z断面の一部を示す。水素化合物ガス曝露工程S3-1では、加工対象物10が水素化合物HCを含む水素化合物ガスに曝露され、マスク層106の内部に水素化合物HCを浸透させる。
【0028】
マスク層106は金属材料MMと反応する反応サイトを有する。水素化合物ガスにマスク層106を曝露することにより、水素化合物HCが金属材料MMの一部を酸化させて金属材料MMの酸化物である金属酸化物MOを形成することができる。なお、金属材料MMの他の一部は、残存する場合がある。水素化合物ガス曝露工程S3-1では、マスク層106中の有機材料が残存する。
【0029】
[オゾンガス曝露工程S4]
図11および図12は、オゾンガス曝露工程S4を説明するための模式図である。オゾンガス曝露工程S4では、図11に示すように、バルブ60を閉じ、バルブ50を開け、供給口5を介してチャンバ2にオゾンガスを導入する。その後、図12に示すように、バルブ50を閉じ、バルブ60を開けて、チャンバ2内のガスを、排出口6を介して排出する。
【0030】
図13は、オゾンガス曝露工程S4における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。図13は、加工対象物10のX-Z断面の一部を示す。オゾンガス曝露工程S4では、加工対象物10がオゾンガスに曝露される。オゾンガスは、オゾン(O)を含む。
【0031】
マスク層106は、金属材料MMと反応する反応サイトを有する。オゾンガスにマスク層106を曝露することにより、オゾンガスが金属材料MMを酸化させて金属酸化物MOを形成することができる。オゾンガス曝露工程S4では、マスク層106中の有機材料が残存する。
【0032】
オゾンは、マスク層106の中の水素化合物HCと反応してOHラジカル(OH)を形成する。OHラジカルは、オゾンよりも酸化力が高い。よって、OHラジカルを形成することにより、マスク層106の中に残存する金属材料MMの酸化を促進させることができる。
【0033】
[フッ素含有ガス曝露工程S5]
図14図15、および図16は、フッ素含有ガス曝露工程S5を説明するための模式図である。フッ素含有ガス曝露工程S5では、図14に示すように、バルブ60を閉じ、バルブ50を開け、供給口5を介してチャンバ2にフッ素含有ガスを導入する。その後、図15に示すように、バルブ50を閉じ、バルブ60を開け、チャンバ2内のガスを、排出口6を介して排出する。その後、図16に示すように、バルブ50を閉じたまま、且つバルブ60を開けたまま、チャンバ2内に排出口6を介して空気を供給してもよい。フッ素含有ガスは、フッ素を含み、例えば、フッ化水素等のフッ素化合物FMを含む。
【0034】
図17は、フッ素含有ガス曝露工程S5における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。図10は、加工対象物10のX-Z断面の一部を示す。フッ素含有ガス曝露工程S5では、加工対象物10がフッ素含有ガスに曝露される。これにより、フッ素化合物FMが金属材料MMの酸化物である金属酸化物MOをフッ素化させてマスク層106の中に金属材料MMのフッ化物である金属フッ化物MFを形成する。金属フッ化物MFは、金属酸化物MOよりもエッチング工程S6におけるエッチング耐性が高い。フッ素含有ガス曝露工程S5では、マスク層106中の有機材料が残存する。
【0035】
水素化合物ガス曝露工程S3-1を行うことなく、オゾンガス曝露工程S4を行う場合、金属材料MMの一部が酸化せずに残存する場合がある。金属材料MMが残存したまま、フッ素含有ガス曝露工程S5を行うと、揮発性のフッ化物が生成される場合がある。
【0036】
例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)が酸化されずにマスク層106の中に残存する場合、フッ素含有ガス曝露工程S5において、TMAをフッ素化させることによりジメチルアルミニウムフロリド(AlF(CH)が形成される場合がある。ジメチルアルミニウムフロリドは、揮発性のため、マスク層106から脱離しやすい。金属材料MMのフッ化物が脱離すると、マスク層106中の金属濃度が低下するため、マスク層106のエッチング耐性が低下し、例えばエッチング工程S6におけるエッチングの際にマスク層106が削られ、例えば凹部H1や凹部H2の径が変化するなど、所望のエッチングが困難となる。
【0037】
これに対し、第1の実施形態では、水素化合物ガス曝露工程S3-1の後にオゾンガス曝露工程S4を行い、オゾンよりも酸化力が高いOHラジカルを形成することにより、金属材料MMの酸化を促進することができる。よって、揮発性のフッ化物の生成を抑制してフッ化物の脱離を抑制できるため、マスク層106のエッチング耐性の低下を抑制できる。
【0038】
[エッチング工程S6]
図18は、エッチング工程S6の例を説明するための模式図である。図18は、加工対象物10のX-Z断面の一部を示す。エッチング工程S6では、エッチングマスク(ハードマスク)として実施形態の金属フッ化物MFを含むマスク層106を用いて加工対象物10を部分的にエッチングする。加工対象物10は、例えばエッチング装置を用いたドライエッチングやウェットエッチングを用いてエッチング可能である。
【0039】
エッチング工程S6により、凹部H1がZ軸方向にさらに延在して導電層103aに達するとともに、凹部H2がZ軸方向に延在して導電層103bに達する。凹部H3は、マスク層106に覆われているため、加工されない。マスク層106は、エッチング工程S6の後に除去される。この後、例えば、形成された凹部H1~H3に銅(Cu)等の金属を充填させることにより、それぞれの導電層103a~103cと電気的に接続可能なプラグが形成される。以上が第1の実施形態の金属含浸方法例、パターン形成方法例、および半導体装置の製造方法例の説明である。
【0040】
第1の実施形態の金属含浸方法例、パターン形成方法例、および半導体装置の製造方法例は、例えば3次元メモリ等の記憶装置のコンタクト領域のコンタクトホールを形成するときに適用可能であるが、適用例は特に限定されない。
【0041】
<第2の実施形態>
図19は、第2の実施形態の金属含浸方法例、パターン形成方法例、および半導体装置の製造方法例を説明するためのフローチャートである。第2の実施形態の金属含浸方法例、パターン形成方法例、および半導体装置の製造方法例は、図19に示すように、対象物準備工程S1と、金属材料ガス曝露工程S2と、水素ガス曝露工程S3-2と、オゾンガス曝露工程S4と、フッ素含有ガス曝露工程S5と、エッチング工程S6と、を有する。金属材料ガス曝露工程S2、水素ガス曝露工程S3-2、オゾンガス曝露工程S4、およびフッ素含有ガス曝露工程S5は、同一の処理装置を用いて連続的に行うことができる。対象物準備工程S1、金属材料ガス曝露工程S2、フッ素含有ガス曝露工程S5、およびエッチング工程S6は、第1の実施形態と同様であるため、以下では、第1の実施形態と異なる部分について説明し、その他の部分は、第1の実施形態の説明を適宜援用できる。
【0042】
[水素ガス曝露工程S3-2]
図20および図21は、水素ガス曝露工程S3-2を説明するための模式図である。水素ガス曝露工程S3-2では、図20に示すように、バルブ60を閉じ、バルブ50を開け、供給口5を介してチャンバ2に水素ガスを導入する。その後、図21に示すように、バルブ50を閉じ、バルブ60を開けて、チャンバ2内のガスを、排出口6を介して排出する。
【0043】
図22は、水素ガス曝露工程S3-2における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。図22は、加工対象物10のX-Z断面の一部を示す。水素ガス曝露工程S3-2では、加工対象物10が水素ガスに曝露され、マスク層106の内部に水素(H)を浸透させる。水素ガス曝露工程S3-2では、マスク層106中の金属材料MMおよび有機材料が残存する。
【0044】
[オゾンガス曝露工程S4]
オゾンガス曝露工程S4では、第1の実施形態と同様に、図11に示すように、バルブ60を閉じ、バルブ50を開け、供給口5を介してチャンバ2にオゾンガスを導入する。その後、図12に示すように、バルブ50を閉じ、バルブ60を開けて、チャンバ2内のガスを、排出口6を介して排出する。
【0045】
図23は、オゾンガス曝露工程S4における加工対象物10の構造例を示す断面模式図である。図23は、加工対象物10のX-Z断面の一部を示す。オゾンガス曝露工程S4では、加工対象物10がオゾンガスに曝露される。オゾンガスは、オゾン(O)を含む。
【0046】
マスク層106は、金属材料MMと反応する反応サイトを有する。オゾンガスにマスク層106を曝露することにより、オゾンガスが金属材料MMを酸化させて金属材料MMの酸化物である金属酸化物MOを形成することができる。オゾンガス曝露工程S4では、マスク層106中の有機材料が残存する。
【0047】
オゾンは、マスク層106の中の水素と反応して水(HO)を形成する。水は、オゾンよりもマスク層106中の浸透性が高い。よって、水を形成することにより、水が金属材料MMを酸化させて金属酸化物MOを形成できるため、金属材料MMの酸化を促進させることができる。
【0048】
水素ガス曝露工程S3-2を行うことなく、オゾンガス曝露工程S4を行う場合、第1の実施形態と同様に、金属材料MMの一部が酸化せずに残存する場合がある。金属材料MMが残存したまま、フッ素含有ガス曝露工程S5を行うと、揮発性のフッ化物が生成される場合がある。揮発性のフッ化物は、マスク層106から脱離しやすい。金属材料MMのフッ化物が脱離すると、マスク層106中の金属濃度が低下するため、マスク層106のエッチング耐性が低下し、例えばエッチング工程S6におけるエッチングの際にマスク層106が削られ、凹部H1や凹部H2の径が変化するなど、所望のエッチングが困難となる。
【0049】
これに対し、第2の実施形態では、水素ガス曝露工程S3-2の後にオゾンガス曝露工程S4を行い、オゾンよりも浸透性が高い水を形成することにより、金属材料MMの酸化を促進することができる。よって、揮発性のフッ化物の生成を抑制してフッ化物の脱離を抑制できるため、マスク層106のエッチング耐性の低下を抑制できる。
【0050】
第2の実施形態は、第1の実施形態と適宜組み合わせることができる。
【0051】
(記憶装置の構成例)
第1の実施形態または第2の実施形態に記載の方法例を用いて製造可能な半導体装置としての記憶装置の構成例について以下に説明する。
【0052】
図24は、記憶装置の構成例を示すブロック図である。記憶装置は、メモリセルアレイ200と、コマンドレジスタ201と、アドレスレジスタ202と、シーケンサ203と、ドライバ204と、ローデコーダ205と、センスアンプ206と、を含む。
【0053】
メモリセルアレイ200は、複数のブロックBLK(BLK0~BLK(L-1)(Lは2以上の自然数である))を含む。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶する複数のメモリトランジスタMTの集合である。
【0054】
メモリセルアレイ200は、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLに接続される。各メモリトランジスタMTは、複数のワード線WLの一つおよび複数のビット線BLの一つに接続される。
【0055】
コマンドレジスタ201は、メモリコントローラから受信したコマンド信号CMDを保持する。コマンド信号CMDは、例えば、シーケンサ203に読み出し動作、書き込み動作、および消去動作を実行させる命令データを含む。
【0056】
アドレスレジスタ202は、メモリコントローラから受信したアドレス信号ADDを保持する。アドレス信号ADDは、例えば、ブロックアドレスBA、ページアドレスPA、およびカラムアドレスCAを含む。例えば、ブロックアドレスBA、ページアドレスPA、およびカラムアドレスCAは、それぞれブロックBLK、ワード線WL、およびビット線BLの選択に用いられる。
【0057】
シーケンサ203は、メモリの動作を制御する。シーケンサ203は、例えばコマンドレジスタ201に保持されたコマンド信号CMDに基づいてドライバ204、ローデコーダ205、およびセンスアンプ206等を制御して、読み出し動作、書き込み動作、および消去動作等の動作を実行する。
【0058】
ドライバ204は、読み出し動作、書き込み動作、および消去動作等で使用される電圧を生成する。ドライバ204は、例えばDAコンバータを含む。そして、ドライバ204は、例えば、アドレスレジスタ202に保持されたページアドレスPAに基づいて、選択されたワード線WLに対応する信号線に、生成した電圧を印加する。
【0059】
ローデコーダ205は、アドレスレジスタ202に保持されたブロックアドレスBAに基づいて、対応するメモリセルアレイ200内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ローデコーダ205は、例えば、選択されたワード線WLに対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線WLに転送する。
【0060】
センスアンプ206は、書き込み動作において、メモリコントローラから受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線BLに所望の電圧を印加する。また、センスアンプ206は、読み出し動作において、ビット線BLの電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラに転送する。
【0061】
メモリとメモリコントローラとの間の通信は、例えば、NANDインターフェイス規格をサポートしている。例えば、メモリとメモリコントローラとの間の通信は、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、レディビジー信号RBn、および入出力信号I/Oを使用する。
【0062】
コマンドラッチイネーブル信号CLEは、メモリが受信した入出力信号I/Oがコマンド信号CMDであることを示す。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、受信した信号I/Oがアドレス信号ADDであることを示す。ライトイネーブル信号WEnは、入出力信号I/Oの入力をメモリに命令する信号である。リードイネーブル信号REnは、入出力信号I/Oの出力をメモリに命令する信号である。
【0063】
レディビジー信号RBnは、メモリがメモリコントローラからの命令を受け付けるレディ状態であるか命令を受け付けないビジー状態であるかを、メモリコントローラに通知する信号である。
【0064】
入出力信号I/Oは、例えば、8ビット幅の信号であり、コマンド信号CMD、アドレス信号ADD、書き込みデータ信号DAT等の信号を含むことができる。
【0065】
以上で説明したメモリおよびメモリコントローラは、それらの組み合わせにより1つの半導体記憶装置を構成してもよい。このような半導体記憶装置の例は、例えばSDカードのようなメモリカードや、ソリッドステートドライブ(SSD)を含む。
【0066】
次に、メモリセルアレイ200の回路構成例について説明する。図25は、メモリセルアレイ200の回路構成を示す回路図である。図25は、ブロックBLK0を例示するが、他のブロックBLKの構成も同じである。
【0067】
ブロックBLKは、複数のストリングユニットSUを含む。各ストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。なお、図25は、3つのストリングユニットSU(SU0~SU2)を図示しているが、ストリングユニットSUの数は、特に限定されない。
【0068】
各NANDストリングNSは、複数のビット線BL(BL0~BL(N-1)(Nは2以上の自然数である))の一つに接続される。各NANDストリングNSは、メモリトランジスタMTと、選択トランジスタST1と、選択トランジスタST2と、を含む。
【0069】
メモリトランジスタMTは、制御ゲートと、電荷蓄積層と、を含み、データを不揮発に保持する。図25は、複数のメモリトランジスタMT(MT0~MT(M-1)(Mは2以上の自然数))を図示するが、メモリトランジスタMTの数は、特に限定されない。なお、各NANDストリングNSは、メモリトランジスタMTの構造と同じ構造を有するが、データの保持には使用されないダミーメモリトランジスタを含んでいてもよい。
【0070】
メモリトランジスタMTは、それぞれ電荷蓄積層に絶縁膜を用いたMONOS型であってもよいし、電荷蓄積層に導電体層を用いたFG型であってもよい。以下、実施形態では、MONOS型を例として説明する。
【0071】
選択トランジスタST1は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用
される。選択トランジスタST1の数は、特に限定されない。
【0072】
選択トランジスタST2は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。選択トランジスタST2の数は、特に限定されない。
【0073】
各NANDストリングNSにおいて、選択トランジスタST1のドレインは、対応するビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースは、直列に接続されたメモリトランジスタMTの一端に接続される。直列に接続されたメモリトランジスタMTの他端は、選択トランジスタST2のドレインに接続される。
【0074】
同一のブロックBLKにおいて、選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。各ストリングユニットSUの選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ対応する選択ゲート線SGDに接続される。メモリトランジスタMTの制御ゲートは、それぞれ対応するワード線WLに接続される。選択トランジスタST2のゲートは、対応する選択ゲート線SGSに接続される。
【0075】
同じカラムアドレスCAが割り当てられた複数のNANDストリングNSは、複数のブロックBLK間で同じビット線BLに接続される。ソース線SLは、複数のブロックBLK間で接続される。
【0076】
図26は、メモリの構造例を示す断面模式図であり、基板101の表面に沿うX軸方向と、当該表面に沿ってX軸に略垂直なY軸方向と、当該表面に略垂直なZ軸方向と、を図示する。
【0077】
図26に示すメモリは、図24に示すメモリセルアレイ200を含む第1の領域RAと、メモリセルアレイ200の下方に、図24に示すコマンドレジスタ201、アドレスレジスタ202、シーケンサ203、ドライバ204、ローデコーダ205、センスアンプ206を等の周辺回路を含む周辺回路領域12を基板101の上に含む第2の領域RBと、を具備する。これに限定されず、周辺回路領域12は、メモリセルアレイ200と並置するように設けられていてもよい。
【0078】
図26は、絶縁層13と、配線層14と、導電層103と絶縁層104との積層体102と、絶縁層24と、コンタクト層25と、コンタクト層26と、配線層27と、絶縁層31と、メモリピラーMPと、を図示する。
【0079】
絶縁層13は、周辺回路領域12の上に設けられる。絶縁層13は、例えば酸化シリコンを含む。
【0080】
配線層14は、絶縁層13の上に設けられ、ソース線SLを含む。配線層14は、例えば金属材料を含む。
【0081】
図27は、メモリピラーMPの構造例を示す断面模式図である。図27は、導電層103と、絶縁層104と、ブロック絶縁膜211と、電荷蓄積膜212と、トンネル絶縁膜213と、半導体層214と、コア絶縁層215と、コンタクト層25と、配線層27と、を図示する。
【0082】
導電層103および絶縁層104は、交互に積層されて積層体102を構成する。複数の導電層103は、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL(m-1)、選択ゲート線SGDを含む。絶縁層104は、例えば酸化シリコンを含む。メモリピラーMPは、選択ゲート線SGS、複数のワード線WL、および選択ゲート線SGDを含む積層体102を貫通して延在する。
【0083】
ブロック絶縁膜211、電荷蓄積膜212、トンネル絶縁膜213、半導体層214、およびコア絶縁層215は、メモリピラーMPを構成する。メモリピラーMPの各構成要素は、Z軸方向に沿って延伸する。1つのメモリピラーMPが1つのNANDストリングNSに対応する。また、ブロック絶縁膜211、電荷蓄積膜212、およびトンネル絶縁膜213は、導電層103と絶縁層104との積層体と半導体層214との間にメモリ層を構成する。
【0084】
ブロック絶縁膜211、トンネル絶縁膜213、およびコア絶縁層215は、例えば酸化シリコンを含む。電荷蓄積膜212は、例えば窒化シリコンを含む。半導体層214は、例えばポリシリコンを含む。
【0085】
より具体的には、複数の導電層103を貫通してメモリピラーMPに対応するホールが形成される。ホールの側面にはブロック絶縁膜211、電荷蓄積膜212、及びトンネル絶縁膜213が順次積層されている。そして、側面がトンネル絶縁膜213に接するように半導体層214が形成される。
【0086】
半導体層214は、Z軸方向に沿って導電層103と絶縁層104との積層体102を貫通して配線層14に接続される。半導体層214は、選択トランジスタST1、選択トランジスタST2、メモリトランジスタMTのチャネル形成領域を有する。よって、半導体層214は、選択トランジスタST1、選択トランジスタST2、メモリトランジスタMTの電流経路を接続する信号線として機能する。
【0087】
コア絶縁層215は、半導体層214の内側に設けられる。コア絶縁層215は、半導体層214に沿って延在する。
【0088】
コンタクト層25は、半導体層214に接するコンタクトプラグを含む。配線層27は、コンタクトプラグを介して半導体層214に接続されたビット線BLを含む。配線層27は、金属材料を含む。
【0089】
メモリピラーMPおよび各ワード線WLを構成する導電層103は、メモリトランジスタMTを構成する。メモリピラーMPおよび選択ゲート線SGDを構成する導電層103は、選択トランジスタST1を構成する。メモリピラーMPおよび各選択ゲート線SGSを構成する導電層103は、選択トランジスタST2を構成する。
【0090】
また、図26に示すメモリセルアレイは、複数のアレイ部と、複数の階段部と、を有し、階段部の一つは、2つのアレイ部の間に設けられる。
【0091】
階段部は、積層体102と、絶縁層31と、複数の導電層103と電気的に接続される複数のコンタクト層26を有する。絶縁層24と絶縁層31は、例えば上部層105に相当する。コンタクト層26の形成は、階段部を有する積層体102に絶縁層31を形成した後に行われる。例えば、リプレース工程の後であって、絶縁層31に複数の開口部(コンタクトホール)を形成し、該開口部に導電材を充填することでコンタクト層26が形成される。なお、コンタクトホールの形成は、図23等に示すように、積層体102が階段部を有さず、それぞれの導電層103がX軸方向に延伸した状態で形成されてもよい。
【0092】
コンタクトホールは、第1の実施形態または第2の実施形態の方法を用い、金属材料ガス曝露工程S2と、水素化合物ガス曝露工程S3-1または水素ガス曝露工程S3-2と、オゾンガス曝露工程S4と、フッ素含有ガス曝露工程S5と、を行うことによりエッチングマスクを形成し、当該エッチングマスクを用いてエッチング工程S6を行うことを繰り返すことにより、形成可能である。
【0093】
以上のように、第1の実施形態または第2の実施形態の方法を用いることにより、異なる深さを有する複数のコンタクトホールを高い精度で形成できる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
2…チャンバ、3…ホルダ、5…供給口、6…排出口、10…加工対象物、12…周辺回路領域、13…絶縁層、14…配線層、24…絶縁層、25…コンタクト層、26…コンタクト層、27…配線層、31…絶縁層、50…バルブ、60…バルブ、101…基板、102…積層体、103…導電層、104…絶縁層、105…上部層、106…マスク層、200…メモリセルアレイ、201…コマンドレジスタ、202…アドレスレジスタ、203…シーケンサ、204…ドライバ、205…ローデコーダ、206…センスアンプ、211…ブロック絶縁膜、212…電荷蓄積膜、213…トンネル絶縁膜、214…半導体層、215…コア絶縁層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
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