(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132054
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240920BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240920BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20240920BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240920BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240920BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240920BHJP
【FI】
A63F13/69
G06Q50/10
G06Q20/06
A63F13/79
A63F13/792
A63F13/533
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042689
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】大久保 陽介
(72)【発明者】
【氏名】有嶋 義孝
【テーマコード(参考)】
5L020
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA12
5L049CC18
5L050CC18
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】例えば、より優れた技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを含む。取得ステップでは、ユーザに提示される、ゲーム内で使用可能な第1アイテムに関するアイテム情報と、ユーザによって過去に実行された購入処理に関する購入情報と、を取得する。購入処理は、ユーザの指定に基づき、ユーザに対して指定された第1アイテムを付与するための処理を含む。アイテム情報は、購入処理を実行するためにユーザに対して要求される対価に関する情報を含み、対価は、ゲーム外で流通する通貨であるゲーム外通貨によって規定される。変更ステップでは、購入情報に基づき、ユーザに対して提示されるアイテム情報を変更する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
次の各ステップを含み、
取得ステップでは、ユーザに提示される、ゲーム内で使用可能な第1アイテムに関するアイテム情報と、前記ユーザによって過去に実行された購入処理に関する購入情報と、を取得し、ここで、
前記購入処理は、前記ユーザの指定に基づき、前記ユーザに対して指定された第1アイテムを付与するための処理を含み、
前記アイテム情報は、前記購入処理を実行するために前記ユーザに対して要求される対価に関する情報を含み、前記対価は、前記ゲーム外で流通する通貨であるゲーム外通貨によって規定され、
変更ステップでは、前記購入情報に基づき、前記ユーザに対して提示される前記アイテム情報を変更する、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1アイテムは、前記購入情報によらず前記ユーザに対して提示されるアイテムである、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記変更ステップでは、前記購入情報に基づき前記第1アイテムのうちの少なくとも1つである対象アイテムを決定し、前記アイテム情報のうち、前記対象アイテムに関する情報を変更する、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法において、
前記変更ステップでは、対象対価と、前記第1アイテムの対価とに基づき前記対象アイテムを決定し、ここで、前記対象対価は、前記ユーザに対して実行された前記購入処理の対価の1つである、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法において、
前記対象対価は、所定期間における前記ユーザに対して実行された前記購入処理の対価の最大値であり、
前記変更ステップでは、前記最大値より大きい対価が要求される前記第1アイテムの少なくとも1つを前記対象アイテムとして決定する、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理方法において、
前記変更ステップでは、前記最大値が所定の基準値以上の場合に、前記最大値より大きく当該基準値の5倍以下の対価が要求される第1アイテムの少なくとも1つを対象アイテムとして決定する、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項3に記載の情報処理方法において、
さらに一覧提示ステップでは、前記ユーザが前記第1アイテムの少なくとも一部を一覧可能な視覚情報を提示させ、
前記変更ステップでは、前記視覚情報における前記対象アイテムの提示態様を変更する、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記アイテム情報は、さらに、前記第1アイテムと異なる第2アイテムに関する情報を含み、
前記第2アイテムは、所定の許容条件を満たす場合に当該第2アイテムの購入処理の実行が許容されるように構成され、
前記購入処理は、さらに、前記ユーザの指定に基づき、前記ユーザに対して指定された前記第2アイテムを付与するための処理を含み、
前記変更ステップでは、前記購入情報に基づき、前記アイテム情報のうち、前記第1アイテムに関する情報を変更し、前記第2アイテムに関する情報を変更しない、
情報処理方法。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記変更ステップでは、前記対価が一時的に変更されている場合において前記購入処理が行われたとき、変更前の前記対価に基づき前記アイテム情報を変更する、
情報処理方法。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記取得ステップでは、前記ユーザとは異なる関連ユーザによって過去に実行された購入処理に関する関連購入情報を取得し、ここで、前記関連ユーザのユーザ情報は、前記ユーザのユーザ情報と関連付けられており、
前記変更ステップでは、さらに前記関連購入情報に基づき前記ユーザに提示される前記アイテム情報を変更する、
情報処理方法。
【請求項11】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、
情報処理システム。
【請求項12】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮想通貨の消費を効果的に促すことが可能なゲームシステム、仮想通貨処理システムおよびプログラム等の提供を課題とする技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示のゲームシステムは、ユーザがゲームをプレイするためのゲーム処理を行うゲーム処理部と、ユーザが仮想通貨を購入するための処理を行う購入処理部と、ユーザが購入した仮想通貨の購入情報をユーザ情報に関連づけて管理する管理部と、購入した仮想通貨をユーザが消費することでゲームのアイテムの獲得が可能な仮想的なショップの設定処理を行うショップ処理部を含む。ショップ処理部は、ユーザの仮想通貨の購入情報に基づいて、ショップとして、通常ショップとは異なる特別ショップを出現させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記技術には、未だ改善の余地がある。
【0006】
本開示では上記事情に鑑み、例えば、より優れた技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを含む。取得ステップでは、ユーザに提示される、ゲーム内で使用可能な第1アイテムに関するアイテム情報と、ユーザによって過去に実行された購入処理に関する購入情報と、を取得する。購入処理は、ユーザの指定に基づき、ユーザに対して指定された第1アイテムを付与するための処理を含む。アイテム情報は、購入処理を実行するためにユーザに対して要求される対価に関する情報を含み、対価は、ゲーム外で流通する通貨であるゲーム外通貨によって規定される。変更ステップでは、購入情報に基づき、ユーザに対して提示されるアイテム情報を変更する。
【0008】
本開示によれば、ユーザにより興趣性の高い体験を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理システム1によって実行される情報処理の概要を示すアクティビティ図である。
【
図4】複数のユーザ情報IF1を含むユーザデータD1の一例を示す図である。
【
図6】アクティビティA2にて表示されるメニュー画面IM1の一例を示す図である。
【
図7】アクティビティA3にて表示される選択画面IM2の一例を示す図である。
【
図8】変更処理が行われていない場合にアクティビティA6にて表示される通常ショップ画面IM3の一例を示す図である。
【
図9】アクティビティA11にて表示されるオファーショップ画面IM4の一例を示す図である。
【
図10】変更処理が行われた場合にアクティビティA6にて表示される通常ショップ画面IM3の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。すなわち、情報処理システム1は、少なくとも1つの装置からなる。
【0015】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0016】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)等の家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)等の携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0017】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0018】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0019】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0020】
2.1 ハードウェア構成
以下、
図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0021】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0022】
通信部21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータ等が挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0023】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データ等が記憶されている。
【0024】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リスト等を記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報等が、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベル等)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さ等を含む。
【0025】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理等が挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0027】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)等が含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0028】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0029】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求等が挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0030】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報等が格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0031】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0032】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャ等のデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作等に応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0033】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0034】
2.2 機能構成
続いて、
図2を参照して、情報処理システム1の情報処理装置2における各機能構成について説明する。
【0035】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、制御部23(プロセッサ)は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、取得部231、変更部232、および提示部233として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0036】
取得部231は、取得ステップとして、種々の情報および入力を取得するように構成される。例えば、取得部231は、ユーザ情報IF1等の情報や、ユーザからの参加要求の入力等を、情報処理装置2の記憶部22から取得するか、または、ゲーム装置3もしくは他の外部装置から通信ネットワーク11を介して取得する。本実施形態では、取得部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0037】
変更部232は、変更ステップとして、所定の変更条件等に基づき種々の情報を提示する態様を変更するように構成される。
【0038】
提示部233は、一覧提示ステップとして、記憶部22または記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、視認可能な態様でゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させることにより、ユーザに対して種々の情報を提示する。具体的には、提示部233は、画面、画像(例えば、静止画または動画)、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものを生成してもよいし、例えばディスプレイ4aに視覚情報を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを通信ネットワーク11を介してゲーム装置3に送信するようにしてもよい。
【0039】
3.情報処理の概要
本節では、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについて、その概要を説明する。
図3は、情報処理システム1によって実行される情報処理の概要を示すアクティビティ図である。以下で説明する情報処理に含まれる各アクティビティにおける処理の結果は、適宜、ゲーム装置3のディスプレイ4a等を用いてユーザが認識可能な態様で出力され得る。なお、当該情報処理は、図示されない任意の例外処理を含みうる。例外処理は、当該情報処理の中断や、各処理の省略を含む。当該情報処理にて行われる選択または入力は、ユーザによる操作に基づくものでも、ユーザの操作に依らず自動で行われるものでもよい。
【0040】
[アクティビティA1]
まず、アクティビティA1にて、取得部231は、ゲームのユーザに関するユーザ情報IF1と、当該ユーザ情報IF1に関連付けられている他のユーザである関連ユーザ情報IF3とを取得する。当該ユーザ情報IF1等の取得は、ユーザによる情報処理システム1へのログイン処理として行われる。例えば、ユーザ情報IF1および関連ユーザ情報IF3は、例えば後述されるユーザデータD1として記憶部22等に記憶されており、少なくとも購入情報を含む。
【0041】
購入情報は、ユーザによって過去に実行された購入処理に関する情報である。購入処理は、ユーザの指定に基づき、指定されたアイテムを付与するための処理である。制御部23は、購入処理によって、予め設定された対価に応じて後述するゲーム内通貨またはゲーム外通貨を消費することにより、ユーザ情報IF1に対してアイテムを付与することができる。そのため、購入情報は、ユーザによるアイテムの購入履歴を含む情報ともいえる。
【0042】
アイテムは、ゲーム内で使用可能に構成されており、第1アイテムとしての通常アイテムと、第2アイテムとしての特別アイテムとを含む。本実施形態の通常アイテムは、購入情報によらずユーザに対して提示されるアイテムである。具体的には、本実施形態の通常アイテムは、全ユーザに対して購入処理の実行が許容されるように構成されている。このような構成によれば、ユーザが通常アイテムのアイテム情報IF2の変更内容を変更前の状態から判別しやすくなるため、よりゲーム外通貨を用いた購入処理をより好適に促進することができる。通常アイテムは、購入情報によらず当該通常アイテムについての購入処理の実行が許容されるものともいえる。なお、通常アイテムの購入回数や購入可能な数量には、上限値が設定されていてもよい。
【0043】
特別アイテムは、所定の許容条件を満たす場合に当該特殊アイテムの購入処理の実行が許容されるように構成される。許容条件は、例えば、ゲームの進行状況、ゲームの時刻、現実の時刻、購入情報等の種々の情報に基づき適宜設定される。本実施形態では、許容条件は、現実の時刻が所定の期間内であることを含む。これにより、特別アイテムは、期間限定アイテムとして機能する。言い換えれば、購入処理は、ユーザの指定に基づき、ユーザに対して指定された第1アイテムを付与するための処理と、ユーザの指定に基づき、ユーザに対して指定された特別アイテムを付与するための処理と、を含む。
【0044】
これらのアイテムに関する情報は、アイテム情報IF2に格納されている。言い換えれば、アイテム情報IF2は、通常アイテムに関する情報と、通常アイテムと異なる特別アイテムに関する情報とを含む。アイテム情報IF2は、記憶部22や記憶部32等の種々の記憶デバイスに記憶されており、制御部23等が適宜参照可能に構成されている。アイテム情報IF2は、ディスプレイ4a等を介してユーザに対して提示可能に構成される。本実施形態では、アイテム情報IF2に含まれるアイテムに関する情報のそれぞれは、少なくとも対価情報と、変更条件に関する情報とを含む。
【0045】
対価情報は、購入処理を実行するためにユーザに対して要求される対価に関する情報であり、対価は、ゲーム外通貨によって規定される。ゲーム外通貨は、ゲーム内に限られず、当該ゲーム外で流通可能に構成される通貨である。ゲーム外通貨は、例えば、中央銀行等の所定の外部機関によって認証される通貨や、ブロックチェーン等を用いた分散型台帳システムを用いて保証される暗号資産(仮想通貨)などを含む。外部機関によって認証される通貨は、中央銀行によって保証される銀行券または貨幣に限られず、地方自治体によって認可される地域通貨、種々の企業によってキャッシュレス決済で用いられるポイントなど、現実世界またはゲーム外の仮想空間で商品または役務との交換性を有するものであれば任意である。また、通貨は、現物取引によって決済されるものに限られず、クレジットカード等を用いた信用取引によって決済されるものであってもよい。
【0046】
なお、対価情報は、ゲーム内通貨によって規定可能に構成されていてもよい。ゲーム内通貨は、ゲーム内でのみ流通する通貨として機能する情報であり、アイテムをユーザ情報IF1に付与する際に対価として消費される。ゲーム内通貨は、上記ゲーム外通貨に変換不能に構成されている。言い換えれば、アイテム情報IF2は、アイテムのそれぞれに対して、ゲーム外通貨によって規定される対価と、ゲーム内通貨によって規定される対価とを含んでいてもよい。
【0047】
変更条件は、変更条件の判定対象となるパラメータである参照パラメータと、当該参照パラメータが満たす条件である判定値または数値範囲とによって規定されており、例えば、上述したアイテム情報IF2に格納されている。変更部232は、参照パラメータが当該判定値に達している場合や、参照パラメータが当該数値範囲に含まれている場合に、変更条件が満たされていると判定する。
【0048】
関連ユーザ情報IF3は、ユーザ情報IF1と同様に、関連ユーザによって過去に実行された購入処理に関する情報(購入情報)である関連購入情報を含む。関連ユーザ情報IF3および関連購入情報の具体的構成は異なるユーザに関する情報である点に留意すればユーザ情報IF1および購入情報と同様であるとし、その説明を省略する。すなわち、取得部231は、取得ステップとしてユーザとは異なる関連ユーザによって過去に実行された購入処理に関する購入情報(関連購入情報)を取得する。当該関連ユーザのユーザ情報(関連ユーザ情報IF3)は、ユーザのユーザ情報IF1と関連付けられている。
【0049】
[アクティビティA2]
次に、アクティビティA2にて、制御部23は、ディスプレイ4aにメニュー画面IM1を表示させ、ユーザの操作に応じて少なくとも通常ショップ要求を生成する。通常ショップ要求は、第1アイテムとしての通常アイテムを提示可能な通常ショップへの遷移を要求する指令である。本実施形態では、制御部23は、所定の許容条件が満たされている場合、ユーザの操作に応じてさらにオファーショップ要求を生成する。オファーショップ要求は、特別アイテムを提示可能なオファーショップへの遷移を要求する指令である。許容条件は、時刻、確率等のユーザ情報IF1と無関係な情報に基づき設定されても、購入情報等のユーザ情報IF1に基づき設定されていてもよい。本実施形態では、許容条件は、現在時刻が所定の期間である場合に満たされるように設定されており、これにより、オファーショップがある期間のみアクセス可能な、いわゆる期間限定ショップとなる。メニュー画面IM1の詳細は後述される。
【0050】
[アクティビティA3]
取得部231がユーザからの操作に基づき通常ショップ要求を取得した場合、処理がアクティビティA3に進み、制御部23は、ディスプレイ4aに選択画面IM2を表示させ、購入方法の指定を取得する。選択画面IM2は、アイテムの購入方法に関する選択を受け付け可能に構成されている。本実施形態では、選択画面IM2は、アイテムの購入方法として、ゲーム内通貨を用いる購入方法と、ゲーム外通貨を用いる購入方法とを指定可能に構成されている。選択画面IM2に対するユーザの操作に応じて、取得部231は、購入方法としてゲーム内通貨の指定またはゲーム外通貨の指定を取得する。選択画面IM2の詳細は後述される。
【0051】
[アクティビティA4]
取得部231がアクティビティA3にてゲーム外通貨の指定を取得した場合、処理がアクティビティA4に進み、制御部23は、ユーザ情報IF1とアイテム情報IF2とに基づき、変更条件が満たされているか否かを判定するための判定処理を実行する。判定処理は、上述した、アイテム情報IF2に設定されている変更条件が満たされているか否かを判定する処理である。本実施形態では、当該判定処理は、変更条件が設定されているアイテム(詳細には通常アイテム)ごとに行われる。また、当該判定処理は、ユーザごとに個別に行われる。そのため、制御部23は、ユーザとは別の他の関連ユーザに関して変更条件が満たされているか否かをさらに判定する。
【0052】
[アクティビティA5]
判定処理の結果、満たされる変更条件が存在すると判定された場合、処理がアクティビティA5に進み、変更部232は、変更処理を実行し、購入情報に基づき、後述されるアクティビティA6にてユーザに対して提示されるアイテム情報IF2の変更態様を決定する。変更処理の具体的態様は任意であるが、例えば、変更部232は、購入情報に基づき通常アイテムのうちの少なくとも1つである対象アイテムを決定し、ユーザに対して提示されるアイテム情報IF2のうち、当該対象アイテムに関する情報を変更する。このような構成によれば、ユーザによるゲーム外通貨を用いたアイテムの購入に基づくアイテム情報の変更により、対象アイテムがユーザの注意を引きやすくなる。したがって、ゲーム外通貨の購入処理をより好適に促進することができる。対象アイテムは、言い換えれば、変更処理によって変更されるアイテムである。当該対象アイテムの決定方法は任意であるが、例えば、変更部232は、対象対価と、通常アイテムの対価とに基づき対象アイテムを決定する。対象対価は、ユーザに対して実行された購入処理の対価の1つである。このような構成によれば、ユーザの資力に応じた適切な対価の通常アイテムが対象アイテムとして決定される。そのため、ゲーム外通貨の購入処理に対するユーザの抵抗感を減らし、ゲームの興趣性を向上することができる。対象対価は、例えば、所定期間におけるユーザに対して実行された購入処理の対価の最大値である。以下、説明の便宜上、所定期間におけるユーザに対して実行された購入処理の対価の最大値を、「最大購入対価」ということがある。この場合、変更部232は、最大購入対価(最大値)より大きい対価が要求される通常アイテムの少なくとも1つを対象アイテムとして決定する。このような構成によれば、ユーザに対して過去に購入した通常アイテムより大きい対価が要求されるアイテムの購入意欲を増進し、ゲーム内での新たなユーザ体験を促進することができる。最大購入対価は、例えば、購入処理によってユーザに付与されるアイテムの個々の対価の最大値によって規定される。なお、購入処理の対価の最大値は、一度の購入処理によってユーザ情報IF1に対して付与されるアイテムの対価の合計値であってもよい。
【0053】
本実施形態では、変更部232は、関連購入情報が変更条件を満たす場合、さらに、関連ユーザとは異なるユーザに提示されるアイテム情報IF2の変更態様を決定する。言い換えれば、変更部232は、さらに関連購入情報に基づきユーザに提示されるアイテム情報を変更する。このような構成によれば、ユーザと関連性のある関連ユーザの購入情報(関連購入情報)が、ユーザのアイテム情報IF2に反映される。したがって、よりユーザの購入処理に対する抵抗感を低減することができる。当該アイテム情報IF2の変更態様は任意であるが、例えば、アイテム情報IF2が提示されるユーザ当人の購入情報に基づく変更態様が、関連購入情報に基づく変更態様に比べて強調して優先的に表示されるように、アイテム情報IF2の表示態様が変更されることが好ましい。このような表示態様の優先順位は、例えば、画像中でアイテムに対応する領域の位置、大きさ、表示順序等に基づき設定可能である。なお、関連購入情報が変更条件を満たす場合、変更部232は、対応する関連ユーザに対して提示されるアイテム情報IF2の表示態様を、上記ユーザのアイテム情報IF2の表示態様と同様に変更してもよい。
【0054】
なお、制御部23は、上記変更条件または当該変更条件とは異なる他の条件に基づき、アイテム情報IF2に含まれるアイテムの対価の減額等の変更をすることがある。この場合、変更部232は、変更前の対価を用いて上記変更条件が満たされているか否かの判定を行い、当該判定結果に応じて変更処理を行う。言い換えれば、変更部232は、対価が一時的に変更されている場合において購入処理が行われたとき、変更前の対価に基づきアイテム情報を変更する。このような構成によれば、対価の変更に伴う制御の複雑化を抑制することができる。
【0055】
上記変更処理の後、処理がアクティビティA6に進む。なお、判定処理の結果、満たされる変更条件が存在しないと判定された場合、上記アクティビティA5の処理は省略され、処理がアクティビティA6に進む。また、アクティビティA3にて取得部231がゲーム内通貨の指定を取得した場合、上記アクティビティA4およびアクティビティA5の処理は省略され、処理がアクティビティA6に進む。
【0056】
[アクティビティA6]
アクティビティA6にて、提示部233は、ディスプレイ4aに通常ショップ画面IM3を表示させる。これにより、提示部233は、通常ショップ画面IM3を介してユーザに対してアイテム情報IF2を提示する。本実施形態では、提示部233は、アイテム情報IF2に含まれる通常アイテムを一覧可能な態様な視覚情報を含むように、通常ショップ画面IM3を表示させる。変更処理の有無、および変更処理の内容に応じて、通常ショップ画面IM3内でのアイテム情報IF2の表示態様が異なる。これにより、購入情報に基づきユーザに提示されるアイテム情報IF2が変更される。アイテム情報IF2の変更態様は任意であるが、例えば、変更部232は、当該視覚情報における対象アイテムの提示態様を変更する。このような構成によれば、ユーザが通常アイテムのなかから対象アイテムを視覚的に判別しやすくなるため、ユーザが対象アイテムを購入することを促進することができる。通常ショップ画面IM3の内容、およびその変更態様の具体例は後述される。
【0057】
[アクティビティA7]
次に、アクティビティA7にて、取得部231は、ユーザによって行われるアイテムの購入処理の指令を取得する。これにより、購入処理によってユーザ情報IF1に付与されるアイテム(ここでは通常アイテムの1つ)が特定される。
【0058】
[アクティビティA8]
次に、アクティビティA8にて、制御部23は、購入処理の指令とアイテム情報IF2とに基づき購入処理を実行する。これにより、制御部23は、ユーザ情報IF1にアクティビティA7にて特定されたアイテムを付与する。購入処理の具体的態様は任意であるが、アクティビティA4にてゲーム内通貨が購入方法として指定された場合、制御部23は、特定されたアイテムの対価に対応するゲーム内通貨を消費させることにより、購入処理を行う。また、アクティビティA4にてゲーム内通貨が購入方法として指定された場合、制御部23は、特定されたアイテムの対価に対応するゲーム外通貨の決済の実行を要求し、当該決済の完了を示す情報を取得することにより購入処理を行う。以下、説明の便宜上、ゲーム外通貨を用いた購入処理を「課金」といい、当該購入処理を実行することを「課金する」ということがある。
【0059】
[アクティビティA9]
次に、アクティビティA9にて、制御部23は、アクティビティA7の指定に基づき特定されたアイテムを、ユーザ情報IF1に付与する。
【0060】
[アクティビティA10]
次に、アクティビティA10にて、制御部23は、上記購入処理の結果に基づき、購入処理を実行したユーザの購入情報を更新する。これにより、制御部23は、購入情報にユーザによって過去に実行された購入処理に関する情報を、購入情報として蓄積する。具体的には、制御部23は、購入情報として、ユーザによって実行された購入処理の対象となるアイテムの内容、アイテムの対価、購入処理が行われた時刻(タイミング)等を蓄積する。なお、上述したような対価の減額等の変更が行われている場合、制御部23は、購入情報に変更前の対価に関する情報を蓄積する。これにより、制御部23が上述した変更前の対価に関する情報に基づき上記変更条件が満たされているか否かを判定しやすくなる。その後、本情報処理が終了する。
【0061】
[アクティビティA11]
一方、アクティビティA2にて取得部231がユーザからの操作に基づき通常ショップ要求を取得した場合、処理がアクティビティA11に進み、提示部233は、ディスプレイ4aにオファーショップ画面IM4を表示し、ユーザに対してアイテム情報IF2のうちの特別アイテムに関する情報を提示する。本実施形態では、オファーショップ画面IM4は通常ショップ画面IM3と別個の画面として表示されるが、通常ショップ画面IM3と一覧可能な態様で表示されてもよい。
【0062】
[アクティビティA12]
次に、アクティビティA12にて、取得部231は、ユーザによって行われるアイテムの購入処理の指令を取得する。これにより、購入処理によってユーザ情報IF1に付与されるアイテム(ここでは特殊アイテムの1つ)が特定される。その後、当該購入処理の指令に基づき、上述したアクティビティA8~アクティビティA10の処理が行われる。これにより、ユーザ情報IF1に対して特殊アイテムが付与され、特殊アイテムの購入処理に基づきアイテム情報IF2が更新される。
【0063】
ここで、特殊アイテムの購入処理を行うためのアクティビティA11以降の一連の処理では、通常アイテムの購入処理を行うためのアクティビティA3以降の一連の処理と異なり、アクティビティA5のような変更処理が行われない。言い換えれば、変更部232は、購入情報に基づき、アイテム情報IF2のうち、通常アイテムに関する情報を変更し、特殊アイテムに関する情報を変更しない。このような構成によれば、許容条件が満たされている間に特殊アイテムに対して購入処理を反映させた上で、通常アイテムの購入処理が促される。したがって、通常アイテムの購入処理を行うことに対するユーザの抵抗感をより低減することができる。その一方で、特殊アイテムの購入処理が行われた場合、当該購入処理はユーザによって過去に行われた購入処理に関する購入情報として蓄積される。そのため、変更部232は、さらに、通常アイテムの購入処理に関する情報(特に通常アイテムの対価)に加え、さらに特殊アイテムの購入処理に関する情報(特に特殊アイテムの対価)に基づき、ユーザに対して提示される通常アイテムの態様を変更する。これにより、よりユーザのアイテムの購買能力に即してアイテムを提示することができるため、ユーザの購買意欲をさらに増進することができる。
【0064】
以上をまとめると、上記情報処理システムによって実行される情報処理方法は、次の各ステップを含む。取得ステップでは、ユーザに提示される、ゲーム内で使用可能な第1アイテムに関するアイテム情報と、ユーザによって過去に実行された購入処理に関する購入情報と、を取得する。購入処理は、ユーザの指定に基づき、ユーザに対して指定された第1アイテムを付与するための処理を含む。アイテム情報は、購入処理を実行するためにユーザに対して要求される対価に関する情報を含み、対価は、ゲーム外で流通する通貨であるゲーム外通貨によって規定される。変更ステップでは、購入情報に基づき、ユーザに対して提示されるアイテム情報を変更する。
【0065】
このような構成によれば、ユーザが過去にゲーム外通貨を支払うことによって行った購入処理に基づき、ゲーム外通貨による通常アイテムのアイテム情報を変更する。これにより、ゲーム内でゲーム外通貨を支払うことによって行った購入処理をより好適に促進することができる。
【0066】
4.情報処理の詳細
本節では、前節にて概説された情報処理の詳細について、図を用いて説明する。
【0067】
4.1.ユーザ情報IF1について
図4は、複数のユーザ情報IF1を含むユーザデータD1の一例を示す図である。ユーザデータD1は、ユーザごとのユーザ情報IF1を格納している。それぞれのユーザ情報IF1は、ユーザを識別するためのユーザIDに加え、ユーザランク情報と、課金額と、フレンドとを含む。ユーザランク情報は、ユーザのゲームの進行度またはゲームに対する習熟度を示す。課金額は、ユーザによって過去に行われた購入処理の対価の最大値、すなわち最大購入対価であり、購入情報(詳細には対象対価)の一例である。フレンドは、ユーザに関連付けられている関連ユーザを示す情報である。本実施形態では、ユーザAのユーザ情報IF1が、ユーザBのユーザ情報IF1とユーザCのユーザ情報IF1とにそれぞれ関連付けられている。本実施形態では、ユーザAのユーザ情報IF1に関連付けられているユーザB,Cのユーザ情報IF1が関連ユーザ情報IF3に相当し、当該ユーザB,Cが関連ユーザに相当する。なお、ユーザ同士の関連付けは、一方のユーザから他方のユーザに対して関連付けを許容することを求める申請を送信し、他方のユーザがこれを承認することによって、互いのユーザリストに相手ユーザが登録される形態であってもよい(いわゆる「フレンド型」)。また、一方のユーザが他方のユーザを一方的に選択することによって、相手ユーザの承認なしに当該一方のユーザのユーザリストに相手ユーザが登録される形態であってもよい(いわゆる「フォロー型」)。後者の場合、互いのユーザリストに相手ユーザが登録されることを条件に、関連ユーザであると判定しても良い(いわゆる「相互フォロー」)。
【0068】
4.2.アイテム情報IF2について
図5は、アイテム情報IF2の一例を示す図である。ここでは、アイテム情報IF2には、通常アイテムに関する情報が格納されているが、特殊アイテムに関する情報もともに格納されていてもよい。アイテム情報IF2は、アイテム名と、当該アイテムの対価と、当該アイテムに対して設定された変更条件(本実施形態では参照パラメータと数値範囲)と、変更条件が満たされている場合における変更処理の内容(変更内容)とを含む。なお、アイテム情報IF2は図示されている情報以外の情報を含んでいてもよく、例えば、当該アイテムの内容を含んでいる。
【0069】
1つの種類のアイテムである「アイテム1」には、参照パラメータとして「課金回数」が設定されている。課金回数は、ユーザによって過去に行われた購入処理の回数の一例である。当該「課金回数」が対応する数値範囲(3以上)に含まれる場合、変更部232は、「アイテム1」に関する変更条件が満たされていると判定し、対応する変更内容に規定されている処理を実行する。これにより、変更部232は、「アイテム1」の対価を減額した上で、通常ショップ画面IM3を介してユーザにアイテム情報IF2を提示する。
【0070】
1つの種類のアイテムである「アイテム2」には、参照パラメータとして「課金が行われた週の数」が設定されている。「課金が行われた週の数」は、所定期間(一週間)のうちに購入処理が行われた回数を示し、購入処理が行われた頻度の一例である。「課金が行われた週の数」が、対応する数値範囲(3以上)に含まれる場合、提示部233は、「アイテム2」に関する変更条件が満たされていると判定し、対応する変更内容に規定されている処理を実行する。これにより、変更部232は、「アイテム2」のパラメータを変更した上で、通常ショップ画面IM3を介してユーザにアイテム情報IF2を提示する。当該パラメータは、例えば、アイテム2を使用することによってユーザがゲーム内で得られるメリットが大きくなるように変更される。
【0071】
複数種類のアイテムを含むアイテムセットである「セット1」、「セット2」、および「セット3」には、参照パラメータとして「所定期間内で購入したアイテムの対価の最大値」が設定されている。当該参照パラメータは、所定期間におけるユーザに対して実行された購入処理の対価の最大値(すなわち最大購入対価)の一例である。当該参照パラメータに対する数値範囲には、対応するアイテムの対価に応じて上限値と下限値とが設定されている。下限値は、本実施形態における最大購入対価が対象対価である場合における基準値の一例である。
【0072】
具体的には、「セット1」の数値範囲には、その対価(1200円)に応じて下限値が500円となり、上限値が1199円(「セット1」の対価未満の値)となるように設定されている。「セット2」の数値範囲には、その対価(3500円)に応じて、下限値が1200円(「セット1」の対価と等しい。)となり、上限値が3499円(「セット2」の対価未満の値)となるように設定されている。「セット3」の数値範囲には、その対価(12000円)に応じて、下限値が3500円(「セット2」の対価と等しい。)となり、上限値が11999円(「セット3」の対価未満)となるように設定されている。このように、あるアイテムに対応する数値範囲の上限値は、当該アイテムの次に高い対価を有するアイテムの対価未満となるように設定されている。
【0073】
本実施形態では、あるアイテムの下限値は、当該アイテムの次に低い対価を有するアイテムの対価以上となるように設定されており、その結果、当該下限値に対するアイテムの対価がおおよそ2倍から3倍の範囲となる。なお、当該下限値に対する最大購入対価の比は1より大きければ5に限られず任意であり、具体的には例えば、1.2,1.4,1.6,1.8,2,2.2,2.4,2.6,2.8,3,3.2,3.4,3.6,3.8,4,4.2,4.4,4.6,4.8,5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。言い換えれば、変更部232は、最大購入対価が所定の基準値としての下限値以上の場合に、最大購入対価より大きく当該下限値の5倍以下の対価が要求される通常アイテムの少なくとも1つを対象アイテムとして決定する。このような構成によれば、よりユーザの資力に即した通常アイテムが対象アイテムとして決定されるため、最大値より大きい対価が要求される通常アイテムの購入処理を行う際に生じ得るユーザの抵抗感を低減することができる。したがって、新たな通常アイテムを購入することによるゲーム内での新たなユーザ体験を促進することができる。なお、上記比はあくまで例示であり、5より大きくてもよい。なお、上記変更処理等により、通常アイテムの対価が一時的に減額(変更)される場合、当該数値範囲は変更後の対価に応じて設定されてもよい。これにより、通常アイテムの対価の変更によるユーザによる購買意欲をさらに高めることができる。
【0074】
また、あるアイテムに設定される数値範囲の下限値は、ユーザによるゲームの進行状況や購入情報(課金状況等)に応じて異なるように設定されてもよい。制御部23は、例えば、ゲームの進行状況や購入情報等に基づいて、ゲームの進行に対するユーザの熱意が高いと判定される場合には下限値を小さく設定し、当該熱意が低いと判定される場合には下限値を大きくなるように、下限値を設定することが好ましい。高い対価を有するアイテムに対するユーザの購入意欲は、ユーザの熱量が高くなるにつれて強くなる傾向があると考えられるため、これにより、よりユーザの需要に即したアイテムを推奨し得る。逆に、高い対価を有するアイテムに対するユーザの購入意欲は、ユーザの熱量が低くなるにつれて弱くなる傾向があると考えられるため、これにより、過剰なアイテムの推奨を抑制することによってゲーム体験を改善し得る。ゲームの進行状況は、例えば所定の期間内におけるクエストのプレイ回数、クリア回数、クリアに失敗した場合におけるコンティニュー回数、アイテムの使用頻度、アイテムの使用個数などが含まれる。この場合、アイテムは課金に応じてユーザ情報IF1に付与されるアイテムであっても良いし、ゲームの進行に応じてユーザ情報IF1に無償で付与されるアイテムであっても良い。課金状況は、前述の課金回数や課金頻度、課金金額の最大値や累計値が含まれ、例えば上述した購入情報から抽出され得る。例えば、所定期間における課金金額の最大値が同じユーザであっても、課金回数、課金頻度、課金金額の累計値などが大きいユーザの方が、ゲームの進行に対する熱量が高いと判定される。同様に、あるアイテムの上限値を上述のように変動させるようにしてもよい。この場合、ゲームの進行に対する熱量が高いほど上限値を低く設定してもよい。これにより、実際の課金金額に対してより高価なアイテムをより効果的に推奨し得る。なお、課金回数、課金頻度、および課金金額は、それぞれ、上記情報処理におけるユーザによる購入処理の回数、頻度、および対価(特に購入最大対価)の一例である。
【0075】
4.3.メニュー画面IM1について
図6は、アクティビティA2にて表示されるメニュー画面IM1の一例を示す図である。メニュー画面IM1は、ガチャボタンB1と、クエストボタンB2と、ショップボタンB3と、オファーボタンB4とを含む。ガチャボタンB1は、ゲーム内通貨の消費によって確率的にユーザ情報IF1にキャラクタ、アイテム等のゲーム媒体を付与するゲームを行うためのボタンである。クエストボタンB2は、ゲームを実行し、これによりゲームを進行させるための処理を行うためのボタンである。ショップボタンB3は、ユーザの操作によって通常ショップ要求を生成するためのボタンである。オファーボタンB4は、ユーザの操作によってオファーショップ要求を生成するためのボタンである。メニュー画面IM1が表示されている状態でショップボタンB3が操作された場合、処理がアクティビティA3に進み、選択画面IM2が表示される。メニュー画面IM1は、例えばユーザがゲームにログインした際に最初に表示される画面であり、ホーム画面とも称される。
【0076】
4.4.選択画面IM2について
図7は、アクティビティA3にて表示される選択画面IM2の一例を示す図である。選択画面IM2は、ユーザからの購入方法の指定を受け付けるための画面であり、課金ボタンB31と、ゲーム内通貨ボタンB32とを含む。課金ボタンB31は、ユーザが購入方法としてゲーム外通貨の指定を行うためのボタンである。ゲーム内通貨ボタンB32は、ユーザが購入方法としてゲーム内通貨の指定を行うためのボタンである。課金ボタンB31またはゲーム内通貨ボタンB32が操作された場合、指定された購入方法に対応する通常ショップ画面IM3が表示される。
【0077】
4.5.変更処理が行われない場合に表示される通常ショップ画面IM3について
図8は、変更処理が行われていない場合にアクティビティA6にて表示される通常ショップ画面IM3の一例を示す図である。通常ショップ画面IM3は、ユーザが通常アイテムの少なくとも一部を一覧可能な視覚情報5を含む。これにより、提示部233はユーザが通常アイテムの少なくとも一部を一覧可能な視覚情報5を提示する。視覚情報5は、3つのアイテムセット領域51と、4つの単独アイテム領域52とを含み、ユーザは、各領域51,52に対する操作を行うことにより、当該領域51,52に対応するアイテムをユーザ情報IF1に対応付けるような、購入処理の指令を生成することができ、おれにより、取得部231は、ユーザからの購入処理の指令を取得することができる。その後、指令に対応するアイテムの購入処理が行われ、ユーザ情報IF1に当該アイテムが付与される。その後、ユーザの購入情報が更新される。変更処理が行われた場合における通常ショップ画面IM3については、後述される。
【0078】
4.6.オファーショップ画面IM4について
図9は、アクティビティA11にて表示されるオファーショップ画面IM4の一例を示す図である。オファーショップ画面IM4は、期間限定でアクセス可能であり、通常ショップ画面IM3と別個の画面である。オファーショップ画面IM4は、複数の特別アイテム領域6を含む。特別アイテム領域6のそれぞれには、当該領域の順序を示す番号(1,2,3,4,...)と、特別アイテムの内容と、特別アイテムの対価に関する情報とが表示されている。ユーザは、特別アイテム領域6を操作し、その対価を支払うように購入処理を行うことで、当該特別アイテム領域6に表示されている特別アイテムをユーザ情報IF1に対応付けることができる。なお、特別アイテムの対価の少なくとも1つは0、すなわちゲーム外通貨の支払いやゲーム内通貨の消費を要することなく獲得可能に構成されている。また、特別アイテムの対価の少なくとも1つは、ゲーム外通貨によって規定されている。ある特別アイテム領域6に対応する特別アイテムが獲得され、ユーザ情報IF1に対応付けられた場合、当該特別アイテム領域6の次の番号の他の特別アイテム領域6に対する操作が許容される。そのため、ユーザは、特別アイテムを当該領域に対応する番号の順に獲得することができる。本実施形態では、特別アイテムの対価が無償のものとゲーム外通貨を要するものとが混在するため、ユーザの、ゲーム外通貨を用いたアイテムの購入意欲をより高めることができる。当該特別アイテムの対価が、ゲーム外通貨を要するものである場合、その購入処理の結果は、購入情報に格納される。
【0079】
4.7.変更処理が行われた場合に表示される通常ショップ画面IM3について
図10は、変更処理が行われた場合にアクティビティA6にて表示される通常ショップ画面IM3の一例である。本実施形態では、ユーザAの購入情報に基づき「セット1」が対象アイテムとして決定され、ユーザAの関連ユーザであるユーザBの購入情報(関連購入情報)に基づき「セット2」が対象アイテムとして決定され、ユーザAの関連ユーザであるユーザCの購入情報(関連購入情報)に基づき「セット3」が対象アイテムとして決定された場合について説明する。
【0080】
この場合、対象アイテムとして決定されたアイテムに対応付けられた態様で、促進表示7が生成される。促進表示7は、ユーザAに対して対象アイテムの購入を促す表示である。ここでは、ユーザA本人の購入情報に基づく促進表示7を第1促進表示71といい、ユーザA以外の関連ユーザB,Cの購入情報に基づく促進表示7を第2促進表示72という。第1促進表示71は、「あなたにオススメ」という表示を含み、ユーザA本人に対して直接的に「セット1」というアイテムの購入を促す。
【0081】
第2促進表示72は、ユーザ間のユーザランクの差に応じて異なる表示態様となるように構成される。本実施形態では、ユーザAと関連ユーザBとの間のユーザランクの差が所定値以下であり、ユーザAと関連ユーザCとの間のユーザランクの差が当該所定値より大きい場合について説明する。この場合、例えば、関連ユーザBに対応する第2促進表示72は、「同ランク帯のフレンドBさんへのオススメ」というように、当該ユーザランクの差が小さい関連ユーザB対して、「セット2」というアイテムの購入が促されていることをユーザAに対して提示するように表示される。一方、関連ユーザCに対応する第2促進表示72は、「上位ランクのフレンドCさんへのオススメ」というように、当該ユーザランクの差が大きい関連ユーザC対して、「セット3」というアイテムの購入が促されていることをユーザAに対して提示する。
【0082】
このとき、第1促進表示71および当該第1促進表示71に対応するアイテムセット領域51は、第2促進表示72および当該第2促進表示72に対応するアイテムセット領域51に比べて優先的にユーザに対して提示される。具体的には、第1促進表示71および当該第1促進表示71に対応するアイテムセット領域51は、第2促進表示72よりも左に配置され、第2促進表示72および当該第2促進表示72に対応するアイテムセット領域51より左に配置され、ユーザAが視認しやすいように構成される。これにより、他の関連ユーザに対してオススメされているアイテムより、自己にオススメされているアイテムの購入を促すことができる。なお、これらの促進表示7に対応付けられているアイテムセット領域51は、他のアイテムセット領域51および他の単独アイテム領域52に比べて優先的に表示され、当該他のアイテムセット領域51および他の単独アイテム領域52より左に位置するように配置される。これにより、ユーザに対してアイテム情報IF2を提示するための視覚情報5の表示態様が変更される。
【0083】
なお、本実施形態では変更処理の有無によってアイテムセット領域51および単独アイテム領域52の表示順に変更はないが、対象アイテムによってはこれらの表示順序が変更され、対象アイテムに対応するアイテムセット領域51および単独アイテム領域52が優先的に表示される。これにより、ユーザのゲーム外通貨を用いて通常アイテムを購入する購入意欲をより増進することができる。なお、優先的な表示とは、表示順序の変更に限られず、対象アイテムに対応するアイテムセット領域51または単独アイテム領域52の表示態様(例えば、色、輪郭、文字の大きさ、文字のフォントなど)を変更することを含み得る。
【0084】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0085】
通常アイテムは、購入情報等の種々の情報に応じて購入処理の実行されるように構成されていてもよい。言い換えれば、通常アイテムは、特別アイテムと同様に、所定の許容条件が満たされる場合にユーザに対して提示され、その購入処理の実行が許容されるように構成されていてもよい。このとき、通常アイテムに対して設定される許容条件は、特別アイテムに対して設定されている許容条件と異なり、期限の経過などによって事後的にユーザに対する提示が禁止されないように設定されることが好ましい。
【0086】
上記情報処理は、ゲーム外通貨によるアイテムの購入を行う場合に限られず、ゲーム内通貨によるアイテムの購入を行う場合においても適用可能である。これにより、ゲーム内通貨の消費を促し、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0087】
情報またはデータ(以下「情報等」と言う)の出力先は、他の装置、ディスプレイ、記憶部(内蔵の記憶部および外部の記憶部を含む)等であってもよい。情報等の取得には、他の装置から送信されてきた情報等を取得する態様に加え、自装置で生成された情報等を取得する態様を含む。パラメータを対応付けたテーブルは、図示したテーブルに限らず、パラメータの数を少なくしたり多くしたりしてもよい。また、テーブルを用いずに、数式または条件式等によりパラメータに応じた情報等を求めてもよい。
【0088】
情報処理システム1に含まれる装置のうちの少なくとも1つは、日本国外に設置されていてもよい。
【0089】
情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0090】
上記実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0091】
上述した実施形態の態様は、情報処理装置であってもよい。その情報処理システム1は、情報処理方法の各部がなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える。また、上述した実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、同様の情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、情報処理方法の各ステップを実行させる。
【0092】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0093】
(1)情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、次の各ステップを含み、取得ステップでは、ユーザに提示される、ゲーム内で使用可能な第1アイテムに関するアイテム情報と、前記ユーザによって過去に実行された購入処理に関する購入情報と、を取得し、ここで、前記購入処理は、前記ユーザの指定に基づき、前記ユーザに対して指定された第1アイテムを付与するための処理を含み、前記アイテム情報は、前記購入処理を実行するために前記ユーザに対して要求される対価に関する情報を含み、前記対価は、前記ゲーム外で流通する通貨であるゲーム外通貨によって規定され、変更ステップでは、前記購入情報に基づき、前記ユーザに対して提示される前記アイテム情報を変更する、情報処理方法。
【0094】
このような構成によれば、ユーザが過去にゲーム外通貨を支払うことによって行った購入処理に基づき、ゲーム外通貨による第1アイテムのアイテム情報を変更する。これにより、ゲーム内でゲーム外通貨を支払うことによって行った購入処理をより好適に促進することができる。
【0095】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記第1アイテムは、前記購入情報によらず前記ユーザに対して提示されるアイテムである、情報処理方法。
【0096】
このような構成によれば、ユーザが第1アイテムのアイテム情報の変更内容を変更前の状態から判別しやすくなるため、よりゲーム外通貨を用いた購入処理をより好適に促進することができる。
【0097】
(3)上記(1)または(2)に記載の情報処理方法において、前記変更ステップでは、前記購入情報に基づき前記第1アイテムのうちの少なくとも1つである対象アイテムを決定し、前記アイテム情報のうち、前記対象アイテムに関する情報を変更する、情報処理方法。
【0098】
このような構成によれば、ユーザによるゲーム外通貨を用いたアイテムの購入に基づくアイテム情報の変更により、対象アイテムがユーザの注意を引きやすくなる。したがって、ゲーム外通貨の購入処理をより好適に促進することができる。
【0099】
(4)上記(3)に記載の情報処理方法において、前記変更ステップでは、対象対価と、前記第1アイテムの対価とに基づき前記対象アイテムを決定し、ここで、前記対象対価は、前記ユーザに対して実行された前記購入処理の対価の1つである、情報処理方法。
【0100】
このような構成によれば、ユーザの資力に応じた適切な対価の第1アイテムが対象アイテムとして決定される。そのため、ゲーム外通貨の購入処理に対するユーザの抵抗感を減らし、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0101】
(5)上記(4)に記載の情報処理方法において、前記対象対価は、所定期間における前記ユーザに対して実行された前記購入処理の対価の最大値であり、前記変更ステップでは、前記最大値より大きい対価が要求される前記第1アイテムの少なくとも1つを前記対象アイテムとして決定する、情報処理方法。
【0102】
このような構成によれば、ユーザに対して過去に購入した第1アイテムより大きい対価が要求されるアイテムの購入意欲を増進し、ゲーム内での新たなユーザ体験を促進することができる。
【0103】
(6)上記(5)に記載の情報処理方法において、前記変更ステップでは、前記最大値が所定の基準値以上の場合に、前記最大値より大きく当該基準値の5倍以下の対価が要求される第1アイテムの少なくとも1つを対象アイテムとして決定する、情報処理方法。
【0104】
このような構成によれば、よりユーザの資力に即した第1アイテムが対象アイテムとして決定されるため、最大値より大きい対価が要求される第1アイテムの購入処理を行う際に生じ得るユーザの抵抗感を低減することができる。したがって、新たな第1アイテムを購入することによるゲーム内での新たなユーザ体験を促進することができる。
【0105】
(7)上記(3)~(6)の何れか1つに記載の情報処理方法において、さらに一覧提示ステップでは、前記ユーザが前記第1アイテムの少なくとも一部を一覧可能な視覚情報を提示させ、前記変更ステップでは、前記視覚情報における前記対象アイテムの提示態様を変更する、情報処理方法。
【0106】
このような構成によれば、ユーザが第1アイテムのなかから対象アイテムを視覚的に判別しやすくなるため、ユーザが対象アイテムを購入することを促進することができる。
【0107】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記アイテム情報は、さらに、前記第1アイテムと異なる第2アイテムに関する情報を含み、前記第2アイテムは、所定の許容条件を満たす場合に当該第2アイテムの購入処理の実行が許容されるように構成され、前記購入処理は、さらに、前記ユーザの指定に基づき、前記ユーザに対して指定された前記第2アイテムを付与するための処理を含み、前記変更ステップでは、前記購入情報に基づき、前記アイテム情報のうち、前記第1アイテムに関する情報を変更し、前記第2アイテムに関する情報を変更しない、情報処理方法。
【0108】
このような構成によれば、許容条件が満たされている間に第2アイテムに対して購入処理を反映させた上で、第1アイテムの購入処理が促される。したがって、第1アイテムの購入処理を行うことに対するユーザの抵抗感をより低減することができる。
【0109】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記変更ステップでは、前記対価が一時的に変更されている場合において前記購入処理が行われたとき、変更前の前記対価に基づき前記アイテム情報を変更する、情報処理方法。
【0110】
このような構成によれば、対価の変更に伴う制御の複雑化を抑制することができる。
【0111】
(10)上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記取得ステップでは、前記ユーザとは異なる関連ユーザによって過去に実行された購入処理に関する関連購入情報を取得し、ここで、前記関連ユーザのユーザ情報は、前記ユーザのユーザ情報と関連付けられており、前記変更ステップでは、さらに前記関連購入情報に基づき前記ユーザに提示される前記アイテム情報を変更する、情報処理方法。
【0112】
このような構成によれば、ユーザと関連性のある関連ユーザの購入情報が、ユーザのアイテム情報に反映される。したがって、よりユーザの購入処理に対する抵抗感を低減することができる。
【0113】
(11)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0114】
このような構成によれば、ゲーム内でゲーム外通貨を支払うことによって行った購入処理をより好適に促進することができる。
【0115】
(12)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【0116】
このような構成によれば、ゲーム内でゲーム外通貨を支払うことによって行った購入処理をより好適に促進することができる。
もちろん、この限りではない。
【0117】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :取得部
232 :変更部
233 :提示部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5 :視覚情報
51 :アイテムセット領域
52 :単独アイテム領域
6 :特別アイテム領域
7 :促進表示
71 :第1促進表示
72 :第2促進表示
B1 :ガチャボタン
B2 :クエストボタン
B3 :ショップボタン
B31 :課金ボタン
B32 :ゲーム内通貨ボタン
B4 :オファーボタン
D1 :ユーザデータ
IF1 :ユーザ情報
IF2 :アイテム情報
IF3 :関連ユーザ情報
IM1 :メニュー画面
IM2 :選択画面
IM3 :通常ショップ画面
IM4 :オファーショップ画面