(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132072
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】作業量情報修正方法、作業量情報修正システムおよび作業量情報修正プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042721
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 直也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】圃場で所定の対象に対する作業を行う作業装置の作業領域を自動的に検出しつつ、作業領域における作業量を精度よく算出する。
【解決手段】作業量情報修正方法は、作業装置(2)が圃場(9)内で作業を行いながら通過した複数の測位点(81、82、83)の位置情報と、作業の対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得すること(S1)と、作業を行った作業領域(71、72)の位置および範囲を算出し、複数の測位点のうち、それぞれの作業領域に含まれる有効測位点(81)における作業量の総和を作業領域総作業量として算出し、圃場の作業量の総和を圃場総作業量として算出すること(S2)と、作業領域総作業量の総和と、圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、複数の測位点のうち、作業領域の外にある無効測位点(82、83)における作業量に基づいて、作業領域ごとの作業領域総作業量を修正すること(S4)とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置が圃場内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点のそれぞれにおける、前記作業装置の位置を測定した位置情報と、前記対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得することと、
前記位置情報に基づいて、前記作業の開始および終了で区切られる作業領域のそれぞれの位置および範囲を算出することと、
前記作業量情報に基づいて、前記複数の測位点のうち、それぞれの前記作業領域に含まれる有効測位点における前記作業量の総和を、前記それぞれの作業領域の作業領域総作業量として算出することと、
前記作業量情報に基づいて、前記作業量の総和を、圃場総作業量として算出することと、
前記それぞれの作業領域の前記作業領域総作業量の総和と、前記圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、前記複数の測位点のうち、前記作業領域の外にある無効測位点における前記作業量に基づいて、前記作業領域ごとの前記作業領域総作業量を修正することと、
修正した前記作業領域総作業量を表す情報を外部に出力することと、
を含む
作業量情報修正方法。
【請求項2】
請求項1に記載の作業量情報修正方法において、
前記修正することは、
それぞれの前記無効測位点における前記作業量を、前記それぞれの前記無効測位点に最も近い前記作業領域の前記作業領域総作業量に加算すること
を含む
作業量情報修正方法。
【請求項3】
請求項1に記載の作業量情報修正方法において、
前記修正することは、
前記無効測位点のうち、前記作業量が所定の閾値を超える無効測位点のそれぞれを、前記それぞれの無効測位点に最も近い前記作業領域に追加することと、
前記無効測位点を追加した前記作業領域の前記作業領域総作業量に、前記無効測位点の前記作業量を加算することと、
を含む
作業量情報修正方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の作業量情報修正方法において、
前記作業領域の境界は、前記複数の測位点のうち、前記作業の前記開始から前記終了までの間に前記作業装置が通過した測位点の凸包または凹包であり、
前記作業領域のうち、前記無効測位点から前記境界までの距離が最も短い前記作業領域を、前記無効測位点に最も近い前記作業領域として選択すること
をさらに含む
作業量情報修正方法。
【請求項5】
請求項2または3に記載の作業量情報修正方法において、
前記作業領域のうち、前記無効測位点で前記位置を測定した第1測位時刻に最も近い第2測位時刻に前記位置を測定した前記有効測位点を含む作業領域を、前記無効測位点に最も近い前記作業領域として選択すること
をさらに含む
作業量情報修正方法。
【請求項6】
請求項1に記載の作業量情報修正方法において、
前記取得することは、
前記位置情報に含まれ、前記測位点の位置を測定した測位時刻を表す測位時刻情報に基づいて、前記測位時刻が連続する2つの前記測位点の間で前記作業装置が移動した移動速度を算出すること
を含み、
前記作業装置が前記作業を行うときに前記移動速度が含まれる範囲を、作業中速度範囲として設定すること
をさらに含み、
前記作業領域の前記位置および前記範囲を算出することは、
前記複数の測位点のうち、前記作業量が存在し、かつ、前記移動速度が前記作業中速度範囲に含まれる測位点を、前記有効測位点として抽出すること
を含み、
前記修正することは、
前記無効測位点のうち、前記作業量が存在する無効測位点の少なくとも一部が前記有効測位点として抽出されるように、前記作業中速度範囲を拡張することと、
拡張された前記作業中速度範囲に基づいて、前記有効測位点の抽出と、前記作業領域の前記位置および前記範囲の算出と、前記作業領域の前記作業領域総作業量の算出とを改めて実行することと
を含む
作業量情報修正方法。
【請求項7】
請求項1に記載の作業量情報修正方法において、
前記対象は、作物であり、
前記作業は、前記作物を収穫する収穫作業であり、
前記作業量は、前記作業装置が収穫した前記作物を計量した収量である
作業量情報修正方法。
【請求項8】
請求項1に記載の作業量情報修正方法において、
前記対象は、農薬であり、
前記作業は、前記農薬を散布する防除作業であり、
前記作業量は、前記作業装置が散布した前記農薬の散布量またはタンク内残存量を計量した農薬増減量である
作業量情報修正方法。
【請求項9】
請求項1に記載の作業量情報修正方法において、
前記対象は、肥料であり、
前記作業は、前記肥料を散布する施肥作業であり、
前記作業量は、前記作業装置が散布した前記肥料を計量した施肥量である
作業量情報修正方法。
【請求項10】
作業装置が圃場内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点のそれぞれにおける、前記作業装置の位置を測定した位置情報と、前記対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得し、
前記位置情報に基づいて、前記作業の開始および終了で区切られる作業領域のそれぞれの位置および範囲を算出し、
前記作業量情報に基づいて、前記複数の測位点のうち、それぞれの前記作業領域に含まれる有効測位点における前記作業量の総和を、前記それぞれの作業領域の作業領域総作業量として算出し、
前記作業量情報に基づいて、前記作業量の総和を、圃場総作業量として算出する取得部と、
前記それぞれの作業領域の前記作業領域総作業量の総和と、前記圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、前記複数の測位点のうち、前記作業領域の外にある無効測位点における前記作業量に基づいて、前記作業領域ごとの前記作業領域総作業量を修正する修正部と、
修正した前記作業領域総作業量を表す情報を外部に出力する出力部と、
を備える
作業量情報修正システム。
【請求項11】
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための作業量情報修正プログラムであって、
前記処理は、
作業装置が圃場内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点のそれぞれにおける、前記作業装置の位置を測定した位置情報と、前記対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得することと、
前記位置情報に基づいて、前記作業の開始および終了で区切られる作業領域のそれぞれの位置および範囲を算出することと、
前記作業量情報に基づいて、前記複数の測位点のうち、それぞれの前記作業領域に含まれる有効測位点における前記作業量の総和を、前記それぞれの作業領域の作業領域総作業量として算出することと、
前記作業量情報に基づいて、前記作業量の総和を、圃場総作業量として算出することと、
前記それぞれの作業領域の前記作業領域総作業量の総和と、前記圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、前記複数の測位点のうち、前記作業領域の外にある無効測位点における前記作業量に基づいて、前記作業領域ごとの前記作業領域総作業量を修正することと、
修正した前記作業領域総作業量を表す情報を外部に出力することと、
を含む
作業量情報修正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業量情報修正方法、作業量情報修正システムおよび作業量情報修正プログラムに関し、例えば、圃場で行った作業の対象を計量した作業量を表す作業量情報を修正する処理に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2022-30855号公報)には、作業管理システムが開示されている。この作業管理システムによれば、収穫機などの作業機械が圃場内を移動しながら作物の収穫などの作業を実行したとき、作業機械が移動した複数の位置の位置情報を取得し、圃場のうち作業機械が作業を実行した作業領域を位置情報に基づいて算出することができる。また、これら複数の位置において作物を収穫した収量などの作業情報を取得し、作業領域の収量を算出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、作業機械が圃場内を移動するときには収穫作業などの作業を実行していることが前提とされている。しかしながら、実際には、作業機械が圃場内を移動するときに作業を実行していない場合もある。一般的に、作業機械が圃場内を移動する速度は、作業を実行しているかいないかで異なる。そこで、作業中の移動速度範囲と、作業を行っていないときの移動速度範囲とを予め設定しておけば、作業機械の測位点ごとの移動速度に基づいて、圃場のうち作業機械が移動しながら作業を実行した作業領域を検出することができる。
【0005】
その一方で、圃場における作物の育成状況の分布や、作業機械を操作する作業者に特有の作業能力の違いなどにより、作業の実行中に、予め設定していた作業中の移動速度範囲から作業機械の移動速度が外れる場合がある。このような場合には、作業が行われた測位点が作業領域として検出されない可能性がある。また、収穫作業が行われた測位点が作業領域として検出されないとき、その測位点における収量が作業領域の総収量に含まれないという不具合が発生する可能性がある。
【0006】
上記状況に鑑み、本開示は、圃場において所定の対象に対する作業を行う作業装置の作業領域を自動的に検出しつつ、作業領域における作業量を精度よく算出するための作業量情報修正方法、作業量情報修正システムおよび作業量情報修正プログラムを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
一実施形態によれば、作業量情報修正方法は、作業装置(2)が圃場(9)内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点(81、82、83)のそれぞれにおける、作業装置(2)の位置を測定した位置情報と、対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得すること(S1)を含む。作業量情報修正方法は、さらに、位置情報に基づいて、作業量作業の開始および終了で区切られる作業領域(71、72)のそれぞれの位置および範囲を算出すること(S2)を含む。作業量情報修正方法は、さらに、作業量情報に基づいて、複数の測位点(81、82、83)のうち、それぞれの作業領域(71、72)に含まれる有効測位点(81)における作業量の総和を、それぞれの作業領域(71、72)の作業領域総作業量として算出すること(S2)を含む。作業量情報修正方法は、さらに、作業量情報に基づいて、作業量の総和を、圃場総作業量として算出すること(S2)を含む。作業量情報修正方法は、さらに、それぞれの作業領域の作業領域総作業量の総和と、圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、複数の測位点(81、82、83)のうち、作業領域(71、72)の外にある無効測位点(82、83)における作業量に基づいて、作業領域(71、72)ごとの作業領域総作業量を修正すること(S4)を含む。作業量情報修正方法は、さらに、修正した作業領域総作業量を表す情報を外部に出力すること(S5)を含む。
【0009】
一実施形態によれば、作業量情報修正システム(1)は、取得部(521)と、修正部(522)と、出力部(523)とを備える。取得部(521)は、作業装置(2)が圃場(9)内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点(81、82、83)のそれぞれにおける、作業装置(2)の位置を測定した位置情報と、対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得する。取得部(521)は、さらに、位置情報に基づいて、作業の開始および終了で区切られる作業領域(71、72)のそれぞれの位置および範囲を算出する。取得部(521)は、さらに、作業量情報に基づいて、複数の測位点(81、82、83)のうち、それぞれの作業領域(71、72)に含まれる有効測位点(81)における作業量の総和を、それぞれの作業領域(71、72)の作業領域総作業量として算出する。取得部(521)は、さらに、作業量情報に基づいて、作業量の総和を、圃場総作業量として算出する。修正部(522)は、それぞれの作業領域(71、72)の総作業量の総和と、圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、複数の測位点(81、82、83)のうち、作業領域(71、72)の外にある無効測位点(82、83)における作業量に基づいて、作業領域(71、72)ごとの作業領域総作業量を修正する。出力部(523)は、修正した作業領域総作業量を表す情報を外部に出力する。
【0010】
一実施形態によれば、作業量情報修正プログラムは、演算装置(52)に実行させることによって所定の処理を実現するための作業量情報修正プログラムであって、この処理は、作業装置(2)が圃場(9)内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点(81、82、83)のそれぞれにおける、作業装置(2)の位置を測定した位置情報と、対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得すること(S1)を含む。この処理は、さらに、位置情報に基づいて、作業の開始および終了で区切られる作業領域(71、72)のそれぞれの位置および範囲を算出すること(S2)を含む。この処理は、さらに、作業量情報に基づいて、複数の測位点(81、82、83)のうち、それぞれの作業領域(71、72)に含まれる有効測位点(81)における作業量の総和を、それぞれの作業領域(71、72)の作業領域総作業量として算出すること(S2)を含む。この処理は、さらに、作業量情報に基づいて、作業量の総和を、圃場総作業量として算出すること(S2)を含む。この処理は、さらに、それぞれの作業領域の作業領域総作業量の総和と、圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、複数の測位点(81、82、83)のうち、作業領域(71、72)の外にある無効測位点(82、83)における作業量に基づいて、作業領域(71、72)ごとの作業領域総作業量を修正すること(S4)を含む。この処理は、さらに、修正した作業領域総作業量を表す情報を外部に出力すること(S5)を含む。
【発明の効果】
【0011】
一実施形態によれば、作業を行う作業装置の作業領域を自動的に検出しつつ、作業領域における作業量を精度よく算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態による作業量情報修正システムの一構成例を表す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による作業量情報修正装置の一構成例を表すブロック回路図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による作業量情報修正方法の処理の一例を表すフローチャートである。
【
図4】
図4は、一実施形態による作業量情報修正方法で作業量情報を修正する前の作業領域および測位点について説明するための図である。
【
図5】
図5は、一実施形態による作業量情報修正方法で判定測位点の作業量を適切な作業領域の作業領域総作業量に加算する処理について説明するための図である。
【
図6】
図6は、一実施形態による作業量情報修正方法で判定測位点を適切な作業領域に追加する処理について説明するための図である。
【
図7】
図7は、一実施形態による作業量情報修正方法で判定測位点の集合に注目する処理について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本開示による作業量情報修正方法、作業量情報修正システムおよび作業量情報修正プログラムを実施するための形態を以下に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1に示すように、一実施形態による作業量情報修正システム1は、作業量情報修正装置5を備えている。作業量情報修正システム1は、さらに、搭載端末3および/または外部端末6を含んでいてもよい。
【0015】
搭載端末3は、作業装置2に搭載される。作業装置2は、圃場9で地上を移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機や防除用のスプレーヤなどを牽引するトラクター、収穫専用機であるコンバイン、野菜収穫機、防除専用機としてのスプレーヤなどを含む。作業装置2は、さらに、圃場9の上方を飛行しながら農作業を行うドローンなどを含んでもよい。以降、作業装置2が圃場9で作物の収穫作業を行う場合について説明するが、これは一例にすぎず、本実施形態はこの例に限定されない。
【0016】
外部端末6は、通信機能、表示機能および入力機能を有するスマートフォンやタブレット端末などを含んでもよい。
【0017】
作業量情報修正装置5と、搭載端末3と、外部端末6とは、ネットワーク4を介した無線通信および/または有線通信によって各種情報の送受信を行う。一例として、搭載端末3は、作業装置2が圃場9内で移動しながら作業したときに通過した複数の地点の位置をGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)などで測定した位置情報を含む作業情報を、ネットワーク4を介して、作業量情報修正装置5へ送信する。このように位置を測定した地点は、測位点とも呼ばれる。作業情報は、さらに、測位点ごとに作業装置2が作業を行った対象を計量した作業量を含んでもよい。一例として、対象とは作物であり、作業とは作物を収穫する収穫作業であり、作業量は収穫した作物を計量した収量である。作業量情報修正装置5は、受信した作業情報を記録する。記録された作業情報は、作業装置2が圃場9で作業を行いながら通過した作業中測位点の位置情報および作業量情報と、作業装置2が圃場9内で作業を行わずに移動しながら通過した測位点の位置情報および作業量情報とを含んでもよい。外部端末6は、作業量情報修正装置5が送信する情報を受信して、外部端末6を操作する使用者が目視などにより確認できるように情報を出力する。
【0018】
図2に示すように、一実施形態による作業量情報修正装置5は、いわゆるコンピュータとして構成されてもよい。
図2の例において、作業量情報修正装置5は、バス51と、演算装置52と、記憶装置53と、通信装置54と、入出力装置55とを備える。バス51は、演算装置52、記憶装置53、通信装置54および入出力装置55の間の通信を実現するように構成されてもよい。
【0019】
演算装置52は、取得部521と、修正部522と、出力部523とを備える。記憶装置53は、プログラム記憶部531を備える。プログラム記憶部531は、作業量情報修正プログラムを記憶する。
【0020】
演算装置52は、作業量情報修正プログラムを実行することによって、取得部521、修正部522および出力部523のそれぞれの機能を実現する。取得部521、修正部522および出力部523のそれぞれは、演算装置52および記憶装置53が協働して実現する処理を実行する仮想的な機能ブロックである。取得部521は、搭載端末3から作業情報を受信して、作業装置2が圃場9内で通過した測位点のそれぞれにおける位置情報および作業量としての収量情報を取得する。また、取得部521は、位置情報に基づいて、圃場9のうち、作業装置2が作業を行った作業領域の位置および範囲を算出する。また、取得部521は、作業量としての収量情報に基づいて、作業領域ごとに、作業装置2が収穫した作物の総収量を総作業量として算出する。また、取得部521は、作業量としての収量情報に基づいて、圃場9で作業装置2が収穫した作物の圃場総収量を圃場総作業量として算出する。修正部522は、圃場9に含まれる作業領域の作業領域総作業量としての作業領域総収量の総和と、圃場総作業量としての圃場総収量との差が所定の閾値を超えるとき、それぞれの作業領域の総作業量情報としての総収量情報を修正する。出力部523は、それぞれの作業領域の総収量情報を総作業量情報として出力する。これらの機能ブロックのより具体的な処理については、後述する。
【0021】
作業量情報修正プログラムは、外部の記録媒体530から読み出されてプログラム記憶部531に格納されてもよい。記録媒体530は、非一時的で有形の媒体(non-transitory and tangible media)であってもよい。
【0022】
通信装置54は、ネットワーク4を介する無線通信および/または有線通信により、搭載端末3および外部端末6を含む外部の装置との通信を行う。
【0023】
入出力装置55は、使用者に情報を出力し、使用者が入力する操作を受け付ける。一例として、入出力装置55は、画像を出力する表示装置、入力を受け付けるキーボードおよび/またはマウスなどを含む。
【0024】
一例として、外部端末6も、演算装置と、記憶装置と、通信装置と、入出力装置とを備えるコンピュータとして構成されてもよい。入出力装置は、画像を出力する表示装置と、タッチ操作による入力を受け付けるタッチパッドとを一体化したタッチパネルを備えてもよい。
【0025】
図3のフローチャートを参照して、一実施形態による作業量情報修正方法の処理の一例について説明する。作業量情報修正方法の処理は、作業量情報修正装置5が起動するときに開始してもよい。このとき、作業量情報修正装置5の演算装置52が作業量情報修正プログラムを実行することによって、作業量情報修正方法の処理が実現される。
【0026】
図3のフローチャートの処理が開始すると、ステップS1が実行される。ステップS1において、
図2の取得部521が、
図1の搭載端末3から送信された作業情報を取得する。ここで、作業情報は、位置情報と、作業量情報としての収量情報とを含む。
【0027】
位置情報は、作業装置2が圃場9内で作物の収穫作業を行いながら通過した複数の地点のそれぞれにおいて作業装置2の位置を自動的に測定することによって得られる。以降、作業装置2の位置を測定した地点を測位点と呼ぶ。位置の測定は、所定の期間ごとに、例えば1分ごとに行われてもよい。一例として、位置情報は、それぞれの測位点の緯度、経度および高度と、位置を測定した測位時刻との組み合わせを表す情報を含む。
【0028】
作業量情報としての収量情報は、作業装置2に搭載された収量センサーが、それぞれの測位点において作業装置2が収穫した作物の収量を自動的に計量することによって得られる。一例として、注目している測位点における収量情報は、該測位点の一つ前に位置を測定した直前測位点から該測位点まで移動する間に収穫した作物の収量を表す。
【0029】
図3のステップS1の後、ステップS2が実行される。ステップS2において、取得部521は、作業情報に含まれる位置情報および作業量情報に基づいて、圃場9に含まれる作業領域と、作業領域で作業装置2が作業を行った対象を計量した作業量の総和である作業領域総作業量と、圃場9で作業装置2が作業を行った対象を計量した作業量の総和である圃場総作業量とを算出する。一例として、作業領域総作業量は作業領域で収穫された作物を計量した収量の総和であり、圃場総作業量は圃場で収穫された作物を計量した収量の総和である。
【0030】
作業領域は、圃場9のうち、作業装置2が収穫作業を開始してから終了するまでの間に移動した範囲である。圃場9における作物の収穫作業を途中で中断した場合は、収穫作業の開始および終了で区切られた複数の作業領域が1つの圃場9に存在してもよい。一例として、
図4に示すように、作業領域71、72は、作業装置2が作物の収穫作業を行いながら通過した複数の測位点81の凸包や凹包などとして算出される。
図4の例では、作業領域71、72の外にも測位点82、83が存在する。
【0031】
なお、作業装置2が収穫作業を行った期間は、作業装置2の移動速度に基づいて検出されてもよい。一般的に、作業装置2が圃場9内で収穫作業を行っている間の移動速度は、作業装置2が圃場9内で収穫作業を行わずに移動している間の移動速度より遅い。作業装置2が圃場9内で収穫作業を行っている間の移動速度が含まれる作業中速度範囲を、事前の実測値などに基づいて予め適切に設定することで、作業装置2の移動速度が作業中速度範囲に含まれるとき、作業装置2は収穫作業を行っていると推定することができる。なお、作業装置2の移動速度は、測位点ごとに、測位の順番が連続する2つの測位点の距離と、測位の時間間隔とに基づいて算出してもよいし、作業装置2の実際の車速を測定した車速情報として取得されてもよい。
【0032】
作業領域総作業量としての作業領域総収量は、注目している作業領域71、72に含まれる複数の測位点81のそれぞれにおいて収穫した作物の収量の総和である。
【0033】
圃場総作業量としての圃場総収量は、注目している圃場9に含まれる複数の測位点81、82、83のそれぞれにおいて収穫した作物の収量の総和である。
【0034】
ここで、注目している圃場9の圃場総作業量としての圃場総収量と、該圃場9に含まれる作業領域71、72の作業領域総作業量としての作業領域総収量の総和とが、一致しない場合がある。その理由は、圃場9に含まれる測位点81、82、83のうち、収量が存在し、かつ、圃場9に含まれるどの作業領域71、72にも含まれない測位点82、83が存在し得るからである。このような事態は、例えば、圃場9における作物の育成状況の分布や、作業機械を操作する作業者に特有の作業能力の違いなどにより、収穫作業の実行中に、予め設定していた作業中速度範囲から作業機械の移動速度が外れることによって発生し得る。圃場9に含まれる測位点81、82、83のうち、圃場9に含まれるどの作業領域71、72にも含まれない測位点82、83を、便宜上、無効測位点82、83と呼ぶ。無効測位点82、83のうち、作業量としての収量が存在する無効測位点82を、便宜上、対象測位点82と呼ぶ。作業装置2の移動速度に基づいて作業領域71、72に含まれると判定され、かつ、作業量としての収量が存在する測位点81を、有効測位点81と呼ぶ。
【0035】
図3のステップS2の後、ステップS3が実行される。ステップS3において、
図2の修正部522が、それぞれの作業領域71、72の総作業量の総和と、圃場総作業量との差が、所定の閾値を超えるか否かを判定する。判定の結果として、それぞれの作業領域71、72の総作業量の総和と、圃場総作業量との差が、所定の閾値を超える場合(Yes)、処理はステップS4へ進む。反対に、それぞれの作業領域71、72の総作業量の総和と、圃場総作業量との差が、所定の閾値を超えない場合(No)、処理はステップS5へ進む。ここで用いられる閾値は、作業領域71、72の総作業量の総和と、圃場総作業量との差として許容される誤差に合わせて適宜に設定されてもよい。
【0036】
図3のステップS4において、
図2の修正部522が、それぞれの作業領域71、72の総作業量情報を修正する。総作業量情報は、総作業量を表す情報である。修正部522は、圃場9に含まれるそれぞれの対象測位点82の作業量を、圃場9に含まれる作業領域71、72のうち、該対象測位点82に最も近い作業領域71、72の作業領域総作業量に加算する処理を行う。
【0037】
図5の例では、対象測位点82Aから見て、圃場9に含まれる作業領域71、72のうち、作業領域71の方が近いので、
図2の修正部522は
図5の対象測位点82Aの作業量としての収量を作業領域71の総作業量としての作業領域総収量に加算する。同様に、
図5の対象測位点82Bから見て、圃場9に含まれる作業領域71、72のうち、作業領域72の方が近いので、
図2の修正部522は
図5の対象測位点82Bの作業量としての収量を作業領域72の総作業量としての作業領域総収量に加算する。
図3のステップS4の後、ステップS5が実行される。
【0038】
図3のステップS5において、
図2の出力部523が、それぞれの作業領域71、72の総作業量情報を出力する。より詳細には、出力部523は、圃場9の圃場総作業量を表す総作業量情報と、作業領域71、72の作業領域総作業量を表す総作業量情報とを、通信装置54を制御して
図1の外部端末6へ送信するなどして出力する。外部端末6は、受信した各種の総作業量情報を、使用者が視認できるように表示するなどして出力する。
【0039】
図3のステップS5の後、
図3のフローチャートの処理は終了する。
【0040】
以上の説明のとおり、本実施形態によれば、作業装置2が作業を行う作業領域71、72を移動速度に基づいて自動的に検出しつつ、例外的な移動速度などの理由で作業領域71、72に含まれなかった対象測位点82の作業量を適宜に加算することによって、作業領域71、72における作業量を精度よく算出することができる。
【0041】
(変形例:収穫以外の作業への応用)
上述した実施形態では、
図1の作業装置2が圃場9で作物の収穫作業を行う場合の構成について説明した。この構成の変形例として、
図1の作業装置2が防除用のスプレーヤを牽引するトラクターや、防除専用機としてのスプレーヤなどである場合に、作業装置2は、農薬の散布を行ってもよい。この場合において、作業装置2が作業を行う対象は農薬であり、作業装置2が行う作業は農薬を散布する防除作業であり、作業量は作業装置が散布した農薬の消費量またはタンク内残存量を計量した農薬増減量である。したがって、上述した説明における収量を、農薬増減量に置き換えることで、収量を修正する場合と同様に、作業領域71、72における農薬増減量を修正して精度よく算出することができる、という作用効果が得られる。さらなる変形例として、作業装置2は、肥料の施肥作業を行ってもよい。これらの場合において、作業装置2が作業を行う対象は肥料であり、作業装置2が行う作業は肥料を散布する施肥作業であり、作業量は作業装置2が散布した肥料を計量した施肥量である。したがって、上述した説明における収量を、散布した肥料の量などに置き換えることで、収量を修正する場合と同様に、作業領域71、72における施肥量を修正して精度よく算出することができる、という作用効果が得られる。
【0042】
(変形例:別の判定方法)
上述した実施形態では、
図3のステップS3において、それぞれの作業領域71、72の総作業量の総和と、圃場総作業量との差が、所定の閾値を超えるか否かを判定し、その結果に基づいて作業領域71、72の総作業量情報を修正するステップS4を実行するか否かを決定する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、それぞれの作業領域71、72の総作業量の総和と、圃場総作業量との比率が所定の閾値を超えるか否かを判定し、その結果に基づいて作業領域71、72の総作業量情報を修正するステップS4を実行するか否かを決定してもよい。さらなる変形例として、対象測位点82の総数が所定の閾値を超えるか否かを判定し、その結果に基づいて作業領域71、72の総作業量情報を修正するステップS4を実行するか否かを決定してもよい。
【0043】
(変形例:作業領域の総作業量情報を必ず修正する場合)
上述した実施形態では、
図3のステップS3において、それぞれの作業領域71、72の総作業量の総和と、圃場総作業量との差が、所定の閾値を超えるか否かを判定し、その結果に基づいて作業領域71、72の総作業量情報を修正するステップS4を実行するか否かを決定する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、該閾値をゼロに設定することで、次に説明するステップS4を必ず実行してもよい。また、この場合は、ステップS3を省略してもよい。
【0044】
(変形例:作業量情報修正装置で総作業量情報を出力する場合)
上述した実施形態では、
図3のステップS5において、
図2の出力部523が出力した総情報を、
図1の外部端末6が表示出力する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、
図2の出力部523が出力した総作業量情報を、入出力装置55が表示出力してもよい。
【0045】
(第2の実施形態)
本実施形態による作業量情報修正システム1および作業量情報修正装置5の構成は、
図1および
図2にそれぞれ示した第1の実施形態の場合と同様である。本実施形態による作業量情報修正方法および作業量情報修正プログラムの処理の構成は、
図3に示したフローチャートに以下の変更を加えることで得られる。
【0046】
上述した第1の実施形態では、
図3のステップS4において、圃場9に含まれるそれぞれの対象測位点82の作業量を、圃場9に含まれる作業領域71、72のうち、該対象測位点82に最も近い作業領域71、72の作業領域総作業量に加算する処理を行う。このとき、対象測位点82は作業領域71、72の外に残されて、作業領域71、72の範囲は変わらない。
【0047】
本実施形態では、
図3のステップS4において、圃場9に含まれるそれぞれの対象測位点82を、圃場9に含まれる作業領域71、72のうち、該対象測位点82に最も近い作業領域71、72に追加する処理を行う。その結果、
図6に示すように、修正後の作業領域71A、72Aの作業領域総作業量は、追加された対象測位点82の作業量だけ増加するように修正されるとともに、作業領域71A、72Aの範囲も修正される。
【0048】
以上の説明のとおり、本実施形態によれば、作業装置2が収穫作業を行う作業領域71、72を移動速度に基づいて自動的に検出しつつ、例外的な移動速度などの理由で作業領域71、72に含まれなかった対象測位点82を適切な作業領域71、72に追加することによって、修正後の作業領域71A、72Aにおける作業量および範囲を精度よく算出することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
本実施形態による作業量情報修正システム1および作業量情報修正装置5の構成は、
図1および
図2にそれぞれ示した第1および第2の実施形態の場合と同様である。本実施形態による作業量情報修正方法および作業量情報修正プログラムの処理の構成は、
図3に示したフローチャートに以下の変更を加えることで得られる。
【0050】
本実施形態では、
図3のステップS3において、無効測位点82、83のうち、作業量が存在する対象測位点82の総数に注目する。対象測位点82の総数が所定の閾値を超える場合(Yes)、処理はステップS4へ進む。反対に、対象測位点82の総数が所定の閾値を超えない場合(No)、処理はステップS5へ進む。
【0051】
本実施形態では、
図3のステップS4において、
図2の修正部522が、対象測位点82の少なくとも一部が有効測位点81としていずれかの作業領域71、72に含まれるように、作業中速度範囲を適宜に拡張する。その後、修正部522の制御下で、取得部521が、
図3のステップS2と同様の処理を改めて実行する。より詳細には、取得部521が、修正部522によって拡張された作業中速度範囲に基づいて、有効測位点81の抽出と、作業領域71、72の位置および範囲の算出と、作業領域71、72の作業領域総作業量の算出とを改めて実行する。その結果、作業領域71、72のそれぞれの範囲および総作業量情報が修正される。
【0052】
以上の説明のとおり、本実施形態によれば、作業装置2が作業を行う作業領域71、72を移動速度に基づいて自動的に検出するときに用いる作業中速度範囲を適宜に拡張することによって、拡張する前の判定条件では例外的な移動速度などの理由で作業領域71、72に含まれなかった対象測位点82が、適切な作業領域71、72に追加される。その結果、
図6に示す修正後の作業領域71A、72Aにおける作業量および範囲を精度よく算出することができる。
【0053】
(変形例:別の判定方法)
上述した実施形態では、
図3のステップS3において、対象測位点82の総数が所定の閾値を超えるか否かを判定し、その結果に基づいてステップS4を実行するか否かを判定する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、
図7に示すように、対象測位点82の集合73における作業量が所定の閾値を超えるか否かを判定し、その結果に基づいてステップS4を実行するか否かを判定してもよい。一例として、作業装置2が作物を対象とする収穫作業を行うとき、集合73における作業量は、集合73で収穫された作物の総和である作業領域外総収量であってもよい。
【0054】
以上、発明者によってなされた発明を各実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、各実施形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
【0055】
(付記)
各実施形態で記載した作業量情報修正方法、作業量情報修正システムおよび作業量情報修正プログラムは、以下のように言うことができる。
【0056】
第1の態様に係る作業量情報修正方法は、
作業装置が圃場内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点のそれぞれにおける、前記作業装置の位置を測定した位置情報と、前記対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得することと、
前記位置情報に基づいて、前記作業の開始および終了で区切られる作業領域のそれぞれの位置および範囲を算出することと、
前記作業量情報に基づいて、前記複数の測位点のうち、それぞれの前記作業領域に含まれる有効測位点における前記作業量の総和を、前記それぞれの作業領域の作業領域総作業量として算出することと、
前記作業量情報に基づいて、前記作業量の総和を、圃場総作業量として算出することと、
前記それぞれの作業領域の前記作業領域総作業量の総和と、前記圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、前記複数の測位点のうち、前記作業領域の外にある無効測位点における前記作業量に基づいて、前記作業領域ごとの前記作業領域総作業量を修正することと、
修正した前記作業領域総作業量を表す情報を外部に出力することと、
を含む。
【0057】
第2の態様に係る作業量情報修正方法は、第1の態様に係る作業量情報修正方法であって、
前記修正することは、
それぞれの前記無効測位点における前記作業量を、前記それぞれの前記無効測位点に最も近い前記作業領域の前記作業領域総作業量に加算すること
を含む。
【0058】
第3の態様に係る作業量情報修正方法は、第1の態様に係る作業量情報修正方法であって、
前記修正することは、
前記無効測位点のうち、前記作業量が所定の閾値を超える無効測位点のそれぞれを、前記それぞれの無効測位点に最も近い前記作業領域に追加することと、
前記無効測位点を追加した前記作業領域の前記作業領域総作業量に、前記無効測位点の前記作業量を加算することと、
を含む。
【0059】
第4の態様に係る作業量情報修正方法は、第2または第3の態様に係る作業量情報修正方法であって、
前記作業領域の境界は、前記複数の測位点のうち、前記作業の前記開始から前記終了までの間に前記作業装置が通過した測位点の凸包または凹包であり、
前記作業領域のうち、前記無効測位点から前記境界までの距離が最も短い前記作業領域を、前記無効測位点に最も近い前記作業領域として選択すること
をさらに含む。
【0060】
第5の態様に係る作業量情報修正方法は、第2または第3の態様に係る作業量情報修正方法であって、
前記作業領域のうち、前記無効測位点で前記位置を測定した第1測位時刻に最も近い第2測位時刻に前記位置を測定した前記有効測位点を含む作業領域を、前記無効測位点に最も近い前記作業領域として選択すること
をさらに含む。
【0061】
第6の態様に係る作業量情報修正方法は、第1~第5の態様のいずれかに係る作業量情報修正方法であって、
前記取得することは、
前記位置情報に含まれ、前記測位点の位置を測定した測位時刻を表す測位時刻情報に基づいて、前記測位時刻が連続する2つの前記測位点の間で前記作業装置が移動した移動速度を算出すること
を含み、
前記作業装置が前記作業を行うときに前記移動速度が含まれる範囲を、作業中速度範囲として設定すること
をさらに含み、
前記作業領域の前記位置および前記範囲を算出することは、
前記複数の測位点のうち、前記作業量が存在し、かつ、前記移動速度が前記作業中速度範囲に含まれる測位点を、前記有効測位点として抽出すること
を含み、
前記修正することは、
前記無効測位点のうち、前記作業量が存在する無効測位点の少なくとも一部が前記有効測位点として抽出されるように、前記作業中速度範囲を拡張することと、
拡張された前記作業中速度範囲に基づいて、前記有効測位点の抽出と、前記作業領域の前記位置および前記範囲の算出と、前記作業領域の前記作業領域総作業量の算出とを改めて実行することと
を含む。
【0062】
第7の態様に係る作業量情報修正方法は、第1~第6の態様のいずれかに係る作業量情報修正方法であって、
前記対象は、作物であり、
前記作業は、前記作物を収穫する収穫作業であり、
前記作業量は、前記作業装置が収穫した前記作物を計量した収量である。
【0063】
第8の態様に係る作業量情報修正方法は、第1~第6の態様のいずれかに係る作業量情報修正方法であって、
前記対象は、農薬であり、
前記作業は、前記農薬を散布する防除作業であり、
前記作業量は、前記作業装置が散布した前記農薬の散布量またはタンク内残存量を計量した農薬増減量である。
【0064】
第9の態様に係る作業量情報修正方法は、第1~第6の態様のいずれかに係る作業量情報修正方法であって、
前記対象は、肥料であり、
前記作業は、前記肥料を散布する施肥作業であり、
前記作業量は、前記作業装置が散布した前記肥料を計量した施肥量である。
【0065】
第10の態様に係る作業量情報修正システムは、
作業装置が圃場内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点のそれぞれにおける、前記作業装置の位置を測定した位置情報と、前記対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得し、
前記位置情報に基づいて、前記作業の開始および終了で区切られる作業領域のそれぞれの位置および範囲を算出し、
前記作業量情報に基づいて、前記複数の測位点のうち、それぞれの前記作業領域に含まれる有効測位点における前記作業量の総和を、前記それぞれの作業領域の作業領域総作業量として算出し、
前記作業量情報に基づいて、前記作業量の総和を、圃場総作業量として算出する取得部と、
前記それぞれの作業領域の前記作業領域総作業量の総和と、前記圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、前記複数の測位点のうち、前記作業領域の外にある無効測位点における前記作業量に基づいて、前記作業領域ごとの前記作業領域総作業量を修正する修正部と、
修正した前記作業領域総作業量を表す情報を外部に出力する出力部と、
を備える。
【0066】
第11の態様に係る作業量情報修正プログラムは、
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための作業量情報修正プログラムであって、
前記処理は、
作業装置が圃場内で所定の対象に対する作業を行いながら通過した複数の測位点のそれぞれにおける、前記作業装置の位置を測定した位置情報と、前記対象を計量した作業量を表す作業量情報とを取得することと、
前記位置情報に基づいて、前記作業の開始および終了で区切られる作業領域のそれぞれの位置および範囲を算出することと、
前記作業量情報に基づいて、前記複数の測位点のうち、それぞれの前記作業領域に含まれる有効測位点における前記作業量の総和を、前記それぞれの作業領域の作業領域総作業量として算出することと、
前記作業量情報に基づいて、前記作業量の総和を、圃場総作業量として算出することと、
前記それぞれの作業領域の前記作業領域総作業量の総和と、前記圃場総作業量との差が所定の閾値を超えるとき、前記複数の測位点のうち、前記作業領域の外にある無効測位点における前記作業領域に基づいて、前記作業領域ごとの前記作業領域総作業領域を修正することと、
修正した前記作業領域総作業領域を表す情報を外部に出力することと、
を含む。
【符号の説明】
【0067】
1 作業領域情報修正システム
2 作業装置
3 搭載端末
4 ネットワーク
5 作業領域情報修正装置
51 バス
52 演算装置
521 取得部
522 修正部
523 出力部
53 記憶装置
530 記録媒体
531 プログラム記憶部
54 通信装置
55 入出力装置
6 外部端末
71、71A、72、72A作業領域
73 対象測位点の集合
81 有効測位点(測位点)
82、82A、82B 対象測位点(測位点、無効測位点)
83 無効測位点(測位点)
9 圃場