(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132078
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】乾麺の供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
B65G47/14 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042733
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】竹下 健治
(72)【発明者】
【氏名】大山 健二
(72)【発明者】
【氏名】川井 孝広
(72)【発明者】
【氏名】川上 耕志
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA12
3F080AA45
3F080BA04
3F080BE10
3F080BF04
3F080BF08
3F080BF14
3F080BF28
3F080CB03
3F080CB06
3F080CB11
3F080CE11
3F080CG02
3F080EA09
3F080EA10
(57)【要約】
【課題】転がり易く、損傷し易い乾麺の束を、損傷することなく下流側へ安定して供給することができる乾麺の供給装置を提供する。
【解決手段】開口11aを上向きにしたコンテナ11を、開口11aが下向きとなるまで反転する反転手段12と、コンテナ11の開口11aを開閉する閉鎖手段13と、コンテナ11から乾麺束10が移し替えられる載置面30を、搬送方向の上流側を持ち上げた傾斜姿勢でスライド手段14によって前後にスライドすることで、移し替えられた乾麺束10を前進搬送すると共に積み重なりを解いて個々の乾麺束10が並ぶように均すフィーダー15と、を備える。コンテナ11からフィーダー15へ乾麺束10を移し替える際には、コンテナ11を反転してフィーダー15の載置面30に面した開口11aを、閉鎖手段13により開放してすべての乾麺束10を一括で載置面30に移し替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾麺を所定数まとめて結束し、コンテナに並べて収容した乾麺の束を、長手方向が搬送方向に交差する向きにして次工程へ受け渡す乾麺の供給装置であって、
開口を上向きにしてコンテナを支持し、開口が下向きとなるまで反転する反転手段と、
該反転手段で前記コンテナを反転する際に、該コンテナの開口を閉ざし、反転後には開口を開放する閉鎖手段と、
前記コンテナから排出された乾麺束を載置して、載置面の搬送方向後方を持ち上げる傾動手段と、
前記載置面を前後にスライドするスライド手段と、
前記コンテナから乾麺束が移載された前記載置面を、前記傾動手段で持ち上げて前記スライド手段で前後に揺らし、乾麺束を前進させるフィーダーと、を備え、
前記コンテナ内のすべての乾麺束を前記載置面へ移載した際に、該載置面に山積みになった乾麺束の積山を崩すように前記傾動手段により載置面を搬送時の傾斜に対して一時的に急勾配にするようにした
ことを特徴とする乾麺の供給装置。
【請求項2】
前記閉鎖手段は、前記反転手段に設けられて、反転した際に乾麺束が開口から落下するのを防ぐようにコンテナの開口を閉ざし、閉ざした開口を反転後に開放するシャッター手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の乾麺の供給装置。
【請求項3】
前記フィーダーの載置面を前記搬送時の傾斜より急勾配にする際に、乾麺束がフィーダーの搬送下流に接続した搬出コンベヤへ送り出されるのを規制するストッパを設けたことを特徴とする請求項1記載の乾麺の供給装置。
【請求項4】
前記コンテナ内のすべての乾麺束を前記フィーダーの載置面へ移載した後に、該載置面を、前記スライド手段によって前後に揺らしつつ、前記傾動手段によって緩やかな動作で搬送時の傾斜に対して一時的に急勾配にするようにしたことを特徴とする請求項1記載の乾麺の供給装置。
【請求項5】
前記1つのコンテナの乾麺束を前記フィーダーの載置面へ移載した後に、該載置面に載置された乾麺束群の搬送終了を検知するセンサを備え、該センサの検知により前記反転手段で次のコンテナを反転するようにしたことを特徴とする請求項1記載の乾麺の供給装置。
【請求項6】
前記閉鎖手段は、前記コンテナの反転後に該コンテナの開口を閉ざす閉じ位置から側方の開位置へ移動してコンテナの開口を開放する開閉部材を備え、
前記フィーダーの載置面における左右両側に、乾麺束の長手方向両端を案内可能に側壁を備え、
前記コンテナの開口が前記フィーダーの載置面と対面して前記開閉部材が開位置へ移動してコンテナの開口を開放するに際し、前記側壁を前記載置面より下位へ移動させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の乾麺の供給装置。
【請求項7】
コンテナ内のすべての乾麺束を前記フィーダーの載置面へ移載する際に、該載置面を水平にして乾麺束を受け入れた後に、前記スライド手段によって載置面を前後に揺らすと共に、前記傾動手段によって載置面を、緩やかな動作によって一時的に搬送時より急勾配の傾斜にしてから、搬送時の傾斜に戻すようにしたことを特徴とする請求項1記載の乾麺の供給装置。
【請求項8】
前記フィーダーの下流に、搬送面が順に低くなる複数の搬出コンベヤを設け、それら搬出コンベヤ間の渡り部に、乾麺束を下流の搬出コンベヤへ高低差により滑り落とすシュートを設けたことを特徴とする請求項1記載の乾麺の供給装置。
【請求項9】
前記搬出コンベヤの左右両側から、搬送される複数の乾麺束を所定搬送区間において押すように乾麺束の両端面に複数回接離する押付けガイドを設けたことを特徴とする請求項8記載の乾麺の供給装置。
【請求項10】
前記乾麺束を収容したコンテナを前記反転手段に向けて送り込むと共に、乾麺束を前記フィーダーに移し替えて空となったコンテナを回収位置まで搬送する搬送コンベヤと、
乾麺束を収容した前記コンテナの前記搬送コンベヤへの移載と、該搬送コンベヤからの空のコンテナの回収とを行うロボットと、を備え、
該ロボットにより乾麺束を収容した前記コンテナを、前記搬送コンベヤにおける前記回収位置より前記反転手段に近い位置に移載するようにしたことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の乾麺の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結束された乾麺の束を並べて供給する乾麺の供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
そうめんやうどんなどの線状の乾麺や、該乾麺を所定数束ねて紙テープなどにより結束した乾麺の束を、長手方向を揃えて収容したコンテナから取り出して、コンベヤを経て下流の装置へ送り込むようにした供給装置として、特許文献1に開示の装置が提案されている。特許文献1の供給装置は、乾麺が長手方向を揃えて収容されるコンテナを、上昇機構によって上方を開口部とする上昇姿勢で持ち上げ、その持ち上げたコンテナを、回転機構によって乾麺の長手方向を回転軸としてコンテナの開口部から乾麺を排出する斜めの排出姿勢まで回転すると共に、排出機構によって乾麺をコンテナから長手方向を揃えてコンベヤに排出するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の供給装置では、回転機構によって回転したコンテナの斜めになった内側面から下り勾配で傾斜する排出プレートに、乾麺を滑り落としてコンベヤに供給するようにしている。このため、転がり易い円弧状の外周となった乾麺の束がコンテナから排出される際に、排出プレートを一気に滑り落ちてしまい、乾麺がコンベヤの搬送面に着地する時に衝撃が加わって乾麺が折れたりひび割れたりしてしまう恐れがある。また、特許文献1の供給装置では、コンテナの開口部を斜めに傾けて、開口寸法を排出機構で規制して乾麺の排出量を抑制しているため、コンテナから乾麺を排出する際に多量の乾麺が開口部に押し寄せて詰まりを生じ、良好に排出できなくなったり、一部が開口部に引っ掛かって排出される時に姿勢が変化してしまったりする問題が指摘される。
【0005】
本発明は、転がり易く、損傷し易い乾麺の束を、安定して下流側へ供給することができる乾麺の供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明の乾麺の供給装置は、
乾麺を所定数まとめて結束し、コンテナ(11)に並べて収容した乾麺の束(10)を、長手方向が搬送方向に交差する向きにして次工程へ受け渡す乾麺の供給装置であって、
開口(11a)を上向きにして前記コンテナ(11)を支持し、開口(11a)が下向きとなるまで反転する反転手段(12)と、
該反転手段(12)で前記コンテナ(11)を反転する際に、該コンテナ(11)の開口(11a)を閉ざし、反転後には開口(11a)を開放する閉鎖手段(13)と、
前記コンテナ(11)から排出された乾麺束(10)を載置して、載置面(30)の搬送方向後方を持ち上げる傾動手段(42)と、
前記載置面(30)を前後にスライドするスライド手段(14)と、
前記コンテナ(11)から乾麺束(10)が移載された前記載置面(30)を、前記傾動手段(42)で持ち上げて前記スライド手段(14)で前後に揺らし、乾麺束(10)を前進させるフィーダー(15)と、を備え、
前記コンテナ(11)内のすべての乾麺束(10)を前記載置面(30)へ移載した際に、該載置面(30)に山積みになった乾麺束(10)の積山を崩すように前記傾動手段(42)により載置面(30)を搬送時の傾斜に対して一時的に急勾配にするようにしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、フィーダーの載置面にコンテナの開口を対面させて乾麺束を放出するようにしたので、コンテナからフィーダーヘの乾麺束の移し替えに際して乾麺が落下して衝撃で折れたり、ひび割れしたりするのを抑制でき、次工程に向けて乾麺束を損傷なく良好に供給することができる。また、コンテナからフィーダーヘの乾麺束の移し替え時には、コンテナの開口を開放して一気に乾麺束を排出するので、乾麺束をフィーダーへ移し替える際に途中で詰まらせることなく良好に移載することができる。更に、フィーダーの載置面に山積みになって移された乾麺束の積山を崩すように、載置面を、搬送時の傾斜に対して一時的に急勾配にするように動作させるので、積山が効果的に崩されて、均されて積山から分離した乾麺束をフィーダーの下流から送り出すことができる。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記閉鎖手段(13)は、前記反転手段(12)に設けられて、反転した際に乾麺束(10)が開口(11a)から落下するのを防ぐようにコンテナ(11)の開口(11a)を閉ざし、閉ざした開口(11a)を反転後に開放するシャッター手段(29)を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、閉ざした開口を開放してフィーダーへ乾麺束を移し替えることができるので、排出口付近に乾麺束が集中して、コンテナ内でブリッジを起こして落下が阻害されたり、姿勢変化して落下したり、狭い排出口に引っ掛かるなどして乾麺が損傷してしまうのを防止することができる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記フィーダー(15)の載置面(30)を前記搬送時の傾斜より急勾配にする際に、乾麺束(10)がフィーダー(15)の搬送下流に接続した搬出コンベヤ(50A)へ送り出されるのを規制するストッパ(47)を設けたことを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、搬送時の傾斜より急勾配にする際に、搬送下流に接続した搬出コンベヤへ乾麺束が送り出されるのを規制するストッパを設けたので、搬送下流に接続した搬出コンベヤへフィーダーの下流側から誤って乾麺束が送り出されてしまうのを防止することができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記コンテナ(11)内のすべての乾麺束(10)を前記フィーダー(15)の載置面(30)へ移載した後に、該載置面(30)を、前記スライド手段(14)によって前後に揺らしつつ、前記傾動手段(42)によって緩やかな動作で搬送時の傾斜に対して一時的に急勾配にするようにしたことを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、載置面の前後の揺らし動作と搬送時の傾斜に対して傾斜を一時的に急勾配にする動作との相乗効果によって、山積み状態となった乾麺束の積山の崩し作用が良好に働き、フィーダーで搬送される乾麺束の積み重なりを解消して、個々の乾麺束を並べた状態により次工程に向けて良好に送り出すことができる。また、載置面を急勾配にする際の動作は緩やかであるので、乾麺束が跳ね上がって損傷することもない。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記1つのコンテナ(11)の乾麺束(10)を前記フィーダー(15)の載置面(30)へ移載した後に、該載置面(30)に載置された乾麺束群の搬送終了を検知するセンサ(54)を備え、該センサ(54)の検知により前記反転手段(12)で次のコンテナ(11)を反転するようにしたことを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、次のコンテナからフィーダーへの乾麺束の移し替え時期を適切なものとして、間断なく乾麺束を搬送することができるので、下流側に接続されている包装機などの処理装置への送り込みが途絶えることなく、搬送効率を高めることができる。
【0011】
請求項6に係る発明では、前記閉鎖手段(13)は、前記コンテナ(11)の反転後に該コンテナ(11)の開口(11a)を閉ざす閉じ位置から側方の開位置へ移動してコンテナ(11)の開口(11a)を開放する開閉部材(27,27)を備え、
前記フィーダー(15)の載置面(30)における左右両側に、乾麺束(10)の長手方向両端を案内可能に側壁(31,31)を備え、
前記コンテナ(11)の開口(11a)が前記フィーダー(15)の載置面(30)と対面して前記開閉部材(27,27)が開位置へ移動してコンテナ(11)の開口(11a)を開放するに際し、前記側壁(31,31)を前記載置面(30)より下位へ移動させるようにしたことを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、フィーダーの側壁を載置面より下位まで移動し、コンテナの開口を、フィーダーの載置面に対して乾麺束が略落差無く放出できるように対面させることができ、乾麺束の移し替えに際してコンテナの開口からフィーダーに落下した乾麺束に衝撃が加わり乾麺が損傷してしまうのを防止することができる。
【0012】
請求項7に係る発明では、コンテナ(11)内のすべての乾麺束(10)を前記フィーダー(15)の載置面(30)へ移載する際に、該載置面(30)を水平にして乾麺束(10)を受け入れた後に、前記スライド手段(14)によって載置面(30)を前後に揺らすと共に、前記傾動手段(42)によって載置面(30)を、緩やかな動作によって一時的に搬送時より急勾配の傾斜にしてから、搬送時の傾斜に戻すようにしたことを特徴とする。
請求項7に係る発明によれば、コンテナからフィーダーへの乾麺束の移し替えに際してフィーダーの載置面を水平とするようにしたので、コンテナからの乾麺束の移し替え時に姿勢変化が抑制されて安定的に移し替えることができる。また、載置面を急勾配にする際の動作は緩やかであるので、乾麺束が跳ね上がって損傷することもない。
【0013】
請求項8に係る発明では、前記フィーダー(14)の下流に、搬送面が順に低くなる複数の搬出コンベヤ(50A,50B,50C)を設け、それら搬出コンベヤ(50A,50B,50C)間の渡り部に、乾麺束(10)を下流の搬出コンベヤ(50B,50C)へ高低差により滑り落とすシュート(51)を設けたことを特徴とする。
請求項8に係る発明によれば、高低差を設けた複数の搬出コンベヤを接続することで、前後方向へ斜めに傾き、搬出コンベヤで搬送される乾麺束が傾斜シュートを滑り落ちて下流側に接続される搬出コンベヤへ着地する際に、その姿勢が都度矯正されて姿勢の乱れを修正することができる。また、複数回の修正作用を受けることで、その修正効果を高めることができる。
【0014】
請求項9に係る発明では、前記搬出コンベヤ(50C)の左右両側から、搬送される複数の乾麺束(10)を所定搬送区間において押すように乾麺束(10)の両端面に複数回接離する押付けガイド(52,52)を設けたことを特徴とする。
請求項9に係る発明によれば、前後方向に斜めに傾いて搬送されている乾麺束の姿勢を矯正しつつ、乾麺束の搬送中心からのずれを修正することができ、姿勢や位置が揃えられた乾麺束を、次工程へ良好に供給することができる。
【0015】
請求項10に係る発明では、前記乾麺束(10)を収容したコンテナ(11)を前記反転手段(12)に向けて送り込むと共に、乾麺束(10)を前記フィーダー(15)に移し替えて空となったコンテナ(11)を回収位置(N2)まで搬送する搬送コンベヤ(16)と、
乾麺束(10)を収容した前記コンテナ(11)の前記搬送コンベヤ(16)への移載と、該搬送コンベヤ(16)からの空のコンテナ(11)の回収とを行うロボット(17)と、を備え、
該ロボット(17)により乾麺束(10)を収容した前記コンテナ(11)を、前記搬送コンベヤ(16)における前記回収位置(N2)より前記反転手段(12)に近い位置に移載するようにしたことを特徴とする。
請求項10に係る発明によれば、乾麺束が収容されているコンテナを反転手段まで早めに送り込むことができるので、処理効率を高めることができる。また、搬送コンベヤへのコンテナの供給と空のコンテナの回収とをロボットで行うことにより、作業者の負担軽減と作業者の確保を不要にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コンテナの開口をフィーダーの載置面に対面して開放し、すべての乾麺束を一気に載置面に移し替えるので、開口に乾麺束が詰まるなどして乾麺が損傷するのを防止して支障なく乾麺束を移し替えることができる。また、乾麺束がフィーダーの載置面に移し替えられて山積み状態となった乾麺束の積山を効果的に崩して、フィーダーの前後の揺らし動作によって前進搬送される間に個々の乾麺束が積み重ならないように並ぶように均して、次工程に良好に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】フィーダーおよび搬出コンベヤを示す概略図である。
【
図5】反転手段を一部切り欠いて示す概略平面図である。
【
図6】反転手段を切り欠いて示す要部概略側面図である。
【
図10】コンテナから乾麺束が移し替えられるフィーダーにおける載置面の傾斜の変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る乾麺の供給装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0019】
図1に示す如く、実施例の供給装置は、そうめんやうどんあるいはラーメンなどの線状の乾麺を所定数まとめて紙テープなどで結束した乾麺束10を、長手方向を揃う向きにして上下に重なるように収容されたプラスチック製のコンテナ11から乾麺束10を、長手方向が搬送方向に交差する向きにして個々に並ぶようにした状態で次工程へ受け渡す(給する)装置である。コンテナ11は、矩形状の開口11aが形成された四角箱状であって、幅方向の左右に対向する側壁11b,11bによって乾麺束10の長手方向の両端面を支持して、コンテナ11内において、乾麺束10は長手方向が揃って並べた状態で上下に複数段積み重なるようにして収容される。供給装置は、開口11aを上向きにしたコンテナ11を、開口11aが下向きとなるまで反転する反転手段12と、該反転手段12でコンテナ11を反転する際には該コンテナ11の開口11aを閉じて乾麺束10の放出を規制し、反転後には開口11aを開放する閉鎖手段13と、コンテナ11から乾麺束10が移し替えられる載置面30を、搬送方向(上流となる)後方を持ち上げた傾斜姿勢でスライド手段14によって前後に揺らすことで、移し替えられた乾麺束10を前進搬送すると共に、積み重なりを解いて個々の乾麺束10が並ぶように均すフィーダー15と、を備える。そして供給装置は、コンテナ11からフィーダー15へ乾麺束10を移し替える際には、反転手段12で開口11aが上向きのコンテナ11を反転してフィーダー15の載置面30に対面した開口11aを、閉鎖手段13により開放してすべての乾麺束10を一気に(一括で)載置面30に移し替えると共に、傾動手段42によって該載置面30を搬送時の傾斜に対して一時的に急勾配にして山積みとなった乾麺束10の積山を崩すよう構成される。
【0020】
図1、
図2に示す如く、実施例の供給装置は、前記フィーダー15の上方に離間して、フィーダー15による乾麺束10の搬送方向に沿って搬送路が延びる搬送コンベヤ16が配置されている。搬送コンベヤ16は、搬送方向前後にローラを並設したローラコンベヤであって、開口11aが上向きの姿勢でローラ上に載置されたコンテナ11を、搬送路の一方から他方へ搬送可能に構成されて、該搬送コンベヤ16の搬送方向の一方に前記反転手段12が配置されている。また、搬送コンベヤ16の一側方にはロボット17が配置される。該ロボット17は、アーム18の端部にハンドリング部19を備えた、垂直多関節型ロボットなどが採用され、ハンドリング部19は、コンテナ11を保持可能な保持手段20を備える。そして、ロボット17は、前工程で乾麺束10が収容されたコンテナ11を、乾麺束10の長手方向が幅方向に沿う向きで搬送コンベヤ16に移載すると共に、反転手段12により開口11aが下向きとなるように反転されてすべての乾麺束10が放出された空のコンテナ11の回収を行う。搬送コンベヤ16には、ロボット17により乾麺束10が収容されたコンテナ11が移載される移載位置N1と、該移載位置N1より反転手段12に近づいた位置となる受渡し位置N2と、移載位置N1を挟んで受渡し位置N2と反対側の位置には回収位置N3が位置決めされ、それらの各位置N1,N2,N3が、コンテナ11における搬送方向の長さより長い間隔で離間して設けられ、前記回収位置N3まで搬送された空のコンテナ11が、ロボット17のハンドリング部19により保持されて回収されるよう構成される。
【0021】
図1、
図2、
図5に示す如く、前記反転手段12は、前記搬送コンベヤ16の一方側に設けられて、幅方向に離間する支持部材21,21間に回転可能に支持される回動軸22と、該回動軸22に一体的に回転するよう配設された反転枠23と、回動軸22を正方向および逆方向に回転するよう減速機に接続されたサーボモータ24と、を備える。反転枠23は、その長手方向の一端において、幅方向に離間して長手方向と交差する方向に延出する一対の回動アーム23a,23aが設けられ、該回動アーム23a,23aが回動軸22に連結されている。反転手段12は、サーボモータ24によって回動軸22を正方向または逆方向に回転することで、反転枠23を、搬送コンベヤ16の上方において水平に臨ませる第1姿勢(
図2、
図4の実線位置)と、前記フィーダー15の上方において第1姿勢とは上下が反転した水平に臨ませる第2姿勢(
図4の二点鎖線位置)とに変位可能に構成される。また、反転手段12は、第1姿勢および第2姿勢の間において、反転枠23を、搬送コンベヤ16の上方で傾斜姿勢となる第1中間姿勢(
図2の二点鎖線位置)と、フィーダー15の上方で傾斜姿勢となる第2中間姿勢(
図2の一点鎖線位置)とに停止可能に構成される。なお、反転枠23の第1中間姿勢では、該反転枠23は、搬送コンベヤ16により搬送されるコンテナ11の受渡し位置N2への出入を阻害しない高さ位置に臨むように設定される。
【0022】
図4、
図5、
図6に示す如く、前記反転手段12の反転枠23には、幅方向に離間して対向する複数の吸着パッドからなる保持部材25,25が、エアシリンダ26,26によって相互に接近離間移動可能に配設され、該保持部材25,25によって前記コンテナ11の側壁11b,11bを幅方向の外側から挟んで保持し得るよう構成される。
【0023】
図5、
図6に示す如く、前記反転手段12には、前記閉鎖手段13が設けられている。実施例の閉鎖手段13は、前記反転枠23に配設されて幅方向に対向する一対の板状の開閉部材27,27と、該一対の開閉部材27,27を相互に接近離間移動するエアシリンダなどの駆動手段28,28と、からなるシャッター手段29を備える。一対の開閉部材27,27は、前記保持部材25,25によって保持されたコンテナ11の上方の開口11aに臨み、該開閉部材27,27は、開口11aにおいて乾麺束10の長手方向の一方端部側と他端部側とを夫々部分的に支持することで反転枠23で反転されて、下向きになった開口11aから乾麺束10が落下することなく開口11aを部分的に覆うことが可能(閉鎖可能)に、相互に接近した閉じ位置(
図5の二点鎖線位置)と、開口11aを全開するように開放する相互に離間した開位置(
図5の実線位置)とに、駆動手段28,28によって進退移動可能に配設される。実施例のシャッター手段29は、各開閉部材27の長手方向(乾麺束10の長手方向と交差する方向)の各端部が、駆動手段28に夫々連結されており、各開閉部材27は、一対の駆動手段28,28によって開閉部材27,27を相互に接近離間移動するよう構成される。
【0024】
図7、
図8に示す如く、前記フィーダー15は、平坦に形成された載置面30と、該載置面30の左右両側に設けた側壁31,31,32,32とを備え、前記反転手段12によって開口11aが下向きに反転されたコンテナ11から放出される乾麺束群を載置面30に移し替える。側壁31,31,32,32は、反転手段12で反転されたコンテナ11の開口11aから乾麺束群が移載される位置に対応して搬送後方部に設けた可動側壁31,31と、可動側壁31,31より前方に分割して設けた固定側壁32,32とからなり、左右一対の可動側壁31,31は、載置面30の上方に突出する規制位置(
図8の実線位置)と、載置面30から下方に移動した退避位置(
図8の二点鎖線位置)とに、エアシリンダなどの作動手段33によって移動される。実施例では、一方の可動側壁31は、下端を回動支点として作動手段33によって規制位置と退避位置との間を回動し、他方の可動側壁31は、作動手段33によって規制位置と退避位置との間を上下動するよう構成される。
【0025】
図2、
図3、
図7に示す如く、前記フィーダー15の載置面30は、基台34に配設されたスライド手段14によって搬送方向の前後に、短かいストロークでスライド可能に構成される。スライド手段14は、基台34に配設されて搬送方向に延びるレール36と、該レール36に沿って搬送方向の前後にスライド可能なスライド部材37と、該スライド部材37に連繋されたクランク機構38と、該クランク機構38に設けたサーボモータなどの駆動モータ39と、を備える。クランク機構38は、駆動モータ39によって回転される回転部材40と、該回転部材40の回転中心から半径方向に離れて一端が枢支され、他端がスライド部材37に枢支された連繋部材41と、を備え、駆動モータ39によって回転部材40を回転することで、連繋部材41を介してスライド部材37および載置面30を搬送方向の前後にスライドするよう構成される。なお、スライド手段14は、コンテナ11からの乾麺束10の受け入れ時において、載置面30を水平姿勢にする際には、載置面30を前後に揺らすスライド動作を一時停止し、載置面30に乾麺束10が載置された後に、前後のスライド動作を再開するよう動作制御され、載置面30を前後に揺らしつつ後述する第2傾斜姿勢まで傾動するよう構成される。
【0026】
図2、
図3に示す如く、前記載置面30は、前記スライド部材37に対して搬送前部側で回転可能に支持されており、載置面30は、傾動手段42によって、スライド部材37に対する支持位置を支点として搬送方向後方が上下に傾動されるよう構成される。傾動手段42は、サーボモータ43と、該サーボモータ43によって作動されるクランク機構44と、を備える。クランク機構44は、サーボモータ43によって回転される回転部材45と、該回転部材45の回転中心から半径方向に離れて一端が枢支され、他端が載置面30におけるスライド部材37に対する支持位置より搬送後部側に離間する位置に枢支された連繋部材46と、を備え、サーボモータ43によって回転部材45を回転することで、連繋部材46を介して載置面30が傾動するよう構成される。フィーダー15は、載置面30が水平となる水平姿勢(
図10(a)参照)と、搬送前側に向けて載置面30が下方傾斜する第1傾斜姿勢(
図10(c)参照)と、第1傾斜姿勢よりも急な角度(急勾配)で搬送前側に向けて載置面30が下方傾斜する第2傾斜姿勢(
図10(d)参照)とに、傾動手段42によって傾動される。第1傾斜姿勢の傾斜角度は、載置面30に載置された乾麺束10を、搬送前後の揺らし動作によって前進させることが可能な角度に設定されると共に、第2傾斜姿勢の傾斜角度は、前記コンテナ11から一括で移し替えられて載置面上に山積み状態となった乾麺束10の積山を効果的に崩すことが可能な角度に設定される。また、傾動手段42は、フィーダー15の載置面30を、前記閉鎖手段13のシャッター手段29によりコンテナ11の開口11aを開放する際には水平姿勢にし、乾麺束10を載置面上に受け入れた後には載置面30を一時的に第2傾斜姿勢とし、その後に載置面30を第1傾斜姿勢とするよう動作制御される。なお、傾動手段42は、載置面30を水平姿勢から第2傾斜姿勢とする際には、載置面上の乾麺束10が跳ね上がることのない緩やかな速度(動作)で載置面30を傾動させるよう動作制御される。
【0027】
図3、
図7に示す如く、前記フィーダー15の前部は、載置面30と、一対の固定側壁32,32とで囲んだフィーダー15の搬出口15aが形成され、該搬出口15aから下流に接続される搬出コンベヤ50Aに乾麺束10が搬出されるよう構成される。また、フィーダー15には、搬出口15aを開閉する薄板状のストッパ47が設けられている。該ストッパ47は、固定側壁32,32間に後部が回転可能に枢支されて前部が搬出口15aより所定長さだけ搬送前側に延出しており、エアシリンダなどの駆動手段48によって搬出口15aを塞ぐ閉位置(
図10(b)参照)と開放する開位置(
図10(a),(c)参照)とに変位される。なお、ストッパ47には、前端から搬送前側に延出する可撓性の均し部材49が設けられており、閉位置においてストッパ47から延出する均し部材49によって、搬出コンベヤ50Aを搬送される乾麺束10を均し得るよう構成される。
【0028】
図3に示す如く、前記フィーダー15の下流に、搬送面が順に低くなる複数(実施例では3つ)の第1搬出コンベヤ50A、第2搬出コンベヤ50B、第3搬出コンベヤ50Cが直列で順に接続される。また、フィーダー15と最上流の第1搬出コンベヤ50Aとの接続部(渡り部)および隣り合う搬出コンベヤ50A,50B,50Cの接続部(渡り部)には、乾麺束10を下流の搬出コンベヤ50A,50B,50Cにスムーズに滑り落とすための所定の勾配により下方傾斜する傾斜シュート(シュート)51が設けられている。第1搬出コンベヤ50A、第2搬出コンベヤ50B、第3搬出コンベヤ50Cは、いずれも、無端ベルトを循環走行するベルトコンベヤであって、最下流の第3搬出コンベヤ50Cには、
図9に示す如く、搬送路を挟む左右両側に、搬送方向に所定長さで延びる押付けガイド52,52が、搬送路を搬送される乾麺束10の左右両端縁に向けて進退移動可能に配設されている。左右の押付けガイド52,52は、エアシリンダなどの駆動手段53,53によって複数回往復移動して、第3搬送コンベヤ50Cを搬送中の乾麺束10の長手方向の両端面を押すように複数回接離することで、乾麺束10を搬送路の搬送中心に合わせつつ、左右に傾いた乾麺束10の搬送姿勢が揃うように矯正する。すなわち、実施例では、第1搬出コンベヤ50A、第2搬出コンベヤ50B、第3搬出コンベヤ50Cによる搬送区間の内、最下流に接続した第3搬出コンベヤ(搬出コンベヤ)50Cによる所定の搬送区間において、第3搬出コンベヤ50Cに前後に並ぶ乾麺束10を一度に複数個押えることが可能な所定長さに設定された押付けガイド52,52で搬送中の乾麺束10の左右を複数回押すことで、左右が前後に傾いて搬送されている搬送中の乾麺の傾きが修正されて一行に整列して並んだ乾麺束10として下流側の各処理機へ向けて、正しい姿勢となって送り出される。
【0029】
図3に示す如く、前記フィーダー15における可動側壁31より搬送前側に、前記1つのコンテナ11から移載されて前進搬送される乾麺束10の搬送終端部(搬送終了)を検知する第1センサ(センサ)54が配設され、該第1センサ54の検知信号が検知されると次のコンテナ11の開口11aを載置面30に対面するよう反転動作が行われるよう前記反転手段12が動作制御される。また、フィーダー15の下流に接続される第1搬出コンベヤ50Aに第2センサ55が配設され、第2センサ55により乾麺束10の検知がされていない場合に、前記フィーダー15の搬出口15aに設けた前記ストッパ47を開位置に移動するよう駆動制御される。
【0030】
次に、実施例に係る乾麺の供給装置の作用について説明する。
前記ロボット17は、パレットに複数段複数個ずつで積みつけられた、乾麺束10を収容したコンテナ11のうちの一つのコンテナ11をパレットから取り上げて、前記搬送コンベヤ16の移載位置N1に移載する。前記反転手段12の前記反転枠23は、第1中間姿勢に位置して受渡し位置N2へのコンテナ11の搬入を許容すると共に、前記シャッター手段29の開閉部材27,27は閉じ位置に位置している。搬送コンベヤ16は、コンテナ11を移載位置N1から受渡し位置N2まで搬送する。コンテナ11が受渡し位置N2まで搬送されると、反転手段12の反転枠23はサーボモータ24によって第1中間姿勢から第1姿勢まで回転され、前記保持部材25,25によってコンテナ11を幅方向の両側から挟んで保持する(
図5、
図6参照)。このとき、コンテナ11は、閉じ位置の開閉部材27,27によって開口11aの一部が閉じられ、開口11aからの乾麺束10の放出を規制する状態となっている。
【0031】
前記コンテナ11を反転枠23に保持した反転手段12は、サーボモータ24によって反転枠23が第1姿勢から第2中間姿勢まで回転されて待機する。このとき、前記シャッター手段14における閉じ位置の開閉部材27,27によって、コンテナ11内の乾麺束10の長手方向の一方端部側と他端部側とが夫々部分的に支持されることで、該乾麺束10の落下は規制される。前記第1センサ54が、前回のコンテナ11から放出された乾麺束10の搬送終端を検知すると、前記反転手段12のサーボモータ24が回転制御されて、前記反転枠23は第2中間姿勢から第2姿勢に向けて回転される。また、反転枠23が第2姿勢に至る前に、前記フィーダー15のスライド手段14による前後の揺らし動作が停止されたもとで、前記載置面30が第1傾斜姿勢から水平姿勢に変換される。また、前記各可動側壁31,31が作動手段33,33によって規制位置から退避位置まで移動される(
図10(a)参照)。これにより、反転枠23に保持されたコンテナ11の開口部は、可動側壁31,31に干渉することなく第2姿勢に至り、コンテナ11の下向きの開口11aがフィーダー15の載置面30に近接して対面した状態となる。前記シャッター手段29の開閉部材27,27が、駆動手段28,28によって閉じ位置から開位置に移動されることで、コンテナ11の開口11aは全開するように開放され、該開口11aからすべての乾麺束10が一気にフィーダー15の載置面30上に移されて、乾麺束10は載置面30上に山積み状態となる。
【0032】
前記シャッター手段29の開閉部材27,27が開位置に移動されると共に、前記反転手段12の反転枠23を第2姿勢から第1姿勢に向けて回転することで、コンテナ収容部の前後の内側縁部で規制されていた乾麺束10の規制が解かれて山積み状態の乾麺束10の底部が末広がり状に拡がり、すべての乾麺束10はコンテナ11から載置面30へ移し替えられる。また、前記フィーダー15は、
図10(b)に示す如く、前記作動手段33,33によって可動側壁31,31を規制位置に戻し、前記傾動手段42によって載置面30を緩やかな動作で第2傾斜姿勢となるよう傾動すると共に、前記スライド手段14による載置面30の前後の揺らし動作を開始する。これにより、載置面30上に山積み状態となっている乾麺束10の積山は、搬送方向の前後に分散して崩れて、低い山積み状態となって残る。また、載置面30を第2傾斜姿勢とする際には、前記ストッパ47が開位置から閉位置に移動されてフィーダー15の搬出口15aを閉じ、積山を崩すよう作動するフィーダー15の動作によって乾麺束10が第1搬出コンベヤ50Aへ押し出されてしまうのが規制される。
【0033】
前記傾動手段42で、第2傾斜姿勢まで一時的に傾動した載置面30を第1傾斜姿勢まで戻し、前記スライド手段14による載置面30の前後の揺らし動作を継続することで、乾麺束10は前進搬送されつつ積み重なりが徐々に解かれて均され、載置面30に乾麺束10が平積み状態となって、長手が左右を向く乾麺束10として揃った状態でフィーダー15の搬出口15aに向けて搬送される(
図10(c)参照)。フィーダー15から前記第1搬出コンベヤ50Aに送り込まれた先行する乾麺束群が搬送と共に存在しなくなったことが前記第2センサ55により検知されることで、前記ストッパ47が開位置に移動されることにより、フィーダー15の前記揺らし動作により搬送される乾麺束10は、フィーダー15の搬出口15aから傾斜シュート51を滑り落ちて第1搬出コンベヤ50Aへ送り出される。
【0034】
前記反転枠23を第1姿勢まで戻した反転手段12では、前記保持部材25,25がエアシリンダ26,26によって相互に離間されて空のコンテナ11の保持は解除され、その後に反転枠23は、サーボモータ24によって受渡し位置N3からのコンテナ11の搬出を許容する第1中間姿勢まで回転される。前記搬送コンベヤ16は、受渡し位置N2に載置された空のコンテナ11を、移載位置N1を通り越して回収位置N3まで搬送し、該回収位置N3のコンテナ11は、前記ロボット17によって搬送コンベヤ16から取り上げられて回収される。また、空のコンテナ11を回収したロボット17は、乾麺束10が収容されている次のコンテナ11をパレットの所定位置から取り上げて、搬送コンベヤ16の移載位置N1に移載する。
【0035】
前記フィーダー15から搬出コンベヤ50Aに搬出された乾麺束10は、高低差をもって順次接続された複数のコンベヤ間の受け渡しに際して、緩い勾配の傾斜シュート51を滑り落ちる都度、乾麺束10の積み重なりや搬送向きが矯正され、最下流に接続された第3搬出コンベヤ50Cまで至り、該第3搬出コンベヤ50Cにおいて、搬送中の各乾麺束10は、前記押付けガイド52,52によって長手方向の両端面が搬送路の左右から押されて、搬送中心を揃えつつ、左右が前後に傾いた搬送方向に対して斜めとなっている姿勢を正した向きへ修正して一行に整列して並んだ乾麺束10として次工程に向けて供給される(
図9参照)。
【0036】
実施例の乾麺の供給装置では、開口11aが上向きのコンテナ11を、反転手段12によって開口11aがフィーダー15の載置面30に対面するよう下向きに反転して、該開口11aから載置面30に乾麺束10に移し替えるようにしたので、コンテナ11からフィーダー15ヘの乾麺束10の移し替えに際し、乾麺が落下の衝撃によって折れたりひび割れしたりするのを抑制でき、次工程に向けて乾麺束10を損傷なく良好に供給することができる。また、反転したコンテナ11の開口11aを、閉鎖手段13のシャッター手段29によって開放してすべての乾麺束10を一気にフィーダー15へ排出するので、乾麺束10をフィーダー15へ移し替える際に途中で詰まらせることなく良好に移載することができる。更に、フィーダー15の載置面30に山積みになって移された乾麺束10の積山を崩すように、載置面30を、搬送時の傾斜に対して一時的に急勾配にするように動作させるので、載置面30を前後に揺らす動作との相乗効果によって、積山の崩し作用が良好に働いて積山が効果的に崩され、均されて積山から分離した乾麺束10をフィーダー15の下流から個々に並べて送り出すことができる。また、載置面30を急勾配にする際の動作は緩やかであるので、乾麺束10が跳ね上がって損傷することもない。また、コンテナ11の開口11aを閉鎖手段13のシャッター手段29によって全開するように開放するので、排出口付近に乾麺束10が集中してコンテナ11内でブリッジを起こして落下が阻害されたり、姿勢変化して落下したり、狭い排出口に引っ掛かるなどして乾麺が損傷してしまうのを防止することができる。
【0037】
実施例の乾麺の供給装置では、コンテナ11からフィーダー15に移し替えられた多数の乾麺束10の積山を崩すべく載置面30の傾斜を搬送時の傾斜より急な勾配にする際に、フィーダー15の搬出口15aをストッパ47で塞ぐようにしたので、搬出口15aまで搬送されている乾麺束10が第1搬出コンベヤ50Aへ誤って送り出されてしまうのを防止でき、第1搬出コンベヤ50A上で乾麺束10が積み重なるなどにより搬送状態に乱れが生じてしまうなどの不具合を防ぐことができる。また、フィーダー15で搬送される前回のコンテナ11から移し替えられた乾麺束群の終端を第1センサ54で検知し、その検知により前記反転手段12で次のコンテナ11を反転してフィーダー15に乾麺束10を移し替えるようにしたので、コンテナ11からフィーダー15への乾麺束10の移し替え時期を適切なものとして、間断なく乾麺束10を搬送することができ、下流側に接続されている包装機などの処理装置への送り込みが途絶えることなく、搬送効率を高めることができる。また、コンテナ11を搬送する搬送コンベヤ16において、乾麺束10をフィーダー15に移し替えた空のコンテナ11をロボット17で回収する回収位置N3より反転手段12に近い位置に、乾麺束10が収容されているコンテナ11をロボット17により移載する移載位置N1を設けたので、コンテナ11を反転手段12まで早めに送り込むことができ、処理効率を高めることができる。また、搬送コンベヤ16に対してコンテナ11の供給と回収とをロボット17で行うようにしたので、作業者の負担軽減と作業者の確保を不要にすることができる。
【0038】
実施例の乾麺の供給装置では、フィーダー15の可動側壁31,31を載置面以下の位置まで移動するよう構成したので、コンテナ11の開口11aをフィーダー15の載置面30に対して乾麺束10が略落差無く放出できるように対面させることができ、乾麺束10の移し替えに際して開口11aからフィーダー15に落下した乾麺束10に衝撃が加わり乾麺が損傷してしまうのを防止することができる。また、コンテナ11の開口11aを開放してフィーダー15の載置面30に乾麺束10を移し替える際に、該載置面30を水平とするようにしたので、コンテナ11からの移し替え時に乾麺束10の姿勢が変化するのを抑制することができ、フィーダー15へ乾麺束10を安定的に移し替えることができる。
【0039】
実施例の乾麺の供給装置では、フィーダー15の下流に、高低差を設けた複数の搬出コンベヤ50A,50B,50Cを接続すると共に、その接続部に傾斜シュート51を設けたので、乾麺束10が傾斜シュート51を滑り落ちて下流側に接続される搬出コンベヤ50B,50Cへ着地する際に、その姿勢が都度矯正されて姿勢の乱れを修正して正しい姿勢に矯正することができる。また、複数回の修正作用を受けることで、その修正効果を高めることができる。
【0040】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用することができる。
(1) 反転手段12は、コンテナ11の側方を支持して反転したり、コンテナ11を上下から挟んで反転したりするなど、各種の形態を採用することができる。
(2) 実施例では、搬送コンベヤ16の搬送面とフィーダー15の載置面30とに高低差を設けたが、搬送コンベヤ16およびフィーダー15の載置面30のレベルを同じとして、搬送コンベヤ16からフィーダー15にコンテナ11を反転して乾麺束10の移し替えを行う構成を採用することができる。
(3) 閉鎖手段13のシャッター手段29は、開閉部材27,27を左右両側への開閉式に限らず、水平回動式など、その他各種の方式を採用することができる。また、開閉部材27,27の駆動手段28,28はエアシリンダに限らず、その他のリニアアクチュエータやモータなどを採用することができる。
(4) 閉鎖手段13のシャッター手段29は、コンテナ11の開口11aを一部閉ざすようにした開閉部材27,27を採用したが、開口を11a全て閉ざす構成を採用することができる。
(5) フィーダー15の左右の可動側壁31,31は、実施例では一方が回動方式、他方が昇降方式としたが、何れか一方の方式やその他の適宜移動方式を採用することができる。また、例えば、可動側壁31,31を載置面30から上方に延出した状態のまま、開閉部材27,27の開放動作を妨げない位置まで側方に離間移動するなど、その他各種の構成を採用することができる。また、可動側壁31の作動手段33は、エアシリンダに限らず、その他のリニアアクチュエータやモータなどを採用することができる。
(6) フィーダー15における載置面30の前後のスライドは、クランク機構38と駆動モータ39との組み合わせによる構成を採用したが、リニアサーボモータで前後にスライドするなど、その他の各種移動方式を採用することができる。
(7) 傾動手段42は、サーボモータ43とクランク機構44との組み合わせによる構成を採用したが、エアシリンダで傾動させるなど、その他の各種移動方式を採用することができる。
(8) 反転手段12は、反転枠23が傾斜する中間姿勢となった後、第2姿勢となるまで回転するよう構成したが、第1姿勢から第2姿勢まで一気に180度回転する構成を採用することができる。
(9) 搬送コンベヤ16に対する乾麺束10が収容されているコンテナ11の供給および空のコンテナ11の回収は、ロボット17に代えて、コンベヤによって搬入、搬出する形態を採用することができる。
(10) 最下流の搬出コンベヤ50Cに設けた押付けガイド52,52は、次工程の装置などへの送り込み条件に応じて、採用されるものであればよい。
(11) フィーダー15の下流に配置される搬出コンベヤ50A,50B,50Cの数は、3つに限らず、必要に応じた数で設置するようにすればよい。