(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013209
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】モデルトレーニング方法及びモデルトレーニングシステム
(51)【国際特許分類】
G06V 10/774 20220101AFI20240124BHJP
【FI】
G06V10/774
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023107153
(22)【出願日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】111127008
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508226687
【氏名又は名称】和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PEGATRON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5F.,No.76,Ligong St., Beitou Dist., Taipei City 112, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼鵬樺
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096BA08
5L096DA02
5L096HA09
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】画像識別モデルのトレーニング効率を改善するモデルトレーニング方法及びモデルトレーニングシステムを提供する。
【解決手段】方法は、オン画像マークを有する第1の画像を取得し、第1の画像のオン画像マークに応答して、第1の画像に対して自動背景置換を実行し、第2の画像を生成する。ここで、第2の画像の背景画像は、第1の画像の背景画像とは異なる。方法はさらに、第2の画像に従ってトレーニングデータを生成し、トレーニングデータを使用して画像識別モデルをトレーニングする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像識別モデルをトレーニングするように構成されたモデルトレーニング方法であって、
第1の画像を取得することと、
前記第1の画像がオン画像マークを有するかどうかを判断することと、
前記第1の画像が前記オン画像マークを有する場合、前記第1の画像の前記オン画像マークに応答して、前記第1の画像に対して自動背景置換を実行することで、背景画像が前記第1の画像の背景画像とは異なる第2の画像を生成することと、
前記第2の画像に従って、トレーニングデータを生成することと、
前記トレーニングデータを使用して、前記画像識別モデルをトレーニングすることと、を含む、モデルトレーニング方法。
【請求項2】
前記第1の画像に対応するユーザ操作を受信することと、
前記ユーザ操作に応じて、前記第1の画像に対応する前記オン画像マークを生成することと、をさらに含む、請求項1に記載のモデルトレーニング方法。
【請求項3】
前記ユーザ操作は、前記第1の画像内の前景領域をマークすることを含む、請求項2に記載のモデルトレーニング方法。
【請求項4】
前記第1の画像に対して前記自動背景置換を実行することで、前記第2の画像を生成することは、
前記オン画像マークに従って、前記第1の画像内の背景領域を決定することと、
前記自動背景置換では、前記背景領域内のデフォルト背景画像を候補背景画像に置換することで、前記第2の画像を生成することと、を含む、請求項1に記載のモデルトレーニング方法。
【請求項5】
前記第1の画像が前記オン画像マークを有していない場合、前記第1の画像に従って前記トレーニングデータを生成することと、をさらに含む、請求項1に記載のモデルトレーニング方法。
【請求項6】
画像識別モデルを記憶するように構成される記憶回路と、
前記記憶回路に結合されたプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
第1の画像を取得し、
前記第1の画像がオン画像マークを有しているかどうかを判断し、
前記第1の画像が前記オン画像マークを有する場合、前記第1の画像の前記オン画像マークに応答して、前記第1の画像に対して自動背景置換を実行し、背景画像が前記第1の画像の背景画像と異なる第2の画像を生成し、
前記第2の画像に従ってトレーニングデータを生成し、
前記トレーニングデータを使用して前記画像識別モデルをトレーニングするように構成される、モデルトレーニングシステム。
【請求項7】
前記プロセッサに結合され、前記第1の画像に対応するユーザ操作を受信するように構成された入出力インターフェースをさらに備え、
前記プロセッサは、前記ユーザ操作に従って、前記第1の画像に対応する前記オン画像マークを生成するようにさらに構成される、請求項6に記載のモデルトレーニングシステム。
【請求項8】
前記ユーザ操作は、前記第1の画像内の前景領域をマークすることを含む、請求項7に記載のモデルトレーニングシステム。
【請求項9】
前記第1の画像に対して前記自動背景置換を実行し、前記第2の画像を生成する前記プロセッサの動作は、
前記オン画像マークに従って、前記第1の画像内の背景領域を決定することと、
前記自動背景置換では、前記背景領域内のデフォルト背景画像を候補背景画像に置換して、前記第2の画像を生成することと、を含む、請求項6に記載のモデルトレーニングシステム。
【請求項10】
前記第1の画像が前記オン画像マークを有していない場合、前記プロセッサは、前記第1の画像に従って前記トレーニングデータを生成するようにさらに構成される、請求項6に記載のモデルトレーニングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モデルトレーニング方法及びモデルトレーニングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の深層学習プラットフォームでは、トレーニング中にモデルのトレーニングデータとして背景合成画像を追加してトレーニングデータのデータベースを拡張すると、しばしば追加の画像処理ソフトウェアを使用して画像の背景を削除し、前景と背景の合成を実行して合成画像を生成することが必要である。次に、合成画像をオンライントレーニングプラットフォームにアップロードして、モデルをトレーニングする。ただし、実際には、ユーザが手動でオフライン合成を実行し、合成画像をオンライントレーニングプラットフォームにアップロードする方法は、非常に非効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の課題を改善することができるモデルトレーニング方法及びモデルトレーニングシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、画像識別モデルをトレーニングするように構成されたモデルトレーニング方法を提供し、モデルトレーニング方法は以下を含む。第1の画像が取得される。第1の画像がオン画像マークを有するかどうかが判断される。第1の画像がオン画像マークを有する場合、第1の画像のオン画像マークに応答して、第2の画像を生成するために、第1の画像に対して自動背景置換が実行される。第2の画像の背景画像は、第1の画像の背景画像とは異なる。第2の画像に従ってトレーニングデータが生成される。画像識別モデルは、トレーニングデータを使用してトレーニングされる。
【0005】
本発明の一実施形態は、記憶回路及びプロセッサを含むモデルトレーニングシステムをさらに提供する。記憶回路は、画像識別モデルを記憶するように構成される。プロセッサは、記憶回路に結合される。プロセッサは、第1の画像を取得し、第1の画像がオン画像マークを有しているかどうかを判断する。第1の画像がオン画像マークを有している場合、第1の画像のオン画像マークに応答して、第2の画像を生成するために、第1の画像に対して自動背景置換を実行し、ここで、第2の画像の背景画像は、第1の画像の背景画像とは異なる。第2の画像に従って、トレーニングデータを生成する。トレーニングデータを使用して画像識別モデルをトレーニングする、ように構成される。
【発明の効果】
【0006】
上記に基づいて、本発明によって提供されるモデルトレーニング方法及びモデルトレーニングシステムは、画像に対して自動背景置換を実行し、対応するトレーニングデータを生成し、トレーニングデータを使用して画像識別モデルをトレーニングすることができる。このようにして、画像識別モデルのトレーニング効率が効果的に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態によるモデルトレーニングシステムの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるモデルトレーニングシステムの動作フローの概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、第1の画像に従って第2の画像を生成する概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、第1の画像に従って第2の画像を生成する概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるモデルトレーニング方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態によるモデルトレーニング方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態によるモデルトレーニングシステムの概略図である。
【0009】
図1を参照すると、モデルトレーニングシステム10は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、サーバ、ゲーム機などの多様なコンピュータシステムに設置又は具現化されることができ、コンピュータシステムの種類はこれに限定されない。
【0010】
モデルトレーニングシステム10は、プロセッサ11、入出力(IO)インターフェース12、及び記憶回路13を含んでも良い。プロセッサ11は、モデルトレーニングシステム10の動作の全体又は一部を担当する。例えば、プロセッサ11は、中央処理装置(CPU)又は他のプログラマブル汎用又は専用マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)又は他の同様の装置、又はこれらの装置の組み合わせを含んでも良い。
【0011】
入出力インターフェース12は、プロセッサ11に結合される。入出力インターフェース12は、入力信号を受信し、及び/又は出力信号を送信するために使用される。例えば、入出力インターフェース12は、マウス、キーボード、スクリーン、ネットワークインターフェースカード、スピーカー、マイクロホンなどの多様な入出力装置を含んでも良く、入出力インターフェース12の類型は、これに限定されない。
【0012】
記憶回路13は、プロセッサ11に結合される。記憶回路13は、データを記憶するために使用される。例えば、記憶回路13は、揮発性記憶回路と不揮発性記憶回路とを含んでも良い。揮発性記憶回路は、データを揮発的に記憶するために使用される。例えば、揮発性記憶回路は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は同様の揮発性記憶媒体を含んでも良い。不揮発性記憶回路は、データを不揮発的に記憶するために使用される。例えば、不揮発性記憶回路は、読み出し専用メモリ(ROM)、ソリッドステートディスク(SSD)、従来のハードディスクドライブ(HDD)、又は同様の不揮発性記憶媒体を含んでも良い。
【0013】
記憶回路13は、画像識別モデル14を記憶する。画像識別モデル14は、画像(対象画像ともいう)内のオブジェクトを識別するために使用されても良い。例えば、画像識別モデル14は、ニューラルネットワークモデル及び/又は深層学習モデルを含んでも良い。ニューラルネットワークモデル及び/又は深層学習モデルは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)又は同様のニューラルネットワークを使用して画像識別を実行することができる。また、画像識別モデル14をトレーニングすることにより、対象物を識別するための画像識別モデル14の識別効率を向上させることができる。
【0014】
プロセッサ11は、トレーニングデータを使用して、画像識別モデル14をトレーニングすることができる。例えば、トレーニングデータは、複数のトレーニング画像を含んでも良い。プロセッサ11は、画像識別モデル14に入力するための対象画像として特定のトレーニング画像を取得することができる。画像識別モデル14は、組み込みのニューラルネットワークモデル及び/又は深層学習モデルを介して対象画像内の対象物を識別することができる。例えば、画像識別モデル14は、対象画像内の対象物を識別することができる。対象物の識別の結果は、画像識別モデル14が認識する対象画像内の対象物の特徴を反映することができる。対象物の識別が完了した後、プロセッサ11は、画像識別モデル14によって得られた対象物の識別結果を、対象画像に対応する検証データと比較して、比較結果を得ることができる。比較結果は、画像識別モデル14によって達成される対象物の識別精度を反映することができる。プロセッサ11は、比較結果に従って、画像識別モデル14の少なくともいくつかのパラメータ(重み値など)を調整することができ、これにより、対象物に関する画像識別モデル14の識別効率を向上させる。画像識別モデル14をトレーニングするために、対象物を含む多数のトレーニング画像を使用することによって、対象物に関する画像識別モデル14の識別効率を徐々に改善することができる。さらに、一実施形態では、画像識別モデル14によって生成された対象画像の識別結果は、対象画像内の対象物(例えば、犬)の類型を識別することも含んでも良いが、これは本発明によって限定されない。
【0015】
一般に、画像識別モデル14をトレーニングするために、同じ類型の対象物を有するより多くのトレーニング画像及びより多くの多様性が使用されるほど、この類型の対象物に対する画像識別モデル14の識別効率が高くなり得る。例えば、画像識別モデル14の識別能力を改善して対象画像内の「犬」を識別することが望まれる場合、「犬」を含む多数の画像を使用して、画像識別モデル14をトレーニングすることができる。特に、これらの画像の多様性が広いほど、又はこれらの画像の違いが大きいほど(例えば、複数の画像に同じ犬がいて、これらの画像の背景が異なるなど)、これらの画像を使用して画像識別モデル14のトレーニングを行うことで、トレーニング効率が向上する。したがって、本発明の実施形態は、自動背景置換によって異なる背景画像を有する対象画像を自動的に生成する。このようにして、画像識別モデルのトレーニング効率を効果的に改善することができる。
【0016】
一実施形態では、プロセッサ11は、オン画像マークを有する画像(第1の画像ともいう)を取得することができる。第1の画像のオン画像マークに応答して、プロセッサ11は、第1の画像に対して自動背景置換を実行して、別の画像(第2の画像ともいう)を生成することができる。特に、第2の画像の背景画像は、第1の画像の背景画像とは異なる。例えば、第1の画像の背景置換を自動で行うことにより、第1の画像の対象物を第2の画像に残したまま、異なる背景画像の第2の画像をさらに生成することができる。次に、プロセッサ11は、第2の画像に従ってトレーニングデータを生成することができる。例えば、トレーニングデータ内のトレーニング画像は、第2の画像を含んでも良い。次に、プロセッサ11は、対象物に関する画像識別モデル14の識別効率を効果的に改善するように、トレーニングデータを使用して画像識別モデル14をトレーニングすることができる。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態によるモデルトレーニングシステムの動作フローの概略図である。
【0018】
図1及び
図2に参照すると、プロセッサ11は、画像21(すなわち、第1の画像)を得ることができる。本発明の実施形態において、画像21は、入出力インターフェース12を介してユーザによってモデルトレーニングシステム10にアップロードされても良い。プロセッサ11は、画像21に対応するユーザ操作を受信しても良い。次に、プロセッサ11は、オン画像マーク201を画像21に表示する。詳細には、ユーザ操作は、画像21上の前景領域をマークすることを含んでも良い。例えば、前景領域は、画像21内の対象物を含んでも良い。次に、プロセッサ11は、ユーザ操作(又は前景領域)に従って、画像21に対応するオン画像マーク201を生成することができる。例えば、オン画像マーク201は、画像21における前景領域のカバー範囲を反映することができる。
【0019】
オン画像マーク201を表示した後、プロセッサ11は、オン画像マーク201を有する画像21に対してデータ前処理202を実行することができる。例えば、データ前処理202は、画像21に対して色調整、明るさ調整、及び/又は解像度調整などの事前設定された画像処理操作を実行する工程を含んでも良い。
【0020】
特に、データ前処理202のプロセス中に、プロセッサ11は、画像22(すなわち、第2の画像)を生成するために、画像21上でオン画像マーク201に対して自動背景置換203をさらに実行することができる。例えば、自動背景置換203において、プロセッサ11は、オン画像マーク201に従って画像21内の背景領域を決定することができる。特に、前景領域と比較して、画像21内の背景領域は、画像21内の対象物を含まない。例えば、プロセッサ11は、オン画像マーク201に従って、前景領域に属さない、又は前景領域のカバー範囲内にない画像21内の残りの画像領域が背景領域であると決定してもよい。次に、自動背景置換203において、プロセッサ11は、候補パターン(候補背景画像ともいう)を使用して、背景領域内のデフォルトパターン(デフォルト背景画像ともいう)を置換して画像22を生成することができる。このようにして、生成された画像22は、画像21の前景領域内の元の画像、及び、背景領域内の置換された背景画像の両方を含んでも良い。一実施形態では、オン画像マーク201を使用して、自動背景置換203をトリガーすることができる。
【0021】
画像22を生成した後、プロセッサ11は、画像22に従ってトレーニングデータ23を生成し得る。例えば、トレーニングデータ23は、画像22を含んでも良い。次に、プロセッサ11は、トレーニングデータ23を使用して画像識別モデル14をトレーニングし、これにより、画像21内の対象物に関する画像識別モデル14の識別効率を改善することができる。なお、トレーニングデータを使用して画像識別モデル14をトレーニングすることは、上で詳細に説明されており、関連分野の従来技術にも属するので、その詳細はここでは繰り返さない。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態による、第1の画像に従って第2の画像を生成する概略図である。
【0023】
図3を参照すると、第1の画像には画像31が含まれているものとする。画像31には、ユーザ操作によりオン画像マーク301が付加されても良い。例えば、ユーザ操作は、ユーザが指、マウス、又はスタイラスペンなどの入力ツールを介して画像31内の対象物(犬など)を円で囲んでオン画像マーク301を生成することを含んでも良い。オン画像マーク301を使用して、画像31内の異なる領域310及び320を定義又は区別することができる。例えば、画像31内の対象物(犬など)は領域310内に位置するが、領域320内に位置しないので、領域310及び320は、画像31において、それぞれ前景領域及び背景領域と見なされ得る。
【0024】
次に、画像31の自動背景置換は、オン画像マーク301に従って自動的に実行され、画像32を生成することができる。例えば、画像31の自動背景置換において、領域320内のパターン(すなわち、背景画像)は、異なる背景画像に置換される。ただし、画像31の自動背景置換では、領域310内の対象物を含むパターンは変更されない(すなわち維持される)。
【0025】
なお、
図2の実施形態では、背景領域内のデフォルト背景画像を異なる候補背景画像に置換することによって、より多くの画像22を生成することができる。特に、生成された画像22における背景画像は異なる。このようにして、元の画像(すなわち、画像21)内の対象物を依然として保持しながら、トレーニングデータ23の多様性を効果的に増加することができ、それによって、画像識別モジュール14のその後のトレーニング効率を改善する。
【0026】
図3の実施形態では、オン画像マーク301は、対象物(すなわち、領域310)の輪郭に対応する前景領域のカバー範囲を生成するように、画像31内の対象物(犬など)のエッジに沿ってマークするためにユーザによって作成される。しかし、一実施形態では、オン画像マークは、第1の画像内の前景領域(又は背景領域)のカバー範囲をマークするために、ユーザによって定義された他の形状(多角形、円、又は楕円など)であっても良い。これは、本発明によって限定されない。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態による、第1の画像に従って第2の画像を生成する概略図である。
【0028】
図4を参照すると、第1の画像には画像41が含まれているものとする。画像41には、ユーザ操作に応じてオン画像マーク401が付加されても良い。特に、
図3の実施形態と比較して、画像41におけるオン画像マーク401の形状は矩形であるが、オン画像マーク401の形状は、これに限定されない。オン画像マーク401は、画像41内の異なる領域410(すなわち、前景領域)及び420(すなわち、背景領域)を定義又は区別するために使用され得る。次に、画像41の自動背景置換は、オン画像マーク401に従って自動的に実行され、画像42を生成することができる。例えば、画像41の自動背景置換では、領域420内のパターン(すなわち、背景画像)は異なる背景画像に置換される。
【0029】
一実施形態では、ユーザ操作は、オン画像マークの代わりに、第1の画像上に通常マークを含んでも良い。例えば、通常マークは、第1の画像における対象物の類型及び/又は第1の画像における対象物の位置を記述するために使用されても良い。ただし、自動背景置換をトリガーするために使用できるオン画像マークと比較して、第1の画像に対応する通常マークは、第1の画像の自動背景置換をトリガーしない。
【0030】
一実施形態において、第1の画像がオン画像マークを有しない(例えば、通常のマークのみを有する、又はマークを全く有しない)場合、プロセッサ11は、第1の画像に従ってトレーニングデータを直接生成することができる。又は、別の観点によれば、オン画像マークのない第1の画像に応答して、プロセッサ11は、第1の画像に対して自動背景置換を実行せず(又はスキップし)、第2の画像を生成しなくても良い。このように、第1の画像がオン画像マークを有するかどうかを識別することによって、プロセッサ11は、ユーザが現在第1の画像に対して自動背景置換を実行することを望んでいるかどうかを自動的に判断し、それによって操作の利便性を効果的に向上させることができる。
【0031】
一実施形態では、通常マークは、第1の画像のみに付加されても良いし、オン画像マークとともに第1の画像に付加されても良い。すなわち、第1の画像に対するユーザ操作は、通常マークの付加であっても良いし、通常マークと画像中マークの両方を第1の画像に付加するものであっても良い。
【0032】
一実施形態では、トレーニングデータが第1の画像又は第2の画像に従って生成された後、トレーニングデータに対応する通常マークを使用して、画像識別モデル14の識別結果を検証することができる。例えば、あるトレーニングデータが第1の画像又は第2の画像に従って生成されると仮定すると、トレーニングデータが対象画像として画像識別モデル14に入力された後、画像識別モデル14は、対象画像内の対象物を「犬」と判断する識別結果を生成することができる。そして、対象画像に対応する通常マークも「犬」であると仮定すると、プロセッサ11は、画像識別モデル14の識別結果を対象画像に対応する通常マークと比較することにより、対象画像に関する画像識別モデル14の識別結果が正しいと判断することができる。反対に、画像識別モデル14が対象画像内の対象物が「豚」であると判断した場合、プロセッサ11は、画像識別モデル14の識別結果を対象画像に対応する通常マークと比較することにより、対象画像に関する画像識別モデル14の識別結果が正しくないと判断することができる。なお、画像識別モデルの識別結果を検証するための通常マークの関連する動作は、上記で詳細に説明されており、関連分野の従来技術に属するので、ここでは詳細を繰り返さない。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態によるモデルトレーニング方法のフローチャートである。
【0034】
図5を参照すると、工程501において、オン画像マークを有する第1の画像が取得される。工程502において、第1の画像のオン画像マークに応答して、第1の画像に対して自動背景置換が実行され、第2の画像が生成される。ここで、第2の画像の背景画像は、第1の画像の背景画像とは異なる。工程503において、第2の画像に従ってトレーニングデータが生成される。工程504において、トレーニングデータを使用することによって画像識別モデルがトレーニングされる。
【0035】
図6は、本発明の一実施形態によるモデルトレーニング方法のフローチャートである。
【0036】
図6を参照すると、工程601において、第1の画像が取得される。工程602において、第1の画像に対応するユーザ操作が受信される。工程603において、ユーザ操作に従って、第1の画像にマークが付加される。例えば、マークは、通常のマーク、又は通常のマークとオン画像マークとの組み合わせを含んでも良い。
【0037】
工程604において、第1の画像がオン画像マークを有するかどうかが判断される。第1の画像のオン画像マークに応答して、工程605において、第1の画像に対して自動背景置換が実行され、第2の画像が生成される。ここで、第2の画像の背景画像は、第1の画像の背景画像とは異なる。工程606では、第2の画像に従ってトレーニングデータが生成される。あるいは、オン画像マークのない第1の画像に応答して、工程607で、第1の画像に従ってトレーニングデータが生成される。工程608において、トレーニングデータを使用することによって画像識別モデルがトレーニングされる。
【0038】
ただし、
図5及び
図6の各工程は、上で詳細に説明したので、ここでは繰り返さない。なお、
図5及び
図6における各工程は、複数のプログラムコード又は回路として実施することができるが、これは本発明によって限定されない。また、
図5及び
図6に示す方法は、上記の例示的な実施形態の参照とともに使用することができ、又は単独で使用することができ、これは本発明によって限定されない。
【0039】
まとめると、本発明によって提供されるモデルトレーニング方法及びモデルトレーニングシステムは、トレーニングデータを使用して画像識別モデルをトレーニングするために、第1の画像に対して自動背景置換を実行し、対応するトレーニングデータを生成することができる。特に、第1の画像において追加的に付加されたオン画像マークを識別又は検出することによって、自動背景置換の動作も自動的にアクティブ化され、同じ対象物を有するが異なる背景画像を有する第2の画像を自動的に生成することができる。このようにして、画像識別モデルのトレーニング効率を効果的に改善することができる。
【0040】
当業者には、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、開示された実施形態に対して様々な修正及び変形を行うことができることが明らかである。上記を考慮して、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にある限り、修正及び変更を包含することが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明におけるモデルトレーニング方法及びモデルトレーニングシステムは、画像識別モデルをトレーニングするために適用され得る。
【符号の説明】
【0042】
10: モデルトレーニングシステム
11: プロセッサ
12: 入出力インターフェース
13: 記憶回路
14: 画像識別モデル
21,22,31,32,41,42: 画像
201: オン画像マーク
202: データ前処理
203: 自動背景置換
23: トレーニングデータ
301,401: オン画像マーク
310,320,410,420: 領域
501-504,601-608: 工程
【外国語明細書】