(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132101
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】空気清浄装置
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20240920BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20240920BHJP
F24F 7/08 20060101ALI20240920BHJP
F24F 7/10 20060101ALI20240920BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240920BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
B01D46/00 F
F24F7/007 B
F24F7/08 Z
F24F7/10 101D
F24F7/10 101Z
F24F8/108 120
F24F7/003
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042759
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】池田 和史
(72)【発明者】
【氏名】堤 和紀
【テーマコード(参考)】
3L056
4D058
【Fターム(参考)】
3L056BD02
4D058JA12
4D058NA02
4D058QA01
4D058QA03
4D058QA11
4D058QA19
4D058QA21
4D058SA01
(57)【要約】
【課題】所定空間の温度環境および微粒子濃度環境を改善可能な空気清浄装置を提供する。
【解決手段】空間取込口2と、空間吹出口3と、ダクト4と接続された屋外吹出口6と、所定空間に空気を吹き出す空間吹出ファン7と、屋外に空気を吹き出す屋外吹出ファン8と、所定空間に吹き出す空気から微粒子を除去する空間清浄部9と、空間吹出口3を開閉する開閉ダンパ10と、空間温度を検出する温度センサ11と、空間微粒子濃度を検出する微粒子濃度センサ12と、空間循環風路と、屋外吹出風路と、空間温度が高温閾値以上かつ空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、開閉ダンパ10を開き空間吹出ファン7を動作し屋外吹出ファン8を動作する第一制御を行う制御部と、を備えることで上記課題を解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定空間からの空気を筐体内空間に取り込むための空間取込口と、
前記筐体内空間の空気を前記所定空間に吹き出すための空間吹出口と、
前記筐体内空間の空気を屋外に吹き出すためのダクトと接続された屋外吹出口と、
前記筐体内空間から前記所定空間に空気を吹き出す空間吹出ファンと、
前記筐体内空間から前記屋外に空気を吹き出す屋外吹出ファンと、
前記所定空間に吹き出す空気から微粒子を除去する空間清浄部と、
前記空間吹出口を開閉する開閉ダンパと、
前記所定空間の温度である空間温度を検出する温度センサと、
前記所定空間の微粒子濃度である空間微粒子濃度を検出する微粒子濃度センサと、
前記空間取込口、前記空間吹出ファン、前記空間吹出口の順に空気を導く空間循環風路と、
前記空間取込口、前記空間吹出ファン、前記屋外吹出ファン、前記屋外吹出口の順に空気を導く屋外吹出風路と、
前記空間温度が高温閾値以上かつ前記空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、前記開閉ダンパを開き前記空間吹出ファンを動作し前記屋外吹出ファンを動作することで、前記所定空間の空気を前記屋外吹出風路を経由した前記屋外への搬送と、前記所定空間の空気を前記空間循環風路を経由した再度前記所定空間への搬送と、を同時に実施する第一制御を行う制御部と、を備える空気清浄装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記空間温度が前記高温閾値以上かつ前記空間微粒子濃度が前記高濃度閾値未満であれば、前記空間吹出ファンを停止し前記屋外吹出ファンを動作することで、前記所定空間の空気を前記屋外吹出風路を経由して前記屋外に搬送する第二制御を行う請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記空間温度が前記高温閾値未満かつ前記空間微粒子濃度が前記高濃度閾値以上であれば、前記開閉ダンパを開き前記空間吹出ファンを動作し前記屋外吹出ファンを停止することで、前記所定空間の空気を前記空間循環風路を経由して再度前記所定空間に搬送する第三制御を行う請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記空間温度が前記高温閾値未満かつ前記空間微粒子濃度が前記高濃度閾値未満であれば、前記空間吹出ファンを停止し前記屋外吹出ファンを停止することで、前記所定空間の空気を前記屋外吹出風路を経由した前記屋外への搬送と、前記所定空間の空気を前記空間循環風路を経由した再度前記所定空間への搬送と、を実施しない第四制御を行う請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項5】
所定空間からの空気を筐体内空間に取り込むための空間取込口と、
前記筐体内空間の空気を前記所定空間に吹き出すための空間吹出口と、
前記筐体内空間の空気を屋外に吹き出すためのダクトと接続された屋外吹出口と、
前記筐体内空間から前記所定空間に空気を吹き出す空間吹出ファンと、
前記筐体内空間から前記屋外に空気を吹き出す屋外吹出ファンと、
前記所定空間に吹き出す空気から微粒子を除去する空間清浄部と、
前記空間吹出口を開閉する開閉ダンパと、
前記所定空間の温度である空間温度を検出する温度センサと、
前記所定空間の微粒子濃度である空間微粒子濃度を検出する微粒子濃度センサと、
前記空間取込口、前記空間吹出ファン、前記空間吹出口の順に空気を導く空間循環風路と
、
前記空間取込口、前記空間吹出ファン、前記屋外吹出ファン、前記屋外吹出口の順に空気を導く屋外吹出風路と、
前記空間温度が高温閾値以上かつ前記空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、前記開閉ダンパを閉じ前記空間吹出ファンを動作し前記屋外吹出ファンを動作することで、前記所定空間の空気を前記空間循環風路を経由して再度前記所定空間に搬送せず、前記所定空間の空気をすべて前記屋外吹出風路を経由して前記屋外へ搬送する高排気制御を行う制御部と、を備える空気清浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気清浄装置は、吸気口と吹出口を有する本体ケースの中に、塵埃やガスを捕集するフィルタユニットと、送風ユニットとを備える。送風ユニットは、吸気口から本体ケース外の空気を本体ケース内に送風する。本体ケース内に吸い込まれた空気はフィルタユニットを通過して吹出口から本体ケース外に吹き出される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の空気清浄装置は、所定空間に設置され、所定空間の空気状態、例えば空気の汚れである微粒子濃度(PM2.5濃度)を改善する。所定空間が高温である場合等において所定空間の排気を行うことが望ましいが従来の空気清浄装置は排気を行うことができない。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、所定空間の温度環境および微粒子濃度環境を改善可能な空気清浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の空気清浄装置は、所定空間からの空気を筐体内空間に取り込むための空間取込口と、筐体内空間の空気を所定空間に吹き出すための空間吹出口と、筐体内空間の空気を屋外に吹き出すためのダクトと接続された屋外吹出口と、筐体内空間から所定空間に空気を吹き出す空間吹出ファンと、筐体内空間から屋外に空気を吹き出す屋外吹出ファンと、所定空間に吹き出す空気から微粒子を除去する空間清浄部と、空間吹出口を開閉する開閉ダンパと、所定空間の温度である空間温度を検出する温度センサと、所定空間の微粒子濃度である空間微粒子濃度を検出する微粒子濃度センサと、空間取込口、空間吹出ファン、空間吹出口の順に空気を導く空間循環風路と、空間取込口、空間吹出ファン、屋外吹出ファン、屋外吹出口の順に空気を導く屋外吹出風路と、空間温度が高温閾値以上かつ空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、開閉ダンパを開き空間吹出ファンを動作し屋外吹出ファンを動作することで、所定空間の空気を屋外吹出風路を経由した屋外への搬送と、所定空間の空気を空間循環風路を経由した再度所定空間への搬送と、を同時に実施する第一制御を行う制御部と、を備える等によりこの目的を達成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定空間の温度環境および微粒子濃度環境を改善可能な空気清浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る空気清浄装置の概略図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る空気清浄装置の概略機能ブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る第一制御を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る第二制御を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る第三制御を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る第四制御を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するために例示するものであって、本発明は以下のものに特定しない。特に実施の形態に記載されている数値、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる実施例に過ぎない。
【0010】
(実施の形態)
まず、本発明の実施の形態に係る空気清浄装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気清浄装置の構成を示す。空間浄化装置は例えば屋内の1室である所定空間の天井裏などに設置される。所定空間の一例はリビングルームであるが、オフィスビル等の施設内の一室であってもよい。空間浄化装置は、筐体1を備える。
【0011】
筐体1は概略直方体形状の箱体であり、空間取込口2と空間吹出口3と屋外吹出口6と空間吹出ファン7と屋外吹出ファン8と空間清浄部9と開閉ダンパ10と温度センサ11と微粒子濃度センサ12と制御部13とを備える。ここで、筐体1の内部空間を筐体内空間とする。本実施の形態では、筐体1は、所定空間の天井に埋設される。筐体1の下面は所定空間に露出している。
【0012】
空間取込口2は、筐体1の下面に設けられ、所定空間からの空気を筐体内空間に取り込むための開口である。
【0013】
空間吹出口3は、筐体1の下面に設けられ、筐体内空間の空気を所定空間に吹き出すための空間取込口2とは別の開口である。空間吹出口3は、吹き出す空気を整流するための複数の整流板により形成されてもよい。
【0014】
屋外吹出口6は、筐体1の側面に設けられ、筐体内空間の空気を屋外に吹き出すための開口である。屋外吹出口6は、ダクト4の一端と接続される。屋外吹出口6と接続されていないダクト4の他端は、屋外と接続される。つまり、筐体内空間は屋外吹出口6およびダクト4を介して屋外と接続される。
【0015】
空間吹出ファン7は、筐体内空間であり空間取込口2の上部に設けられる。
図1に示すように、空間吹出ファン7は、空間取込口2と対向する位置に設けられる。空間吹出ファン7は、例えばシロッコファンであり、DC(Direct Current)モータと、DCモータから延びるシャフトと、シャフトに取り付けられた羽根部により構成される。空間吹出ファン7において、DCモータが動作すると羽根部が回転する。空間吹出ファン7は、羽根部が回転することによって、所定空間の空気を筐体内空間に吸い込み、吸い込んだ空気を空間吹出口3がある方向の筐体1の側面に向かって吐き出す。吐き出された空気は、空間吹出口3を経由して所定空間に吹き出される。吐き出された空気は、屋外吹出口6、ダクト4を経由して屋外に排気されるものも一部あるが、屋外に排気するための風路抵抗よりも所定空気に吹き出すための風路抵抗の方が小さいため、吐き出された空気はほぼ所定空間に吹き出される。また、吐き出された空気が所定空間に吹き出されるようなガイド機構を設けてもよい。また、空間吹出ファン7は、DCモータではなく、AC(Alternating Current)モータなどDCモータ以外のモータでもよい。つまり、空間吹出ファン7は、筐体内空間から所定空間に空気を吹き出す。
【0016】
空間吹出ファン7が動作することで、所定空間の空気が空間取込口2、空間吹出ファン7、空間吹出口3の順に経由し、再度所定空間に吹き出される気流が発生する。つまり、空気清浄装置は、空間取込口2、空間吹出ファン7、空間吹出口3の順に空気を導く空間循環風路Aを備える。
【0017】
屋外吹出ファン8は、
図1に示すように筐体内空間であり屋外吹出口6の近傍かつ屋外吹出口6と対向する位置に設けられる。屋外吹出ファン8は、例えばシロッコファンであり、DCモータと、DCモータから延びるシャフトと、シャフトに取り付けられた羽根部により構成される。屋外吹出ファン8において、DCモータが動作すると羽根部が回転する。屋外吹出ファン8は、羽根部が回転することによって、筐体内空間の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を屋外吹出口6、ダクト4を経由して屋外に吹き出す。また、屋外吹出ファン8は、DCモータではなく、ACモータなどDCモータ以外のモータでもよい。つまり、屋外吹出ファン8は、筐体内空間から屋外に空気を吹き出す。
【0018】
空間吹出ファン7および屋外吹出ファン8が動作することで、所定空間の空気が空間取込口2、空間吹出ファン7、屋外吹出ファン8、屋外吹出口6、ダクト4の順に経由し屋外に吹き出される気流が発生する。つまり、空気清浄装置は、空間取込口2、空間吹出ファン7、屋外吹出ファン8、屋外吹出口6の順に空気を導く屋外吹出風路Bを備える。また、屋外吹出ファン8のみが動作する場合でも、所定空間の空気が空間取込口2、空間吹出ファン7、屋外吹出ファン8、屋外吹出口6、ダクト4の順に経由し屋外に吹き出される気流は発生する。
【0019】
空間清浄部9は、所定空間に吹き出す空気から微粒子を除去する。空間清浄部9は、空間吹出口3の近傍であり、空間循環風路Aにおける空間吹出ファン7と空間吹出口3との間に設けられる。空間清浄部9は、例えば、HEPA(High Efficiency
Particulate Air)フィルタであり、空気中の微粒子を捕集可能である。微粒子は、例えば、PM2.5、花粉、ハウスダストである。つまり、空間清浄部9は、空間吹出口3から所定空間に吹き出す空気から微粒子を除去する。
【0020】
開閉ダンパ10は、開閉可能な構造を有するダンパである。開閉ダンパ10は、空間吹出口3を開閉する。
【0021】
温度センサ11は、所定空間の温度である空間温度を検出する。具体的には、温度センサ11は、空間取込口2近傍に設けられ、所定空間から取り込まれた空気の温度を検出することで空間温度を検出する。温度の検出には公知の技術が使用される。
【0022】
微粒子濃度センサ12は、所定空間の微粒子濃度である空間微粒子濃度を検出する。具体的には、微粒子濃度センサ12は、空間取込口2近傍に設けられ、所定空間から取り込まれた空気の微粒子濃度を検出することで空間微粒子濃度を検出する。微粒子濃度の検出には公知の技術が使用される。
【0023】
制御部13は、温度センサ11により検出された空間温度および微粒子濃度センサ12により検出された空間微粒子濃度に基づいて、空間吹出ファン7、屋外吹出ファン8、および開閉ダンパ10を制御する。制御部13による詳細な制御内容については後述する。
【0024】
次いで、
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る制御部13の各機能について説明する。
図2は制御部13及び周辺部の概略機能ブロック図である。
【0025】
制御部13は、温度取得部21と、微粒子濃度取得部22と、記憶部23と、判定部24と、空間吹出ファン制御部25と、屋外吹出ファン制御部26と、開閉ダンパ制御部2
7と、を備える。
【0026】
温度取得部21は、温度センサ11により検出された空間温度を取得する。
【0027】
微粒子濃度取得部22は、微粒子濃度センサ12により検出された空間微粒子濃度を取得する。
【0028】
記憶部23は、各種閾値を記憶する。具体的には記憶部23は、所定の高温閾値、所定の高濃度閾値を記憶する。
【0029】
高温閾値は、空間温度がユーザーにとって快適性が低い高温度であるかを判断するためのもので、例えば、予め実験等により決められた値である。高温閾値の一例は30[度]である。
【0030】
高濃度閾値は、空間微粒子濃度がユーザーにとって快適性が低い高微粒子濃度であるかを判断するためのもので、例えば、予め実験等により決められた値である。高濃度閾値の一例は、35[マイクログラム/立法メートル]である。
【0031】
判定部24は、温度取得部21により取得された空間温度、微粒子濃度取得部22により取得された空間微粒子濃度、および記憶部23に記憶された各種閾値に基づいて、空間吹出ファン7、屋外吹出ファン8、および開閉ダンパ10の制御内容を決定する。具体的には、判定部24は、温度取得部21により取得された空間温度、微粒子濃度取得部22により取得された空間微粒子濃度、および記憶部23に記憶された各種閾値に基づいて、第一制御、第二制御、第三制御および第四制御のいずれかの制御を行うかを判定する。判定部24による判定方法の詳細については後述する。
【0032】
ここで、第一制御、第二制御、第三制御および第四制御について説明する。
【0033】
まず、第一制御について
図3を用いて説明する。
図3は第一制御の概要を示す。第一制御では、開閉ダンパ10が開かれ、空間吹出ファン7が動作され、屋外吹出ファン8が動作されることで、所定空間の空気を屋外吹出風路Bを経由して屋外に搬送し、所定空間の空気を空間循環風路Aを経由して再度所定空間に搬送する。
【0034】
次に、第二制御について
図4を用いて説明する。
図4は第二制御の概要を示す。第二制御では、空間吹出ファン7が停止され、屋外吹出ファン8が動作されることで、所定空間の空気を屋外吹出風路Bを経由して屋外に搬送する。開閉ダンパ10は開かれてもよいし、閉じられてもよい。
【0035】
次に、第三制御について
図5を用いて説明する。
図5は第三制御の概要を示す。第三制御では、開閉ダンパ10が開かれ、空間吹出ファン7が動作され、屋外吹出ファン8が停止されることで、所定空間の空気を空間循環風路Aを経由して再度所定空間に搬送する。
【0036】
次に、第四制御について
図6を用いて説明する。
図6は第四制御の概要を示す。第四制御では、空間吹出ファン7が停止され、屋外吹出ファン8が停止されることで、所定空間の空気を屋外吹出風路Bを経由して屋外に搬送せず、所定空間の空気を空間循環風路Aを経由して再度前記所定空間に搬送しない。開閉ダンパ10は開かれてもよいし、閉じられてもよい。
【0037】
空間吹出ファン制御部25は、判定部24の判定結果に基づいて空間吹出ファン7を制御する。
【0038】
屋外吹出ファン制御部26は、判定部24の判定結果に基づいて屋外吹出ファン8を制御する。
【0039】
開閉ダンパ制御部27は、判定部24の判定結果に基づいて開閉ダンパ10を制御する。
【0040】
ここで、制御部13の各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU(CentralProcessing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによって様々な形で実現することができる。
【0041】
上記構成による空気清浄装置の動作を説明する。
図7は、本実施の形態に係る制御部13の制御を示すフローチャートである。ここで、フローチャートではSを頭文字にして番号を割り振った。例えばS1などは処理ステップを指す。但し、処理ステップを示す数値の大小と処理順序は関係しない。
【0042】
温度取得部21は空間温度を取得し、微粒子濃度取得部22は空間微粒子濃度を取得する(S1)。
【0043】
判定部24は、温度取得部21により取得された空間温度が高温閾値(例えば、30度)以上か否か判定する(S2)。
【0044】
空間温度が高温閾値以上であれば、判定部24は、空間微粒子濃度が高濃度閾値(例えば、35マイクログラム/立法メートル)以上か否か判定する(S2のYes→S3)。そして、空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、判定部24は、第一制御を行うことを判定する(S3のYes→S4)。
【0045】
判定部24により第一制御を行う判定が行われると、開閉ダンパ制御部27は開閉ダンパ10を開き、空間吹出ファン制御部25は空間吹出ファン7を動作し、屋外吹出ファン制御部26は屋外吹出ファン8を動作する。これにより、所定空間の空気を屋外吹出風路Bを経由して屋外に搬送し、同時に所定空間の空気を空間循環風路Aを経由して再度所定空間に搬送する。ユーザーにとって快適性が低い高温閾値以上の温度である所定空間の空気を屋外に搬送することができるので、ユーザーの快適性を向上できる。また、ユーザーにとって快適性が低い高濃度閾値以上の所定空間の空気から空間清浄部9により微粒子を取り除くことができる。つまり、所定空間の微粒子濃度の低減に寄与することができる。結果として、ユーザーの快適性を向上できる。
【0046】
ステップS3において、空間微粒子濃度が高濃度閾値未満であれば、判定部24は、第二制御を行うことを判定する(S3のNo→S5)。
【0047】
判定部24により第二制御を行う判定が行われると、空間吹出ファン制御部25は空間吹出ファン7を停止し、屋外吹出ファン制御部26は屋外吹出ファン8を動作する。開閉ダンパ制御部27は開閉ダンパ10を開いても良いし閉じてもよい。これにより、所定空間の空気を屋外吹出風路Bを経由して屋外に搬送する。ユーザーにとって快適性が低い高温閾値以上の温度である所定空間の空気を屋外に搬送することができるので、ユーザーの快適性を向上できる。また、所定空間の空気は高濃度閾値未満の空気でありユーザーにとって快適性が低くないため、所定空間の空気清浄を必ずしも行う必要がない。つまり、空
間吹出ファン7を停止することで、無駄な運転を抑制でき、結果としてユーザーの快適性低下を抑制しつつ省エネルギーな運転を行うことができる。
【0048】
ステップS2において、空間温度が高温閾値未満であれば、判定部24は、空間微粒子濃度が高濃度閾値(例えば、35マイクログラム/立法メートル)以上か否か判定する(S2のNo→S6)。そして、空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、判定部24は、第三制御を行うことを判定する(S6のYes→S7)。
【0049】
判定部24により第三制御を行う判定が行われると、開閉ダンパ制御部27は開閉ダンパ10を開き、空間吹出ファン制御部25は空間吹出ファン7を動作し、屋外吹出ファン制御部26は屋外吹出ファン8を停止する。これにより、所定空間の空気を空間循環風路Aを経由して再度所定空間に搬送する。ユーザーにとって快適性が低い高濃度閾値以上の空気から空間清浄部9により微粒子を取り除くことができる。つまり、所定空間の微粒子濃度の低減に寄与することができ、結果として、ユーザーの快適性を向上できる。また、所定空間の温度がユーザーにとって快適性が低い高温閾値以上の温度でないため、所定空間の換気を必ずしも行う必要がない。つまり、屋外吹出ファン8を停止することで、無駄な運転を抑制でき、結果としてユーザーの快適性低下を抑制しつつ省エネルギーな運転を行うことができる。
【0050】
ステップS6において、空間微粒子濃度が高濃度閾値未満であれば、判定部24は、第四制御を行うことを判定する(S6のNo→S8)。
【0051】
判定部24により第四制御を行う判定が行われると、空間吹出ファン制御部25は空間吹出ファン7を停止し、屋外吹出ファン制御部26は屋外吹出ファン8を停止する。開閉ダンパ制御部27は開閉ダンパ10を開いても良いし閉じてもよい。これにより、所定空間の空気を屋外吹出風路Bを経由して屋外に搬送せず、所定空間の空気を空間循環風路Aを経由して再度所定空間に搬送しない。所定空間の温度がユーザーにとって快適性が低い高温閾値以上の温度でないため、所定空間の換気を必ずしも行う必要がない。つまり、屋外吹出ファン8を停止することで、無駄な運転を抑制でき、結果としてユーザーの快適性低下を抑制しつつ省エネルギーな運転を行うことができる。また、所定空間の空気は高濃度閾値未満のユーザーにとって快適性が低くない空気であり、所定空間の空気清浄を必ずしも行う必要がない。つまり、空間吹出ファン7を停止することで、無駄な運転を抑制でき、結果としてユーザーの快適性低下を抑制しつつ省エネルギーな運転を行うことができる。
【0052】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0053】
(変形例)
例えば、本実施の形態では、制御部13が第一制御として開閉ダンパ10を開き空間吹出ファン7を動作し屋外吹出ファン8を動作することで、所定空間の空気を屋外吹出風路Bを経由した屋外への搬送と所定空間の空気を空間循環風路Aを経由した再度所定空間への搬送とを同時に実施している。
【0054】
しかし、制御部13は第一制御の代わりに高排気制御を行っても良い。高排気制御とは、制御部13が、開閉ダンパ10を閉じ空間吹出ファン7を動作し屋外吹出ファン8を動作することで、所定空間の空気を空間循環風路Aを経由して再度所定空間に搬送せず、所定空間の空気をすべて屋外吹出風路Bを経由して屋外へ搬送する制御である。高排気制御
は、所定空間内の高温空気および所定空間内の塵埃等を所定空間から出来るだけ多く排除することが望まれる。所定空間内の高温空気および所定空間内の塵埃等を所定空間から出来るだけ多く排除することは、出来るだけ多くの所定空間からの排気を行うことでも実現できる。ここで、開閉ダンパ10が閉じ、屋外吹出ファン8のみが動作した場合でも所定空間からの排気が行われる。しかし、屋外吹出ファン8のみが動作した場合よりも、空間吹出ファン7および屋外吹出ファン8が動作した場合の方が所定空間からより多くの排気を行うことができる。即ち、所定空間内の高温空気および所定空間内の塵埃等を所定空間から出来るだけ多く排除することができる。
【0055】
ユーザーにとって快適性が低い高温閾値以上の温度である所定空間の空気を屋外に搬送することができるので、ユーザーの快適性を向上できる。また、ユーザーにとって快適性が低い高濃度閾値以上の所定空間の空気を屋外に搬送することができるので、所定空間の微粒子濃度の低減に寄与することができる。結果として、ユーザーの快適性を向上できる。
【0056】
(発明の概要)
本発明に係る空気清浄装置は、所定空間からの空気を筐体内空間に取り込むための空間取込口と、筐体内空間の空気を所定空間に吹き出すための空間吹出口と、筐体内空間の空気を屋外に吹き出すためのダクトと接続された屋外吹出口と、筐体内空間から所定空間に空気を吹き出す空間吹出ファンと、筐体内空間から屋外に空気を吹き出す屋外吹出ファンと、所定空間に吹き出す空気から微粒子を除去する空間清浄部と、空間吹出口を開閉する開閉ダンパと、所定空間の温度である空間温度を検出する温度センサと、所定空間の微粒子濃度である空間微粒子濃度を検出する微粒子濃度センサと、空間取込口、空間吹出ファン、空間吹出口の順に空気を導く空間循環風路と、空間取込口、空間吹出ファン、屋外吹出ファン、屋外吹出口の順に空気を導く屋外吹出風路と、空間温度が高温閾値以上かつ空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、開閉ダンパを開き空間吹出ファンを動作し屋外吹出ファンを動作することで、所定空間の空気を屋外吹出風路を経由した屋外への搬送と、所定空間の空気を前記空間循環風路を経由した再度所定空間への搬送と、を同時に実施する第一制御を行う制御部と、を備える。
【0057】
高温閾値以上の温度である所定空間の空気を屋外に搬送することができるので、ユーザーの快適性を向上できる。また、高濃度閾値以上の所定空間の空気から空間清浄部により微粒子を取り除くことができる。つまり、所定空間の微粒子濃度の低減に寄与することができ、結果として、ユーザーの快適性を向上できる。
【0058】
また、制御部は、空間温度が高温閾値以上、かつ、空間微粒子濃度が高濃度閾値未満であれば、空間吹出ファンを停止し、屋外吹出ファンを動作することで、所定空間の空気を屋外吹出風路を経由して屋外に搬送する第二制御を行ってもよい。
【0059】
高温閾値以上の温度である所定空間の空気を屋外に搬送することができるので、ユーザーの快適性を向上できる。また、所定空間の空気は高濃度閾値未満の空気であり、所定空間の空気清浄を必ずしも行う必要がない。つまり、空間吹出ファンを停止することで、無駄な運転を抑制でき、結果としてユーザーの快適性低下を抑制しつつ省エネルギーな運転を行うことができる。
【0060】
また、制御部は、空間温度が高温閾値未満、かつ、空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、開閉ダンパを開き、空間吹出ファンを動作し、屋外吹出ファンを停止することで、所定空間の空気を空間循環風路を経由して再度所定空間に搬送する第三制御を行ってもよい。
【0061】
高濃度閾値以上の空気から空間清浄部により微粒子を取り除くことができるので、所定空間の微粒子濃度の低減に寄与することができ、結果として、ユーザーの快適性を向上できる。また、所定空間の温度が高温閾値以上の温度でないため、屋外吹出ファン8を停止することで、無駄な運転を抑制でき、結果としてユーザーの快適性低下を抑制しつつ省エネルギーな運転を行うことができる。
【0062】
また、制御部は、空間温度が高温閾値未満、かつ、空間微粒子濃度が高濃度閾値未満であれば、空間吹出ファンを停止し、屋外吹出ファンを停止することで、所定空間の空気を屋外吹出風路を経由して屋外に搬送せず、所定空間の空気を空間循環風路を経由して再度所定空間に搬送しない第四制御を行ってもよい。
【0063】
所定空間の温度が高温閾値以上の温度でないため、屋外吹出ファンを停止することで、無駄な運転を抑制でき、結果としてユーザーの快適性低下を抑制しつつ省エネルギーな運転を行うことができる。また、所定空間の空気は高濃度閾値未満の空気であり、空間吹出ファンを停止することで、無駄な運転を抑制でき、結果としてユーザーの快適性低下を抑制しつつ省エネルギーな運転を行うことができる。
【0064】
本発明に係る空気清浄装置は、所定空間からの空気を筐体内空間に取り込むための空間取込口と、筐体内空間の空気を所定空間に吹き出すための空間吹出口と、筐体内空間の空気を屋外に吹き出すためのダクトと接続された屋外吹出口と、筐体内空間から所定空間に空気を吹き出す空間吹出ファンと、筐体内空間から屋外に空気を吹き出す屋外吹出ファンと、所定空間に吹き出す空気から微粒子を除去する空間清浄部と、空間吹出口を開閉する開閉ダンパと、所定空間の温度である空間温度を検出する温度センサと、所定空間の微粒子濃度である空間微粒子濃度を検出する微粒子濃度センサと、空間取込口、空間吹出ファン、空間吹出口の順に空気を導く空間循環風路と、空間取込口、空間吹出ファン、屋外吹出ファン、屋外吹出口の順に空気を導く屋外吹出風路と、空間温度が高温閾値以上かつ空間微粒子濃度が高濃度閾値以上であれば、開閉ダンパを閉じ空間吹出ファンを動作し屋外吹出ファンを動作することで、所定空間の空気を空間循環風路を経由して再度所定空間に搬送せず、所定空間の空気をすべて屋外吹出風路を経由して屋外へ搬送する高排気制御を行う制御部と、を備えてもよい。
【0065】
これにより、所定空間内の高温空気および所定空間内の塵埃等を所定空間から出来るだけ多く排除することができる。ユーザーにとって快適性が低い高温閾値以上の温度である所定空間の空気を屋外に搬送することができるので、ユーザーの快適性を向上できる。また、ユーザーにとって快適性が低い高濃度閾値以上の所定空間の空気を屋外に搬送することができるので、所定空間の微粒子濃度の低減に寄与することができる。結果として、ユーザーの快適性を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、所定空間の空気清浄を行う空気清浄装置として有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 筐体
2 空間取込口
3 空間吹出口
4 ダクト
6 屋外吹出口
7 空間吹出ファン
8 屋外吹出ファン
9 空間清浄部
10 開閉ダンパ
11 温度センサ
12 微粒子濃度センサ
13 制御部
21 温度取得部
22 微粒子濃度取得部
23 記憶部
24 判定部
25 空間吹出ファン制御部
26 屋外吹出ファン制御部
27 開閉ダンパ制御部