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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132123
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】コーナリフレクタの配設構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 6/20 20060101AFI20240920BHJP
   B62J 6/026 20200101ALI20240920BHJP
   B62J 23/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B62J6/20 C
B62J6/20 A
B62J6/026
B62J23/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042797
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】花井 晃司
(72)【発明者】
【氏名】小口 敢
(57)【要約】
【課題】外観性に影響を与えることなく灯火器の内部にコーナリフレクタを配設することができるコーナリフレクタの配置構造を提供する。
【解決手段】灯火器(20)と、該灯火器(20)の一部を覆うカバー部材(5,19)と、コーナリフレクタ(CR)とを有する車両(1)に適用されるコーナリフレクタの配設構造において、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記灯火器(20)を構成するハウジング(H)の内側に設けられており、車両正面視で、前記カバー部材(5,19)と前記コーナリフレクタ(CR)とが重なるように構成される。前記カバー部材(5)は、車両側面視で、車両下方側より車両上方側の方が後方となるように傾斜している。前記カバー部材(19)は、車両側面視で、車両上方側より車両下方側の方が後方となるように傾斜している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯火器(20)と、該灯火器(20)の一部を覆うカバー部材(5,19)と、コーナリフレクタ(CR)とを有する車両(1)に適用されるコーナリフレクタの配設構造において、
前記コーナリフレクタ(CR)は、前記灯火器(20)を構成するハウジング(H)の内側に設けられており、
車両正面視で、前記カバー部材(5,19)と前記コーナリフレクタ(CR)とが重なるように構成されていることを特徴とするコーナリフレクタの配設構造。
【請求項2】
前記カバー部材(5)は、車両側面視で、車両下方側より車両上方側の方が後方となるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項3】
前記カバー部材(19)は、車両側面視で、車両上方側より車両下方側の方が後方となるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項4】
前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の高さ寸法(h)の範囲外に一部重なるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項5】
前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、
前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の高さ寸法(h)の範囲内に収まるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項6】
前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の幅寸法(w)の範囲外に一部重なるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項7】
前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、
前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の幅寸法(w)の範囲内に収まるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項8】
前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、
前記コーナリフレクタ(CR)は、前記基板(30)より前方に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項9】
前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、
前記コーナリフレクタ(CR)は、前記基板(30)に一体化される又は金属部材を介して連結されることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項10】
前記灯火器(20)がヒートシンク(50)を有しており、
前記コーナリフレクタ(CR)は、前記ヒートシンク(50)に一体化される又は金属部材を介して連結されることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項11】
前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、
前記基板(30)の少なくとも一部を覆うノイズシールド(60)を有し、
前記ノイズシールド(60)の前部に開口(61)が設けられており、
前記コーナリフレクタ(CR)が、前記開口(61)の前方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項12】
前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、
前記基板(30)の少なくとも一部を覆うノイズシールド(60)を有し、
前記コーナリフレクタ(CR)が、前記ノイズシールド(60)に一体化される又はステー部材を介して連結されることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【請求項13】
前記ハウジング(H)の内側に、光源(L)の照射光を入射させることにより全体が発光する導光部材(90)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)が、前記導光部材(90)の後方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコーナリフレクタの配設構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナリフレクタの配設構造に係り、特に、電波等をその到来方向へ反射するコーナリフレクタを備えた車両に適用されるコーナリフレクタの配設構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、3つの反射板から構成され、電波等をその到来方向へ反射するコーナリフレクタを車両の各部に取り付ける構成が知られている。
【0003】
特許文献1には、自動二輪車のヘッドライトユニットの内部にコーナリフレクタを配設する構成が開示されている。この構成によれば、コーナリフレクタに水分や埃等が付着して電波等の反射性能が低下することを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-1462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ヘッドライトやテールライト等の灯火器の内部にコーナリフレクタを配設した場合、コーナリフレクタが外方から視認されると、車両の外観性が低下することが考えられる。この点、特許文献1では、コーナリフレクタを灯火器の内部にどのように配設するかの具体的な構造が検討されていなかった。本願は、コーナリフレクタによる車両の視認性の向上を目的としたものである。そして、延いては交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、外観性に影響を与えることなく灯火器の内部にコーナリフレクタを配設することができるコーナリフレクタの配置構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、灯火器(20)と、該灯火器(20)の一部を覆うカバー部材(5,19)と、コーナリフレクタ(CR)とを有する車両(1)に適用されるコーナリフレクタの配設構造において、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記灯火器(20)を構成するハウジング(H)の内側に設けられており、車両正面視で、前記カバー部材(5,19)と前記コーナリフレクタ(CR)とが重なるように構成されている点に第1の特徴がある。
【0008】
また、前記カバー部材(5)は、車両側面視で、車両下方側より車両上方側の方が後方となるように傾斜している点に第2の特徴がある。
【0009】
また、前記カバー部材(19)は、車両側面視で、車両上方側より車両下方側の方が後方となるように傾斜している点に第3の特徴がある。
【0010】
また、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の高さ寸法(h)の範囲外に一部重なるように配設されている点に第4の特徴がある。
【0011】
また、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の高さ寸法(h)の範囲内に収まるように配設されている点に第5の特徴がある。
【0012】
また、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の幅寸法(w)の範囲外に一部重なるように配設されている点に第6の特徴がある。
【0013】
また、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の幅寸法(w)の範囲内に収まるように配設されている点に第7の特徴がある。
【0014】
また、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記基板(30)より前方に配設されている点に第8の特徴がある。
【0015】
また、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記基板(30)に一体化される又は金属部材を介して連結される点に第9の特徴がある。
【0016】
また、前記灯火器(20)がヒートシンク(50)を有しており、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記ヒートシンク(50)に一体化される又は金属部材を介して連結される点に第10の特徴がある。
【0017】
また、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記基板(30)の少なくとも一部を覆うノイズシールド(60)を有し、前記ノイズシールド(60)の前部に開口(61)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)が、前記開口(61)の前方に配置されている点に第11の特徴がある。
【0018】
また、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記基板(30)の少なくとも一部を覆うノイズシールド(60)を有し、前記コーナリフレクタ(CR)が、前記ノイズシールド(60)に一体化される又はステー部材を介して連結される点に第12の特徴がある。
【0019】
さらに、前記ハウジング(H)の内側に、光源(L)の照射光を入射させることにより全体が発光する導光部材(90)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)が、前記導光部材(90)の後方に設けられている点に第13の特徴がある。
【発明の効果】
【0020】
第1の特徴によれば、灯火器(20)と、該灯火器(20)の一部を覆うカバー部材(5,19)と、コーナリフレクタ(CR)とを有する車両(1)に適用されるコーナリフレクタの配設構造において、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記灯火器(20)を構成するハウジング(H)の内側に設けられており、車両正面視で、前記カバー部材(5,19)と前記コーナリフレクタ(CR)とが重なるように構成されているので、コーナリフレクタに水分や泥等が付着して電波等の反射性能が低下することを防ぐと共に、コーナリフレクタが外方から視認されないことで、車両の外観性が低下することを防ぐことが可能となる。
【0021】
第2の特徴によれば、前記カバー部材(5)は、車両側面視で、車両下方側より車両上方側の方が後方となるように傾斜しているので、カバー部材に路面から巻き上げる泥が付着しにくく、また、カバー部材に水や泥等が付着した場合でも、走行風によって上方後方に流れやすくなることで、コーナリフレクタの反射性能が低下することを防ぐことができる。
【0022】
第3の特徴によれば、前記カバー部材(19)は、車両側面視で、車両上方側より車両下方側の方が後方となるように傾斜しているので、カバー部材に水や泥等が付着した場合でも、重力や走行風の影響により下方後方に流れやすくなり、コーナリフレクタの反射性能が低下することを防ぐことができる。
【0023】
第4の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の高さ寸法(h)の範囲外に一部重なるように配設されているので、コーナリフレクタの反射性能を保つと共に、灯火器の上下方向の寸法が増大することを防ぐことができる。
【0024】
第5の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の高さ寸法(h)の範囲内に収まるように配設されているので、コーナリフレクタの反射性能を保つと共に、より一層、灯火器の上下方向の寸法が増大することを防ぐことができる。
【0025】
第6の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の幅寸法(w)の範囲外に一部重なるように配設されているので、コーナリフレクタの反射性能を保つと共に、灯火器の左右方向の寸法が増大することを防ぐことができる。
【0026】
第7の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、車両正面視で、前記基板(30)と重ならないと共に前記基板(30)の幅寸法(w)の範囲内に収まるように配設されているので、コーナリフレクタの反射性能を保つと共に、より一層、灯火器の左右方向の寸法が増大することを防ぐことができる。
【0027】
第8の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記基板(30)より前方に配設されているので、基板より前方のスペースでコーナリフレクタの配設自由度を高めると共に、コーナリフレクタの反射性能を高めることが可能となる。また、コーナリフレクタを基板より前方に配置することで、基板に実装される金属を含む部品がコーナリフレクタの反射性能に影響を与えることがなくなる。
【0028】
第9の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記基板(30)に一体化される又は金属部材を介して連結されるので、基板とコーナリフレクタとが連結されていることにより、コーナリフレクタを放熱部材として活用して基板の熱上昇を抑えることができる。
【0029】
第10の特徴によれば、前記灯火器(20)がヒートシンク(50)を有しており、前記コーナリフレクタ(CR)は、前記ヒートシンク(50)に一体化される又は金属部材を介して連結されるので、ヒートシンクとコーナリフレクタとが連結されていることにより、コーナリフレクタを放熱部材として活用してヒートシンクの熱上昇を抑えることができる。
【0030】
第11の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記基板(30)の少なくとも一部を覆うノイズシールド(60)を有し、前記ノイズシールド(60)の前部に開口(61)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)が、前記開口(61)の前方に配置されているので、ノイズシールドの開口から前方に放出される基板のノイズをコーナリフレクタによって遮ることが可能となる。
【0031】
第12の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に金属を含む部品が実装された基板(30)が設けられており、前記基板(30)の少なくとも一部を覆うノイズシールド(60)を有し、前記コーナリフレクタ(CR)が、前記ノイズシールド(60)に一体化される又はステー部材を介して連結されるので、コーナリフレクタを支持する部材を不要とする又は小型化することが可能となる。
【0032】
第13の特徴によれば、前記ハウジング(H)の内側に、光源(L)の照射光を入射させることにより全体が発光する導光部材(90)が設けられており、前記コーナリフレクタ(CR)が、前記導光部材(90)の後方に設けられているので、導光部材の後方に設けられるスペースを活用してコーナリフレクタを配設することが可能となる。詳しくは、導光部材に光源の照射光を入射させるためには、光源と導光部材との間にある程度の距離を確保する必要があり、これにより、導光部材の後方にスペースが生じるところ、このスペースを有効活用してコーナリフレクタを配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
図2】自動二輪車の正面図である。
図3】ヘッドライトユニットの斜視図である。
図4】タイプ1のコーナリフレクタの斜視図である。
図5】タイプ2のコーナリフレクタの斜視図である。
図6図2のVI-VI線断面図に対応する模式断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るコーナリフレクタの配設構造を示す模式図である。
図8】本発明の変形例に係る基板とコーナリフレクタとの配設関係を示す正面図である。
図9】本発明の第2変形例に係る基板とコーナリフレクタとの配設関係を示す正面図である。
図10】本発明の第3変形例に係る基板とコーナリフレクタとの配設関係を示す断面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るヒートシンクとコーナリフレクタとの配設関係を示す断面図である。
図12】本発明の第3実施形態に係るノイズシールドとコーナリフレクタとの配設関係を示す断面図である。
図13】本発明の第3実施形態の変形例に係るノイズシールドとコーナリフレクタとの配設関係を示す断面図である。
図14】本発明の第4実施形態に係るコーナリフレクタの配置構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るコーナリフレクタの配設構造を適用した自動二輪車1の左側面図である。また、図2は自動二輪車1の正面図である。自動二輪車1は、操向ハンドル2とシート15との間に、車幅方向中央に立設する跨ぎ部17と左右一対の足載せフロア16とが設けられたスクータ型の鞍乗型車両である。
【0035】
自動二輪車1の前部には、前輪WFを回転自在に軸支する左右一対のフロントフォーク8が操舵可能に支持されている。自動二輪車1の後部には、エンジンと無段変速機とを一体に構成したユニットスイング式のパワーユニットPが上下揺動自在に支持されている。パワーユニットPの後部は、リヤクッション12によって車両に吊り下げられており、パワーユニットPの後端部には後輪WRが回転自在に軸支されている。パワーユニットPの上部には、エアクリーナボックス10が固定されている。
【0036】
バックミラー3を支持する操向ハンドル2の下方には、運転者の脚部に対向するレッグシールド18が配設されている。レッグシールド18の左右端部には、左右一対のサイドカウル6が連結されている。左右のサイドカウル6の間には、灯火器としてのヘッドライトユニット20が配設されている。ヘッドライトユニット20の発光面(図示グレー着色部)は、車両正面視で、車幅方向中央から左右に伸びた後に上方に伸びる略U字状をなしている。ヘッドライトユニット20の上方には、カバー部材としてフロントカウル5が配設され、フロントカウル5の上方に防風スクリーン4が配設されている。また、ヘッドライトユニット20の下方には、左右のサイドカウル6を連結するカバー部材としての連結カウル19が配設されている。
【0037】
サイドカウル6の下部には、足載せフロア16の車幅方向外側端部から下方に伸びるアンダカウル9が取り付けられており、サイドカウル6の後部には、シート15を支持するシートカウル14が連結されている。シートカウル14の後端部には、灯火器としての尾灯装置13が取り付けられており、尾灯装置13の下方には、後輪WRの後方上方に位置するリヤフェンダ11が配設されている。フロントフォーク8には、前輪WFの上方を覆うフロントフェンダ7が取り付けられている。
【0038】
図3は、ヘッドライトユニット20の斜視図である。ヘッドライトユニット20の外殻は、光源を実装する基板や光源の照射光を前方に反射するリフレクタ等を収納するハウジングH(図示点描ハッチング部)と、ハウジングHに前方から蓋をするアウタレンズ21によって構成される。ハウジングHは有色の合成樹脂等で形成され、アウタレンズ21は無色透明の合成樹脂等で形成される。
【0039】
本発明は、3つの反射板から構成され、電波等をその到来方向へ反射するコーナリフレクタを灯火器のハウジングHの内側に配設する構造に係るものである。コーナリフレクタは、例えば、図2,3に破線円A1で示すように、車幅方向中央でハウジングHの内側に配設することができる。コーナリフレクタの配設位置は、破線円A1で示す位置に限られず、本発明に係る条件が満たされる範囲内で、上下左右および前後方向に移動させることができる。
【0040】
図4は、タイプ1のコーナリフレクタCR1の斜視図である。また、図5はタイプ2のコーナリフレクタCR2の斜視図である。メッキ加工が施された硬質樹脂等で形成されるコーナリフレクタCRには、種々の形状や大きさのものがあるが、電波等をその到来方向へ反射する機能は同様である。コーナリフレクタCR1およびコーナリフレクタCR2のいずれも、電波等を反射する本体部70,80の後部に取付ステー71,81を設けた構成とされている。取付ステー71,81の形状も種々の変更が可能である。以下では、上記したタイプの差異に関わらずコーナリフレクタCRを模式的に三角形で示すこととする。
【0041】
図6は、図2のVI-VI線断面図に対応する模式断面図である。ハウジングHの前方寄りの下部には、光源の照射光を前方に反射するリフレクタ40が配設されており、ハウジングHの後部寄りの位置には、発光ダイオードや抵抗等の素子や配線等を実装する基板30が配設されている。コーナリフレクタCRは、カバー部材としてのフロントカウル5の後方の位置に配設されている。このように、本実施形態では、ヘッドライトユニット20の一部がフロントカウル5で覆われることで、コーナリフレクタCRが外方から視認されないように構成されている。より具体的には、車両正面視で、フロントカウル5とコーナリフレクタCRとが重なるように構成されている。これにより、コーナリフレクタCRに水分や泥等が付着して電波等の反射性能が低下することを防ぐと共に、コーナリフレクタCRが外方から視認されないことで、車両の外観性が低下することを防ぐことが可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、コーナリフレクタCRがヘッドライトユニット20の上下方向中央よりも上方の位置に設けられており、フロントカウル5が、車両側面視で、車両下方側より車両上方側の方が後方となるように傾斜している。これにより、フロントカウル5に路面から巻き上げる泥が付着しにくく、また、フロントカウル5に水や泥等が付着した場合でも、走行風によって上方後方に流れやすくなることで、コーナリフレクタCRの反射性能が低下することを防ぐことができる。
【0043】
また、コーナリフレクタCRが基板30より前方に配設されていることで、基板30より前方のスペースでコーナリフレクタCRの配設自由度を高めると共に、コーナリフレクタCRの反射性能を高めることが可能となる。通常、基板30は合成樹脂で作成されるが、基板30に実装される部品としての素子や配線が金属を含む。これらの金属がコーナリフレクタCRの前方に存在すると、電波等の反射性能に影響を与えてしまうため、コーナリフレクタCRは基板30の前方に配置することが好ましい。なお、反射性能への影響が少ない場合には、コーナリフレクタCRを基板30の後方に配設してもよい。
【0044】
さらに、リフレクタ40は、メッキ加工を施した合成樹脂で構成されるほか、アルミ等の金属で構成されることもあり、コーナリフレクタCRの前方に金属部品が存在すると電波等の反射性能に影響を及ぼすところ、本実施形態では、コーナリフレクタCRの前方に金属部品が存在しないため、反射性能に影響を与えることがない。
【0045】
図7は、本発明の第2実施形態に係るコーナリフレクタCRの配設構造を示す模式図である。本実施形態では、アウタレンズ21より下方にハウジングHが拡大されており、この拡大部分に基板30およびコーナリフレクタCRを配設している。この下方に拡大されたハウジングHの前方には、前記したカバー部材としての連結カウル19が配設されている。この構成によれば、コーナリフレクタCRがヘッドライトユニット20の上下方向中央よりも下方の位置に設けられており、連結カウル19は、車両側面視で、車両上方側より車両下方側の方が後方となるように傾斜しているので、連結カウル19に水や泥等が付着した場合でも、重力や走行風の影響により下方後方に流れやすくなり、コーナリフレクタCRの反射性能が低下することを防ぐことができる。
【0046】
図8は、本発明の変形例に係る基板30とコーナリフレクタCRとの配設関係を示す正面図である。コーナリフレクタCRは、車両正面視で、基板30と重ならないと共に基板30の高さ寸法hの範囲内に収まるように配設することができる。これにより、コーナリフレクタCRの反射性能を保つと共に、ヘッドライトユニット20の上下方向の寸法が増大することを防ぐことができる。なお、コーナリフレクタCRは、車両正面視で、基板30と重ならないと共に基板30の高さ寸法hの範囲外に一部が重なるように配設してもよい。
【0047】
図9は、本発明の第2変形例に係る基板30とコーナリフレクタCRとの配設関係を示す正面図である。コーナリフレクタCRは、車両正面視で、基板30と重ならないと共に基板30の幅寸法wの範囲内に収まるように配設することができる。これにより、コーナリフレクタCRの反射性能を保つと共に、ヘッドライトユニット20の左右方向の寸法が増大することを防ぐことができる。なお、コーナリフレクタCRは、車両正面視で、基板30と重ならないと共に基板30の幅寸法wの範囲外に一部が重なるように配設してもよい。
【0048】
図10は、本発明の第3変形例に係る基板30とコーナリフレクタCRとの配設関係を示す断面図である。コーナリフレクタCRは、基板30に一体化される又は金属部材を介して連結することができる。これにより、コーナリフレクタCRを放熱部材として活用して基板30の熱上昇を抑えることができる。
【0049】
図11は、本発明の第2実施形態に係るヒートシンク50とコーナリフレクタCRとの配設関係を示す断面図である。本実施形態では、ハウジングHの後端部に、基板30による発熱を放出するヒートシンク50が設けられており、コーナリフレクタCRは、ヒートシンク50に一体化される又は金属部材を介して連結されている。これにより、コーナリフレクタCRを放熱部材として活用してヒートシンク50の熱上昇を抑えることができる。
【0050】
図12は、本発明の第3実施形態に係るノイズシールド60とコーナリフレクタCRとの配設関係を示す断面図である。合成樹脂等で形成されるノイズシールド60は、基板30から発せられるノイズの放出を抑えるために基板30の少なくとも一部を覆うものである。本実施形態では、ノイズシールド60の前部に開口61が設けられており、コーナリフレクタCRが開口61の前方に配置されている点に特徴がある。これにより、ノイズシールド60の開口61から前方に放出される基板30のノイズをコーナリフレクタCRによって遮ることが可能となる。
【0051】
図13は、本発明の第3実施形態の変形例に係るノイズシールド60とコーナリフレクタCRとの配設関係を示す断面図である。本変形例では、コーナリフレクタCRが、ノイズシールド60に一体化される又はステー部材を介して連結される点に特徴がある。これにより、コーナリフレクタCRを支持する部材を不要とする又は小型化することが可能となる。なお、コーナリフレクタCRは、ノイズシールド60の後方に配置することもできる。
【0052】
図14は、本発明の第4実施形態に係るコーナリフレクタCRの配置構造を示す斜視図である。本実施形態では、アウタレンズ21の後方に、光源Lの照射光を入射させることにより全体が発光する無色透明または有色透明のポリカボネード樹脂等からなる導光部材90が配設されており、この導光部材90の後方にコーナリフレクタCRを配設する点に特徴がある。導光部材90に照射光を入射させるためには、光源Lと導光部材90との間にある程度の距離を確保する必要があるため、導光部材90の後方にスペースが生じることとなる。本実施形態では、この導光部材90の後方のスペースを有効活用してコーナリフレクタCRを配設している。この図では、コーナリフレクタCRの配設位置の一例を破線円A2で示すが、導光部材90の後方でかつ光源Lの光軸上に重ならない位置であれば、破線円A2から前後上下左右にずれた種々の位置を選択することができる。
【0053】
なお、自動二輪車の形態、ヘッドライトの形状や構造、コーナリフレクタの形状や構造、コーナリフレクタの配設位置や個数、コーナリフレクタの個数、基板の形状や配置、ノイズシールドの形状や配置、ヒートシンクの形状や配置等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、上記したコーナリフレクタの配設構造は、車両の後部に配設される尾灯装置に適用してもよい。本発明に係るコーナリフレクタの配設構造は、灯火器を有する種々の二輪車や三輪車、四輪車に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…自動二輪車(車両)、5…フロントカウル(カバー部材)、13…尾灯装置(灯火器)、19…連結カウル(カバー部材)、20…ヘッドライト(灯火器)、30…基板、50…ヒートシンク、60…ノイズシールド、61…ノイズシールドの開口、CR…コーナリフレクタ、H…ハウジング、h…基板の高さ寸法、w…基板の幅寸法
図1
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