(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132127
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】パーティション用フレーム、およびパーティション
(51)【国際特許分類】
E04B 2/82 20060101AFI20240920BHJP
E04B 2/72 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
E04B2/82 511F
E04B2/82 511H
E04B2/72 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042801
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】橋田 裕功
(72)【発明者】
【氏名】吉野 昌明
(57)【要約】
【課題】透明パネル間に存在する異物による美観の低下を抑制可能にしたパーティション用フレーム、およびパーティションを提供する。
【解決手段】第1透明パネル31と第1透明パネル31に対向する第2透明パネル32との間に隙間33が空くように第1透明パネル31の縁と第2透明パネル32の縁とを固定するパーティション用フレーム20であって、隙間33に面する部位に隙間33の異物を捕らえるための捕集部を備える。捕集部は、フレーム本体21に剥離可能に貼り付けられた粘着層22である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明パネルと前記第1透明パネルに対向する第2透明パネルとの間に隙間が空くように前記第1透明パネルの縁と前記第2透明パネルの縁とを固定するパーティション用フレームであって、
前記隙間に面する部位に前記隙間の異物を捕らえるための捕集部を備える
ことを特徴とするパーティション用フレーム。
【請求項2】
前記捕集部は、フレーム本体に剥離可能に貼り付けられた粘着層である
請求項1に記載のパーティション用フレーム。
【請求項3】
前記粘着層は、
前記フレーム本体に貼り付けられた第1面と、
前記第1面とは反対側の第2面であって前記隙間に露出した前記第2面と、を備え、
前記第1面の粘着力が前記第2面の粘着力よりも低い
請求項2に記載のパーティション用フレーム。
【請求項4】
前記捕集部は、前記隙間に面する表面を備え、かつ前記異物を収容するための捕集空間に対して前記隙間を閉じる閉位置と、前記表面を前記捕集空間に曝し、かつ前記表面から前記捕集空間に前記異物を落とす開位置と、に移動する蓋体を備える
請求項1に記載のパーティション用フレーム。
【請求項5】
前記蓋体は、加振によって前記閉位置と前記開位置との間で振動可能に前記閉位置に配置された片持ち梁状を有する
請求項4に記載のパーティション用フレーム。
【請求項6】
前記捕集部は、パーティション用フレームの外部から前記隙間まで連通する吸引路を備え、
前記吸引路は、フレーム本体の内側壁によって前記隙間に面する開口を区画されている
請求項1に記載のパーティション用フレーム。
【請求項7】
前記捕集部は、前記隙間に面するフレーム本体の内側壁に、パーティション用フレームの外部から前記隙間に向けて可撓性の吸引部材を導出するための開口を備える
請求項1に記載のパーティション用フレーム。
【請求項8】
調光シートが貼り付けられた第1透明パネルと、
前記第1透明パネルに対向する第2透明パネルと、
前記第1透明パネルと前記第2透明パネルとの間に隙間が空くように前記第1透明パネルの縁と前記第2透明パネルの縁とを固定するパーティション用フレームと、
を備えるパーティションであって、
前記パーティション用フレームは、前記隙間に面する部位に前記隙間の異物を捕らえるための捕集部を備える
ことを特徴とするパーティション。
【請求項9】
前記捕集部は、フレーム本体に剥離可能に貼り付けられた粘着層である
請求項8に記載のパーティション。
【請求項10】
前記捕集部は、
前記隙間に面する表面を備え、かつ前記異物を収容するための捕集空間に対して前記隙間を閉じる閉位置と、前記表面を前記捕集空間に曝し、かつ前記表面から前記捕集空間に前記異物を落とす開位置と、に移動する蓋体と、
前記蓋体を移動させる駆動部と、を備える
請求項8に記載のパーティション。
【請求項11】
前記捕集部は、パーティション用フレームの外部から前記隙間まで連通する吸引路を備え、
前記吸引路は、前記第1透明パネルと前記第2透明パネルとの少なくとも一方とフレーム本体の内側壁とによって前記隙間に面する開口を区画されている
請求項8に記載のパーティション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、透明パネル間に隙間を空けて透明パネルを固定するパーティション用フレーム、およびパーティションに関する。
【背景技術】
【0002】
複層ガラスは、2枚のガラスと、2枚のガラスが固定されるサッシとを備えている。複層ガラスは、2枚のガラス間にガス層を有することから、高い断熱性を有する。そのため、複層ガラスは、断熱性を高めたり、結露を抑えたりすることが求められる場合に、窓に用いられる。複層ガラスは、2枚のガラス間の空間に異物が混入しないように製造される。
【0003】
屋内では、第1の空間を第2の空間から区切るためにパーティションが用いられている(例えば、特許文献1を参照)。パーティションの一例は、複層ガラスと同様に、2枚の透明パネルと、2枚の透明パネルが固定されるフレームとを備えている。フレームは、2枚の透明パネル間に隙間が空くように、2枚の透明パネルを固定する。ただし、パーティションにおける透明パネル間の距離は、複層ガラスにおけるガラス間の距離よりも大幅に大きい。複層ガラスにおけるガラス間の距離が1センチメートル程度である一方で、パーティションにおける透明パネル間の距離は、5センチメートル以上にも及ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、遮音性や吸音性を要求されるパーティションは、二枚の透明パネル間に複層ガラスよりも十分に大きい距離を空けている。パーティション用フレームに透明パネルを取り付ける組立時や、透明パネルに調光シートを貼り付ける施工時は、大きな距離を空けられた透明パネル間の隙間に塵や埃などの異物を侵入させやすい。透明パネル間の隙間に一旦侵入した異物は、隙間のなかに閉じ込められてパーティションの美観を損なってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのパーティション用フレームは、第1透明パネルと前記第1透明パネルに対向する第2透明パネルとの間に隙間が空くように前記第1透明パネルの縁と前記第2透明パネルの縁とを固定するパーティション用フレームであって、前記隙間に面する部位に前記隙間の異物を捕らえるための捕集部を備える。
【0007】
上記課題を解決するためのパーティションは、調光シートが貼り付けられた第1透明パネルと、前記第1透明パネルに対向する第2透明パネルと、前記第1透明パネルと前記第2透明パネルとの間に隙間が空くように前記第1透明パネルの縁と前記第2透明パネルの縁とを固定するパーティション用フレームと、を備えるパーティションであって、前記パーティション用フレームは、前記隙間に面する部位に前記隙間の異物を捕らえるための捕集部を備える。
【0008】
上記各構成によれば、異物を捕らえるための捕集部が透明パネル間の隙間に面する部位に配置される。このため、組立時や施工時の異物が透明パネル間の隙間に侵入するとしても、異物が捕集部に捕らえられる。このため、パーティション用フレームが透明パネルを固定している状態で、異物が隙間のなかで舞ったり透明パネルに吸着されたりすることが抑えられる。結果として、使用状態のパーティションにおける美観が保たれる。
【0009】
上記パーティション用フレームにおいて、前記捕集部は、フレーム本体に剥離可能に貼り付けられた粘着層でもよい。
上記パーティションにおいて、前記捕集部は、フレーム本体に剥離可能に貼り付けられた粘着層でもよい。
【0010】
上記各構成によれば、異物を捕集した粘着層がフレーム本体から剥離される。異物が透明パネル間の隙間に侵入するとしても、粘着層の剥離が異物の残存を抑制する。このため、組立後や施工後におけるパーティションの清浄性が高まる。
【0011】
上記パーティション用フレームにおいて、前記粘着層は、前記フレーム本体に貼り付けられた第1面と、前記第1面とは反対側の第2面であって前記隙間に露出した前記第2面と、を備え、前記第1面の粘着力が前記第2面の粘着力よりも低くてもよい。
【0012】
上記構成によれば、異物を捕集しやすく、かつ異物を捕集した粘着層を剥離しやすくすることが可能ともなる。
上記パーティション用フレームにおいて、前記捕集部は、前記隙間に面する表面を備え、かつ前記異物を収容するための捕集空間に対して前記隙間を閉じる閉位置と、前記表面を前記捕集空間に曝し、かつ前記表面から前記捕集空間に前記異物を落とす開位置と、に移動する蓋体を備えてもよい。
【0013】
上記パーティションにおいて、前記捕集部は、前記隙間に面する表面を備え、かつ前記異物を収容するための捕集空間に対して前記隙間を閉じる閉位置と、前記表面を前記捕集空間に曝し、かつ前記表面から前記捕集空間に前記異物を落とす開位置と、に移動する蓋体と、前記蓋体を移動させる駆動部と、を備えてもよい。
【0014】
上記各構成によれば、閉位置に配置された蓋体は、表面に異物を堆積させる。開位置に配置された蓋体は、表面に堆積した異物を捕集空間に落とす。そして、閉位置に再び配置された蓋体は、表面から異物を取り除かれた状態で、透明パネル間の隙間に対して捕集空間を閉じる。このため、捕集空間に捕集された異物は、捕集空間に閉じ込められて透明パネル間の隙間に再び侵入しにくい。
【0015】
上記パーティション用フレームにおいて、前記蓋体は、加振によって前記閉位置と前記開位置との間で振動可能に前記閉位置に配置された片持ち梁状を有してもよい。
上記構成によれば、閉位置と開位置との間の蓋体の移動が、片持ち梁状を有した蓋体の振動によって実現される。このため、パーティション用フレームが蓋体の移動機構を別途備える場合と比べて、パーティション用フレームにおける構成部材の点数が低減される。
【0016】
上記パーティション用フレームにおいて、前記捕集部は、パーティション用フレームの外部から前記隙間まで連通する吸引路を備え、前記吸引路は、フレーム本体の内側壁によって前記隙間に面する開口を区画されてもよい。
【0017】
上記パーティション用フレームにおいて、前記捕集部は、前記隙間に面するフレーム本体の内側壁に、パーティション用フレームの外部から前記隙間に向けて可撓性の吸引部材を導出するための開口を備えてもよい。
【0018】
上記パーティションにおいて、前記捕集部は、パーティション用フレームの外部から前記隙間まで連通する吸引路を備え、前記吸引路は、前記第1透明パネルと前記第2透明パネルとの少なくとも一方とフレーム本体の内側壁とによって前記隙間に面する開口を区画されてもよい。
【0019】
上記各構成によれば、隙間に存在する異物がパーティション用フレームの外部に向けて吸引されるため、透明パネル間の隙間における異物の捕集のみならず、透明パネル間の隙間における清浄が可能にもなる。
【発明の効果】
【0020】
本開示のパーティション用フレーム、およびパーティションによれば、透明パネル間に存在する異物による美観の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、一実施形態のパーティションを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のパーティション用フレームを示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1変更例に記載のパーティション用フレームを示す断面図である。
【
図4】
図4は、第2変更例に記載のパーティション用フレームを示す断面図である。
【
図5】
図5は、第3変更例に記載のパーティション用フレームを示す断面図である。
【
図6】
図6は、第3変更例に記載のパーティション用フレームを示す断面図である。
【
図7】
図7は、第4変更例に記載のパーティション用フレームを示す断面図である。
【
図8】
図8は、第5変更例に記載のパーティション用フレームを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[パーティション10]
図1が示すように、パーティション10は、パーティション用フレーム20と、2つの透明パネル30とを備える。2つの透明パネル30は、第1透明パネル31と、第1透明パネル31よりも紙面奥側に配置される第2透明パネル32とから構成される。
【0023】
パーティション用フレーム20は、パーティション10の設置される施設の床面に固定される下桟20Bを備える。パーティション用フレーム20は、床面に沿って下桟20Bをスライドさせる床レールを備えてもよい。パーティション用フレーム20は、施設の天井面に固定される上桟20Tを備えてもよいし、天井面に沿って上桟20Tをスライドさせる天井レールを備えてもよい。パーティション用フレーム20は、施設の壁面に固定される縦桟20Hを備えてもよい。パーティション用フレーム20を構成する桟は、アルミ押出形材でもよいし、冷間圧延鋼材でもよいし、ステンレス鋼材でもよい。
【0024】
パーティション用フレーム20は、第1透明パネル31と第2透明パネル32とが相互に対向するように、第1透明パネル31の縁と、第2透明パネル32の縁と、を固定する。パーティション用フレーム20は、透明パネル30を囲う四角枠状に組み立てられてもよいし、樹脂ジョイントによって接合された複数の透明パネル30をまとめて囲う四角枠状に組み立てられてもよい。
【0025】
図2が示すように、透明パネル30は、ガラスパネルでもよいし、複数枚のガラスパネルを中間膜によって貼り合わせた合わせガラスでもよい。透明パネル30は、機能性シート30Sを貼り付けられてもよい。機能性シート30Sは、透明と不透明とに切り替わる調光シートでもよいし、紫外線遮蔽シートでもよいし、赤外線遮蔽シートでもよいし、遮光性シートでもよい。機能性シート30Sは、飛散防止シートでもよいし、抗菌・抗ウイルスシートでもよいし、防音シートでもよい。調光シートは、透明樹脂層のなかに液晶組成物を分散させた高分子分散型液晶を備えてもよい。機能性シート30Sは、第1透明パネル31のなかで第2透明パネル32と対向する面に貼り付けられてもよいし、第2透明パネル32のなかで第1透明パネル31と対向する面に貼り付けられてもよい。
【0026】
パーティション用フレーム20は、フレーム本体21を備える。フレーム本体21は、例えば下桟20Bである。フレーム本体21は、パーティション10の設置される施設に、直接的に、または他の部材を介して取り付けられる。第1透明パネル31と第2透明パネル32とが、第1透明パネル31と第2透明パネル32との間に隙間33を区切るように、フレーム本体21は、第1透明パネル31の縁と第2透明パネル32の縁とを固定する。第1透明パネル31と第2透明パネル32とが並ぶ方向において、隙間33は、例えば数センチメートルを有する。
【0027】
フレーム本体21の内側面21Aは、第1透明パネル31、および第2透明パネル32と共に、隙間33を区切る。隙間33に面する粘着層22は、フレーム本体21の内側面21Aに貼り付けられている。
【0028】
[粘着層22]
粘着層22は、第1面22Aと、第1面22Aとは反対側の第2面22Bとを備える。粘着層22の第1面22Aは、フレーム本体21の内側面21Aに剥離可能に貼り付けられている。粘着層22の第2面22Bは、隙間33に露出している。第1面22Aと第2面22Bとは、それぞれ粘着力を有する。
【0029】
第2面22Bは、隙間33に侵入した塵や埃などの異物のなかで第2面22Bに落下した異物を第2面22Bに捕らえる。粘着層22は、捕集部の一例である。第2面22Bの粘着力は、第1面22Aの粘着力と等しくてもよいし、第1面22Aの粘着力よりも低くてもよいし、第1面22Aの粘着力よりも高くてもよい。第1面22Aの粘着力、および第2面22Bの粘着力は、それぞれ粘着層22の基材に積層される粘着剤の材料や、粘着剤の占有する面積などの相違によって相互に異なってもよい。第1面22Aの粘着力が第2面22Bの粘着力よりも低い場合、フレーム本体21から粘着層22を剥がすことが容易であり、かつ粘着層22が異物を捕集しやすい。
【0030】
パーティション10の組立は、まず、パーティション10の設置される施設に下桟20Bや上桟20Tを固定する。次に、下桟20Bや上桟20Tに透明パネル30を固定して隙間33を形成する。そして、下桟20Bや上桟20Tと施設との間に縦桟20Hを固定して隙間33を閉じる。粘着層22は、隙間33を形成した後、かつ縦桟20Hを固定する前に、パーティション用フレーム20から剥離されてもよい。粘着層22は、パーティション10の使用期間にパーティション用フレーム20に貼り付けられ、パーティション用フレーム20から縦桟20Hを外すようなパーティション10のメンテナンス時に、パーティション用フレーム20から剥離されてもよい。
【0031】
[効果]
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)異物を捕らえるための粘着層22がフレーム本体21のなかで隙間33に面する部位に配置される。このため、異物がパーティション10の組立時や機能性シート30Sの施工時に隙間33に侵入するとしても、異物が粘着層22に捕らえられる。このため、パーティション用フレーム20が透明パネル30を固定している状態で、異物が隙間33のなかで舞ったり透明パネル30に吸着されたりすることが抑えられる。結果として、使用状態のパーティション10における美観が保たれる。
【0032】
(2)粘着層22がフレーム本体21に剥離可能に貼り付けられるため、異物を捕集した粘着層22がフレーム本体21から剥離される。異物が隙間33に侵入するとしても、粘着層22の剥離が異物の残存を抑制する。このため、組立後や施工後におけるパーティション10の清浄性が高まる。
【0033】
(3)第1面22Aの粘着力が第2面22Bの粘着力よりも低い場合、粘着層22が異物を捕集しやすく、かつ異物を捕集した粘着層22が剥離されやすい。このため、上記(1)、および(2)に準じた効果の双方が得られやすい。
【0034】
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[第1変更例]
・パーティション10は、異物を収容するための捕集空間20Sを備えてもよい。
【0035】
例えば、
図3が示すように、捕集空間20Sは、フレーム本体21のなかの下桟20Bに区切られてもよい。下桟20Bは、隙間33に向けて開口する凹部を備えた桟本体B1と、凹部の開口を閉じる蓋体B2とを備える。桟本体B1の凹部は、下桟20Bの延びる方向に延びる。蓋体B2は、下桟20Bの延びる方向に延びる。桟本体B1と蓋体B2とは、捕集空間20Sを区切る。蓋体B2は、隙間33と捕集空間20Sとを区切る。
【0036】
蓋体B2の表面B2Sは、隙間33に露出する。桟本体B1は、蓋体B2を回転可能に支持する回転軸B3を備える。回転軸B3は、下桟20Bの延びる方向に延びる。蓋体B2は、回転軸B3を中心に回転して開位置と閉位置とに変位する。蓋体B2の閉位置は、表面B2Sを隙間33に曝すと共に、桟本体B1における凹部の開口を閉じる。閉位置の蓋体B2は、表面B2Sに隙間33のなかの異物を蓄積させる。蓋体B2の開位置は、捕集空間20Sに表面B2Sを曝す。開位置の蓋体B2は、表面B2Sに蓄積した異物を隙間33のなかに落とす。再び閉位置に戻った蓋体B2は、捕集空間20Sを閉塞して捕集空間20Sに異物を捕らえる。
【0037】
蓋体B2は、回転軸B3を挟む2つの端部の一方を捕集空間20Sに向けて押されることによって回転する。蓋体B2は、蓋体B2の回転によって、回転軸B3を挟む2つの端部の一方を桟本体B1の凹部に進入、および退出させる。蓋体B2は、回転軸B3を挟む2つの端部の一方に保持錘24を備える。保持錘24は、閉位置の蓋体B2を開位置に移すための負荷を与える。保持錘24は、開位置の蓋体B2を閉位置に戻す。
【0038】
なお、第1変更例に記載のパーティション10は、粘着層22を備えてもよいし、粘着層22を割愛してもよい。
上記第1変更例によれば、以下の効果が得られる。
【0039】
(4)捕集空間20Sに捕集された異物は、捕集空間20Sに閉じ込められて透明パネル30間の隙間33に再び侵入しにくい。このため、パーティション10の美観が異物によって損なわれることがさらに抑えられる。
【0040】
[第2変更例]
・第1変更例に記載のパーティション10は、駆動部BMを備えてもよい。
例えば、
図4が示すように、パーティション用フレーム20は、駆動部BMを備えてもよい。駆動部BMは、回転軸B3を中心に蓋体B2を回転させる動力を出力する。駆動部BMは、操作部から入力される開信号を受けて蓋体B2を開位置に配置させる。駆動部BMは、操作部から入力される閉信号を受けて蓋体B2を閉位置に配置させる。駆動部BMは、捕集空間20Sの内部に配置されてもよいし、隙間33に配置されてもよいし、桟本体B1の外部に配置されてもよい。
【0041】
なお、第2変更例に記載のパーティション10は、粘着層22を備えてもよいし、粘着層22を割愛してもよい。第2変更例に記載のパーティション10は、保持錘24を備えてもよいし、保持錘24を割愛してもよい。
【0042】
また、第2変更例に記載のパーティション10において、蓋体B2は、回転軸B3を挟む2つの端部の一方を捕集空間20Sに向けて進入、および退出させてもよいし、2つの端部の他方を捕集空間20Sに向けて進入、および退出させてもよい。
【0043】
[第3変更例]
・第1変更例に記載のパーティション10は、片持ち梁状の蓋体B2を備えてもよい。
例えば、
図5が示すように、蓋体B2の一端部は、桟本体B1に接続される固定端であり、蓋体B2の他端部は、桟本体B1に対して変位する自由端でもよい。蓋体B2は、桟本体B1における凹部の開口を隙間33に向けて開ける。桟本体B1は、回転軸B3を割愛されている。
【0044】
蓋体B2の裏面B2Bは、加振部25を備えてもよい。加振部25は、蓋体B2の表面B2Sに堆積した異物を移動させるための振動を蓋体B2に加える。加振された蓋体B2は、蓋体B2の自由端を振動させて蓋体B2の表面B2Sから桟本体B1の凹部に異物を落とす。加振部25は、捕集空間20Sの内部に配置されてもよいし、隙間33に配置されてもよい。また、
図6が示すように、加振部25は、超音波カッターや超音波半田などのように、桟本体B1の外部に配置されてもよい。
【0045】
なお、第3変更例に記載のパーティション10は、粘着層22を備えてもよいし、粘着層22を割愛してもよい。第3変更例に記載のパーティション10は、蓋体B2の自由端に保持錘24を備えてもよいし、保持錘24を割愛してもよい。
【0046】
上記第3変更例によれば、以下の効果が得られる。
(5)閉位置と開位置との間の蓋体B2の移動が、片持ち梁状を有した蓋体B2の振動によって実現される。このため、パーティション用フレーム20が蓋体B2の移動機構を別途備える場合と比べて、パーティション用フレーム20における構成部材の点数が低減される。
【0047】
[第4変更例]
・パーティション10は、隙間33に面するフレーム本体21の内側壁21Dに第2開口L2を備えてもよい。パーティション10の第2開口L2は、パーティション用フレーム20の外部から隙間33に向けて可撓性の吸引部材VLを導出する。
【0048】
例えば、
図7が示すように、フレーム本体21は、通路部材21Bと、第1カバー部材21Cとを備える。通路部材21Bと第1カバー部材21Cとは、下桟20Bを構成する。通路部材21Bは、施設に第2透明パネル32を固定すると共に、第1透明パネル31を支持する。第1カバー部材21Cは、ねじやボルトなどの締結によって着脱可能に通路部材21Bに取り付けられる。通路部材21Bに取り付けられた第1カバー部材21Cは、第1カバー部材21Cと通路部材21Bとの挟持によって施設に第1透明パネル31を固定する。
【0049】
通路部材21Bは、第1透明パネル31に対する隙間33とは反対側に第1開口L1を備える。第1カバー部材21Cが通路部材21Bに取り付けられることによって、第1開口L1は第1カバー部材21Cに閉じられる。第1カバー部材21Cが通路部材21Bから取り外されることによって、第1開口L1は隙間33の外側に開放される。
【0050】
通路部材21Bは、隙間33に面する内側壁21Dに第2開口L2を備える。通路部材21Bは、第1開口L1に第2開口L2を繋げる案内通路21Lを備える。第1カバー部材21Cが通路部材21Bから取り外された状態で、吸引部材VLは、第1開口L1から案内通路21Lに入れられて、案内通路21Lに沿って第2開口L2に案内される。吸引部材VLは、第2開口L2から隙間33に導出されて、隙間33に吸引装置を接続する。吸引部材VLは、吸引装置の駆動によって隙間33の異物を捕らえる。
【0051】
なお、パーティション用フレーム20は、第1開口L1を備えた桟とは異なる桟に第2開口L2を備えてもよい。例えば、下桟20Bが第1開口L1を備えると共に、縦桟20Hが第2開口L2を備えてもよい。この際、下桟20Bの通路部材21Bが備える案内通路21Lと、縦桟20Hの通路部材21Bが備える案内通路21Lとが、第1開口L1から第2開口L2に吸引部材VLを通すための1つの通路を構成してもよい。そして、下桟20Bから導入された吸引部材VLは、縦桟20Hの内側壁21Dから隙間33に導出されてもよい。
【0052】
[第5変更例]
・パーティション用フレーム20は、パーティション用フレーム20の外部から隙間33まで連通する吸引路21Pを備えてもよい。吸引路21Pは、フレーム本体21の内側壁によって隙間33に面する開口である吸引口P2を区画されてもよい。
【0053】
例えば、
図8が示すように、フレーム本体21は、通路部材21Bと、2つの第2カバー部材B4とを備える。通路部材21Bと第2カバー部材B4とは、下桟20Bを構成する。通路部材21Bは、各透明パネル30を支持する。第2カバー部材B4は、ねじやボルトなどの締結によって着脱可能に通路部材21Bに取り付けられる。通路部材21Bに取り付けられた第2カバー部材B4は、第2カバー部材B4と通路部材21Bとの挟持によって施設に各透明パネル30を固定する。
【0054】
通路部材21Bは、隙間33に面する内側壁に2つの吸引口P2を備える。通路部材21Bは、各透明パネル30に対する隙間33とは反対側にそれぞれ接続口P1を備える。第2カバー部材B4が通路部材21Bに取り付けられることによって、接続口P1は第2カバー部材B4に閉じられる。第2カバー部材B4が通路部材21Bから取り外されることによって、接続口P1は隙間33の外側に開放される。
【0055】
通路部材21Bは、接続口P1に吸引口P2を繋げる吸引路21Pを備える。第2カバー部材B4が通路部材21Bから取り外された状態で、吸引装置が吸引路21Pの接続口P1に接続されて、吸引装置が隙間33に接続される。吸引路21Pは、吸引装置の駆動によって隙間33の異物を捕らえる。
【0056】
なお、第4変更例、および第5変更例に記載のパーティション10は、粘着層22を備えてもよいし、粘着層22を割愛してもよい。第4変更例に記載のパーティション10は、捕集空間20Sを備えてもよいし、案内通路21Lの一部に捕集空間20Sを備えてもよい。第5変更例に記載のパーティション10は、捕集空間20Sを備えてもよいし、吸引路21Pの一部に捕集空間20Sを備えてもよい。
【0057】
上記第4変更例、および第5変更例によれば、以下の効果が得られる。
(5)隙間33に存在する異物がパーティション用フレーム20の外部に向けて吸引されるため、隙間33における異物の捕集のみならず、隙間33における清浄が可能にもなる。
【0058】
[他の変更例]
・パーティション用フレーム20が捕集空間20Sを備える場合、パーティション用フレーム20は、フレーム本体21のなかで隙間33に面する表面に、隙間33に捕集空間20Sを繋げる開口を備えてもよい。そして、パーティション用フレーム20は、捕集部として拭掃部を備えてもよい。拭掃部は、ブラシなどの拭掃部材に隙間33に面する表面を掃かせる。拭掃部は、捕集空間20Sに繋がる開口に向けて拭掃部材を移動させる。
【符号の説明】
【0059】
10…パーティション
20…パーティション用フレーム
21…フレーム本体
22…粘着層
30…透明パネル
31…第1透明パネル
32…第2透明パネル
33…隙間