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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132138
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】小物部品の供給装置の選別構造
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20240920BHJP
   B65G 47/256 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65G47/14 A
B65G47/256
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042816
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】593038000
【氏名又は名称】矢嶋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】表 裕明
【テーマコード(参考)】
3F080
3F081
【Fターム(参考)】
3F080AA24
3F080BA01
3F080BB05
3F080CA02
3F080CD09
3F080CE03
3F080CF01
3F080DA07
3F080DB04
3F081AA32
3F081BB05
3F081CB09
3F081CC08
3F081CD01
3F081DA02
3F081DA14
3F081DB04
(57)【要約】
【課題】頭部と軸部を有する小物部品に適用できる小物部品の供給装置の選別構造を提供する。
【解決手段】選別構造100は、ベルトコンベヤ151の搬送面152が、不適正姿勢のボルトBを前記バケット10内に戻す側が上となるように、水平方向に対して傾斜するように配設される。リフト機構部20で押し上げられたボルトBが、搬送面152の上となる側から送られ、搬送面152に対して垂直となるように配設される選別壁部170が配設され、選別壁部170には、曲がり部172と、直線部174と、切欠部179と、が配設され、 曲がり部172は、頭部B1を下にした適正姿勢のボルトBを直線部174側へ搬送し、不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻すように形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適正姿勢の、頭部と前記頭部より小径に形成された軸部とを有する小物部品を、シュートを経て供給可能に構成されて、
多数の前記小物部品を貯留するバケットと、前記バケットの底壁側から前記バケットの側壁の上端側に前記小物部品を押し上げるリフト機構部と、前記側壁の上端側に配置されて、前記リフト機構部で押し上げられた前記小物部品を前記シュート側に搬送可能とする搬送部と、を備え、
前記バケットが、上方に長方形の開口を有した略直方体形状とされ、
前記搬送部が、前記側壁の上端側に配置されて前記シュート側に前記小物部品を搬送するベルトコンベヤを備え、搬送する前記小物部品の内、適正姿勢の前記小物部品を前記シュート側へ搬送し、不適正姿勢の前記小物部品を前記バケット内に戻し可能に構成される小物部品の供給装置に用いられる選別構造であって、
前記選別構造は、前記ベルトコンベヤの前記小物部品が搬送される搬送面が、不適正姿勢の前記小物部品を前記バケット内に戻す側が上となるように、水平方向に対して傾斜するように配設され、
前記リフト機構部で押し上げられた前記小物部品が、前記搬送面の上となる側から送られ、
前記搬送面に対して垂直となるように配設される選別壁部が配設され、
前記選別壁部には、前記搬送面の前記小物部品を前記バケット内に戻す側に向かうにしたがって、前記小物部品の送り領域が狭まるように曲がる曲がり部と、前記曲がり部と連設され前記ベルトコンベヤの前記小物部品の送り方向に沿って形成された直線部と、前記頭部が前記搬送面との間に進入可能に切欠かれた切欠部と、が配設され、
前記曲がり部は、前記頭部を下にした適正姿勢の前記小物部品を前記直線部側へ搬送し、不適正姿勢の前記小物部品を前記バケット内に戻すように形成されていることを特徴とする小物部品の供給装置の選別構造。
【請求項2】
前記シュートは、前記ベルトコンベヤの前記小物部品の送り方向の下流側に配設され、前記頭部と前記軸部の位置を上下方向において変換して送り方向下流側に送るガイドシュートを含み、
前記ガイドシュートは、前記軸部が進入可能、かつ、前記頭部が進入不可能、に平行に配される一対の板を備え、
前記一対の板は、前記軸部が進入する縦部と、前記縦部の下方に位置する横部と、を有し、前記縦部において前記一対の板の間に前記軸部を進入させた後、前記横部の上面側で、前記頭部の前記軸部側の面と接してガイドすることを特徴とする請求項1に記載の小物部品の供給装置の選別構造。
【請求項3】
プレート体に、前記搬送部と、前記選別壁部と、が配設され一体化されたユニットとされ、
前記プレート体を介して、前記小物部品の供給装置に取り付け可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の小物部品の供給装置の選別構造。
【請求項4】
前記選別壁部の前記小物部品の送り方向の上流側には、前記リフト機構部から送られた前記小物部品が、転倒しないように受け止める受けプレートを備えていることを特徴とする請求項1に記載の小物部品の供給装置の選別構造。
【請求項5】
前記選別壁部で選別された前記小物部品を、前記搬送面の前記小物部品を前記バケット内に戻す側とは反対側、かつ、前記シュート側にガイドする出口倣いプレートを備えていることを特徴とする請求項1に記載の小物部品の供給装置の選別構造。
【請求項6】
前記リフト機構部の前記小物部品を押し上げる棚部と、前記ベルトコンベヤとの間に、前記小物部品の転倒を防止する、緩衝板部を備え、
前記緩衝板部の水平方向に対する角度は、前記棚部の上面の水平方向に対する角度より小さく、前記ベルトコンベヤの前記小物部品が搬送される搬送面の水平方向に対する角度より大きいことを特徴とする請求項1に記載の小物部品の供給装置の選別構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケット内に貯留した頭部と軸部を有する小物部品の内、適正姿勢の小物部品をシュートを経て溶接機等へ供給する小物部品の供給装置の選別構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の小物部品の供給装置として、本出願人が先にした、特許文献1に記載されるものがあった。これによれば、供給装置は、適正姿勢のナットをシュートを経て供給可能に構成されて、ナットを貯留するバケットと、バケット内のナットを押し上げるリフト機構部と、リフト機構部で押し上げられたナットをシュート側に搬送可能とする搬送部と、を備えていた。搬送部は、適正姿勢のナットをシュート側へ搬送し、不適正姿勢のナットをバケット内に戻す選別部が配設さされていた。バケットは、上方に長方形の開口を有した略直方体形状とされていた。搬送部は、シュート側にナットを搬送するベルトコンベヤを備え、選別部が、ベルトコンベヤのナットを直線状に搬送する上面の上方に、取替可能に取付座に取り付けられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5819694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の小物部品の供給装置では、ナットや、溶接用突起が設けられたナットには適用できるが、そのままでは、頭部と軸部を有する小物部品に適用できなかったので、当該小物部品にも適用可能とすることが望まれていた。
【0005】
本発明は、頭部と軸部を有する小物部品に適用できる小物部品の供給装置の選別構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1記載の発明では、適正姿勢の、頭部と前記頭部より小径に形成された軸部とを有する小物部品を、シュートを経て供給可能に構成されて、
多数の前記小物部品を貯留するバケットと、前記バケットの底壁側から前記バケットの側壁の上端側に前記小物部品を押し上げるリフト機構部と、前記側壁の上端側に配置されて、前記リフト機構部で押し上げられた前記小物部品を前記シュート側に搬送可能とする搬送部と、を備え、
前記バケットが、上方に長方形の開口を有した略直方体形状とされ、
前記搬送部が、前記側壁の上端側に配置されて前記シュート側に前記小物部品を搬送するベルトコンベヤを備え、搬送する前記小物部品の内、適正姿勢の前記小物部品を前記シュート側へ搬送し、不適正姿勢の前記小物部品を前記バケット内に戻し可能に構成される小物部品の供給装置に用いられる選別構造であって、
前記選別構造は、前記ベルトコンベヤの前記小物部品が搬送される搬送面が、不適正姿勢の前記小物部品を前記バケット内に戻す側が上となるように、水平方向に対して傾斜するように配設され、
前記リフト機構部で押し上げられた前記小物部品が、前記搬送面の上となる側から送られ、
前記搬送面に対して垂直となるように配設される選別壁部が配設され、
前記選別壁部には、前記搬送面の前記小物部品を前記バケット内に戻す側に向かうにしたがって、前記小物部品の送り領域が狭まるように曲がる曲がり部と、前記曲がり部と連設され前記ベルトコンベヤの前記小物部品の送り方向に沿って形成された直線部と、前記頭部が前記搬送面との間に進入可能に切欠かれた切欠部と、が配設され、
前記曲がり部は、前記頭部を下にした適正姿勢の前記小物部品を前記直線部側へ搬送し、不適正姿勢の前記小物部品を前記バケット内に戻すように形成されている。
【0007】
これによれば、小物部品を搬送面の、高い位置にある不適正姿勢の小物部品をバケット内に戻す側から、低い位置にあるその反対側に、一旦移動させ、ベルトコンベヤの搬送面を利用して、頭部を下の姿勢で揃えることが可能となる。そして、頭部が切欠部に進入して搬送面とで挟み込まれることで、小物部品が倒れないようにして、バケット内に戻されないようにできる。曲がり部により、搬送面の小物部品をバケット内に戻す側に持ち上げることで、小物部品にブレーキがかかり、小物部品の送り方向に沿う直線部で搬送スピードが上がり、小物部品間に隙間が生じ、重なりを低減するので、安定した選別ができる。よって、頭部と軸部を有する小物部品に好適な選別構造とすることができる。
【0008】
また、前記シュートは、前記ベルトコンベヤの前記小物部品の送り方向の下流側に配設され、前記頭部と前記軸部の位置を上下方向において変換して送り方向下流側に送るガイドシュートを含み、
前記ガイドシュートは、前記軸部が進入可能、かつ、前記頭部が進入不可能、に平行に配される一対の板を備え、
前記一対の板は、前記軸部が進入する縦部と、前記縦部の下方に位置する横部と、を有し、前記縦部において前記一対の板の間に前記軸部を進入させた後、前記横部の上面側で、前記頭部の前記軸部側の面と接してガイドする。
【0009】
これによれば、頭部を下にした小物部品を、エスケープと呼ばれる一個分離ユニットに搬送する場合、搬送面が平らになるため、油等によるひっつきが発生しやすくなるおそれがあった。これに対して、一対の板の縦部の間に軸部を進入させた後、一対の板の横部の上面側で、頭部の軸部側の面と接してガイドすることで、小物部品のひっつきを防止することができる。さらに、一対の板で構成することでコストを削減することができる。
【0010】
また、プレート体に、前記搬送部と、前記選別壁部と、が配設され一体化されたユニットとされ、
前記プレート体を介して、前記小物部品の供給装置に取り付け可能とされている。
【0011】
これによれば、既存の小物部品の供給装置に後付けする場合に有効となる。さらに、取り外してメンテナンスをすることが可能となるので、作業効率を向上させることができる。
【0012】
また、前記選別壁部の前記小物部品の送り方向の上流側には、前記リフト機構部から送られた前記小物部品が、転倒しないように受け止める受けプレートを備えている。
【0013】
これによれば、小物部品が倒れないようにして、バケット内に戻されないことに寄与する。
【0014】
また、前記選別壁部で選別された前記小物部品を、前記搬送面の前記小物部品を前記バケット内に戻す側とは反対側、かつ、前記シュート側にガイドする出口倣いプレートを備えている。
【0015】
これによれば、シュート側にガイドするとともに、小物部品が、高い位置にある、搬送面の小物部品をバケット内に戻す側から、低い位置にあるその反対側に移動することで、搬送スピードに差が生じ安定した搬送が可能となる。
【0016】
また、前記リフト機構部の前記小物部品を押し上げる棚部と、前記ベルトコンベヤとの間に、前記小物部品の転倒を防止する、緩衝板部を備え、
前記緩衝板部の水平方向に対する角度は、前記棚部の上面の水平方向に対する角度より小さく、前記ベルトコンベヤの前記小物部品が搬送される搬送面の水平方向に対する角度より大きい。
【0017】
これによれば、棚部とベルトコンベヤの小物部品が搬送される搬送面との間に、角度の緩衝部分を設けることで、小物部品が倒れないようにして、バケット内に戻されないことに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態の選別構造が配設された小物部品の供給装置の正面図である。
図2】同実施形態の選別構造が配設された小物部品の供給装置の平面図である。
図3】同実施形態の選別構造が配設された小物部品の供給装置の後側からみた斜視図である。
図4】同実施形態の選別構造が配設された小物部品の供給装置のリフト機構部を説明する正面図である。
図5】同実施形態の選別構造が配設された小物部品の供給装置後側からみた部分斜視図である。
図6】同実施形態の選別構造が配設された小物部品の供給装置前側からみた部分斜視図である。
図7】選別ユニットの後側からみた斜視図である。
図8】選別ユニットの前側からみた斜視図である。
図9】選別ユニットの平面図である。
図10】選別ユニットの後側からみた説明図である。
図11図10のXI-XI線矢視断面図である。
図12図10のXII-XII線矢視断面図である。
図13図10のXIII-XIII線矢視断面図である。
図14図10のXIV-XIV線矢視断面図である。
図15図10のXV-XV線矢視断面図である。
図16図3の丸部分を拡大した斜視図である。
図17】ガイドシュートの前側からみた一部省略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明における選別構造が配設された小物部品の供給装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、各図面に記載される矢印の、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0020】
本実施形態の小物部品の供給装置1は、概略的には、ボルトBを1個ずつ送り出す一個分離ユニット230に対し、ボルトBを供給するものである。ボルトBは、図5等に示すように、頭部B1と頭部B1より小径に形成された軸部B2とを有している。
【0021】
本実施形態の供給装置1は、図1~4に示すように、多数の小物部品としてのボルトBを貯留するバケット10と、バケット10の底壁11側からバケット10の側壁15の上端側にボルトBを押し上げるリフト機構部20と、側壁15の上端側に配置されて、リフト機構部20で押し上げられたボルトBをシュートとしてのガイドシュート200側に搬送する搬送部150と、を備えて構成され、ガイドシュート200を経て一個分離ユニット230にボルトBを供給するものである。
【0022】
本実施形態では、ボルトBは、頭部B1を下にして立っている状態を適正姿勢とされ、それ以外の倒れた状態を不適正姿勢とされる。供給装置1は、適正姿勢のボルトBをガイドシュート200側へ搬送し、不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻し可能に構成されている。
【0023】
供給装置1の基本的な構成の、バケット10、リフト機構部20等は、本出願人が先にした、特願2011-210053号(特開2013-71788号公報)の小物部品の供給装置の構成と同様であるので、詳細な説明は省略して簡単に説明する(本発明と対応する構成は同じ番号を付するものとする)。
【0024】
バケット10は、図1~3に示すように、上方に長方形の開口10aを有した略直方体形状とし、中央側に傾斜した底壁11と、底壁11の外周縁で上方に延びる四角筒状の側壁15と、を備えて構成されている。
【0025】
リフト機構部20は、図1~3に示すように、上面の高さを異ならせた四つの棚部27、28、37、38と、棚部27、28、37、38を保持して昇降させる複数の駆動機構21、31と、を備えて構成され、バケット10の底壁11側からバケット10の側壁15の上端側にボルトBを押し上げ可能とされている。
【0026】
本発明は、供給装置1に用いられる小物部品としてのボルトBの選別構造である。本発明の要部を説明する。本実施形態では、選別構造100は、図5~10等に示すように、プレート体110と、搬送部150と、選別壁部170と、を備えている。
【0027】
プレート体110は、取付部111と、傾斜部113と、延設部115と、を有している。
【0028】
取付部111は、バケット10の前側の側壁15に取り付けられる部分で長尺平板状に形成されている。取付部111は、上下方向に沿って配される。なお、前側の側壁15は、不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻し可能に切欠かれている。
【0029】
傾斜部113は、取付部111に対して傾斜するように、換言すれば、左右方向からみて、上下方向に対して前側に傾斜するように形成されている。
【0030】
延設部115(区別するときは、延設部115A、延設部115Bとする。)は、縦板116と、縦板116の上端から前側に延びる横板117と、を有して断面略L字状に形成され、傾斜部113の左右の端部からそれぞれ上方に延びるように配設されている。
【0031】
延設部115A、延設部115B間には、選別ベースプレート130が架け渡されるように配設されている。
【0032】
選別ベースプレート130は、縦板131と縦板131の上端から後側に延びる横板132とを有している。
【0033】
選別ベースプレート130は、横板132において、平板状の、左マウントブラケット135、右マウントブラケット136を介して、プレート体110の延設部115A、延設部115Bに取り付けられている。
【0034】
搬送部150は、図1~10等に示すように、側壁15のベルトコンベヤ151側となる押上側部16の上端側の前側に隣接して配置され、ガイドシュート200側にボルトBを搬送するベルトコンベヤ151を備えて構成されている。
【0035】
ベルトコンベヤ151は、図4、6に示すように、プレート体110の傾斜部113に固定された第一従動ローラ153や第二従動ローラ154、154に巻き掛けられ、駆動モータ156に接続された駆動ローラ155によって、循環回転駆動される。
【0036】
本実施形態では、駆動モータ156は、モータベース158を介して、プレート体110の傾斜部113に取り付けられている。
【0037】
搬送部150は、駆動ローラ155がローラカバー140、ベルトコンベヤ151が、下ベルトカバー141、ベルトカバー142に覆われている。
【0038】
そして、ベルトコンベヤ151は、押上側部16の上端側における直線状の上面を搬送面152として、ボルトBを搬送する。
【0039】
ベルトコンベヤ151のボルトBが搬送される搬送面152が、後側(不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻す側)が上となり、前側(不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻す側とは反対側)が下となるように、水平方向に対して傾斜するように配設されている。本実施形態では、搬送面152が、水平方向に対して10度傾斜するように配設されている。
【0040】
リフト機構部20で押し上げられたボルトBが、後側(搬送面152の上となる側)から、搬送面152に向かって送られる。
【0041】
図2、3、5、7、9等に示すように、棚部38とベルトコンベヤ151の搬送面152の間には、リフト機構部20のボルトBを押し上げる棚部38と、ベルトコンベヤ151との間に、ボルトBの転倒を防止する、緩衝板部160が配設されている。
【0042】
緩衝板部160の水平方向に対する角度は、棚部38の上面となる受止面38aの水平方向に対する角度より小さく、ベルトコンベヤ151のボルトBが搬送される搬送面152の水平方向に対する角度より大きい。
【0043】
本実施形態では、緩衝板部160は、図11、12に示すように、水平方向に対して20度傾斜するように配設され、搬送面152は、水平方向に対して10度傾斜するように配設され、棚部38の受止面38aは、水平方向に対して30度傾斜するように配設されている。
【0044】
選別壁部170は、図2、3、5~10等に示すように、曲がり部172と、直線部174と、第二曲がり部178と、切欠部179と、を有し、搬送面152に対して垂直となるように配設されている。
【0045】
曲がり部172は、後側(搬送面152のボルトBをバケット10内に戻す側)に向かうにしたがって、ボルトBの送り領域が狭まるように曲がるように形成されている。
【0046】
直線部174は、曲がり部172の右側に連設され、左右方向(ベルトコンベヤ151のボルトBの送り方向)に沿って形成されている。直線部174は、さらに、上端から前方に延びる横板175と、横板175の前端から下方に延びる縦板176と、を有して、縦板176において、選別ベースプレート130に取り付けられている。直線部174の後端と、搬送面152の後端とは、軸部B2の直径の二分の一未満の長さとなるように配され、不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻し可能とされている。
【0047】
第二曲がり部178は、直線部174の右側に連設され、前側(搬送面152のボルトBをバケット10内に戻す側とは反対側)に向かって曲がるように形成されている。
【0048】
切欠部179は、曲がり部172と直線部174と第二曲がり部178の下端部において、頭部B1が搬送面152との間に進入可能に切欠かれて形成されている。
【0049】
曲がり部172は、頭部B1を下にした適正姿勢のボルトBを直線部174側へ搬送し、不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻すように形成されていることになる。
【0050】
選別壁部170の左側(ボルトBの送り方向の上流側)には、図2、3、5~10等に示すように、リフト機構部20から送られたボルトBが、転倒しないように受け止める受けプレート180が配設されている。
【0051】
受けプレート180は、横板181と横板181の後端から下側に延びる縦板182とを有して、断面略L字状に形成され、横板181において、選別ベースプレート130に取り付けられている。
【0052】
選別壁部170の、直線部174の一部と、第二曲がり部178と、に対向する部分には、図2、3、5~10等に示すように、選別壁部170で選別されたボルトBを、前側(搬送面152のボルトBをバケット10内に戻す側とは反対側)、かつ、ガイドシュート200側にガイドする出口倣いプレート190が配設されている。
【0053】
出口倣いプレート190は、直線部174の一部と、第二曲がり部178と、沿うように形成され、上端で、矩形状の取付板191と溶接等されて連結され、取付板191において、選別ベースプレート130に取り付けられている。
【0054】
ベルトコンベヤ151の右端部において、出口倣いプレート190と、選別ベースプレート130とで、ボルトBの出口が形成される。
【0055】
本実施形態では、プレート体110に、搬送部150と、選別壁部170と、が配設され一体化された選別ユニット105とされ、供給装置1に後付け可能とされている。
【0056】
ベルトコンベヤ151の右端部側(ボルトBの送り方向の下流側)には、図1~3、16、17に示すように、頭部B1と軸部B2の位置を上下方向において変換して送り方向下流側に送るガイドシュート200が配設されている。
【0057】
ガイドシュート200は、一対の板202を備えている。一対の板202は、軸部B2が進入する縦部203と、縦部203の下方に位置する横部204と、を有している。
【0058】
一対の板202は、平板状のスペーサ205を間に配して、ボルトBの軸部B2が進入可能、かつ、頭部B1が進入不可能、に平行に配置されている。
【0059】
ガイドシュート200は、縦部203において、ベルトコンベヤ151の右端部から頭部B1を下にして送られてくるボルトBを、一対の板202の間に軸部B2を進入させた後、横部204の上面204a側で、頭部B1の軸部B2側の面と接してガイドする。
【0060】
ガイドシュート200は、スペーサ205において、供給装置1から延設されたスタンドホルダ210と、スタンドホルダ210に上下方向に沿って取り付けられた棒部材212と、棒部材212に取り付けられた支柱クランプ213と、を介して、供給装置1に取り付けられている。
【0061】
ガイドシュート200の左斜め下側には、一個分離ユニット230が配設されている。一個分離ユニット230は、既存のものが用いられている。
【0062】
上記構成の小物部品の供給装置1の選別構造100の機能、作用を説明する。
【0063】
リフト機構部20から送られたボルトBが、棚部38の受止面38aから、搬送面152に移動する。
【0064】
このとき、緩衝板部160の水平方向に対する角度は、棚部38の上面となる受止面38aの水平方向に対する角度より小さく、ベルトコンベヤ151のボルトBが搬送される搬送面152の水平方向に対する角度より大きいので、ボルトBは、急激な段差ではなく緩やかな段差となるので、転倒が防止される。
【0065】
また、緩衝板部160を滑り降りてくるボルトBを、受けプレート180が転倒しないように受け止める。
【0066】
受けプレート180で、受け止められたボルトBは、選別壁部170の曲がり部172に送られる。
【0067】
不適正姿勢の倒れたボルトBは、ボルトBの送り領域が狭まるように曲がるように形成された曲がり部172により、バケット10に戻される。
【0068】
一方、頭部B1を下にして倒れていない適正姿勢のボルトBは、切欠部179と搬送面152との間で頭部B1が挟まれ転倒が防止された状態で送られる。
【0069】
曲がり部172により、上方向に持ち上げられて送られるので、ボルトBの送りスピードにブレーキがかかり遅くなる。そして、直線部174に到達すると上下方向において送りが水平方向に対して平行となるので、送りスピードが速くなり、ボルトB間に隙間が生じ、重なりを減らし、安定した選別ができる。
【0070】
出口倣いプレート190により、搬送面152の後側に寄せられたボルトBが、再度前側に寄せられる。搬送面152の高い位置から低い位置に移動することにより、ボルトBの送りスピートが増し、出口方向にボルトBを案内する。
【0071】
ベルトコンベヤ151から送られたボルトBは、ガイドシュート200に送られる。ガイドシュート200では、頭部B1を下にしたボルトBを、一対の板202の縦部203の間に軸部B2を進入させた後、一対の板202の横部204の上面204a側で、頭部B1の軸部B2側の面と接してガイドすることで、ボルトBのひっつきを防止する。
【0072】
ガイドシュート200から、一個分離ユニット230にボルトBが送られ、さらに下流側に溶接機等にボルトBが送られる。
【0073】
上記構成の小物部品の供給装置1の選別構造100では、適正姿勢の、頭部B1と頭部B1より小径に形成された軸部B2とを有する小物部品としてのボルトBを、シュートとしてのガイドシュート200を経て供給可能に構成されて、
多数のボルトBを貯留するバケット10と、バケット10の底壁11側からバケット10の側壁15の上端側にボルトBを押し上げるリフト機構部20と、側壁15の上端側に配置されて、リフト機構部20で押し上げられたボルトBをガイドシュート200側に搬送可能とする搬送部150と、を備え、
バケット10が、上方に長方形の開口10aを有した略直方体形状とされ、
搬送部150が、側壁15の上端側に配置されてガイドシュート200側にボルトBを搬送するベルトコンベヤ151を備え、搬送するボルトBの内、適正姿勢のボルトBをガイドシュート200側へ搬送し、不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻し可能に構成されるボルトBの供給装置に用いられる選別構造であって、
選別構造100は、ベルトコンベヤ151のボルトBが搬送される搬送面152が、不適正姿勢のボルトBを前記バケット10内に戻す側が上となるように、水平方向に対して傾斜するように配設され、
リフト機構部20で押し上げられたボルトBが、搬送面152の上となる側から送られ、
搬送面152に対して垂直となるように配設される選別壁部170が配設され、
選別壁部170には、搬送面152のボルトBをバケット10内に戻す側に向かうにしたがって、ボルトBの送り領域が狭まるように曲がる曲がり部172と、曲がり部172と連設されベルトコンベヤ151のボルトBの送り方向に沿って形成された直線部174と、頭部B1が搬送面152との間に進入可能に切欠かれた切欠部179と、が配設され、
曲がり部172は、頭部B1を下にした適正姿勢のボルトBを直線部174側へ搬送し、不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻すように形成されている。
【0074】
これによれば、ボルトBを搬送面152の、高い位置にある不適正姿勢のボルトBをバケット10内に戻す側から、低い位置にあるその反対側に、一旦移動させ、ベルトコンベヤ151の搬送面152を利用して、頭部B1を下の姿勢で揃えることが可能となる。そして、頭部B1が切欠部179に進入して搬送面152とで挟み込まれることで、ボルトBが倒れないようにして、バケット10内に戻されないようにできる。曲がり部172により、搬送面152のボルトBをバケット10内に戻す側に持ち上げることで、ボルトBにブレーキがかかり、ボルトBの送り方向に沿う直線部174で搬送スピードが上がり、ボルトB間に隙間が生じ、重なりを低減するので、安定した選別ができる。よって、頭部B1と軸部B2を有するボルトBに好適な選別構造とすることができる。
【0075】
また、シュートは、ベルトコンベヤ151のボルトBの送り方向の下流側に配設され、頭部B1と軸部B2の位置を上下方向において変換して送り方向下流側に送るガイドシュート200を含み、
ガイドシュート200は、軸部B2が進入可能、かつ、頭部B1が進入不可能、に平行に配される一対の板202を備え、
一対の板202は、軸部B2が進入する縦部203と、縦部203の下方に位置する横部204と、を有し、縦部203において一対の板202の間に軸部B2を進入させた後、横部204の上面204a側で、頭部B1の軸部B2側の面と接してガイドする。
【0076】
これによれば、頭部B1を下にしたボルトBを、エスケープと呼ばれる一個分離ユニット230に搬送する場合、搬送面152が平らになるため、油等によるひっつきが発生しやすくなるおそれがあった。これに対して、一対の板202の縦部203の間に軸部B2を進入させた後、一対の板202の横部204の上面204a側で、頭部B1の軸部B2側の面と接してガイドすることで、ボルトBのひっつきを防止することができる。さらに、一対の板202で構成することでコストを削減することができる。
【0077】
また、プレート体110に、搬送部150と、選別壁部170と、が配設され一体化された選別ユニット105とされ、
プレート体110を介して、ボルトBの供給装置1に取り付け可能とされている。
【0078】
これによれば、既存の小物部品の供給装置に後付けする場合に有効となる。さらに、取り外してメンテナンスをすることが可能となるので、作業効率を向上させることができる。
【0079】
また、選別壁部170のボルトBの送り方向の上流側には、リフト機構部20から送られたボルトBが、転倒しないように受け止める受けプレート180を備えている。
【0080】
これによれば、ボルトBが倒れないようにして、バケット10内に戻されないことに寄与する。
【0081】
また、選別壁部170で選別されたボルトBを、搬送面152のボルトBをバケット10内に戻す側とは反対側、かつ、ガイドシュート200側にガイドする出口倣いプレート190を備えている。
【0082】
これによれば、ガイドシュート200側にガイドするとともに、ボルトBが、高い位置にある、搬送面152のボルトBをバケット10内に戻す側から、低い位置にあるその反対側に移動することで、搬送スピードに差が生じ安定した搬送が可能となる。
【0083】
また、リフト機構部20のボルトBを押し上げる棚部38と、ベルトコンベヤ151との間に、ボルトB転倒を防止する、緩衝板部160を備え、
緩衝板部160の水平方向に対する角度は、棚部38の上面の受止面38aの水平方向に対する角度より小さく、ベルトコンベヤ151のボルトBが搬送される搬送面152の水平方向に対する角度より大きい。
【0084】
これによれば、棚部38とベルトコンベヤ151のボルトBが搬送される搬送面152との間に、角度の緩衝部分を設けることで、ボルトBが倒れないようにして、バケット10内に戻されないことに寄与する。
【0085】
本発明の小物部品の供給装置の選別構造は上記構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
【0086】
例えば、後付け可能な選別ユニット105とせずに、供給装置1に最初から組み込ませることも可能である。
【0087】
また、ボルトB以外の、頭部と軸部を有する既存の小物部品の選別に適用することができる。
【0088】
また、棚部38の上面の受止面38aの水平方向に対する角度、緩衝板部160の水平方向に対する角度、搬送面152の水平方向に対する角度、使用態様に応じて適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 供給装置
10 バケット
10a 開口
11 底壁
15 側壁
20 リフト機構部
38 棚部
38a 受止面
100 選別構造
105 選別ユニット
110 プレート体
150 搬送部
151 ベルトコンベヤ
152 搬送面
160 緩衝板部
170 選別壁部
172 曲がり部
174 直線部
179 切欠部
180 受けプレート
190 出口倣いプレート
200 ガイドシュート
202 板
203 縦部
204 横部
204a 上面
B ボルト
B1 頭部
B2 軸部
図1
図2
図3
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