(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132167
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】連続加熱炉
(51)【国際特許分類】
F27B 9/24 20060101AFI20240920BHJP
F27B 9/02 20060101ALI20240920BHJP
F27D 1/18 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
F27B9/24 R
F27B9/02
F27D1/18 N
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042850
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】ノリタケ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】大河内 賢次
【テーマコード(参考)】
4K050
4K051
【Fターム(参考)】
4K050AA01
4K050AA02
4K050AA03
4K050AA04
4K050CA10
4K050CB04
4K050CD02
4K050CG04
4K050CG06
4K051AA03
4K051AA04
4K051AB07
4K051MB13
(57)【要約】
【課題】シャッタと搬送ローラの干渉を低減する。
【解決手段】連続加熱炉1は、予め定められた搬送方向に沿った空間10iを囲うトンネル状の炉体10と、トンネル状の炉体10をそれぞれ横断し、搬送方向に沿って並べられた複数の搬送ローラ20と、搬送方向において空間10iを仕切るシャッタ91,92と、シャッタ開閉装置95とを備えている。シャッタ91,92が設けられた位置に配置された搬送ローラ20aは、個別に位置調整可能に構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた搬送方向に沿った空間を囲うトンネル状の炉体と、
前記トンネル状の炉体をそれぞれ横断し、前記搬送方向に沿って並べられた複数の搬送ローラと、
前記搬送方向において前記空間を仕切るシャッタと、
シャッタ開閉装置と
を備え、
前記シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラは、個別に位置調整可能に構成されている、
連続加熱炉。
【請求項2】
前記シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラの端部は、位置調整可能に構成された複数のローラ支持体に支持されている、請求項1に記載された連続加熱炉。
【請求項3】
一対の支持台をさらに備え、
前記一対の支持台は、それぞれ前記搬送方向に沿って延びており、かつ、前記炉体の幅方向において前記炉体の外部に設けられており、
前記複数のローラ支持体は、前記一対の支持台のうちいずれか一方にそれぞれ取り付けられており、
前記ローラ支持体と前記支持台には、前記支持台に対して前記ローラ支持体を前記搬送方向に沿って位置調整可能な取付構造が設けられている、請求項2に記載された連続加熱炉。
【請求項4】
前記複数の搬送ローラは、それぞれ中空の軸部材であり、
前記複数のローラ支持体は、
筐体と
前記筐体に取り付けられた軸受と、
前記軸受に回転可能に支持され、かつ、少なくとも一端が前記筐体からはみ出たシャフトと
をそれぞれ備えており、
前記複数の搬送ローラのうち少なくとも一つの搬送ローラの両端は、前記ローラ支持体の前記シャフトの一端が挿入された状態でそれぞれ支持されている、請求項3に記載された連続加熱炉。
【請求項5】
前記支持台は、前記ローラ支持体が取り付けられる部位に凸部を有し、
前記ローラ支持体の前記筐体には、前記凸部が入る凹部が形成されている、請求項4に記載された連続加熱炉。
【請求項6】
前記凹部は、前記搬送方向に沿って延びた溝である、請求項5に記載された連続加熱炉。
【請求項7】
前記ローラ支持体は、前記支持台の上面に載せられた状態で前記支持台に取り付けられる、請求項3に記載された連続加熱炉。
【請求項8】
前記ローラ支持体は、高さ調節部材を介して前記支持台の前記上面に載せられた状態で前記支持台に取り付けられる、請求項7に記載された連続加熱炉。
【請求項9】
前記高さ調節部材は、板状である、請求項8に記載された連続加熱炉。
【請求項10】
前記支持台には、前記搬送方向に沿った孔が形成されており、
前記ローラ支持体の前記筐体には、取付穴が形成されており、
前記ローラ支持体は、前記孔に挿通された取付部材と、前記取付穴とによって前記支持台に取り付けられている、請求項4に記載された連続加熱炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、連続加熱炉に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-143883号公報には、ローラ搬送式焼成炉のシャッタ装置が開示されている。シャッタ装置は、炉体内に設けられた上下シャッタ部材と、搬送ローラの間を通って上下シャッタ部材の下端部から下方へ突き出す一対の支持棒と、一対の支持棒を介して上下シャッタ部材を上下方向に駆動して開位置と閉位置とに位置させるシャッタ駆動装置とを含んでいる。シャッタ駆動装置は、炉体の下側に配置されている。かかるシャッタ装置では、シャッタ駆動装置が炉体の下側に配置されていることにより、シャッタ駆動装置に大掛かりな冷却機構を設ける必要がないとされている。
【0003】
特開2000-130953号公報には、被処理材の処理室を区画する部分にもローラが設けられた熱処理炉が開示されている。処理室を区画する部分に設けられたローラは、断熱扉と、当該断熱扉と相対する断熱壁とによって覆われるように構成されている。かかる構成によって、熱損失を少なくすることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-143883号公報
【特許文献2】特開2000-130953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、処理室を区画するシャッタを備える連続加熱炉において、シャッタの誤作動を低減したいと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示される連続加熱炉は、予め定められた搬送方向に沿った空間を囲うトンネル状の炉体と、トンネル状の炉体をそれぞれ横断し、搬送方向に沿って並べられた複数の搬送ローラと、搬送方向において前記空間を仕切るシャッタと、シャッタ開閉装置とを備えている。シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラは、個別に位置調整可能に構成されている。かかる連続加熱炉によると、シャッタの誤操作が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】
図3は、複数の搬送ローラ20の支持構造を示す模式図である。
【
図7】
図7は、高さ調節部材37を示す模式図である。
【
図8】
図8は、シャッタ91,92を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示における実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。上、下、左、右、前、後の向きは、図中、U、D、L、R、F、Rrの矢印でそれぞれ表されている。ここで、上、下、左、右、前、後の向きは、説明の便宜上、定められているに過ぎず、特に言及されない限りにおいて本願発明を限定しない。
【0009】
図1および
図2は、連続加熱炉1の断面図である。
図1では、搬送方向に沿った、連続加熱炉1の縦断面が模式的に示されている。
図2は、
図1のII-II断面図である。
図2では、搬送方向を横切る、連続加熱炉1の横断面が模式的に示されている。
【0010】
〈連続加熱炉1〉
連続加熱炉1は、
図1および
図2に示されているように、炉体10と、複数の搬送ローラ20と、複数のローラ支持体30,40と、シャッタ91,92と、シャッタ開閉装置95とを備えている。連続加熱炉1は、一対の支持台35,45を備えている。連続加熱炉1は、加熱容器に載せられた被処理物(以下、被処理物Aとも称する)を搬送方向に沿って搬送しつつ、連続的に加熱処理する加熱炉である。この実施形態では、連続加熱炉1は、搬送ローラの回転によって被処理物を搬送方向(後方Rrから前方F)に搬送しつつ加熱する、いわゆるローラハースキルンである。図中の矢印は、被処理物Aが搬送される搬送方向を示している。
【0011】
〈炉体10〉
炉体10は、被処理物Aが搬送方向に沿って搬送される空間10iを囲っている。炉体10は、トンネル状に形成されている。
図2に示されているように、炉体10は、一対の側壁50,60と、底壁70と、天井壁80を有している。炉体10の空間10iには、搬送ローラ20と、ヒータ12とが設けられている。被処理物Aは、搬送ローラ20によって空間10iを搬送されつつヒータ12によって加熱処理される。
【0012】
ヒータ12は、搬送ローラ20上を搬送される被処理物Aを加熱処理するための設備である。この実施形態では、ヒータ12として、バーナ式の加熱装置が用いられている。ヒータ12は、配管13から導入される燃料ガスを燃焼させる装置である。燃料ガスが燃焼することによって、炉内温度が向上し、被処理物Aが加熱される。ヒータ12は、側壁50,60に設けられている。ヒータ12は、側壁50,60において、搬送ローラ20よりも上方および下方の予め定められた高さに設けられている。ヒータ12は、側壁50,60の内壁面の窪みに設けられている。
【0013】
ヒータ12は、被処理物Aを加熱できる限りにおいて、上述したヒータ12に限定されない。ヒータ12の種類、形状、配置等は特に限定されず、加熱条件等に応じて選択されうる。ヒータとしては、例えば、円筒形状のセラミックヒータ、金属シースヒータ、板状のパネルヒータ等が用いられてもよい。ヒータ12の数、出力等は、被処理物Aの処理条件に応じて適宜設定されうる。ヒータ12の数、出力等を変えることによって、搬送方向に沿って異なる処理条件で被処理物Aを処理することができる。
【0014】
図示は省略するが、空間10iには、温度センサが設けられている。温度センサとしては、熱電対、赤外線温度計等が用いられうる。温度センサは、ヒータ12によって加熱される空間10iの温度を測定する。温度センサによって測定された空間10iの温度に応じてヒータ12の出力が制御されうる。これによって、空間10iが予め設定された温度に維持される。
【0015】
炉体10は、空間10iの熱を断熱し、かつ、耐火性を有する材料から構成されている。この実施形態では、炉体10は、耐火煉瓦によって構成されている。耐火煉瓦は、セラミックレンガであり、例えば、アルミナ質、ムライト質、コーディライト質のものが用いられうる。積み重ねられた耐火煉瓦は、接着剤やモルタルによって接着されている。接着剤やモルタルとしては、例えば、アルミナ、マグネシア、ジルコニア等を含んだ耐熱性の高いセラミックを含んだ接着剤やモルタルが用いられうる。耐火煉瓦は、それぞれ接着剤、モルタル等によって固定されうる。この実施形態では、搬送ローラ20が挿通される部位に用いられる耐火煉瓦には、貫通孔50a,60aが形成されている。一つの耐火煉瓦には、複数の貫通孔50a,60aが形成されていてもよい。
【0016】
耐火煉瓦は、上下に重ねられる耐火煉瓦の境目が連続しないように積み重ねられて炉体10を構成していてもよい。耐火煉瓦の境目が連続しないことによって、断熱性が良好でありうる。また、炉体10の安定した積層構造が実現されうる。炉体10には、適宜、セラミック製の、板状の断熱材が用いられていてもよい。
【0017】
〈底壁70〉
底壁70は、複数段に重ねられた略直方体状の耐火煉瓦によって構成されている。底壁70は、側壁50,60を支持している。側壁50,60を構成する耐火煉瓦は、炉体10の幅方向において、底壁70の両端部から上方に向かって積み重ねられている。
【0018】
〈側壁50,60〉
側壁50,60は、底壁70から上方に向かって延びている。側壁50,60の内壁面は、略垂直に形成されている。一対の側壁50,60には、それぞれ複数の貫通孔50a,60aが形成されている。貫通孔50a,60aは、搬送ローラ20が挿通される孔であり、それぞれ側壁50,60を貫通している。複数の貫通孔50a,60aは、側壁50,60の予め定められた高さにおいて、搬送方向に沿って略一定のピッチで形成されている。なお、貫通孔50a,60aは、耐火煉瓦に設けられたものに限られない。貫通孔50a,60aは、例えば、搬送ローラ20が挿通される部位の上下の側壁と、当該側壁の間に配置される仕切り部材によって形成されていてもよい。
【0019】
側壁50,60の上部には、傾斜面50b,60bが形成されている。傾斜面50b,60bは、側壁50,60の上部から内壁面に向かって傾斜した面である。傾斜面50b,60bは、空間10iに向かうに従って低くなるように傾斜している。傾斜面50b,60bは、天井壁80を支持している。傾斜面50b,60bは、側壁50,60と天井壁80との境界を形成している。
【0020】
〈天井壁80〉
この実施形態では、天井壁80は、炉体10の幅方向において湾曲して形成されている。天井壁80は、耐火煉瓦によって形成されている。天井壁80は、複数層に形成されている。なお、天井壁80の構成は、特に限定されない。天井壁80は、略水平に形成されていてもよく、傾斜して形成されていてもよい。炉体10の上部の天井壁80は、複数層のブランケット15に覆われている。炉体10には、図示しない排気路が設けられていてもよい。特に限定されないが、排気路は、炉体10の天井壁80に設けられうる。
【0021】
炉体10は、外部を外枠16によって覆われていてもよい。外枠16としては、剛性および耐熱性に優れる金属によって構成されうる。外枠16としては、例えば、ステンレス等が用いられうる。
【0022】
〈複数の搬送ローラ20〉
複数の搬送ローラ20は、それぞれトンネル状の炉体10を横断している。複数の搬送ローラ20は、搬送方向に沿って並べられている。複数の搬送ローラ20は、それぞれ中空の軸部材である。換言すると、搬送ローラ20は、円筒形状のローラである。この実施形態では、搬送ローラ20として、セラミック製のローラが用いられている。搬送ローラ20は、セラミック製に限られず、金属製であってもよい。搬送ローラ20は、被処理物Aを支持できるように高さを揃えられ、予め定められたピッチで空間10iに並べられている(
図1参照)。
【0023】
図2に示されているように、複数の搬送ローラ20は、それぞれ一対の側壁50,60の貫通孔50a,60aに挿通されている。この実施形態では、複数の貫通孔50a,60aそれぞれには、一つの搬送ローラ20の一端が挿通されている(
図2参照)。複数の搬送ローラ20の端部は、それぞれ貫通孔50a,60aから炉体10の外部に突き出ている。なお、貫通孔50a,60aは、側壁50,60の外側からブランケット17によって塞がれている。これによって、搬送ローラ20が挿通されている貫通孔50a,60aから空間10iの熱が逃げることが低減されうる。
【0024】
図3は、複数の搬送ローラ20の支持構造を示す模式図である。
図3では、上方から見た複数の搬送ローラ20と、当該複数の搬送ローラ20を支持する複数のローラ支持体30,40とが模式的に示されている。
図4は、ローラ支持体30の模式図である。
図4では、搬送ローラ20の駆動側の支持構造が模式的に示されている。
図5は、ローラ支持体40の模式図である。
図5では、搬送ローラ20の従動側の支持構造が模式的に示されている。
図6は、ローラ支持体30の模式図である。
図6では、上方から見たローラ支持体30が模式的に示されている。
【0025】
図3に示されているように、複数の搬送ローラ20は、それぞれローラ支持体30,40に支持されている。ここでは、一つの搬送ローラ20の一端は、ローラ支持体30に支持されており、他端は、ローラ支持体40に支持されている。複数のローラ支持体30,40は、炉体10の外部において支持台35,45に支持されている。
【0026】
ローラ支持体30,40と支持台35,45には、支持台35,45に対してローラ支持体30,40を搬送方向に沿って位置調整可能な取付構造が設けられている。以下、支持台35,45とローラ支持体30,40の構造について説明する。
【0027】
〈支持台35,45〉
支持台35,45は、搬送方向に沿って延びるレール状の部材である。支持台35,45は、炉体10の外部に設けられている。支持台35は、炉体10の側壁50から所要の間隔を空けて配置されている。支持台45は、炉体10の側壁60から所要の間隔を空けて配置されている。
【0028】
図4に示されているように、支持台35は、支柱36に支持されている。図示は省略するが、支柱36は、搬送方向に沿って複数設けられており、支持台35は、それぞれ複数の支柱36によって支持されている。支持台35は、図示しない固定金具によって支柱36に取り付けられている。支持台35には、スプロケット34bが取り付けられている。支持台35には、チェーンガイド等、ローラチェーン34aのループパスを形成する部材が取り付けられていてもよい。
【0029】
図5に示されているように、支持台45は、支柱46に支持されている。図示は省略するが、支柱46は、搬送方向に沿って複数設けられており、支持台45は、それぞれ複数の支柱46によって支持されている。支持台45は、図示しない固定金具によって支柱46に取り付けられている。
【0030】
図4および
図5に示されているように、支持台35,45は、一対の脚部35a,45aと、支持部35b,45bとを有している。脚部35a,45aは、支柱36,46から上方に向かって延びている。支持部35b,45bは、一対の脚部35a,45aの上端をそれぞれ繋いでいる。
【0031】
支持部35b,45bは、ローラ支持体30,40を支持する平板状の部位である。支持部35b,45bの上面には、凸部35b1,45b1が設けられている。凸部35b1,45b1は、搬送方向に沿って連続的に形成されていてもよく、間欠的に形成されていてもよい。凸部35b1,45b1は、支持部35b,45bの幅方向の略中央部に設けられている。凸部35b1,45b1は、例えば、搬送方向に沿って間欠的に設けられた突起であってもよく、搬送方向に沿って延びる突状であってもよい。支持部35b,45bには、複数列に並んだ凸部35b1,45b1が設けられていてもよい。
【0032】
支持部35b,45bには、それぞれ2列の孔35b2,45b2が形成されている。孔35b2,45b2は、搬送方向に沿って延びる長穴(
図6参照)である。2列の孔35b2,45b2は、それぞれ支持部35b,45bの幅方向に沿って凸部35b1,45b1を挟む位置に設けられている。支持部35b,45bの幅方向における孔35b2,45b2の寸法は、取付部材35b3,45b3が挿通可能な寸法に設定されている。孔35b2,45b2の寸法は、特に限定されない。搬送方向に沿った孔35b2,45b2の長さは、ローラ支持体30,40の幅に収まる長さであってもよく、複数のローラ支持体30,40に亘る長さであってもよい。孔35b2,45b2は、支持部35b,45bにおいて間欠的に形成されていてもよく、連続的に形成されていてもよい。
【0033】
ローラ支持体30,40は、支持台35,45の上面(この実施形態では支持部35b,45bの上面)に載せられる。これによって、ローラ支持体30,40が支持台35,45から脱落しにくい。ローラ支持体30,40は、支持台35,45の上面に直接載せられていてもよく、高さ調節部材37(
図7参照)を介して支持台35,45の上面に載せられていてもよい。
【0034】
図7は、高さ調節部材37を示す模式図である。
図7は、支持台35とローラ支持体30の間に介在する高さ調節部材37が模式的に示されている。
図7に示されている実施形態では、ローラ支持体30は、高さ調節部材37を介して支持台35の上面に載せられている。高さ調節部材37は、ローラ支持体30と、支持台35の間に介在することによって、搬送ローラ20の高さを調節する部材である。高さ調節部材37は、複数の搬送ローラ20のうち一部の搬送ローラ20と支持台35の間に設けられていてもよい。
【0035】
高さ調節部材37は、例えば、板状の部材でありうる。高さ調節部材37は、搬送方向に沿って延びる板状の部材であってもよい。ローラ支持体30と支持台35の間に配置される高さ調節部材37の枚数や厚みを調整することによって、ローラ支持体30の高さが調整される。高さ調節部材37の形状は、特に限定されない。高さ調節部材は、ローラ支持体30または支持台35と略同一の幅を有していてもよい。このとき、高さ調節部材37には、支持台35の凸部35b1に対応する孔37aと、孔35b2および取付部材35b3に対応する孔37bとが形成されていてもよい。孔37a,37bの形状は、それぞれ凸部35b1および取付部材35b3が挿通可能である限り、特に限定されない。なお、高さ調節部材37は、かかる形態に限定されない。支持台35の凸部35b1および取付部材35b3と干渉しない位置に配置された複数の高さ調節部材によって、ローラ支持体30の高さが調節されてもよい。また、支持台45とローラ支持体40の間には、上述した高さ調節部材37が配置されることによって、ローラ支持体40の高さが調整されてもよい。
【0036】
〈複数のローラ支持体30,40〉
複数のローラ支持体30,40は、
図3に示されているように、複数の搬送ローラ20のうち一つの搬送ローラ20の一端をそれぞれ支持している。搬送方向に沿って隣り合う複数の搬送ローラ20の両端は、ローラ支持体30,40にそれぞれ支持されている。ローラ支持体30は、側壁50の貫通孔50aから突き出る搬送ローラ20の端部21を支持している。ローラ支持体40は、側壁60の貫通孔60aから突き出る搬送ローラ20の端部22を支持している。
【0037】
複数のローラ支持体30,40は、炉体10の外部において、複数の搬送ローラ20が並べられている方向(搬送方向)に沿って間欠的に並べられている。換言すると、炉体10の幅方向の両側において、複数の搬送ローラ20を支持するローラ支持体30,40は、搬送方向に沿って間隙を空けて配置されている。複数のローラ支持体30,40は、支持台35,45に取り付けられている。
【0038】
〈ローラ支持体30〉
図4に示されているように、複数のローラ支持体30は、筐体31と、軸受32と、シャフト33とをそれぞれ備えている。複数の搬送ローラ20の一端(端部21)は、ローラ支持体30のシャフト33の一端が挿入された状態で支持されている。
【0039】
〈筐体31〉
筐体31は、軸受32を介してシャフト33を支持する部材である。筐体31は、金属製であり、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、炭素鋼等から形成されうる。この実施形態では、筐体31は、四角柱形状である。筐体31は、炉体10の幅方向に沿った長さが他の方向の長さよりも長くなるように支持台35に配置されている。換言すると、筐体31は、面積の最も狭い面を炉体10に向けた状態で支持台35に配置されている。筐体31の形態は、特に限定されず、四角柱以外の角柱形状のものであってもよく、曲面を含んだ形状であってもよい。筐体31は、複数の板から構成される箱状のものであってもよく、コの字型、L字型であってもよい。加工容易性と強度の観点から、筐体は、角柱形状であることが好ましい。
【0040】
筐体31は、支持台35に載せられる。この実施形態では、ローラ支持体30の筐体31は、支持部35bの上面の凸部35b1に対応した部位を有している。筐体31の下面には、支持台35の凸部35b1が入る凹部31bが形成されている。
図6に示されているように、凹部31bは、搬送方向に沿って延びた溝である。筐体31の凹部31bの寸法は、支持台35の凸部35b1の寸法と対応した寸法である。支持台35の幅方向(炉体10の幅方向)において、筐体31の凹部31bは、支持台35の凸部35b1が嵌まる寸法に設定されている。この実施形態では、支持台35の幅方向において、筐体31の凹部31bは、支持台35の凸部35b1よりもわずかに大きい寸法に設定されている。筐体31に凹部31bが設けられていることによって、支持台35の凸部35b1に筐体31の凹部31bが嵌まった時に、ローラ支持体30が支持台35に対して幅方向にずれることが抑制される。なお、筐体31と支持台35には、必ずしも互いに対応する凹部31bおよび凸部35b1が設けられていなくてもよい。筐体に凸部が設けられ、支持板に当該凸部と対応する凹部が設けられていてもよい。
【0041】
ローラ支持体30の筐体31には、取付部材35b3が取り付けられる取付穴31aが形成されている。ローラ支持体30は、筐体31の凹部31bが支持台35の凸部35b1に嵌まった状態で取付部材35b3によって支持台35に取り付けられる。ローラ支持体30は、孔35b2に挿通された取付部材35b3によって支持台35に着脱可能に取り付けられている。取付部材35b3としては、例えば、ボルト等が用いられうる。取付部材35b3が取り付けられる孔35b2は、搬送方向に沿った長穴である。このため、ローラ支持体30を搬送方向に沿って移動させる場合にも、ローラ支持体30の取付穴31aに取り付けられた取付部材35b3は、孔35b2に沿って移動する。取付部材35b3が緩められるか外された状態でローラ支持体30を搬送方向に沿って移動させた後に、取付部材35b3によってローラ支持体30を固定することができる。これによって、ローラ支持体30の位置調整が可能である。ローラ支持体30の位置調整は、連続加熱炉1の施工時、運用後のメンテナンス時、運転中等、所望のタイミングで実施されうる。
【0042】
図4に示されているように、筐体31には、シャフト33が挿通される貫通孔31cが形成されている。貫通孔31cは、筐体31の中央部を略円柱状に開口した孔である。貫通孔31cは、筐体31の長さ方向(炉体10の幅方向)に沿って筐体31の中央部を貫通している。また、筐体31の長さ方向の両端部には、一対の窪み31dが形成されている。窪み31dは、貫通孔31cよりもさらに内径が広がった部位である。窪み31dは、略円盤状に形成されている。窪み31dには、軸受32が取り付けられている。
【0043】
〈軸受32〉
軸受32は、シャフト33を回転可能に支持する部材である。軸受32は、筐体31に取り付けられている。軸受32は、筐体31に刑された一対の窪み31dそれぞれに嵌まっている。筐体31の両端において、軸受32は、窪み31dから一部がはみ出ている。軸受32の、窪み31dからはみ出た部位には、溝が設けられている。軸受32が筐体31の窪み31dに嵌まった状態で当該溝に保持部材32aが取り付けられることによって、軸受32は、筐体31に取り付けられている。特に限定されないが、保持部材32aは、環状、ピン状等の留め金具でありうる。軸受32および筐体31の貫通孔31cには、シャフト33が挿通されている。筐体31の内周面とシャフト33の間には、スペーサが設けられていてもよい。
【0044】
〈シャフト33〉
シャフト33は、軸受32に回転可能に支持されている。シャフト33の少なくとも一端は、筐体31からはみ出ている。この実施形態では、シャフト33は、筐体31の貫通孔31cに挿通されている。筐体31は、シャフト33の周囲を囲っている。これによって、シャフト33と筐体31の間に塵、埃等が入りにくく、異物混入に伴うシャフト33の回転の不具合が発生しにくい。シャフト33の両端は、筐体31からはみ出ている。シャフト33は、基端部33aと、ばね座部33bと、挿通部33cと、支持部33dとを備えている。基端部33aは、軸受32に取り付けられる部位である。基端部33aの外径は、軸受32の内径と略同一である。基端部33aの長さは、筐体31の長さよりも長い。このため、基端部33aの一端は、筐体31から外側に向かってはみ出ている。当該筐体31からはみ出ている基端部33aの一端には、スプロケット34が取り付けられている。基端部33aの他端には、ばね座部33bが繋がっている。
【0045】
ばね座部33bは、シャフト33のうち、筐体31からはみ出た部位に設けられている。ばね座部33bは、筐体31よりも内側(炉体10の側壁50側)に配置される。ばね座部33bは、基端部33aよりも外径が大きい略円盤状の部位である。ばね座部33bは、コイルばね25の一端が当接する部位である。ばね座部33bからは、挿通部33cが延びている。
【0046】
挿通部33cは、コイルばね25に挿通される部位である。挿通部33cは、ばね座部33bから炉体10の側壁50側に向かって延びている。挿通部33cの外径は、ばね座部33bの外径よりも小さい。挿通部33cの外径は、挿通されるコイルばね25の内径よりも小さい。この実施形態では、基端側(ばね座部33b側)において、挿通部33cの外径は、コイルばね25の内径と略同一である。これによって、コイルばね25がシャフト33に固定されやすくなり、コイルばね25の位置がずれにくくなる。挿通部33cには、先端側に向かって細くなるように段差が形成されている。挿通部33cの先端部には、支持部33dが設けられている。
【0047】
支持部33dは、搬送ローラ20を支持する部位である。支持部33dは、中空の搬送ローラ20に挿通される。また、挿通部33cの先端部の一部も搬送ローラ20に挿通されうる。搬送ローラ20に挿通された支持部33dは、搬送ローラ20を内側から支持する。支持部33dの外径は、搬送ローラ20の内径よりもわずかに小さい。これによって、連続加熱炉1の運転に伴って搬送ローラ20およびシャフト33が熱膨張した場合にも、これらの部材に大きな負荷がかかりにくくなる。
【0048】
搬送ローラ20は、コイルばね25を介してシャフト33に支持されている。コイルばね25は、搬送ローラ20と、シャフト33のばね座部33bとの間に配置される。ここでは、搬送ローラ20と、シャフト33のばね座部33bとの間隙よりも長い自然長のコイルばね25が用いられる。このため、コイルばね25の両端は、搬送ローラ20の端部21と、シャフト33のばね座部33bとにそれぞれ当接する。搬送ローラ20とばね座部33bそれぞれの端部21には、圧縮されたコイルばね25の弾性力が作用する。これによって、シャフト33の回転に伴い搬送ローラ20が回転する。
【0049】
上述したように、シャフト33の、筐体31を挟んで搬送ローラ20とは反対側の端部(基端部33aの端部)には、スプロケット34が取り付けられている。スプロケット34には、ローラチェーン34aが掛け回されている。詳細な図示は所略するが、ローラチェーン34aは、環状に形成されている。
図3に示されているように、ローラチェーン34aは、複数のローラ支持体30のシャフト33それぞれに取り付けられたスプロケット34に掛け廻されている。複数のスプロケット34の下方には、図示しないチェーンガイドが設けられている。ローラチェーン34aは、スプロケット34以外にも、ローラチェーン34aのループパスを設定するスプロケット34b等に掛け廻されていてもよい。ローラチェーン34aには、所要のテンションが掛けられた状態で図示しない駆動装置に接続されている。駆動装置としては、例えば、モータ等が用いられうる。駆動装置は、減速機、クラッチ、カップリング等を介してローラチェーン34aに接続されていてもよい。駆動装置の動力によってローラチェーン34aが回転する。ローラチェーン34aと連動して複数のローラ支持体30のシャフト33それぞれに取り付けられたスプロケット34が回転し、シャフト33が回転する。シャフト33のばね座部33bと搬送ローラ20の端部21には、圧縮されたコイルばね25の弾性力が作用する。このため、シャフト33の回転は、コイルばね25を介して搬送ローラ20それぞれに伝えられ、搬送ローラ20は、シャフトと連動して回転する。これによって複数の搬送ローラ20は、略同一のタイミングおよび速度で回転する。このように、複数の搬送ローラ20は、側壁50側の端部21側から駆動される。
【0050】
複数の搬送ローラ20の、側壁60側の端部22は、ローラ支持体40に支持されている。複数の搬送ローラ20の端部22は、側壁50側の端部21の回転に従動するようにローラ支持体40に支持されている。
【0051】
〈ローラ支持体40〉
図5に示されているように、ローラ支持体40は、ローラ支持体30と同様に、筐体41と、軸受42と、シャフト43とをそれぞれ備えている。複数の搬送ローラ20の一端(端部22)は、ローラ支持体40のシャフト43の一端が挿入された状態で支持されている。ローラ支持体40は、ローラ支持体30と同様の構成とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0052】
筐体41には、取付部材45b3が取り付けられる取付穴41aが形成されている。筐体41には、貫通孔41cが形成されている。筐体41の長さ方向の両端部には、一対の窪み41dが形成されている。窪み41dには、軸受42が取り付けられている。軸受42は、保持部材42aによって、筐体41に取り付けられている。シャフト43は、軸受42に回転可能に支持されている。この実施形態では、シャフト43の両端は、筐体41からはみ出ている。シャフト43は、基端部43aと、ばね座部43bと、挿通部43cと、支持部43dとを備えている。ばね座部43bと搬送ローラ20の端部22との間には、圧縮されたコイルばね25が配置されている。これによって、シャフト43と搬送ローラ20は、連動して回転するように構成されている。
【0053】
ローラ支持体40のシャフト43には、ローラ支持体30のシャフト33に取り付けられていたような、駆動装置の動力を伝えるスプロケット34は取り付けられていない(
図4および
図5参照)。このため、シャフト43は、シャフト33と搬送ローラ20の回転に従動して回転する。このように、被処理物Aは、搬送ローラ20の回転によって搬送方向に沿って搬送される。
図1に示されているように、連続加熱炉1には、複数の処理室(
図1に示されている実施形態では、処理室R1,R2)が設けられている。被処理物Aは、処理室R1で処理された後、処理室R2で処理される。
【0054】
〈処理室R1,R2〉
処理室R1,R2は、搬送方向に沿って隣り合っている。処理室R1,R2は、互いに異なる雰囲気に設定されうる。このため、処理室R1と、処理室R2とでは、異なる条件で被処理物Aが処理されうる。処理室R1,R2内の空間10iは、互いに異なる雰囲気温度に設定されうる。処理室R1,R2内の空間10iは、互いに異なる雰囲気ガスが導入されるように設定されうる。処理室R1と処理室R2の間には、隔壁部90が設けられている。処理室R1と処理室R2の雰囲気は、隔壁部90によって仕切ることができるように構成されている。隔壁部90は、シャッタ91,92と、ケース93と、シャッタ開閉装置95とを備えている。シャッタ91,92が設けられた位置には、隣り合う二つの搬送ローラ20aが設けられている。ここでは、隣り合う二つの搬送ローラ20aは、上下方向においてシャッタ91,92と重なる位置に設けられている。搬送ローラ20aは、ローラ支持体30,40に支持されている。搬送ローラ20aは、それぞれ個別に位置調整可能に構成されている。
【0055】
隔壁部90によって仕切られた複数の処理室R1,R2が設けられていることによって、搬送方向に沿って段階的に温度を変えることができる。例えば、炉体10内の空間10iの雰囲気温度を目的の処理温度に向かって徐々に昇温させたり、当該処理温度から徐々に降温させたりすることができる。また、隔壁部90によって仕切られた処理室R1,R2ごとに異なる雰囲気ガスが導入されるように、それぞれの処理室R1,R2には、ガス導入管18と、ガス排気管19とが設けられていてもよい。ガス導入管18は、処理室R1,R2に対して予め定められた雰囲気ガスが導入する管路である。ガス導入管18には、各処理室R1,R2に異なる雰囲気ガスが導入されるように図示しないガスボンベ等が接続されていてもよい。雰囲気ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、空気、水素、酸素、二酸化炭素、およびこれらの混合ガス等が用いられうる。雰囲気ガスとしては、塩素、塩化水素、アンモニア等が用いられてもよい。ガス排気管19は、処理室R1,R2内の雰囲気ガスを排気する管路である。ガス排気管19には、図示しない排気ポンプ等の排気設備が接続されていてもよい。排気設備には、溶剤を回収する溶剤回収装置、溶剤を燃焼させる燃焼装置等が接続されていてもよい。なお、連続加熱炉1は、
図1に示されている二つの処理室R1,R2が設けられている形態に限定されず、隔壁部に仕切られた三つ以上の処理室が設けられていてもよい。
【0056】
処理室R1,R2には、それぞれ当該処理室内の雰囲気ガスを検知するガスセンサが設けられていてもよい。処理室R1,R2内の雰囲気ガスが予め定められた雰囲気ガスの組成と異なる場合等には、当該事象を予め定められた通知先に通知されてもよい。また、上述した温度センサが検知する温度が適切ではない場合にも、予め定められた通知先に通知されてもよい。通知の方法は、特に限定されず、炉体10の外部に設けられた通知ランプによって通知されてもよく、警告音によって通知されてもよく、連続加熱炉1の運転状況を示すディスプレイに表示することによって通知されてもよく、連続加熱炉1の管理等に用いる端末に通知されてもよい。このように、被処理物Aを処理する雰囲気に異常が生じたことがセンサ(ガスセンサ、温度センサ、圧力センサ等)によって検知され、通知されることによって、作業者は、異常の発生を認識してもよい。
【0057】
〈シャッタ91,92〉
シャッタ91,92は、搬送方向において処理室R1,R2の空間10iを仕切っている。シャッタ91,92は、板状の断熱材から構成されうる。シャッタ91,92は、処理室R1,R2の間に設けられた隔壁部90を構成している。シャッタ91,92は、略矩形の板状の部材である。シャッタ91,92は、面積の広い幅広面を搬送方向に向けるように配置されている。炉体10の幅方向において、シャッタ91とシャッタ92の寸法は略同一である(
図2参照)。シャッタ91とシャッタ92の厚みは、略同一である。この実施形態では、シャッタ91,92の厚みは、隣り合う搬送ローラ20aの間隙よりも大きい。なお、シャッタ91,92の寸法は、特に限定されない。
【0058】
シャッタ91,92は、搬送方向において同じ位置に設けられている。シャッタ91の下端とシャッタ92の上端は、上下方向において対向している。この実施形態では、シャッタ92は、炉体10の下部に固定されている。シャッタ92は、底壁70から上方に向かって延びている。シャッタ92の上端は、隣り合う搬送ローラ20aの間に達している。シャッタ92の上端は、搬送ローラ20aの下端よりも高い位置に達している。これによって、搬送ローラ20aの下方から処理室R1,R2の間で雰囲気が干渉しにくく、処理室R1,R2の雰囲気を保ちやすい。
【0059】
図8は、シャッタ91,92を示す模式図である。
図8では、開かれた状態のシャッタ91,92は、実線で示されており、閉じられた状態のシャッタ91,92は、二点鎖線で示されている。
図8に示されているように、シャッタ92の上部は、隣り合う搬送ローラ20aの間に挿通されている部位92aを有している(以下、「挿通部92a」とも称する。)。シャッタ92の挿通部92aは、それぞれ搬送ローラ20aに沿って窪んでいる。このように、シャッタ92と搬送ローラ20aの間の隙間が小さくなるように、シャッタ92の形状が設計されていることによって、処理室R1,R2の間において雰囲気が干渉しにくくなる。
【0060】
シャッタ91,92が開かれた状態では、シャッタ91と搬送ローラ20aの間には、少なくとも被処理物Aを搬送可能な間隔が空けられる。この実施形態では、シャッタ91,92が閉じられた際、シャッタ91の下端は、隣り合う搬送ローラ20a間に達している。シャッタ91の下部には、シャッタ91,92が閉じられた際に、複数の搬送ローラ20のうち、隣り合う搬送ローラ20aの間に挿通される部位91a(以下、「挿通部91a」とも称する。)が設けられている。
【0061】
この実施形態では、シャッタ91の挿通部91aは、シャッタ92の上部と同様、隣り合う二つの搬送ローラ20aに沿った形状である。シャッタ91の上部の前部および後部は、それぞれ搬送ローラ20aに沿って窪んでいる。シャッタ91の下部に設けられた挿通部91aがこのような形状であることによって、シャッタ91,92が閉じられた際に、シャッタ91と搬送ローラ20aの間の隙間が小さくなる。これによって、処理室R1,R2の間で雰囲気がより干渉しにくくなる。
【0062】
シャッタ91は、シャッタ開閉装置95によって上下方向に駆動される。シャッタ91が下方に駆動されることによって、シャッタ91,92は閉じられる。シャッタ91が上方に駆動されることによって、シャッタ91,92は開かれる。
【0063】
図2に示されているように、この実施形態では、シャッタ開閉装置95は、一対の支持棒95aと、シリンダ95bとを備えている。支持棒95aは、高さ方向に沿って延びる円柱状の軸部材である。一対の支持棒95aは、それぞれ炉体10内の空間10iにおいて、シャッタ91の左右の端部を支持している。支持棒95aは、底壁70に設けられた貫通孔に挿通され、炉体10よりも下方に延びている。一対の支持棒95aの下部は、炉体10の外部において連結バー95cによって連結されている。連結バー95cの両端部は、底壁70の外側面から下方に延びたガイド95dに対してリニアブッシュ95eを介して取り付けられている。連結バー95cは、シリンダ95bに接続されている。
【0064】
シリンダ95bは、ピストンロッドを介して連結バー95cを昇降させる装置である。シリンダ95bは、底壁70の外側面に取り付けられている。シリンダ95bは、炉体10の幅方向において略中央部に設けられている。シリンダ95bのピストンロッドの先端には、連結バー95cが連結されている。シリンダ95bのピストンロッドが引き上げられることによって、連結バー95cが上がり、シャッタ91が上昇する。シリンダ95bのピストンロッドが押し下げられることによって、連結バー95cが下がり、シャッタ91が下降する。シャッタ91,92が開かれた際の間隔、および、シャッタ91,92が閉じられる際の間隔は、シャッタ開閉装置95が操作されることによって適宜設定されてもよい。なお、この実施形態では、シャッタ開閉装置95にはシリンダ95bが用いられていたが、かかる形態に限定されない。例えば、シャッタ開閉装置95として、モータの回転によってシャッタ91を上下に昇降させる装置が用いられてもよい。
【0065】
シャッタ91,92の開閉は、被処理物Aの処理条件等に応じて適宜設定される。シャッタ91,92の開閉は、例えば、以下のように、搬送ローラ20による被処理物Aの搬送と連動していてもよい。搬送ローラ20の回転によって被処理物Aが搬送される際、シャッタ91,92が開かれる。被処理物Aが処理室R1に搬送されると、搬送ローラ20の回転が止められる。搬送ローラ20の回転が止められると、シャッタ91,92が閉じられる。処理室R1,R2が予め定められた雰囲気になり、被処理物Aが処理室R1内で予め定められた処理条件で処理される。処理室R1での処理が終わると、シャッタ91,92が開かれ、搬送ローラ20が回転する。被処理物Aは、処理室R2に搬送される。被処理物Aが処理室R2に搬送されると、搬送ローラ20の回転が止められる。搬送ローラ20の回転が止められると、シャッタ91,92が閉じられる。処理室R1,R2が予め定められた雰囲気になり、被処理物Aが処理室R2内で予め定められた処理条件で処理される。被処理物Aが順次搬送され、処理されるように、上述のシャッタ91,92の開閉と、搬送ローラ20の回転および停止が繰り返されうる。
【0066】
この実施形態では、シャッタ91,92は、前後方向および左右方向をケース93によって囲われている(
図1および
図2参照)。ケース93は、板状の断熱材によって構成されている。ケース93は、略角柱状であり、底壁70から上方に向かって延びている。ケース93の高さは、底壁70から天井壁80までを覆うことができる高さに設定されている。これによって、シャッタ91が下方に駆動された際にも、シャッタ91と天井壁80の間に隙間ができず、雰囲気の干渉が起こりにくい。ケース93の内部には、シャッタ91,92が収容される空間が設けられている。ケース93の内側の寸法および形状は、シャッタ91,92の寸法および寸法に応じて定められていてもよい。ケース93の内壁面には、シャッタ91,92を上下方向に案内するガイドが設けられていてもよい。ケース93には、搬送ローラ20aが挿通される貫通孔が設けられている。当該貫通孔は、炉体10の幅方向に沿ってケース93の側面を貫通している。ケース93には、搬送方向に沿って被処理物Aを通過させる貫通孔93aが設けられている(
図8参照)。貫通孔93aは、略矩形状である。貫通孔93aは、ケース93の前面および後面を貫通している。なお、ケース93の構成は、上述した形態に限定されない。また、ケース93は、必ずしも設けられている必要はない。
【0067】
ところで、本発明者の知見では、連続加熱炉の運転中、炉内の温度が上昇すると、搬送ローラの温度が上昇し、搬送ローラが膨張する。また、搬送物の重みによって搬送ローラに負荷がかかりうる。このため、連続加熱炉の運転中、搬送ローラは、寸法が変化したり変形したりする懸念がある。シャッタが設けられている連続加熱炉において搬送ローラに変形等が生じた場合、シャッタが閉じられた際にシャッタが搬送ローラに当たってしまう可能性がある。このような場合、シャッタが適切に閉じられない可能性がある。シャッタが適切に閉じられない場合には、例えば、シャッタが仕切る処理室間で雰囲気が干渉する可能性がある。処理室間で雰囲気が干渉すると、雰囲気が保たれず、被処理物が処理される条件が変わるおそれがある。
【0068】
上述した実施形態では、連続加熱炉1は、予め定められた搬送方向に沿った空間10iを囲うトンネル状の炉体10と、トンネル状の炉体10をそれぞれ横断し、搬送方向に沿って並べられた複数の搬送ローラ20と、搬送方向において空間10iを仕切るシャッタ91,92と、シャッタ開閉装置95とを備えている。シャッタ91,92が設けられた位置に配置された搬送ローラ20aは、個別に位置調整可能に構成されている。このため、搬送ローラ20aとシャッタ91,92が干渉している場合には、搬送ローラ20aの位置、角度等を調整することによって、シャッタ91,92が適切に閉じられるように調整することができる。このようなローラ支持体30,40の位置調整は、連続加熱炉1の運転中にも可能である。
【0069】
上述した実施形態では、シャッタ91,92が設けられた位置に配置された搬送ローラ20の端部21,22は、位置調整可能に構成されたローラ支持体30,40に支持されている。炉体10の外部のローラ支持体30,40の位置を調整することによって搬送ローラ20を位置調整することができる。このため、連続加熱炉1の運転中であっても搬送ローラ20の位置調整が可能であり、シャッタ91,92と搬送ローラ20aの干渉を解消しやすい。
【0070】
ところで、本発明者の知見では、搬送ローラの誤検知は、連続加熱炉の長期使用によって搬送ローラが劣化した場合にも起こりうる。連続加熱炉の運転および停止による温度変化に伴って、搬送ローラの温度は、昇降する。搬送ローラは、温度の昇降に伴って膨張および収縮を繰り返す。連続加熱炉の長期使用によっても、搬送ローラの寸法が変化したり、変形したりする場合がある。このため、搬送ローラは、連続加熱炉のメンテナンス時等、定期的に点検、交換等される必要がある。また、搬送ローラだけではなく、連続加熱炉の炉体、シャッタ等の各設備も長期使用によって寸法が変化したり、変形したりしうる。このような場合、劣化した搬送ローラを交換したとしても、炉体、シャッタの変形等によって、搬送ローラと炉体、シャッタ等が干渉しうる。上述した実施形態では、搬送ローラ20がローラ支持体30,40によって個別に支持されていることによって、搬送ローラ20の位置を個別に調整しやすい。このため、炉体10、シャッタ91,92と搬送ローラ20の干渉を解消しやすい。
【0071】
上述した実施形態では、連続加熱炉1は、一対の支持台35,45を備えている。一対の支持台35,45は、それぞれ搬送方向に沿って延びており、かつ、炉体10の幅方向において炉体10の外部に設けられている(
図3,6参照)。複数のローラ支持体30,40は、一対の支持台35,45にそれぞれ取り付けられている(
図4,5参照)。ローラ支持体30,40と支持台35,45には、支持台35,45に対してローラ支持体30,40を搬送方向に沿って位置調整可能な取付構造が設けられている。かかる構成によって、炉体10の外部で搬送ローラ20の位置調整できるため、位置調整の作業性が向上しうる。
【0072】
上述した実施形態では、支持台35,45は、ローラ支持体30,40が取り付けられる部位に凸部35b1,45b1を有している。ローラ支持体30,40の筐体31,41には、凸部35b1,45b1が入る凹部31b,41bが形成されている。支持台35,45の凸部35b1,45b1がローラ支持体30,40の凹部31b,41bに入ることによって、ローラ支持体30,40の位置調整時に、ローラ支持体30,40が幅方向にずれにくい。このため、ローラ支持体30,40の位置調整時の作業性が良好でありうる。
【0073】
上述した実施形態では、凹部31b,41bは、搬送方向に沿って延びた溝である。これによって、溝状の凹部31b,41bに凸部35b1,45b1が入った状態でローラ支持体30,40を搬送方向に沿ってスライドさせることができる。凸部35b1,45b1が溝状の凹部31b,41bにガイドされることによって、幅方向における位置がずれにくく、ローラ支持体30,40を搬送方向に沿って位置調整しやすい。
【0074】
ローラ支持体30,40は、高さ調節部材37を介して支持台35,45の上面に載せられた状態で支持台35,45に取り付けられていてもよい。高さ調節部材37を用いることによって、搬送方向に沿った位置や角度だけではなく、搬送ローラ20の高さが調整される。これによって、搬送ローラ20の位置、角度等の調整の自由度が向上しうる。
【0075】
上述した実施形態では、シャッタ92は、炉体10に対して固定されており、開閉時には、シャッタ91がシャッタ開閉装置95によって開閉されている。しかしながら、開閉時、上下方向においてシャッタ91,92の間隔が変わる限りにおいて、シャッタ91,92の駆動のパターンは、上述した形態に限定されない。例えば、シャッタ開閉装置95は、シャッタ91,92の両方を駆動できるように構成されていてもよい。シャッタ91,92が開かれている時は、シャッタ91が搬送ローラ20の上方、シャッタ92が搬送ローラ20の下方に保持されていてもよい。シャッタ91,92が閉じられる際に、シャッタ91が下降し、シャッタ92が上昇するように構成されていてもよい。
【0076】
シャッタは、搬送ローラの上方(炉体の上部)のみに設けられていてもよい。特に限定されないが、搬送ローラと、炉体の底壁の間の空間が狭い場合には、上方にのみシャッタが設けられうる。また、シャッタの下方には、処理室間の雰囲気を仕切る仕切り、段差等が設けられていてもよい。
【0077】
シャッタの寸法は、特に限定されない。シャッタの厚みは、隣り合う搬送ローラの間隙よりも薄くてもよい。シャッタが閉じられる際には、シャッタは、隣り合う搬送ローラの間を通ってもよい。このような場合にも、隣り合う搬送ローラと、当該隣り合う搬送ローラの間を通るシャッタとの干渉が低減されうる。
【0078】
シャッタは、搬送ローラの下方(炉体の上部)のみに設けられていてもよい。特に限定されないが、隣り合う搬送ローラの間隙よりも薄いシャッタが搬送ローラの下方に設けられており、シャッタが閉じる際には、隣り合う搬送ローラの間からシャッタが上昇し、処理室間の雰囲気を仕切るように構成されていてもよい。
【0079】
シャッタ91,92の形状は、上述した挿通部91a,92aを有する形状に限定されない。シャッタが、隣り合う搬送ローラの間に挿通されない場合には、シャッタの上端、シャッタの下端は、略平坦な形状であってもよい。また、シャッタは、搬送ローラを収容できる窪みを有していてもよい。例えば、シャッタは、上下方向において搬送ローラを覆う位置に設けられており、シャッタが駆動されることによって、シャッタの窪みに搬送ローラが収められてもよい。
【0080】
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。このように、請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0081】
なお、本明細書は以下の項1~10を含んでいる。以下の項1~10は、上記した実施形態には限定されない。
【0082】
予め定められた搬送方向に沿った空間を囲うトンネル状の炉体と、
前記トンネル状の炉体をそれぞれ横断し、前記搬送方向に沿って並べられた複数の搬送ローラと、
前記搬送方向において前記空間を仕切るシャッタと、
シャッタ開閉装置と
を備え、
前記シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラは、個別に位置調整可能に構成されている、
連続加熱炉。
【0083】
項2:
前記シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラの端部は、位置調整可能に構成された複数のローラ支持体に支持されている、項1に記載された連続加熱炉。
【0084】
項3:
一対の支持台をさらに備え、
前記一対の支持台は、それぞれ前記搬送方向に沿って延びており、かつ、前記炉体の幅方向において前記炉体の外部に設けられており、
前記複数のローラ支持体は、前記一対の支持台のうちいずれか一方にそれぞれ取り付けられており、
前記ローラ支持体と前記支持台には、前記支持台に対して前記ローラ支持体を前記搬送方向に沿って位置調整可能な取付構造が設けられている、項2に記載された連続加熱炉。
【0085】
項4:
前記複数の搬送ローラは、それぞれ中空の軸部材であり、
前記複数のローラ支持体は、
筐体と
前記筐体に取り付けられた軸受と、
前記軸受に回転可能に支持され、かつ、少なくとも一端が前記筐体からはみ出たシャフトと
をそれぞれ備えており、
前記複数の搬送ローラのうち少なくとも一つの搬送ローラの両端は、前記ローラ支持体の前記シャフトの一端が挿入された状態でそれぞれ支持されている、項3に記載された連続加熱炉。
【0086】
項5:
前記支持台は、前記ローラ支持体が取り付けられる部位に凸部を有し、
前記ローラ支持体の前記筐体には、前記凸部が入る凹部が形成されている、項4に記載された連続加熱炉。
【0087】
項6:
前記凹部は、前記搬送方向に沿って延びた溝である、項5に記載された連続加熱炉。
【0088】
項7:
前記ローラ支持体は、前記支持台の上面に載せられた状態で前記支持台に取り付けられる、項3~6のいずれか一項に記載された連続加熱炉。
【0089】
項8:
前記ローラ支持体は、高さ調節部材を介して前記支持台の前記上面に載せられた状態で前記支持台に取り付けられる、項7に記載された連続加熱炉。
【0090】
項9:
前記高さ調節部材は、板状である、項8に記載された連続加熱炉。
【0091】
項10:
前記支持台には、前記搬送方向に沿った孔が形成されており、
前記ローラ支持体の前記筐体には、取付穴が形成されており、
前記ローラ支持体は、前記孔に挿通された取付部材と、前記取付穴とによって前記支持台に取り付けられている、項4~9のいずれか一項に記載された連続加熱炉。
【符号の説明】
【0092】
A 被処理物
R1,R2 処理室
1 連続加熱炉
10 炉体
10i 空間
12 ヒータ
18 ガス導入管
19 ガス排気管
20,20a 搬送ローラ
21,22 端部
25 コイルばね
30,40 ローラ支持体
31,41 筐体
31a,41a 取付穴
31b,41b 凹部
31c,41c 貫通孔
31d,41d 窪み
32,42 軸受
33,43 シャフト
33a,43a 基端部
33b,43b 座部
33c,43c 挿通部
33d,43d 支持部
34 スプロケット
34a ローラチェーン
35,45 支持台
35a,45a 脚部
35b,45b 支持部
35b1,45b1 凸部
35b2,45b2 孔
35b3,45b3 取付部材
36,46 支柱
37 高さ調節部材
50,60 側壁
50a,60a 貫通孔
90 隔壁部
91,92 シャッタ
91a,92a 挿通部
93 ケース
95 シャッタ開閉装置
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた搬送方向に沿った空間を囲うトンネル状の炉体と、
前記トンネル状の炉体をそれぞれ横断し、前記搬送方向に沿って並べられた複数の搬送
ローラと、
前記搬送方向において前記空間を仕切るシャッタと、
シャッタ開閉装置と
を備え、
前記シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラは、個別に位
置調整可能に構成されており、
前記シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラの端部は、前記搬送方向に沿って位置調整可能に構成された複数のローラ支持体に支持されている、
連続加熱炉。
【請求項2】
予め定められた搬送方向に沿った空間を囲うトンネル状の炉体と、
前記トンネル状の炉体をそれぞれ横断し、前記搬送方向に沿って並べられた複数の搬送ローラと、
一対の支持台と、
前記搬送方向において前記空間を仕切るシャッタと、
シャッタ開閉装置と
を備え、
前記シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラは、個別に位置調整可能に構成されており、
前記シャッタが設けられた位置に配置された少なくとも一つの搬送ローラの端部は、位置調整可能に構成された複数のローラ支持体に支持されており、
前記一対の支持台は、それぞれ前記搬送方向に沿って延びており、かつ、前記炉体の幅方向において前記炉体の外部に設けられており、
前記複数のローラ支持体は、前記一対の支持台のうちいずれか一方にそれぞれ取り付けられており、
前記ローラ支持体と前記支持台には、前記支持台に対して前記ローラ支持体を前記搬送方向に沿って位置調整可能な取付構造が設けられている、
連続加熱炉。
【請求項3】
一対の支持台をさらに備え、
前記一対の支持台は、それぞれ前記搬送方向に沿って延びており、かつ、前記炉体の幅方向において前記炉体の外部に設けられており、
前記複数のローラ支持体は、前記一対の支持台のうちいずれか一方にそれぞれ取り付けられており、
前記ローラ支持体と前記支持台には、前記支持台に対して前記ローラ支持体を前記搬送方向に沿って位置調整可能な取付構造が設けられている、請求項1に記載された連続加熱炉。
【請求項4】
前記複数の搬送ローラは、それぞれ中空の軸部材であり、
前記複数のローラ支持体は、
筐体と
前記筐体に取り付けられた軸受と、
前記軸受に回転可能に支持され、かつ、少なくとも一端が前記筐体からはみ出たシャフトと
をそれぞれ備えており、
前記複数の搬送ローラのうち少なくとも一つの搬送ローラの両端は、前記ローラ支持体の前記シャフトの一端が挿入された状態でそれぞれ支持されている、請求項2または3に記載された連続加熱炉。
【請求項5】
前記支持台は、前記ローラ支持体が取り付けられる部位に凸部を有し、
前記ローラ支持体の前記筐体には、前記凸部が入る凹部が形成されている、請求項4に記載された連続加熱炉。
【請求項6】
前記凹部は、前記搬送方向に沿って延びた溝である、請求項5に記載された連続加熱炉。
【請求項7】
前記ローラ支持体は、前記支持台の上面に載せられた状態で前記支持台に取り付けられる、請求項2または3に記載された連続加熱炉。
【請求項8】
前記ローラ支持体は、高さ調節部材を介して前記支持台の前記上面に載せられた状態で前記支持台に取り付けられる、請求項7に記載された連続加熱炉。
【請求項9】
前記高さ調節部材は、板状である、請求項8に記載された連続加熱炉。
【請求項10】
前記支持台には、前記搬送方向に沿った孔が形成されており、
前記ローラ支持体の前記筐体には、取付穴が形成されており、
前記ローラ支持体は、前記孔に挿通された取付部材と、前記取付穴とによって前記支持台に取り付けられている、請求項4に記載された連続加熱炉。