(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132170
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】包装容器及び展開体
(51)【国際特許分類】
B65D 5/42 20060101AFI20240920BHJP
B65D 5/36 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65D5/42 F
B65D5/36 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042854
(22)【出願日】2023-03-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (公開1)令和4年6月10日、中部テレコミュニケーション株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 正喜
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060DA01
(57)【要約】
【課題】 折畳状態において、側板同士が広がることを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】包装容器では、側壁部は、第1から第4側板を備え、第1及び第2側板は、主壁部と主壁部の上下方向に延びる端縁に連結される端縁部とを備え、第1側板は、主壁部で第3側板に連結され、端縁部で第4側板に連結され、第2側板は、主壁部で第4側板に連結され、端縁部で第3側板に連結され、包装状態では、第1側板と第2側板の端縁部は、底部の対角線上に配置され、折畳状態では、主壁部の中間位置で折り曲げられて、第3側板と第4側板との間に配置され、第1側板の端縁部は、第1側板の主壁部及び第4側板に対して折り曲げられた状態で、第1側板の主壁部と第4側板とを連結し、第2側板の端縁部は、第2側板の主壁部及び第3側板に対して折り曲げられた状態で、第2側板の主壁部と第3側板とを連結していてもよい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳状態と包装状態とに変形可能な包装容器であって、
底部と、前記底部を囲む側壁部と、を備え、
前記側壁部は、
第1側板と、
前記底部を挟んで前記第1側板と対向する第2側板と、
前記第1側板及び前記第2側板の間に配置され、前記第1側板及び前記第2側板のそれぞれに連結されている第3側板と、
前記底部を挟んで前記第3側板と対向する第4側板であって、前記第1側板及び前記第2側板の間に配置され、前記第1側板及び前記第2側板のそれぞれに連結されている前記第4側板と、を備え、
前記第1側板と前記第2側板とのそれぞれは、
平板形状を有する主壁部と、
前記包装状態において前記主壁部の上下方向に延びる両端縁のうちの一方の端縁に連結されており、前記一方の端縁に沿って延びる端縁部と、を備え、
前記第1側板は、前記主壁部において前記第3側板に直接的に連結されており、前記端縁部において前記第4側板に直接的に連結されており、
前記第2側板は、前記主壁部において前記第4側板に直接的に連結されており、前記端縁部において前記第3側板に直接的に連結されており、
前記包装状態では、
前記底部は、四角形状を有し、
前記第1側板の前記端縁部と前記第2側板の前記端縁部とは、前記底部の対角線上に配置されており、
前記折畳状態では、
前記第1側板及び前記第2側板のそれぞれは、前記主壁部の中間位置で折り曲げられて、前記第3側板と前記第4側板との間に配置され、
前記第1側板の前記端縁部は、前記第1側板の前記主壁部及び前記第4側板に対して折り曲げられた状態で、前記第1側板の前記主壁部と前記第4側板とを連結し、
前記第2側板の前記端縁部は、前記第2側板の前記主壁部及び前記第3側板に対して折り曲げられた状態で、前記第2側板の前記主壁部と前記第3側板とを連結している、包装容器。
【請求項2】
前記底部は、
前記第1側板の前記主壁部の下端縁に連結される第1底板と、
前記第2側板の前記主壁部の下端縁に連結される第2底板と、
前記第3側板の下端縁に連結される第3底板と、
前記第4側板の下端縁に連結される第4底板と、を備え、
折畳状態では、
前記第1底板は、前記第1側板の前記主壁部と重なって中間位置に折り曲げられており、
前記第2底板は、前記第2側板の前記主壁部と重なって中間位置に折り曲げられており、
前記第3底板は、前記第3側板と重なっており、
前記第4底板は、前記第4側板と重なっている、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記包装容器は、1枚の平板形状の展開体を折り曲げて組み立てられており、
前記展開体では、前記第1側板の前記端縁部、前記第4側板、前記第2側板の前記主壁部、前記第2側板の前記端縁部、前記第3側板、前記第1側板の前記主壁部の順に並んで連結されており、
前記展開体において、前記第2底板は、前記第2側板と反対側の端縁が前記第2側板の下端縁に対して傾斜しており、その延長線上に、前記第2側板の前記端縁部と前記第3側板との境界が位置する、請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記第1側板の前記主壁部と前記第1底板との境界部分には、前記折畳状態で折り曲げられる前記主壁部の前記中間位置に、開口が配置されている、請求項2又は3に記載の包装容器。
【請求項5】
前記端縁部の幅は、前記平板形状の板厚の4から6倍の長さを有する、請求項3に記載の包装容器。
【請求項6】
1枚の平板で構成されており、請求項1又は2に記載の包装容器を組み立て可能な展開体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、包装状態と折畳状態とに変形可能な包装容器に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、包装状態と折畳状態とに変形可能な段ボール製通い箱が開示されている。段ボール製通い箱は、互いに対向する一対の巾面の中央に配置されている折畳罫を折り曲げることによって、折畳状態に変形される。折畳状態では、一対の巾面のそれぞれに連結されており、四角形の平板形状で配置される一対の長さ面の間に、折畳罫で折り畳まれている巾面が配置される。巾面と長さ面とは、連結部分において互いに重なるように折り曲げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、折畳状態において、巾面と長さ面とが重なるように折り曲げられている。この構成では、巾面と長さ面との間の折曲線付近で、巾面と長さ面とが広がるように変形して、小さく折り畳むことが難しい。
【0005】
本明細書では、折畳状態において、側板同士が広がることを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される第1の態様は、包装容器に関する。包装容器は、折畳状態と包装状態とに変形可能な包装容器であって、底部と、前記底部を囲む側壁部と、を備え、前記側壁部は、第1側板と、前記底部を挟んで前記第1側板と対向する第2側板と、前記第1側板及び前記第2側板の間に配置され、前記第1側板及び前記第2側板のそれぞれに連結されている第3側板と、前記底部を挟んで前記第3側板と対向する第4側板であって、前記第1側板及び前記第2側板の間に配置され、前記第1側板及び前記第2側板のそれぞれに連結されている前記第4側板と、を備え、前記第1側板と前記第2側板とのそれぞれは、平板形状を有する主壁部と、前記包装状態において前記主壁部の上下方向に延びる両端縁のうちの一方の端縁に連結されており、前記一方の端縁に沿って延びる端縁部と、を備え、前記第1側板は、前記主壁部において前記第3側板に直接的に連結されており、前記端縁部において前記第4側板に直接的に連結されており、前記第2側板は、前記主壁部において前記第4側板に直接的に連結されており、前記端縁部において前記第3側板に直接的に連結されており、前記包装状態では、前記底部は、四角形状を有し、前記第1側板の前記端縁部と前記第2側板の前記端縁部とは、前記底部の対角線上に配置されており、前記折畳状態では、前記第1側板及び前記第2側板のそれぞれは、前記主壁部の中間位置で折り曲げられて、前記第3側板と前記第4側板との間に配置され、前記第1側板の前記端縁部は、前記第1側板の前記主壁部及び前記第4側板に対して折り曲げられた状態で、前記第1側板の前記主壁部と前記第4側板とを連結し、前記第2側板の前記端縁部は、前記第2側板の前記主壁部及び前記第3側板に対して折り曲げられた状態で、前記第2側板の前記主壁部と前記第3側板とを連結していてもよい。
【0007】
この構成によると、第1側板の端縁部が第1側板の主壁部及び第4側板に対して折り曲げられた状態で、第1側板の主壁部と第4側板とを連結することによって、第1側板の主壁部と第4側板との間に端縁部が無い場合と比較して、第1側板の主壁部と第4側板とが第1側板の主壁部と第4側板との境界付近(即ち折曲線付近)広がる方向に変形されることを抑制することができる。第2側板と第3側板との関係も同様である。
【0008】
包装容器では、第1側板の主壁部と第3側板とが直接的に連結されており、第2側板の主壁部と第4側板とが直接的に連結されているものの、第1側板の主壁部と第4側板との間、及び、第2側板の主壁部と第3側板との間に端縁部を配置することによって、折畳状態をコンパクトにすることが可能となる。
【0009】
第2の態様は、上記第1の態様において、前記底部は、前記第1側板の前記主壁部の下端縁に連結される第1底板と、前記第2側板の前記主壁部の下端縁に連結される第2底板と、前記第3側板の下端縁に連結される第3底板と、前記第4側板の下端縁に連結される第4底板と、を備え、折畳状態では、前記第1底板は、前記第1側板の前記主壁部と重なって中間位置に折り曲げられており、前記第2底板は、前記第2側板の前記主壁部と重なって中間位置に折り曲げられており、前記第3底板は、前記第3側板と重なっており、前記第4底板は、前記第4側板と重なっていてもよい。
【0010】
この構成によると、折畳状態で第1底板から第4底板のそれぞれを、第1側板から第4側板のそれぞれと重ねて配置することによって、折畳状態をコンパクトにすることができる。この構成では、折畳状態において、第1側板の主壁部と第4側板との間に、第1底板と第4底板とが重ねて配置される。第1側板の端縁部が第1側板の主壁部及び第4側板の間に配置されているため、第1側板の主壁部と第4側板との間隔を空けて、第1底板と第4底板とを配置するスペースを確保することができる。これにより、第1側板の主壁部と第4側板とが広がるように変形することを抑制することができる。第2側板と第3側板との関係も同様である。
【0011】
第3の態様は、上記第2の態様において、前記包装容器は、1枚の平板形状の展開体を折り曲げて組み立てられており、前記展開体では、前記第1側板の前記端縁部、前記第4側板、前記第2側板の前記主壁部、前記第2側板の前記端縁部、前記第3側板、前記第1側板の前記主壁部の順に並んで連結されており、前記展開体において、前記第2底板は、前記第2側板と反対側の端縁が前記第2側板の下端縁に対して傾斜しており、その延長線上に、前記第2側板の前記端縁部と前記第3側板との境界が位置していてもよい。
【0012】
この構成によると、折畳状態から包装状態まで、第2底板が他の板と干渉することを防止することができる。これにより、包装容器を折畳状態から包装状態までスムーズに変形させることができる。
【0013】
第4の態様は、上記第2又は3の態様において、前記第1側板の前記主壁部と前記第1底板との境界部分には、前記折畳状態で折り曲げられる前記主壁部の前記中間位置に、開口が配置されていてもよい。
【0014】
この構成によると、折畳状態で第1側板の主壁部の中間位置において、主壁部と第1底板との境界部分で破損することを防止することができる。
【0015】
第5の態様は、上記第3の態様において、端縁部の幅は、平板形状の板厚の4から6倍の長さを有してもよい。
【0016】
この構成によると、折畳状態をコンパクトにすることができる。
【0017】
上記した包装容器を作製するための展開体も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例の包装状態の包装容器の斜視図を示す。
【
図4】実施例の折畳状態の包装容器の正面図を示す。
【
図5】実施例の折畳状態の包装容器の底面図を示す。
【
図6】実施例の折畳状態の包装容器の平面図を示す。
【
図7】実施例の包装状態において蓋板を開いた包装容器の平面図を示す。
【0019】
(実施例)
図1に示す包装容器10は、例えば、被包装物を収容し、運搬、保管等を行うために用いられる。包装容器10の用途は、搬送、保管等に限られない。本明細書に含まれる前後、左右、及び上下方向は、説明を容易にするために規定されており、実際の使用時の姿勢を規定するものではない。
【0020】
(包装容器の構成)
図2に示すように、包装容器10は、1枚の平板状の展開体BLに設けられている複数の折曲線を折り曲げることによって作製される。複数の折曲線のそれぞれは、折曲線に沿って容易に折り曲げられるように、折曲線に沿った溝及びスリットの少なくとも一方を有する。複数の折曲線は、細い破線で表されている。また、接着剤が塗布される箇所は、互いに平行な複数の細線で表されている。展開体BLは、1枚の段ボール紙で作製されている。なお、展開体BLは、段ボール紙以外の紙、又は、樹脂によって作製されていてもよい。展開体BLの板厚は、例えば、1.5~2.0mmである。好ましくは、例えば、1.75~1.90mmである。
【0021】
包装容器10は、側壁部20と、底部30と、蓋板16、18と、上端片12、14と、接着片21と、を備える。側壁部20は、4枚の側板22、24、26、28を備える。側板26は、四角形の平板形状を有する。側板26の上下方向に延びる両端縁のうちの一方の端縁には、側板24が折曲線64を挟んで連結されている。
【0022】
側板24は、主壁部24aと、端縁部24bと、を備える。主壁部24aは、側板26と折曲線64を挟んで直接的に連結されている。主壁部24aは、四角形の平板形状を有する。上下方向に垂直な方向において、主壁部24aの長さは、側板26の長さよりも短い。主壁部24aの側板26と反対側の端縁には、折曲線67を挟んで端縁部24bが連結されている。上下方向に垂直な方向において、主壁部24aの中央には、上下方向に延びる折曲線44が配置されている。
【0023】
端縁部24bは、細長い四角形の平板形状を有する。上下方向に垂直な方向において、端縁部24bは、主壁部24aよりも短い。上下方向において、端縁部24bは、主壁部24aと同一の長さを有する。上下方向に垂直な方向において、端縁部24bの長さは、展開体BLの厚みの4~6倍である。端縁部24bの主壁部24aと反対側の端縁には、折曲線68を挟んで側板28が連結されている。側板28は、側板26と同様の構成を有する。
【0024】
側板28の側板24、即ち端縁部24bと反対側には、折曲線69を介して、側板22の主壁部22aが連結されている。主壁部22aは、四角形の平板形状を有する。上下方向に垂直な方向において、主壁部22aの長さは、主壁部24aの長さよりも若干短い。主壁部22aの中央よりも若干側板28寄りの位置には、上下方向に延びる折曲線42が配置されている。
【0025】
側板26の側板24と反対側には、折曲線62を介して側板22の端縁部22bが連結されている。展開体BLでは、側板22の主壁部22aと端縁部22bとは互いに連結されていない。端縁部22bは、端縁部24bと同一の構成を有する。端縁部22bの側板26と反対側には、折曲線61を介して接着片21が配置されている。
【0026】
接着片21は、端縁部22bの上下方向の全長に亘って端縁部22bに連結されている。上下方向に垂直な方向において、接着片21は、端縁部22bよりも長く、主壁部22aの側板28と反対側の端縁から折曲線42までの距離よりも短い。
【0027】
側板26と側板28とのそれぞれには、上端縁に折曲線を介して蓋板16、18のそれぞれが連結されている。蓋板16、18は、互いに同一の構成を有する。蓋板16、18は、包装状態において、側板22、24、26、28で囲まれる収容空間の上端を閉塞する。包装状態において、蓋板16の側板26と反対側の端縁が、蓋板18の側板28と反対側の端縁と接触する。
【0028】
主壁部22aと主壁部24aとのそれぞれには、上端縁に折曲線を介して上端片12、14のそれぞれが連結されている。上端片12、14は、互いに同一の構成を有する。上端片12、14は、包装状態において、蓋板16、18の下方に配置され、側板22、24、26、28と蓋板16、18との間を塞ぐ。主壁部22aの折曲線42は、上端片12まで延びている。主壁部24aの折曲線44は、上端片14まで延びている。
【0029】
側壁部20の下端には、底部30が配置されている。底部30は、4枚の底板32、34、36、38を備える。側板22、24、26、28のそれぞれの下端縁には、底板32、34、36、38のそれぞれが折曲線を介して連結されている。底板36、38は、互いに同一の構成を有する。底板36は、折曲線36aを有する。折曲線36aの延長線上には、側板26と主壁部24aとの境界(即ち折曲線64)の下端が位置する。折曲線36aよりも底板34側には、接着領域36bが配置される。
【0030】
底板38は、折曲線36aと同様の折曲線38aを有する。折曲線38aの延長線上には、側板28と主壁部22aとの境界(即ち折曲線69)の下端が位置する。折曲線38aよりも底板32側には、接着領域38bが配置される。
【0031】
包装状態において、底板34は、底板36に接着される。底板34は、主壁部24aの下端縁24cに連結されている。底板34は、端縁部24bには連結されていない。底板34は、主壁部24aから離間するのに従って、徐々に幅が狭くなるように形成されている。底板34の主壁部24aと反対側の端縁は、上下方向と垂直な方向の中間位置において主壁部24aの下端縁と平行に延びる平行部分34bと、平行部分34bの上下方向と垂直な方向の両側のそれぞれに配置される傾斜部分34a、34cと、を備える。
【0032】
傾斜部分34aは、傾斜部分34cと比較して、主壁部24aの下端縁24cに対する角度が小さい。
図3に示すように、傾斜部分34aは、主壁部24aと端縁部24bとの境界(即ち折曲線67)の延長線上まで延びている。傾斜部分34aの延長線上には、端縁部24bと側板28との境界(即ち折曲線68)の下端が位置する。
【0033】
底板34には、互いに平行な2個の折曲線48、48が配置されている。折曲線48、48は、折曲線44の延長線を挟んで配置されている。折曲線44の延長線は、折曲線48、48の中央に配置されている。折曲線48、48の間隔は、展開体BLの板厚の2倍~2.2倍であってもよい。底板34と主壁部24aとの境界(即ち下端縁24c)には、折曲線48、48の主壁部24a側の端に、展開体BLを貫通する開口54が配置されている。開口54は、折曲線48、48の間隔より大きい略長方形状を有する。
【0034】
包装状態において、底板32は、底板38に接着される。底板32は、主壁部22aの下端縁22cに連結されている。底板32は、端縁部22bには連結されていない。底板32は、主壁部22aから離間するのに従って、徐々に幅が狭くなるように形成されている。底板32の主壁部22aと反対側の端縁は、上下方向と垂直な方向の中間位置において主壁部22aの下端縁と平行に延びる平行部分32bと、平行部分32bの上下方向と垂直な方向の両側のそれぞれに配置される傾斜部分32a、32cと、を備える。
【0035】
傾斜部分32aは、傾斜部分32cと比較して、主壁部22aの下端縁に対する角度が小さい。傾斜部分32aは、主壁部22aの側板28と反対側の端縁の下端まで延びている。
【0036】
底板32には、互いに平行な2個の折曲線46、46が配置されている。折曲線46、46は、折曲線42の延長線を挟んで配置されている。折曲線42の延長線は、折曲線46、46の中央に配置されている。折曲線46、46の間隔は、展開体BLの板厚の2倍~2.2倍であってもよい。底板32と主壁部22aとの境界には、折曲線46、46の主壁部22a側の端に、展開体BLを貫通する開口52が配置されている。開口52は、開口54と同一形状を有する。開口52は、折曲線46、46の間隔より大きい。
【0037】
(折畳状態から包装状態への変形)
展開体BLから
図4に示す折畳状態を作製する場合、底板32、34、36、38のそれぞれは、側板22、24、26、28のそれぞれに重なるように、折り曲げられる。接着片21は、主壁部22aの側板28と反対側の端縁の内側面に接着される。また、側板22、24のそれぞれは、折曲線42、44において、側板26、28の間に挟まれるように、折り曲げられる。これにより、上端片12、14のそれぞれは、主壁部22a、24aのそれぞれとともに、折曲線42、44において折り曲げられる。さらに、底板32は、主壁部22aに合わせて、折曲線46、46のそれぞれで折り曲げられ、底板34は、主壁部24aに合わせて、折曲線48、48のそれぞれで折り曲げられる。
【0038】
底板36は、接着領域36bにおいて、底板34に接着される。底板38は、接着領域38bにおいて、底板32に接着される。
【0039】
図5に示すように、底板32は、主壁部22aを挟むように折り曲げられる。底板32は、互いに間隔を空けて平行に延びる折曲線46、46のそれぞれで折り曲げられることによって、底板32の間に主壁部22aが挟まった状態において、底板32が広がることを抑制することができる。底板34も同様である。底板32と主壁部22aとの境界に、開口52が配置されることによって、底板32を折曲線46、46において折り曲げる際に、応力が集中して、破損することを防止することができる。
【0040】
図6に示すように、端縁部22bは、主壁部22aと側板26とのそれぞれに対して折り曲げられている。これにより、折畳状態において、主壁部22aと側板26との間に隙間が確保される。この結果、折畳状態において、主壁部22aと側板26との間に、底板32、36が配置されていても、主壁部22aと側板26とが広がることを抑制することができる。端縁部24bは、端縁部22bと同様に、主壁部24aと側板28とのそれぞれに対して折り曲げられている。これにより、折畳状態において、主壁部24aと側板28との間に隙間が確保される。この結果、折畳状態において、主壁部24aと側板28との間に、底板34、38が配置されていても、主壁部24aと側板28とが広がることを抑制することができる。
【0041】
本実施例では、蓋板16、18のそれぞれは、側板26、28のそれぞれに対して、外側に折り曲げられている。なお、蓋板16、18は、のそれぞれは、側板26、28のそれぞれに対して折り曲げられていなくてもよい。
【0042】
折曲状態から包装状態に変形される場合、側板26、28が互いに離間するように、側板26、28が移動される。側板26、28の間隔に合わせて、主壁部22a、24aのそれぞれが、平板状に変形される。また、端縁部22bが主壁部22aと同一平板上に配置され、端縁部24bが主壁部24aと同一平板上に配置されるように展開される。なお、包装容器10では、包装状態において、主壁部22aと端縁部22bとが同一平板上に配置されるように設計されているが、主壁部22aと端縁部22bとの間で、若干折れ曲がっている場合がある。主壁部24aと端縁部24bとの関係も同様である。
【0043】
底板36は、折曲線36aにおいて、上方に折り曲げられることによって、底板36の上方に、接着領域36bに接着された底板34が配置される。同様に、底板38は、折曲線38aにおいて、上方に折り曲げられることによって、底板38の上方に、接着領域38bに接着された底板32が配置される。
図7に示すように、底板36、38が係合端36c、38cにおいて互いに係合することによって、底板32、34、36、38の関係が維持される。
【0044】
包装容器10によると、折畳状態において、側板26と主壁部22aとの隙間を形成するために端縁部22bを配置することによって、側板26と主壁部22aとが広がることを抑制することができる。同様に、側板28と主壁部24aとの隙間を形成するために端縁部24bを配置することによって、側板28と主壁部24aとが広がることを抑制することができる。側壁部20の4個の角部のそれぞれに端縁部を配置しなくても、端縁部が配置されていない構成と比較して、折畳状態をコンパクトにすることが可能となる。端縁部22b、24bの上下方向と垂直な方向の長さを、展開体BLの板厚の4~6倍に設定することによって、側板26と主壁部22a、及び、側板28と主壁部24aが広がることを抑制しつつ、端縁部22b、24bの長さによって、折畳状態の包装容器10の厚みが増加することを抑制することができる。
【0045】
端縁部22b、24bは、包装状態の底部30の対角線上に配置される。これにより、
図5に示すように、折畳状態において、端縁部22b、24bは、左右方向に異なる側に配置される。この構成によると、端縁部22b、24bが左右方向の同一側に配置される構成と比較して、折畳状態の包装容器10の厚みが増加することを抑制することができる。
【0046】
折畳状態において、底板32、34、36、38のそれぞれを、側板22、24,26、28のそれぞれと重ねて配置することによって、折畳状態をコンパクトにすることができる。
【0047】
底板34の傾斜部分34aは、主壁部24aと端縁部24bとの境界の延長線上まで延びており、傾斜部分34aの延長線上には、端縁部24bと側板28との境界(即ち折曲線68)の下端が位置する。この構成によると、折畳状態から包装状態まで、底板34が底板38と干渉することを防止することができる。これにより、包装容器10を折畳状態から包装状態までスムーズに変形させることができる。
【0048】
底板32、34、36、38では、側板22、24、26、28を折畳状態から包装状態に展開させることによって、側板22、24、26、28に追従して展開される。これにより、底板32、34、36、38をわざわざ展開させるための作業を行わなくてもよい。
【0049】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明した。これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を列挙する。
【0050】
(変形例1)包装容器10は、上端片12、14及び蓋板16、18の少なくとも1個を備えていなくてもよい。
【0051】
(変形例2)底部30の構成は、4枚の底板32、34、36、38の構成に限定されず、例えば、上端片12、14及び蓋板16、18と同様に、側壁部20の下端の開口を閉塞する構成を有していてもよい。
【0052】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0053】
10:包装容器、20:側壁部、22、24、26、28:側板、22a、24a:主壁部、22b、24b:端縁部、30:底部、32、34、36、38:底板、34a:傾斜部分、52、54:開口、BL:展開体