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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013221
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】モータ、及び電気製品
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/52 20060101AFI20240124BHJP
   H02K 3/40 20060101ALI20240124BHJP
   H02K 3/50 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H02K3/52 E
H02K3/40
H02K3/50 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116247
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】202210845888.3
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】馬 金鳳
(72)【発明者】
【氏名】吉野 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】小林 千春
(72)【発明者】
【氏名】王 禹
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB10
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC16
5H604QB03
5H604QB04
5H604QB14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コストが高くなるのを抑制しつつ、モータの重量を軽くする。
【解決手段】モータは、バスバーユニット10を備えている。バスバーユニットは、樹脂製のホルダ20と、ホルダと一体成型されているワイヤー30と、を有している。ワイヤーは、外部電源と、コイル引出線と、を接続している。ホルダには、軸方向に貫通し、ホルダに対するワイヤーの位置決めに用いられる位置決め孔H1が形成されている。ワイヤーの少なくとも一部は、位置決め孔から露出している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバーユニットを備えるモータであって、
バスバーユニットは、樹脂製のホルダと、前記ホルダと一体成型されているワイヤーと、を有し、
前記ワイヤーは、外部電源と、コイル引出線と、を接続しており、
前記ホルダには、軸方向に貫通し、前記ホルダに対する前記ワイヤーの位置決めに用いられる位置決め孔が形成され、
前記ワイヤーの少なくとも一部は、前記位置決め孔から露出している、モータ。
【請求項2】
前記ホルダは、中央部と、前記中央部を囲む外周部と、を有し、
前記ワイヤーは、前記外周部と前記中央部とを接続する接続部を有し、
前記コイル引出線は、前記接続部に接続される、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記接続部は、前記コイル引出線に対して交差する方向で直線状に延びている、請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記コイル引出線と前記接続部との接続位置は、前記ホルダにおける軸方向上側の上面及び軸方向下側の下面の間に位置している、請求項2又は請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記バスバーユニットは、電源端子を有し、
前記電源端子の一端は、外部電源と接続され、
前記電源端子の他端は、前記ワイヤーと接続されており、
前記電源端子の他端と前記ワイヤーとの接続位置は、前記ホルダにおける軸方向上側の上面及び軸方向下側の下面の間に位置している、請求項1に記載のモータ。
【請求項6】
前記電源端子の前記他端は、U字形状であって、
前記ホルダは、軸方向に貫通する貫通孔を有し、
前記電源端子の前記他端は、前記貫通孔に挿入され、
前記ワイヤーは、前記貫通孔内で前記電源端子の前記他端に接続されている、請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
前記ワイヤーの少なくとも一部の断面は、少なくとも一部が円弧形状である、請求項1に記載のモータ。
【請求項8】
前記バスバーユニットは、複数の前記ワイヤーを有し、
複数の前記ワイヤーは、軸方向に並び、前記ホルダによって互いに絶縁されている、請求項1に記載のモータ。
【請求項9】
前記ワイヤーにおいて前記コイル引出線と接続される箇所は、平面状である、請求項1に記載のモータ。
【請求項10】
前記バスバーユニットは、軸方向に並ぶ複数の前記ワイヤーとして、上側ワイヤーと、前記上側ワイヤーよりも軸方向下側に配置された下側ワイヤーと、を有し、
前記上側ワイヤー及び前記下側ワイヤーは、互いに交差しており、
前記上側ワイヤー及び前記下側ワイヤーの交差部分は、前記ホルダによって被覆されており、
前記ホルダは、
前記上側ワイヤー及び下側ワイヤーの交差部分の近傍における軸方向下側の面に設けられ、上側に凹む上側ワイヤー支持面を有し、
前記上側ワイヤー及び下側ワイヤーの交差部分の近傍における軸方向上側の面に設けられ、下側に凹む下側ワイヤー支持面を有する、請求項1に記載のモータ。
【請求項11】
請求項1に記載のモータを備える電気製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、モータ、及び電気製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のように、EPS(Electric Power Steering、電動パワーステアリング)モータは、バスバーユニットを備えている。バスバーユニットは、絶縁性樹脂と、板状のバスバーと、が一体成型されて構成されている。
【0003】
上記説明は、本願発明の技術的解決策について明確かつ十全な説明するのを容易にするとともに、当業者の理解を容易にするために記載されたものであるに過ぎない。これらの解決策が本願発明の背景技術部分において記載されていることのみを理由に、公知であると考えてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014―176208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
板状のバスバーは、金属板からプレス打ち抜きにより成形する必要があり、打ち抜きの際に不要な部分であるスクラップが生じるため、コストを低くし難い。また、板状のバスバーでは体格が大きくなり易く、モータの重量を軽くし難い。
【0006】
上記課題に対し、本願発明の実施例では、モータ、及び、モータを備える電気製品を提供する。
【0007】
本願発明の1つの実施例では、バスバーユニットを備えるモータであって、バスバーユニットは、樹脂製のホルダと、ホルダと一体成型されているワイヤーと、を有し、ワイヤーは、外部電源と、コイル引出線と、を接続しており、ホルダには、軸方向に貫通し、ホルダに対するワイヤーの位置決めに用いられる位置決め孔が形成され、ワイヤーの少なくとも一部は、位置決め孔から露出している。
【0008】
本願発明の1つの実施例では、位置決め孔を介してワイヤーをホルダ内に一体成型しているため、成型工程を簡略化し易い。また、バスバーユニットが板状のバスバーではなくワイヤーを有しているため、コストが高くなるのを抑制しつつ、モータの重量を軽くし易い。
【0009】
後述の説明及び図面を参照すると、本願発明の特定の実施形態を詳細に開示しており、本願発明の原理が採用され得る形態を明示している。特許請求の範囲では、開示する実施形態に対する多くの変更、修正及び均等を含む。
【0010】
1つの実施形態に開示される特徴は、同一の又は類似した実施形態において使用され、他の実施形態における特徴と組み合わせられ、又は、他の実施形態における特徴に代替され得る。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、特徴、要素、部品、ステップ、又はアセンブリの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、部品、ステップ、又はアセンブリが存在するか又はそれらを追加することを排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本願発明の第1実施例のモータの上面図である。
図2図2は、本願発明の第1実施例のバスバーユニットの斜視図である。
図3図3は、本願発明の第1実施例のバスバーユニットの斜視図である。
図4図4は、本願発明の第1実施例の電源端子のU字状の他端とワイヤーとの接続形態の一概略図である。
図5図5は、本願発明の第1実施例のワイヤーにおける接続部の断面図である。
図6図6は、本願発明の第1実施例のバスバーユニットの一部を拡大した斜視図である。
図7図7は、本願発明の第1実施例のバスバーユニットの一部を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照すれば、以下の明細書を通じて、本願発明の特徴及び他の特徴が明確になる。明細書及び図面において、本願発明の一部の実施形態を採用可能である特定の実施形態を具体的に開示している。本願発明は、明細書に開示された実施形態に限定されない。本願発明は、添付された特許請求の範囲に該当するすべての修正、変形、及び均等物を含む。
【0013】
1つの実施形態に開示される特徴は、同一の又は類似した実施形態において使用され、他の実施形態における特徴と組み合わせられ、又は、他の実施形態における特徴に代替され得る。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、特徴、要素、部品、ステップ、又はアセンブリの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、部品、ステップ、又はアセンブリが存在するか又はそれらを追加することを排除しない。
【0014】
本願発明の実施例では、単数形の「一」、「該」等は、「1種」又は「1タイプ」と広義に理解すべきであり、「1つ」という意味に限定されるものではない。また、「前記」という用語は、前後で別途明示されていない限り、単数形も複数形も含む。また、前後で別途明示されていない限り、「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と理解すべきである。
【0015】
本願発明の実施例では、モータの中心軸に沿って延びる方向又はそれと平行な方向を「軸方向」と呼び、中心軸を中心とする径方向を「径方向」と呼び、中心軸周りの方向を「周方向」と呼ぶ。各方向についての本明細書における定義は、本願発明の実施例を説明する便宜を図るためであるに過ぎず、モータ等の使用及び製造時における方向を限定するものではない。また、本願発明の実施例では、軸方向の一方側を上側と呼び、軸方向の他方側を下と呼ぶ。「上」、「下」などの用語は、重力方向を示すものではない。
【0016】
<第1実施例>
【0017】
本願発明の第1実施例では、モータを提供する。
【0018】
図1に示すように、モータ1は、回転子と、回転子の周囲に配置された固定子と、回転子を回転可能に支持する軸受と、バスバーユニット10と、ハウジングと、を備えている。図2及び図3に示すように、バスバーユニット10は、樹脂製のホルダ20と、ホルダ20と一体成型されたワイヤー30と、を有している。インサート成型によってワイヤー30の周囲に樹脂を設けることで、ワイヤー30とホルダ20とを一体成型する。ワイヤー30は、外部電源(不図示)と、固定子のコイル引出線と、を電気的に接続している。ハウジングは、上側が開口する有底筒状をなしている。ハウジングは、内部に回転子、固定子、軸受、バスバーユニット10を収容している。なお、モータ1は、他の構成を備えていてもよい。
【0019】
ホルダ20には、軸方向に貫通し、ホルダ20に対するワイヤー30の位置決めに用いられる位置決め孔H1が形成されている。ワイヤー30の少なくとも一部は、位置決め孔H1から露出する。ワイヤー30及びホルダ20を一体成型する際、ワイヤー30を治具で固定する。成型の際に治具が配置されていた箇所が、ホルダ20における位置決め孔H1となる。
【0020】
図2に示すように、位置決め孔H1の幅d1は、ワイヤー30の幅d2よりも大きい。ここで、幅d1及びd2は、軸方向と垂直な平面において、位置決め孔H1から露出するワイヤー30の延びる方向と垂直な方向における幅を指している。
【0021】
ワイヤー30及びホルダ20を一体成型する際には、ワイヤー30に対してワイヤー30の延びる方向と直交する方向の両側に治具を配置し、治具でワイヤー30を挟んで掴む。本実施例では、ワイヤー30の略周方向に延びる部分に対して径方向両側に治具が配置される。そのため、位置決め孔H1の一部がワイヤー30の径方向両側に位置している。これにより、幅d1が幅d2よりも大きくなっている。このように、幅d1が幅d2よりも大きくなるようにワイヤー30を治具で挟んで固定した上でホルダ20を成型することで、成型の際にワイヤー30の位置ずれを効果的に抑制することができる。ただし、ワイヤー30及びホルダ20を一体成型する際のワイヤー30の固定方法は、限定されない。幅d1が幅d2以下である構成を採用することもできる。
【0022】
ホルダ20は、中央部21と外周部22とを有している。中央部21は、軸方向から見て、略円環状である。外周部22は、軸方向から見て、環状をなし、中央部21を囲んでいる。すなわち、中央部21は、外周部22の径方向内側に位置し、外周部22と径方向に隙間を介して配置される。ワイヤー30は、外周部22と中央部21とを繋ぐ接続部31を有している。本実施例では、ワイヤー30は、周方向に間隔をあけて並ぶ複数の接続部31を有する。周方向に隣り合う接続部31同士の間には、隙間が設けられている。コイル引出線と接続部31とは、例えば、はんだによって接続されている。ホルダ20の中央部21と外周部22とを繋ぐ接続部31にコイル引出線が接続されることで、接続作業のスペースを確保し易く、バスバーユニット10の重量を軽減し易い。
【0023】
接続部31は、コイル引出線に対して交差する方向で、直線状に延びている。これにより、接続部31が曲がっている構成と比較してコイル引出線とワイヤー30とを接続し易く、ワイヤー30とコイル引出線との導通を確保し易い。本実施例において接続部31は、径方向に延びている。固定子のコイル引出線は、軸方向に延びている。
【0024】
図3に示すように、ホルダ20は、上側の面である上面S1と、下側の面である下面S2と、を有している。コイル引出線と接続部31との接続位置は、軸方向において、上面S1と下面S2の間に位置している。言い換えると、電源端子40とワイヤー30とが接続する部分がホルダ20の内部に位置する。これにより、コイル引出線と接続部31との接続位置がホルダ20よりも上下方向に位置しないため、バスバーユニット10の軸方向寸法を小さくし易く、且つ、コイル引出線及びワイヤー30を接続し易い。
【0025】
バスバーユニット10は、板状の電源端子40をさらに有している。電源端子40の一端は、外部電源に接続される。電源端子40の他端は、ワイヤー30に電気的に接続されている。電源端子40とワイヤー30の接続位置は、軸方向において、上面S1と下面S2の間に位置している。これにより、電源端子40とワイヤー30の接続位置がホルダ20よりも上下方向に位置しないため、バスバーユニット10の軸方向寸法を小さくし易く、且つ、コイル引出線及びワイヤー30を接続し易い。
【0026】
図4に示すように、電源端子40のワイヤー30と接続される他端は、U字形状をなしている。ワイヤー30は、電源端子40の他端のU字の部分の間に配置される。好ましくは、ワイヤー30は、電源端子40の他端のU字の部分の間に挟まれる。ホルダ20は、軸方向(図4に示す上下方向)に貫通する貫通孔H2をさらに有している。電源端子40の上記他端は、貫通孔H2に挿入されている。ワイヤー30は、貫通孔H2内において、電源端子40に接続されている。すなわち、電源端子40の他端およびワイヤー30の少なくとも一部の両方が貫通孔H2の内部に配置されることから、ワイヤー30および電源端子40のホルダ20に対する相対的な位置が定まることになる。これにより、電源端子40とワイヤー30の接続位置の位置決めが容易となる。電源端子40とワイヤー30とは、例えば、レーザ溶接によって接続されている。このように、ホルダ20の貫通孔H2内で電源端子40とワイヤー30が接続されているため、バスバーユニット10の軸方向寸法を小さくし易い。なお、電源端子40とワイヤー30とは、カシメ固定など、上記以外の方法によって接続されてもよい。
【0027】
ワイヤー30の少なくとも一部の断面は、少なくとも一部が円弧形状である。図3及び図5に示すように、本実施例の接続部31では、周方向の両面が軸方向に沿う平面であり、上側の面及び下側の面が円弧形状である。接続部31の円弧形状は、例えば、治具によって接続部31を押圧して形成される。ただし、他の方法で接続部31の円弧形状を形成してもよい。接続部31における軸方向に沿う平面は、コイル引出線と接続される。接続部31が平面になっていることにより、コイル引出線と接続し易い。
【0028】
バスバーユニット10は、複数のワイヤー30を有している。本実施例では、バスバーユニット10が3本のワイヤー30を有している。少なくとも2本のワイヤー30同士は、軸方向に並んでいる。軸方向に並ぶ複数のワイヤー30は、ホルダ20によって互いに絶縁されている。すなわち、軸方向に並ぶ複数のワイヤー30は、複数のワイヤー30の間に樹脂が介在することで互いに絶縁されている。複数のワイヤー30が軸方向に並んでいることで、バスバーユニット10が軸方向と直交する方向に大型化するのを抑制することができる。
【0029】
図6及び図7に示すように、バスバーユニット10は、軸方向に並ぶ複数のワイヤー30として、上側ワイヤー30-1と下側ワイヤー30-2とを有している。下側ワイヤー30-2は、上側ワイヤー30-1よりも下側に位置している。上側ワイヤー30-1及び下側ワイヤー30-2は、互いに交差している。上側ワイヤー30-1及び下側ワイヤー30-2の交差部分は、ホルダ20によって被覆されている。上述のように、複数のワイヤー30間に樹脂が介在するため、上側ワイヤー30-1及び下側ワイヤー30-2は、互いに絶縁されている。
【0030】
ホルダ20は、上面S1における上側ワイヤー30-1及び下側ワイヤー30-2の交差部分の近傍において、第1治具が配置されることで形成された下側ワイヤー支持面S3を有している。第1治具は、上側ワイヤー30-1が下側へ向かうのを抑制するものである。下側ワイヤー支持面S3は、上面S1において一部分が下側に凹むことで形成されている。本実施例において、下側ワイヤー支持面S3は、中央部21に形成され、軸方向から見て矩形状をなしている。なお、下側ワイヤー支持面S3は、軸方向から見て、他の形状であってもよい。
【0031】
ホルダ20は、下面S2における上側ワイヤー30-1及び下側ワイヤー30-2の交差部分の近傍において、第2治具が配置されることで形成された上側ワイヤー支持面S4を有する。第2治具は、上側ワイヤー30-1が下側へ向かうのを抑制するものである。上側ワイヤー支持面S4は、下面S2において一部分が上側に凹むことで形成されている。本実施例において、上側ワイヤー支持面S4は、中央部21に形成され、軸方向から見て矩形状をなしている。なお、上側ワイヤー支持面S4は、軸方向から見て、他の形状であってもよい。
【0032】
以上のように、下側ワイヤー支持面S3及び上側ワイヤー支持面S4及びが形成されるように第1治具及び第2治具を用いて上側ワイヤー30-1及び下側ワイヤー30-2を支持しつつホルダ20を成型することで、軸方向に隣り合うワイヤー30同士が接触し難い。そのため、上側ワイヤー30-1及び下側ワイヤー30-2間に樹脂が配置し易く、絶縁性を確保し易い。
【0033】
本実施例では、ワイヤー30が位置決め孔H1を介してホルダ20内に一体成型されているため、成型工程を簡略化し易い。また、バスバーユニット10が板状のバスバーではなくワイヤー30を有しているため、板状のバスバーを用いる場合と比較してコストが高くなるのを抑制しつつ、モータ1の重量を軽くし易い。
【0034】
<第2実施例>
【0035】
本実施例は、第1実施例に記載のモータ1を備える電気製品を提供する。第1実施例においてモータ1の構造について詳しく説明しているため、本実施例では説明を省略する。
【0036】
本実施例では、電気製品が車両用の電動パワーステアリングシステムであり、モータ1が電動パワーステアリング用モータである。ただし、電気製品が車両用のブレーキシステムであって、モータ1がブレーキ用モータであってもよい。
【0037】
ただし、電気製品は、モータ1を備えるものであればよい。電気製品として、空調の室内機又は室外機、ウォーターサーバー、洗濯機、掃除機、コンプレッサ、送風機、ミキサー等の家電機器、ポンプ、コンベア、エレベータ、風力発電機、粉砕機、牽引電動機等の工業機器、又は情報処理機器を採用することができる。
【0038】
以上、具体的な実施形態を参照しながら本願発明について記述したが、これらの記述はいずれも例示的なものであり、本願発明の保護範囲に対する限定ではない。当業者は、本願発明の趣旨及び原理に基づいて本願発明に対して種々の変形や修正を行うことができ、これらの変形や修正も本願発明の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7