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特開2024-132219自動券売システムおよび自動券売システムの画像表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132219
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】自動券売システムおよび自動券売システムの画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   G07B 5/00 20060101AFI20240920BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240920BHJP
   G07B 1/00 20060101ALI20240920BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240920BHJP
【FI】
G07B5/00 D
G06F3/16 620
G07B1/00 A
G06F3/0481
G06F3/16 650
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042911
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】592048741
【氏名又は名称】鉄道情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 幸太
(72)【発明者】
【氏名】野田 友輝
(72)【発明者】
【氏名】生田目 裕一
(72)【発明者】
【氏名】川本 剛志
(72)【発明者】
【氏名】松村 咲希
【テーマコード(参考)】
3E026
5E555
【Fターム(参考)】
3E026AA03
3E026CA01
3E026CA06
5E555AA44
5E555BA31
5E555BB31
5E555BC08
5E555CA47
5E555CB76
5E555CC22
5E555DB03
5E555DC19
5E555EA23
5E555EA27
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】利用者が発話のやり方に迷っている場合、発話を解析することができなかった場合に、発話例を案内するガイド表示を、利用者が気付き易いように表示する自動券売システムおよび自動券売システムの画像表示方法を提供する。
【解決手段】操作表示器12は、切符の販売に必要な事項を発話で入力させる画面を表示する。AI制御部23aは、上記の画面を表示しているときに入力された発話を解析し、解析した発話の内容に応じて自動券売機10を制御する。また、発話が入力されない場合には、発話例を案内するガイド表示を画面の一部分に重ねて表示させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の発話に応じて切符を販売する自動券売機と、前記自動券売機に通信接続されるAIサーバと、を有する自動券売システムであって、
前記自動券売機は、
前記発話を入力する通話手段と、
前記AIサーバの制御により、前記切符の販売に関する画面を表示する表示手段と、
を有し、
前記AIサーバは、
前記画面を表示しているときに入力された前記発話を解析して前記発話の内容を認識し、前記発話の内容に応じて前記自動券売機を制御し、
前記画面を表示しているときに前記発話が入力されない場合には、内容を認識することができる発話例を案内するガイド表示を、前記画面の一部分に重ねて表示させるAI制御部を有する、
ことを特徴とする自動券売システム。
【請求項2】
前記AI制御部は、
前記解析において前記発話の内容を認識することができなかった場合には、前記ガイド表示を表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動券売システム。
【請求項3】
前記AI制御部は、
前記画面を表示してから、前記発話に要する時間よりも長い所定時間が経過するまで、前記発話が入力されない場合には、前記ガイド表示を表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動券売システム。
【請求項4】
前記AI制御部は、
前記画面を表示してから行う前記発話に関する処理に対して、非同期で前記所定時間のカウントを開始する、
ことを特徴とする請求項3に記載の自動券売システム。
【請求項5】
前記AI制御部は、
前記ガイド表示を、前記画面の端側から中央側に向かってスライドインさせる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の自動券売システム。
【請求項6】
自動券売機の表示手段に、切符の購入に関する画面を表示する第1過程と、
利用者に前記切符の購入に関する発話を入力させる第2過程と、
AI制御部が前記発話を解析して前記発話の内容を認識する第3過程と、
認識された前記発話の内容を前記画面に表示する第4過程と、
を有し、
前記第2過程は、
前記画面を表示しているときに前記発話が入力されない場合、前記AI制御部が内容を認識することができる発話例を案内するガイド表示を、前記画面の一部分に重ねて表示し、前記利用者に前記発話の入力を促す第5過程を含む、
ことを特徴とする自動券売システムの画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、券売機の利用者に切符を販売するための自動券売システムおよび自動券売システムの画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道などの旅客会社では、少子高齢化に伴う労働人口減少への対応、運営コストの削減、および切符購入の利便性向上に向けた取り組みとして、駅出札業務の自動化・効率化を推進している。このような時代背景の中、切符購入窓口での応対を合理化するため、切符を購入する利用者と遠隔地のコールセンタのオペレータとの対話を可能とした券売機が導入されている。
このような券売機のニーズは高く、設置台数の拡大とともに利用者も増加傾向にある。そのため、オペレータの呼び出し回数も増加し、業務負荷や利用者における接客待ち時間の増加が問題となっている。そこで、オペレータに頼らなくても利用者の利便性を損なわずに、切符購入を可能にする券売機が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の券売機は、利用者の音声を認識して得た文字データから目的駅の駅名や施設名等を抽出し、券売機の画面に表示するので、利用者が直接券売機を操作しなくても、切符の区間情報などを自動で入力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-204351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の券売機は、利用者が入力した音声を文字データに変換し、この文字データに含まれているキーワードを、予め定めた規則に基づいて抽出する。また、このキーワードと一致するワードを、データベースの中から検索し、一致するワードが存在するか否かを判断する。一致するワードが存在しないと判断した場合には、その結果を利用者が操作している表示操作部に表示し、利用者に再入力を促している。換言すると、音声を正確に解析することができなかった場合には、単に再入力を要求している。
【0006】
これらのことから、特許文献1に記載の券売機は、利用者に正しい入力操作を知らせる処理動作を行っていない。そのため、利用者が、正しい入力操作を知らない場合や、入力操作の誤りに気付くことができない場合には、利用者は、どのように入力操作を修正すれば良いのか、オペレータに尋ねることが必要になる。即ち、利用者が、正確に解析することが難しい発話を繰り返し入力する可能性がある。
また、例えば、表示操作部等に正しい入力操作を案内する画面を表示しても、入力操作を迷っている利用者は、上記の画面表示に気付かないことが多く、オペレータに尋ねることを希望する。
【0007】
そこで、本発明は、利用者が発話のやり方に迷っている場合、発話を解析することができなかった場合に、発話例を案内するガイド表示を、利用者が気付き易いように表示する自動券売システムおよび自動券売システムの画像表示方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係る自動券売システムは、利用者の発話に応じて切符を販売する自動券売機と、前記自動券売機に通信接続されるAIサーバと、を有する自動券売システムであって、前記自動券売機は、前記発話を入力する通話手段と、前記AIサーバの制御により、前記切符の販売に関する画面を表示する表示手段と、を有し、前記AIサーバは、前記画面を表示しているときに入力された前記発話を解析して前記発話の内容を認識し、前記発話の内容に応じて前記自動券売機を制御し、前記画面を表示しているときに前記発話が入力されない場合には、内容を認識することができる発話例を案内するガイド表示を、前記画面の一部分に重ねて表示させるAI制御部を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記構成において、前記AI制御部は、前記解析において前記発話の内容を認識することができなかった場合には、前記ガイド表示を表示させることを特徴とする。
【0010】
また、上記構成において、前記AI制御部は、前記画面を表示してから、前記発話に要する時間よりも長い所定時間が経過するまで、前記発話が入力されない場合には、前記ガイド表示を表示させることを特徴とする。
【0011】
また、上記構成において、前記AI制御部は、前記画面を表示してから行う前記発話に関する処理に対して、非同期で前記所定時間のカウントを開始することを特徴とする。
【0012】
また、上記構成において、前記AI制御部は、前記ガイド表示を、前記画面の端側から中央側に向かってスライドインさせることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る自動券売システムの画像表示方法は、自動券売機の表示手段に、切符の購入に関する画面を表示する第1過程と、利用者に前記切符の購入に関する発話を入力させる第2過程と、AI制御部が前記発話を解析して前記発話の内容を認識する第3過程と、認識された前記発話の内容を前記画面に表示する第4過程と、を有し、前記第2過程は、前記画面を表示しているときに前記発話が入力されない場合、前記AI制御部が内容を認識することができる発話例を案内するガイド表示を、前記画面の一部分に重ねて表示し、前記利用者に前記発話の入力を促す第5過程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、切符の販売に必要な事項を発話によって入力させる画面を表示しているときに発話による入力が行われない場合、発話例を案内するガイド表示を行うようにしたので、利用者がどのように発話すればよいのか迷っているときにガイド表示を行うことができる。
また、発話の解析において発話の内容を認識することが困難になった場合に、ガイド表示を行うことにより、利用者が、解析が困難な発話を繰り返すことを防ぐことができる。
また、切符の購入に関する画面に重ねてガイド表示を行うことにより、利用者に発話例の案内を気付かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態による自動券売システムの概略構成を示す説明図である。
図2】自動券売システムに備える自動券売機の構成を示す説明図である。
図3】自動券売システムのAI自動応対機能の動作を示す説明図である。
図4】自動券売システムのAI自動応対機能の動作を示す説明図である。
図5】自動券売機の操作表示器に表示させる画面を示す説明図である。
図6】自動券売機の操作表示器に表示させる画面を示す説明図である。
図7】AIサーバが音声入力を案内する場合の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の一形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による自動券売システム100の概略構成を示す説明図である。自動券売システム100は、券売業務用ネットワークN1と、アシスト業務用ネットワークN2を介して、券売場である駅1、システムセンタ2、および、コールセンタ3がそれぞれ相互通信可能に接続構成されている。
【0017】
駅1には、切符の購入を希望する利用者が操作することにより、利用者の指定した券(切符)を販売する券売機能と、少なくともマイク、スピーカ、カメラを含む操作支援機能と、を備えた自動券売機10が設置されている。
自動券売機10は、利用者が操作できるように構成されている。
また、自動券売機10には、それぞれの個体を識別できるようにユニークな識別番号が割り振られており、この識別番号を使うことで、自動券売システム100に含まれる全ての自動券売機10を特定することを可能にしている。
【0018】
自動券売機10は、後述するように、タッチパネル式の表示・操作パネル、切符を送出する券売口、購入費用を投入する現金投入口、精算用のクレジットカード等を入れるカード挿排口などを備え、利用者が表示・操作パネルの表示画面を見ながら操作することで、券売操作の各行程を順次行うことができるように構成されている。
【0019】
自動券売機10は、例えば、券売を行うに際には、券売業務用ネットワークN1を介してシステムセンタ2と交信し、券売業務統括サーバ21から座席指定券の予約可否などの諸情報を受けると共に、決定した券売情報を券売業務統括サーバ21へ送ることができるように(通信可能に)構成されている。
【0020】
また、自動券売機10は、利用者を映す接客カメラ、コールセンタ3のオペレータからの音声が出力されるスピーカ、利用者の声などをコールセンタ3へ送るためのマイク、提示された申込書や割引証等の紙面を写す書画カメラ、申込書や割引証を回収する申込書回収口などを備える。
自動券売システム100は、上記の接客カメラやマイクからの入力情報(利用者を支援するための情報)が、アシスト業務用ネットワークN2を介して、システムセンタ2のコールセンタサーバ22によって選定された、コールセンタ3のオペレータが操作する音声・映像端末31へ供給されるように通信接続されている。
また、自動券売システム100は、上記のオペレータが、利用者の求めに応じて予約・発券端末32を操作することで、利用者の切符購入を支援するように構成されており、コールセンタ3の音声・映像端末31から供給された音声・映像情報も、アシスト業務用ネットワークN2を介して駅1の自動券売機10に供給され、コールセンタ3のオペレータからの音声や映像が自動券売機10に表示される。
【0021】
さらに、自動券売システム100は、コールセンタ3のオペレータを介さずに自動券売機10の利用者を支援する機能として、Artificial Intelligence(人工知能:以下、AIと記載する)自動応対機能を実装している。
システムセンタ2に設けたAIサーバ23が、アシスト業務用ネットワークN2を介して駅1の自動券売機10と接続されることで、窓口やオペレータと同じような会話での接客をAIによって実現し、窓口やオペレータの負担を軽減する。
なお、AI自動応対機能では、利用者の発話(音声)を使用するため、最初に音声の使用に関する同意画面を表示し、利用者の同意後に音声による接客を開始する。
AI自動応対機能では、利用者から、出発駅、到着駅、利用日時、人数といった要件(切符の販売に必要な事項)を聞き、券売業務統括サーバ21が要望に適した経路等を選定し、自動券売機10にて購入切符の提案を行う。利用者が購入内容を確認し、入金が済むと、自動券売機10が発券処理を行い、利用者の手元に切符が渡される。
【0022】
なお、駅1とシステムセンタ2とコールセンタ3を、単一のネットワークで接続しても構わないが、通常の券売処理業務に用いる券売業務用ネットワークN1と、音声・映像による支援業務に用いるアシスト業務用ネットワークN2を別に設けておけば、支援業務と券売処理業務とを分離して行うことができ、一方のネットワークに生じた故障や事故が、他方のネットワークに影響を与えて、更なる障害を引き起こすことを防げるので、自動券売システム100全体としての信頼性を高めることができる。
しかも、券売業務用ネットワークN1と、アシスト業務用ネットワークN2を物理的に異なるネットワークとして構築可能とすると、既に券売業務用ネットワークN1を備えている既存の自動券売システムに対して、後から音声・映像による支援機能を付加し易いという利点もある。
【0023】
図2は、自動券売システム100に備える自動券売機10の構成を示す説明図である。
自動券売機10は、図2に示すように、装置全体の制御を行う制御部11と、乗車券等を購入するための諸情報を表示する表示パネルと顧客操作による入力操作を受け付けるタッチパネルを一体にした表示・操作パネルを備えた操作表示器12を有する。
また、自動券売機10は、AI自動応対機能を利用するための通話手段である受話器13と、制御部11が機能するための処理プログラム等を固定的に記憶すると共に処理過程で発生した一時的な情報を記憶する記憶部14を有する。
また、自動券売機10は、システムセンタ2の券売業務統括サーバ21やAIサーバ23と通信を行うための通信部15と、購入代金の処理を行うための硬貨部16、紙幣部17、カード処理部18と、操作表示器12の操作により入力された入力内容および券売業務統括サーバ21で管理される情報に基づいて顧客の所望する券を発行する発券部19と、を有する。
【0024】
制御部11は、例えば、CPU等の電子デバイスからなり、所定の制御プログラム(例えば、記憶部14に格納されているプログラム)に基づいて、当該自動券売機10が取り扱い可能な種類の券を発行するための処理を実行するもので、自動券売機10の全体の動作を制御する心臓部である。
【0025】
操作表示器12は、利用者の操作性と視認性が良好になる位置に、表示・操作パネルを備えている。この表示・操作パネルは、例えば、大型のタッチパネルディスプレイが用いられ、画面に表示されるボタン画像等の操作エリアに、利用者が指先等で触れると、その接触をタッチパネルが検出し、ボタン操作が行われたものとして所定の信号が出力されるように構成されている。
なお、操作表示器12は、高価なタッチパネルディスプレイを用いずに、タッチパネルの無い表示器を備え、この表示器の画面左右側縁部や上下縁部に近接させて、操作ボタン等を配置しておき、適宜、ボタン操作のガイドを表示器に表示するようにしてもよい。この場合、利用者がボタンを操作したとき、有意を示す信号が、例えば操作表示器12から制御部11へ出力される。
【0026】
受話器13は、操作表示器12の近傍(例えば、左側方)に設けられ、利用者が操作表示器12の画面表示等を見ながら使用することで、利用者の発話(音声データ)を取り込む通話手段である。なお、受話器13に代えて、集音マイク、スピーカ等を通話手段として自動券売機10に備えてもよい。また、上記の通話手段は、周辺の環境ノイズをカットして利用者の発話を取得する手段を加えて構成することが好ましい。
【0027】
記憶部14は、制御部11が発券制御を行うための各種情報やプログラムなどを記憶する機能部である。記憶部14は、例えば、ROM、RAM等の半導体メモリを用いることができる。また、記憶部14は、制御部11の制御に応じて、利用者の操作によって入力される各種情報を一時的に、あるいは、一定期間、記憶保持する機能も有する。
【0028】
通信部15は、システムセンタ2やコールセンタ3等と通信を行う機能部であり、適当な通信プロトコルによって双方向通信を行う事ができるように構成されている。なお、券売業務用ネットワークN1に対応する通信機能に特化した第1通信部と、アシスト業務用ネットワークN2に対応する通信機能に特化した第2通信部とを備えて、自動券売機10を構成しても良い。
【0029】
硬貨部16と紙幣部17は、発券時の支払いを現金で処理するための機能部である。
硬貨部16は、硬貨投入口および硬貨排出口による硬貨の入出金を扱うように構成されている。
紙幣部17は、紙幣挿入口および紙幣受取口による紙幣の入出金を扱うように構成されている。
【0030】
カード処理部18は、発券時の支払いをカードで処理するための機能部である。カード処理部18において代金処理が可能なカードとしては、クレジットカード、プリペイド式ICカード等がある。
カード処理部18は、利用者によって、自動券売機10のカード挿排口に上記の代金処理可能なカードが挿入され、テンキーの操作によって暗証番号等が入力されると、入力された暗証番号等のセキュリティ認証を行い、代金処理が完了すると、カード挿排口からカードを戻すと共に、カード利用の領収書や利用明細等を、切符挿入/受取口から送出するように構成されている。
【0031】
発券部19は、利用者の望む切符等の発券が可能であり、入金処理が完了した後に、券(新幹線指定席券、在来線指定席券、新幹線自由席券、在来線自由席券、幹在乗継指定席券、在幹乗継指定席券、新幹線乗車券単独券、指定のみ券(フリータイプを除く)、乗車変更券など)を発行する機能部である。
なお、発券部19が行う発券とは、印刷面に日本語あるいは英語による表記を可視情報として印刷し、磁気面に磁気データを記録した券片を切符挿入/受取口から排出することである。このとき、領収書等も併せて出力する場合もある。
【0032】
本実施形態の自動券売システム100に備えられる自動券売機10は、利用者が自ら操作することにより、また、コールセンタ3のオペレータのアシストを受けることにより、切符等を購入することができるだけでなく、システムセンタ2のAIサーバ23が有するAI自動応対機能を用いて切符等を購入することができる。
【0033】
AIサーバ23は、AI自動応対機能を実施するための音声認識機能や意図理解機能等を有するAI制御部23aを備えている。
また、AIサーバ23は、他のサーバ(例えば、券売業務統括サーバ21)とデータ等の送受信を行う入出力部、アシスト業務用ネットワークN2を介して他の装置(例えば、自動券売機10)等と通信を行うAI通信部等を備えて構成されている。
【0034】
AI制御部23aは、例えば、複数のコアが連携して並列処理を行うプロセッサ等の電子デバイスと、上記のプロセッサ等の処理動作等を司るソフトウェアプログラムを記憶(格納)するAI記憶部等とを備えたユニットによって構成されている。
上記のソフトウェアプログラムは、例えば、ルールベース機構や機械学習機能等のAI機能モジュール等であり、AI記憶部は、上記のAI機能モジュール(ソフトウェアプログラム)や、当該AI機能モジュールで用いるデータベース等を格納している。
【0035】
AI制御部23aの音声認識機能は、利用者が発話した音声を認識し、言語に変換する機能である。
なお、音声認識機能を実現するユニットには種々の既製品があり、自動券売システム100に適した音声認識が可能なように、駅名や鉄道用語などの認識率を向上させるチューニングが施されたものを用いて、AI制御部23aを構成することが好ましい。
なお、AI制御部23aが認識する音声は日本語に限定されず、さらに他言語に対応する音声認識機能をAI制御部23aに備えても良い。
【0036】
AI制御部23aの意図理解機能は、音声認識の結果に基づいて利用者が発話した内容の意図を理解する機能である。
具体的には、意図理解の結果と現在の接客状況から、次に実施すべき接客動作(案内の内容)を判断し、利用者への案内画面の表示や更新、券売業務統括サーバ21への問い合わせ等を行う。
なお、AI制御部23aに用いられるAIモデルは、自動学習型モデルでも学習済みモデルでも良い。
【0037】
AI制御部23aは、AI自動応対機能(音声認識機能、意図理解機能等)を実現するため、音声認識手段、駅名判定手段、ガイド表示手段等を有する。
AI制御部23aの音声認識手段は、自動券売機10の通話手段(受話器13)を介して取得した音声から利用者の発話(音声)を認識して、言語テキストデータに変換する機能を有する。
AI制御部23aの駅名判定手段は、音声認識手段が、文字起こし、および、形態素解析を行うことによって抽出した名称が、駅として存在するか否かを、券売業務統括サーバ21が管理する駅データベース21aを参照して判定する機能を有する。
【0038】
AI制御部23aのガイド表示手段は、自動券売機10が所定の画面を表示すると、所定のAI発話を自動券売機10に実行させる機能を有する。
また、ガイド表示手段は、利用者がどのように発話して良いのか迷ってしまい、自動券売機10の受話器13に音声入力がなかった場合、例えば、所定の時間を超えて音声入力がなかった場合に、自動券売機10の操作表示器12にガイド表示を実行させる機能を有する。
【0039】
次に、AI自動応対機能による券売動作の一例(一部分)を説明する。
図3および図4は、自動券売システム100のAI自動応対機能による動作を示す説明図である。
図3および図4は、AI自動応対機能による券売動作のうち、音声入力によって発着駅を設定する動作処理の過程を示している。
【0040】
利用者が、乗車券等を入手するために自動券売機10を操作すると、自動券売システム100のAIアシスト(AI自動応対機能)が開始される(S10)。利用者が、自動券売機10の受話器13から、切符の購入に必要な事項として、例えば「オオサカカラトウキョウマデイキタイ」という発話音声を入力すると(S11)、制御部11が、その発話音声を所定様式の音声データに変換し、当該音声データが自動券売機10の通信部15によってAIサーバ23へ送信される。
AIサーバ23は、上記の音声データを取得すると、AI制御部23aが音声認識機能を稼働させて、例えば、当該音声データを漢字仮名交じり文の言語テキストデータに変換する(S20)。
【0041】
ここでは、例えば音声データのうち「トウキョウ」の部分を認識することができず、「大阪から抗まで行きたい」という言語テキストデータに変換した場合を説明する。
なお、受話器13に「オオサカカラコウマデイキタイ」と音声入力された場合でも、自動券売システム100は、次に説明するように動作する。
【0042】
AI制御部23aは、上記の言語テキストデータの形態素解析を行うことにより(S21)、発駅として「大阪」を抽出する(S22)。この抽出名称「大阪」に該当する駅名が存在するか否かを、券売業務統括サーバ21の駅データベース21aを参照して確認する(S23)。存在することを確認した場合には、「大阪」を発駅として自動券売機10に送信する。
自動券売機10の操作表示器12は、発駅として(認識された発話の内容として)、「大阪」駅を表示する(S12)。
【0043】
また、AI制御部23aは、言語テキストデータの形態素解析において、「抗」を着駅として抽出する(S24)。
AI制御部23aは、抽出名称「抗」に該当する駅名が存在するか否かを、駅データベース21aを参照して確認する(S25)。
AI制御部23aは、駅データベース21aを参照して、合致する駅が無いと判断した場合、後述するガイド処理を実行し(S26)、自動券売機10にガイド表示等を行わせて、利用者に着駅を示す発話音声の入力を促す。
【0044】
自動券売機10は、上記のガイド表示等を行った後、この表示を見た利用者が受話器13を用いて「トウキョウマデイキタイ」と音声を入力すると(S13)、通信部15がAIサーバ23に、上記入力音声の音声データを送信する。
AIサーバ23のAI制御部23aは、この音声データを取得すると、音声認識手段が、当該音声データを言語テキストデータ「東京まで行きたい」に変換する(S27)。
音声認識手段は、この言語テキストデータの形態素解析を行うことにより(S28)、着駅として「東京」を抽出する(S29)。
【0045】
AI制御部23aは、上記の抽出名称「東京」に該当する駅名が存在するか否かを、券売業務統括サーバ21の駅データベース21aを参照して確認する(S30)。存在することを確認した場合には、「東京」を着駅と認識して自動券売機10に送信する。
自動券売機10の操作表示器12には、着駅として(認識された発話の内容として)、「東京」が表示される(S14)。
【0046】
なお、過程S20において、「大阪から東京まで行きたい」と正確に音声認識が行われた場合、過程S24においては、着駅として「東京」が抽出される。そのため、当該過程S24は、過程S29と同等なものになる。上記のように正確に音声認識が行われた場合には、過程S26、過程S13、過程S27、過程S28の実行が省略され、過程S24(過程S29)に続いて、過程S14、過程S30が実行される。
また、券売処理に必要な音声入力(切符の購入に必要な事項)、例えば、出発日時、人数、おとな、または、こどもの選択等の入力が発話音声によって行われ、入力された発話音声が正確に認識することができた場合には、認識した入力内容を操作表示器12に表示する。
【0047】
次にガイド表示に関する動作を説明する。
図5および図6は、自動券売機10の操作表示器12に表示させる画面D1を示す説明図である。画面D1は、利用者に見せる切符販売に関する画面の一例であり、「切符のご希望/ご用件」を入力する画面である。具体的には、画面D1は、利用者に、出発駅、到着駅、出発日時、利用者の人数、おとな/こどもの選択等を行わせるための画面(切符の購入に必要な事項を、発話によって入力させるための画面の一例)である。なお、画面D1に、利用者の指接触を検知して、所定項目の入力・設定を行わせる押ボタン等のスイッチを設けることも可能である。
図7は、AIサーバ23が音声入力を案内する場合の動作を示す説明図である。この図7は、利用者が、自動券売機10に、切符の販売に関する発話(音声)を入力し、この発話を変換した音声データについて、AIサーバ23(AI制御部23a)が行う動作を示すフローチャートである。
【0048】
自動券売機10は、利用者が発話(音声)入力によって当該自動券売機10を操作する場合には、例えば、図5図6に示す画面D1を操作表示器12に表示する(S100)。
前述の過程S11において、まだ受話器13を用いた発話入力が行われていない場合には、出発駅の欄に駅名の表示が行われず、例えば、出発駅の欄に“「〇〇駅から」とお話ください”という話し方ガイドが表示される。
【0049】
なお、過程S100において表示する画面は、上記の「切符のご希望/ご用件」に関する画面に限定されず、例えば、普通列車、グリーン車等の指定を行う「列車のご利用条件」に関する画面でもよい。即ち、自動券売機10において音声入力で指定等を行う(切符の販売に関する)画面であれば、どのような画面でもよい。
【0050】
また、図5図6に例示した画面D1は、前述の過程S12において、出発駅の欄に「大阪」が表示され、さらに、前述の過程S24、過程S25において、到着駅の駅名を認識することができず、到着駅の欄に“「〇〇駅まで」とお話しください”という話し方ガイドが表示されている。
【0051】
AIサーバ23のAI制御部23aは、過程S100において、発話が開始していないために未入力となっている欄、また、入力内容が認識できなかった欄に、上記のような話し方ガイドを表示させる。
【0052】
過程S100において画面表示が行われると、当該画面を見た利用者が、受話器13を用いて切符購入に関する発話(音声)入力を開始する(S101)。
利用者が発話を終了すると(S102)、即ち、AIサーバ23が、自動券売機10から、利用者の発話を示す音声データを取得すると、AI制御部23aは、音声認識手段を用いて、利用者の発話音声の文字起こし(音声データを言語テキストデータに変換する処理等)を行う(S103)。また、過程S103の文字起こしが成功したか否かを判定する(S104)。
【0053】
過程S104において、文字起こしが成功したと判定した場合、当該文字起こしによって得られた言語テキストデータの解析(発話音声の意図を理解するための解析)を行う(S105)。ここでは、言語テキストデータから、名称、助詞等を抽出して、例えば、出発駅や到着駅の名称は何か、券を購入する人数は何人か等を認識するための解析を行う。
次に、過程S105において行った解析が成功したか否かを判定する(S106)。ここでは、例えば、言語テキストデータから抽出した駅名が存在するか否か等を判定する。
【0054】
過程S106において、解析が成功したと判定した場合、後述する非同期処理ASにおいて起動させたタイマーを解除する(S107)。なお、ここでは、過程S106を実行している時に、タイマーが稼働している場合のみ、当該タイマーを解除する。
即ち、AI制御部23aは、前述の画面(過程S100において表示した、切符の販売に必要な事項を発話によって入力させるための画面)が表示されているときに入力された発話を解析し、当該発話の内容を認識する。
【0055】
次に、現在表示されている画面において、例えば、未入力になっている欄、また、入力内容が認識できなかった欄があるか否か、即ち、次画面に遷移するか否かを判定する(S108)。
過程S108において、例えば、現在表示している画面において、全ての欄に入力が行われ、次画面遷移があると判定した場合は、当該次画面を自動券売機10に表示させる。
【0056】
AI制御部23aは、過程S100において、例えば、画面D1が表示されると、過程S101~S106の一連の処理を実行する。また、これらの処理過程とは非同期で非同期処理ASを実行する。
即ち、AI制御部23aは、過程S100において画面D1等が表示されると、過程S101~S106の進行状況等によらず、非同期処理ASを開始し、例えば所定時間が経過すると、図6に示したガイド表示G1を自動券売機10に表示させる。
このとき、AI制御部23aは、ガイド表示G1を、例えば、画面D1の左端側から中央側に移動させて(スライドインさせて)、当該画面D1の左端側に重ねるように表示させる。
【0057】
AI制御部23aは、上記のように過程S100において画面表示を行うと、非同期処理ASを開始し、利用者に対して所定内容のAI発話を開始する(S201)。AI発話は、例えば、「いらっしゃいませ。どちらまで行かれますか。」といった、利用者に音声入力(発話)を促す内容の音声案内である。AI制御部23aは、好ましくは、過程S101において利用者が発話を開始する前に、AI発話を自動券売機10のスピーカから出力させる。
ここで、非同期処理ASは、過程S101、および、過程S101以降の各過程(画面表示を行った後に行う、発話に関する各処理)とは非同期で実行される。
即ち、AI制御部23aは、利用者が入力した発話処理を行いながら、AI発話、タイマー起動を行う(カウントを開始する)ことが可能である。なお、AI制御部23aは、利用者の発話入力の有無によらず、AI発話、タイマー起動を実行する。
換言すると、自動券売機10からAI発話が音声出力されているときに、利用者が発話入力を行うことができる。
【0058】
AI発話が終了すると(S202)、例えば、AI制御部23aのガイド表示手段は、当該ガイド表示手段に備えるタイマーをセットし(S203)、タイムカウントを起動させる。AI制御部23aは、過程S203のタイマーセットまでの処理を、非同期処理ASとして実行する。
即ち、AI制御部23aは、過程S100において画面D1が表示されたとき、所定のAI発話を行い、AI発話の終了後、タイマーを起動させて所定時間のカウントを開始する。
【0059】
ガイド表示手段(AI制御部23a)は、前述の所定時間が経過すると、前述の過程S101~S106のうち、どの過程を実行している場合でも、ガイド表示G1を画面D1に表示させる(S204)。ガイド表示手段は、過程S204の実行によって、自動券売機10にガイド表示G1を表示させると、タイマーを解除する(S205)。
即ち、ガイド表示手段は、発話の解析が終了する前に、AI発話の出力が終了してタイマーが所定のカウント時間に達したときには、ガイド表示G1を表示させる。
【0060】
ここで、利用者が、どのように発話するか迷った場合、長い時間、発話を開始しない場合が多い。
このことから、上記のように非同期処理ASを実行すると、利用者が、過程S101において、どのように発話入力を行うか迷っている間に、ガイド表示G1を表示することが可能になる。
ガイド表示手段は、例えば、画面D1(切符の販売に必要な事項を発話によって入力させる画面)を表示しているときに、利用者が発話を入力しない場合(どのように発話するか迷っている場合)には、ガイド表示G1を表示する。具体的には、例えば、画面D1を表示し、その後、AI発話の時間(過程S201から過程S202までを実行する時間)が含まれている所定時間が経過するまでの期間に、発話が入力されなかった場合にはガイド表示G1を表示する。
【0061】
タイマーのカウント時間は、例えば、10秒の時間長さを有する。また上記の所定時間は、AI発話の時間とタイマーのカウント時間とを合計した時間長さを有する。この所定時間は、利用者が、切符の販売に関する発話、例えば、出発駅、到着駅などを含む発話に要する時間よりも長い時間になる。
即ち、ガイド表示手段は、利用者の発話入力を行っている期間(発話の最中)に重なることを抑制するように、操作表示器12が画面D1を表示してから所定時間が経過した後、ガイド表示G1の表示を開始させる。
【0062】
AI制御部23aは、前述の過程S104において、発話音声の文字起こしに失敗したと判定した場合には、過程S101に戻って利用者に発話開始を実行させ(再び音声入力を実行させ)、以降の各過程を実行する。なお、文字起こしに失敗して過程S101に戻った場合、文字起こしに失敗した画面D1の欄には、音声入力を促す(例えば前述の話し方ガイド)を表示する。
このように過程S101に戻ると、新たに非同期処理ASが実行され、過程S201~S205が順次実行される。
【0063】
AI制御部23aが、このように動作することにより、文字起こしができなかったために再度音声入力を行わせる場合においても、先回の音声入力時と同様に、今回の音声入力に対応させて、適宜、ガイド表示G1を表示することが可能になる。
また、文字起こしに失敗した後、利用者にガイド表示G1を見せると、AI制御部23aが文字起こしを失敗し易い(文字起こしができない)話し方を、利用者が繰り返すことを防ぐことが可能になる。
【0064】
また、AI制御部23aのガイド表示手段は、まだガイド表示G1が表示されていない場合において、AI制御部23aが、前述の過程S106で発話音声の意図を理解する解析に失敗した(解析ができなかった)と判定した場合には、当該過程S106に続いて過程S204(および過程S205)を実行し、ガイド表示G1を表示させる。
このようにガイド表示G1を表示すると、利用者が再度音声入力を行う場合に、音声の(意図理解)解析が困難な話し方を繰り返すことを防ぐことが可能になる。
【0065】
また、AI制御部23aは、前述の過程S108において、次画面遷移を行わないと判定した場合には、過程S101に戻って利用者に発話開始を実行させ、例えば、未入力となって残っている欄に音声入力を実行させ、以降の各過程を実行する。
なお、上記のように過程S101に戻った場合、画面D1の未入力欄には、音声入力を促す(例えば前述の話し方ガイド)が表示されている。
このように過程S101に戻ると、新たに非同期処理ASが実行され、過程S201~S205が順次実行される。
AI制御部23aが、このように動作することにより、残りの未入力欄について音声入力を行わせる場合においても、先回の音声入力時と同様に、今回の音声入力に対応させて、適宜、ガイド表示G1を表示することが可能になる。
【0066】
ここで、ガイド表示G1に表記する内容は、例えば、発話(音声)の内容を正確に認識することができる具体的な文言(発話例)である。ガイド表示G1を表示している期間においては、例えば、この発話例を固定表示する。
また、ガイド表示G1には、例えば、過程S100で表示する画面毎に対応させた発話例が記載されている。換言すると、AI制御部23aは、自動券売機10の表示画面が、これまでと異なる画面に遷移すると、この遷移した画面に対応する、これまでと異なる発話例を記載したガイド表示G1を、遷移した画面に重ねて表示させる。
なお、AI制御部23aは、過程S100において同一の画面を表示している時には、当該画面内の欄の入力状態が変化しても、同じ発話例を記載したガイド表示G1を表示させる。
【0067】
また、AI制御部23aは、過程S100において画面表示を行い、例えば、利用者が、この画面に含まれているボタンを押下すると(S301)、当該押下されたボタンに対応する処理を行う。
このとき、AI制御部23aは、過程S100において画面を表示した後、非同期処理ASを実行している。
AI制御部23aは、上記過程S301のボタン押下を認識すると、非同期処理ASにおいて起動させたタイマーを解除し(S107)、ボタン押下が行われたときには、ガイド表示を行わない。
【0068】
以上のように、本実施形態によれば、利用者が、切符を購入するとき、どのように発話すればよいのか迷っているとき、自動券売システムが正確に認識することができる発話(音声)を案内するガイド表示を、自動券売機に表示することができ、利用者がオペレータに連絡をとらなくても、音声入力によって切符を購入することが可能になる。
また、発話(音声)の内容の解析に失敗したとき、ガイド表示を行うようにしたので、利用者が、解析することができない発話(音声)を繰り返し入力することを防ぐことができる。
また、ガイド表示を、切符の購入に必要な事項を発話によって入力させる画面に重ねて表示するようにしたので、利用者に、発話(音声)入力の案内を気付かせることができる。
【0069】
上記のように本発明に係る自動券売システムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
【符号の説明】
【0070】
1 駅
10 自動券売機
11 制御部
12 操作表示器
13 受話器
14 記憶部
15 通信部
16 硬貨部
17 紙幣部
18 カード処理部
19 発券部
2 システムセンタ
21 券売業務統括サーバ
21a 駅データベース
22 コールセンタサーバ
23 AIサーバ
23a AI制御部
3 コールセンタ
31 音声・映像端末
32 予約・発券端末
100 自動券売システム
N1 発券業務用ネットワーク
N2 アシスト業務用ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7