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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132227
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/30 20060101AFI20240920BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20240920BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F11/30 158
G06F11/30 140D
G01H17/00 Z
B41J29/38 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042928
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川畑 龍星
(72)【発明者】
【氏名】三樹 正義
【テーマコード(参考)】
2C061
2G064
5B042
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AR01
2C061AR03
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HK23
2C061HN08
2C061HN15
2C061HN22
2C061HV01
2C061HV21
2C061HV31
2C061HV60
2G064AA01
2G064AA11
2G064AB13
2G064BA02
2G064BD02
2G064DD02
5B042MA08
5B042MA18
5B042MC38
(57)【要約】
【課題】監視対象の装置において収集された音情報を設定された送信先に送信する際に、監視対象の装置において原因の異なる複数の異音が発生している場合に、同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐ。
【解決手段】動作音収集部34は、画像形成装置10において発生した動作音等の音情報を収集する。制御部37は、収集された音情報を、その音情報の特徴情報とともにデータ記憶部39に記憶する。制御部37は、収集された音情報を管理サーバ20に送信した際に、送信した音情報に関する特徴情報をデータ記憶部39に記憶しておく。制御部37は、データ記憶部39に記憶された音情報の中からいずれかの音情報を選択して管理サーバ20に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間内に管理サーバ20に送信した音情報の特徴情報と同じ特徴情報の音情報については選択せずに他の音情報を選択して管理サーバ20に送信する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
監視対象装置において発生した音情報を収集し、
収集した音情報を当該音情報の特徴情報とともに記憶し、
収集した音情報を設定された外部装置に送信した際に、前記外部装置に送信した音情報に関する特徴情報を記憶し、
記憶された音情報の中からいずれかの音情報を選択して前記外部装置に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間内に前記外部装置に送信した音情報の特徴情報と同じ特徴情報の音情報については選択せずに他の音情報を選択して前記外部装置に送信する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
収集した音情報を正常時の音情報と比較することにより、収集した音情報に異音が含まれるか否かを判定し、
異音が含まれると判定した音情報のみを当該音情報の特徴情報とともに記憶する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記特徴情報が、音情報に含まれる異音の種類の情報である請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
音情報に含まれる異音の種類が、突発的な異音、周期的に発生する異音、及び、連続的な異音のうち少なくとも2つにより構成される請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記特徴情報が、音情報を収集した際の監視対象装置の動作内容に関する情報である請求項1記載の情報処理システム。
【請求項6】
音情報を収集した際の監視対象装置の動作内容に関する情報が、音情報を収集した際に動作している装置の種類の情報、使用している部品の情報、動作状態に関する情報のうち少なくとも2つの情報により構成される請求項5記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、収集した音情報のうち、特徴情報が同じ音情報については、音声レベルが最大の音情報のみを記憶する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項8】
監視対象装置において発生した音情報を収集するステップと、
収集した音情報を当該音情報の特徴情報とともに記憶するステップと、
収集した音情報を設定された外部装置に送信した際に、前記外部装置に送信した音情報に関する特徴情報を記憶するステップと、
記憶された音情報の中からいずれかの音情報を選択して前記外部装置に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間内に前記外部装置に送信した音情報の特徴情報と同じ特徴情報の音情報については選択せずに他の音情報を選択して前記外部装置に送信するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、周期的に発生している周波数成分の合計面積が予め設定された値以上の場合、取得された音情報に異音が含まれると判定する診断装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、HDDの動作音をマイクにより集音して記録し、記録した音声データを正常時の動作音と比較して、正常時の動作音と非類似であると判断された場合に、この音声データをサーバに送信するようにした故障診断システムが開示されている。
【0004】
特許文献3には、各部品の故障していない場合の駆動音を正常音として記憶し、異常を検知して採取した異常音との差異によって、故障部品を特定するようにした故障診断システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6840971号公報
【特許文献2】特開2007-265210号公報
【特許文献3】特開2019-116007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オフィスに設置された画像形成装置等の装置において発生する音情報を収集してサーバ等に送信するようなシステムが提案されている。しかし、音情報のデータ量はテキスト情報等と比較して一般的に大きいため、音情報を高い頻度でサーバに送信したのでは、通信回線の輻輳の原因となる可能性がある。そのため、例えば1日に1回程度の予め設定された頻度で最も異音レベルが大きい音情報のみを画像形成装置からサーバに送信するような方法が用いられている。しかし、このような方法を採用した場合、異音の発生原因が複数存在し、原因の異なる複数の異音が発生している場合でも、異音レベルの最も大きな音情報のみが送信され、異音レベルが2番目以降の音情報はサーバに送信されない。
【0007】
本発明の目的は、監視対象の装置において収集された音情報を設定された送信先に送信する際に、監視対象の装置において原因の異なる複数の異音が発生している場合に、同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能な情報処理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様の情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、
監視対象装置において発生した音情報を収集し、
収集した音情報を当該音情報の特徴情報とともに記憶し、
収集した音情報を設定された外部装置に送信した際に、前記外部装置に送信した音情報に関する特徴情報を記憶し、
記憶された音情報の中からいずれかの音情報を選択して前記外部装置に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間内に前記外部装置に送信した音情報の特徴情報と同じ特徴情報の音情報については選択せずに他の音情報を選択して前記外部装置に送信する。
【0009】
第2態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、
収集した音情報を正常時の音情報と比較することにより、収集した音情報に異音が含まれるか否かを判定し、
異音が含まれると判定した音情報のみを当該音情報の特徴情報とともに記憶する。
【0010】
第3態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、
前記特徴情報が、音情報に含まれる異音の種類の情報である。
【0011】
第4態様の情報処理システムは、第3態様の情報処理システムにおいて、
音情報に含まれる異音の種類が、突発的な異音、周期的に発生する異音、及び、連続的な異音のうち少なくとも2つにより構成される。
【0012】
第5態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、
前記特徴情報が、音情報を収集した際の監視対象装置の動作内容に関する情報である。
【0013】
第6態様の情報処理システムは、第5態様の情報処理システムにおいて、
音情報を収集した際の監視対象装置の動作内容に関する情報が、音情報を収集した際に動作している装置の種類の情報、使用している部品の情報、動作状態に関する情報のうち少なくとも2つの情報により構成される。
【0014】
第7態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、収集した音情報のうち、特徴情報が同じ音情報については、音声レベルが最大の音情報のみを記憶する。
【0015】
第8態様のプログラムは、
監視対象装置において発生した音情報を収集するステップと、
収集した音情報を当該音情報の特徴情報とともに記憶するステップと、
収集した音情報を設定された外部装置に送信した際に、前記外部装置に送信した音情報に関する特徴情報を記憶するステップと、
記憶された音情報の中からいずれかの音情報を選択して前記外部装置に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間内に前記外部装置に送信した音情報の特徴情報と同じ特徴情報の音情報については選択せずに他の音情報を選択して前記外部装置に送信するステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様の情報処理システムによれば、監視対象の装置において収集された音情報を設定された送信先に送信する際に、監視対象の装置において原因の異なる複数の異音が発生している場合に、同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0017】
第2態様の情報処理システムによれば、異音が含まれない音情報を外部装置に送信しないようにして外部装置に対する通信量を削減することが可能となる。
【0018】
第3態様の情報処理システムによれば、含まれる異音の種類が同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0019】
第4態様の情報処理システムによれば、含まれる異音の種類が同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0020】
第5態様の情報処理システムによれば、監視対象装置の動作内容が同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0021】
第6態様の情報処理システムによれば、監視対象装置の動作内容が同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0022】
第7態様の情報処理システムによれば、特徴情報が同じ音情報ばかりが記憶されてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0023】
第8態様のプログラムによれば、監視対象の装置において収集された音情報を設定された送信先に送信する際に、監視対象の装置において原因の異なる複数の異音が発生している場合に、同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の一実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本開示の一実施形態における画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
図4】動作音収集部34により収集された音情報の一例を示す図である。
図5】周期的な異音発生時における異音検出例を示す図である。
図6】連続的な異音発生時における異音検出例を示す図である。
図7】突発的な異音発生時における異音検出例を示す図である。
図8】異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持する場合における異音情報保持テーブル例を示す図である。
図9】異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持するようにした場合の異音収集時の画像形成装置10動作を説明するためのフローチャートである。
図10】異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持するようにした場合のサーバ送信時の画像形成装置10動作を説明するためのフローチャートである。
図11】異音レベルが大きい異音情報を3つ保持するようにした場合における異音情報保持テーブル例を示す図である。
図12】異音レベルが大きい異音情報を3つ保持するようにした場合の異音収集時の画像形成装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
図13】異音レベルが大きい異音情報を3つ保持するようにした場合のサーバ送信時の画像形成装置10動作を説明するためのフローチャートである。
図14】異音レベルが大きい3つの異音情報を異音種類とともに保持するようにした場合における異音情報保持テーブル例を示す図である。
図15】異音レベルが大きい3つの異音情報を異音種類とともに保持するようにした場合の異音収集時の画像形成装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
図16】異音レベルが大きい3つの異音情報を異音種類とともに保持するようにした場合のサーバ送信時の画像形成装置10動作を説明するためのフローチャートである。
図17】前回の異音情報の送信時刻に送信された異音情報と異音種類が同じ異音情報が連続して送信されないようする処理の具体例を説明するための図である。
図18】特徴情報として使用した用紙トレイ情報を用いた場合の異音情報保持テーブル例を示す図である。
図19】異音レベルが大きい異音情報をデバイス詳細情報とともに保持するようにした場合の異音情報保持テーブル例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は本開示の一実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。
【0027】
本開示の一実施形態の情報処理システムは、図1に示されるように、インターネット等のネットワーク30により相互に接続された画像形成装置10、および管理サーバ20により構成される。画像形成装置10は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0028】
画像形成装置10は、例えばオフィス、店舗等の様々な場所に設置されて使用される。そして、画像形成装置10に何等かの不具合が発生した場合、CE(Customer Engineer)と呼ばれる保守作業員が画像形成装置10に設置された場所まで出向いて修理を行うことになる。そのため、画像形成装置10に何等かの不具合が発生している場合でも、事前にどのような不具合が発生しているのか、交換すべき部品はどの部品なのか等の情報を事前に入手できれば保守作業が容易になる。
【0029】
そこで、本実施形態の画像形成装置10は、印刷ジョブ、コピージョブ等の各種ジョブを実行した際にその動作音を音情報として収集し、収集した音情報に異常音(以降、異音と略す。)が含まれている場合、収集した音情報を異音情報として管理サーバ20に送信する。
【0030】
このように異音情報が管理サーバ20に送信されることにより、送信されてきた異音情報を解析して不具合の要因を推定して、交換部品の用意、修理方法の事前調査等の様々な対応をとることができる。
【0031】
ただし、音情報のデータ量はテキスト情報等と比較して一般的に大きいため、音情報を高い頻度で画像形成装置10から管理サーバ20に送信したのでは、通信回線の輻輳の原因となる可能性がある。そのため、例えば1日に1回程度の予め設定された頻度で最も異音レベルが大きい音情報のみを画像形成装置10から管理サーバ20に送信するような方法が用いられている。
【0032】
例えば、以下の説明では、異音情報の送信時刻として0:00が設定されており、毎日この異音情報の送信時刻になると1つの異音データが画像形成装置10から管理サーバ20に送信されるような設定となっているものとして説明する。なお、異音情報の送信時刻、異音情報の送信頻度、送信する異音データの個数等はこのような場合に限定されるものではない。
【0033】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を図2に示す。
【0034】
画像形成装置10は、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置15、スキャンユニット16、画像形成ユニット17、マイク18を有する。これらの構成要素は、制御バス19を介して互いに接続されている。
【0035】
画像形成ユニット17は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0036】
CPU11は、メモリ12又は記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12又は記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信インタフェース14に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0037】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0038】
本実施形態の画像形成装置10は、図3に示されるように、操作入力部32と、表示部33と、動作音収集部34と、異音検出部35と、データ送受信部36と、制御部37と、画像読取部38と、データ記憶部39と、画像出力部40とを備えている。
【0039】
操作入力部32は、ユーザにより行われた各種操作情報を入力する。表示部33は、制御部37により制御され、ユーザに各種情報を表示する。データ送受信部36は、管理サーバ20等の外部の装置との間でデータの送受信を行う。
【0040】
制御部37は、操作入力部32により入力されたユーザの指示等に基づいて、画像読取部38及び画像出力部40を制御して、印刷ジョブ、コピージョブ等の各種ジョブを実行する。データ記憶部39は、制御部37により生成された印刷データ等の各種データを記憶する。
【0041】
画像出力部40は、制御部37による制御に基づいて、印刷用紙等の記録媒体上に画像を出力する。画像読取部38は、制御部37による制御に基づいて、セットされた原稿から原稿画像を読み取る。
【0042】
動作音収集部34は、監視対象装置である画像形成装置10において発生した動作音等の音情報を収集する。具体的には、動作音収集部34は、画像形成装置10が印刷ジョブ等を実行する際の動作音を録音して、動作音を音情報のデータとして収集する。
【0043】
この動作音収集部34により収集された音情報の一例を図4に示す。図4に示した音情報では、縦軸が振幅となっていて、横軸が時間となっている。つまり、図4に示した音情報は時間経過による振幅の変化を表したものとなっている。
【0044】
制御部37は、動作音収集部34により収集された音情報を、その音情報の特徴情報とともにデータ記憶部39に記憶する。
【0045】
本実施形態のデータ記憶部39には、各種部品等に異常がなく正常に動作している場合の音情報が、正常時の音情報として格納されている。そして、異音検出部35は、動作音収集部34により収集された音情報を正常時の音情報と比較することにより、収集した音情報に異音が含まれるか否かを判定する。
【0046】
この異音検出部35による異音検出の具体例を図5図7に示す。
【0047】
まず、周期的な異音発生時における異音検出例を図5に示す。図5を参照すると、異音検出部35が、予め格納されていた正常音と収集した音とを比較して、その差分を抽出することにより周期的な異音部分を検出する様子が示されている。異音検出部35がこのように収集した音情報のうちどの部分が異音部分であるかを検出することにより、図5では、収集した音情報に含まれる異音が周期的な異音であると判定することができる。
【0048】
また、連続的な異音発生時における異音検出例を図6に示す。図6を参照すると、異音検出部35が、予め格納されていた正常音と収集した音とを比較して、その差分を抽出することにより連続的な異音部分を検出する様子が示されている。
【0049】
さらに、突発的な異音発生時における異音検出例を図7に示す。図7を参照すると、異音検出部35が、予め格納されていた正常音と収集した音とを比較して、その差分を抽出することにより突発的な異音部分を検出する様子が示されている。
【0050】
制御部37は、異音検出部35により異音が含まれると判定された音情報のみを、その音情報の特徴情報とともにデータ記憶部39に記憶する。
【0051】
そして、制御部37は、動作音収集部34により収集された音情報を、設定された外部装置である管理サーバ20に送信した際に、管理サーバ20に送信した音情報に関する特徴情報をデータ記憶部39に記憶しておく。そして、制御部37は、データ記憶部39に記憶された音情報の中からいずれかの音情報を選択して管理サーバ20に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間内に管理サーバ20に送信した音情報の特徴情報と同じ特徴情報の音情報については選択せずに他の音情報を選択して管理サーバ20に送信する。
【0052】
ここで、音情報の特徴情報とは、例えば、音情報に含まれる異音の種類の情報である。音情報に含まれる異音の種類とは、具体的には、突発的な異音、周期的に発生する異音、及び、連続的(又は定常的)な異音のうち少なくとも2つにより構成される。
【0053】
さらに、音情報の特徴情報は、例えば、音情報を収集した際の監視対象装置である画像形成装置10の動作内容に関する情報であってもよい。音情報を収集した際の画像形成装置10の動作内容に関する情報とは、例えば、音情報を収集した際に動作している装置の種類の情報、使用している部品の情報、動作状態に関する情報のうち少なくとも2つの情報により構成される。
【0054】
ここで、音情報を収集した際に動作している装置の種類の情報とは、具体的には、音情報を収集した際に、画像出力部40が動作していたのか、画像読取部38が動作していたのか、又は、複数ある用紙トレイのうちどの用紙トレイが動作していたのか等の情報である。
【0055】
また、使用している部品の情報とは、具体的には、動作音が収集された際に使用された部品がどの部品であるのかを示す情報である。さらに、動作状態に関する情報とは、動作音が収集された際に実行されたジョブが印刷ジョブの場合には、両面印刷が行われていたのか又は片面印刷が行われていたのかという情報、カラー印刷が行われていたのか白黒印刷が行われていたのか等の動作状態が分かるような情報である。
【0056】
なお、本実施形態では、異音検出部35が画像形成装置10内に設けられている場合について説明するが、画像形成装置10内に異音検出部35が設けられておらず、管理サーバ20側において動作音等の音情報に異音が含まれているか否かを判定するようにしてもよい。このように異音検出部35が画像形成装置10内に設けられていない場合であっても、特徴情報として、異音種類に関する情報を、収集した音情報とともに記憶する場合には、動作音収集部34により収集された音情報の異音種類を判定する機能は画像形成装置10内に必要となる。
【0057】
なお、動作音収集部34により収集された複数の音情報をデータ記憶部39に格納する場合でも、制御部37は、収集した音情報のうち、特徴情報が同じ音情報については、音声レベルが最大の音情報のみを記憶するようにする。
【0058】
次に、本実施形態の画像形成装置10における動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
[異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持する場合]
【0060】
まず、本実施形態の画像形成装置10の動作について説明する前に、参考例として異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持するようにした場合の動作について図8図10を参照して説明する。
【0061】
異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持する場合における異音情報保持テーブル例を図8に示す。
【0062】
異音情報保持テーブルは、データ記憶部39内に記憶されている異音データの一覧リストである。図8に示された異音情報保持テーブルでは、異音情報が1つだけ登録されており、この異音情報に関する異音レベル、発生日時、異音データ名が対応付けられている。ここで、異音レベルとは、値が大きいほど大きな音であることを示す指標である。この異音レベルとしては、取得した異音データの振幅値、又は、取得した音圧レベル[db]等の音の大きさを示す様々な値を指標として使用することが可能である。
【0063】
次に、異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持するようにした場合の異音収集時の動作を本実施形態の画像形成装置10に適用したものとして説明する。この場合の動作を図9のフローチャートに示す。
【0064】
図9のフローチャートでは、印刷ジョブを実行する場合について説明するが、スキャンジョブ、コピージョブ等の他のジョブを実行する場合でも同様である。
【0065】
まず、ステップS101において、印刷ジョブが開始されると、制御部37は、ステップS102において、動作音収集部34を制御して動作音の収集を開始する。そのため、ステップS103において印刷ジョブ実行中の動作音の録音が行われる。
【0066】
ステップS104において印刷ジョブが終了したと判定された場合、制御部37は、ステップS105において動作音の収集を終了するように動作音収集部34を制御する。そのため、ステップS103における動作音の録音は、ステップS104において印刷ジョブが終了したと判定されるまで継続される。
【0067】
次に、制御部37は、ステップS106において、収集した音情報が異音であるか否かを判定する。具体的には、制御部37は、異音検出部35に対して、動作音収集部34により収集された音情報の異音検出を行うよう指示を行う。そして、制御部37は、異音検出部35による異音検出結果を参照して、収集された音情報が異音であるのか正常音であるのかを判定する。
【0068】
ステップS106において、収集された音情報は異音ではないと判定した場合、制御部37は、ステップS107において、収集した音情報を廃棄して処理を終了する。
【0069】
ステップS106において、収集された音情報は異音であると判定した場合、制御部37は、その音情報は異音情報であると判定して、ステップS108において、異音情報の異音レベルが最大であるか否かを判定する。ここで、異音情報の異音レベルが最大であるか否かを判定するとは、具体的には、図8に示した異音情報保持テーブルに保持されている異音情報の異音レベルよりも、収集した異音情報の異音レベルの方が大きいか否かを判定することを意味する。
【0070】
ステップS108において、収集された音情報の異音レベルが最大ではないと判定した場合、制御部37は、ステップS107において、収集した音情報を廃棄して処理を終了する。
【0071】
そして、ステップS108において、収集された音情報の異音レベルが最大であると判定した場合、制御部37は、ステップS109において、収集した音情報を異音情報としてデータ記憶部39に記憶し、異音情報保持テーブルに保持されている異音情報を更新して処理を終了する。
【0072】
上記のような処理が行われることにより、異音情報の送信頻度が1日1回の場合、その日に発生した異音のうち異音レベルが最大の異音のみが異音情報として保持されることになる。
【0073】
次に、異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持するようにした場合のサーバ送信時の動作を図10のフローチャートに示す。
【0074】
制御部37は、ステップS201において、異音情報の送信時刻が到来したと判定した場合、ステップS202において、異音情報保持テーブルを参照することにより異音情報が記憶されているか否かを判定する。
【0075】
ステップS202において、異音情報が記憶されていないと判定した場合、制御部37は、異音情報を送信することなくステップS201の処理に戻る。
【0076】
ステップS202において、異音情報が記憶されていると判定した場合、制御部37は、ステップS203において、記憶されている異音情報に該当する異音データをデータ記憶部39から読み出してデータ送受信部36経由にて管理サーバ20に送信する。
【0077】
そして、制御部37は、ステップS204において送信した異音情報を異音情報保持テーブルから削除して、ステップS201の処理に戻る。
【0078】
上記のような処理が行われることにより、異音情報の送信頻度が1日1回の場合、その日に発生した異音のうち異音レベルが最大の異音情報が管理サーバ20に送信されることになる。
【0079】
しかし、このように異音レベルが最大の異音情報を1つだけ保持するようにした場合、異なる2つの部品に不具合が発生して、異なる2つの異音が発生しているような状態であっても、異音レベルの大きな一方の異音情報のみしか管理サーバ20に送信されない可能性がある。つまり、原因の異なる2つの異音が毎日発生しているような場合には、異音レベルの小さい他方の異音情報は異音情報保持テーブルに保持されることなく管理サーバ20に送信されないことになる。
【0080】
その結果、管理サーバ20に送信されてくる異音情報を解析したとしても、異音レベルが小さい他方の異音の発生原因を把握することができず、保守作業員は画像形成装置10が設置されている場所に行って初めて2つの異なる不具合が発生していることを知ることになってしまう。
【0081】
[異音レベルが大きい異音情報を3つ保持する場合]
【0082】
そこで、異音情報保持テーブルに保持される異音情報を3つとして、ある1日内において3つの異音が発生したとしても、異音レベルが最大の異音情報だけでなく、2番目、3番目の異音情報も送信されるようにした場合について説明する。
【0083】
異音情報保持テーブルに保持される異音情報を3つとした場合の画像形成装置10の動作について図11図13を参照して説明する。
【0084】
異音レベルが大きい異音情報を3つ保持するようにした場合における異音情報保持テーブル例を図11に示す。
【0085】
図11に示された異音情報保持テーブルでは、異音レベルが100の異音情報だけでなく、異音レベルが86、75の異音情報も保持されているのが分かる。
【0086】
次に、異音レベルが大きい異音情報を3つ保持するようにした場合の異音収集時の画像形成装置10の動作を図12のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
なお、図12のフローチャートにおいて、図9のフローチャートにおけるステップS101~S105の処理については同じ処理であるため省略する。また、図12のフローチャートにおけるステップS106、S107の処理は、図9のフローチャートにおけるステップS106、S107の処理と同じである。
【0088】
ステップS106において、収集された音情報は異音であると判定した場合、制御部37は、その音情報は異音情報であると判定して、ステップS301において、異音情報保持テーブルに空きがあるか否かを判定する。
【0089】
ステップS301において、異音情報保持テーブルに空きがあると判定した場合、制御部37は、ステップS302において、収集した音情報を異音情報として異音情報保持テーブルに記憶する。
【0090】
ステップS301において、異音情報保持テーブルに空きがない、つまり既に3つの異音情報が保持されていると判定した場合、制御部37は、ステップS303において、収集した異音情報の異音レベルは、保持されている3つの異音情報のうちの最低の異音レベルよりも大きいか否かを判定する。
【0091】
ステップS303において、収集した異音情報の異音レベルが、保持されている3つの異音情報のうちの最低の異音レベルよりも小さいと判定した場合、制御部37は、ステップS107において、収集した音情報を廃棄して処理を終了する。
【0092】
ステップS303において、収集した異音情報の異音レベルが、保持されている3つの異音情報のうちの最低の異音レベルよりも大きいと判定した場合、制御部37は、ステップS304において、異音レベルが最小の異音情報を異音情報保持テーブルから削除して、収集した音情報を異音情報として記憶することにより、異音情報保持テーブルを更新する。
【0093】
次に、異音レベルが大きい異音情報を3つ保持するようにした場合のサーバ送信時の動作を図13のフローチャートに示す。
【0094】
なお、図13のフローチャートにおけるステップS201、S202、S204の処理は、図10のフローチャートにおけるステップS201、S202、S204の処理と同じであるため、その説明は省略する。
【0095】
ステップS202において、異音情報が記憶されていると判定した場合、制御部37は、ステップS401において、記憶されている異音情報のうち最も異音レベルが大きい異音情報に該当する異音データをデータ記憶部39から読み出してデータ送受信部36経由にて管理サーバ20に送信する。
【0096】
そして、制御部37は、ステップS204において送信した異音情報を異音情報保持テーブルから削除して、ステップS201の処理に戻る。
【0097】
上記のような処理が行われることにより、異音情報の送信頻度が1日1回の場合であって、ある1日に2つ以上の異音情報が収集された場合であっても、異音レベルが2番目の異音情報の異音レベルを超えるような異音情報が次の日に収集されない限り、異音レベルが2番目の異音情報が次の日の異音情報の送信時刻には管理サーバ20に送信されることになる。
【0098】
ただし、このように3つの異音情報を異音情報保持テーブルに保持するようにしたとしても、次の日にも前の日に管理サーバ20に送信した異音情報と同じような異音レベルの異音情報が収集された場合には、毎日同じ情報が異音情報として繰り返し管理サーバ20に送信されてしまうことになる。ここで、同じ音情報とは、2つの音情報が完全に一致する場合だけを意味するのではなく、同じ原因又は部位により発生している異音情報のように異音種類等の属性が同じ音情報どうしを意味する。
【0099】
[異音レベルが大きい3つの異音情報を異音種類とともに保持する場合]
【0100】
そこで、本実施形態の画像形成装置10では、異音レベルが大きい複数の異音情報を、その異音情報の異音種類とともに異音情報保持テーブルに保持するようにしている。
【0101】
異音レベルが大きい3つの異音情報を異音種類とともに異音情報保持テーブルに保持するようにした場合の画像形成装置10の動作について図14図17を参照して説明する。
【0102】
異音レベルが大きい3つの異音情報を異音種類とともに保持するようにした場合における異音情報保持テーブル例を図14に示す。
【0103】
図14に示された異音情報保持テーブルでは、異音レベルが100、86、75という3つの異音情報が保持されるとともに、それぞれの異音情報の異音種類の情報が保持されているのが分かる。具体的には、異音レベルが100の異音情報は異音種類が「突発的」であり、異音レベルが86の異音情報は異音種類が「周期的」であり、異音レベルが75の異音情報は異音種類が「連続的」となっている。
【0104】
そして、本実施形態では、異音情報保持テーブルとは別に、前回の異音送信時刻において管理サーバ20に送信した異音情報の異音種類の情報が、異音情報送信履歴テーブルとしてデータ記憶部39に記憶されている。この異音情報送信履歴テーブルを参照することにより、前回の異音送信時刻である「2022年12月8日 00時00分」において管理サーバ20に送信された異音情報の異音種類は「突発的」であったことが分かる。
【0105】
次に、異音レベルが大きい3つの異音情報を異音種類とともに保持するようにした場合の異音収集時の画像形成装置10の動作を図15のフローチャートを参照して説明する。
【0106】
なお、図15のフローチャートにおいて、図9のフローチャートにおけるステップS101~S105の処理については同じ処理であるため省略する。また、図15のフローチャートにおけるステップS106、S107の処理は、図9のフローチャートにおけるステップS106、S107の処理と同じである。さらに、図15のフローチャートにおけるステップS301~S303の処理は、図12のフローチャートにおけるステップS301~S303の処理と同じである。
【0107】
ステップS303において、収集した異音情報の異音レベルが、保持されている3つの異音情報のうちの最低の異音レベルよりも大きいと判定した場合、制御部37は、ステップS501において、今回収集した異音情報の異音種類と同じ異音種類の異音情報が保持されているか否かを判定する。
【0108】
ステップS501において、今回収集した異音情報の異音種類と同じ異音種類の異音情報が保持されていると判定した場合、制御部37は、ステップS502において、今回収集した異音情報の異音レベルが、異音種類が同じ異音情報の異音レベルよりも大きいか否かを判定する。
【0109】
ステップS502において、今回収集した異音情報の異音レベルが、異音種類が同じ異音情報の異音レベルよりも大きくないと判定した場合、制御部37は、ステップS107において、収集した音情報を廃棄して処理を終了する。
【0110】
ステップS502において、今回収集した異音情報の異音レベルが、異音種類が同じ異音情報の異音レベルよりも大きいと判定した場合、制御部37は、ステップS503において、異音種類が同じで異音レベルが小さい異音情報を削除して、今回収集した音情報を異音情報として記憶することにより異音情報保持テーブルを更新する。つまり、制御部37は、異音種類が同じ異音情報については異音レベルが大きなものを残して異音レベルが小さい方を削除する。
【0111】
ステップS501において、今回収集した異音情報の異音種類と同じ異音種類の異音情報が保持されていないと判定した場合、制御部37は、ステップS504において、異音レベルが最小の異音情報を異音情報保持テーブルから削除して、収集した音情報を異音情報として記憶することにより、異音情報保持テーブルを更新する。
【0112】
次に、異音レベルが大きい3つの異音情報を異音種類とともに保持するようにした場合のサーバ送信時の動作を図16のフローチャートに示す。
【0113】
なお、図16のフローチャートにおけるステップS201、S202、S204の処理は、図10のフローチャートにおけるステップS201、S202、S204の処理と同じであるため、その説明は省略する。
【0114】
ステップS202において、異音情報が記憶されていると判定した場合、制御部37は、ステップS601において、前回送信した異音種類と同一の異音種類の異音情報が異音情報保持テーブルに保持されているか否かを判定する。
【0115】
ステップS601において、前回送信した異音種類と同一の異音種類の異音情報が異音情報保持テーブルに保持されていないと判定した場合、制御部37は、ステップS602において、記憶されている異音情報のうち最も異音レベルが大きい異音情報に該当する異音データをデータ記憶部39から読み出してデータ送受信部36経由にて管理サーバ20に送信する。
【0116】
そして、制御部37は、ステップS204において送信した異音情報を異音情報保持テーブルから削除して、ステップS201の処理に戻る。
【0117】
そして、ステップS601において、前回送信した異音種類と同一の異音種類の異音情報が異音情報保持テーブルに保持されていると判定した場合、制御部37は、ステップS603において、前回送信した異音情報の異音種類以外の異音情報のうち、最も異音レベルが大きい異音情報に該当する異音データをデータ記憶部39から読み出してデータ送受信部36経由にて管理サーバ20に送信する。
【0118】
そして、制御部37は、ステップS204において送信した異音情報を異音情報保持テーブルから削除して、ステップS201の処理に戻る。
【0119】
上記のような処理が行われることにより、前回の異音情報の送信時刻に送信された異音情報と異音種類が同じ異音情報が次回の異音情報の送信時刻に連続して送信されないことになる。
【0120】
つまり、記憶された異音情報の中からいずれかの異音情報を選択して管理サーバ20に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間、具体的には過去1日以内に管理サーバ20に送信した異音情報の異音種類と同じ異音種類の異音情報については選択せずに他の異音情報が選択されて管理サーバ20に送信されることになる。
【0121】
このような処理の具体例について図17を参照して説明する。図17を参照すると、異音情報を前回送信した際の異音種類が「突発的」であったため、制御部37は、今回異音情報を1つ選択して管理サーバ20に送信しようとする際に、異音レベルが100、異音種類が「突発的」である異音情報を送信対象として選択しない。
【0122】
その結果、制御部37は、異音レベルが86であり、異音種類が「周期的」である異音情報を選択して管理サーバ20に送信する。つまり、異音レベルだけで選択した場合、最も異音レベルが大きい、異音レベルが100、異音種類が「突発的」の異音情報が選択されて管理サーバ20に送信されるが、前回送信した異音情報と異音種類が同じ異音情報を選択対象外とすることにより、異音種類が同じである異音情報が連続して送信されることが防がれることになる。
【0123】
なお、上記の説明では異音情報の特徴情報として異音種類の情報を用いた場合を説明したが、異音情報の特徴情報としては、様々な情報を使用することができる。
【0124】
例えば、特徴情報として使用した用紙トレイ情報を用いた場合の異音情報保持テーブル例を図18に示す。図18を参照すると、異音レベルが100、86、75という3つの異音情報が保持されるとともに、それぞれの異音情報が収集された際に使用されていた用紙トレイの情報が保持されているのが分かる。具体的には、異音レベルが100の異音情報は使用した用紙トレイ情報が「トレイ2」であり、異音レベルが86の異音情報は使用した用紙トレイ情報が「トレイ1」であり、異音レベルが75の異音情報は使用した用紙トレイ情報が「手差しトレイ」となっている。
【0125】
この場合の異音情報送信履歴テーブルの一例では、前回の異音送信時刻である「2022年12月8日 00時00分」において管理サーバ20に送信された異音情報の使用した用紙トレイ情報は「トレイ1」であったことが分かる。
【0126】
このような情報が格納されていることにより、次回の異音情報の送信時刻が到来した際であっても、使用した用紙トレイ情報が「トレイ1」である異音情報は送信されずに、使用した用紙トレイ情報が「トレイ1」以外の異音情報のうち最も異音レベルが大きい異音情報が選択されて管理サーバ20に送信されることになる。
【0127】
なお、異音情報とともに格納する特徴情報としては、使用した用紙トレイ情報以外にも様々なデバイス詳細情報を使用することができる。異音レベルが大きい異音情報をデバイス詳細情報とともに保持するようにした場合の異音情報保持テーブル例を図19に示す。
【0128】
図19を参照すると、異音情報とともに記憶されるデバイス詳細情報として、使用したデバイスの種類、両面/片面の情報、使用した用紙トレイ情報、用紙サイズの情報、出力枚数情報、白黒/カラーの情報等様々な情報が記憶されているのが分かる。
【0129】
これらのデバイス詳細情報のうちどの情報を使用して管理サーバ20に送信する異音情報を選択するかについては例えば優先順位をつけて判定するようなことが可能である。
【0130】
なお、制御部37は、異音情報を管理サーバ20に送信する際に、予め設定された期間、例えば1日間において検出された異音情報の数も合わせて送信するようにしてもよい。
【0131】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0132】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0133】
本実施形態における「システム」とは、複数の装置によって構成されたもの及び単一の装置によって構成されたものの両方を含む。
【0134】
[変形例]
上記実施形態では、画像形成装置において異音情報を収集して外部装置に送信する場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、不具合が発生した場合に異音が発生するような装置であれば画像形成装置以外の情報処理装置に対しても本開示を同様に適用することができるものである。
【0135】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0136】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
監視対象装置において発生した音情報を収集し、
収集した音情報を当該音情報の特徴情報とともに記憶し、
収集した音情報を設定された外部装置に送信した際に、前記外部装置に送信した音情報に関する特徴情報を記憶し、
記憶された音情報の中からいずれかの音情報を選択して前記外部装置に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間内に前記外部装置に送信した音情報の特徴情報と同じ特徴情報の音情報については選択せずに他の音情報を選択して前記外部装置に送信する、
情報処理システム。
【0137】
(((2)))
前記プロセッサは、
収集した音情報を正常時の音情報と比較することにより、収集した音情報に異音が含まれるか否かを判定し、
異音が含まれると判定した音情報のみを当該音情報の特徴情報とともに記憶する、
(((1)))記載の情報処理システム。
【0138】
(((3)))
前記特徴情報が、音情報に含まれる異音の種類の情報である(((1)))又は(((2)))記載の情報処理システム。
【0139】
(((4)))
音情報に含まれる異音の種類が、突発的な異音、周期的に発生する異音、及び、連続的な異音のうち少なくとも2つにより構成される(((3)))記載の情報処理システム。
【0140】
(((5)))
前記特徴情報が、音情報を収集した際の監視対象装置の動作内容に関する情報である(((1)))又は(((2)))記載の情報処理システム。
【0141】
(((6)))
音情報を収集した際の監視対象装置の動作内容に関する情報が、音情報を収集した際に動作している装置の種類の情報、使用している部品の情報、動作状態に関する情報のうち少なくとも2つの情報により構成される(((5)))記載の情報処理システム。
【0142】
(((7)))
前記プロセッサは、収集した音情報のうち、特徴情報が同じ音情報については、音声レベルが最大の音情報のみを記憶する(((1)))から(((6)))のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0143】
(((8)))
監視対象装置において発生した音情報を収集するステップと、
収集した音情報を当該音情報の特徴情報とともに記憶するステップと、
収集した音情報を設定された外部装置に送信した際に、前記外部装置に送信した音情報に関する特徴情報を記憶するステップと、
記憶された音情報の中からいずれかの音情報を選択して前記外部装置に送信しようとする際に、過去の予め設定された期間内に前記外部装置に送信した音情報の特徴情報と同じ特徴情報の音情報については選択せずに他の音情報を選択して前記外部装置に送信するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0144】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0145】
(((1)))の情報処理システムによれば、監視対象の装置において収集された音情報を設定された送信先に送信する際に、監視対象の装置において原因の異なる複数の異音が発生している場合に、同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0146】
(((2)))の情報処理システムによれば、異音が含まれない音情報を外部装置に送信しないようにして外部装置に対する通信量を削減することが可能となる。
【0147】
(((3)))の情報処理システムによれば、含まれる異音の種類が同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0148】
(((4)))の情報処理システムによれば、含まれる異音の種類が同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0149】
(((5)))の情報処理システムによれば、監視対象装置の動作内容が同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0150】
(((6)))の情報処理システムによれば、監視対象装置の動作内容が同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0151】
(((7)))の情報処理システムによれば、特徴情報が同じ音情報ばかりが記憶されてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0152】
(((8)))のプログラムによれば、監視対象の装置において収集された音情報を設定された送信先に送信する際に、監視対象の装置において原因の異なる複数の異音が発生している場合に、同じ音情報ばかりが繰り返し送信されてしまうという事態の発生を防ぐことが可能となる。
【符号の説明】
【0153】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 スキャンユニット
17 画像形成ユニット
18 マイク
19 制御バス
20 管理サーバ
30 ネットワーク
32 操作入力部
33 表示部
34 動作音収集部
35 異音検出部
36 データ送受信部
37 制御部
38 画像読取部
39 データ記憶部
40 画像出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19