(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132265
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06V 40/20 20220101AFI20240920BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20240920BHJP
【FI】
G06V40/20
G06T7/20 300A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042978
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 彰彦
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096CA04
5L096CA22
5L096HA02
5L096JA11
5L096MA07
(57)【要約】
【課題】ユーザに応じた手洗いパターンに従って手洗いが適切に行われたかを判定することができる情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、識別情報インターフェースと、撮影画像インターフェースと、プロセッサと、を備える。識別情報インターフェースは、ユーザを識別する識別情報を取得する。撮影画像インターフェースは、前記ユーザの手を撮影した撮影画像を取得する。プロセッサは、前記識別情報に基づいて手洗いに関連する手洗いパターンを設定し、前記撮影画像に基づいて前記ユーザの手の動作クラスを判定し、判定された前記動作クラスが設定された前記手洗いパターンに沿っているかを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別する識別情報を取得する識別情報インターフェースと、
前記ユーザの手を撮影した撮影画像を取得する撮影画像インターフェースと、
前記識別情報に基づいて手洗いに関連する手洗いパターンを設定し、
前記撮影画像に基づいて前記ユーザの手の動作クラスを判定し、
判定された前記動作クラスが設定された前記手洗いパターンに沿っているかを判定する、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
手洗いに関する既定パターンを設定し、
前記識別情報に基づいて前記既定パターンを変更することで前記手洗いパターンを設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記識別情報に基づいて、前記既定パターンにおける動作クラスの動作持続時間を延長又は短縮する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記識別情報に基づいて、前記既定パターンにおける総手洗い時間を延長又は短縮する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザの所在に関する区域情報を取得する区域情報インターフェースを備え、
前記プロセッサは、前記区域情報にさらに基づいて前記手洗いパターンを設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
ユーザを識別する識別情報を取得する機能と、
前記識別情報に基づいて手洗いに関連する手洗いパターンを設定する機能と、
前記ユーザの手を撮影した撮影画像を取得する機能と、
前記撮影画像に基づいて前記ユーザの手の動作クラスを判定する機能と、
判定された前記動作クラスが設定された前記手洗いパターンに沿っているかを判定する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
手洗いが所定の手順で行われたかを判定するシステムが提供されている。そのようなシステムは、ユーザの手洗い動作を特定し特定された手洗い動作が特定の手洗いパターンに沿っているかを判定する。
【0003】
また、ユーザに応じて要求される手洗の手順が異なることがある。
従来、システムは、ユーザに応じた手洗いパターンに従って手洗いが行われたかを適切に判定できないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、ユーザに応じた手洗いパターンに従って手洗いが適切に行われたかを判定することができる情報処理装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報処理装置は、識別情報インターフェースと、撮影画像インターフェースと、プロセッサと、を備える。識別情報インターフェースは、ユーザを識別する識別情報を取得する。撮影画像インターフェースは、前記ユーザの手を撮影した撮影画像を取得する。プロセッサは、前記識別情報に基づいて手洗いに関連する手洗いパターンを設定し、前記撮影画像に基づいて前記ユーザの手の動作クラスを判定し、判定された前記動作クラスが設定された前記手洗いパターンに沿っているかを判定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る動作判定装置の構成例を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る動作判定装置の他の構成例を概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る動作判定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る手洗いパターンの例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るパターン設定テーブルの例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る特徴量モデルテーブルの例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る動作クラステーブルの例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る識別情報テーブルの例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る指示画面の例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る動作判定装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る動作判定装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る動作判定システムの構成例を概略的に示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係る区域情報テーブルの例を示す図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態に係る動作判定装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第2の実施形態に係る動作判定装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
実施形態に係る動作判定装置は、ユーザの手洗いが所定の手順で行われたかを判定する。動作判定装置は、シンクなどにおいてユーザの手を撮影する。動作判定装置は、撮影された画像ユーザの手の動作クラスを判定する。たとえば、動作判定装置は、動作クラスとして、洗う箇所(手の甲、指の間、親指など)などによって分類される手の動作を判定する。動作判定装置は、動作クラスの順序及び動作持続時間などに基づいてユーザの手洗いが所定の手順で行われたかを判定する。
【0009】
図1は、実施形態に係る動作判定装置1の構成例を概略的に示す。
図1が示すように、動作判定装置1は、カメラ3、入出力装置5、リーダ6及びシンク20などから構成される。
【0010】
シンク20は、ユーザが手を洗う水槽である。シンク20は、凹んだ構造を有する。また、シンク20の底部には、排水溝が形成されている。
また、シンク20には、蛇口21が設置されている。蛇口21は、ユーザが手を洗うための水を放出する。放出された水は、シンク20の排水溝から排出される。
【0011】
カメラ3は、シンク20の上部に下向きで設置される。カメラ3は、ユーザの手を含む領域(撮影領域)を撮影する。カメラ3は、上方からユーザの手を撮影する。カメラ3は、2次元の画像(撮影画像)を撮影する。カメラ3は、各ドットにおける色情報(RGB(Red Green Blue))を出力する。
また、カメラ3は、ユーザの手を照らすライトを備えるものであってもよい。
【0012】
入出力装置5は、ユーザが視認可能な位置に設置されている。ここでは、入出力装置5は、シンク20で手を洗うユーザの正面に設置されている。
【0013】
入出力装置5は、オペレータからの指示の入力を受け付け、オペレータに種々の情報を表示するインターフェースである。入出力装置5は、指示の入力を受け付ける操作部と、情報を表示する表示部とから構成される。
【0014】
入出力装置5は、操作部の動作として、オペレータから受け付けた操作を示す信号を後述する制御装置10へ送信する。たとえば、操作部は、タッチパネルから構成される。なお、操作部は、キーボード又はテンキーを備えてもよい。
【0015】
入出力装置5は、表示部の動作として、制御装置10からの画像を表示する。たとえば、表示部は、液晶モニタから構成される。表示部は、操作部としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0016】
リーダ6は、ユーザを識別する識別情報を取得する取得装置である。たとえば、リーダ6は、ユーザが所持する端末(ICカード、RFID(radio frequency identification)タグなど)からユーザを識別する識別情報(IDなど)を取得する。リーダ6は、有線又は無線で端末に接続して、端末から識別情報を取得する。また、リーダ6は、バーコード又は二次元コードなどのコードを読み取るものであってもよい。識別情報は、個々のユーザを識別する情報であってもよいし、ユーザの役職(調理部門メンバー、盛付け作業従事者など)を示すものであってもよい。
【0017】
次に、動作判定装置1の他の例について説明する。
図2は、動作判定装置1の他の例である動作判定装置1’の構成例を概略的に示す。
【0018】
動作判定装置1’は、動作判定装置1と同様に、カメラ3、入出力装置5、リーダ6及びシンク20などから構成される。
【0019】
カメラ3は、シンク20の横(
図2では、左)に設置されている。カメラ3は、横からユーザの手を撮影する。
入出力装置5は、シンク20の横に設置されている。
その他の構成は、動作判定装置1’と同様であるため説明を省略する。
【0020】
次に、動作判定装置1及び1’の制御系について説明する。
動作判定装置1及び1’は、同様の構成であるため、動作判定装置1として説明する。
【0021】
図3は、動作判定装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。
図3が示すように、動作判定装置1は、カメラ3、入出力装置5、リーダ6及び制御装置10などを備える。制御装置10と、カメラ3、入出力装置5及びリーダ6とは、通信可能に接続する。
【0022】
制御装置10(情報処理装置)は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、通信インターフェース15、カメラインターフェース16、入出力インターフェース18及びリーダインターフェース19などを備える。
【0023】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、通信インターフェース15、カメラインターフェース16、入出力インターフェース18及びリーダインターフェース19とは、通信可能に接続する。
【0024】
カメラインターフェース16は、カメラ3と通信可能に接続する。入出力インターフェース18は、入出力装置5と通信可能に接続する。リーダインターフェース19は、リーダ6と通信可能に接続する。
カメラ3、入出力装置5及びリーダ6は、前述の通りである。
【0025】
プロセッサ11は、制御装置10全体の動作を制御する。即ち、プロセッサ11は、制御装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部キャッシュ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0026】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0027】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、制御装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。ROM12は、たとえば、制御装置10の回路基板を制御するプログラムなどを格納する。
【0028】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0029】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、制御装置10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0030】
また、NVM14は、複数の手洗いパターンを示すパターン設定テーブル、手の動作クラスを判定する特徴量モデルを示す特徴量モデルテーブル、動作クラスを示す動作クラステーブル、及び、ユーザごとの手洗いパターンを示す識別情報テーブルを予め格納する。パターン設定テーブル、特徴量モデルテーブル、動作クラステーブル及び識別情報テーブルについては、後述する。
【0031】
また、NVM14は、手の動作クラス(ここでは、動作クラスC1乃至C6)を判定するための特徴量モデルを予め格納する。たとえば、特徴量モデルは、機械学習などによって得られたネットワークなどである。
【0032】
通信インターフェース15は、外部装置とデータを送受信するためのインターフェースである。通信インターフェース15は、ネットワークなどを介して外部装置に接続する。たとえば、通信インターフェース15は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートする。
【0033】
カメラインターフェース16(撮影画像インターフェース)は、カメラ3とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、カメラインターフェース16は、プロセッサ11の制御に基づいて、カメラ3に撮影を指示する信号を送信する。また、カメラインターフェース16は、カメラ3から撮影で得られた撮影画像を取得する。たとえば、カメラインターフェース16は、USB(Universal Serial Bus)接続をサポートするものであってもよいし、カメラリンクによる接続をサポートするものでもよい。
【0034】
入出力インターフェース18は、入出力装置5とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、入出力インターフェース18は、オペレータから受け付けた操作を示す信号を入出力装置5から受信する。入出力インターフェース18は、受信された信号をプロセッサ11に送信する。また、入出力インターフェース18は、プロセッサ11の制御に基づいて、オペレータに表示する画面を示す情報を入出力装置5に送信する。たとえば、入出力インターフェース18は、USB接続をサポートするものであってもよいし、パラレルインターフェースによる接続をサポートするものでもよい。
【0035】
リーダインターフェース19(識別情報インターフェース)は、リーダ6とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、リーダインターフェース19は、プロセッサ11の制御に基づいて、リーダ6を起動する信号を送信する。また、リーダインターフェース19は、リーダ6からの識別情報をプロセッサ11に送信する。たとえば、リーダインターフェース19は、USB接続をサポートするものであってもよい。
【0036】
たとえば、制御装置10は、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC又はスマートフォンなどである。
【0037】
なお、制御装置10は、
図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、制御装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
また、通信インターフェース15、カメラインターフェース16、入出力インターフェース18及びリーダインターフェース19(又は、これらの一部)は、一体的に構成されるものであってもよい。
【0038】
次に、手洗いパターンについて説明する。
手洗いパターンは、ユーザの手洗いに関連する。手洗いパターンは、動作判定装置1が手洗いの手順が適切であるかを判定するために用いるパターンである。
【0039】
図4は、手洗いパターンの例を示す。
図4は、手洗いパターンA、B及びCを示す。
【0040】
手洗いパターンAは、工場「ア」における手洗いの手順を判定するために用いられる。手洗いパターンAは、手洗いの手順として、動作クラスC3、C4及びC5の順序でそれぞれ5秒ずつ継続することを示す。また、手洗いパターンAは、カメラ3が上方からユーザの手を撮影する場合(
図1の場合)に用いられる。
【0041】
手洗いパターンBは、手洗いパターンAと同様に、工場「ア」における手洗いの手順を判定するために用いられる。手洗いパターンBは、手洗いパターンAと同様に、手洗いの手順として、動作クラスC3、C4及びC5の順序でそれぞれ5秒ずつ継続することを示す。また、手洗いパターンBは、カメラ3が横(ここでは、左)からユーザの手を撮影する場合(
図2の場合)に用いられる。
【0042】
手洗いパターンCは、工場「イ」における手洗いの手順を判定するために用いられる。手洗いパターンCは、手洗いの手順として、動作クラスC3、C4、C5及びC6を順不同で合計で20秒継続することを示す。また、手洗いパターンCは、カメラ3が上方からユーザの手を撮影する場合(
図1の場合)に用いられる。
【0043】
次に、パターン設定テーブルについて説明する。
図5は、パターン設定テーブルの構成例を示す。
図5が示すように、パターン設定テーブルは、「パターンID」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」及び「総手洗い時間」を対応付けて格納する。
【0044】
「パターンID」は、手洗いパターン(既定パターン)を識別するIDである。「デフォルト」は、手洗いパターンが指定されない場合における手洗いパターンを示す。ここでは、「A」は、手洗いパターンA(既定パターンA)を示す。「B」は、手洗いパターンB(既定パターンB)を示す。「C」は、手洗いパターンC(既定パターンC)を示す。
【0045】
「動作順序ID」は、動作クラスの順序を示す。たとえば、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、「動作クラスID」としての「3」(動作クラスC3)に対応する「動作順序ID」として「1」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、動作クラスC3の順序として「1」を示す。
【0046】
また、パターン設定テーブルは、手洗いパターンCでは、各「動作クラスID」に対応する「動作順序ID」として「0」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンCでは、各動作クラスが順不同であることを示す。
【0047】
また、「動作クラスID」は、手洗いパターンにおいて実行される動作クラスを示す。ここでは、「1」乃至「6」は、それぞれ動作クラスC1乃至C6を示す。
【0048】
「動作持続時間」は、対応する動作クラスの持続時間を示す。たとえば、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、「動作クラスID」としての「3」(動作クラスC3)に対応する「動作持続時間」として「5s」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、動作クラスC3を5秒継続することを示す。
【0049】
また、パターン設定テーブルは、手洗いパターンCでは、各「動作クラスID」に対応する「動作持続時間」として「0」を示す。また、パターン設定テーブルは、末尾の「動作持続時間」として「20s」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンCでは、各動作クラスを合計で20秒継続することを示す。
【0050】
また、「特徴量モデルID」は、動作クラスの判定に用いられる特徴量モデルを識別するIDである。「特徴量モデルID」は、カメラ3が手を撮影する方向に対応する。ここでは、カメラ3が手を上方から撮影する場合(
図1の場合)、「特徴量モデルID」は、「H1」を示す。また、カメラ3が手を横から撮影する場合(
図2の場合)、「特徴量モデルID」は、「H2」を示す。
【0051】
「総手洗い時間」は、ユーザが手洗いを行う時間の上限を示す。たとえば、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAの「総手洗い時間」として「30s」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、ユーザが手洗いを行う時間の上限が30sであることを示す。また、「総手洗い時間」は、手洗いパターンCのように設定されなくともよい。
【0052】
なお、パターン設定テーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0053】
次に、特徴量モデルテーブルについて説明する。
図6は、特徴量モデルテーブルの構成例を示す。
図6が示すように、特徴量モデルテーブルは、「特徴量モデルID」、「対応動作クラスID」及び「撮影環境」を対応付けて格納する。
【0054】
「特徴量モデルID」は、特徴量モデルを識別するIDである。
「対応動作クラスID」は、特徴量モデルが判定することが可能である動作クラスを示す。ここでは、「H1」及び「H2」は、「1」乃至「8」が示す動作クラス(動作クラスC1乃至C8)を判定することが可能であることを示す。
【0055】
「撮影環境」は、特徴量モデルが対応する撮影環境を示す。ここでは、特徴量モデルテーブルは、「H1」が上部から撮影された撮影画像に対応することを示す。また、特徴量モデルテーブルは、「H2」が横(左右)から撮影された撮影画像に対応することを示す。
【0056】
なお、特徴量モデルテーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0057】
次に、動作クラステーブルについて説明する。
図7は、動作クラステーブルの構成例を示す。
図7が示すように、動作クラステーブルは、「動作クラスID」、「動作クラス表示名」及び「動作クラス表示画像」を対応付けて格納する。
【0058】
「動作クラスID」は、動作クラスを識別するIDである。
「動作クラス表示名」は、動作クラスを示す文字列である。たとえば、「動作クラス表示名」は、動作クラスC3の「動作クラス表示名」として「よく泡立てる」を示す。
【0059】
「動作クラス表示画像」は、動作クラスを示す画像である。たとえば、「動作クラス表示画像」は、動作クラスのイラスト及び「動作クラス表示名」などから構成される。
【0060】
なお、動作クラステーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0061】
次に、識別情報テーブルについて説明する。
識別情報テーブルは、設定された手洗いパターンに対してユーザごとの変更を示す。
図8は、識別情報テーブルの構成例を示す。
図8が示すように、識別情報テーブルは、「識別情報」、「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、「総手洗い時間」、及び、「変更条件の説明」などを対応付けて格納する。
【0062】
「識別情報」は、ユーザを識別する識別情報である。ここでは、「識別情報」は、特定のユーザ(作業員アなど)を示すものであってもよいし、役職(調理部門メンバー、盛付け作業従事者など)を示すものであってもよい。
【0063】
「パターン変更タイプ」は、対応する識別情報が示すユーザの手洗いパターンを変更する方法を示す。ここでは、「パターン変更タイプ」は、「既定パターンへの差分」又は「上書き」である。
【0064】
「既定パターンへの差分」は、設定されている手洗いパターン(既定パターン)へ差分を適用することで手洗いパターンを変更することを示す。
【0065】
「上書き」は、既定パターンに上書きすることで手洗いパターンを変更することを示す。
【0066】
「動作順序ID」は、動作クラスの順序を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「動作順序ID」は、既定パターンにおける動作クラスの順序に対する追加又は削除を示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作順序ID」は、動作クラスの順序を示す。
【0067】
「動作クラスID」は、動作クラスを示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「動作クラスID」は、追加又は削除された「動作順序ID」に対応する動作クラスを示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作クラスID」は、対応する「動作順序ID」における動作クラスを示す。
【0068】
「動作持続時間」は、対応する動作クラスの持続時間を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「動作持続時間」は、既定パターンにおける動作クラスの動作持続時間に対する延長又は短縮を示す。また、「動作持続時間」は、追加された「動作クラスID」が示す動作クラスの動作持続時間を示す。
【0069】
「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作クラスID」は、対応する「動作クラスID」が示す動作クラスの動作持続時間を示す。
【0070】
「特徴量モデルID」は、動作クラスの判定に用いられる特徴量モデルを識別するIDである。「特徴量モデルID」は、変更後の特徴量モデルID(又は変更無し)を示す。
【0071】
「総手洗い時間」は、ユーザが手洗いを行う時間の上限を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「総手洗い時間」は、既定パターンにおける総手洗い時間に対する延長又は短縮を示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「総手洗い時間」は、変更後の総手洗い時間を示す。
【0072】
「変更条件の説明」は、ユーザごとの変更の内容を示すテキストである。ここでは、「変更の説明」は、設定された既定パターンが既定パターンAである場合における変更の内容を示す。
【0073】
「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「変更条件の説明」は、既定パターンに対する変更の内容を示すテキストである。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「変更条件の説明」は、変更後の手洗いパターンの内容を示すテキストである。
【0074】
なお、識別情報テーブルは、
図8が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、識別情報テーブルから特定の構成が除外されたりしてもよい。識別情報テーブルの構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0075】
また、識別情報テーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0076】
次に、動作判定装置1が実現する機能について説明する。動作判定装置1が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0077】
まず、プロセッサ11は、手洗いパターン(既定パターン)を設定する機能を有する。
たとえば、オペレータは、シンク20の設置場所及びカメラ3の角度などに基づいて入出力装置5に手洗いパターンを入力する。
【0078】
プロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じて当該操作を入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに存在するかを判定する。即ち、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンのIDがパターン設定テーブルに存在するかを判定する。
【0079】
入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに存在すると判定すると、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンを設定する。
【0080】
また、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに存在しない場合、デフォルトの手洗いパターンを設定する。
【0081】
また、プロセッサ11は、手洗いパターンに基づいて特徴量モデルを取得する機能を有する。
【0082】
手洗いパターンを設定すると、プロセッサ11は、パターン設定テーブルを参照して、設定された手洗いパターンのIDに対応する特徴量モデルをNVM14から取得する。
【0083】
また、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切であるかを判定するための判定ロジックを構築する機能を有する。
【0084】
特徴量モデルを取得すると、プロセッサ11は、パターン設定テーブルを参照して、設定された手洗いパターンの動作順序ID、動作クラスID及び動作持続時間を取得する。
【0085】
動作順序ID、動作クラスID及び動作持続時間を取得すると、プロセッサ11は、動作順序ID、動作クラスID及び動作持続時間などに基づいて、判定ロジックを構築する。
【0086】
また、プロセッサ11は、手洗いの手順を示す指示画面を入出力装置5に表示する機能を有する。
【0087】
判定ロジックを構築すると、プロセッサ11は、動作クラステーブルを参照して、取得された動作クラスIDに対応する動作クラス表示画像を取得する。動作クラス表示画像を取得すると、プロセッサ11は、取得された動作順序IDに従って動作クラス表示画像を並べた指示画面を生成する。指示画面を生成すると、プロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じて生成された指示画面を入出力装置5に表示する。
【0088】
図9は、指示画面50の例を示す。
図9が示すように、指示画面50は、アイコン51及びアイコン52を表示する。
【0089】
アイコン51は、動作クラス表示画像を表示する。また、アイコン51は、動作クラス表示画像に対応する動作クラスが完了したかを示す情報を表示する。ここでは、アイコン51は、動作クラスが完了したことを示す「○」又は動作クラスが完了していないことを示す「×」を表示する。また、アイコン51は、動作クラスに対応する順序を表示してもよい。
【0090】
指示画面50は、手洗いパターンが示す動作クラスの個数と同数のアイコン51を表示する。
【0091】
アイコン52は、動作クラスの進行状況を示す。ここでは、アイコン52は、手洗いパターンが示す動作クラスの個数と完了した動作クラスの個数とを表示する。
【0092】
なお、指示画面50は、
図9が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、指示画面50から特定の構成が除外されたりしてもよい。指示画面50の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0093】
また、プロセッサ11は、リーダ6を通じて識別情報を取得する機能を有する。
指示画面50を表示すると、プロセッサ11は、リーダ6が識別情報を取得するまで待機する。
ここで、ユーザは、自身の端末をリーダ6に接続するものとする。
【0094】
リーダ6は、ユーザの端末から識別情報を取得する。プロセッサ11は、リーダ6からユーザの識別情報を取得する。
【0095】
また、プロセッサ11は、識別情報に基づいて、手洗いパターンを変更(設定)する機能を有する。
【0096】
識別情報を取得すると、プロセッサ11は、取得された識別情報が識別情報テーブルに含まれているかを判定する。取得された識別情報が識別情報テーブルに含まれているかを判定すると、プロセッサ11は、識別情報テーブルから、取得された識別情報に対応する「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、及び、「総手洗い時間」などを取得する。
【0097】
「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」及び「総手洗い時間」などを取得すると、プロセッサ11は、「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、及び、「総手洗い時間」などに基づいて、手洗いパターンを変更する。
【0098】
たとえば、取得された識別情報が「作業員ア」を示す場合、プロセッサ11は、既定パターンの各動作持続時間を5秒延長し総手洗い時間を20秒延長する。
【0099】
なお、プロセッサ11は、取得された識別情報からユーザの役職を特定してもよい。たとえば、NVM14は、個々のユーザを示す識別情報と役職とを対応付けたテーブルを予め格納する。プロセッサ11は、当該テーブルを参照して、取得された識別情報からユーザの役職(調理部門メンバー、盛付け作業従事者など)を特定する。プロセッサ11は、識別情報テーブル及び特定された役職に基づいて手洗いパターンを変更する。
【0100】
手洗いパターンを変更すると、プロセッサ11は、変更された手洗いパターンに基づいて、判定ロジック及び指示画面50を更新する。
【0101】
また、プロセッサ11は、判定ロジックに基づいてユーザの手洗いが手洗いパターンに沿っているかを判定する機能を有する。
【0102】
まず、プロセッサ11は、カメラインターフェース16を通じて撮影画像をカメラ3から取得する。撮影画像を取得すると、プロセッサ11は、撮影画像からユーザの手を検出するまで待機する。
【0103】
ユーザの手を検出すると、プロセッサ11は、特徴量モデルに基づいて手の動作クラスを判定する。動作クラスを判定すると、プロセッサ11は、最初の順序に設定されている動作クラスと判定された動作クラスとが整合するかを判定する。
【0104】
両者が整合すると判定すると、プロセッサ11は、ユーザの手が当該動作クラスと判定されている時間(動作時間)を計測する。プロセッサ11は、計測された動作時間が当該動作クラスに対応する動作持続時間を超過するまで待機する。なお、プロセッサ11は、手を検知してから(又は、手の動作クラスが変わってから)所定の時間が経過しても計測された動作時間が動作持続時間を超過しない場合、手洗いの手順が適切に行われなかった
と判定してもよい。
【0105】
計測された動作時間が動作持続時間を経過すると、プロセッサ11は、指示画面50を更新する。たとえば、プロセッサ11は、当該動作クラスが完了したことを示す情報を指示画面50のアイコン51に表示する。即ち、プロセッサ11は、当該動作クラスに対応するアイコン51に○を描写する。
【0106】
指示画面50を更新すると、プロセッサ11は、当該動作クラスの次の順序に設定されている動作クラスが存在するかを判定する。次の順序に設定されている動作クラスが存在すると判定すると、プロセッサ11は、当該動作クラスについて上記の通り動作する。
【0107】
プロセッサ11は、次の順序に設定されている動作クラスが存在しない場合、ユーザの手洗いが適切に行われたと判定する。
【0108】
なお、プロセッサ11は、手を検知してから経過した時間(又は識別情報を取得してから経過した時間)を計測する。手を検知してから経過した時間が総手洗い時間を超過すると、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われていないと判定する。たとえば、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われなかったことを示す情報を指示画面50に表示する。
【0109】
次に、動作判定装置1の動作例について説明する。
図10及び
図11は、動作判定装置1の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0110】
まず、動作判定装置1のプロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じて手洗いパターンを入力する(S11)。手洗いパターンを入力すると、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに含まれるかを判定する(S12)。
【0111】
入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに含まれると判定すると(S12、YES)、プロセッサ11は、特徴量モデルテーブルを参照して、手洗いパターンに対応する特徴量モデルを取得する(S13)。
【0112】
特徴量モデルを取得すると、プロセッサ11は、判定ロジックを構築する(S14)。判定ロジックを構築すると、プロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じて指示画面50を入出力装置5に表示する(S15)。
【0113】
入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに含まれないと判定すると(S12、NO)、プロセッサ11は、特徴量モデルテーブルを参照して、デフォルトの特徴量モデルを取得する(S16)。デフォルトの特徴量モデルを取得すると、プロセッサ11は、デフォルトの判定ロジックを構築する(S17)。デフォルトの判定ロジックを構築すると、プロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じてデフォルトの指示画面50を入出力装置5に表示する(S18)。
【0114】
指示画面50を入出力装置5に表示した場合(S15)、又は、デフォルトの指示画面50を入出力装置5に表示した場合(S18)、プロセッサ11は、リーダ6を通じて識別情報を取得したかを判定する(S19)。
【0115】
識別情報を取得していないと判定すると(S19、NO)、プロセッサ11は、S19に戻る。
【0116】
識別情報を取得したと判定すると(S19、YES)、プロセッサ11は、手洗いパターンを変更するかを判定する(S20)。即ち、プロセッサ11は、識別情報が識別情報テーブルに含まれているかを判定する。
【0117】
手洗いパターンを変更すると判定すると(S20、YES)、プロセッサ11は、識別情報テーブルを参照して手洗いパターンを変更し変更後の手洗いパターンに基づいて判定ロジック及び指示画面50を更新する(S21)。
【0118】
手洗いパターンを変更しないと判定した場合、(S20、NO)、又は、指示画面50を更新した場合(S21)、プロセッサ11は、総手洗い時間が経過したかを判定する(S22)。総手洗い時間が経過していないと判定すると(S22、NO)、プロセッサ11は、先頭の未処理の動作順序IDに対応する動作持続時間を取得する(S23)。
【0119】
動作持続時間を取得すると、プロセッサ11は、撮影画像及び特徴量モデルに基づいてユーザの手の動作クラスを判定する(S24)。動作クラスを判定すると、プロセッサ11は、判定された動作クラスと当該動作順序IDに対応する動作クラスとが整合するかを判定する(S25)。
【0120】
両動作クラスが整合しないと判定すると(S25、NO)、プロセッサ11は、S24に戻る。
【0121】
両動作クラスが整合すると判定すると(S25、YES)、プロセッサ11は、動作時間を加算する(S26)。動作時間を加算すると、プロセッサ11は、動作時間が動作持続時間を超過したかを判定する(S27)。
【0122】
動作時間が動作持続時間を超過していないと判定すると(S27、NO)、プロセッサ11は、S24に戻る。
【0123】
動作時間が動作持続時間を超過したと判定すると(S27、YES)、プロセッサ11は、指示画面50を更新する(S28)。指示画面50を更新すると、プロセッサ11は、次の動作順序IDが存在するかを判定する(S29)。
【0124】
次の動作順序IDが存在すると判定すると(S29、YES)、プロセッサ11は、先頭の未処理の動作順序IDを更新する(S30)。先頭の未処理の動作順序IDを更新すると、プロセッサ11は、S22に戻る。
【0125】
総手洗い時間が経過したと判定した場合(S22、YES)、又は、次の動作順序IDが存在しないと判定した場合(S29、NO)、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われたかの判定結果を表示する(S31)。たとえば、総手洗い時間が経過したと判定した場合(S22、YES)、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われなかったことを示す情報を指示画面50に表示する。また、次の動作順序IDが存在しないと判定した場合(S29、NO)、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われたことを示す情報を指示画面50に表示する。
【0126】
判定結果を表示すると、プロセッサ11は、動作を終了するかを判定する(S32)。たとえば、プロセッサ11は、入出力装置5を通じて動作を終了する操作を入力したかを判定する。
【0127】
動作を終了しないと判定すると(S32、NO)、プロセッサ11は、S19に戻る。
動作を終了すると判定すると(S32、YES)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0128】
なお、動作クラスが順不同である場合、プロセッサ11は、手が何れの動作クラスであっても各動作クラスの動作時間を計測するものであってもよい。
【0129】
また、プロセッサ11は、識別情報を取得してから所定の時間が経過してもユーザの手を検知しない場合、手洗いの手順が適切に行われていないことを示す情報を指示画面50に表示してもよい。
【0130】
また、プロセッサ11は、通信インターフェース15を通じて、手洗いの手順が適切に行われたか否かを示す判定結果を外部装置に送信するものであってもよい。
【0131】
また、動作判定装置1は、手を含む領域において距離を測定する距離センサを備えるものであってもよい。プロセッサ11は、距離センサの測定結果に基づいて手の動作クラスを判定するものであってもよい。また、プロセッサ11は、距離センサの測定結果と撮影画像とに基づいて手の動作クラスを判定するものであってもよい。
【0132】
また、制御装置10と、カメラ3、入出力装置5及びリーダ6(又はこれらの一部)は、一体的に構成されるものであってもよい。
【0133】
以上のように構成された動作判定装置は、手を洗うユーザの識別情報を取得する。動作判定装置は、識別情報に基づいて手洗いパターンを変更する。その結果、動作判定装置は、ユーザごとに手洗いパターンを設定することができる。よって、動作判定装置は、ユーザに応じて手洗いが適切に行われたかを判定することができる。
総手洗い時間を経過すると手洗いが適切に行われたかの判定がタイムアウトしてしまう場合、ユーザが適切に手を洗っていたとしても、総手洗い時間の設定よりも長く手を洗うことでタイムアウトとなり、手洗い判定が適切に行われない。しかし、上述した動作判定装置は、ユーザごとに手洗いパターンを設定することができるため、長く手を洗うユーザに対しても、手洗いが適切に行われたかを判定することができる。
また、調理部門メンバー、盛付け作業従事者など役職に応じて、手洗いパターンを設定することができるため、役職毎に手洗いが適切に行われたかを判定することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る動作判定装置を含む動作判定システムは、ユーザの移動履歴(たとえば、ユーザが手を洗う前に滞在していた区域など)に基づいて手洗いパターンを設定する点で第1の実施形態における動作判定装置と異なる。よって、その他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0134】
図12は、第2の実施形態に係る動作判定システム100の構成例を示す。
図12が示すように、動作判定システム100は、動作判定装置1(1’)、サーバ7、リーダ30及びロックゲート40などを備える。サーバ7は、動作判定装置1、リーダ30及びロックゲート40に接続する。
【0135】
動作判定システム100は、清浄区域と非清浄区域との間の往来を制御するロックゲート40を開閉する。
また、動作判定装置1は、清浄区域に設置されている。
【0136】
リーダ30は、非清浄区域から清浄区域に進入するユーザの識別情報を取得する。たとえば、リーダ30は、非清浄区域においてロックゲート40の近傍に設置されている。リーダ30は、取得された識別情報をサーバ7に送信する。リーダ30の構成は、リーダ6のそれと同様である。
【0137】
ロックゲート40は、清浄区域と非清浄区域との間の往来を制御する。ここでは、ロックゲート40は、非清浄区域から清浄区域に進入するユーザを制御する。ロックゲート40は、サーバ7からの制御により開閉する。
【0138】
サーバ7は、リーダ30からの識別情報などに基づいてロックゲート40を開閉する。
たとえば、サーバ7は、リーダ30から識別情報を受信する。サーバ7は、清浄区域に進入可能なユーザを示す識別情報のリストに受信された識別情報が含まれるかを判定する。リストに受信された識別情報が含まれる場合、サーバ7は、ロックゲート40を開放する。また、リストに受信された識別情報が含まれない場合、サーバ7は、ロックゲート40を閉鎖する。
【0139】
また、サーバ7は、動作判定装置1に対して、ユーザの移動履歴を示す区域情報(ユーザの所在に関する情報)を送信する。
たとえば、サーバ7は、区域情報を要求するリクエストを動作判定装置1から受信する。リクエストは、識別情報を含む。リクエストを受信すると、サーバ7は、動作ログなどを参照して、リクエストに含まれる識別情報が示すユーザが非清浄区域から清浄区域へ移動したかを判定する。当該ユーザが非清浄区域から清浄区域へ移動したと判定すると、サーバ7は、ユーザの移動履歴として、非清浄区域から清浄区域への移動を示す区域情報を動作判定装置1に送信する。
【0140】
なお、サーバ7は、所定のタイミング以降においてユーザの移動履歴を示す区域情報を動作判定装置1に送信するものであってもよい。
たとえば、サーバ7は、PCなどである。
【0141】
また、動作判定装置1の通信インターフェース15(区域情報インターフェース)は、サーバ7に接続する。
また、動作判定装置1のNVM14は、区域情報に応じた手洗いパターンを示す区域情報テーブルをさらに格納する。
【0142】
図13は、区域情報テーブルの構成例を示す。ここでは、区域情報テーブルは、区域情報及び識別情報に応じた手洗いパターンへの変更を示す。
図13が示すように、区域情報テーブルは、「区域情報」、「識別情報」、「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、「総手洗い時間」、及び、「変更条件の説明」などを対応付けて格納する。
【0143】
「区域情報」は、ユーザの移動履歴を示す。ここでは、区域情報テーブルは、非清浄区域から清浄区域へ移動したユーザの手洗いパターンに対する変更を示す。
【0144】
「識別情報」は、ユーザを識別する識別情報である。ここでは、「識別情報」は、特定のユーザ(作業員アなど)を示すものであってもよいし、役職(調理部門メンバー、盛付け作業従事者など)を示すものであってもよい。また、「識別情報」は、ユーザ全員を示す「限定なし(全対象者)」を示すものであってもよい。
【0145】
「パターン変更タイプ」は、対応する区域情報及び識別情報のユーザの手洗いパターンを変更する方法を示す。ここでは、「パターン変更タイプ」は、「既定パターンへの差分」、「既定パターンに対する識別情報による差分、及び、区域情報における特定の識別情報に対しての差分」又は「上書き」である。
【0146】
「既定パターンへの差分」は、設定されている手洗いパターン(既定パターン)への差分で手洗いパターンを変更することを示す。
【0147】
「既定パターンに対する識別情報による差分、及び、区域情報における特定の識別情報に対しての差分」は、既定パターンを識別情報により変更した手洗いパターンに対してさらに差分を適用することで手洗いパターンを変更することを示す。
【0148】
「上書き」は、既定パターンに上書きすることで手洗いパターンを変更することを示す。
【0149】
「動作順序ID」は、動作クラスの順序を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」又は「既定パターンに対する識別情報による差分、及び、区域情報おける特定の識別情報に対しての差分」である場合、「動作順序ID」は、既定パターン又は識別情報による変更後の手洗いパターンにおける動作クラスの順序に対する追加又は削除を示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作順序ID」は、動作クラスの順序を示す。
【0150】
「動作クラスID」は、動作クラスを示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」又は「既定パターンに対する識別情報による差分、及び、区域情報おける特定の識別情報に対しての差分」である場合、「動作クラスID」は、追加又は削除された「動作順序ID」に対応する動作クラスを示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作クラスID」は、対応する「動作順序ID」における動作クラスを示す。
【0151】
「動作持続時間」は、対応する動作クラスの持続時間を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」又は「既定パターンに対する識別情報による差分、及び、区域情報における特定の識別情報に対しての差分」である場合、「動作持続時間」は、既定パターン又は識別情報による変更後の手洗いパターンにおける動作クラスの動作持続時間に対する延長又は短縮を示す。また、「動作持続時間」は、追加された「動作クラスID」が示す動作クラスの動作持続時間を示す。
【0152】
「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作クラスID」は、対応する「動作クラスID」が示す動作クラスの動作持続時間を示す。
【0153】
「特徴量モデルID」は、動作クラスの判定に用いられる特徴量モデルを識別するIDである。「特徴量モデルID」は、変更後の特徴量モデルID(又は変更無し)を示す。
【0154】
「総手洗い時間」は、ユーザが手洗いを行う時間の上限を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」又は「既定パターンに対する識別情報による差分、及び、区域情報おける特定の識別情報に対しての差分」である場合、「総手洗い時間」は、既定パターン又は識別情報による変更後の手洗いパターンにおける総手洗い時間に対する延長又は短縮を示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「総手洗い時間」は、変更後の総手洗い時間を示す。
【0155】
「変更条件の説明」は、変更の内容を示すテキストである。ここでは、「変更の説明」は、設定された既定パターンが既定パターンAである場合における変更の内容を示す。
【0156】
「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「変更条件の説明」は、既定パターン及びに対する変更の内容を示すテキストである。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「変更条件の説明」は、変更後の手洗いパターンの内容を示すテキストである。
【0157】
なお、区域情報テーブルは、
図13が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、区域情報テーブルから特定の構成が除外されたりしてもよい。区域情報テーブルの構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0158】
また、区域情報テーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0159】
次に、動作判定装置1が実現する機能について説明する。動作判定装置1が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
動作判定装置1は、第1の実施形態に係る動作判定装置1が実現する機能に加えて以下の機能を実現する。
【0160】
まず、プロセッサ11は、区域情報をサーバ7から取得する機能を有する。
【0161】
プロセッサ11は、リーダ6を通じて識別情報を取得すると、通信インターフェース15を通じて、取得された識別情報に対応する区域情報を要求するリクエストをサーバ7に送信する。リクエストは、取得された識別情報を含む。
【0162】
プロセッサ11は、通信インターフェース15を通じて、区域情報をサーバ7から取得する。
【0163】
また、プロセッサ11は、区域情報及び識別情報に基づいて、手洗いパターンを変更(設定)する機能を有する。
【0164】
区域情報を取得すると、プロセッサ11は、取得された区域情報及び識別情報の組合せが区域情報テーブルに含まれているかを判定する。取得された区域情報及び識別情報の組合せが区域情報テーブルに含まれていると判定すると、プロセッサ11は、区域情報テーブルから、取得された区域情報及び識別情報に対応する「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、及び、「総手洗い時間」などを取得する。
【0165】
「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」及び「総手洗い時間」などを取得すると、プロセッサ11は、「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、及び、「総手洗い時間」などに基づいて、手洗いパターンを変更する。
【0166】
たとえば、取得された区域情報が「非清浄区域から清浄区域への移動」であり識別情報が「盛付け作業従事者」を示す場合、プロセッサ11は、識別情報による変更後の手洗いパターンにさらに動作クラスID「8」が示す動作クラスを末尾に追加し当該動作クラスの動作持続時間を5秒とする。
【0167】
なお、取得された識別情報が区域情報テーブルにおける複数の識別情報に該当する場合(たとえば、取得された識別情報が「盛付け作業従事者」である場合、区域情報テーブルにおける「限定なし」及び「盛付け作業従事者」に該当)、プロセッサ11は、手洗いパターンを複数回変更してもよい。
【0168】
また、プロセッサ11は、取得された識別情報からユーザの役職を特定してもよい。たとえば、NVM14は、個々のユーザを示す識別情報と役職とを対応付けたテーブルを予め格納する。プロセッサ11は、当該テーブルを参照して、取得された識別情報からユーザの役職(調理部門メンバー、盛付け作業従事者など)を特定する。プロセッサ11は、識別情報テーブル及び特定された役職に基づいて手洗いパターンを変更する。
【0169】
手洗いパターンを変更すると、プロセッサ11は、変更された手洗いパターンに基づいて、判定ロジック及び指示画面50を更新する。
【0170】
次に、動作判定装置1の動作例について説明する。
図14及び
図15は、動作判定装置1の動作例について説明するためのフローチャートである。
S11乃至S20は、第1の実施形態に係るそれらと同様であるため説明を省略する。
【0171】
手洗いパターンを変更すると判定すると(S20、YES)、プロセッサ11は、識別情報に基づいて手洗いパターンを変更する(S41)。
【0172】
手洗いパターンを変更しないと判定した場合(S20、NO)、又は、識別情報に基づいて手洗いパターンを変更した場合(S41)、プロセッサ11は、通信インターフェース15を通じて区域情報をサーバ7から取得する(S42)。
【0173】
区域情報を取得すると、プロセッサ11は、手洗いパターンを変更するかを判定する(S43)。即ち、プロセッサ11は、区域情報及び識別情報の組合せが区域情報テーブルに含まれているかを判定する。
【0174】
手洗いパターンを変更すると判定すると(S43、YES)、プロセッサ11は、区域情報テーブルを参照して手洗いパターンを変更し変更後の手洗いパターンに基づいて判定ロジック及び指示画面50を更新する(S44)。
【0175】
手洗いパターンを変更しないと判定した場合(S43、NO)、又は、指示画面50を更新した場合(S44)、プロセッサ11は、S22に進む。
S22乃至S32は、第1の実施形態に係るそれらと同様であるため説明を省略する。
【0176】
なお、プロセッサ11は、区域情報を取得できない場合、S41からS22に進んでもよい。また、プロセッサ11は、区域情報を取得できない場合、エラーを出力してもよい。
【0177】
また、サーバ7とリーダ30とは、一体的に形成されるものであってもよい。
また、動作判定装置1は、サーバ7と一体的に形成されるものであってもよい。
【0178】
以上のように構成された動作判定システムは、ユーザの移動履歴に基づいて手洗いパターンを変更する。その結果、動作判定システムは、ユーザが所在していた場所に応じて適切な手洗いパターンを設定することができる。
【0179】
本実施形態に係るプログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0180】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0181】
1…動作判定装置、1’…動作判定装置、3…カメラ、5…入出力装置、6…リーダ、7…サーバ、10…制御装置、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…通信インターフェース、16…カメラインターフェース、18…入出力インターフェース、19…リーダインターフェース、20…シンク、21…蛇口、30…リーダ、40…ロックゲート、50…指示画面、51…アイコン、52…アイコン、100…動作判定システム。