(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132268
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】健康支援システム、健康支援装置及び健康支援方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240920BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042983
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真樹
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 周
(72)【発明者】
【氏名】森下 遥
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザの運動状況に応じた栄養素を摂取できる食事メニューを呈示することにより効果的にユーザの健康を支援するが課題。
【解決手段】健康支援システム10の健康支援装置20は、携帯端末30からユーザデータを受信し、ユーザデータに基づいて運動基準値を設定する。そして、健康支援装置20は、運動基準値に基づいて運動メニューを生成し、携帯端末30に送信する。その後、健康支援装置20は、ユーザが実際に行った運動データに基づいて運動スコアを算出する。そして、健康支援装置20は、運動データに基づいて食事メニューを生成し、携帯端末30に送信する。その後、健康支援装置20は、ユーザが実際に摂取した食事データを取得し、食事データに基づいて食事スコアを算出する。そして、健康支援装置20は、運動スコア及び食事スコアに基づいて総合スコアを算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともユーザの健康支援を行う健康支援装置を有する健康支援システムであって、
前記健康支援装置は、
前記ユーザの運動内容に基づいて該ユーザがとるべき行動を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された行動がとられたか否かを検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段による検出結果に基づき第1の評価を行う第1の評価手段と
を備えたことを特徴とする健康支援システム。
【請求項2】
前記設定手段は、
前記ユーザの運動内容に基づいて、前記ユーザが摂取すべき栄養素の基準値を設定し、当該栄養素の取得を前記ユーザがとるべき行動として設定することを特徴とする請求項1に記載の健康支援システム。
【請求項3】
前記設定手段は、
前記ユーザの運動内容に基づいて、栄養素の基準値に基づく食事メニューを設定し、当該食事メニューを前記ユーザがとるべき行動として設定することを特徴とする請求項1に記載の健康支援システム。
【請求項4】
前記設定手段は、
前記ユーザの運動内容に基づいて、休息を前記ユーザがとるべき行動として設定することを特徴とする請求項1に記載の健康支援システム。
【請求項5】
前記運動内容は、
前記ユーザのユーザデータに応じて設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の健康支援システム。
【請求項6】
前記健康支援装置は、
前記運動内容がされたか否かを検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段による検出結果に基づき第2の評価を行う第2の評価手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の健康支援システム。
【請求項7】
前記健康支援装置は、
前記第1の評価手段による第1の評価結果と、前記第2の評価手段による第2の評価結果とに基づいて、総合的な評価を行う総合評価手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の健康支援システム。
【請求項8】
前記健康支援装置は、
前記総合評価手段による評価結果に基づいて、前記ユーザに対するアドバイス情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたアドバイス情報を出力する出力手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の健康支援システム。
【請求項9】
前記健康支援装置は、
前記総合評価手段による評価結果を、所定のグループを形成する複数のユーザがそれぞれ所有する複数のユーザ端末が共有できるように提供する評価結果提供手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の健康支援システム。
【請求項10】
少なくともユーザの健康支援を行う健康支援装置であって、
前記ユーザの運動内容に基づいて該ユーザがとるべき行動を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された行動がとられたか否かを検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段による検出結果に基づき第1の評価を行う第1の評価手段と
を備えたことを特徴とする健康支援装置。
【請求項11】
少なくともユーザの健康支援を行う健康支援装置における健康支援方法であって、
前記健康支援装置が、前記ユーザの運動内容に基づいて該ユーザがとるべき行動を設定する設定工程と、
前記健康支援装置が、前記設定工程により設定された行動がとられたか否かを検出する第1の検出工程と、
前記健康支援装置が、前記第1の検出工程による検出結果に基づき第1の評価を行う第1の評価工程と
を備えたことを特徴とする健康支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの運動状況に応じた栄養素を摂取できる食事メニューを呈示することにより効果的にユーザの健康を支援することができる健康支援システム、健康支援装置及び健康支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの健康を支援する技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザの運動履歴や食事の履歴に基づいて、適切な運動プログラムや食事のメニュー等をアドバイス情報として配信する技術が開示されている。また、特許文献2には、ユーザの属性に応じた基準値を含むルールに基づいて運動や食事のスコア及びこれらを総合したスコアを算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-003222号公報
【特許文献2】特開2022-067115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のものは、ユーザの運動履歴に基づいて食事メニューをアドバイスするのみであり、食事に対する評価がされないためアドバイス通りに食事を摂ることを促すことができない。また、特許文献2のものは、ユーザの属性に応じた基準値等に応じて食事スコアの算出ルールを設定するものであるため、ユーザの運動状況を反映したものではなく、適切な栄養素の摂取を促すことがない。さらに、特許文献1及び2のいずれにも、ユーザのモチベーションを高めるものではない。
【0005】
本発明は、上記従来技術による問題点(課題)を解決するためになされたものであって、ユーザの運動状況に応じた栄養素を摂取できる食事メニューを呈示することにより効果的にユーザの健康を支援することができる健康支援システム、健康支援装置及び健康支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、少なくともユーザの健康支援を行う健康支援装置を有する健康支援システムであって、前記健康支援装置は、前記ユーザの運動内容に基づいて該ユーザがとるべき行動を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された行動がとられたか否かを検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段による検出結果に基づき第1の評価を行う第1の評価手段とを備えた。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記設定手段は、前記ユーザの運動内容に基づいて、前記ユーザが摂取すべき栄養素の基準値を設定し、当該栄養素の取得を前記ユーザがとるべき行動として設定する。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記設定手段は、前記ユーザの運動内容に基づいて、栄養素の基準値に基づく食事メニューを設定し、当該食事メニューを前記ユーザがとるべき行動として設定する。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記設定手段は、前記ユーザの運動内容に基づいて、休息を前記ユーザがとるべき行動として設定する。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記運動内容は、前記ユーザのユーザデータに応じて設定される。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記健康支援装置は、前記運動内容がされたか否かを検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段による検出結果に基づき第2の評価を行う第2の評価手段とをさらに備えた。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記健康支援装置は、前記第1の評価手段による第1の評価結果と、前記第2の評価手段による第2の評価結果とに基づいて、総合的な評価を行う総合評価手段をさらに備えた。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記健康支援装置は、前記総合評価手段による評価結果に基づいて、前記ユーザに対するアドバイス情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたアドバイス情報を出力する出力手段とをさらに備えた。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記健康支援装置は、前記総合評価手段による評価結果を、所定のグループを形成する複数のユーザがそれぞれ所有する複数のユーザ端末が共有できるように提供する評価結果提供手段をさらに備えた。
【0015】
また、本発明は、少なくともユーザの健康支援を行う健康支援装置であって、前記ユーザの運動内容に基づいて該ユーザがとるべき行動を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された行動がとられたか否かを検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段による検出結果に基づき第1の評価を行う第1の評価手段とを備えた。
【0016】
また、本発明は、少なくともユーザの健康支援を行う健康支援装置における健康支援方法であって、前記健康支援装置が、前記ユーザの運動内容に基づいて該ユーザがとるべき行動を設定する設定工程と、前記健康支援装置が、前記設定工程により設定された行動がとられたか否かを検出する第1の検出工程と、前記健康支援装置が、前記第1の検出工程による検出結果に基づき第1の評価を行う第1の評価工程とを備えた。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザの運動状況に応じた栄養素を摂取できる食事メニューを呈示することにより効果的にユーザの健康を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る健康支援システムの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る健康支援システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した健康支援装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3に示したユーザデータの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2に示した携帯端末の構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、
図2に示した健康支援システムの処理手順を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、
図2に示した携帯端末のユーザデータ入力の場合の一表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図2に示した携帯端末の運動メニュー表示の場合の一表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図2に示した携帯端末の運動データ登録の場合の一表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図2に示した携帯端末の食事メニュー表示の場合の一表示例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図2に示した携帯端末の食事データ登録の場合の一表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、総合スコアの時間経緯とアドバイスの概要を示す図である。
【
図13】
図13は、
図2に示した携帯端末の総合スコア及びアドバイス表示の場合の一表示例を示す図である。
【
図14】
図14は、変形例1に係る健康支援装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図15】
図15は、実施形態2に係る健康支援システムのシステム構成を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態2に係る健康支援システムの総合スコアのレーダーチャートの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、変形例2に係る健康支援装置の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る健康支援システム、健康支援装置及び健康支援方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態1では、ユーザの運動内容に基づいて運動スコアを算出するとともに、食事のメニューを設定し、ユーザの食事データに基づいて食事スコアを算出し、運動スコア及び食事スコアに基づいて総合スコアを算出するシステムについて説明する。また、実施形態2では、更にユーザのSNSにおける活動、運動をしない休息期間等に基づいて総合スコアを算出するシステムについて説明する。
【0020】
[実施形態1]
<健康支援システムの概要>
まず、本実施形態1に係る健康支援システム10の概要について説明する。
図1は、実施形態1に係る健康支援システム10の概要を示す図である。
図1に示すように、携帯端末30は、健康支援装置20にユーザデータを送信する(S1)。ここで、ユーザデータは、身長、体重等の身体データと目標とする体重、体脂肪率等と目標を達成するまでの期間等のデータである。
【0021】
健康支援装置20は、ユーザデータに基づいて運動基準値の設定を行う(S2)。ここで、運動基準値とは、ユーザの目標とする体重、体脂肪率等と目標期間に基づいて算出される目標の運動量である。そして、健康支援装置20は、算出された運動基準値に基づいて運動メニューを生成し、携帯端末30に運動メニューを送信する(S3)。ここで、運動メニューは、例えば、トレーニングジムで運動を行うのであれば、トレーニングジムに設置されているトレーニングマシン(ランニングマシン、フィットネスバイク、チェストブレス等)のマシンの種類とトレーニングを行う時間等である。
【0022】
携帯端末30は、健康支援装置20から受信した運動メニューを表示する(S4)。その後、携帯端末30は、健康支援装置20に運動データを送信する(S5)。ここで、運動データは、図示しないウエアラブルデバイスから取得した運動量、歩数、ユーザが入力したトレーニングマシンの活動時間等のデータである。また、トレーニングマシンの活動時間等のデータは、トレーニングマシンから無線接続等によって取得してもよい。
【0023】
健康支援装置20は、運動データに基づいて運動スコアの算出を行う(S6)。運動スコアの算出は、運動基準値(目標運動量)と実際の運動量に基づき算出する(S7)。そして、健康支援装置20は、運動データに基づいて栄養素基準値を設定する(S7)。ここで、栄養素基準値は、運動基準値と、実際の運動量に基づいて算出される栄養素の目標摂取量である。そして、健康支援装置20は、栄養素基準値に基づいて推奨する食事メニューを生成し、携帯端末30に食事メニューを送信する(S8)。
【0024】
携帯端末30は、食事メニューを表示し(S9)、健康支援装置20に実際に食べた食事データを送信する(S10)。ここで、食事データは、食事をカメラで撮像した画像、ユーザが入力した食事のデータである。健康支援装置20は、受信した食事データから食事スコアを算出する(S11)。ここで、食事スコアは、食事のデータから算出される栄養素の取得摂取量と栄養素基準値である目標摂取量に基づいて算出する。
【0025】
健康支援装置20は、算出した運動スコア及び食事スコアに基づいて総合スコアを算出する(S12)。ここで、総合スコアは、例えば、運動スコアと、食事スコアとを加算し2で除算し算出する。健康支援装置20は、携帯端末30に総合スコアを送信し(S13)、携帯端末30は、受信した総合スコアを表示する(S14)。このように、実施形態1に係る健康支援システム10は、ユーザの運動量に基づいて運動スコアを算出するとともに、運動量に基づいて食事メニューを生成し、ユーザの摂取した食事に基づいて食事スコアを算出し、運動スコア及び食事スコアに基づいて総合スコアを算出する。
【0026】
<健康支援システムのシステム構成>
次に、実施形態1に係る健康支援システム10のシステム構成について説明する。
図2は、実施形態1に係る健康支援システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、健康支援システム10は、健康支援装置20と、携帯端末30a、30b、30c(以下、「携帯端末30」と総称する場合がある)と、ウエアラブルデバイス40a、40b、40c(以下、「ウエアラブルデバイス40」と総称する場合がある)とを有し、健康支援装置20と、携帯端末30とは、ネットワークNに接続されている。
【0027】
健康支援装置20は、ユーザデータを登録する処理、ユーザデータに基づいて運動基準値を設定する処理、ユーザから送信される運動データに基づいて運動スコアを算出する処理、ユーザの運動データに基づいて栄養素基準値を設定する処理、ユーザの運動データに基づいて食事メニューを生成する処理、ユーザの食事データに基づいて食事スコアを算出する処理、運動スコア及び食事スコアに基づいて総合スコアを算出する処理等を行う。
【0028】
携帯端末30は、ユーザデータを取得し、送信する処理、運動メニューを表示する処理、運動データを送信する処理、食事メニューを表示する処理、食事データを取得する処理、食事データを送信する処理、総合スコアを表示する処等を行う。ウエアラブルデバイス40は、ユーザの運動のデータを取得し、携帯端末30に送信する処理、歩数等を取得し、送信する処理等を行う。
【0029】
<健康支援装置20の構成>
次に、健康支援装置20の構成について説明する。
図3は、
図2に示した健康支援装置20の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、健康支援装置20は、表示部21、入力部22、通信I/F部23、記憶部24及び制御部25を有する。表示部21は、各種情報を表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。入力部22は、マウスやキーボードなどの入力デバイスである。通信I/F部23は、ネットワークNを介して携帯端末30と通信するための通信インターフェース部である。
【0030】
記憶部24は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、ユーザデータ24aと、運動基準値データ24bと、運動量データ24cと、栄養素基準値データ24dと、食事メニューデータ24eと、アドバイスデータ24fとを記憶する。
【0031】
ユーザデータ24aは、ユーザの身体データと目標とする体重、体脂肪率等のデータである。例えば、
図4に示すようにユーザID、氏名、性別、年齢、身長、体重、血圧、目標体重、目標体脂肪率、目標筋肉量、期間等のデータである。ここでは、ユーザID「A00001」に対して、氏名「朝日花子」、性別「女」、年齢「36」、身長「162」、体重「57」、血圧「126/74」、目標体重「50」、目標体脂肪率「25.」、目標筋肉量「18.6」、期間「3ヶ月」等が対応付けられている。また、ユーザID「A00104」に対して、氏名「山田太郎」、性別「男」、年齢「52」、身長「172」、体重「80」、血圧「129/83」、目標体重「72」、目標体脂肪率「24.1」、目標筋肉量「27.3」、期間「6ヶ月」等が対応付けられている。
【0032】
運動基準値データ24bは、ユーザデータに基づいて算出された目標体重等を目標期間で達成するために必要な運動量のデータである。運動量データ24cは、ユーザデータ24aに基づいて運動メニューを生成するための複数の運動の種類と運動量を対応付けたデータである。栄養素基準値データ24dは、ユーザデータと、ユーザの運動データに基づいて算出された栄養素の目標摂取量のデータである。
【0033】
食事メニューデータ24eは、栄養素基準値データ24dに基づいて食事メニューを生成するための複数の栄養素と摂取量を対応付けたデータである。アドバイスデータ24fは、アドバイスを生成するための、目標総合スコアと、実際の累積総合スコアに基づいて対応付けられたメッセージのデータである。
【0034】
制御部25は、健康支援装置20の全体の制御を行う制御部であり、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、総合スコア算出部25jと、アドバイス生成部25kとを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、総合スコア算出部25jと、アドバイス生成部25kとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0035】
ユーザデータ取得部25aは、携帯端末30から送信されたユーザデータを受信し、記憶部24にユーザデータ24aとして記憶する処理部である。運動基準値設定部25bは、ユーザデータ24aに基づいて目標期間において目標の指標(目標体重、目標体脂肪率、目標筋肉量等)を達成するために必要な1日の運動量を算出して設定するとともに、記憶部24に運動基準値データ24bとして記憶する処理部である。
【0036】
運動メニュー生成部25cは、運動基準値データ24bと、運動量データ24cとに基づいてユーザが行うべき運動のメニューを生成し、携帯端末30に送信する処理部である。具体的には、運動基準値データ24bと、運動量データ24cを読み出し、運動基準値である目標運動量を実現するための運動のメニューを複数の運動と運動量が対応付けられた運動量データ24cに基づいて、どのような運動をどの程度の時間行うかを複数組み合わせて生成し、携帯端末30に送信する処理を行う。
【0037】
運動データ取得部25dは、携帯端末30から送信された運動データを受信する処理部である。運動スコア算出部25eは、記憶部24から運動基準値データ24bを読み出し、運動基準値データ24bと、携帯端末から受信した運動データに基づいて運動スコアを算出する処理を行う。例えば、運動基準値が1000Kcalであり、実際の運動量が500Kcalであるならば、運動スコアを50とする。
【0038】
栄養素基準値設定部25fは、携帯端末30から受信した運動データに基づいて摂取すべき栄養素を算出し、記憶部24に栄養素基準値データ24dとして記憶する処理部である。かかる栄養素は、例えば、食事によって摂取すべきエネルギー(カロリー)である。また、かかる栄養素は、5大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン及びミネラル)のそれぞれの摂取量であってもよい。
【0039】
食事メニュー生成部25gは、栄養素基準値設定部25fで設定された栄養素に基づいて食事メニューを生成する処理部である。具体的には、記憶部24から栄養素基準値データ24dと食事メニューデータ24eを読み出し、栄養素基準値で設定された栄養素(エネルギー)を摂取することができる食事メニューを食事メニューデータ24eから選択する。食事メニュー生成部25gは、食事メニューの履歴を考慮し、食事メニューが重複しないように生成するようにしてもよい。
【0040】
食事データ取得部25hは、携帯端末30からユーザが摂取した食事のデータを受信する処理部である。食事データは、ユーザが撮像した食事の画像である。また、食事データは、ユーザが入力した食事のメニューであってもよい。ここで、食事のメニューは、例えば、生姜焼き150g、ポテトサラダ30g、野菜サラダ50g等のデータでもよい。
【0041】
食事スコア算出部25iは、栄養素基準値設定部25fで設定された栄養素基準値と、食事データ取得部25hで取得した実際にユーザが摂取した食事データとに基づいて食事スコアを算出する処理部である。例えば、栄養素基準値が1000Kcalであり、実際の食事データが500Kcalであるならば、食事スコアを50とする。なお、実際にユーザが取得した食事データから栄養素(エネルギー)を算出するためには、例えば、深層学習を用いて教師あり学習を行った学習済モデルを用いて算出することができる。学習済モデルは、複数のメニュー画像と、各メニューの栄養素を教師データとして、バックプロパゲーションを用いて学習させたモデルである。
【0042】
総合スコア算出部25jは、運動スコア算出部25eにおいて算出された運動スコアと、食事スコア算出部25iで算出された食事スコアに基づいて算出する。例えば、運動スコアと食事スコアを加算して2で除算を行う。
【0043】
アドバイス生成部25kは、運動基準値と栄養素基準値から算出される総合スコアの目標累積値と、実際の総合スコアの累積値とに基づいてユーザに提供するアドバイスを生成する処理部である。ここで、アドバイス生成部25kは、総合スコアの目標累積値と、実際の総合スコアの累積値とのギャップ(状況)から生成するメッセージを変える。
【0044】
例えば、総合スコアの累積値が目標累積値に到達していないが、近づいている状況、総合スコアの累積値が目標累積値を超えて伸びている状況、総合スコアの累積値が目標累積値に達せず、伸び悩んでいる状況等により生成するメッセージを変えることになる。
【0045】
<携帯端末30の構成>
次に、携帯端末30の構成について説明する。
図5は、
図2に示した携帯端末30の構成を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、携帯端末30は、操作表示部31、ブルートゥース(登録商標)送受信部32、通信I/F部33、記憶部34及び制御部35を有する。操作表示部31は、液晶パネル、ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)等のデバイスを用いて表示を行うとともに、感圧式等により操作入力を受け付ける入力デバイス兼表示デバイスである。
【0046】
ブルートゥース(登録商標)送受信部32は、ウエアラブルデバイス40と通信を行う通信インターフェース部である。通信I/F部33は、健康支援装置20と通信を行う通信インターフェース部である。
【0047】
記憶部34は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、運動メニューデータ34aと、運動データ34bと、食事メニューデータ34cと、食事データ34dとを記憶する。運動メニューデータ34aは、健康支援装置20から受信したユーザが行う運動のメニューのデータである。
【0048】
運動データ34bは、ユーザが実際にトレーニングマシンを用いて行った運動のデータである。また、運動データ34bは、ユーザが歩いた歩数を含んでもよい。食事メニューデータ34cは、健康支援装置20から受信したユーザが摂取すべき食事メニューのデータである。食事データ34dは、ユーザが摂取した食事の画像データである。また、食事データ34dは、ユーザが入力した食事のデータを含んでもよい。
【0049】
制御部35は、携帯端末30の全体を制御する制御部であり、健康支援アプリ36を有する。健康支援アプリ36は、あらかじめ図示しないサーバ装置等から携帯端末30にダウンロードされ、インストールされている。健康支援アプリ36は、ユーザデータ処理部36aと、運動メニュー処理部36bと、運動データ取得処理部36cと、食事メニュー処理部36dと食事データ取得処理部36eと、表示処理部36fとを有する。
【0050】
ユーザデータ処理部36aは、ユーザの氏名、性別、年齢、身長、体重等の身体データと、目標体重、目標体脂肪率、目標筋肉量、期間等の目標データとを取得し、健康支援装置20に送信する処理部である。運動メニュー処理部36bは、健康支援装置20においてユーザデータに基づいて生成された運動メニューを受信し、運動メニューデータ34aとして記憶部34に記憶するとともに、操作表示部31に表示する処理部である。
【0051】
運動データ取得処理部36cは、ユーザが行った運動のデータを取得し、運動データ34bとして記憶部34に記憶するとともに、健康支援装置20に送信する処理部である。ここで、ユーザが行った運動のデータは、ウエアラブルデバイス40から運動量を取得してもよい。また、トレーニングマシンが無線通信機能を持っているならば、携帯端末30と無線通信を用いてデータを取得してもよい。更に、ユーザ自身が携帯端末30に手入力してもよい。
【0052】
食事メニュー処理部36dは、健康支援装置20において生成された食事メニューを受信し、食事メニューデータ34cとして記憶部34に記憶するとともに、操作表示部31に表示する処理部である。
【0053】
食事データ取得処理部36eは、ユーザが摂取した食事のデータを取得し、食事データ34dとして記憶部34に記憶するとともに、健康支援装置20に送信する処理部である。食事データ34dは、ユーザが携帯端末30を用いて図示しない撮像部により撮像した食事の画像である。また、食事データ34dは、ユーザが手入力してもよい。表示処理部36fは、健康支援装置20から受信した総合スコア及びアドバイスのメッセージを表示する処理部である。
【0054】
<健康支援システム10の処理手順>
次に、健康支援システム10の処理手順について説明する。
図6は、
図2に示した健康支援システム10の処理手順を示すシーケンス図である。
図6に示すように、携帯端末30は、健康支援装置20にユーザデータを送信する(ステップS101)。健康支援装置20は、携帯端末30からユーザデータを受信したならば、ユーザデータ24aの登録を行う(ステップS102)。
【0055】
そして、健康支援装置20は、ユーザデータ24aに基づいて運動基準値の設定を行う(ステップS103)。その後、健康支援装置20は、運動基準値に基づいて運動メニューの生成を行い(ステップS104)、運動メニューを携帯端末30に送信する。
【0056】
携帯端末30は、健康支援装置20から運動メニューを受信したならば、該運動メニューを操作表示部31に表示する(ステップS105)。そして、携帯端末30は、ユーザが運動を行ったならば、運動データを取得し、健康支援装置20に該運動データを送信する(ステップS106)。
【0057】
健康支援装置20は、携帯端末30から運動データを受信したならば、該運動データと、運動基準値とに基づいて運動スコアを算出する(ステップS107)。そして、健康支援装置20は、該運動データに基づいて必要な栄養素を算出し、栄養素基準値として設定する(ステップS108)。その後、健康支援装置20は、該栄養素基準値に基づいてユーザが摂取すべき食事メニューを生成し(ステップS109)、該食事メニューを携帯端末30に送信する。
【0058】
携帯端末30は、該食事メニューを受信したならば、該食事メニューを操作表示部31に表示する(ステップS110)。そして、携帯端末30は、ユーザが食事データを撮像したならば、該食事データを健康支援装置20に送信する(ステップS111)。
【0059】
健康支援装置20は、該食事データを受信したならば、栄養素基準値と、実際の食事データとに基づいて食事スコアを算出する(ステップS112)。そして、健康支援装置20は、運動スコアと食事スコアに基づいて総合スコアを算出し(ステップS113)、該総合スコアを携帯端末30に送信する。その後、健康支援装置20は、総合スコアに基づいてアドバイスを生成し(ステップS114)、該アドバイスを携帯端末30に送信し、一連の処理を終了する。
【0060】
携帯端末30は、総合スコア及びアドバイスを受信したならば、該総合スコア及び該アドバイスを操作表示部31に表示し(ステップS115)、一連の処理を終了する。
【0061】
<ユーザデータの入力画面例>
次に、携帯端末30のユーザデータの入力画面例について説明する。
図7は、
図2に示した携帯端末30のユーザデータ入力の場合の一表示例を示す図である。
図7に示すように、携帯端末30の操作表示部31にユーザデータ入力画面が表示され、あらかじめユーザID「A000001」が表示されている。ここでは、ユーザデータとして身体情報及び目標体型の入力を促しており、身体情報として、氏名、性別、年齢、身長、体重及び血圧の入力枠が表示されており、それぞれ、氏名「朝日 花子」、性別「女」、年齢「36」、身長「162」、体重「57」及び血圧「125/74」が入力されている状態を示している。なお、身体情報は、体組成計等が携帯端末30とブルートゥース(登録商標)送受信部32を介して接続され、取得してもよい。
【0062】
また、目標体型として、体重、体脂肪率、筋肉量及び期間の入力枠が表示されており、それぞれ、体重「50」、体脂肪率「25.5」、筋肉量「18.6」及び期間「3ヶ月」が入力されている状態を示している。ユーザが登録ボタンを押すことにより、ユーザが入力したユーザデータが携帯端末30から健康支援装置20に送信されることになる。
【0063】
<運動メニュー表示の画面例>
次に、携帯端末30の運動メニュー表示の画面例について説明する。
図8は、
図2に示した携帯端末30の運動メニュー表示の場合の一表示例を示す図である。
図8に示すように、携帯端末30の操作表示部31に健康支援装置20から受信した運動メニューが表示されている。運動メニューの表示画面として、ユーザID:A000001が表示されており、マシン関連の運動メニューとして、ランニング:30分、フィットネスバイク:30分、チェストブレス:10分、ラットプルダウン:10分及びレッグプレス:10分が表示され、歩数として10,000歩が表示されている状態を示している。なお、運動メニューは、負荷(重量)と回数が表示されてもよい。また、運動メニューは、負荷が大きい場合に、代替メニューを選択できるように表示されてもよい。例えば、負荷(50kg)、回数(30回)と負荷(30kg)、回数(50回)とを選択できるようにしてもよい。
【0064】
<運動データの登録の画面例>
次に、携帯端末30の運動データ登録の画面例について説明する。
図9は、
図2に示した携帯端末30の運動データ登録の場合の一表示例を示す図である。
図9に示すように、携帯端末30の操作表示部31に運動データ登録画面が表示され、あらかじめユーザID「A000001」と健康支援装置20から受信した運動メニューが表示されている。
【0065】
そして、マシン関連の運動では、それぞれのエクササイズマシンに実際の運動時間を入力する入力枠が表示されており、ここでは、ランニング:35分、フィットネスバイク:40分、チェストブレス:10分、アブドミラル:5分、ラットプルダウン:12分、レッグプレス:8分及び歩数:12649が入力されている状態を示している。ユーザが登録ボタンを押すことにより、運動データが健康支援装置20に送信されることになる。
【0066】
なお、ここでは、すべての入力枠をユーザが手入力する場合について説明したが、エクササイズマシンが無線通信機能を有し、携帯端末30と無線通信で接続が可能な場合は、マシンから実際の運動時間を自動で取得するようにしてもよい。また、歩数もウエアラブルデバイス40から取得した値を表示し、ユーザが修正できるようにしてもよい。
【0067】
<食事メニュー表示の画面例>
次に、携帯端末30の食事メニュー表示の画面例について説明する。
図10は、
図2に示した携帯端末30の食事メニュー表示の場合の一表示例を示す図である。
図10に示すように、携帯端末30の操作表示部31に健康支援装置20から受信した食事メニューの画面が表示される。食事メニューの画面は、ここでは、目標摂取カロリー、おすすめメニュー及び説明文が表示されている状態を示している。
【0068】
おすすめメニューの表示には、メニュー名「ハーブチキンソテー&アボガドソースのニョッキ」と、メニューの摂取カロリー「790Kcal」と、メニューの写真とが表示されている。そして、おすすめメニューの説明文として「オーバーワーク気味のときは、たっぷりの炭水化物とミネラルの摂取がポイントとなります。チキンをソテーするオイルは亜麻仁油を使うとより効果的です」と表示されている状態を示している。なお、ユーザが「次へ」のボタンを押した場合は、別のメニューを表示するようにしてもよい。
【0069】
<食事データ登録の画面例>
次に、食事データ登録の画面例について説明する。
図11は、
図2に示した携帯端末30の食事データ登録の場合の一表示例を示す図である。ここでは、食事の画像データを送信する場合について説明する。
図11に示すように、携帯端末30の操作表示部31に食事データ登録を行うための画面が表示され、中央部に食事画像の表示枠が表示されている状態を示している。
【0070】
携帯端末30は、ユーザが撮像ボタンを押したならば携帯端末30の撮像部により食事画像を撮像し、表示枠に食事画像を表示する。そして、携帯端末30は、ユーザが登録ボタンを押したならば、食事画像を食事データとして健康支援装置20に送信する。
【0071】
<アドバイス生成の概要>
次に、総合スコアの時間経緯とアドバイスの生成の概要について説明する。
図12は、総合スコアの時間経緯とアドバイスの概要を示す図である。
図12にしめすように、健康支援装置20は、総合スコアの目標累積値(破線)と、ユーザの実際の総合スコアの累積値(実線)とを比較して、アドバイスの生成を行う。領域Aは、総合スコアの累積値が目標累積値に達成はしていないが、近づいている領域、領域Bは、総合スコアの累積値が目標累積値を越えて伸びている領域、領域Cは、総合スコアの累積値が目標累積値に達せず、伸び悩んでいる領域である。
【0072】
健康支援装置20は、領域A、領域B及び領域Cに対応して生成するアドバイスのメッセージを変える。例えば、領域Aでは、「今日はたっぷり有酸素運動をして体脂肪を燃焼できたところに良いバランスの食事ができましたね。この調子で明日はもう少しペースを上げてみましょう!」のメッセージを、領域Bでは、「素晴らしいパフォーマンスです!今日のエクササイズと栄養摂取のバランスは理想的な体作りにとってパーフェクトと言えます。明日からもオーバーワークにならないように気をつけて取り組んで行きましょう。」のメッセージを、領域Cでは、「オーバーワークで少しお疲れではないでしょうか?エクササイズの強度は素晴らしいですが、栄養面を考慮することでボディメイクの効果は劇的に向上します。おすすめのレシピやメニューのプランを是非取り入れて、再考のバランスを目指しましょう!」のメッセージを生成する。なお、生成するアドバイスのメッセージは、運動スコアは良いが、食事スコアが悪い場合又は運動スコアは悪いが、食事スコアは良い場合等、個々のスコアに応じて異なるように生成してもよい。
【0073】
<総合スコア表示の画面例>
次に、携帯端末30の総合スコア表示の画面例について説明する。
図13は、
図2に示した携帯端末30の総合スコア及びアドバイス表示の場合の一表示例を示す図である。
図13に示すように、携帯端末30の操作表示部31に健康支援装置20から受信した総合スコア及びアドバイスのメッセージの画面が表示される。ここでは、ユーザID:A000001、本日のスコア:82、累積のスコア:1820、総合スコアの累積グラフ及びアドバイスのメッセージが表示されている状態を示している。
【0074】
上述してきたように、本実施形態1では、健康支援システム10は、健康支援装置20が携帯端末30から受信したユーザデータ24aに基づいて運動基準値を設定し、運動基準値に基づいて運動メニューを生成する。そして、ユーザが該運動メニューに基づいて運動を行ったならば、運動データを携帯端末30から受信し、運動スコアを算出する。その後、健康支援装置20は、運動データに基づいて栄養素基準値を算出し、該栄養素基準値に基づいてユーザが摂取すべき食事メニューを生成する。そして、健康支援装置20は、ユーザが摂取した食事データを取得したならば、食事スコアを算出する。その後、健康支援装置20は、運動スコア及び食事スコアに基づいて総合スコアを生成するとともに、ユーザへのアドバイスのメッセージを生成し、携帯端末30に送信するようにしたため、ユーザの運動内容に基づいて、ユーザが取るべき行動を設定し、該行動が行われたか否かを評価することができる。
【0075】
なお、上記実施形態1では、ユーザデータの登録、運動メニューの表示、運動データの登録、食事メニューの表示、食事データの登録及び総合スコアの表示等を携帯端末30の健康支援アプリ36で実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、健康支援装置20にHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に則り、ウエブブラウザからのHTTP/HTTPSで送られたリクエストに対してHTML、CSS等の情報を返すWebサーバ機能を実装し、ユーザデータの登録、運動メニューの表示、運動データの登録、食事メニューの表示、食事データの登録及び総合スコアの表示等をユーザのウエブブラウザで行えるようにしてもよい。
【0076】
<変形例1>
ところで、上記実施形態1では、健康支援システム10は、運動スコア及び食事スコアに基づいて総合スコアを算出する場合について説明したが、変形例1では、更に休息スコアを算出し、運動スコア、食事スコア及び休息スコアに基づいて総合スコアを算出する場合について説明する。
【0077】
<健康支援装置50の構成>
図14は、変形例1に係る健康支援装置50の構成を示す機能ブロック図である。なお、
図3に示した健康支援装置20と同様の機能部については、同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
図14に示すように、健康支援装置50は、表示部21、入力部22、通信I/F部23、記憶部54及び制御部55を有する。
【0078】
記憶部54は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、ユーザデータ24aと、運動基準値データ24bと、運動量データ24cと、栄養素基準値データ24dと、食事メニューデータ24eと、アドバイスデータ24fと、休息基準値データ54aを記憶する。休息基準値データ54aは、運動基準値データ24bに基づいて算出される運動と次の運動の間をどの程度空けたらよいかを表わす休息時間のデータである。
【0079】
制御部55は、健康支援装置50の全体の制御を行う制御部であり、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、アドバイス生成部25kと、休息基準値設定部55aと、休息時間設定部55bと、休息スコア算出部55cと、総合スコア算出部55dとを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、アドバイス生成部25kと、休息基準値設定部55aと、休息時間設定部55bと、休息スコア算出部55cと、総合スコア算出部55dとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0080】
休息基準値設定部55aは、運動基準値データ24bに基づいて運動と次の運動との間に必要な休息時間を算出し、設定する処理部である。休息時間設定部55bは、休息基準値データ54aと運動データに基づいて休息時間を算出し、設定する処理部である。設定された休息時間は、携帯端末30に通知される。休息スコア算出部55cは、休息基準値と、実際の休息時間とに基づいて休息スコアを算出する処理部である。休息スコアは、休息基準値に近い休息時間である場合に最もスコアが高く、休息基準値から短すぎても、長すぎてもスコアは落ちて行くように算出される。なお、実際の休息時間は、運動データ取得部25dにおいて、次の運動を取得(検知)したならば、前の運動データ取得時との時間の間隔より算出する。また、休息時間は、ユーザの手入力により取得してもよい。総合スコア算出部55dは、運動スコア、食事スコア及び休息スコアに基づいて総合スコアを算出する処理部である。例えば、運動スコア、食事スコア及び休息スコアを加算し、3で除算した値である。
【0081】
[実施形態2]
ところで、上記実施形態1では、健康支援システム10は、運動スコア及び食事スコアに基づいて総合スコアを算出する場合について説明したが、実施形態2では、更にユーザのSNS等での活動状況、ユーザのバイタル状況、ユーザの健康支援システムの利用状況等に基づいて総合スコアを算出する場合について説明する。
【0082】
<健康支援システム60のシステム構成>
図15は、実施形態2に係る健康支援システム60のシステム構成を示す図である。なお、
図2に示した健康支援システム10と同様の機能部については、同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
図15に示すように、健康支援システム60は、健康支援装置70と、SNSサーバ80と、携帯端末30a、30b、30cと、ウエアラブルデバイス40a、40b、40cとを有し、健康支援装置70と、SNSサーバ80と、携帯端末30とは、ネットワークNに接続されている。
【0083】
健康支援装置70は、ユーザデータを登録する処理、ユーザデータに基づいて運動基準値を設定する処理、ユーザから送信される運動データに基づいて運動スコアを算出する処理、ユーザの運動データに基づいて栄養素基準値を設定する処理、ユーザの運動データに基づいて食事メニューを生成する処理、ユーザの食事データに基づいて食事スコアを算出する処理、後述するSNSサーバ80からユーザのSNSデータを取得する処理、ユーザのバイタル状況に基づいてバイタルスコアを算出する処理、ユーザの健康支援システムの利用状況に基づいて継続スコアを算出する処理、SNSデータに基づいてコミュニティスコアを算出する処理、運動スコア、食事スコア、バイタルスコア、継続スコア及びコミュニティスコアに基づいて総合スコアを算出する処理等を行う。SNSサーバ80は、エクササイズの情報、食事メニューの情報、ジムの情報等の健康支援に関する情報を共有することができるサーバである。
【0084】
<健康支援装置70の構成>
次に、実施形態2に係る健康支援システム60の健康支援装置70の構成について説明する。
図16は、
図15に示した健康支援装置70の構成を示す機能ブロック図である。なお、
図3に示した健康支援装置20と同様の機能部については、同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
図16に示すように、健康支援装置70は、表示部21、入力部22、通信I/F部23、記憶部24及び制御部75を有する。
【0085】
制御部75は、健康支援装置70の全体の制御を行う制御部であり、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、アドバイス生成部25kと、SNSデータ取得部75aと、バイタルスコア算出部75bと、継続スコア算出部75cと、コミュニティスコア算出部75dと、総合スコア算出部75eとを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、アドバイス生成部25kと、SNSデータ取得部75aと、バイタルスコア算出部75bと、継続スコア算出部75cと、コミュニティスコア算出部75dと、総合スコア算出部75eとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0086】
SNSデータ取得部75aは、SNSサーバ80からユーザのSNSの閲覧数、視聴数、発信数、フォロー数、フォロワー数等のデータを取得する処理部である。バイタルスコア算出部75bは、ウエアラブルデバイス40から携帯端末30を介して得られるバイタルデータと、ユーザデータ24aから算出され標準値と、ユーザの設定した目標値に基づいてバイタルスコアを算出する処理部である。バイタルスコアは、ユーザの設定した目標値に近い程、例えば、100に近い値を示す。
【0087】
継続スコア算出部75cは、健康支援システム60を継続して利用しているか否かを表わすスコアで、サービス利用時間、サービス累積利用時間に基づいて継続スコアを算出する処理部である。コミュニティスコア算出部75dは、SNSデータ取得部75aで取得したSNS関連のデータに基づいてコミュニティスコアを算出する処理部である。
【0088】
総合スコア算出部75eは、運動スコア、食事スコア、バイタルスコア、継続スコア及びコミュニティスコアに基づいて総合スコアを算出する処理部である。総合スコアは、運動スコア、食事スコア、バイタルスコア、継続スコア及びコミュニティスコアを加算して、5で除算して算出する。また、
図17に示すようにそれぞれのスコアをレーダーチャートとして表示し、各スコアの達成度を確認するとともに、どのスコアが目標に対して達成していないのかを確認できるようにしてもよい。
【0089】
上述してきたように、本実施形態2では、健康支援システム60は、健康支援装置70が携帯端末30から受信したユーザデータ24aに基づいて運動基準値を設定し、ユーザの運動の状況、食事の状況、SNSでの活動状況、ユーザのバイタル状況、健康支援システム60の継続利用状況等、複数の領域でのスコアを算出し、各スコアに基づいて総合スコアを算出するようにしたため、ユーザの運動内容に基づいて、ユーザが取るべき行動を設定し、該行動が行われたか否かを評価することができる。
【0090】
<変形例2>
ところで、上記実施形態2では、健康支援システム60は、ユーザ個人の各領域でのスコアに基づいた総合スコアを算出する場合について説明したが、変形例2では、更に、他のユーザとの競争を促し、ユーザのモチベーションを高めるに他のユーザの総合スコアと比較して順位付けする場合について説明する。
【0091】
<健康支援装置90の構成>
図18は、変形例2に係る健康支援装置90の構成を示す機能ブロック図である。なお、
図16に示した健康支援装置70と同様の機能部については、同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
図18に示すように、健康支援装置90は、表示部21、入力部22、通信I/F部23、記憶部94及び制御部95を有する。
【0092】
記憶部94は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、ユーザデータ24aと、運動基準値データ24bと、運動量データ24cと、栄養素基準値データ24dと、食事メニューデータ24eと、アドバイスデータ24fと、総合スコア順位データ94aを記憶する。総合スコア順位データ94aは、健康支援システムを利用している複数のユーザの各総合スコアに基づいて順位付けを行ったデータである。
【0093】
制御部95は、健康支援装置90の全体の制御を行う制御部であり、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、アドバイス生成部25kと、SNSデータ取得部75aと、バイタルスコア算出部75bと、継続スコア算出部75cと、コミュニティスコア算出部75dと、総合スコア算出部75eと、総合スコア順位生成部95aとを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、アドバイス生成部25kと、SNSデータ取得部75aと、バイタルスコア算出部75bと、継続スコア算出部75cと、コミュニティスコア算出部75dと、総合スコア算出部75eと、総合スコア順位生成部95aとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0094】
総合スコア順位生成部95aは、健康支援装置90に登録された所定のグループを形成する複数のユーザの総合スコアの累積値に基づいて総合スコア順位データ94aを生成する処理部である。生成された総合スコア順位データ94aは、健康支援装置90に登録された所定のグループを形成する複数のユーザがそれぞれ所有する複数の携帯端末30に送信され、ユーザが自身の順位を確認するとともに、他ユーザの順位を確認することにより、活動のモチベーションを高めることができる。また、健康支援装置90は、総合スコアの順位だけでなく各ユーザのアドバイスデータを含む総合評価結果を共有してもよい。
【0095】
なお、上記実施形態2では、ユーザデータの登録、運動メニューの表示、運動データの登録、食事メニューの表示、食事データの登録、総合スコアの表示及び所定のグループを形成する複数のユーザの総合スコア順位データを含む総合評価結果の表示等を携帯端末30の健康支援アプリ36で実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、健康支援装置70にHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に則り、ウエブブラウザからのHTTP/HTTPSで送られたリクエストに対してHTML、CSS等の情報を返すWebサーバ機能を実装し、ユーザデータの登録、運動メニューの表示、運動データの登録、食事メニューの表示、食事データの登録、総合スコアの表示及び所定のグループを形成する複数のユーザの総合スコア順位データを含む総合評価結果の表示等をユーザのウエブブラウザで行えるようにしてもよい。
【0096】
<ハードウエアとの関係>
次に、上記実施形態1に係る健康支援システム10の健康支援装置20と、コンピュータの主たるハードウエア構成の対応関係について説明する。
図19は、ハードウエア構成の一例を示す図である。
【0097】
一般的に、コンピュータは、CPU101、ROM102、RAM103及び不揮発性メモリ104などがバス105により接続された構成となる。不揮発性メモリ104の代わりにハードディスク装置が設けられていてもよい。説明の便宜上、基本的なハードウエア構成のみを示している。
【0098】
ここで、ROM102又は不揮発性メモリ104には、オペレーティングシステム(以下、単に「OS」と言う)の起動に必要となるプログラム等が記憶されており、CPU101は、電源投入時にROM102又は不揮発性メモリ104からOSのプログラムをリードして実行する。
【0099】
一方、OS上で実行される各種のアプリケーションプログラムは、不揮発性メモリ104に記憶されており、CPU101がRAM103を主メモリとして利用しつつアプリケーションプログラムを実行することにより、アプリケーションに対応するプロセスが実行される。
【0100】
そして、本実施形態1に係る健康支援システム10の健康支援装置20の健康支援プログラムについても、他のアプリケーションプログラムと同様に不揮発性メモリ104等に記憶され、CPU101が、かかる健康支援プログラムをロードして実行することになる。本実施形態1に係る健康支援システム10の健康支援装置20の場合には、
図3に示したユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、総合スコア算出部25jと、アドバイス生成部25kとに対応するルーチンを含む健康支援プログラムが不揮発性メモリ104等に記憶される。
【0101】
CPU101により健康支援プログラムがロード実行されることにより、ユーザデータ取得部25aと、運動基準値設定部25bと、運動メニュー生成部25cと、運動データ取得部25dと、運動スコア算出部25eと、栄養素基準値設定部25fと、食事メニュー生成部25gと、食事データ取得部25hと、食事スコア算出部25iと、総合スコア算出部25jと、アドバイス生成部25kとに対応する健康支援プロセスが生成される。
【0102】
上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明に係る健康支援システム、健康支援装置及び健康支援方法は、ユーザの運動状況に応じた栄養素を摂取できる食事メニューを呈示することにより効果的にユーザの健康を支援する場合に適している。
【符号の説明】
【0104】
10 健康支援システム
20 健康支援装置
21 表示部
22 入力部
23 通信I/F部
24 記憶部
24a ユーザデータ
24b 運動基準値データ
24c 運動量データ
24d 栄養素基準値データ
24e 食事メニューデータ
24f アドバイスデータ
25 制御部
25a ユーザデータ取得部
25b 運動基準値設定部
25c 運動メニュー生成部
25d 運動データ取得部
25e 運動スコア算出部
25f 栄養素基準値設定部
25g 食事メニュー生成部
25h 食事データ取得部
25i 食事スコア算出部
25j 総合スコア算出部
25k アドバイス生成部
30、30a、30b、30c 携帯端末
31 操作表示部
32 ブルートゥース(登録商標)送受信部
33 通信I/F部
34 記憶部
34a 運動メニューデータ
34b 運動データ
34c 食事メニューデータ
34d 食事データ
35 制御部
36 健康支援アプリ
36a ユーザデータ処理部
36b 運動メニュー処理部
36c 運動データ取得処理部
36d 食事メニュー処理部
36e 食事データ取得処理部
36f 表示処理部
40 ウエアラブルデバイス
50 健康支援装置
54 記憶部
54a 休息基準値データ
55 制御部
55a 休息基準値設定部
55b 休息時間設定部
55c 休息スコア算出部
55d 総合スコア算出部
60 健康支援システム
70 健康支援装置
75 制御部
75a SNSデータ取得部
75b バイタルスコア算出部
75c 継続スコア算出部
75d コミュニティスコア算出部
75e 総合スコア算出部
80 SNSサーバ
90 健康支援装置
94 記憶部
94a 総合スコア順位データ
95 制御部
95a 総合スコア順位生成部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 不揮発性メモリ
105 バス