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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132269
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042984
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 彰彦
【テーマコード(参考)】
5C054
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FC13
5C054HA19
(57)【要約】
【課題】ユーザが行った手洗いに応じて入場の可否を判定することができるシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、システムは、動作判定装置と情報処理装置とを備える。前記動作判定装置は、撮影画像インターフェースと、第1のプロセッサと、を備える。撮影画像インターフェースは、ユーザの手を撮影した撮影画像を取得する。第1のプロセッサは、前記撮影画像に基づいてユーザの手洗いに関する手洗いログを生成する。前記情報処理装置は、通信インターフェースと、第2のプロセッサと、を備える。通信インターフェースは、所定の領域への入場を制御するロックゲートに接続する。第2のプロセッサは、前記手洗いログに基づいて前記ロックゲートを制御する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作判定装置と情報処理装置とを備えるシステムであって、
前記動作判定装置は、
ユーザの手を撮影した撮影画像を取得する撮影画像インターフェースと、
前記撮影画像に基づいてユーザの手洗いに関する手洗いログを生成する第1のプロセッサと、
を備え、
前記情報処理装置は、
所定の領域への入場を制御するロックゲートに接続する通信インターフェースと、
前記手洗いログに基づいて前記ロックゲートを制御する第2のプロセッサと、
を備える、
システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記手洗いログから構成される手洗いログデータベースを備え、
前記通信インターフェースは、前記所定の領域へ入場しようとするユーザの識別情報を取得し、
前記第2のプロセッサは、
前記手洗いログデータベースから、取得された前記識別情報に対応する前記手洗いログを取得し、
取得された前記手洗いログに基づいて前記ロックゲートを制御する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のプロセッサは、前記手洗いログデータベースにおける所定の期間に実行された手洗いに関する前記手洗いログから、取得された識別情報に対応する前記手洗いログを取得する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のプロセッサは、前記手洗いログが所定の動作クラスが完了していることを示す場合、前記ロックゲートを開放させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記動作判定装置は、
前記ユーザの識別情報を取得する識別情報インターフェースを備え、
前記第1のプロセッサは、
前記識別情報インターフェースによって取得された識別情報に基づいて手洗いに関する手洗いパターンを設定し、
前記手洗いパターンにさらに基づいて前記手洗いログを生成する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
所定の領域に入場しようとするユーザの手洗いに関する手洗いログを取得する機能と、
前記手洗いログに基づいて前記所定の領域への入場を制御するロックゲートを制御する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の領域への入場を制御するシステムが提供されている。そのようなシステムには、ユーザの識別情報を取得し、識別情報に基づいて入場の可否を判定するものがある。
【0003】
また、システムは、クリーンルームなどの所定の領域への入場を制御する場合、手洗いを適切に行ったユーザを入場させる必要がある。
【0004】
しかしながら、システムは、入場の可否を判定する際にユーザが手洗いを適切に行ったことを確認することができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-140678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、ユーザが行った手洗いに応じて入場の可否を判定することができるシステム及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、システムは、動作判定装置と情報処理装置とを備える。前記動作判定装置は、撮影画像インターフェースと、第1のプロセッサと、を備える。撮影画像インターフェースは、ユーザの手を撮影した撮影画像を取得する。第1のプロセッサは、前記撮影画像に基づいてユーザの手洗いに関する手洗いログを生成する。前記情報処理装置は、通信インターフェースと、第2のプロセッサと、を備える。通信インターフェースは、所定の領域への入場を制御するロックゲートに接続する。第2のプロセッサは、前記手洗いログに基づいて前記ロックゲートを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る入場システムの構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係るサーバの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る動作判定装置の構成例を概略的に示す図である。
図4図4は、実施形態に係る動作判定装置の他の構成例を概略的に示す図である。
図5図5は、実施形態に係る動作判定装置の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る手洗いパターンの例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るパターン設定テーブルの例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る特徴量モデルテーブルの例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る動作クラステーブルの例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る識別情報テーブルの例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る指示画面の例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る手洗いログデータベースの例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る動作判定装置の動作例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態に係る動作判定装置の動作例を示すフローチャートである。
図15図15は、実施形態に係る入場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る入場システムは、調理室、手術室、クリーンルームなどの所定の領域への入場を制御する。入場システムは、ユーザが行った手洗いに基づいて入場の可否を判定する。入場システムは、適切に手洗いを行ったユーザを所定の領域に入場させる。
【0010】
図1は、実施形態に係る入場システム100の構成例を示す。図1が示すように、入場システム100は、動作判定装置1(1’)、サーバ7、リーダ30及びロックゲート40などを備える。サーバ7は、動作判定装置1、リーダ30及びロックゲート40に接続する。
【0011】
入場システム100は、非清浄区域から清浄区域への入場を制御するロックゲート40を開閉する。
また、動作判定装置1は、非清浄区域に設置されている。
【0012】
動作判定装置1は、手洗いパターンに沿ってユーザの手洗いが適切に行われたかを判定する。動作判定装置1については、後に詳述する。
【0013】
リーダ30は、非清浄区域から清浄区域に入場しようとするユーザの識別情報を取得する。たとえば、リーダ30は、非清浄区域においてロックゲート40の近傍に設置されている。リーダ30は、取得された識別情報をサーバ7に送信する。
【0014】
たとえば、リーダ30は、ユーザが所持する端末(ICカード、RFID(radio frequency identification)タグなど)からユーザを識別する識別情報(IDなど)を取得する。リーダ30は、有線又は無線で端末に接続して、端末から識別情報を取得する。また、リーダ30、バーコード又は二次元コードなどのコードを読み取るものであってもよい。識別情報は、個々のユーザを識別する情報であってもよいし、ユーザの役職(調理部門メンバー、盛付け作業従事者など)を示すものであってもよい。
【0015】
ロックゲート40は、清浄区域と非清浄区域との間の往来を制御する。ここでは、ロックゲート40は、非清浄区域から清浄区域への入場を制御する。ロックゲート40は、サーバ7からの制御により開閉する。
【0016】
サーバ7(情報処理装置)は、リーダ30からの識別情報などに基づいてユーザが適切に手洗いを行ったかを判定する。サーバ7は、ユーザが適切に手洗いを行ったと判定すると、ロックゲート40を開放する。
【0017】
図2は、サーバ7の構成例を示すブロック図である。図2が示すように、サーバ7は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、NVM24、操作部25、表示部26及び通信インターフェース27などを備える。
【0018】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、操作部25、表示部26及び通信インターフェース27と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、サーバ7は、図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、サーバ7から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0019】
プロセッサ21(第2のプロセッサ)は、サーバ7全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ21は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ21は、内部メモリ、ROM22又はNVM24が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0020】
なお、プロセッサ21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0021】
ROM22は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM22に記憶される制御プログラム及び制御データは、サーバ7の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0022】
RAM23は、揮発性のメモリである。RAM23は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM23は、プロセッサ21からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM23は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0023】
NVM24は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM24は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM24は、サーバ7の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
また、NVM24は、ユーザが行った手洗いに関する手洗いログデータベースを格納する。手洗いログデータベースについては、後に詳述する。
【0024】
操作部25は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部25は、入力された操作を示す信号をプロセッサ21へ送信する。なお、操作部25は、タッチパネルなどから構成されるものであってもよい。
【0025】
表示部26は、プロセッサ21からの画像データを表示する。たとえば、表示部26は、液晶モニタから構成される。なお、操作部25がタッチパネルから構成される場合、表示部26は、操作部25としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0026】
通信インターフェース27は、動作判定装置1、リーダ30及びロックゲート40などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信インターフェース27は、ネットワークなどを介して動作判定装置1、リーダ30及びロックゲート40などに接続する。通信インターフェース27は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートする。
【0027】
なお、通信インターフェース27は、動作判定装置1に接続するインターフェースと、リーダ30に接続するインターフェースと、ロックゲート40に接続するインターフェースと、から構成されるものであってもよい。
たとえば、サーバ7は、PCなどである。
【0028】
次に、動作判定装置1について説明する。
図3は、実施形態に係る動作判定装置1の構成例を概略的に示す。図3が示すように、動作判定装置1は、カメラ3、入出力装置5、リーダ6及びシンク8などから構成される。
【0029】
シンク8は、ユーザが手を洗う水槽である。シンク8は、凹んだ構造を有する。また、シンク8の底部には、排水溝が形成されている。
また、シンク8には、蛇口9が設置されている。蛇口9は、ユーザが手を洗うための水を放出する。放出された水は、シンク8の排水溝から排出される。
【0030】
カメラ3は、シンク8の上部に下向きで設置される。カメラ3は、ユーザの手を含む領域(撮影領域)を撮影する。カメラ3は、上方からユーザの手を撮影する。カメラ3は、2次元の画像(撮影画像)を撮影する。カメラ3は、各ドットにおける色情報(RGB(Red Green Blue))を出力する。
また、カメラ3は、ユーザの手を照らすライトを備えるものであってもよい。
【0031】
入出力装置5は、ユーザが視認可能な位置に設置されている。ここでは、入出力装置5は、シンク8で手を洗うユーザの正面に設置されている。
【0032】
入出力装置5は、オペレータからの指示の入力を受け付け、オペレータに種々の情報を表示するインターフェースである。入出力装置5は、指示の入力を受け付ける操作部と、情報を表示する表示部とから構成される。
【0033】
入出力装置5は、操作部の動作として、オペレータから受け付けた操作を示す信号を後述する制御装置10へ送信する。たとえば、操作部は、タッチパネルから構成される。なお、操作部は、キーボード又はテンキーを備えてもよい。
【0034】
入出力装置5は、表示部の動作として、制御装置10からの画像を表示する。たとえば、表示部は、液晶モニタから構成される。表示部は、操作部としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0035】
リーダ6は、シンク8において手を洗うユーザの識別情報を取得する。リーダ6の構成は、リーダ30と同様である。
【0036】
次に、動作判定装置1の他の例について説明する。
図4は、動作判定装置1の他の例である動作判定装置1’の構成例を概略的に示す。
【0037】
動作判定装置1’は、動作判定装置1と同様に、カメラ3、入出力装置5、リーダ6及びシンク8などから構成される。
【0038】
カメラ3は、シンク8の横(図4では、左)に設置されている。カメラ3は、横からユーザの手を撮影する。
入出力装置5は、シンク8の横に設置されている。
その他の構成は、動作判定装置1’と同様であるため説明を省略する。
【0039】
次に、動作判定装置1及び1’の制御系について説明する。
動作判定装置1及び1’は、同様の構成であるため、動作判定装置1として説明する。
【0040】
図5は、動作判定装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。図5が示すように、動作判定装置1は、カメラ3、入出力装置5、リーダ6及び制御装置10などを備える。制御装置10と、カメラ3、入出力装置5及びリーダ6とは、通信可能に接続する。
【0041】
制御装置10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、通信インターフェース15、カメラインターフェース16、入出力インターフェース18及びリーダインターフェース19などを備える。
【0042】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、通信インターフェース15、カメラインターフェース16、入出力インターフェース18及びリーダインターフェース19とは、通信可能に接続する。
【0043】
カメラインターフェース16は、カメラ3と通信可能に接続する。入出力インターフェース18は、入出力装置5と通信可能に接続する。リーダインターフェース19は、リーダ6と通信可能に接続する。
カメラ3、入出力装置5及びリーダ6は、前述の通りである。
【0044】
プロセッサ11(第1のプロセッサ)は、制御装置10全体の動作を制御する。即ち、プロセッサ11は、制御装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部キャッシュ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0045】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0046】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、制御装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。ROM12は、たとえば、制御装置10の回路基板を制御するプログラムなどを格納する。
【0047】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0048】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM14は、たとえば、HDD、SSD、又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、制御装置10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0049】
また、NVM14は、複数の手洗いパターンを示すパターン設定テーブル、手の動作クラスを判定する特徴量モデルを示す特徴量モデルテーブル、動作クラスを示す動作クラステーブル、及び、ユーザごとの手洗いパターンを示す識別情報テーブルを予め格納する。パターン設定テーブル、特徴量モデルテーブル、動作クラステーブル及び識別情報テーブルについては、後述する。
【0050】
また、NVM14は、手の動作クラス(ここでは、動作クラスC1乃至C6)を判定するための特徴量モデルを予め格納する。たとえば、特徴量モデルは、機械学習などによって得られたネットワークなどである。
【0051】
通信インターフェース15は、外部装置とデータを送受信するためのインターフェースである。通信インターフェース15は、ネットワークなどを介して外部装置に接続する。たとえば、通信インターフェース15は、有線又は無線のLAN接続をサポートする。
【0052】
カメラインターフェース16(撮影画像インターフェース)は、カメラ3とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、カメラインターフェース16は、プロセッサ11の制御に基づいて、カメラ3に撮影を指示する信号を送信する。また、カメラインターフェース16は、カメラ3から撮影で得られた撮影画像を取得する。たとえば、カメラインターフェース16は、USB(Universal Serial Bus)接続をサポートするものであってもよいし、カメラリンクによる接続をサポートするものでもよい。
【0053】
入出力インターフェース18は、入出力装置5とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、入出力インターフェース18は、オペレータから受け付けた操作を示す信号を入出力装置5から受信する。入出力インターフェース18は、受信された信号をプロセッサ11に送信する。また、入出力インターフェース18は、プロセッサ11の制御に基づいて、オペレータに表示する画面を示す情報を入出力装置5に送信する。たとえば、入出力インターフェース18は、USB接続をサポートするものであってもよいし、パラレルインターフェースによる接続をサポートするものでもよい。
【0054】
リーダインターフェース19(識別情報インターフェース)は、リーダ6とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、リーダインターフェース19は、プロセッサ11の制御に基づいて、リーダ6を起動する信号を送信する。また、リーダインターフェース19は、リーダ6からの識別情報をプロセッサ11に送信する。たとえば、リーダインターフェース19は、USB接続をサポートするものであってもよい。
【0055】
たとえば、制御装置10は、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC又はスマートフォンなどである。
【0056】
なお、制御装置10は、図5が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、制御装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
また、通信インターフェース15、カメラインターフェース16、入出力インターフェース18及びリーダインターフェース19(又は、これらの一部)は、一体的に構成されるものであってもよい。
【0057】
次に、手洗いパターンについて説明する。
手洗いパターンは、ユーザの手洗いに関連する。手洗いパターンは、動作判定装置1が手洗いの手順が適切であるかを判定するために用いるパターンである。
【0058】
図6は、手洗いパターンの例を示す。
図6は、手洗いパターンA、B及びCを示す。
【0059】
手洗いパターンAは、工場「ア」における手洗いの手順を判定するために用いられる。手洗いパターンAは、手洗いの手順として、動作クラスC3、C4及びC5の順序でそれぞれ5秒ずつ継続することを示す。また、手洗いパターンAは、カメラ3が上方からユーザの手を撮影する場合(図3の場合)に用いられる。
【0060】
手洗いパターンBは、手洗いパターンAと同様に、工場「ア」における手洗いの手順を判定するために用いられる。手洗いパターンBは、手洗いパターンAと同様に、手洗いの手順として、動作クラスC3、C4及びC5の順序でそれぞれ5秒ずつ継続することを示す。また、手洗いパターンBは、カメラ3が横(ここでは、左)からユーザの手を撮影する場合(図4の場合)に用いられる。
【0061】
手洗いパターンCは、工場「イ」における手洗いの手順を判定するために用いられる。手洗いパターンCは、手洗いの手順として、動作クラスC3、C4、C5及びC6を順不同で合計で20秒継続することを示す。また、手洗いパターンCは、カメラ3が上方からユーザの手を撮影する場合(図3の場合)に用いられる。
【0062】
次に、パターン設定テーブルについて説明する。
図7は、パターン設定テーブルの構成例を示す。図7が示すように、パターン設定テーブルは、「パターンID」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」及び「総手洗い時間」を対応付けて格納する。
【0063】
「パターンID」は、手洗いパターン(既定パターン)を識別するIDである。「デフォルト」は、手洗いパターンが指定されない場合における手洗いパターンを示す。ここでは、「A」は、手洗いパターンA(既定パターンA)を示す。「B」は、手洗いパターンB(既定パターンB)を示す。「C」は、手洗いパターンC(既定パターンC)を示す。
【0064】
「動作順序ID」は、動作クラスの順序を示す。たとえば、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、「動作クラスID」としての「3」(動作クラスC3)に対応する「動作順序ID」として「1」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、動作クラスC3の順序として「1」を示す。
【0065】
また、パターン設定テーブルは、手洗いパターンCでは、各「動作クラスID」に対応する「動作順序ID」として「0」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンCでは、各動作クラスが順不同であることを示す。
【0066】
また、「動作クラスID」は、手洗いパターンにおいて実行される動作クラスを示す。ここでは、「1」乃至「6」は、それぞれ動作クラスC1乃至C6を示す。
【0067】
「動作持続時間」は、対応する動作クラスの持続時間を示す。たとえば、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、「動作クラスID」としての「3」(動作クラスC3)に対応する「動作持続時間」として「5s」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、動作クラスC3を5秒継続することを示す。
【0068】
また、パターン設定テーブルは、手洗いパターンCでは、各「動作クラスID」に対応する「動作持続時間」として「0」を示す。また、パターン設定テーブルは、末尾の「動作持続時間」として「20s」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンCでは、各動作クラスを合計で20秒継続することを示す。
【0069】
また、「特徴量モデルID」は、動作クラスの判定に用いられる特徴量モデルを識別するIDである。「特徴量モデルID」は、カメラ3が手を撮影する方向に対応する。ここでは、カメラ3が手を上方から撮影する場合(図3の場合)、「特徴量モデルID」は、「H1」を示す。また、カメラ3が手を横から撮影する場合(図4の場合)、「特徴量モデルID」は、「H2」を示す。
【0070】
「総手洗い時間」は、ユーザが手洗いを行う時間の上限を示す。たとえば、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAの「総手洗い時間」として「30s」を示す。即ち、パターン設定テーブルは、手洗いパターンAでは、ユーザが手洗いを行う時間の上限が30sであることを示す。また、「総手洗い時間」は、手洗いパターンCのように設定されなくともよい。
【0071】
なお、パターン設定テーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0072】
次に、特徴量モデルテーブルについて説明する。
図8は、特徴量モデルテーブルの構成例を示す。図8が示すように、特徴量モデルテーブルは、「特徴量モデルID」、「対応動作クラスID」及び「撮影環境」を対応付けて格納する。
【0073】
「特徴量モデルID」は、特徴量モデルを識別するIDである。
「対応動作クラスID」は、特徴量モデルが判定することが可能である動作クラスを示す。ここでは、「H1」及び「H2」は、「1」乃至「8」が示す動作クラス(動作クラスC1乃至C8)を判定することが可能であることを示す。
【0074】
「撮影環境」は、特徴量モデルが対応する撮影環境を示す。ここでは、特徴量モデルテーブルは、「H1」が上部から撮影された撮影画像に対応することを示す。また、特徴量モデルテーブルは、「H2」が横(左右)から撮影された撮影画像に対応することを示す。
【0075】
なお、特徴量モデルテーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0076】
次に、動作クラステーブルについて説明する。
図9は、動作クラステーブルの構成例を示す。図9が示すように、動作クラステーブルは、「動作クラスID」、「動作クラス表示名」及び「動作クラス表示画像」を対応付けて格納する。
【0077】
「動作クラスID」は、動作クラスを識別するIDである。
「動作クラス表示名」は、動作クラスを示す文字列である。たとえば、「動作クラス表示名」は、動作クラスC3の「動作クラス表示名」として「よく泡立てる」を示す。
【0078】
「動作クラス表示画像」は、動作クラスを示す画像である。たとえば、「動作クラス表示画像」は、動作クラスのイラスト及び「動作クラス表示名」などから構成される。
【0079】
なお、動作クラステーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0080】
次に、識別情報テーブルについて説明する。
識別情報テーブルは、設定された手洗いパターンに対してユーザごとの変更を示す。図10は、識別情報テーブルの構成例を示す。図10が示すように、識別情報テーブルは、「識別情報」、「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、「総手洗い時間」、及び、「変更条件の説明」などを対応付けて格納する。
【0081】
「識別情報」は、ユーザを識別する識別情報である。ここでは、「識別情報」は、特定のユーザ(作業員アなど)を示すものであってもよいし、役職(調理部門メンバー、盛付け作業従事者など)を示すものであってもよい。
【0082】
「パターン変更タイプ」は、対応する識別情報が示すユーザの手洗いパターンを変更する方法を示す。ここでは、「パターン変更タイプ」は、「既定パターンへの差分」又は「上書き」である。
【0083】
「既定パターンへの差分」は、設定されている手洗いパターン(既定パターン)へ差分を適用することで手洗いパターンを変更することを示す。
【0084】
「上書き」は、既定パターンに上書きすることで手洗いパターンを変更することを示す。
【0085】
「動作順序ID」は、動作クラスの順序を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「動作順序ID」は、既定パターンにおける動作クラスの順序に対する追加又は削除を示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作順序ID」は、動作クラスの順序を示す。
【0086】
「動作クラスID」は、動作クラスを示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「動作クラスID」は、追加又は削除された「動作順序ID」に対応する動作クラスを示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作クラスID」は、対応する「動作順序ID」における動作クラスを示す。
【0087】
「動作持続時間」は、対応する動作クラスの持続時間を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「動作持続時間」は、既定パターンにおける動作クラスの動作持続時間に対する延長又は短縮を示す。また、「動作持続時間」は、追加された「動作クラスID」が示す動作クラスの動作持続時間を示す。
【0088】
「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「動作クラスID」は、対応する「動作クラスID」が示す動作クラスの動作持続時間を示す。
【0089】
「特徴量モデルID」は、動作クラスの判定に用いられる特徴量モデルを識別するIDである。「特徴量モデルID」は、変更後の特徴量モデルID(又は変更無し)を示す。
【0090】
「総手洗い時間」は、ユーザが手洗いを行う時間の上限を示す。「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「総手洗い時間」は、既定パターンにおける総手洗い時間に対する延長又は短縮を示す。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「総手洗い時間」は、変更後の総手洗い時間を示す。
【0091】
「変更条件の説明」は、ユーザごとの変更の内容を示すテキストである。ここでは、「変更の説明」は、設定された既定パターンが既定パターンAである場合における変更の内容を示す。
【0092】
「パターン変更タイプ」が「既定パターンへの差分」である場合、「変更条件の説明」は、既定パターンに対する変更の内容を示すテキストである。「パターン変更タイプ」が「上書き」である場合、「変更条件の説明」は、変更後の手洗いパターンの内容を示すテキストである。
【0093】
なお、識別情報テーブルは、図10が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、識別情報テーブルから特定の構成が除外されたりしてもよい。識別情報テーブルの構成は、特定の構成に限定されるものではない。
また、識別情報テーブルは、オペレータの操作などに従って適宜更新されるものであってもよい。
【0094】
次に、動作判定装置1が実現する機能について説明する。動作判定装置1が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0095】
まず、プロセッサ11は、手洗いパターン(既定パターン)を設定する機能を有する。
たとえば、オペレータは、シンク8の設置場所及びカメラ3の角度などに基づいて入出力装置5に手洗いパターンを入力する。
【0096】
プロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じて当該操作を入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに存在するかを判定する。即ち、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンのIDがパターン設定テーブルに存在するかを判定する。
【0097】
入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに存在すると判定すると、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンを設定する。
【0098】
また、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに存在しない場合、デフォルトの手洗いパターンを設定する。
【0099】
また、プロセッサ11は、手洗いパターンに基づいて特徴量モデルを取得する機能を有する。
【0100】
手洗いパターンを設定すると、プロセッサ11は、パターン設定テーブルを参照して、設定された手洗いパターンのIDに対応する特徴量モデルをNVM14から取得する。
【0101】
また、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切であるかを判定するための判定ロジックを構築する機能を有する。
【0102】
特徴量モデルを取得すると、プロセッサ11は、パターン設定テーブルを参照して、設定された手洗いパターンの動作順序ID、動作クラスID及び動作持続時間を取得する。
【0103】
動作順序ID、動作クラスID及び動作持続時間を取得すると、プロセッサ11は、動作順序ID、動作クラスID及び動作持続時間などに基づいて、判定ロジックを構築する。
【0104】
また、プロセッサ11は、手洗いの手順を示す指示画面を入出力装置5に表示する機能を有する。
【0105】
判定ロジックを構築すると、プロセッサ11は、動作クラステーブルを参照して、取得された動作クラスIDに対応する動作クラス表示画像を取得する。動作クラス表示画像を取得すると、プロセッサ11は、取得された動作順序IDに従って動作クラス表示画像などを並べた指示画面を生成する。指示画面を生成すると、プロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じて生成された指示画面を入出力装置5に表示する。
【0106】
図11は、指示画面50の例を示す。図11が示すように、指示画面50は、アイコン51及びアイコン52を表示する。
【0107】
アイコン51は、動作クラスを示す画像(たとえば、動作クラス表示画像)を表示する。また、アイコン51は、動作クラスが完了したかを示す情報を表示する。ここでは、アイコン51は、動作クラスが完了したことを示す「○」又は動作クラスが完了していないことを示す「×」を表示する。また、アイコン51は、動作クラスに対応する順序を表示してもよい。
【0108】
指示画面50は、手洗いパターンが示す動作クラスの個数と同数のアイコン51を表示する。
【0109】
アイコン52は、動作クラスの進行状況を示す。ここでは、アイコン52は、手洗いパターンが示す動作クラスの個数と完了した動作クラスの個数とを表示する。
【0110】
なお、指示画面50は、図11が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、指示画面50から特定の構成が除外されたりしてもよい。指示画面50の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0111】
また、プロセッサ11は、リーダ6を通じて識別情報を取得する機能を有する。
指示画面50を表示すると、プロセッサ11は、リーダ6が識別情報を取得するまで待機する。
ここで、ユーザは、自身の端末をリーダ6に接続するものとする。
【0112】
リーダ6は、ユーザの端末から識別情報を取得する。プロセッサ11は、リーダ6からユーザの識別情報を取得する。
【0113】
また、プロセッサ11は、識別情報に基づいて、手洗いパターンを変更(設定)する機能を有する。
【0114】
識別情報を取得すると、プロセッサ11は、取得された識別情報が識別情報テーブルに含まれているかを判定する。取得された識別情報が識別情報テーブルに含まれているかを判定すると、プロセッサ11は、識別情報テーブルから、取得された識別情報に対応する「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、及び、「総手洗い時間」などを取得する。
【0115】
「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」及び「総手洗い時間」などを取得すると、プロセッサ11は、「パターン変更タイプ」、「動作順序ID」、「動作クラスID」、「動作持続時間」、「特徴量モデルID」、及び、「総手洗い時間」などに基づいて、手洗いパターンを変更する。
【0116】
たとえば、取得された識別情報が「作業員ア」を示す場合、プロセッサ11は、既定パターンの各動作持続時間を5秒延長し総手洗い時間を20秒延長する。
【0117】
なお、プロセッサ11は、取得された識別情報からユーザの役職を特定してもよい。たとえば、NVM14は、個々のユーザを示す識別情報と役職とを対応付けたテーブルを予め格納する。プロセッサ11は、当該テーブルを参照して、取得された識別情報からユーザの役職(調理部門メンバー、盛付け作業従事者など)を特定する。プロセッサ11は、識別情報テーブル及び特定された役職に基づいて手洗いパターンを変更する。
【0118】
手洗いパターンを変更すると、プロセッサ11は、変更された手洗いパターンに基づいて、判定ロジック及び指示画面50を更新する。
【0119】
また、プロセッサ11は、判定ロジックに基づいてユーザの手洗いが手洗いパターンに沿っているかを判定する機能を有する。
【0120】
まず、プロセッサ11は、カメラインターフェース16を通じて撮影画像をカメラ3から取得する。撮影画像を取得すると、プロセッサ11は、撮影画像からユーザの手を検出するまで待機する。
【0121】
ユーザの手を検出すると、プロセッサ11は、特徴量モデルに基づいて手の動作クラスを判定する。動作クラスを判定すると、プロセッサ11は、最初の順序に設定されている動作クラスと判定された動作クラスとが整合するかを判定する。
【0122】
両者が整合すると判定すると、プロセッサ11は、ユーザの手が当該動作クラスと判定されている時間(動作時間)を計測する。プロセッサ11は、計測された動作時間が当該動作クラスに対応する動作持続時間を超過するまで待機する。なお、プロセッサ11は、手を検知してから(又は、手の動作クラスが変わってから)所定の時間が経過しても計測された動作時間が動作持続時間を超過しない場合、手洗いの手順が適切に行われなかった
と判定してもよい。
【0123】
計測された動作時間が動作持続時間を経過すると、プロセッサ11は、指示画面50を更新する。たとえば、プロセッサ11は、当該動作クラスが完了したことを示す情報を指示画面50のアイコン51に表示する。即ち、プロセッサ11は、当該動作クラスに対応するアイコン51に○を描写する。
【0124】
指示画面50を更新すると、プロセッサ11は、当該動作クラスの次の順序に設定されている動作クラスが存在するかを判定する。次の順序に設定されている動作クラスが存在すると判定すると、プロセッサ11は、当該動作クラスについて上記の通り動作する。
【0125】
プロセッサ11は、次の順序に設定されている動作クラスが存在しない場合、ユーザの手洗いが適切に行われたと判定する。
【0126】
なお、プロセッサ11は、手を検知してから経過した時間(又は識別情報を取得してから経過した時間)を計測する。手を検知してから経過した時間が総手洗い時間を超過すると、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われていないと判定する。たとえば、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われなかったことを示す情報を指示画面50に表示する。
【0127】
また、プロセッサ11は、ユーザの手洗いに関する手洗いログをサーバ7に送信する機能を有する。
【0128】
ここでは、手洗いログは、手洗いパターンにおける1つの動作クラスに関するログである。手洗いログは、動作開始日時、識別情報、動作順序ID、動作クラスID、動作持続時間及び動作合否結果などから構成される。
【0129】
動作開始日時は、ユーザが当該動作クラスを開始した日時である。
動作順序IDは、手洗いパターンにおいて当該動作クラスに対応する動作順序IDである。
【0130】
動作クラスIDは、当該動作クラスを示すIDである。
動作持続時間は、手洗いパターンにおいて当該動作クラスに対応する動作持続時間である。
【0131】
動作合否結果は、ユーザが当該動作クラスを行った動作時間が動作持続時間を超えているかを示す。動作合否結果は、動作時間が動作持続時間を超えている場合、合格(たとえば、○)を示す。また、動作合否結果は、動作時間が動作持続時間を超えてない場合、不合格(たとえば、×)を示す。
【0132】
プロセッサ11は、ユーザの動作時間が動作持続時間を超えると(ユーザが動作クラスを完了すると)、手洗いログを生成する。この場合、プロセッサ11は、動作合否判定が合格である手洗いログを生成する。
【0133】
なお、プロセッサ11は、動作時間が動作持続時間を超過する前にユーザの動作クラスが変化した場合に、手洗いログを生成してもよい。この場合、プロセッサ11は、動作合否判定が不合格である手洗いログを生成する。
【0134】
手洗いログを生成すると、プロセッサ11は、通信インターフェース15を通じて、生成された手洗いログをサーバ7に送信する。
【0135】
なお、プロセッサ11は、所定の期間において生成された手洗いログを所定のタイミングでサーバ7に送信してもよい。また、プロセッサ11は、サーバ7からのリクエストに応じて手洗いログをサーバ7に送信してもよい。
【0136】
次に、サーバ7が実現する機能について説明する。サーバ7が実現する機能は、プロセッサ21が内部メモリ、ROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0137】
まず、プロセッサ21は、手洗いログを動作判定装置1から取得する機能を有する。
プロセッサ21は、通信インターフェース27を通じて手洗いログを動作判定装置1から取得する。プロセッサ21は、手洗いログのリクエストを動作判定装置1に送信してもよい。
【0138】
手洗いログを取得すると、プロセッサ21は、取得された手洗いログを手洗いログデータベースに追加する。
【0139】
図12は、手洗いログデータベースの構成例を示す。図12が示すように、手洗いログデータベースは、複数の手洗いログを格納する。手洗いログデータベースは、動作開始日時、識別情報、動作順序ID、動作クラスID、動作持続時間及び動作合否結果を対応付けて格納する。
【0140】
動作開始日時、識別情報、動作順序ID、動作クラスID、動作持続時間及び動作合否結果は、前述の通りである。
【0141】
また、プロセッサ21は、リーダ30を通じて識別情報を取得する機能を有する。
プロセッサ21は、リーダ30が識別情報を取得するまで待機する。
ここで、非清浄区域から清浄区域に移動しようとするユーザは、自身の端末をリーダ30に接続するものとする。
【0142】
リーダ30は、ユーザの端末から識別情報を取得する。プロセッサ21は、リーダ30からユーザの識別情報を取得する。
【0143】
また、プロセッサ21は、取得された識別情報が示す手洗いログに基づいてユーザの入場の可否を判定する機能を有する。
識別情報を取得すると、プロセッサ21は、手洗いログデータベースから当該識別情報を含む手洗いログを取得する。即ち、プロセッサ21は、識別情報が示すユーザの手洗いに関する手洗いログを取得する。
【0144】
なお、プロセッサ21は、所定の期間において実行された手洗いに関する手洗いログから、当該識別情報を含む手洗いログを取得してもよい。たとえば、プロセッサ21は、識別情報を取得した日時から所定の時間以内の手洗いログから、当該識別情報を含む手洗いログを取得してもよい。また、プロセッサ21は、識別情報を取得した日時と同日の手洗いログから、当該識別情報を含む手洗いログを取得してもよい。
【0145】
手洗いログを取得すると、プロセッサ21は、手洗いログの動作合否結果に基づいてユーザの入場の可否を判定する。
【0146】
たとえば、プロセッサ21は、手洗いログの動作合否結果に基づいて手洗いパターンに沿ってユーザの手洗いが完了しているかを判定する。この場合、プロセッサ21は、動作判定装置1から手洗いパターンを予め取得しているものであってもよい。
【0147】
手洗いパターンに沿ってユーザの手洗いが完了していると判定すると、プロセッサ21は、ユーザが清浄区域に入場可能であると判定する。
【0148】
また、プロセッサ21は、所定の動作クラスに対応する動作合否結果が合格である場合、ユーザが清浄区域に入場可能であると判定してもよい。
【0149】
なお、プロセッサ21は、清浄区域に進入可能なユーザを示す識別情報のリストにさらに基づいてユーザの入場の可否を判定してもよい。たとえば、プロセッサ21は、当該リストに取得された識別情報が含まれる場合に、手洗いログに基づいてユーザの入場の可否を判定する。また、プロセッサ21は、当該リストに取得された識別情報が含まれていない場合、ユーザが清浄区域に入場不可能であると判定する。
【0150】
また、プロセッサ21は、入場の可否の判定結果に基づいてロックゲート40を制御する機能を有する。
【0151】
ユーザが清浄区域に入場可能であると判定した場合、プロセッサ21は、通信インターフェース27を通じて、ロックゲート40を開放させる制御信号をロックゲート40に送信する。
【0152】
また、ユーザが清浄区域に入場不可能であると判定した場合、プロセッサ21は、通信インターフェース27を通じて、ロックゲート40を閉鎖させる制御信号をロックゲート40に送信する。この場合、ロックゲート40は、エラーを表示してもよい。
【0153】
なお、ロックゲート40が閉鎖されている場合、プロセッサ21は、ロックゲート40に制御信号を送信しなくともよい。
【0154】
次に、動作判定装置1の動作例について説明する。
図13及び図14は、動作判定装置1の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0155】
まず、動作判定装置1のプロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じて手洗いパターンを入力する(S11)。手洗いパターンを入力すると、プロセッサ11は、入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに含まれるかを判定する(S12)。
【0156】
入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに含まれると判定すると(S12、YES)、プロセッサ11は、特徴量モデルテーブルを参照して、手洗いパターンに対応する特徴量モデルを取得する(S13)。
【0157】
特徴量モデルを取得すると、プロセッサ11は、判定ロジックを構築する(S14)。判定ロジックを構築すると、プロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じて指示画面50を入出力装置5に表示する(S15)。
【0158】
入力された手洗いパターンがパターン設定テーブルに含まれないと判定すると(S12、NO)、プロセッサ11は、特徴量モデルテーブルを参照して、デフォルトの特徴量モデルを取得する(S16)。デフォルトの特徴量モデルを取得すると、プロセッサ11は、デフォルトの判定ロジックを構築する(S17)。デフォルトの判定ロジックを構築すると、プロセッサ11は、入出力インターフェース18を通じてデフォルトの指示画面50を入出力装置5に表示する(S18)。
【0159】
指示画面50を入出力装置5に表示した場合(S15)、又は、デフォルトの指示画面50を入出力装置5に表示した場合(S18)、プロセッサ11は、リーダ6を通じて識別情報を取得したかを判定する(S19)。
【0160】
識別情報を取得していないと判定すると(S19、NO)、プロセッサ11は、S19に戻る。
【0161】
識別情報を取得したと判定すると(S19、YES)、プロセッサ11は、手洗いパターンを変更するかを判定する(S20)。即ち、プロセッサ11は、識別情報が識別情報テーブルに含まれているかを判定する。
【0162】
手洗いパターンを変更すると判定すると(S20、YES)、プロセッサ11は、識別情報テーブルを参照して手洗いパターンを変更し変更後の手洗いパターンに基づいて判定ロジック及び指示画面50を更新する(S21)。
【0163】
手洗いパターンを変更しないと判定した場合、(S20、NO)、又は、指示画面50を更新した場合(S21)、プロセッサ11は、総手洗い時間が経過したかを判定する(S22)。総手洗い時間が経過していないと判定すると(S22、NO)、プロセッサ11は、先頭の未処理の動作順序IDに対応する動作持続時間を取得する(S23)。
【0164】
動作持続時間を取得すると、プロセッサ11は、撮影画像及び特徴量モデルに基づいてユーザの手の動作クラスを判定する(S24)。動作クラスを判定すると、プロセッサ11は、判定された動作クラスと当該動作順序IDに対応する動作クラスとが整合するかを判定する(S25)。
【0165】
両動作クラスが整合しないと判定すると(S25、NO)、プロセッサ11は、S24に戻る。
【0166】
両動作クラスが整合すると判定すると(S25、YES)、プロセッサ11は、動作時間を加算する(S26)。動作時間を加算すると、プロセッサ11は、動作時間が動作持続時間を超過したかを判定する(S27)。
【0167】
動作時間が動作持続時間を超過していないと判定すると(S27、NO)、プロセッサ11は、S24に戻る。
【0168】
動作時間が動作持続時間を超過したと判定すると(S27、YES)、プロセッサ11は、指示画面50を更新する(S28)。指示画面50を更新すると、プロセッサ11は、通信インターフェース15を通じて手洗いログをサーバ7に送信する(S29)。
【0169】
手洗いログをサーバ7に送信すると、プロセッサ11は、次の動作順序IDが存在するかを判定する(S30)。
【0170】
次の動作順序IDが存在すると判定すると(S30、YES)、プロセッサ11は、先頭の未処理の動作順序IDを更新する(S31)。先頭の未処理の動作順序IDを更新すると、プロセッサ11は、S22に戻る。
【0171】
総手洗い時間が経過したと判定した場合(S22、YES)、又は、次の動作順序IDが存在しないと判定した場合(S30、NO)、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われたかの判定結果を表示する(S32)。たとえば、総手洗い時間が経過したと判定した場合(S22、YES)、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われなかったことを示す情報を指示画面50に表示する。また、次の動作順序IDが存在しないと判定した場合(S30、NO)、プロセッサ11は、手洗いの手順が適切に行われたことを示す情報を指示画面50に表示する。
【0172】
判定結果を表示すると、プロセッサ11は、動作を終了するかを判定する(S33)。たとえば、プロセッサ11は、入出力装置5を通じて動作を終了する操作を入力したかを判定する。
【0173】
動作を終了しないと判定すると(S33、NO)、プロセッサ11は、S19に戻る。
動作を終了すると判定すると(S33、YES)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0174】
なお、動作クラスが順不同である場合、プロセッサ11は、手が何れの動作クラスであっても各動作クラスの動作時間を計測するものであってもよい。
【0175】
また、プロセッサ11は、識別情報を取得してから所定の時間が経過してもユーザの手を検知しない場合、手洗いの手順が適切に行われていないことを示す情報を指示画面50に表示してもよい。
【0176】
次に、入場システム100がロックゲート40を開放又は閉鎖する動作例について説明する。
図15は、入場システム100がロックゲート40を開放又は閉鎖する動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0177】
ここでは、サーバ7のNVM24は、手洗いログデータベースを格納しているものとする。
【0178】
まず、リーダ30は、清浄区域に入場しようとするユーザの識別情報を取得する(S41)。識別情報を取得すると、リーダ30は、取得された識別情報をサーバ7に送信する(S42)。
【0179】
サーバ7のプロセッサ11は、通信インターフェース27を通じて識別情報をリーダ30から取得する。識別情報を取得すると、プロセッサ11は、手洗いログデータベースから、取得された識別情報を含む手洗いログを取得する(S43)。
【0180】
手洗いログを取得すると、プロセッサ11は、手洗いログに基づいてユーザの入場の可否を判定する(S44)。
【0181】
ユーザが入場可能であると判定すると、プロセッサ11は、通信インターフェース15を通じて、ロックゲート40を開放させる制御信号をロックゲート40に送信する(S45)。
【0182】
ロックゲート40は、当該制御信号を受信する。当該制御信号を受信すると、ロックゲート40は、開放する。
【0183】
ユーザが入場不可能であると判定すると、プロセッサ11は、通信インターフェース15を通じて、ロックゲート40を閉鎖させる制御信号をロックゲート40に送信する(S46)。
【0184】
ロックゲート40は、当該制御信号を受信する。当該制御信号を受信すると、ロックゲート40は、閉鎖する。
ロックゲート40が開放又は閉鎖すると、入場システム100は、動作を終了する。
【0185】
なお、手洗いログは、手洗いパターンに沿って手洗いが完了したかを示すログであってもよい。この場合、動作判定装置1のプロセッサ11は、S32の後(又は前)に手洗いの手順が適切に行われたかの判定結果を示す手洗いログをサーバ7に送信してもよい。また、サーバ7のプロセッサ21は、手洗いログに基づいて、手洗いパターンに沿って手洗いが完了したユーザを入場可能であると判定してもよい。
【0186】
また、動作判定装置1は、手を含む領域において距離を測定する距離センサを備えるものであってもよい。プロセッサ11は、距離センサの測定結果に基づいて手の動作クラスを判定するものであってもよい。また、プロセッサ11は、距離センサの測定結果と撮影画像とに基づいて手の動作クラスを判定するものであってもよい。
【0187】
また、制御装置10と、カメラ3、入出力装置5及びリーダ6(又はこれらの一部)は、一体的に構成されるものであってもよい。
また、サーバ7、リーダ30及びロックゲート40(又はこれらの一部)は、一体的に構成されるものであってもよい。
また、動作判定装置1は、サーバ7の機能(又は、一部の機能)を実現するものであってもよい。また、サーバ7は、動作判定装置1の機能(又は、一部の機能)を実現するものであってもよい。
【0188】
以上のように構成された入場システムは、ユーザが行った手洗いに関する手洗いログを取得する。入場システムは、ユーザが清浄区域に入場しようとする際に手洗いログに基づいて入場の可否を判定する。その結果、入場システムは、適切に手洗いを行ったユーザを清浄区域に入場させることができる。
【0189】
本実施形態に係るプログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0190】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0191】
1…動作判定装置、1’…動作判定装置、3…カメラ、5…入出力装置、6…リーダ、7…サーバ、8…シンク、9…蛇口、10…制御装置、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…通信インターフェース、16…カメラインターフェース、18…入出力インターフェース、19…リーダインターフェース、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…NVM、25…操作部、26…表示部、27…通信インターフェース、30…リーダ、40…ロックゲート、50…指示画面、51…アイコン、52…アイコン、100…入場システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15