(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132308
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】インターホン親機及び火災検知器
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20240920BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04M9/00 B
H04M9/00 D
G08B17/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043045
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷲津 宗孝
【テーマコード(参考)】
5G405
5K038
【Fターム(参考)】
5G405AA01
5G405AD02
5G405AD06
5G405CA26
5K038AA01
5K038GG02
5K038GG04
(57)【要約】
【課題】玄関子機との通話が、各部屋において簡易に実現できるインターホン親機を提供すること。
【解決手段】玄関近傍に設置される玄関子機と通信し、宅内に設置され、通話機能を有する火災検知器と通信する通信部と、前記火災検知器から、前記玄関子機からの呼出に対する応答があった場合、前記玄関子機と前記火災検知器との間に通話路を形成する制御部と、を有するインターホン親機。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関近傍に設置される玄関子機と通信し、宅内に設置され、通話機能を有する火災検知器と通信する通信部と、
前記火災検知器から、前記玄関子機からの呼出に対する応答があった場合、前記玄関子機と前記火災検知器との間に通話路を形成する制御部と、
を有するインターホン親機。
【請求項2】
前記通信部は、電力線通信によって、前記玄関子機及び前記火災検知器と通信する、
請求項1に記載のインターホン親機。
【請求項3】
前記制御部は、前記火災検知器から受信した音声信号に基づく音声が、特定の音声に合致する場合、前記火災検知器からの応答を決定する、
請求項1に記載のインターホン親機。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記火災検知器のうちの最初に応答した火災検知器と、前記玄関子機との間に通話路を形成する、
請求項3に記載のインターホン親機。
【請求項5】
前記制御部は、前記通話路を形成した後、前記火災検知器から受信した音声信号に基づく音声が、特定の音声に合致する場合、玄関扉を解錠する、
請求項4に記載のインターホン親機。
【請求項6】
前記制御部は、前記火災検知器から、火災の検知を示すアラート信号を受信した場合、前記火災検知器を除く他の火災検知器に対し、前記アラート信号を送信する、
請求項1に記載のインターホン親機。
【請求項7】
前記制御部は、前記火災検知器から、火災の検知を示すアラート信号を受信した場合、当該インターホン親機を含み、当該インターホン親機に接続される機器間の通話路を形成する、
請求項1に記載のインターホン親機。
【請求項8】
前記制御部は、前記通話路を形成した後、前記火災検知器から受信した音声信号に基づく音声が、特定の音声に合致する場合、玄関扉を解錠する、
請求項7に記載のインターホン親機。
【請求項9】
音声入力装置と、
火災を検知するセンサと、
前記火災を検知したことを示す検知信号をインターホン親機に送信し、前記音声入力装置が入力する音声の音声信号をインターホン親機に送信する通信部と、
前記インターホン親機の指示に基づいて、玄関近傍に設置される玄関子機と通話路を形成する制御部と、
を有する火災検知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インターホン親機及び火災検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターホンシステムにおいて、玄関子機との通話を、住宅の各部屋において実現するためには、インターホン親機が設置されていない各部屋に子機(宅内子機)を設置していた。
【0003】
なお、特許文献1には、携帯端末をインターホン親機として使用するインターホンシステムが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
玄関子機との通話を、住宅の各部屋において実現するためには、各部屋に子機を設置しなければならず、設置コスト等がかかる。そのため、玄関子機との通話が、各部屋において簡易に実現できる手段が望まれる。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、各部屋に子機を設置しなくても、玄関子機との通話が、各部屋において簡易に実現できるインターホン親機及び火災検知器の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係るインターホン親機は、玄関近傍に設置される玄関子機と通信し、宅内に設置され、通話機能を有する火災検知器と通信する通信部と、前記火災検知器から、前記玄関子機からの呼出に対する応答があった場合、前記玄関子機と前記火災検知器との間に通話路を形成する制御部と、を有する。
【0008】
本開示の一実施例に係る火災検知器は、音声入力装置と、火災を検知するセンサと、前記火災を検知したことを示す検知信号をインターホン親機に送信し、前記音声入力装置が入力する音声の音声信号をインターホン親機に送信する通信部と、前記インターホン親機の指示に基づいて、玄関近傍に設置される玄関子機と通話路を形成する制御部と、を有する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、各部屋に設置される火災検知器を子機として用いることにより、玄関子機との通話が、各部屋において簡易に実現できる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態に係るインターホンシステムの構成例を示した図
【
図7】
図6のS2における呼出処理の一例を示したフローチャート
【
図8】
図6のS3におけるアラート処理の一例を示したフローチャート
【
図9】火災検知器の呼出処理の一例を示したフローチャート
【
図10】火災検知器のアラート処理の一例を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0014】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0015】
<システム構成>
図1は、実施の形態に係るインターホンシステムの構成例を示した図である。
図1に示すように、インターホンシステムは、親機1と、玄関子機2と、火災検知器3a~3cと、監視装置4と、を有する。
図1には、インターホンシステムの他に、建物A1aと、門柱A1bと、電力ラインL1と、が示してある。以下では、火災検知器3a~3cを区別しない場合、単に火災検知器3と記載することがある。
【0016】
親機1、火災検知器3、及び、監視装置4は、例えば、戸建、マンション、又は、アパートといった建物A1aの屋内に設置される。玄関子機2は、例えば、門柱A1b又は玄関扉の横といった玄関近傍に設置される。
【0017】
親機1は、例えば、リビング又は台所といった家屋内の中心部に設定される。火災検知器3は、家屋内の各部屋に設置される。
【0018】
火災検知器3は、通話機能を有する。火災検知器3は、例えば、火災の煙や熱を検知しやすいように天井に設置される。
【0019】
親機1、玄関子機2、火災検知器3、及び、監視装置4は、例えば、電力ラインL1を介して接続される。親機1、玄関子機2、火災検知器3、及び、監視装置4は、例えば、PLC(Power Line Communication)によって通信する。
【0020】
近年、火災検知器が住宅の各部屋に標準装備されつつある。従って、火災検知器が、子機(宅内子機)の機能を持てば、玄関子機2との通話が、各部屋において簡易に実現できる。本開示のインターホンシステムでは、以下で説明するように、火災検知器3が通話機能(子機の機能)を有する。この火災検知器3を建物A1aの各部屋に設置すれば、各部屋に火災検知器が装備されつつ、子機が各部屋に設置されることとなる。そのため、本開示のインターホンシステムでは、玄関子機2との通話が、各部屋において簡易に実現できる。また、子機の設置コスト及び設置労力が低減される。
【0021】
また、親機1、玄関子機2、火災検知器3、及び、監視装置4は、PLCによって通信を行う。従って、本開示のインターホンシステムでは、信号線の敷設コストを低減できる。また、親機1、玄関子機2、火災検知器3、及び、監視装置4は、容易に電源を確保できる。
【0022】
<システムの概略動作>
・訪問時の概略動作
玄関子機2は、例えば、訪問者によって呼出ボタンが押下されると、呼出信号を親機1に送信する。
【0023】
親機1は、玄関子機2から呼出信号を受信すると、玄関子機2から呼出があったことを知らせる音を出力する。これにより、例えば、親機1が設置された部屋に居る住人は、訪問者を認識できる。
【0024】
また、親機1は、玄関子機2から呼出信号を受信すると、呼出信号を火災検知器3に送信する。火災検知器3は、呼出信号を受信すると、玄関子機2から呼出があったことを知らせる音を出力する。これにより、火災検知器3が設置された部屋に居る住人は、訪問者の来訪を認識できる。
【0025】
玄関子機2からの呼出に対して、親機1及び火災検知器3a~3cのうち、最初に応答した機器が、玄関子機2と通信路(通話路)を形成する。すなわち、建物A1aの各部屋にいる住人のうち、最初に応答した住人が、訪問者と通話ができる。
【0026】
なお、上記したように、火災検知器3は、天井に設置される。そのため、火災検知器3は、ボタン操作ではなく、住人の“応答”といった特定の音声(言葉)によって応答を受け付ける。
【0027】
一方、親機1は、住人の操作を受け付けるため、例えば、部屋の壁に設置される。従って、親機1は、例えば、住人のボタン操作によって応答を受付けてもよいし、火災検知器3と同様に、音声によって応答を受付けてもよい。
【0028】
・火災時の概略動作
火災検知器3は、火災を検知すると、アラート音を出力する。また、火災検知器3は、火災を検知したことを示す検知信号を親機1に送信する。
【0029】
親機1は、火災検知器3から検知信号を受信すると、検知信号を送信した火災検知器3以外の火災検知器3に対し、検知信号を送信する。検知信号を受信した火災検知器3は、アラート音を出力する。これにより、火災が発生していない部屋に居る住人は、他の部屋において火災が発生したことを認識できる。
【0030】
また、親機1は、火災検知器3から検知信号を受信すると、電力ラインL1を介して、親機1とつながっている全ての機器間において通話路を形成する。
【0031】
例えば、親機1は、親機1と玄関子機2との間に通話路を形成する。親機1は、親機1と火災検知器3との間に通話路を形成する。親機1は、玄関子機2と火災検知器3との間に通話路を形成する。親機1は、火災検知器3a~3c間に通話路を形成する。これにより、建物A1aの各部屋に居る住人は、火災が発生したとき、互いに連絡が取れる。また、建物A1aの各部屋に居る住人は、玄関子機2を介して、外部の人と連絡が取れる。
【0032】
また、親機1は、火災検知器3から検知信号を受信すると、検知信号を監視装置4に送信する。監視装置4は、検知信号を受信すると、例えば、スプリンクラーといった防災装置を稼働させる。これにより、火災を鎮火することが可能になる。
【0033】
また、親機1は、火災検知器3から検知信号を受信すると、予め登録されたスマートホンといった端末に、火災発生を知らせるメッセージを送信する。これにより、例えば、外出している建物A1aの住人に火災を知らせることができる。
【0034】
<ブロック構成>
・親機のブロック構成
図2は、親機1のブロック構成例を示す図である。
図2に示すように、親機1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、音声データデコーダ14と、スピーカ15と、マイクロホン16と、音声データエンコーダ17と、ディスプレイ18と、ボタン19と、を有する。
【0035】
制御部11は、親機1全体を制御する。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成されてもよい。
【0036】
記憶部12には、制御部11が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部12には、制御部11が計算処理を行うためのデータや、接続されている各部を制御するためのデータが記憶される。記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、およびHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置によって構成されてもよい。
【0037】
通信部13は、例えば、電力ラインL1に接続され、電力ラインL1に接続される機器とPLCを行う。通信部13は、PLCモジュールを有してもよい。
【0038】
音声データデコーダ14は、制御部11から出力されるデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、スピーカ15に出力する。
【0039】
スピーカ15は、音声データデコーダ14から出力されるアナログ音声データに基づく音を出力する。
【0040】
マイクロホン16は、音をアナログ音声データに変換し、音声データエンコーダ17に出力する。
【0041】
音声データエンコーダ17は、マイクロホン16から出力されるアナログ音声データをデジタル音声データに変換し、制御部11に出力する。
【0042】
ディスプレイ18は、制御部11から出力されるデジタル映像データに基づいて映像を表示する。ディスプレイ18は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0043】
ボタン19は、親機1が設置された建物A1aの住人の操作を受け付ける。ボタン19は、受け付けた操作に対応する情報を制御部11に出力する。ボタン19は、例えば、ディスプレイ18に重畳されるタッチパネルであってもよい。また、ボタン19は、プッシュボタン等であってもよい。
【0044】
・玄関子機のブロック構成
図3は、玄関子機2のブロック構成例を示す図である。
図3に示すように、玄関子機2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、音声データデコーダ24と、スピーカ25と、マイクロホン26と、音声データエンコーダ27と、カメラ28と、ボタン29と、を有する。
【0045】
制御部21は、玄関子機2全体を制御する。制御部21は、例えば、CPUで構成されてもよい。
【0046】
記憶部22には、制御部21が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部22には、制御部21が計算処理を行うためのデータや、接続されている各部を制御するためのデータが記憶される。記憶部22は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
【0047】
通信部23は、例えば、電力ラインL1に接続され、電力ラインL1に接続される機器とPLCを行う。通信部23は、PLCモジュールを有してもよい。
【0048】
音声データデコーダ24は、制御部21から出力されるデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、スピーカ25に出力する。
【0049】
スピーカ25は、音声データデコーダ24から出力されるアナログ音声データに基づく音を出力する。
【0050】
マイクロホン26は、音をアナログ音声データに変換し、音声データエンコーダ27に出力する。
【0051】
音声データエンコーダ27は、マイクロホン26から出力されるアナログ音声データをデジタル音声データに変換し、制御部21に出力する。
【0052】
カメラ28は、制御部21の制御に応じて、門柱A1b前又は玄関前の動画像又は静止画像を撮影する。カメラ28は、撮影した画像の画像データを制御部21に出力する。
【0053】
ボタン29は、例えば、建物A1aの訪問者の操作を受け付ける。ボタン19は、受け付けた操作に対応する情報を制御部21に出力する。ボタン29は、プッシュボタン等であってもよい。
【0054】
・火災検知器のブロック構成
図4は、火災検知器3のブロック構成例を示す図である。
図4に示すように、火災検知器3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、音声データデコーダ34と、スピーカ35と、マイクロホン36と、音声データエンコーダ37と、センサ38と、を有する。火災検知器3は、スピーカ35及びマイクロホン36を備えることにより、宅内子機の機能を有する。また、火災検知器3は、スピーカ35を有することにより、火災報知器の機能を有する。
【0055】
制御部31は、火災検知器3全体を制御する。制御部31は、例えば、CPUで構成されてもよい。
【0056】
記憶部32には、制御部31が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部32には、制御部31が計算処理を行うためのデータや、接続されている各部を制御するためのデータが記憶される。記憶部32は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
【0057】
通信部33は、例えば、電力ラインL1に接続され、電力ラインL1に接続される機器とPLCを行う。通信部33は、PLCモジュールを有してもよい。
【0058】
音声データデコーダ34は、制御部31から出力されるデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、スピーカ35に出力する。
【0059】
スピーカ35は、音声データデコーダ34から出力されるアナログ音声データに基づく音を出力する。
【0060】
マイクロホン36は、音をアナログ音声データに変換し、音声データエンコーダ37に出力する。
【0061】
音声データエンコーダ37は、マイクロホン36から出力されるアナログ音声データをデジタル音声データに変換し、制御部31に出力する。
【0062】
センサ38は、火災を検知するセンサである。センサ38は、例えば、煙を検知する煙センサ、温度を検知する温度センサ、及び、炎を検知する火炎センサの少なくとも1つのセンサであってもよい。センサ38は、火災を検知すると、火災検知信号を制御部31に出力する。
【0063】
・監視装置のブロック構成
図5は、監視装置4のブロック構成例を示す図である。
図5に示すように、監視装置4は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、を有する。
【0064】
制御部41は、監視装置4全体を制御する。制御部41は、例えば、CPUで構成されてもよい。
【0065】
記憶部42には、制御部41が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部42には、制御部41が計算処理を行うためのデータや、接続されている各部を制御するためのデータが記憶される。記憶部42は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
【0066】
通信部43は、例えば、電力ラインL1に接続され、電力ラインL1に接続される機器とPLCを行う。通信部43は、PLCモジュールを有してもよい。
【0067】
<動作>
・親機の動作
図6は、親機1の動作例を示したフローチャートである。親機1は、割り込みの発生を待機する。親機1は、割り込みが発生すると、
図6に示すフローチャートの処理を実行する。
【0068】
親機1は、発生した割り込みの種別が呼出であるか、又は、アラートであるかを判定する(S1)。
【0069】
例えば、親機1は、呼出ボタンが押下された玄関子機2から、呼出信号を受信した場合、割り込みの種別が呼出であると判定する。親機1は、火災を検知した火災検知器3から検知信号を受信した場合、割り込みの種別がアラートであると判定する。
【0070】
親機1は、割り込みの種別が呼出であると判定した場合(S1の呼出)、呼出処理を実行する(S2、
図7のフローチャートを参照)。親機1は、呼出処理を終了すると、割込みの発生を待機する。
【0071】
親機1は、割り込みの種別がアラートであると判定した場合(S1のアラート)、アラート処理を実行する(S3、
図8のフローチャートを参照)。親機1は、アラート処理を終了すると、割込みの発生を待機する。
【0072】
図7は、
図6のS2における呼出処理の一例を示したフローチャートである。親機1は、
図6のS1において、割り込みの種別が呼出であると判定した場合、訪問客が来たことを示す呼出音を出力する(S11)。これにより、親機1が設置されている部屋の住人は、訪問者を認識できる。
【0073】
親機1は、火災検知器3に対し、呼出音の出力指示を行う(S12)。例えば、親機1は、呼出信号を火災検知器3に送信し、火災検知器3に対し、呼出音の出力指示を行う。これにより、火災検知器3が設置されている部屋に居る住人は、訪問者を認識できる。
【0074】
親機1は、親機1及び火災検知器3から応答があったか否かを判定する(S13)。
【0075】
例えば、親機1は、建物A1aの住人のボタン操作によって、又は、“応答”といった特定の音声の入力によって、応答があったか否かを判定する。また、親機1は、火災検知器3から、火災検知器3が入力した音声信号を受信し、火災検知器3が“応答”といった特定の音声を入力したか否かを判定し、火災検知器3から応答があったか否かを判定する。
【0076】
親機1は、親機1及び火災検知器3から応答がない場合(S13のNo)、処理をS11に移行する。
【0077】
一方、親機1は、親機1及び火災検知器3a~3bのいずれか1つから応答があった場合(S13のYes)、電力ラインL1に接続されている機器(玄関子機2を除く)に対し、呼出音の出力の停止指示を行う(S14)。例えば、親機1は、火災検知器3bから応答があった場合、親機1及び火災検知器3a,3b,3cに対し、呼出音の出力の停止指示を行う。なお、親機1は、火災検知器3a,3b,3cに対し、例えば、停止信号を送信して、呼出音の出力の停止指示を行う。
【0078】
親機1は、玄関子機2と応答機器との間に通話路を形成する(S15)。例えば、上記例の場合、親機1は、応答があった火災検知器3bと玄関子機2との間に通話路を形成する。すなわち、親機1は、最初に応答した機器と玄関子機2との間に通話路を形成する。
【0079】
親機1は、応答機器と玄関子機2との間の通話処理を行う(S16)。
【0080】
親機1は、応答機器からの指示に応じて、玄関に対し、解錠動作を行う(S17)。例えば、親機1は、火災検知器3bと玄関子機2との間に通話路を形成していた場合、火災検知器3bが入力した“解錠”といった特定の音声に基づいて、玄関に対し、解錠動作を行う。親機1は、親機1と玄関子機2との間に通話路を形成していた場合、親機1に対する住人のボタン操作によって、又は、“解錠”といった住人の特定の音声に基づいて、玄関に対し、解錠動作を行う。
【0081】
親機1は、終話を判断する(S18)。例えば、親機1は、火災検知器3bと玄関子機2との間に通話路を形成していた場合、火災検知器3bが入力した“終話”といった特定の音声に基づいて、終話を判断する。親機1は、親機1と玄関子機2との間に通話路を形成していた場合、親機1に対する住人のボタン操作によって、又は、“解錠”といった住人の特定の音声に基づいて、終話を判断する。また、例えば、親機1は、通話路を形成した機器間において、一定時間通話が無い場合、終話を判定する。
【0082】
親機1は、終話していないと判断した場合(S18のNo)、処理をS16に移行する。
【0083】
一方、親機1は、終話を判断した場合(S18のYes)、応答機器と玄関子機2との間の通話路を切断し、呼出処理を終了する。
【0084】
なお、
図7に示すフローチャートの処理の順番は、上記の順番に限定されない。例えば、S11とS12との順番は、入れ替わってもよい。
【0085】
図8は、
図6のS3におけるアラート処理の一例を示したフローチャートである。親機1は、
図6のS1において、割り込みの種別がアラートであると判定した場合、火災発生を示すアラート音を出力し、ディスプレイに警告を表示する(S21)。これにより、親機1が設置されている部屋の住人は、火災発生を認識できる。
【0086】
親機1は、火災検知器3に対し、アラート音の出力指示を行う(S22)。例えば、親機1は、火災発生の検知を示す検知信号を送信した火災検知器3以外の火災検知器3に対し、検知信号を送信し、アラート音の出力指示を行う。これにより、火災検知器3が設置されている全部屋の住人は、火災発生を認識できる。
【0087】
親機1は、監視装置4及び予め登録された端末に対し、火災発生を通知する(S23)。
【0088】
例えば、親機1は、監視装置4に対し、火災発生の検知を示す検知信号を監視装置4に送信し、火災発生を通知する。検知信号を受信した監視装置4は、例えば、スプリンクラーといった防災装置を稼働させる。
【0089】
また、親機1は、予め登録されたスマートホンといった端末に、火災発生を知らせるメッセージを送信する。これにより、例えば、外出している建物A1aの住人に火災発生を知らせることができる。また、火災発生を知らされた住人は、建物A1aに居る住人に端末を用いて、通話することができる。
【0090】
親機1は、電力ラインL1を介して親機1につながっている全機器の間に通話路を形成する(S24)。例えば、親機1は、親機1と玄関子機2との間に通話路を形成する。親機1は、親機1と火災検知器3との間に通話路を形成する。親機1は、玄関子機2と火災検知器3との間に通話路を形成する。親機1は、火災検知器3a~3c間に通話路を形成する。
【0091】
親機1は、電力ラインL1に接続された機器間の通話処理を行う(S25)。
【0092】
親機1は、親機1に対する住人のボタン操作によって、又は、“解錠”といった住人の特定の音声に基づいて、玄関に対し、解錠動作を行う(S26)。また、親機1は、火災検知器3が入力した“解錠”といった特定の音声に基づいて、玄関に対し、解錠動作を行う(S26)。
【0093】
親機1は、終話を判断する(S27)。例えば、親機1は、親機1に対する住人のボタン操作によって、又は、“終話”といった住人の特定の音声に基づいて、終話を判断する。親機1は、火災検知器3が入力した“解錠”といった住人の特定の音声に基づいて、終話を判断する。
【0094】
親機1は、終話していないと判断した場合(S27のNo)、処理をS25に移行する。
【0095】
一方、親機1は、終話を判断した場合(S27のYes)、電力ラインL1に接続された機器間の通話路を切断し、アラート処理を終了する(
図6のS3を参照)。
【0096】
なお、
図8に示すフローチャートの処理の順番は、上記の順番に限定されない。例えば、S21~S24の順番は、入れ替わってもよい。
【0097】
・火災検知器の動作
図9は、火災検知器3の呼出処理の一例を示したフローチャートである。火災検知器3は、親機1から呼出信号を受信した場合に、
図9に示したフローチャートの処理を実行する。
【0098】
火災検知器3は、親機1からの呼出信号に応じて、呼出音を出力する(S31)。
【0099】
火災検知器3は、親機1から、呼出音停止を指示する停止信号を受信したか否かを判断する(S32)。
【0100】
火災検知器3は、親機1から停止信号を受信したと判断した場合(S32のYes)、呼出音を停止し(S33)、当該フローチャートの処理を終了する。
【0101】
一方、火災検知器3は、親機1から停止信号を受信していないと判断した場合(S32のNo)、音声が入力されたか否かを判定する(S34)。
【0102】
火災検知器3は、音声が入力されていないと判断した場合(S34のNo)、処理をS31に移行する。
【0103】
火災検知器3は、音声が入力されたと判断した場合(S34のYes)、入力した音声信号を親機1に送信する(S35)。
【0104】
火災検知器3は、親機1の指示に基づいて、玄関子機2との間に通話路を形成する(S36)。なお、火災検知器3は、S34の処理において、他の機器(玄関子機2を除く)に対し、最も早く“応答”といった特定の音声を入力した場合に、親機1から通話路形成の指示を受信する。
【0105】
火災検知器3は、玄関子機2との間の通話処理を行う(S37)。
【0106】
火災検知器3は、親機1から通話路の切断指示があったか否かを判定する(S38)。
【0107】
火災検知器3は、親機1から通話路の切断指示がない場合(S38のNo)、処理をS37に移行する。
【0108】
一方、火災検知器3は、親機1から通話路の切断指示があった場合(S38のYes)、通話路の切断処理を実行し、当該フローチャートの処理を終了する。なお、火災検知器3は、S37の通話処理において、例えば、“終話”といった特定の音声を入力した場合に、親機1から通話路の切断指示を受信する。
【0109】
図10は、火災検知器3のアラート処理の一例を示したフローチャートである。火災検知器3は、親機1からアラート信号を受信した場合に、
図10に示したフローチャートの処理を実行する。
【0110】
火災検知器3は、親機1からのアラート信号に応じて、アラート音を出力する(S41)。
【0111】
なお、火災を検知した火災検知器3は、親機1からアラート信号を受信しない。火災を検知した火災検知器3は、火災を検知したときに直ちにアラート音を出力する。
【0112】
例えば、火災検知器3a~3cのうち、火災検知器3bが火災を検知したとする。この場合、火災を検知した火災検知器3bは、親機1からアラート信号を受信せず、アラート音を出力する。火災を検知しなかった火災検知器3a,3cは、S41の処理により、親機1からのアラート信号に応じて、アラート音を出力する。これにより、火災が発生していない部屋に居る住人は、他の部屋で発生した火災を認識できる。
【0113】
火災検知器3は、親機1の指示に基づいて、他の機器との間に通話路を形成する(S42)。例えば、火災検知器3は、親機1、玄関子機2、及び、他の火災検知器3との間に通話路を形成する。
【0114】
火災検知器3は、電力ラインL1に接続された機器と通話処理を行う(S43)。
【0115】
火災検知器3は、親機1から通話路の切断指示があったか否かを判定する(S44)。
【0116】
火災検知器3は、親機1から通話路の切断指示がない場合(S44のNo)、処理をS43に移行する。
【0117】
一方、火災検知器3は、親機1から通話路の切断指示があった場合(S44のYes)、通話路の切断処理を実行し、アラート音を停止する(S45)。そして、火災検知器3は、当該フローチャートの処理を終了する。なお、火災検知器3は、S43の通話処理において、例えば、“終話”といった特定の音声を入力した場合に、親機1から通話路の切断指示を受信する。
【0118】
なお、
図10のフローチャートにおいて、通話路の切断指示があった場合(S44のYes)、アラート音を停止する(S45)としたが、これに限られない。親機1は、S43において、火災検知器3が入力した“アラート音停止”といった特定の音声に応じて、アラート音の停止を指示する停止信号を火災検知器3に送信してもよい。火災検知器3は、親機1からの停止信号に応じて、アラート音を停止してもよい。
【0119】
<実施の形態のまとめ>
以上説明したように、親機1は、玄関近傍に設置される玄関子機2と通信し、宅内に設置され、通話機能を有する火災検知器3と通信する通信部13と、火災検知器3から、玄関子機2からの呼出に対する応答があった場合、玄関子機2と火災検知器3との間に通話路を形成する制御部11と、を有する。
【0120】
この構成により、玄関子機2との通話が、各部屋において簡易に実現できる。例えば、近年、火災検知器が住宅の各部屋に標準装備されつつある。親機1は、通話機能を有する火災検知器3から、玄関子機2からの呼出に対する応答があった場合、玄関子機2と火災検知器3との間に通話路を形成する。そのため、火災検知器3を建物A1aの各部屋に設置すれば、各部屋に火災検知器が装備されつつ、かつ、子機が各部屋に設置されることとなり、玄関子機2との通話が、各部屋において簡易に実現できる。また、子機の設置コスト及び設置労力が低減される。
【0121】
また、火災検知器3は、マイクロホン36及び音声データエンコーダ37といった音声入力装置と、火災を検知するセンサ38と、火災を検知したことを示す検知信号を親機1に送信し、音声入力装置が入力する音声の音声信号を親機1に送信する通信部33と、親機1の指示に基づいて、玄関近傍に設置される玄関子機2と通話路を形成する制御部31と、を有する。
【0122】
この構成により、玄関子機2との通話が、各部屋において簡易に実現できる。例えば、近年、火災検知器が住宅の各部屋に標準装備されつつある。火災検知器3は、親機1の指示に基づいて、玄関子機2と火災検知器3との間に通話路を形成する。そのため、火災検知器3を建物A1aの各部屋に設置すれば、各部屋に火災検知器が装備されつつ、かつ、子機が各部屋に設置されることとなり、玄関子機2との通話が、各部屋において簡易に実現できる。また、子機の設置コスト及び設置労力が低減される。
【0123】
<変形例>
上記では、親機1が、火災検知器3が入力した“応答”、“解錠”、及び“終話”といった音声を判定したが、火災検知器3が“応答”、“解錠”、及び“終話”といった音声を判定してもよい。そして、火災検知器3が、特定の音声の判定結果を親機1に送信してもよい。
【0124】
また、親機1及び火災検知器3が判定する特定の音声は、登録及び変更されてもよい。例えば、親機1及び火災検知器3が判定する特定の音声は、建物A1aの住人が、親機1に向かって特定の音声を発することにより、親機1及び/又は火災検知器3において、登録及び変更されてもよい。
【0125】
また、特定の音声は、“応答”、“解錠”、及び“終話”といった音声に限られない。特定の音声は、親機1及び火災検知器3が通常の会話の音声によって反応しない音声に選定されてもよい。
【0126】
上記では、親機1、玄関子機2、及び、火災検知器3は、電力ラインL1を介して互いに通信するとしたが、これに限られない。親機1、玄関子機2、及び、火災検知器3は、例えば、電力ラインL1以外の専用線によって通信してもよい。また、親機1、玄関子機2、及び、火災検知器3は、例えば、Wi-Fi(登録商標)といった無線によって通信してもよい。
【0127】
上記において、親機1は、インターホン親機又は宅内親機と称されてもよい。玄関子機2は、子機又は宅外子機と称されてもよい。火災検知器3は、子機、宅内子機、又はインターホン火災検知器と称されてもよい。玄関子機2及び火災検知器3は、インターホン子機と称されてもよい。インターホンは、インターカム又はドアホンと称されてもよい。
【0128】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0129】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0130】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0131】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサー又は専用プロセッサーで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0132】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本開示は、例えば、玄関子機の呼出に対し、家屋の各部屋において対応可能にするインターホンシステムに有用である。
【符号の説明】
【0134】
1 親機
2 玄関子機
3,3a~3c 火災検知器
4 監視装置
A1a 建物
A1b 門柱