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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132319
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】エネルギ貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   F04B 41/06 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
F04B41/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043063
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末次 恵久
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴史
(72)【発明者】
【氏名】曽 一新
【テーマコード(参考)】
3H076
【Fターム(参考)】
3H076AA03
3H076AA31
3H076AA35
3H076AA39
3H076BB21
3H076CC26
3H076CC31
3H076CC44
3H076CC91
(57)【要約】
【課題】簡易な構成により効率をより向上させたエネルギ貯蔵システムを提供する。
【解決手段】エネルギ貯蔵システムは、蓄圧タンクと、蓄圧タンクに対して連通と遮断とが可能な容器と、容器に圧縮用の液体を供給するポンプ部と、ポンプ部により容器に圧縮用の液体を流入させて容器内の気体を圧縮すると共に圧縮気体を蓄圧タンクに移送する蓄エネルギ動作と、蓄圧タンクに蓄えられた圧縮気体を容器に移送して膨張させることにより容器内の液体を負荷部に供給する放エネルギ動作と、を実行する動作実行部と、システム系外で発生した排熱を用いて放エネルギ動作においてシステム系内の液体または圧縮気体を加熱する排熱供給部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮気体を用いてエネルギを貯蔵するエネルギ貯蔵システムであって、
圧縮気体を貯蔵する蓄圧タンクと、
前記蓄圧タンクに対して連通と遮断とが可能な容器と、
前記容器に圧縮用の液体を供給するポンプ部と、
前記ポンプ部により前記容器に圧縮用の液体を流入させて該容器内の気体を圧縮すると共に圧縮気体を前記蓄圧タンクに移送する蓄エネルギ動作と、前記蓄圧タンクに蓄えられた圧縮気体を前記容器に移送して膨張させることにより該容器内の液体を負荷部に供給する放エネルギ動作と、を実行する動作実行部と、
システム系外で発生した排熱を用いて、前記放エネルギ動作においてシステム系内の液体または圧縮気体を加熱する排熱供給部と、
を備えるエネルギ貯蔵システム。
【請求項2】
請求項1に記載のエネルギ貯蔵システムであって、
前記排熱供給部は、前記排熱と液体とを熱交換する熱交換部と、前記熱交換部を通過した液体を前記容器内に噴射する噴射部と、を有する、
エネルギ貯蔵システム。
【請求項3】
請求項1に記載のエネルギ貯蔵システムであって、
前記排熱供給部は、前記排熱と前記負荷部を通過する液体とを熱交換する熱交換部を有する、
エネルギ貯蔵システム。
【請求項4】
請求項1に記載のエネルギ貯蔵システムであって、
前記排熱供給部は、前記排熱により前記容器を加熱する、
エネルギ貯蔵システム。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載のエネルギ貯蔵システムであって、
前記容器は、前記蓄圧タンクに対してそれぞれ連通と遮断とが可能な第1、第2および第3の容器を有し、
前記蓄エネルギ動作は、前記ポンプ部により前記第1の容器から圧縮用の液体を流出させると共に外部から当該第1の容器内に気体を流入させる吸気行程と、前記ポンプ部により前記第1の容器から流出させた圧縮用の液体を前記第2の容器内に流入させて当該第2の容器内の気体を圧縮する圧縮行程と、前記3の容器内の圧縮気体を前記蓄圧タンクに移送する移送工程と、が各容器で順に生じるように制御する動作であり、
前記放エネルギ動作は、前記蓄圧タンク内の圧縮気体を前記第1の容器に移送する移送行程と、前記第2の容器内の圧縮気体で該第2の容器内の液体を流出させて前記負荷部に供給する膨張行程と、前記負荷部から排出された液体を前記第3の容器内に回収すると共に該第3の容器内の気体を排気する排気行程と、が各容器で順に生じるように制御する動作である、
エネルギ貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エネルギ貯蔵システムについて開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、再生可能エネルギによって発電された電力により駆動されるモータと、モータにより駆動され空気を圧縮する圧縮機と、圧縮機により圧縮された圧縮空気を蓄える蓄圧タンクと、蓄圧タンクから供給される圧縮空気により駆動される膨張機と、膨張機と機械的に接続された発電機と、を備えるCAES発電装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、更に、圧縮機から蓄圧タンクに供給される圧縮空気と熱媒との熱交換により圧縮空気を冷却すると共に熱媒を加熱する第1熱交換器と、第1熱交換器で加熱された熱媒を蓄える高温蓄熱タンクと、蓄圧タンクから膨張機に供給される圧縮空気と高温蓄熱タンクから供給される熱媒とで熱交換して圧縮空気を加熱すると共に熱媒を冷却する第2熱交換器と、系外の排熱と系内の流体とで熱交換する第3熱交換器と、を備える。これにより、CAES発電装置の系内で発生した冷熱を利用して系外の排熱を冷却すると共に、系外の排熱を利用してCAES発電装置の発電効率を向上させることができる、としている。
【0003】
また、液体ピストンを用いたCAES発電装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、アキュムレータと、第1液体ピストン室と、第2液体ピストン室と、可変油圧モータと、可変油圧ポンプと、可変油圧モータの軸に可変油圧ポンプの主軸を介して接続されたオルタネータと、電磁反転弁と、空気貯蔵室と、第1~第6遮断弁と、流量弁と、を備える。可変油圧モータの入力ポートには、流量弁を介してアキュムレータに接続されると共に、波動エネルギ油圧伝達装置に接続される。アキュムレータは、第1遮断弁を介して第1液体ピストン室に接続され、第2遮断弁を介して第2液体ピストン室に接続される。可変油圧ポンプの出口は、電磁反転弁を介して第1液体ピストン室と第2液体ピストン室とに接続される。第1液体ピストン室と第2液体ピストン室は、それぞれ第3遮断弁、第4遮断弁を介して空気貯蔵室に接続される。第1液体ピストン室と第3遮断弁との間と、第2液体ピストン室と第4遮断弁との間とには、第5遮断弁と第6遮断弁とが直列に接続され、第5遮断弁と第6遮断弁との間には、空気入口が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-172334号公報
【特許文献2】中国特許第102506004号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の装置では、空気の圧縮による発熱と圧縮空気の膨張による冷却、系外の熱利用にそれぞれ熱交換器(第1~第3熱交換器)が必要となり、装置が大型化すると共に複雑化してしまう。特許文献2に記載の装置では、圧縮時の発熱と膨張時の冷却とを液体ピストン室内の液体に吸収することができるが、圧縮動作から膨張動作までに時間がかかると、膨張時の熱付与が困難となり、効率が悪化してしまう。
【0006】
本開示のエネルギ貯蔵システムは、簡易な構成により効率をより向上させたエネルギ貯蔵システムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のエネルギ貯蔵システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本開示のエネルギ貯蔵システムは、
圧縮気体を用いてエネルギを貯蔵するエネルギ貯蔵システムであって、
圧縮気体を貯蔵する蓄圧タンクと、
前記蓄圧タンクに対して連通と遮断とが可能な容器と、
前記容器に圧縮用の液体を供給するポンプ部と、
前記ポンプ部により前記容器に圧縮用の液体を流入させて該容器内の気体を圧縮すると共に圧縮気体を前記蓄圧タンクに移送する蓄エネルギ動作と、前記蓄圧タンクに蓄えられた圧縮気体を前記容器に移送して膨張させることにより該容器内の液体を負荷部に供給する放エネルギ動作と、を実行する動作実行部と、
システム系外で発生した排熱を用いて、前記放エネルギ動作においてシステム系内の液体または圧縮気体を加熱する排熱供給部と、
を備えることを要旨とする。
【0009】
この本開示のエネルギ貯蔵システムでは、液体をピストン代わりに使用することで、圧縮時の発熱と膨張時の吸熱とを液体で吸収することができ、これらの熱を吸収するための熱交換器を不要とすることができる。加えて、捨てられる排熱を用いて膨張時に熱を付与することで、効率をより向上させることができる。
【0010】
こうした本開示のエネルギ貯蔵システムにおいて、前記排熱供給部は、前記排熱と液体とを熱交換する熱交換部と、前記熱交換部を通過した液体を前記容器内に噴射する噴射部と、を有してもよい。こうすれば、効率よくシステム系外の熱を付与することができる。
【0011】
また、本開示のエネルギ貯蔵システムにおいて、前記排熱供給部は、前記排熱と前記負荷部を通過する液体とを熱交換する熱交換部を有してもよい。こうすれば、効率よくシステム系外の熱を付与することができる。
【0012】
さらに、本開示のエネルギ貯蔵システムにおいて、前記排熱供給部は、前記排熱により前記容器を加熱してもよい。こうすれば、効率よくシステム系外の熱を付与することができる。
【0013】
また、本開示のエネルギ貯蔵システムにおいて、前記容器は、前記蓄圧タンクに対してそれぞれ連通と遮断とが可能な第1、第2および第3の容器を有し、前記蓄エネルギ動作は、前記ポンプ部により前記第1の容器から圧縮用の液体を流出させると共に外部から当該第1の容器内に気体を流入させる吸気行程と、前記ポンプ部により前記第1の容器から流出させた圧縮用の液体を前記第2の容器内に流入させて当該第2の容器内の気体を圧縮する圧縮行程と、前記3の容器内の圧縮気体を前記蓄圧タンクに移送する移送工程と、が各容器で順に生じるように制御する動作であり、前記放エネルギ動作は、前記蓄圧タンク内の圧縮気体を前記第1の容器に移送する移送行程と、前記第2の容器内の圧縮気体で該第2の容器内の液体を流出させて前記負荷部に供給する膨張行程と、前記負荷部から排出された液体を前記第3の容器内に回収すると共に該第3の容器内の気体を排気する排気行程と、が各容器で順に生じるように制御する動作であってもよい。こうすれば、蓄エネルギ動作と放エネルギ動作とを効率よく円滑に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のエネルギ貯蔵システム1の概略構成図である。
図2】蓄エネルギ動作において各液体ピストン室でそれぞれ実行される吸気行程、圧縮行程、移送行程の遷移の様子を示す説明図である。
図3】蓄エネルギ動作の各行程を説明する説明図である。
図4】蓄エネルギ動作の各行程を説明する説明図である。
図5】蓄エネルギ動作の各行程を説明する説明図である。
図6】放エネルギ動作において各液体ピストン室でそれぞれ実行される移送行程、膨張行程、排気行程の遷移の様子を示す説明図である。
図7】放エネルギ動作の各行程を説明する説明図である。
図8】放エネルギ動作の各行程を説明する説明図である。
図9】放エネルギ動作の各行程を説明する説明図である。
図10】変形例のエネルギ貯蔵システムの概略構成図である。
図11】変形例のエネルギ貯蔵システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本実施形態のエネルギ貯蔵システム1の概略構成図である。本実施形態のエネルギ貯蔵システム1は、図示するように、液体(例えば水や作動油)により空気を圧縮する3つの液体ピストン室(第1液体ピストン室10、第2液体ピストン室20および第3液体ピストン室30)と、圧縮気体(例えば圧縮空気)を蓄える蓄圧タンク40と、ポンプ51と、負荷部としてのタービン54と、第1および第2排熱供給系60,70と、システム全体を制御する制御装置100と、を備える。
【0017】
第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30は、例えば筒状の容器により画成され、液体の導入により室内の空気を圧縮したり、圧縮気体を膨張させて室内の液体を室外へ押し出したりする。各液体ピストン室10,20,30の頂部には、空気配管11,21,31と圧縮気体配管12,22,32とが接続されている。空気配管11,21,31には、各液体ピストン室10,20,30の室内と大気との連通および遮断が可能な開閉弁13,23,33が設けられている。圧縮気体配管12,22,32には、切替弁41を介して蓄圧タンク40が接続されている。切替弁41は、蓄圧タンク40に対して圧縮気体配管12,22,32を選択的に連通させるものである。なお、圧縮気体配管12,22,32は、それぞれ蓄圧タンク40に直接に接続され、各圧縮気体配管12,22,32には、それぞれ蓄圧タンク40との連通および遮断が可能な開閉弁が設けられてもよい。
【0018】
また、第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30の底部には、液体導入管14,24,34と液体導出管15,25,35と排水弁16,26,36とが接続されている。液体導出管15,25,35は、切替弁43を介してポンプ51の入口およびタービン54の入口に接続されている。液体導入管14,24,34は、切替弁42を介してポンプ51の出口およびタービン54の出口に接続されている。切替弁42は、ポンプ51およびタービン54に対して液体導入管14,24,34を選択的に連通させるものであり、切替弁43は、ポンプ51およびタービン54に対して液体導出管15,25,35を選択的に連通させるものである。なお、液体導入管14,24,34は、それぞれポンプ51の入口およびタービン54の入口に直接に接続され、液体導入管14,24,34には、それぞれ開閉弁が設けられてもよい。また、液体導出管15,25,35は、それぞれポンプ51の出口およびタービン54の出口に直接に接続され、液体導出管15,25,35には、それぞれ開閉弁が設けられてもよい。ポンプ51の入口側と出口側とには、それぞれ開閉弁52,53が設けられ、タービン54の入口側と出口側とには、それぞれ開閉弁55,56が設けられている。なお、開閉弁52,53の一方は、省略されてもよく、開閉弁55,56の一方は、省略されてもよい。
【0019】
タービン54は、液体タービンであり、タービン54には、当該タービン54の駆動により発電する図示しない発電機が接続されている。
【0020】
第1および第2排熱供給系60,70は、システム系外の排熱をシステム系内に供給するものである。ここで、システム系外の排熱は、例えば工場排熱など多くの排熱が発生する設備において、利用できなくなった低温(例えば50℃以下)の排熱を用いることができる。未利用排熱を有効活用することで、システムの効率を向上させることができる。
【0021】
第1排熱供給系60は、第1液体ピストン室10の液体導入管14から分岐した分岐管に接続されて液体を貯留する液体タンク64と、液体タンク64に接続された液体配管61と、第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30の室内に液体を噴霧可能に設けられると共に液体配管61にそれぞれ開閉弁18,28,38を介して接続された噴霧ノズル17,27,37と、液体配管61に設置された熱交換器62と、液体配管61内の液体を圧送するポンプ63と、を備える。液体タンク64の頂部には、空気抜き弁65が設けられている。熱交換器62は、液体配管61におけるポンプ63の下流側に設置され、液体配管61を流れる液体とシステム系外の排熱との熱交換を行なう。なお、液体タンク64には、別途、給水源が接続されてもよい。
【0022】
第2排熱供給系70は、タービン54の出口と切替弁42との間の配管に設置された熱交換器71を備える。熱交換器71は、タービン54から排出された液体とシステム系外の排熱との熱交換を行なう。
【0023】
制御装置100は、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、ROMやRAM、入出力ポートを備える。制御装置100には、例えば第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30内の各温度を検出する温度センサや第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30内の各圧力を検出する圧力センサ、第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30内の各液面レベルを検出する液面レベルセンサ等の各種センサからの検出信号が入力ポートを介して入力されている。一方、制御装置100からは、開閉弁13,23,33,52,53,55,56へのオンオフ信号や、切替弁41,42,43への切替信号、ポンプ51,63への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0024】
次に、こうして構成されたエネルギ貯蔵システム1の動作について説明する。エネルギ貯蔵システム1は、電力を用いてポンプ51により液体ピストンを駆動することにより空気を圧縮して蓄圧タンク40に蓄える蓄エネルギ動作と、蓄圧タンク40に蓄えられた圧縮気体の膨張により液体ピストンの液体をタービン54に圧送して発電する放エネルギ動作とを切り替えて実行する。以下、まず、蓄エネルギ動作の詳細について説明し、その後、放エネルギ動作の詳細について説明する。
【0025】
蓄エネルギ動作は、第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30のうち、貯留されている液体が最も多い液体ピストン室で吸気行程を行なうと共に貯留されている液体が最も少ない液体ピストン室で圧縮行程を行なうことで開始され、以降、吸気行程、圧縮行程、移送工程、吸気行程の順に各行程を繰り返すことにより行なわれる(図2参照)。ここで、吸気行程は、液体ピストン室から液体を導出して圧縮用の液体を供給すると共に外部から低圧の空気を当該液体ピストン室内の導入する行程である。圧縮行程は、圧縮用の液体の供給を受けて液体ピストン室内の空気を圧縮する行程である。移送行程は、圧縮気体を蓄圧タンク40に移送する行程である。
【0026】
図3図5は、蓄エネルギ動作の各行程を説明する説明図である。なお、図3図5において、各配管のうち液体あるいは空気の流れのない配管(液体導入管14,24,34や液体導出管15,25,35、圧縮気体配管12,22,32、液体配管61等)や、駆動していない機器(ポンプ63やタービン54等)については、破線で示した。以下、蓄エネルギ動作の制御について、第1液体ピストン室10、第2液体ピストン室20、第3液体ピストン室30でそれぞれ圧縮行程、吸気行程、移送行程が行なわれる状態から、順次、行程が遷移する場合を例として説明する。
【0027】
制御装置100は、図3に示すように、まず、ポンプ51の前後に配置された開閉弁52,53を開弁すると共にタービン54の前後に配置された開閉弁55,56を閉弁する。次に、制御装置100は、第1および第2液体ピストン室10,20の圧縮気体配管12,22と蓄圧タンク40とが遮断されると共に第3液体ピストン室30の圧縮気体配管32と蓄圧タンク40とが連通されるように切替弁41を制御する。続いて、制御装置100は、第1および第3液体ピストン室10,30の液体導出管15,35とポンプ51の入口とが遮断されると共に第2液体ピストン室20の液体導出管25とポンプ51の入口とが連通されるように切替弁43を制御し、ポンプ51の出口と第2および第3液体ピストン室20,30の液体導入管24,34とが遮断されると共にポンプ51の出口と第1液体ピストン室10の液体導入管14とが連通されるように切替弁42を制御した後、ポンプ51を駆動する。これにより、第2液体ピストン室20内の液体は、液体導出管25、ポンプ51、液体導入管14を介して第1液体ピストン室10に導入され、当該第1液体ピストン室10内の空気は、導入された液体によって圧縮される(圧縮行程)。そして、制御装置100は、第2液体ピストン室20内が大気圧以下となったタイミングで開閉弁23を開弁する。このため、第2液体ピストン室20内には、空気配管21を介して空気が導入される(吸気行程)。なお、大気圧以下となったか否かの判定は、例えば圧力センサにより第2液体ピストン室20内の圧力を検出することにより行なうことができる。
【0028】
第1液体ピストン室10、第2液体ピストン室20でそれぞれ圧縮行程、吸気行程が終了すると、次に、制御装置100は、図4に示すように、第2および第3液体ピストン室20,30の圧縮気体配管22,32と蓄圧タンク40とが遮断されると共に第1液体ピストン室10の圧縮気体配管12と蓄圧タンク40とが連通されるように切替弁41を制御する。これにより、第1液体ピストン室10において前行程の圧縮行程により圧縮された空気は、圧縮気体配管12を通って蓄圧タンク40に移送され、蓄圧タンク40に蓄えられる(移送行程)。同時に、制御装置100は、第1および第2液体ピストン室10,20の液体導出管15,25とポンプ51の入口とが遮断されると共に第3液体ピストン室30の液体導出管35とポンプ51の入口とが連通されるように切替弁43を制御し、ポンプ51の出口と第1および第3液体ピストン室10,30の液体導入管14,34とが遮断されると共にポンプ51の出口と第2液体ピストン室20の液体導入管24とが連通されるように切替弁42を制御した後、ポンプ51を駆動する。これにより、第3液体ピストン室30内の液体は、液体導出管35、ポンプ51、液体導入管24を介して第2液体ピストン室20に導入され、当該第2液体ピストン室20内の空気は、導入された液体によって圧縮される(圧縮行程)。そして、制御装置100は、第3液体ピストン室30内が大気圧以下となったタイミングで開閉弁33を開弁する。このため、第3液体ピストン室30内には、空気配管31を介して空気が導入される(吸気行程)。
【0029】
第1液体ピストン室10、第2液体ピストン室20、第3液体ピストン室30でそれぞれ移送行程、圧縮行程、吸気行程が終了すると、次に、制御装置100は、図5に示すように、第1および第3液体ピストン室10,30の圧縮気体配管12,32と蓄圧タンク40とが遮断されると共に第2液体ピストン室20の圧縮気体配管22と蓄圧タンク40とが連通されるように切替弁41を制御する。これにより、第2液体ピストン室20において前行程の圧縮行程により圧縮された空気は、圧縮気体配管22を通って蓄圧タンク40に移送され、蓄圧タンク40に蓄えられる(移送行程)。同時に、制御装置100は、第2および第3液体ピストン室20,30の液体導出管25,35とポンプ51の入口とが遮断されると共に第1液体ピストン室10の液体導出管15とポンプ51の入口とが連通されるように切替弁43を制御し、ポンプ51の出口と第1および第2液体ピストン室10,20の液体導入管14,24とが遮断されると共にポンプ51の出口と第3液体ピストン室30の液体導入管34とが連通されるように切替弁42を制御した後、ポンプ51を駆動する。これにより、第1液体ピストン室10内の液体は、液体導出管15、ポンプ51、液体導入管34を介して第3液体ピストン室30に導入され、当該第3液体ピストン室30内の空気は、導入された液体によって圧縮される(圧縮行程)。そして、制御装置100は、第1液体ピストン室10内が大気圧以下となったタイミングで開閉弁13を開弁する。このため、第1液体ピストン室10内には、空気配管11を介して空気が導入される(吸気行程)。
【0030】
このように、3つの液体ピストン室10,20,30で順次、吸気行程、圧縮行程、移送行程を繰り返すことにより、連続的に圧縮気体を蓄圧タンク40に移送することができ、圧縮気体を効率よく蓄圧タンク40に蓄圧することができる。また、液体ピストンを用いることで、圧縮行程により発生した熱は液体に吸収されるため、発生した熱を回収するための熱交換器は不要である。
【0031】
次に、放エネルギ動作の詳細について説明する。放エネルギ動作は、第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30のうち、貯留されている液体が最も多い液体ピストン室で移送行程を行なことで開始され、以降、移送行程、膨張行程、排気工程、移送行程の順に各行程を繰り返すことにより行なわれる(図6参照)。ここで、移送行程は、蓄圧タンク40から圧縮気体を液体ピストン室内に導入する行程である。膨張工程は、液体ピストン室内に導入した圧縮気体により当該液体ピストン室内の液体を押し出してタービン54を駆動する行程である。排気行程は、タービン54から排出された液体を液体ピストン室内に回収する行程である。
【0032】
図7図9は、放エネルギ動作の各行程を説明する説明図である。なお、図7図9において、各配管のうち液体あるいは空気の流れのない配管(液体導入管14,24,34や液体導出管15,25,35、圧縮気体配管12,22,32等)や、駆動していない機器(ポンプ51等)については、破線で示した。以下、放エネルギ動作の制御について、第1液体ピストン室10、第2液体ピストン室20、第3液体ピストン室30でそれぞれ排気行程、膨張行程、移送行程が行なわれる制御状態から、順次、行程が遷移する場合を例として説明する。
【0033】
制御装置100は、図7に示すように、まず、ポンプ51の前後に配置された開閉弁52,53を閉弁すると共にタービン54の前後に配置された開閉弁55,56を開弁する。続いて、制御装置100は、第1および第3液体ピストン室10,30の液体導出管15,35とタービン54の入口とが遮断されると共に第2液体ピストン室20の液体導出管25とタービン54の入口とが連通されるように切替弁43を制御し、タービン54の出口と第2および第3液体ピストン室20,30の液体導入管24,34とが遮断されると共にタービン54の出口と第1液体ピストン室10の液体導入管14とが連通されるように切替弁42を制御する。そして、制御装置100は、第1および第2液体ピストン室10,20の圧縮気体配管12,22と蓄圧タンク40とが遮断されると共に第3液体ピストン室30の圧縮気体配管32と蓄圧タンク40とが連通されるように切替弁41を制御する。これにより、蓄圧タンク40に蓄えられた圧縮気体は、圧縮気体配管32を介して第3液体ピストン室30へ移送される(移送行程)。
【0034】
第3液体ピストン室30で移送行程が終了すると、次に、制御装置100は、図8に示すように、第1および第2液体ピストン室10,20の液体導出管15,25とタービン54の入口とが遮断されると共に第3液体ピストン室30の液体導出管35とタービン54の入口とが連通されるように切替弁43を制御し、タービン54の出口と第1および第3液体ピストン室10,30の液体導入管14,34とが遮断されると共にタービン54の出口と第2液体ピストン室20の液体導入管24とが連通されるように切替弁42を制御する。更に、制御装置100は、開閉弁28を開弁すると共に液体タンク64の液体が熱交換器62を通過して噴霧器27から第2液体ピストン室20内に噴霧されるようにポンプ63を駆動する。前行程の移送行程により第3液体ピストン室30に移送された圧縮気体は、当該第3液体ピストン室30内で膨張し、当該第3液体ピストン室30内の液体は、液体導出管35へ押し出されてタービン54へ圧送される(膨張行程)。これにより、タービン54は、圧送された液体を受けて駆動し、発電機を発電させる。本実施形態では、第3液体ピストン室30には、膨張行程中に、熱交換器62で排熱との熱交換により加熱された高温の液体が噴霧器37から噴霧されるため、当該第3液体ピストン室30内の圧縮気体は、噴霧された高温の液体により加温されて膨張が促進される。この結果、タービン54の仕事量を増やすことができる。上述したように、排熱として未利用排熱を活用するから、システムの効率をより向上させることができる。タービン54から排出された液体は、第2排熱供給系70の熱交換器71を通り、排熱との熱交換によって加熱されてから液体導入管24を介して第2液体ピストン室20に導入される。そして、制御装置100により開閉弁23が開弁されることで、第2液体ピストン室20内の空気は、空気配管21を介して大気へ排出される(排気行程)。また、制御装置100は、第2および第3液体ピストン室20,30の圧縮気体配管22,32と蓄圧タンク40とが遮断されると共に第1液体ピストン室10の圧縮気体配管12と蓄圧タンク40とが連通されるように切替弁41を制御する。これにより、第3液体ピストン室30と第2液体ピストン室20とがそれぞれ膨張行程、排気行程を行なっている間、蓄圧タンク40に蓄えられた圧縮気体は、圧縮気体配管12を介して第1液体ピストン室10へ移送される(移送行程)。
【0035】
第1液体ピストン室10、第2液体ピストン室20、第3液体ピストン室30でそれぞれ移送行程、排気行程、膨張行程が終了すると、次に、制御装置100は、図9に示すように、第2および第3液体ピストン室20,30の液体導出管25,35とタービン54の入口とが遮断されると共に第1液体ピストン室10の液体導出管15とタービン54の入口とが連通されるように切替弁43を制御し、タービン54の出口と第1および第2液体ピストン室10,20の液体導入管14,24とが遮断されると共にタービン54の出口と第3液体ピストン室30の液体導入管34とが連通されるように切替弁42を制御する。更に、制御装置100は、開閉弁18を開弁すると共に液体タンク64の液体が熱交換器62を通過して噴霧器17から第1液体ピストン室10内に噴霧されるようにポンプ63を駆動する。前行程の移送行程により第1液体ピストン室10に移送された圧縮気体は、当該第1液体ピストン室10内で膨張し、当該第1液体ピストン室10内の液体は、液体導出管15へ押し出されてタービン54へ圧送される(膨張行程)。これにより、タービン54は、圧送された液体を受けて駆動し、発電機を発電させる。本実施形態では、第1液体ピストン室10には、膨張行程中に、熱交換器62で排熱との熱交換により加熱された高温の液体が噴霧器17から噴霧され、前々行程の排気行程に、第2排熱供給系70の熱交換器71で排熱との熱交換により加熱された液体が導入されているため、当該第1液体ピストン室10内の圧縮気体は、高温の液体により加温されて膨張が促進される。この結果、タービン54の仕事量を増やすことができる。上述したように、排熱として未利用排熱を活用するから、システムの効率をより向上させることができる。タービン54から排出された液体は、第2排熱供給系70の熱交換器71を通り、排熱との熱交換によって加熱されてから液体導入管34を介して第3液体ピストン室30に導入される。そして、制御装置100により開閉弁33が開弁されることで、第3液体ピストン室30内の空気は、空気配管31を介して大気へ排出される(排気行程)。また、制御装置100は、第1および第3液体ピストン室10,30の圧縮気体配管12,32と蓄圧タンク40とが遮断されると共に第2液体ピストン室20の圧縮気体配管22と蓄圧タンク40とが連通されるように切替弁41を制御する。これにより、第1液体ピストン室10と第3液体ピストン室30とがそれぞれ膨張行程、排気行程を行なっている間、蓄圧タンク40に蓄えられた圧縮気体は、圧縮気体配管22を介して第2液体ピストン室20へ移送される(移送行程)。
【0036】
このように、3つの液体ピストン室10,20,30で順次、移送行程、膨張行程、排気行程を繰り返すことにより、連続的に蓄圧タンク40からの圧縮気体を膨張させてタービン54へ圧送し、タービン54を駆動することができる。この際、第1排熱供給系60や第2排熱供給系70によりシステム系外の未利用排熱との熱交換によって圧縮気体や液体が加熱されるため、圧縮気体の膨張を促すことができ、タービン54の仕事量を増やすことができる。この結果、システムの効率をより向上させることができる。また、液体ピストンを用いることで、蓄エネルギ動作で液体に吸収させた熱を放エネルギ動作に用いることができ、蓄エネルギ動作で回収した熱を放エネルギ動作で放出するための熱交換器は不要である。
【0037】
以上説明した本実施形態のエネルギ貯蔵システム1では、液体をピストン代わりに使用することで、圧縮時の発熱と膨張時の吸熱とを液体で吸収することができ、これらの熱を吸収するための熱交換器を不要とすることができる。加えて、捨てられる排熱を用いて第1排熱供給系60や第2排熱供給系70により膨張時に熱を付与することで、膨張を促すことができ、システム効率をより向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態のエネルギ貯蔵システム1では、第1排熱供給系60は、熱交換器62で排熱との熱交換により液体を加熱し、加熱した液体を膨張行程の液体ピストン室内に噴霧する。これにより、液体ピストン室内の圧縮気体を直接に加温することができ、効率よくシステム系外の排熱を付与することができる。
【0039】
また、本実施形態のエネルギ貯蔵システム1では、第2排熱供給系70は、タービン54(負荷部)の出口と第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30の液体導入管14,24,34との間に、タービン54を通過した液体と排熱とを熱交換する熱交換器71を備える。これにより、排気行程において液体ピストン室に導入する液体を加温して、次の移送行程や膨張行程で液体ピストン室内の圧縮気体を加温することができ、効率よくシステム系外の排熱を付与することができる。
【0040】
また、本実施形態のエネルギ貯蔵システム1では、3つの液体ピストン室(第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30)を備え、それぞれ、蓄エネルギ動作において、吸気行程、圧縮行程、移送行程を順次実行し、放エネルギ動作において、移送行程、膨張行程、排気行程を順次実行する。これにより、蓄エネルギ動作において圧縮行程を連続的に行なうことができ、放エネルギ動作において膨張行程を連続的に行なうことができる。この結果、蓄エネルギ動作と放エネルギ動作とを円滑に行なうことができる。
【0041】
上述した実施形態では、エネルギ貯蔵システム1は、2つの排熱供給系(第1および第2排熱供給系60,70)を備えるものとしたが、いずれか一方を省略してもよい。また、第1排熱供給系60や第2排熱供給系70に代えて、又は、第1排熱供給系60や第2排熱供給系70に加えて、図10に示すように、液体ピストン室(第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30)の内壁に設けられた熱交換フィン119a,129a,139aと、液体ピストン室の外壁に設けられたジャケット部119b,129b,139bと、を有し、それぞれ開閉弁118,128,138を介してシステム系外の排熱または当該排熱と熱交換した液体(熱交換媒体)を当該ジャケット部119b,129b,139bに供給して液体ピストン室を加温する第3排熱供給系160を備えてもよい。なお、第3排熱供給系160は、図11に示すように、ジャケット部119b,129b,139bに代えて、液体ピストン室(第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30)の外壁に巻き付けられたパイプ部119c,129c,139cを備えてもよい。
【0042】
上述した実施形態では、エネルギ貯蔵システム1は、タービン54(発電機)を備えるものとしたが、これに限定されるものではなく、膨張行程において圧縮気体の膨張により圧送された液体の供給を受けて駆動するものであれば、如何なる負荷であってもよい。
【0043】
上述した実施形態では、3つの液体ピストン室(第1,第2,第3液体ピストン室10,20,30)を用いて、蓄エネルギ動作において、吸気行程、圧縮行程、移送行程を順次実行し、放エネルギ動作において、移送行程、膨張行程、排気行程を順次実行するものとしたが、液体ピストン室の数は、3つに限られず、1つや2つであってもよいし、4つ以上備えてもよい。
【0044】
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、蓄圧タンク40が「蓄圧タンク」に相当し、第1~第3液体ピストン室10~30が「容器」に相当し、ポンプ51が「ポンプ部」に相当し、開閉弁13,23,33と開閉弁18,28,38と開閉弁52,52,54,55と切替弁41,42,43とこれらを制御する制御装置100とが「動作実行部」に相当し、第1排熱供給系60や第2排熱供給系70、第3排熱供給系160が「排熱供給部」に相当する。また、熱交換器62が「熱交換部」に相当し、噴霧ノズル17,27,37が「噴霧部」に相当する。また、熱交換器71が「熱交換部」に相当する。
【0045】
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0046】
以上、本開示を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示は、CAES発電装置等のエネルギ貯蔵システムの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 エネルギ貯蔵システム、10 第1液体ピストン室、11,21,31 空気配管、12,22,32 圧縮気体配管、13,23,33 開閉弁、14,24,34 液体導入管、15,25,35 液体導出管、16,26,36 排水弁、17,27,37 噴霧ノズル、18,28,38 開閉弁、20 第2液体ピストン室、30 第3液体ピストン室、40 蓄圧タンク、41,42,43 切替弁、51 ポンプ、52,52,54,55 開閉弁、54 タービン、60 第1排熱供給系、61 液体配管、62 熱交換器、63 ポンプ、64 バッファタンク、65 空気抜き弁、70 第2排熱供給系、71 熱交換器、100 制御装置、118,128,138 開閉弁、119a,129a,139a 熱交換フィン、119b,129b,139b ジャケット部、119c,129c,139c パイプ部、160 第3熱供給系。
図1
図2
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図10
図11