(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132355
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】フィルタリング処理システム
(51)【国際特許分類】
G01C 7/02 20060101AFI20240920BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240920BHJP
【FI】
G01C7/02
G06N20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043087
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】390023249
【氏名又は名称】国際航業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 ア
(72)【発明者】
【氏名】高橋 元気
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 久美子
(72)【発明者】
【氏名】橋本 寛治
(57)【要約】
【課題】本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち、手動フィルタリング処理にかかる作業を従来技術に比して削減することができるフィルタリング処理システムを提供することである。
【解決手段】本願発明のフィルタリング処理システムは、地形モデルに基づいて地盤データを生成するにあたってフィルタリング処理を実行するシステムであって、1次自動フィルタリング手段と過抽出メッシュ検出手段、未抽出メッシュ検出手段、過抽出用自動フィルタリング手段、未抽出用自動フィルタリング手段を備えたものである。過抽出用自動フィルタリング手段は過抽出メッシュに自動フィルタリング処理を行う手段であり、未抽出用自動フィルタリング手段は未抽出メッシュに自動フィルタリング処理を行う手段である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地形モデルに基づいて地盤データを生成するにあたって、フィルタリング処理を実行するシステムであって、
前記地形モデルは、複数のメッシュによって構成されるとともに、該メッシュにはそれぞれ標高が付され、
前記地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行する1次自動フィルタリング手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって除外された除去メッシュと標高を、過抽出学習済みモデルに入力することによって、該除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、該地盤ラベルが付与された該除去メッシュを過抽出メッシュとして抽出する過抽出メッシュ検出手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって維持された維持メッシュと標高を、未抽出学習済みモデルに入力することによって、該維持メッシュに対して前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルを付与し、該非地盤ラベルが付与された該維持メッシュを未抽出メッシュとして抽出する未抽出メッシュ検出手段と、
前記地形モデルのうち前記過抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する過抽出用自動フィルタリング手段と、
前記地形モデルのうち前記未抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する未抽出用自動フィルタリング手段と、を備え、
前記過抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記除去メッシュと標高を機械学習することによって生成され、
前記未抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記維持メッシュと標高を機械学習することによって生成される、
ことを特徴とするフィルタリング処理システム。
【請求項2】
地形モデルに基づいて地盤データを生成するにあたって、フィルタリング処理を実行するシステムであって、
前記地形モデルは、複数のメッシュによって構成されるとともに、該メッシュにはそれぞれ標高が付され、
前記地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行する1次自動フィルタリング手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって除外された除去メッシュの標高と、該除去メッシュが除外された後に生成された地盤データの標高と、の標高差分を算出する標高差分算出手段と、
前記除去メッシュと前記標高差分を、過抽出学習済みモデルに入力することによって、該除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、該地盤ラベルが付与された該除去メッシュを過抽出メッシュとして抽出する過抽出メッシュ検出手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって維持された維持メッシュと標高を、未抽出学習済みモデルに入力することによって、該維持メッシュに対して前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルを付与し、該非地盤ラベルが付与された該維持メッシュを未抽出メッシュとして抽出する未抽出メッシュ検出手段と、
前記地形モデルのうち前記過抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する過抽出用自動フィルタリング手段と、
前記地形モデルのうち前記未抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する未抽出用自動フィルタリング手段と、を備え、
前記過抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記除去メッシュと前記標高差分を機械学習することによって生成され、
前記未抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記維持メッシュと標高を機械学習することによって生成される、
ことを特徴とするフィルタリング処理システム。
【請求項3】
地形モデルに基づいて地盤データを生成するにあたって、フィルタリング処理を実行するシステムであって、
前記地形モデルは、複数のメッシュによって構成されるとともに、該メッシュにはそれぞれグレースケール又は色情報が付され、
前記地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行する1次自動フィルタリング手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって除外された除去メッシュとグレースケール又は色情報を、過抽出学習済みモデルに入力することによって、該除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、該地盤ラベルが付与された該除去メッシュを過抽出メッシュとして抽出する過抽出メッシュ検出手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって維持された維持メッシュとグレースケール又は色情報を、未抽出学習済みモデルに入力することによって、該維持メッシュに対して前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルを付与し、該非地盤ラベルが付与された該維持メッシュを未抽出メッシュとして抽出する未抽出メッシュ検出手段と、
前記地形モデルのうち前記過抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する過抽出用自動フィルタリング手段と、
前記地形モデルのうち前記未抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する未抽出用自動フィルタリング手段と、を備え、
前記過抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記除去メッシュとグレースケール又は色情報を機械学習することによって生成され、
前記未抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記維持メッシュとグレースケール又は色情報を機械学習することによって生成される、
ことを特徴とするフィルタリング処理システム。
【請求項4】
前記未抽出用自動フィルタリング手段は、前記過抽出用自動フィルタリング手段による自動フィルタリング処理に係るパラメータとは異なるパラメータによって、自動フィルタリング処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィルタリング処理システム。
【請求項5】
地形モデルに基づいて地盤データを生成するにあたって、フィルタリング処理を実行するシステムであって、
前記地形モデルは、複数のメッシュによって構成されるとともに、該メッシュにはそれぞれ標高が付され、
前記地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行する1次自動フィルタリング手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって除外された除去メッシュと標高を、過抽出学習済みモデルに入力することによって、該除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、該地盤ラベルが付与された該除去メッシュを過抽出メッシュとして抽出する過抽出メッシュ検出手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって維持された維持メッシュと標高を、未抽出学習済みモデルに入力することによって、該維持メッシュに対して前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルを付与し、該非地盤ラベルが付与された該維持メッシュを未抽出メッシュとして抽出する未抽出メッシュ検出手段と、
前記地形モデルが有する標高を、前記過抽出メッシュに付与する地盤点処理手段と、
前記地形モデルのうち前記未抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する未抽出用自動フィルタリング手段と、を備え、
前記過抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記除去メッシュと標高を機械学習することによって生成され、
前記未抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記維持メッシュと標高を機械学習することによって生成される、
ことを特徴とするフィルタリング処理システム。
【請求項6】
地形モデルに基づいて地盤データを生成するにあたって、フィルタリング処理を実行するシステムであって、
前記地形モデルは、複数のメッシュによって構成されるとともに、該メッシュにはそれぞれ標高が付され、
前記地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行する1次自動フィルタリング手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって除外された除去メッシュの標高と、該除去メッシュが除外された後に生成された地盤データの標高と、の標高差分を算出する標高差分算出手段と、
前記除去メッシュと前記標高差分を、過抽出学習済みモデルに入力することによって、該除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、該地盤ラベルが付与された該除去メッシュを過抽出メッシュとして抽出する過抽出メッシュ検出手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって維持された維持メッシュと標高を、未抽出学習済みモデルに入力することによって、該維持メッシュに対して前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルを付与し、該非地盤ラベルが付与された該維持メッシュを未抽出メッシュとして抽出する未抽出メッシュ検出手段と、
前記地形モデルが有する標高を、前記過抽出メッシュに付与する地盤点処理手段と、
前記地形モデルのうち前記未抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する未抽出用自動フィルタリング手段と、を備え、
前記過抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記除去メッシュと前記標高差分を機械学習することによって生成され、
前記未抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記維持メッシュと標高を機械学習することによって生成される、
ことを特徴とするフィルタリング処理システム。
【請求項7】
地形モデルに基づいて地盤データを生成するにあたって、フィルタリング処理を実行するシステムであって、
前記地形モデルは、複数のメッシュによって構成されるとともに、該メッシュにはそれぞれグレースケール又は色情報が付され、
前記地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行する1次自動フィルタリング手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって除外された除去メッシュとグレースケール又は色情報を、過抽出学習済みモデルに入力することによって、該除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、該地盤ラベルが付与された該除去メッシュを過抽出メッシュとして抽出する過抽出メッシュ検出手段と、
前記1次自動フィルタリング手段によって維持された維持メッシュとグレースケール又は色情報を、未抽出学習済みモデルに入力することによって、該維持メッシュに対して前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルを付与し、該非地盤ラベルが付与された該維持メッシュを未抽出メッシュとして抽出する未抽出メッシュ検出手段と、
前記地形モデルが有する標高を、前記過抽出メッシュに付与する地盤点処理手段と、
前記地形モデルのうち前記未抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する未抽出用自動フィルタリング手段と、を備え、
前記過抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記除去メッシュとグレースケール又は色情報を機械学習することによって生成され、
前記未抽出学習済みモデルは、前記地盤ラベル又は前記非地盤ラベルが付された前記維持メッシュとグレースケール又は色情報を機械学習することによって生成される、
ことを特徴とするフィルタリング処理システム。
【請求項8】
前記1次自動フィルタリング手段は、前記地形モデルに対して2回以上の自動フィルタリング処理を実行することによって、前記除去メッシュ又は前記維持メッシュに分類し、
また前記1次自動フィルタリング手段が実行する2回以上の自動フィルタリング処理に係るパラメータは、それぞれ異なるパラメータが設定される、
ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のフィルタリング処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、レーザ計測機によって得られた計測結果から地盤面を生成する技術に関するものであり、より具体的には、地盤データを生成するためのフィルタリング処理を実行するフィルタリング処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
広範囲に渡って「地盤」や「地物」(以下、これらを総称して「地盤等」という。)を計測する場合、これまでは空中写真測量によるのが主流であったが、昨今では、航空レーザ計測や、衛星写真を利用した計測、あるいは合成開口レーダを利用した計測など様々な計測手法が出現し、状況に応じて好適な手法を適宜選択できるようになった。なおここでいう「地物」とは、地盤を除く「物」である。
【0003】
このうち航空レーザ計測は、計測したい対象範囲の上空を航空機で飛行し、この対象範囲にある地盤等に対して照射したレーザパルスの反射波を受けて計測する手法である。通常、航空機にはGNSS(Global Navigation Satellite System)などの測位計と、IMU(Inertial Measurement Unit)などの慣性測量装置が搭載されているため、これらGNSSとIMUによってレーザパルス照射時における照射位置(x,y,z)と照射姿勢(ω,φ,κ)を記録することができる。
【0004】
航空機からレーザパルスが照射されるとその照射時刻は記録され、また地盤等で反射したレーザパルスは航空機に搭載されたセンサで受信されるとともにその受信時刻が記録される。したがって、照射時刻と受信時刻との時間差によって計測点(レーザパルスが反射した地点)までの距離が得られ、レーザパルス照射時における照射位置(x,y,z)と照射姿勢(ω,φ,κ)も記録されていることから、レーザパルスの照射点(つまり、計測点)の3次元座標のデータ(以下、「計測点データ」という。)を得ることができるわけである。さらに航空機に搭載されたセンサは、レーザパルスを受信すると、そのときの反射波の強度(以下、「反射強度」という。)が記録される。この反射強度は、いわば受信した反射波のエネルギーの大きさ(レーザパルスの振幅)であり、直接的には電圧として計測され、この電圧を換算することでエネルギーの大きさが得られる。
【0005】
ここまで説明したように航空レーザ計測は、飛行中の航空機から地盤等に対してレーザパルスを照射することで計測点データを取得する手法である。そして、このレーザパルスは1秒間に100,000~2,000,000回ほど発射されることから、1回の計測(フライト)では夥しい数の計測点データが取得される。また森林などを対象に計測する場合、当然ながら樹木の間を縫って地盤に対してのみレーザパルスを照射する(つまり、地盤を狙ってレーザパルスを照射する)ことは不可能であり、そのため地盤に反射した計測点データのほか、樹葉や樹幹に反射した計測点データも取得される。
【0006】
多くの場合、航空レーザ計測は、対象範囲の地盤の高さを把握するために行われることから、樹葉や樹幹に反射した計測点データ(非地盤データ)はいわば不要なデータである。そのため非地盤データを除去するいわゆるフィルタリングが実施されており、そしてフィルタリングに関する種々の改良技術が提案されている。例えば特許文献1では写真計測による地形モデル(いわゆるサーフェイスモデル)と航空レーザ計測による計測点データを照らし合わせ、写真計測による地形モデルに近似する計測点データは樹葉や樹幹に反射したものである(サーフェイスに相当する)として非地盤データを除去する技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、地盤の高さを把握するためには非地盤データを除去するフィルタリング処理が行われている。しかしながら、1回の計測で得られる夥しい数の計測点データを人(オペレータ)が判断しながら除去していくのは現実的ではない。そのため一般的には、一定の要件のもと自動的に非地盤データを除去する「自動フィルタリング処理」を行っている。代表的な自動フィルタリング処理の例としては、初期地盤点(特定範囲内の最低点)として抽出された点からTIN(Triangulated Irregular Network)モデルを形成するとともに、そのTINモデルのうちサーフェイス付近の地盤点を探索することによって非地盤データを検出(除去)する自動フィルタリング処理(例えば、Progressive TIN Densificationなど)や、あるいは受信したレーザパルスの反射強度(レーザパルスの振幅)が所定の閾値を下回る計測点データを非地盤データとして除去する自動フィルタリング処理などを挙げることができる。樹葉等に反射したレーザパルスの反射強度は地盤に反射したそれより小さいことが知られており、したがって小さい(弱い)反射強度のレーザパルスに係る計測点データは無条件に非地盤データとして取り扱うわけである。
【0009】
この自動フィルタリング処理を行うと非地盤データが自動的に抽出されるためオペレータ作業を大幅に軽減することができるものの、当然ながら自動フィルタリング処理によってすべての非地盤データを抽出することはできない。したがって通常は、自動フィルタリング処理によって非地盤データが除去された計測点データ(1次処理データ)に対して、さらにオペレータによる「手動フィルタリング処理」を行っている。すなわち、計測によって得られた計測点データ(オリジナルデータ)に対して自動フィルタリング処理を行って1次処理データを生成し、さらにこの1次処理データに対して手動フィルタリング処理を行うことで最終的な計測点データ(地盤データ)を生成しているのが実情である。
【0010】
手動フィルタリング処理は、オペレータが1次処理データを目視しながら修正すべき領域を抽出したうえで修正を行う処理である。そのため、著しく神経を使う操作であるうえ、誤った操作(いわゆる、ヒューマンエラー)を完全に排除することはできない。そこで本願発明の発明者らは、1次処理データに対して修正すべき領域の候補を自動的に抽出することとし、さらに人工知能(Artificial Intelligence:AI)を利用した自動抽出の実現を試みた。修正すべき領域が提示されることによって、オペレータはその領域のみを対象とすれば足りることから、手動フィルタリング処理にかかる作業が大幅に削減されるわけである。
【0011】
ところが、機械学習(例えば、ディープラーニング等)を行って生成された学習済みモデルを用いて修正すべき領域を抽出したところ、それほど高い精度で抽出することができなかった。そして発明者らは、その原因として自動フィルタリング処理による「過剰フィルタリング」と「フィルタリング漏れ」の相違(いわば、特性の違い)が影響していることを見出した。ここで「過剰フィルタリング」とは、地盤のデータであるにもかかわらず誤って除去する処理であり、一方の「フィルタリング漏れ」とは、地盤ではないデータであるにもかかわらず除去しない(つまり、維持する)処理である。すなわち、過剰フィルタリングによって「過抽出」とされた地盤データ(以下、「過抽出データ」という。)と、フィルタリング漏れによって「抽出漏れ」とされた非地盤データ(以下、「未抽出データ」という。)を同等に扱って学習済みモデルを生成することに問題があったわけである。
【0012】
そこで、過抽出データを検出するための学習済みモデルと、未抽出データを検出するための学習済みモデルを、それぞれ別に生成して利用することが考えられる。これにより、過抽出データの候補や未抽出データの候補を適切に出力することができ、オペレータはこれら候補とされた地盤データや非地盤データ(以下、これらを総称して「候補データ」という。)のみを対象として処理すれば足りるとなる。ところが、学習済みモデルによって出力される候補データが、過抽出データと未抽出データを完全に網羅することは難しい。その結果、オペレータは候補データの適否を判定しながら手動フィルタリングを行うこととなり、従来技術に比して手動フィルタリング処理にかかる作業は削減されるものの、それほど劇的な効果を望むことができないケースもあり得る。
【0013】
本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち、手動フィルタリング処理にかかる作業を従来技術に比して削減することができるフィルタリング処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は、過抽出データを抽出するための処理と未抽出データを抽出するための処理をそれぞれ個別に実行する、すなわち過剰フィルタリングに対応する学習済みモデルとフィルタリング漏れの学習済みモデルをそれぞれ生成することによって候補データを出力するとともに、その候補データに対してさらに自動フィルタリングを実行する、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
【0015】
本願発明のフィルタリング処理システムは、地形モデル(複数のメッシュによって構成され、それぞれのメッシュに標高が付されたモデル)に基づいて地盤データを生成するにあたって、フィルタリング処理を実行するシステムであって、1次自動フィルタリング手段と過抽出メッシュ検出手段、未抽出メッシュ検出手段、過抽出用自動フィルタリング手段、未抽出用自動フィルタリング手段を備えたものである。このうち1次自動フィルタリング手段は、地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行する手段である。また過抽出メッシュ検出手段は、除去メッシュ(地形モデルを自動フィルタリング処理して除外されたメッシュ)と標高を過抽出学習済みモデルに入力することによって、除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、地盤ラベルが付与された除去メッシュを過抽出メッシュとして抽出する手段である。未抽出メッシュ検出手段は、維持メッシュ(1次自動フィルタリング手段によって維持されたメッシュ)と標高を未抽出学習済みモデルに入力することによって、維持メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、非地盤ラベルが付与された除去メッシュを未抽出メッシュとして抽出する手段である。そして、過抽出用自動フィルタリング手段は、地形モデルのうち過抽出メッシュに含まれる計測点データに対して自動フィルタリング処理を実行する手段であり、未抽出用自動フィルタリング手段は、地形モデルのうち未抽出メッシュに含まれる計測点データに対して、自動フィルタリング処理を実行する手段である。なお、過抽出学習済みモデルは、「地盤ラベル又は非地盤ラベルが付された除去メッシュ(教師データ)」と「標高(入力データ)」を機械学習することによって生成され、未抽出学習済みモデルは、「地盤ラベル又は非地盤ラベルが付された維持メッシュ(教師データ)」と「標高(入力データ)」を機械学習することによって生成される。
【0016】
本願発明のフィルタリング処理システムは、標高差分算出手段をさらに備えたものとすることもできる。この標高差分算出手段は、除去メッシュの標高と、除去メッシュが除外された後に生成された地盤データの標高との標高差分を算出する手段である。この場合、過抽出メッシュ検出手段は、除去メッシュと標高差分を過抽出学習済みモデルに入力することによって除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、未抽出メッシュ検出手段は、維持メッシュと標高差分を未抽出学習済みモデルに入力することによって維持メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与する。またこの場合の過抽出学習済みモデルは、「地盤ラベル又は非地盤ラベルが付された除去メッシュ(教師データ)」と「標高差分(入力データ)」を機械学習することによって生成され、未抽出学習済みモデルは、「地盤ラベル又は非地盤ラベルが付された維持メッシュ(教師データ)」と「標高差分(入力データ)」を機械学習することによって生成される。
【0017】
本願発明のフィルタリング処理システムは、標高や標高差分に含めることなく、メッシュに付されたグレースケール(あるいは、色情報)に基づいて修正領域を自動抽出するものとすることもできる。この場合、過抽出メッシュ検出手段は、除去メッシュとグレースケール(あるいは、色情報)を過抽出学習済みモデルに入力することによって除去メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与し、未抽出メッシュ検出手段は、維持メッシュとグレースケール(あるいは、色情報)を未抽出学習済みモデルに入力することによって維持メッシュに対して地盤ラベル又は非地盤ラベルを付与する。またこの場合の過抽出学習済みモデルは、「地盤ラベル又は非地盤ラベルが付された除去メッシュ(教師データ)」と「グレースケールや色情報(入力データ)」を機械学習することによって生成され、未抽出学習済みモデルは、「地盤ラベル又は非地盤ラベルが付された維持メッシュ(教師データ)」と「グレースケールや色情報(入力データ)」を機械学習することによって生成される。
【0018】
本願発明のフィルタリング処理システムは、未抽出用自動フィルタリング手段による自動フィルタリング処理に係るパラメータと、過抽出用自動フィルタリング手段による自動フィルタリング処理に係るパラメータとが異なるものとすることもできる。
【0019】
本願発明のフィルタリング処理システムは、過抽出用自動フィルタリング手段に代えて、地盤点処理手段を備えたものとすることもできる。この地盤点処理手段は、地形モデルが有する標高を、過抽出メッシュに付与する手段である。もちろんこの場合も、維持メッシュや除去メッシュと標高を学習済みモデルに入力する仕様にすることも、維持メッシュや除去メッシュと標高差分を学習済みモデルに入力する仕様にすることも、維持メッシュや除去メッシュとグレースケール(あるいは、色情報)を学習済みモデルに入力する仕様にすることもできる。
【0020】
本願発明のフィルタリング処理システムは、過抽出用自動フィルタリング手段に代えて地盤点処理手段を備えるとともに、1次自動フィルタリング手段が地形モデルに対して2回以上の自動フィルタリング処理を実行するものとすることもできる。この場合、1次自動フィルタリング手段が実行する2回以上の自動フィルタリング処理に係るパラメータは、それぞれ異なるパラメータが設定される。
【発明の効果】
【0021】
本願発明のフィルタリング処理システムには、次のような効果がある。
(1)過抽出データを抽出する処理、未抽出データを抽出する処理を、それぞれ個別に実行することから、過抽出メッシュ(地盤ラベルが付与された除去メッシュ)と未抽出メッシュ(非地盤ラベルが付与された維持メッシュ)を比較的精度よく抽出することができる。
(2)過抽出メッシュと未抽出メッシュに対して自動フィルタリング処理を実行することによって、過抽出メッシュを地盤として戻すとともに未抽出メッシュを非地盤として取り除くことができる。
(3)また、過抽出メッシュと未抽出メッシュに対して自動フィルタリング処理を実行することから、手動フィルタリング処理にかかるオペレータ作業が大幅に削減され、しかもオペレータ作業に伴うヒューマンエラーも回避しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】複数のメッシュによって構成される地形モデルを模式的に示すモデル図。
【
図3】自動フィルタリング処理による「過剰フィルタリング」と「フィルタリング漏れ」を説明するモデル図。
【
図4】本願発明のフィルタリング処理システムの主な構成を示すブロック図。
【
図5】第1の実施例におけるフィルタリング処理システムの主な処理の流れの一例を示すフロー図。
【
図6】第2の実施例におけるフィルタリング処理システムの主な処理の流れの一例を示すフロー図。
【
図7】第3の実施例におけるフィルタリング処理システムの主な処理の流れの一例を示すフロー図。
【
図8】第4の実施例におけるフィルタリング処理システムの主な処理の流れの一例を示すフロー図。
【
図9】第5の実施例におけるフィルタリング処理システムの主な処理の流れの一例を示すフロー図。
【
図10】第6の実施例におけるフィルタリング処理システムの主な処理の流れの一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願発明のフィルタリング処理システムの実施形態の一例を、図に基づいて説明する。
【0024】
1.定義
本願発明の実施形態の例を説明するにあたって、はじめにここで用いる用語の定義を示しておく。
【0025】
(地形モデル)
航空レーザ計測によって地盤等を計測すると、3次元座標を具備する多数の計測点データ(以下、「3次元点群」という。)が得られる。ここで「地形モデル」とは、この3次元点群に基づいて生成されるモデルであり、例えばDSM(Digital Surface Model)やDEM(Digital Elevation Model)などが知られている。通常、地形モデルは、
図1に示すように計測対象の平面範囲を複数分割(図では、180分割)した小領域(以下、「メッシュMS」という。)によって構成される。このメッシュMSは、例えば直交するグリッドに区切られて形成されピクセル(画素)とも呼ばれるもので、それぞれのメッシュMSは標高が付与された代表点を備えている。航空レーザ計測によって得られる3次元点群はランダムデータ(平面的に不規則な配置のデータ)で構成されるため、小領域の代表点に標高を与えるには幾何計算されることが多い。その計算方法としては、ランダムデータから形成される不整三角網によって高さを求めるTINよる手法や、最も近いレーザ計測点を採用する最近傍法(Nearest Neighbor)による手法、逆距離加重法(IDW:Inverse Distance Weighting)、Kriging法、平均法などを挙げることができる。
【0026】
(地盤データ)
航空レーザ計測に基づいて生成される地形モデルは、通常、地盤等の表面を表すもの(例えば、DSM)であり、「地盤」のほか、農地や森林といった緑被物、あるいは建物など地盤上に建造された人工物などの「非地盤」が含まれる。ここで「地盤データ」とは、
図2に示すように非地盤がない状態を表すデータであり、すなわち航空レーザ計測に基づいて生成される最初の地形モデル(以下、特に「オリジナル地形モデル」という。)から非地盤を取り除いた後のデータである。なお、
図2に示す地盤データは、オリジナル地形モデルから自動フィルタリング処理によって非地盤データを除去し、その除去されたメッシュに対して内挿処理が実行された地形モデル(例えば、DEM)である。
【0027】
(色情報とグレースケール)
本来、色は人の視覚で認識するものであり、個人差が伴うものである。近年、この色をコンピュータ(電式計算機)で扱うべくモデル化するようになった。色をモデル化する手法にも種々あり、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の3色を基本色とするRGB、シアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)・イエロー(Yellow)・ブラック(Key color)の4色を基本色とするCMYK、黄・赤・青・緑・黒・白の6色を基本色とするNCSやオストワルト表色系などが知られている。また色は、色相、彩度、明度からなる3つの属性を備えており、例えばRGBでは赤・緑・青の3原色を混ぜ合わせて(加法混色)種々の色相、彩度、明度を表現する。このようにRGBや、CMYK、NCS、オストワルト表色系といった色のモデル化によって規定される、いわば色を特定するための値のことをここでは「色情報」ということとする。例えばRGBを採用した場合、純色の赤の色情報は(255,0,0)であり、純色の緑の色情報は(0,255,0)、純色の青の色情報は(0,0,255)となる。
【0028】
「グレースケール」は、白から黒まで複数の段階に分けるモデルにおいて、濃淡の程度を特定する値である。例えば、白から黒まで256段階に分けたとすると、白は255というグレースケールで表すことができ、黒は0というグレースケールで表すことができる。
【0029】
上記したとおり地形モデルは、複数のメッシュMSによって構成され、それぞれのメッシュMSには標高が付されている。一方、標高に応じた色情報やグレースケールが設定されることもある。つまりこの場合、地形モデルを構成するそれぞれのメッシュMS(ピクセル)には標高に加えて色情報やグレースケールを与えることもできる。便宜上ここでは、メッシュMSに色情報やグレースケールが付された地形モデルのことを、特に「色付の地形モデル」ということとする。
【0030】
(自動フィルタリング処理)
本願発明は後述するように、オリジナル地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行するとともに過抽出処理や未抽出処理を実行し、この処理によって過抽出として検出されたメッシュ(以下、「過抽出メッシュ」という。)に対してさらに自動フィルタリング処理を実行するとともに、未抽出として検出されたメッシュ(以下、「未抽出メッシュ」という。)に対して自動フィルタリング処理を実行することを技術的特徴の一つとしている。つまり3種類の自動フィルタリング処理を実行するわけであるが、これらを区別するため、オリジナル地形モデルに対して実行するものを「1次自動フィルタリング処理」と、過抽出メッシュに対して実行するものを「過抽出用自動フィルタリング処理」、未抽出メッシュに対して実行するものを「未抽出用自動フィルタリング処理」ということとする。また、オリジナル地形モデルに対して1次自動フィルタリング処理を実行して得られるデータのことを「1次地形モデル」と、1次地形モデルに対して過抽出用自動フィルタリング処理及び未抽出用自動フィルタリング処理を実行して得られるデータのことを「2次地形モデル」ということとする。
【0031】
1次自動フィルタリング処理では、オリジナル地形モデルを構成するそれぞれのメッシュMSを、地盤を表すメッシュMSか、あるいは非地盤のメッシュMSに分類する。そして、地盤を表すと判定されたメッシュMSはそのまま残し、一方、非地盤データと判定されたメッシュMSは取り除かれる。便宜上ここでは、1次自動フィルタリング処理によって地盤を表すと判定されたメッシュMSのことを特に「維持メッシュMSk」と、非地盤データと判定されたメッシュMSのことを特に「除去メッシュMSe」ということとする。例えば
図1では、180のメッシュMSのうち、159のメッシュMSが維持メッシュMSkに分類され、網掛された21のメッシュMSが除去メッシュMSeに分類されている。なお、一般的な自動フィルタリング処理では、除去メッシュMSeに対して新たな標高(本来の地盤を表す標高)が与えられる。すなわち、基本的には全てのメッシュMS(維持メッシュMSkと除去メッシュMSe)に標高が与えられたうえで、地盤データが生成される。
【0032】
(学習済みモデル)
Progressive TIN Densificationなどの自動フィルタリング処理では、地盤であるにもかかわらず誤って非地盤として除去する「過剰フィルタリング」や、非地盤であるにもかかわらず誤って地盤として残してしまう「フィルタリング漏れ」が生じる。例えば
図3のケースでは、オリジナル地形モデルから1次自動フィルタリング処理によって非地盤データを除去し、その除去されたメッシュに対して内挿処理が実行されているが(例えば、堤防の下や、左側の建物の下)、本来は地盤である「堤防」を維持メッシュMSkデータとすべきところこれを除去する「過剰フィルタリング」が生じている。一方、非地盤である「建物」を除去メッシュMSeとすべきところこれを維持する「フィルタリング漏れ」が生じている。そこで本願発明では、機械学習の技術を利用することによって1次自動フィルタリング処理による「過剰フィルタリング」や「フィルタリング漏れ」を検出することとしている。つまり、多数の学習データ(教師データと入力データ)を機械学習することによって生成されるモデルを利用して、自動フィルタリング処理の誤判定を検出するわけである。便宜上ここでは、機械学習によって生成されるモデルのことを「学習済みモデル」ということとする。なお本願発明では、学習済みモデルを生成するための機械学習技術として、深層学習(deep learning)をはじめとする種々の技術を採用することができる。
【0033】
また本願発明では、除去メッシュMSeを処理する学習済みモデル(以下、特に「過抽出学習済みモデル」という。)と、維持メッシュMSkを処理する学習済みモデル(以下、特に「未抽出学習済みモデル」という。)を利用することも技術的特徴としている。すなわち、1次自動フィルタリング処理による「過剰フィルタリング」は過抽出学習済みモデルによって検出し、1次自動フィルタリング処理による「フィルタリング漏れ」は未抽出学習済みモデルによって検出するわけである。より具体的には、過抽出学習済みモデルが除去メッシュMSeに対して地盤を意味するラベル(以下、単に「地盤ラベル」という。)、あるいは非地盤であることを意味するラベル(以下、単に「非地盤ラベル」という。)を与えるとともに、未抽出学習済みモデルが維持メッシュMSkに対して地盤ラベルか非地盤ラベルを与える。つまり、過抽出学習済みモデルを利用することによって地盤ラベルが付与された除去メッシュMSe(つまり、過抽出メッシュ)を抽出することができ、未抽出学習済みモデルを利用することによって非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSk(つまり、未抽出メッシュ)を抽出することができるわけである。
【0034】
(修正領域と判定領域)
本願発明は、過抽出用自動フィルタリング処理や未抽出用自動フィルタリング処理による誤った判断を検出することによって、手動フィルタリング処理の対象とすべき領域を抽出することもできる。換言すれば、過抽出用自動フィルタリング処理によって分類された除去メッシュMSeのうち実際は地盤であるメッシュMS(以下、特に「地盤メッシュ」という。)を検出するとともに、未抽出用自動フィルタリング処理によって分類された維持メッシュMSkのうち実際は非地盤であるメッシュMS(以下、特に「非地盤メッシュ」という。)を検出することができ、これらメッシュを中心に手動フィルタリング処理を実行すれば足りるわけである。便宜上ここでは、手動フィルタリング処理の対象とすべき領域のことを、「修正領域」ということとする。
【0035】
上記したように、メッシュMSごとに地盤メッシュや非地盤メッシュが検出されることから、修正領域はメッシュMS単位で抽出することができる。あるいは、ある程度のメッシュMSをまとめた領域ごとに修正領域を抽出することもできる。このように修正領域を抽出するための領域、すなわちあらかじめ定められた数や配置からなるメッシュMSの集合のことを、便宜上ここでは「判定領域」ということとする。例えば
図1では、横4×縦5からなるメッシュMSによって判定領域を設定することとしており、全部で9の判定領域が示されている。
【0036】
2.フィルタリング処理システム
次に、本願発明のフィルタリング処理システムについて、図を参照しながら詳しく説明する。
図4は、本願発明のフィルタリング処理システム100の主な構成を示すブロック図である。この図に示すようにフィルタリング処理システム100は、1次自動フィルタリング手段101と過抽出メッシュ検出手段102、未抽出メッシュ検出手段103、過抽出用自動フィルタリング手段104、未抽出用自動フィルタリング手段105を含んで構成され、さらに標高差分算出手段106や過抽出学習済モデル生成手段107、未抽出学習済モデル生成手段108、地形モデル記憶手段109、過抽出学習済モデル記憶手段110、未抽出学習済モデル記憶手段111などを含んで構成することもできる。あるいは、過抽出用自動フィルタリング手段104に代えて、地盤点処理手段112を含んで構成することもできる。
【0037】
フィルタリング処理システム100を構成する1次自動フィルタリング手段101と過抽出メッシュ検出手段102、未抽出メッシュ検出手段103、過抽出用自動フィルタリング手段104、未抽出用自動フィルタリング手段105、標高差分算出手段106、過抽出学習済モデル生成手段107、未抽出学習済モデル生成手段108、地盤点処理手段112は、専用のものとして製造することもできるし、汎用的なコンピュータ装置を利用することもできる。すなわち、所定のプログラムによってコンピュータ装置に演算処理を実行させることで、それぞれの手段特有の処理を行うわけである。このコンピュータ装置は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリを具備しており、さらにマウスやキーボード等の入力手段やディスプレイを含むものもあり、例えばパーソナルコンピュータ(PC)やサーバなどによって構成することができる。
【0038】
また、地形モデル記憶手段109と過抽出学習済モデル記憶手段110、未抽出学習済モデル記憶手段111は、汎用的コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)の記憶装置を利用することもできるし、データベースサーバに構築することもできる。データベースサーバに構築する場合、ローカルなネットワーク(LAN:Local Area Network)に置くこともできるし、インターネット経由で保存するクラウドサーバとすることもできる。
【0039】
以下、本願発明のフィルタリング処理システム100を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
【0040】
(1次自動フィルタリング手段)
1次自動フィルタリング手段101は、地形モデル記憶手段109から読み出した「オリジナル地形モデル」を1次自動フィルタリング処理することで「1次地形モデル」を生成する手段である。例えば1次自動フィルタリング手段101は、所定のプログラムを用いてコンピュータ装置に演算処理を実行させることで1次自動フィルタリング処理を行う手段とするとよい。このプログラムとしては、Alexlssonによる「Progressive TIN Densification」など、従来用いられている(市販されている)種々のものを利用することができる。
【0041】
1次自動フィルタリング手段101が1次地形モデルを生成するにあたっては、オリジナル地形モデルを構成するメッシュMSの中から除去メッシュMSeが抽出される。そして、既述したとおり1次自動フィルタリング処理では、除去メッシュMSeに対して新たな標高(本来の地盤を表す標高)が与えられる。つまり、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeに関しては、フィルタリング前の(オリジナル地形モデルにおける)標高(以下、「元標高」という。)と、フィルタリング後の(1次地形モデルにおける)標高(以下、「新標高」という。)が設定されることとなる。
【0042】
(標高差分算出手段)
標高差分算出手段106は、除去メッシュMSeの元標高と新標高との差分(以下、「標高差分」という。)を求める手段である。この標高差分は、元標高から新標高を差し引いて求める仕様とすることもできるし、そのほか新標高から元標高を差し引いて求める仕様や、元標高と新標高の差の絶対値として求める仕様とすることもできる。なお標高差分算出手段106は、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された全ての除去メッシュMSeに対して標高差分を算出する。
【0043】
(過抽出学習済モデル生成手段)
過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeとその標高との組み合わせを機械学習することによって「過抽出学習済みモデル」を生成する手段である。具体的には、1次自動フィルタリング処理によって除去メッシュMSeとされたもののうち本来は地盤である除去メッシュMSe(つまり、過抽出メッシュ)を選出して「地盤ラベル」を付与し、その「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意する。同様に、1次自動フィルタリング処理によって除去メッシュMSeとされたもののうち非地盤である除去メッシュMSe(つまり、1次自動フィルタリング処理の判断が正しいときの除去メッシュMSe)を選出して「非地盤ラベル」を付与し、その「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意する。そして、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって「過抽出学習済みモデル」を生成する。
【0044】
過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeの標高に代えて「標高差分」を利用して過抽出学習済みモデルを生成する手段とすることもできる。すなわち、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「標高差分(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「標高差分(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習するわけである。
【0045】
また過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeと標高(あるいは、標高差分)に加えて「グレースケール」や「色情報」を利用して過抽出学習済みモデルを生成する手段とすることもできる。すなわち、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「標高や標高差分、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「標高や標高差分、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習するわけである。
【0046】
さらに過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeの標高(あるいは、標高差分)に代えて「グレースケール」や「色情報」を利用して過抽出学習済みモデルを生成する手段とすることもできる。すなわち、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「グレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「グレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習するわけである。過抽出学習済モデル生成手段107によって生成された過抽出学習済みモデルは、過抽出学習済モデル記憶手段110に記憶される(
図4)。
【0047】
(未抽出学習済モデル生成手段)
未抽出学習済モデル生成手段108は、維持メッシュMSkとその標高との組み合わせを機械学習することによって「未抽出学習済みモデル」を生成する手段である。具体的には、1次自動フィルタリング処理によって維持メッシュMSkとされたもののうち本来は非地盤である維持メッシュMSk(つまり、未抽出メッシュ)を選出して「非地盤ラベル」を付与し、その「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意する。同様に、1次自動フィルタリング処理によって維持メッシュMSkとされたもののうち地盤である維持メッシュMSk(つまり、1次自動フィルタリング処理の判断が正しいときの維持メッシュMSk)を選出して「地盤ラベル」を付与し、その「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意する。そして、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって「未抽出学習済みモデル」を生成する。
【0048】
未抽出学習済モデル生成手段108は、維持メッシュMSkと標高に加えて「色情報」や「グレースケール」を利用して未抽出学習済みモデルを生成する手段とすることもできる。すなわち、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習するわけである。
【0049】
また未抽出学習済モデル生成手段108は、維持メッシュMSkの標高に代えて「色情報」や「グレースケール」を利用して未抽出学習済みモデルを生成する手段とすることもできる。すなわち、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「グレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習するわけである。未抽出学習済モデル生成手段108によって生成された未抽出学習済みモデルは、未抽出学習済モデル記憶手段111に記憶される(
図4)。
【0050】
(過抽出メッシュ検出手段)
過抽出メッシュ検出手段102は、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeとその標高や標高差分、グレースケール(色情報)との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、その除去メッシュMSeに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルのいずれかを付与する手段である。さらに過抽出メッシュ検出手段102は、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを「過抽出メッシュ」として検出する。
【0051】
(未抽出メッシュ検出手段)
未抽出メッシュ検出手段103は、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkとその標高やグレースケール(色情報)との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、その維持メッシュMSkに対して非地盤ラベル、あるいは地盤ラベルのいずれかを付与する手段である。さらに未抽出メッシュ検出手段103は、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを「未抽出メッシュ」として検出する。
【0052】
(過抽出用自動フィルタリング手段)
過抽出用自動フィルタリング手段104は、1次自動フィルタリング手段101によって得られた「1次地形モデル」のうち、過抽出メッシュ検出手段102によって検出された「過抽出メッシュ」に相当する領域に含まれる計測点データ(オリジナル地形モデルの計測点データ)に対して、過抽出用自動フィルタリング処理を実行することで「2次地形モデル」を生成する手段である。例えば過抽出用自動フィルタリング手段104は、所定のプログラムを用いてコンピュータ装置に演算処理を実行させることで1次自動フィルタリング処理を行う手段とするとよい。このプログラムとしては、Alexlssonによる「Progressive TIN Densification」など、従来用いられている(市販されている)種々のものを利用することができる。
【0053】
一般的に自動フィルタリング処理を行う場合、対象とする地形の特性に合わせたパラメータを設定する。このパラメータとしては、初期区画範囲や、判定点から初期TINサーフェイスへの最短距離、判定点と各ノードを結んだ線分の角度(例えば、水平面からの仰角)などを挙げることができる。そして過抽出用自動フィルタリング手段104に係る自動フィルタリング処理(つまり、過抽出用自動フィルタリング処理)は、1次自動フィルタリング処理で設定されたパラメータとは異なるパラメータが設定される。過抽出メッシュの特性を考慮したパラメータを設定することによって、1次自動フィルタリング処理よりも適切なフィルタリング結果を得ることが期待できるわけである。ただし状況によっては、1次自動フィルタリング処理に係るパラメータを、そのまま過抽出用自動フィルタリング処理に適用することもできる。
【0054】
(未抽出用自動フィルタリング手段)
未抽出用自動フィルタリング手段105は、1次自動フィルタリング手段101によって得られた「1次地形モデル」のうち、未抽出メッシュ検出手段103によって検出された「未抽出メッシュ」に相当する領域に含まれる計測点データ(1次地形モデルの計測点データ)に対して、未抽出用自動フィルタリング処理を実行することで「2次地形モデル」を生成する手段である。例えば未抽出用自動フィルタリング手段105は、所定のプログラムを用いてコンピュータ装置に演算処理を実行させることで1次自動フィルタリング処理を行う手段とするとよい。このプログラムとしては、Alexlssonによる「Progressive TIN Densification」など、従来用いられている(市販されている)種々のものを利用することができる。
【0055】
未抽出用自動フィルタリング手段105に係る自動フィルタリング処理(つまり、未抽出用自動フィルタリング処理)は、過抽出用自動フィルタリング手段104に係る自動フィルタリング処理(つまり、過抽出用自動フィルタリング処理)で設定されたパラメータや、1次自動フィルタリング処理で設定されたパラメータとは異なるパラメータが設定される。通常、過抽出メッシュの特性と未抽出メッシュの特性は異なるため、未抽出メッシュの特性を考慮したパラメータを設定することによって、より適切なフィルタリング結果を得ることが期待できるわけである。
【0056】
(地盤点処理手段)
地盤点処理手段112は、1次自動フィルタリング手段101によって得られた「1次地形モデル」のうち、過抽出メッシュ検出手段102によって検出された「過抽出メッシュ」に対して、元のオリジナル地形モデルの標高を付与する手段である。このとき、当然ながら過抽出メッシュと同じ平面位置にあるメッシュMSの標高が付与される。
【0057】
本願発明のフィルタリング処理システム100が、過抽出用自動フィルタリング手段104に代えて地盤点処理手段112を備える場合、1次自動フィルタリング手段101は地形モデルに対して2回以上の自動フィルタリング処理を実行するとよい。なお、2回目以降の自動フィルタリング処理では、前回の処理によって維持メッシュMSkとされたものが対象とされる。例えば、1次自動フィルタリング手段101が地形モデルに対して自動フィルタリング処理を実行して維持メッシュMSk(以下、便宜上「暫定維持メッシュ」という。)を抽出すると、1次自動フィルタリング手段101はこの暫定維持メッシュに対して自動フィルタリング処理を実行するわけである。また、1次自動フィルタリング手段101が実行する2回以上の自動フィルタリング処理に係るパラメータは、それぞれ異なるパラメータを設定するとよい。なお、地盤点処理手段112は、「過抽出メッシュ」に対して、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュの標高を付与する。そして、1次自動フィルタリングを1回のみ実施する場合、元のオリジナル地形モデルの標高を付与し、2回以上の自動フィルタリング処理を実行する場合、最終回自動フィルタリングの除去メッシュに係る標高を付与する。
【0058】
(検査手段)
検査手段は、過抽出用自動フィルタリング処理と未抽出用自動フィルタリング処理(以下、これらを総称して「2次自動フィルタリング処理」という。)によって得られた2次地形モデルの検査を行う手段であり、過抽出メッシュ検出手段102と未抽出メッシュ検出手段103が利用される。具体的には、2次自動フィルタリング処理によって抽出された除去メッシュMSeとその標高や標高差分、グレースケール(色情報)との組み合わせを、過抽出学習済みモデル(過抽出メッシュ検出手段102)に入力することによって、その除去メッシュMSeに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルを付与し、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出する。同様に、2次自動フィルタリング処理によって抽出された維持メッシュMSkとその標高やグレースケール(色情報)との組み合わせを、未抽出学習済みモデル(未抽出メッシュ検出手段103)に入力することによって、その維持メッシュMSkに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルを付与し、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0059】
検査手段によって、あらかじめ定めた閾値(以下、「メッシュ数閾値」という。)を超える(あるいは、以上となる)ような過抽出メッシュや未抽出メッシュが検出された場合、再度、2次自動フィルタリング処理を実行するとよい。具体的には、パラメータを再設定したうえで未抽出メッシュに相当する領域に対して未抽出用自動フィルタリング処理を実行するとともに、パラメータを再設定したうえで過抽出メッシュに相当する領域に対して過抽出用自動フィルタリング処理を実行することによって、2次地形モデルを生成するわけである。一方、過抽出メッシュや未抽出メッシュの検出数がメッシュ数閾値を下回る(あるいは、未満となる)場合、2次地形モデルに対してオペレータが手動フィルタリングを行っていく。
【0060】
(候補メッシュ検出手段)
候補メッシュ検出手段は、修正領域を構成するメッシュMS(以下、「候補メッシュ」という。)を検出する手段であり、具体的には、検査手段によって検出された過抽出メッシュと未抽出メッシュを候補メッシュとして検出する。
【0061】
(修正領域設定手段)
候補修正領域設定手段は、候補メッシュ検出手段によって検出された候補メッシュに基づいて「修正領域」を設定する手段である。候補修正領域設定手段は、メッシュMS単位で修正領域を設定することとし、すなわちすべての候補メッシュを修正領域として設定する仕様とすることもできる。あるいは、あらかじめ定められた「判定領域」ごとに修正領域を設定する仕様とすることもできる。この場合、判定領域に占める候補メッシュの割合が、あらかじめ定めた閾値(以下、「割合閾値」という。)を上回る(あるいは、以上となる)ときに、その判定領域を修正領域として設定することができる。例えば
図1では、20のメッシュMSによって判定領域が構成されており、仮に割合閾値が25%で設定されていれば、この場合の候補修正領域設定手段は、5を超える(あるいは5以上の)候補メッシュを含む判定領域を修正領域として設定するわけである。
【0062】
3.実施例
続いて、本願発明のフィルタリング処理システム100の実施例について、図を参照しながら詳しく説明する。なお本願発明のフィルタリング処理システム100は、除去メッシュMSeや維持メッシュMSkに係る標高を利用して学習済みモデルを生成するとともに過抽出用自動フィルタリング手段104による処理が行われる実施例(以下、「第1の実施例」という。)と、除去メッシュMSeに係る標高差分を利用して学習済みモデルを生成するとともに過抽出用自動フィルタリング手段104による処理が行われる実施例(以下、「第2の実施例」という。)、除去メッシュMSeや維持メッシュMSkに係る色情報(あるいは、グレースケール)を利用して学習済みモデルを生成するとともに過抽出用自動フィルタリング手段104による処理が行われる実施例(以下、「第3の実施例」という。)、さらに除去メッシュMSeや維持メッシュMSkに係る標高を利用して学習済みモデルを生成するとともに地盤点処理手段112による処理が行われる実施例(以下、「第4の実施例」という。)と、除去メッシュMSeに係る標高差分を利用して学習済みモデルを生成するとともに地盤点処理手段112による処理が行われる実施例(以下、「第5の実施例」という。)、除去メッシュMSeや維持メッシュMSkに係る色情報(あるいは、グレースケール)を利用して学習済みモデルを生成するとともに地盤点処理手段112による処理が行われる実施例(以下、「第6の実施例」という。)に大別することができる。以下、それぞれの実施例について順に説明する。
【0063】
(第1の実施例)
図5は、第1の実施例におけるフィルタリング処理システム100の主な処理の流れの一例を示すフロー図であり、中央の列に実行する処理を示し、左列にはその処理に必要なものを、右列にはその処理から生ずるものを示している。
【0064】
第1の実施例の場合、過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeとその標高との組み合わせを機械学習することによって「過抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意するとともに、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意したうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって過抽出学習済みモデルを生成する。
【0065】
またこの場合の未抽出学習済モデル生成手段108は、維持メッシュMSkとその標高との組み合わせを機械学習することによって「未抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意するとともに、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意したうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって未抽出学習済みモデルを生成する。
【0066】
過抽出学習済みモデルと未抽出学習済みモデルを生成すると、
図5に示すように、まずは1次自動フィルタリング処理を行う(
図5のStep201)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101を用いて、地形モデル記憶手段109から読み出した「オリジナル地形モデル」を1次自動フィルタリング処理することによって「1次地形モデル」を生成する。このとき、オリジナル地形モデルを構成するメッシュMSの中から除去メッシュMSeを抽出するとともに、その除去メッシュMSeに対して新標高(本来の地盤を表す標高)が与えられる。そして、除去メッシュMSeとされなかったメッシュMSが、維持メッシュMSkとされる。換言すれば、オリジナル地形モデルを構成するメッシュMSは、1次自動フィルタリング処理によって除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類されるわけである。
【0067】
1次自動フィルタリング手段101によって除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類されると、過抽出メッシュ検出手段102が過抽出メッシュを検出する(
図5のStep202)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeと標高との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、その除去メッシュMSeに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルのいずれかを付与し、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出する。
【0068】
次いで、未抽出メッシュ検出手段103が未抽出メッシュを検出する(
図5のStep203)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkと標高との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、その維持メッシュMSkに対して非地盤ラベル、あるいは地盤ラベルのいずれかを付与し、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0069】
過抽出メッシュ検出手段102によって過抽出メッシュが抽出され、未抽出メッシュ検出手段103によって未抽出メッシュが抽出されると、過抽出用自動フィルタリング手段104に係る過抽出用自動フィルタリング処理に独自のパラメータ(以下、「過抽出用パラメータ」という。)を設定するとともに、未抽出用自動フィルタリング手段105に係る未抽出用自動フィルタリング処理に独自のパラメータ(以下、「未抽出用パラメータ」という。)を設定する(
図5のStep204)。このとき、過抽出用パラメータと未抽出用パラメータは、既述したとおりそれぞれ異なるパラメータにするとよい。
【0070】
過抽出用自動フィルタリング処理の過抽出用パラメータを設定し、未抽出用自動フィルタリング処理の未抽出用パラメータを設定すると、1次地形モデルのうち過抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(オリジナル地形モデルの計測点データ)に対して過抽出用自動フィルタリング処理を実行するとともに(
図5のStep205)、1次地形モデルのうち未抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(1次地形モデルの計測点データ)に対して未抽出用自動フィルタリング処理を実行する(
図5のStep206)。そして、過抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkと、未抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkに基づいて2次地形モデルが形成される。
【0071】
2次自動フィルタリング処理(過抽出用自動フィルタリング処理と未抽出用自動フィルタリング処理)によって2次地形モデルが得られると、検査手段によって2次地形モデルの検査を行う。そして、メッシュ数閾値を超える(あるいは、以上となる)ような過抽出メッシュや未抽出メッシュが検出されたときは、再度、2次自動フィルタリング処理を実行する。一方、過抽出メッシュや未抽出メッシュの検出数がメッシュ数閾値を下回るときは、2次地形モデルに対してオペレータが手動フィルタリングを行って地盤データを生成する(
図5のStep207)。
【0072】
オペレータが手動フィルタリングを行うにあたっては、候補メッシュ検出手段が検出した「候補メッシュ」を対象として実施することもできる。あるいは、候補修正領域設定手段によって設定された「修正領域」を対象として手動フィルタリングを行うこともできる。
【0073】
第1の実施例では、標高に加えて「グレースケール」や「色情報」を利用して生成された過抽出学習済みモデルや未抽出学習済みモデルを用いることもできる。この場合、過抽出学習済モデル生成手段107は、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習を行って過抽出学習済みモデルを生成する。また未抽出学習済モデル生成手段108は、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習を行って未抽出学習済みモデルを生成する。
【0074】
そして、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeと標高とグレースケール(色情報)との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出し、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkと標高と色情報(グレースケール)との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0075】
(第2の実施例)
図6は、第2の実施例におけるフィルタリング処理システム100の主な処理の流れの一例を示すフロー図であり、中央の列に実行する処理を示し、左列にはその処理に必要なものを、右列にはその処理から生ずるものを示している。
【0076】
第2の実施例の場合、過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeとその標高差分との組み合わせを機械学習することによって「過抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高差分(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意するとともに、正しい除去メッシュMSeに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高差分(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意したうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって過抽出学習済みモデルを生成する。またこの場合の未抽出学習済モデル生成手段108は、第1の実施例と同様、維持メッシュMSkとその標高との組み合わせを機械学習することによって「未抽出学習済みモデル」を生成する。
【0077】
過抽出学習済みモデルと未抽出学習済みモデルを生成すると、
図6に示すように、第1の実施例と同様、まずは1次自動フィルタリング処理を行う(
図6のStep201)。1次自動フィルタリング手段101によって除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類されると、標高差分算出手段106が除去メッシュMSeに係る「標高差分」を算出する(
図6のStep208)。そして、過抽出メッシュ検出手段102が過抽出メッシュを検出する(
図6のStep202)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeと標高差分との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、その除去メッシュMSeに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルのいずれかを付与し、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出する。
【0078】
次いで第1の実施例と同様、未抽出メッシュ検出手段103が未抽出メッシュを検出する(
図6のStep203)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkと標高との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、その維持メッシュMSkに対して非地盤ラベル、あるいは地盤ラベルのいずれかを付与し、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0079】
過抽出メッシュ検出手段102によって過抽出メッシュが抽出され、未抽出メッシュ検出手段103によって未抽出メッシュが抽出されると、過抽出用自動フィルタリング手段104に係る過抽出用自動フィルタリング処理に「過抽出用パラメータ」を設定するとともに、未抽出用自動フィルタリング手段105に係る未抽出用自動フィルタリング処理に「未抽出用パラメータ」を設定する(
図6のStep204)。このとき、過抽出用パラメータと未抽出用パラメータは、既述したとおりそれぞれ異なるパラメータにするとよい。
【0080】
過抽出用自動フィルタリング処理の過抽出用パラメータを設定し、未抽出用自動フィルタリング処理の未抽出用パラメータを設定すると、1次地形モデルのうち過抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(オリジナル地形モデルの計測点データ)に対して過抽出用自動フィルタリング処理を実行するとともに(
図6のStep205)、1次地形モデルのうち未抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(1次地形モデルの計測点データ)に対して未抽出用自動フィルタリング処理を実行する(
図6のStep206)。そして、過抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkと、未抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkに基づいて2次地形モデルが形成される。
【0081】
2次自動フィルタリング処理によって2次地形モデルが得られると、検査手段によって2次地形モデルの検査を行う。そして、メッシュ数閾値を超える(あるいは、以上となる)ような過抽出メッシュや未抽出メッシュが検出されたときは、再度、2次自動フィルタリング処理を実行する。一方、過抽出メッシュや未抽出メッシュの検出数がメッシュ数閾値を下回るときは、2次地形モデルに対してオペレータが手動フィルタリングを行って地盤データを生成する(
図6のStep207)。
【0082】
オペレータが手動フィルタリングを行うにあたっては、候補メッシュ検出手段が検出した「候補メッシュ」を対象として実施することもできる。あるいは、候補修正領域設定手段によって設定された「修正領域」を対象として手動フィルタリングを行うこともできる。
【0083】
第2の実施例も、第1の実施例と同様、標高や標高差分に加えて「グレースケール」や「色情報」を利用して生成された過抽出学習済みモデルや未抽出学習済みモデルを用いることもできる。この場合、過抽出学習済モデル生成手段107は、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高差分、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高差分、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習を行って過抽出学習済みモデルを生成する。また未抽出学習済モデル生成手段108は、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習を行って未抽出学習済みモデルを生成する。
【0084】
そして、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeと標高差分とグレースケール(色情報)との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出し、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkと標高と色情報(グレースケール)との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0085】
(第3の実施例)
図7は、第3の実施例におけるフィルタリング処理システム100の主な処理の流れの一例を示すフロー図であり、中央の列に実行する処理を示し、左列にはその処理に必要なものを、右列にはその処理から生ずるものを示している。
【0086】
第3の実施例の場合、過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeと色情報やグレースケールとの組み合わせを機械学習することによって「過抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「標高に基づくグレースケールや色情報(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意するとともに、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「標高に基づくグレースケールや色情報(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意したうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって過抽出学習済みモデルを生成する。
【0087】
またこの場合の未抽出学習済モデル生成手段108は、維持メッシュMSkと色情報やグレースケールとの組み合わせを機械学習することによって「未抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「標高に基づく色情報やグレースケール(入力教師データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「標高に基づく色情報やグレースケール(入力教師データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって未抽出学習済みモデルを生成する。
【0088】
過抽出学習済みモデルと未抽出学習済みモデルを生成すると、
図7に示すように、第1の実施例や第2の実施例と同様、まずは1次自動フィルタリング処理を行う(
図7のStep201)。1次自動フィルタリング手段101によって除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類されると、過抽出メッシュ検出手段102が過抽出メッシュを検出する(
図7のStep202)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeとグレースケール(色情報)との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、その除去メッシュMSeに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルのいずれかを付与し、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出する。
【0089】
次いで第1の実施例や第2の実施例と同様、未抽出メッシュ検出手段103が未抽出メッシュを検出する(
図7のStep203)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkとグレースケール(色情報)との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、その維持メッシュMSkに対して非地盤ラベル、あるいは地盤ラベルのいずれかを付与し、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0090】
過抽出メッシュ検出手段102によって過抽出メッシュが抽出され、未抽出メッシュ検出手段103によって未抽出メッシュが抽出されると、過抽出用自動フィルタリング手段104に係る過抽出用自動フィルタリング処理に「過抽出用パラメータ」を設定するとともに、未抽出用自動フィルタリング手段105に係る未抽出用自動フィルタリング処理に「未抽出用パラメータ」を設定する(
図7のStep204)。このとき、過抽出用パラメータと未抽出用パラメータは、既述したとおりそれぞれ異なるパラメータにするとよい。
【0091】
過抽出用自動フィルタリング処理の過抽出用パラメータを設定し、未抽出用自動フィルタリング処理の未抽出用パラメータを設定すると、1次地形モデルのうち過抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(オリジナル地形モデルの計測点データ)に対して過抽出用自動フィルタリング処理を実行するとともに(
図7のStep205)、1次地形モデルのうち未抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(1次地形モデルの計測点データ)に対して未抽出用自動フィルタリング処理を実行する(
図7のStep206)。そして、過抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkと、未抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkに基づいて2次地形モデルが形成される。
【0092】
2次自動フィルタリング処理によって2次地形モデルが得られると、検査手段によって2次地形モデルの検査を行う。そして、メッシュ数閾値を超える(あるいは、以上となる)ような過抽出メッシュや未抽出メッシュが検出されたときは、再度、2次自動フィルタリング処理を実行する。一方、過抽出メッシュや未抽出メッシュの検出数がメッシュ数閾値を下回るときは、2次地形モデルに対してオペレータが手動フィルタリングを行って地盤データを生成する(
図7のStep207)。
【0093】
オペレータが手動フィルタリングを行うにあたっては、候補メッシュ検出手段が検出した「候補メッシュ」を対象として実施することもできる。あるいは、候補修正領域設定手段によって設定された「修正領域」を対象として手動フィルタリングを行うこともできる。
【0094】
(第4の実施例)
図8は、第4の実施例におけるフィルタリング処理システム100の主な処理の流れの一例を示すフロー図であり、中央の列に実行する処理を示し、左列にはその処理に必要なものを、右列にはその処理から生ずるものを示している。
【0095】
第4の実施例の場合、第1の実施例と同様、過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeとその標高との組み合わせを機械学習することによって「過抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意するとともに、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意したうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって過抽出学習済みモデルを生成する。
【0096】
またこの場合の未抽出学習済モデル生成手段108は、維持メッシュMSkとその標高との組み合わせを機械学習することによって「未抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意するとともに、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意したうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって未抽出学習済みモデルを生成する。
【0097】
過抽出学習済みモデルと未抽出学習済みモデルを生成すると、
図8に示すように、まずは1回目の1次自動フィルタリング処理を行う(
図8のStep201a)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101を用いて、地形モデル記憶手段109から読み出した「オリジナル地形モデル」を1次自動フィルタリング処理することによって、除去メッシュMSeと暫定維持メッシュに分類する。次いで、2回目の1次自動フィルタリング処理を行う(
図8のStep201b)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101を用いて、暫定維持メッシュを1次自動フィルタリング処理することによって、除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類する。なお、2回目の自動フィルタリング処理は、1回目とは異なるパラメータ設定したうえで実行するとよい。
【0098】
1次自動フィルタリング手段101によって除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類されると、過抽出メッシュ検出手段102が過抽出メッシュを検出する(
図8のStep202)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeと標高との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、その除去メッシュMSeに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルのいずれかを付与し、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出する。
【0099】
次いで、未抽出メッシュ検出手段103が未抽出メッシュを検出する(
図8のStep203)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkと標高との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、その維持メッシュMSkに対して非地盤ラベル、あるいは地盤ラベルのいずれかを付与し、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0100】
過抽出メッシュ検出手段102によって過抽出メッシュが抽出され、未抽出メッシュ検出手段103によって未抽出メッシュが抽出されると、地盤点処理手段112が過抽出メッシュに対して、2回目の1次自動フィルタリング処理(
図9のStep201b)で抽出した除去メッシュの標高を付与する(
図8のStep209)。
【0101】
また、未抽出用自動フィルタリング手段105に係る未抽出用自動フィルタリング処理の未抽出用パラメータを設定する(
図8のStep204)。このとき未抽出用パラメータは、1次自動フィルタリング処理で設定されたパラメータとは異なるパラメータにするとよい。未抽出用自動フィルタリング処理の未抽出用パラメータを設定すると、1次地形モデルのうち未抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(1次地形モデルの計測点データ)に対して未抽出用自動フィルタリング処理を実行する(
図8のStep206)。そして、地盤点処理手段112の処理によって得られた維持メッシュMSkと、未抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkに基づいて2次地形モデルが形成される。
【0102】
地盤点処理手段112による処理と未抽出用自動フィルタリング処理によって2次地形モデルが得られると、検査手段によって2次地形モデルの検査を行う。そして、メッシュ数閾値を超える(あるいは、以上となる)ような未抽出メッシュが検出されたときは、再度、未抽出用自動フィルタリング処理を実行する。一方、未抽出メッシュの検出数がメッシュ数閾値を下回るときは、2次地形モデルに対してオペレータが手動フィルタリングを行って地盤データを生成する(
図8のStep207)。
【0103】
オペレータが手動フィルタリングを行うにあたっては、候補メッシュ検出手段が検出した「候補メッシュ」を対象として実施することもできる。あるいは、候補修正領域設定手段によって設定された「修正領域」を対象として手動フィルタリングを行うこともできる。
【0104】
第4の実施例では、標高に加えて「グレースケール」や「色情報」を利用して生成された過抽出学習済みモデルや未抽出学習済みモデルを用いることもできる。この場合、過抽出学習済モデル生成手段107は、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習を行って過抽出学習済みモデルを生成する。また未抽出学習済モデル生成手段108は、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習を行って未抽出学習済みモデルを生成する。
【0105】
そして、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeと標高とグレースケール(色情報)との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出し、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkと標高と色情報(グレースケール)との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0106】
(第5の実施例)
図9は、第5の実施例におけるフィルタリング処理システム100の主な処理の流れの一例を示すフロー図であり、中央の列に実行する処理を示し、左列にはその処理に必要なものを、右列にはその処理から生ずるものを示している。
【0107】
第5の実施例の場合、第2の実施例と同様、過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeとその標高差分との組み合わせを機械学習することによって「過抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高差分(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意するとともに、正しい除去メッシュMSeに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高差分(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意したうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって過抽出学習済みモデルを生成する。またこの場合の未抽出学習済モデル生成手段108は、維持メッシュMSkとその標高との組み合わせを機械学習することによって「未抽出学習済みモデル」を生成する。
【0108】
過抽出学習済みモデルと未抽出学習済みモデルを生成すると、
図9に示すように、第4の実施例と同様、まずは1回目の1次自動フィルタリング処理を行う(
図9のStep201a)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101を用いて、地形モデル記憶手段109から読み出した「オリジナル地形モデル」を1次自動フィルタリング処理することによって、除去メッシュMSeと暫定維持メッシュに分類する。次いで、2回目の1次自動フィルタリング処理を行う(
図9のStep201b)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101を用いて、暫定維持メッシュを1次自動フィルタリング処理することによって、除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類する。なお、2回目の自動フィルタリング処理は、1回目とは異なるパラメータ設定したうえで実行するとよい。
【0109】
1次自動フィルタリング手段101によって除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類されると、標高差分算出手段106が除去メッシュMSeに係る「標高差分」を算出する(
図9のStep208)。そして、過抽出メッシュ検出手段102が過抽出メッシュを検出する(
図9のStep202)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeと標高差分との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、その除去メッシュMSeに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルのいずれかを付与し、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出する。
【0110】
次いで、未抽出メッシュ検出手段103が未抽出メッシュを検出する(
図9のStep203)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkと標高との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、その維持メッシュMSkに対して非地盤ラベル、あるいは地盤ラベルのいずれかを付与し、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0111】
過抽出メッシュ検出手段102によって過抽出メッシュが抽出され、未抽出メッシュ検出手段103によって未抽出メッシュが抽出されると、地盤点処理手段112が過抽出メッシュに対して、2回目の1次自動フィルタリング処理(
図9のStep201b)で抽出した除去メッシュの標高を付与する(
図9のStep209)。
【0112】
また、未抽出用自動フィルタリング手段105に係る未抽出用自動フィルタリング処理の未抽出用パラメータを設定する(
図9のStep204)。このとき未抽出用パラメータは、1次自動フィルタリング処理で設定されたパラメータとは異なるパラメータにするとよい。未抽出用自動フィルタリング処理に未抽出用パラメータを設定すると、1次地形モデルのうち未抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(1次地形モデルの計測点データ)に対して未抽出用自動フィルタリング処理を実行する(
図9のStep206)。そして、地盤点処理手段112の処理によって得られた維持メッシュMSkと、未抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkに基づいて2次地形モデルが形成される。
【0113】
地盤点処理手段112による処理と未抽出用自動フィルタリング処理によって2次地形モデルが得られると、検査手段によって2次地形モデルの検査を行う。そして、メッシュ数閾値を超える(あるいは、以上となる)ような過抽出メッシュや未抽出メッシュが検出されたときは、再度、未抽出用自動フィルタリング処理を実行する。一方、過抽出メッシュや未抽出メッシュの検出数がメッシュ数閾値を下回るときは、2次地形モデルに対してオペレータが手動フィルタリングを行って地盤データを生成する(
図9のStep207)。
【0114】
オペレータが手動フィルタリングを行うにあたっては、候補メッシュ検出手段が検出した「候補メッシュ」を対象として実施することもできる。あるいは、候補修正領域設定手段によって設定された「修正領域」を対象として手動フィルタリングを行うこともできる。
【0115】
第5の実施例も、第2の実施例と同様、標高や標高差分に加えて「グレースケール」や「色情報」を利用して生成された過抽出学習済みモデルや未抽出学習済みモデルを用いることもできる。この場合、過抽出学習済モデル生成手段107は、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高差分、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高差分、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習を行って過抽出学習済みモデルを生成する。また未抽出学習済モデル生成手段108は、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」とその「標高、及びグレースケールや色情報(入力データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、機械学習を行って未抽出学習済みモデルを生成する。
【0116】
そして、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeと標高差分とグレースケール(色情報)との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出し、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkと標高と色情報(グレースケール)との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0117】
(第6の実施例)
図10は、第6の実施例におけるフィルタリング処理システム100の主な処理の流れの一例を示すフロー図であり、中央の列に実行する処理を示し、左列にはその処理に必要なものを、右列にはその処理から生ずるものを示している。
【0118】
第6の実施例の場合、第3の実施例と同様、過抽出学習済モデル生成手段107は、除去メッシュMSeと色情報やグレースケールとの組み合わせを機械学習することによって「過抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、過抽出メッシュに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「標高に基づくグレースケールや色情報(入力データ)」からなる「正の学習データ」を用意するとともに、正しい除去メッシュMSeに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「標高に基づくグレースケールや色情報(入力データ)」からなる「負の学習データ」を用意したうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって過抽出学習済みモデルを生成する。
【0119】
またこの場合の未抽出学習済モデル生成手段108は、維持メッシュMSkと色情報やグレースケールとの組み合わせを機械学習することによって「未抽出学習済みモデル」を生成する。具体的には、未抽出メッシュに付された「非地盤ラベル(教師データ)」と「標高に基づく色情報やグレースケール(入力教師データ)」との組み合わせを「正の学習データ」とし、正しい維持メッシュMSkに付された「地盤ラベル(教師データ)」と「標高に基づく色情報やグレースケール(入力教師データ)」との組み合わせを「負の学習データ」としたうえで、数多くの「正の学習データ」及び「負の学習データ」を機械学習することによって未抽出学習済みモデルを生成する。
【0120】
過抽出学習済みモデルと未抽出学習済みモデルを生成すると、
図10に示すように、第4の実施例と同様、まずは1回目の1次自動フィルタリング処理を行う(
図10のStep201a)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101を用いて、地形モデル記憶手段109から読み出した「オリジナル地形モデル」を1次自動フィルタリング処理することによって、除去メッシュMSeと暫定維持メッシュに分類する。次いで、2回目の1次自動フィルタリング処理を行う(
図10のStep201b)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101を用いて、暫定維持メッシュを1次自動フィルタリング処理することによって、除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類する。なお、2回目の自動フィルタリング処理は、1回目とは異なるパラメータ設定したうえで実行するとよい。
【0121】
1次自動フィルタリング手段101によって除去メッシュMSeと維持メッシュMSkに分類されると、過抽出メッシュ検出手段102が過抽出メッシュを検出する(
図10のStep202)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された除去メッシュMSeとグレースケール(色情報)との組み合わせを、過抽出学習済みモデルに入力することによって、その除去メッシュMSeに対して地盤ラベル、あるいは非地盤ラベルのいずれかを付与し、地盤ラベルが付与された除去メッシュMSeを過抽出メッシュとして検出する。
【0122】
次いで、未抽出メッシュ検出手段103が未抽出メッシュを検出する(
図10のStep203)。具体的には、1次自動フィルタリング手段101によって抽出された維持メッシュMSkとグレースケール(色情報)との組み合わせを、未抽出学習済みモデルに入力することによって、その維持メッシュMSkに対して非地盤ラベル、あるいは地盤ラベルのいずれかを付与し、非地盤ラベルが付与された維持メッシュMSkを未抽出メッシュとして検出する。
【0123】
過抽出メッシュ検出手段102によって過抽出メッシュが抽出され、未抽出メッシュ検出手段103によって未抽出メッシュが抽出されると、地盤点処理手段112が過抽出メッシュに対して、2回目の1次自動フィルタリング処理(
図9のStep201b)で抽出した除去メッシュの標高を付与する(
図9のStep209)。
【0124】
また、未抽出用自動フィルタリング手段105に係る未抽出用自動フィルタリング処理の未抽出用パラメータを設定する(
図10のStep204)。このとき未抽出用パラメータは、1次自動フィルタリング処理で設定されたパラメータとは異なるパラメータにするとよい。未抽出用自動フィルタリング処理に未抽出用パラメータを設定すると、1次地形モデルのうち未抽出メッシュとされた領域に含まれる計測点データ(1次地形モデルの計測点データ)に対して未抽出用自動フィルタリング処理を実行する(
図10のStep206)。そして、地盤点処理手段112の処理によって得られた維持メッシュMSkと、未抽出用自動フィルタリング処理によって得られた維持メッシュMSkに基づいて2次地形モデルが形成される。
【0125】
2次自動フィルタリング処理によって2次地形モデルが得られると、検査手段によって2次地形モデルの検査を行う。そして、メッシュ数閾値を超える(あるいは、以上となる)ような過抽出メッシュや未抽出メッシュが検出されたときは、再度、未抽出用自動フィルタリング処理を実行する。一方、過抽出メッシュや未抽出メッシュの検出数がメッシュ数閾値を下回るときは、2次地形モデルに対してオペレータが手動フィルタリングを行って地盤データを生成する(
図10のStep207)。
【0126】
オペレータが手動フィルタリングを行うにあたっては、候補メッシュ検出手段が検出した「候補メッシュ」を対象として実施することもできる。あるいは、候補修正領域設定手段によって設定された「修正領域」を対象として手動フィルタリングを行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本願発明のフィルタリング処理システムは、山地部や海岸部、市街地など様々な場所の地盤高を取得する際に利用することができ、特に森林部を有する場所に好適に利用することができる。本願発明によれば、高い精度で地盤高を得ることができることから、社会インフラストラクチャーの計画や防災計画などに有効活用することができ、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
【符号の説明】
【0128】
100 本願発明のフィルタリング処理システム
101 (フィルタリング処理システムの)1次自動フィルタリング手段
102 (フィルタリング処理システムの)過抽出メッシュ検出手段
103 (フィルタリング処理システムの)未抽出メッシュ検出手段
104 (フィルタリング処理システムの)過抽出用自動フィルタリング手段
105 (フィルタリング処理システムの)未抽出用自動フィルタリング手段
106 (フィルタリング処理システムの)標高差分算出手段
107 (フィルタリング処理システムの)過抽出学習済モデル生成手段
108 (フィルタリング処理システムの)未抽出学習済モデル生成手段
109 (フィルタリング処理システムの)地形モデル記憶手段
110 (フィルタリング処理システムの)過抽出学習済モデル記憶手段
111 (フィルタリング処理システムの)未抽出学習済モデル記憶手段
112 (フィルタリング処理システムの)地盤点処理手段
MS メッシュ
MSe 除去メッシュ
MSk 維持メッシュMSk