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特開2024-132363食券販売機、食券販売システム、食券発券方法及び食券発券プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132363
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】食券販売機、食券販売システム、食券発券方法及び食券発券プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 1/00 20060101AFI20240920BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240920BHJP
   G07B 5/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G07B1/00 E
G07G1/12 331Z
G07G1/12 361C
G07B5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043099
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】北村 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】土田 雅已
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142DA07
3E142DA08
3E142FA09
3E142GA03
3E142GA23
3E142GA24
3E142GA41
3E142JA01
3E142KA16
3E142KA20
(57)【要約】
【課題】食券販売機における決済処理を完了できない場合に、迅速かつ円滑に食券を発券することが課題。
【解決手段】食券販売機10は、硬貨投入口の詰まり、紙幣投入口の故障、釣銭切れ等貨幣での決済ができない場合でも未精算の食券を発券する。具体的には、食券販売機10は、飲食店のメニューを表示するとともに、貨幣の受け付けは不可であるが、食券を発券することができることを表示する。顧客Aは、購入したいメニューの選択操作を行ったならば、食券販売機10は、未精算である旨を印字した食券を発券するようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の選択を受け付けて食券を発券する食券販売機であって、
商品の選択を受け付ける商品選択受付手段と、
前記商品選択受付手段により受け付けた商品の決済処理を行わずに食券を発券する場合に、未精算である旨を記録した食券を発券する発券手段と
を備えたことを特徴とする食券販売機。
【請求項2】
前記商品の決済処理を実行できない異常状態であるか否かを検知する検知手段をさらに備え、
前記発券手段は、
前記検知手段により異常状態が検知された状態で商品の選択を受け付けたならば、未精算の食券を発券することを特徴とする請求項1に記載の食券販売機。
【請求項3】
複数の決済手段から前記商品の決済処理を行う決済手段の選択を受け付ける決済選択受付手段をさらに備え、
前記発券手段は、
前記決済選択受付手段により受け付けた決済手段の異常状態が検知された状態で商品の選択を受け付けたならば、未精算の食券を発券することを特徴とする請求項2に記載の食券販売機。
【請求項4】
前記発券手段により発券された未精算である旨を記録した食券の内容を記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の食券販売機。
【請求項5】
商品の選択を受け付けて食券を発券する食券販売機を含む食券販売システムであって、
前記食券販売機は、
商品の選択を受け付ける商品選択受付手段と、
前記商品選択受付手段により受け付けた商品の決済処理を行わずに食券を発券する場合に、未精算である旨を記録した食券を発券する発券手段と
を備えたことを特徴とする食券販売システム。
【請求項6】
前記食券販売機は、
前記発券手段により発券された未精算である旨を記録した食券が発券されたならば、所定の管理装置に対して該食券に係る情報を通知する第1の通知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の食券販売機。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記食券の決済処理が完了したならばその旨を前記食券販売機又は所定の外部装置に対して通知する第2の通知手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の食券販売機。
【請求項8】
前記食券販売機は、
前記管理装置から前記食券の決済処理が完了した旨の通知を受け付けたならば、前記外部装置に対してその旨を通知する第3の通知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の食券販売機。
【請求項9】
前記食券販売機は、
前記管理装置から前記食券の決済処理が完了した旨の通知を受け付けたならば、前記食券に係る情報を記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の食券販売機。
【請求項10】
商品の選択を受け付けて食券を発券する食券販売機における食券発券方法であって、
商品の選択を受け付ける商品選択受付工程と、
前記商品選択受付工程により受け付けた商品の決済処理を行わずに食券を発券する場合に、未精算である旨を記録した食券を発券する発券工程と
を含むことを特徴とする食券発券方法。
【請求項11】
商品の選択を受け付けて食券を発券する食券販売機において実行される食券発券プログラムであって、
商品の選択を受け付ける商品選択受付手順と、
前記商品選択受付手順により受け付けた商品の決済処理を行わずに食券を発券する場合に、未精算である旨を記録した食券を発券する発券手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする食券発券プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食券販売機における決済処理を完了できない場合に、迅速かつ円滑に食券を発券することができる食券販売機、食券販売システム、食券発券方法及び食券発券プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店には、店舗の出入口周辺に食券販売機を設置することが多い。顧客が店舗に来店したならば、該顧客は食券販売機に表示された複数の商品のメニューの中から所望の商品のメニューを選択し、貨幣又は電子マネー等で決済を行う。これにより、顧客が選択した商品の食券が発券される。その後、顧客は、食券を店員に手渡して商品の依頼を行うことになる。
【0003】
ここで、食券販売機がキャッシュレス専用機である場合に、上位装置との間の通信途絶が発生したならば、該食券販売機における決済処理を完了することができず、食券を発券ことができない。このため、特許文献1には、かかる通信途絶が発生した場合に、食券販売機を店員モードに切り替え、店員が現金授受の登録を店員が行うことにより食券の発券を可能とする点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-82180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、店員が自動販売機の前まで移動して操作を行う必要があるため、業務が中断されるという問題がある。この点に関して、上記特許文献1には、現金授受を行ったことを店員が所持する携帯端末で登録して食券販売機に発券指示を行う点も記載されているが、顧客は食券販売機の位置から店員の位置まで移動して状況を説明し、その後食券販売機の位置まで戻り食券の発券を受けなければならないため、食券を円滑に発券できない。また、食券販売機の稼働を停止しなければならないため、他の顧客がいる場合に円滑に注文を受け付けることができないという問題もある。
【0006】
このため、食券販売機におけるキャッシュレス決済を完了できない場合に、いかに迅速かつ円滑に食券を発券するかが重要な課題となっている。かかる課題は、キャッシュレス決済を行う場合に限らず、紙幣又は硬貨の貨幣詰まり、貨幣搬送エラー、釣銭のエンプティ等が生じた場合にも同様に生ずる課題である。
【0007】
本発明は、上記従来技術による問題点(課題)を解決するためになされたものであって、食券販売機における決済処理を完了できない場合に、迅速かつ円滑に食券を発券することができる食券販売機、食券販売システム、食券発券方法及び食券発券プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、商品の選択を受け付けて食券を発券する食券販売機であって、商品の選択を受け付ける商品選択受付手段と、前記商品選択受付手段により受け付けた商品の決済処理を行わずに食券を発券する場合に、未精算である旨を記録した食券を発券する発券手段とを備えた。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記商品の決済処理を実行できない異常状態であるか否かを検知する検知手段をさらに備え、前記発券手段は、前記検知手段により異常状態が検知された状態で商品の選択を受け付けたならば、未精算の食券を発券する。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、複数の決済手段から前記商品の決済処理を行う決済手段の選択を受け付ける決済選択受付手段をさらに備え、前記発券手段は、前記決済選択受付手段により受け付けた決済手段の異常状態が検知された状態で商品の選択を受け付けたならば、未精算の食券を発券する。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記発券手段により発券された未精算である旨を記録した食券の内容を記憶する記憶手段をさらに備えた。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、商品の選択を受け付けて食券を発券する食券販売機を含む食券販売システムであって、前記食券販売機は、商品の選択を受け付ける商品選択受付手段と、前記商品選択受付手段により受け付けた商品の決済処理を行わずに食券を発券する場合に、未精算である旨を記録した食券を発券する発券手段とを備えた。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記食券販売機は、前記発券手段により発券された未精算である旨を記録した食券が発券されたならば、所定の管理装置に対して該食券に係る情報を通知する第1の通知手段をさらに備えた。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記管理装置は、前記食券の決済処理が完了したならばその旨を前記食券販売機又は所定の外部装置に対して通知する第2の通知手段を備えた。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記食券販売機は、前記管理装置から前記食券の決済処理が完了した旨の通知を受け付けたならば、前記外部装置に対してその旨を通知する第3の通知手段をさらに備えた。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記食券販売機は、前記管理装置から前記食券の決済処理が完了した旨の通知を受け付けたならば、前記食券に係る情報を記憶する記憶手段をさらに備えた。
【0017】
また、本発明は、商品の選択を受け付けて食券を発券する食券販売機における食券発券方法であって、商品の選択を受け付ける商品選択受付工程と、前記商品選択受付工程により受け付けた商品の決済処理を行わずに食券を発券する場合に、未精算である旨を記録した食券を発券する発券工程とを含む。
【0018】
また、本発明は、商品の選択を受け付けて食券を発券する食券販売機において実行される食券発券プログラムであって、商品の選択を受け付ける商品選択受付手順と、前記商品選択受付手順により受け付けた商品の決済処理を行わずに食券を発券する場合に、未精算である旨を記録した食券を発券する発券手順とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、食券販売機における決済処理を完了できない場合に、迅速かつ円滑に食券を発券することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本実施形態1に係る食券販売機の概要を示す図である。
図2図2は、本実施形態1に係る食券販売機の外観構成を示す図である。
図3図3は、本実施形態1に係る食券販売機の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、食券販売機により発券される食券の一例を示す図である。
図5図5は、図3に示した食券販売機の処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、食券販売機の通常販売の場合の図面遷移の一例を示す図である。
図7図7は、食券販売機が未精算食券を販売する場合の図面遷移の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態2に係る食券販売システムの概要を示す図である。
図9図9は、食券販売システムのシステム構成を示す図である。
図10図10は、図9に示した食券販売機の構成を示す機能ブロック図である。
図11図11は、図9に示したレジ端末の構成を示す機能ブロック図である。
図12図12は、図9に示したキッチンディスプレイの構成を示す機能ブロック図である。
図13図13は、図9に示した食券販売システムの処理手順を示すシーケンス図(その1)である。
図14図14は、図9に示した食券販売システムの処理手順を示すシーケンス図(その2)である。
図15図15は、図13に示した発券処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16図16は、変形例1に係る食券販売機の外観構成を示す図である。
図17図17は、ハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る食券販売機、食券販売システム、食券発券方法及び食券発券プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態1では、食券販売機が貨幣での決済を行う場合について説明している。また、実施形態2では、食券販売機がキャッシュレス決済を行う場合について説明している。
【0022】
[実施形態1]
<食券販売機10の概要>
まず、本実施形態1に係る食券販売機10の概要について説明する。図1は、本実施形態1に係る食券販売機10の概要を示す図である。本実施形態1に係る食券販売機10は、紙幣、硬貨、又は、紙幣及び硬貨による貨幣での決済を行う装置であり、紙幣、硬貨、又は、紙幣及び硬貨の決済が行えない場合に、未精算で食券の発券をすることができる装置である。
【0023】
図1(a)に示すように、食券販売機10は、貨幣の決済可能である場合は、食券を販売することができる商品のメニューの表示を行う(S1)。そして、顧客Aが、表示されたメニューから購入したい商品の選択操作を行ったならば(S2)、食券販売機10は、料金の表示を行う(S3)。顧客Aが貨幣を投入したならば(S4)、食券販売機10は、食券の発券を行う(S5)。顧客Aは、発券された食券を受領し(S6)、食券販売機10は、釣銭がある場合は、釣銭の返却を行う(S7)。顧客Aは、返却された釣銭を受領する(S8)。
【0024】
次に、食券販売機10が硬貨の投入口の詰まり、紙幣の投入口の故障、釣銭切れ等貨幣での決済ができない場合に付いて説明する。図1(b)に示すように、食券販売機10は、食券を販売することができる商品のメニューの表示を行う(S11)とともに、貨幣の受け付けが不可であるが、食券を発券することができることを表示する(S12)。顧客Aは、表示されたメニューから購入したい商品の選択操作を行ったならば(S13)、食券販売機10は、未精算である旨を印字した食券を発券する(S14)。
【0025】
顧客Aは、未精算である旨を印字した食券を受領し(S15)、店員Bに未精算の食券を提示し、決済を行う(S16)。このように、本実施形態1に係る食券販売機10では、食券販売機10が貨幣決済を完了できない場合にも、未精算の食券を発券することにより迅速かつ円滑に食券を発券することができる。
【0026】
<食券販売機10の外観構成>
次に、本実施形態1に係る食券販売機10の外観構成について説明する。図2は、本実施形態1に係る食券販売機10の外観構成を示す図である。図2に示すように、食券販売機10の筐体表面は、操作表示部11と、紙幣入出金口12aと、硬貨投入口13aと、硬貨取出口13bと、食券取出口14aとを有する。
【0027】
操作表示部11は、液晶パネル、ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)等のデバイスを用いて表示を行うとともに、感圧式等により操作入力を受け付ける入力デバイス兼表示デバイスである。この操作表示部11には、顧客Aが選択できる商品のメニューを含む画面が表示される。
【0028】
紙幣入出金口12aは、選択された商品の食券を購入する場合の紙幣の入金、釣銭となる紙幣の出金を行うための入出金口である。硬貨投入口13aは、選択された商品の食券を購入する場合の硬貨の入金を行うための投入口であり、硬貨取出口13bは、釣銭となる硬貨を取り出すための取出口である。
【0029】
食券取出口14aは、顧客Aにより選択された商品に対応する食券を排出し、顧客Aが食券を取り出せるようにするための取出口である。かかる食券取出口14aは、食券販売機10の貨幣決済に問題がある場合に発券される未精算の食券も排出される。
【0030】
<食券販売機10の内部構成>
次に、本実施形態1に係る食券販売機10の内部構成について説明する。図3は、本実施形態1に係る食券販売機10の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、食券販売機10は、操作表示部11と、紙幣ユニット12と、硬貨ユニット13と、発券部14と、記憶部15と、制御部16とを有する。操作表示部11については、すでに説明した通りである。
【0031】
紙幣ユニット12は、紙幣収納部を有し、紙幣の入金処理、紙幣の出金処理、金種判定、真贋判定等を行うユニットである。硬貨ユニット13は、硬貨収納部を有し、硬貨の入金処理、硬貨の出金処理、金種判定、真贋判定等を行うユニットである。
【0032】
発券部14は、紙片に小型プリンタで印字を行い、切断して食券取出口14aに排出することにより、顧客Aにより選択された商品に対応する食券を発券する処理部である。
【0033】
記憶部15は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、メニューデータ15aと、メッセージデータ15bと、動作フラグ15cとを記憶する。メニューデータ15aは、飲食店で提供する各種メニューからなるデータである。ランチ時のようにある時間帯にのみ提供するメニュー、ある季節のみに提供するメニュー等飲食店で提供する各種メニューを含む。かかるメニューデータ15aは、あらかじめ管理者等により設定される。
【0034】
メッセージデータ15bは、食券販売機10の操作表示部11に表示されるメッセージのデータである。かかるメッセージデータ15bは、食券販売機10の状態に関するメッセージ、顧客Aに動作を促すメッセージ等を含む。動作フラグ15cは、食券販売機10の動作状態を表すフラグで、食券販売機10に異常がない場合は「0」が設定され、食券販売機10の紙幣ユニット12又は硬貨ユニット13に異常がある場合は「1」が設定される。
【0035】
制御部16は、食券販売機10の全体の制御を行う制御部であり、メニュー表示処理部16aと、紙幣処理部16bと、硬貨処理部16cと、決済処理部16dと、メッセージ表示処理部16eと、発券処理部16fとを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、メニュー表示処理部16aと、紙幣処理部16bと、硬貨処理部16cと、決済処理部16dと、メッセージ表示処理部16eと、発券処理部16fとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0036】
メニュー表示処理部16aは、あらかじめ管理者等に設定されているメニューデータ15aを読出して操作表示部11に表示する処理部である。メニュー表示処理部16aは、時刻によって表示するメニューを切り換えてもよい。例えば、午前11時から午後1時のランチ時間帯に、ランチメニューの表示に切り替える。
【0037】
紙幣処理部16bは、紙幣ユニット12の動作状況を監視する処理部である。紙幣処理部16bは、紙幣ユニット12に異常があった場合に、記憶部15の動作フラグ15cを「1」に設定する。硬貨処理部16cは、硬貨ユニット13の動作状況を監視する処理部である。硬貨処理部16cは、硬貨ユニット13に異常があった場合に、記憶部15の動作フラグ15cを「1」に設定する。
【0038】
決済処理部16dは、選択された商品の代金を決済する処理部である。決済額に釣銭がある場合には、紙幣ユニット12及び硬貨ユニット13を制御し、釣銭を出金する。メッセージ表示処理部16eは、操作表示部11に対する食券販売機10の状態、顧客Aへの動作要求等に関する情報を表示する処理部である。
【0039】
発券処理部16fは、顧客Aにより選択された商品に対応する食券を発券するよう発券部14に指示する処理部である。発券処理部16f、記憶部15の動作フラグ15cに応じて、発券する食券に印字する文字を変更する。
【0040】
<食券の印字例>
次に、食券販売機10に異常がある場合に発券される食券20の一例について説明する。図4は、食券販売機10により発券される食券20の一例を示す図である。図4にしめすように、食券20には、メニュー名20a、金額20b、発券年月日20c、呼出番号20d、未精算メッセージ20e、及び二次元バーコード20fが印字されている。ここでは、メニュー名20aに対して「味噌ラーメン」、金額20bに対して「¥780円」、発券年月日に対して「22.08.30」、呼出番号20dに対して「呼出番号 122」、未精算メッセージ20eに対して「本券を店員に渡し、現金で精算してください。」が印字されている。また、二次元バーコード20fには、メニュー名20a、金額20b、発券年月日20c、呼出番号20d及び食券が未精算である旨の情報が含まれている。
【0041】
<食券販売機10の処理手順>
次に、食券販売機10の処理手順について説明する。図5は、食券販売機10の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、食券販売機10は、初期画面を表示する(ステップS101)。そして、食券販売機10は、紙幣ユニット12又は硬貨ユニット13に異常があるか否かを判定する(ステップS102)。
【0042】
食券販売機10は紙幣ユニット12又は硬貨ユニット13に異常がある場合は(ステップS102:Yes)、現金の受け付け不可であるが、発券が可能である旨を操作パネルに表示する(ステップS103)。その後、食券販売機10は、メニュー選択ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS104)。食券販売機10は、メニュー選択ボタンが押されるまで待機する(ステップS104:No)。
【0043】
食券販売機10は、メニュー選択ボタンが押されたならば(ステップS104:Yes)、未精算で発券している旨を印字した食券を発券する(ステップS105)。そして、食券販売機10は、販売を終了するか否かを判定する(ステップS110)。販売を継続する場合は(ステップS110:No)、ステップS101に移行する。販売を終了する場合は(ステップS110:Yes)、一連の処理を終了する。なお、食券販売機10は、紙幣ユニット12又は硬貨ユニット13に異常がある場合には、販売を終了して店員を呼び出し、紙幣ユニット12等の異常を解消させるようにしてもよい。
【0044】
一方、食券販売機10は、紙幣ユニット12及び硬貨ユニット13に異常がない場合は(ステップS102:No)、メニュー選択ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS106)。食券販売機10は、メニュー選択ボタンが押されていない場合は(ステップS106:No)、メニュー選択ボタンが押されるまで待機する。
【0045】
食券販売機10は、メニュー選択ボタンが押されたならば(ステップS106:Yes)、選択された商品の価格以上の貨幣が投入されたか否かを判定する(ステップS107)。食券販売機10は、選択された商品の価格以上の貨幣が投入されていない場合は(ステップS107:No)、貨幣が投入されるまで待機する。
【0046】
食券販売機10は、選択された商品の価格以上の貨幣が投入されたならば(ステップS107:Yes)、選択された商品の食券を発券し(ステップS108)、釣銭の返却を行い(ステップS109)、ステップS110に移行する。
【0047】
<通常の食券の発券>
次に、食券販売機10の通常の食券の発券を行う場合の表示画面の一例について説明する。図6は、食券販売機10の通常販売の場合の図面遷移の一例を示す図である。図6(a)に示すように、初期画面では、飲食店で提供されているメニュー画面が表示され、顧客Aにメニューの選択を促すように「ご希望の商品を押してください」等のメッセージが表示される。
【0048】
顧客Aが商品の選択操作をしたならば、図6(b)に示すように選択された商品が反転表示されるとともに購買金額が「780円」と表示され、「現金を投入してください」のメッセージが表示される。顧客Aが現金を投入し、発券ボタンを押したならば、図6(c)に示すように「発券中です」のメッセージが表示される。
【0049】
そして、食券販売機10が発券したならば、図6(d)に示すように「食券とおつりをお取りください」のメッセージが表示され、食券が食券取出口14aに発券され、釣銭が硬貨取出口13bに排出される。
【0050】
<食券販売機10に異常がある場合の食券の発券>
次に、食券販売機10に異常がある場合に食券の発券を行う場合の表示画面の一例について説明する。図7は、食券販売機10が未精算食券を販売する場合の図面遷移の一例を示す図である。
【0051】
図7(a)に示すように、食券販売機10は、動作フラグ15cが「1」である場合に初期画面に、飲食店で提供されている商品のメニュー画面が表示され、現金の受付が不可であるが、食券の販売が可能である旨の「ただいま、現金は使えません。発券は可能ですので、お好みの商品をお選びください」のメッセージが表示される。
【0052】
顧客Aが商品の選択操作をしたならば、図7(b)に示すように、選択された商品が反転表示されるとともに、「購入の場合は、発券ボタンを押してください」のメッセージが表示される。
【0053】
顧客Aが発券ボタンを押したならば、図7(c)に示すように発券ボタンが反転表示されるとともに、「発券中です」のメッセージが表示される。そして、食券販売機10は、食券を発券するとともに、図7(d)に示すように「食券を店員に提示し、精算してください」のメッセージが表示される。
【0054】
上述してきたように、本実施形態1では、食券販売機10は、紙幣ユニット12に紙幣つまり等の異常があった場合には、紙幣処理部16bは、動作フラグ15cに「1」を設定する。また、硬貨ユニット13に硬貨つまり、釣銭切れ等の異常があった場合に、硬貨処理部16cは、動作フラグ15cに「1」を設定する。食券販売機10は、動作フラグ15cが「1」であった場合には、現金での決済を行わず、顧客Aが商品の選択操作をしたならば、未精算で食券を発券する。このように、食券販売機10は、貨幣決済を完了できない場合にも、迅速かつ円滑に食券を発券することができる。また、食券販売機10での注文運用を中断させることなく営業を継続することができる。
【0055】
[実施形態2]
ところで、上記実施形態1では、食券販売機10は、貨幣決済する場合について説明したが、本実施形態2では、食券販売機10がキャッシュレス決済する食券販売システムに本発明を適用した場合について説明する。なお、ここでは、キャッシュレス決済としてICカードを用いた決済について説明するが、バーコードや二次元バーコード(QRコード(登録商標))などのコード決済に適用してもよい。
【0056】
<食券販売システムの概要>
図8は、本実施形態2に係る食券販売システムの概要を示す図である。本実施形態2に係る食券販売システムは、ICカード等を利用してキャッシュレス決済を行う食券販売機40と、キャッシュレス決済が完了できない場合に未精算の食券を決済するレジ端末50と、発券データを表示するキッチンディスプレイ60を有する。本実施形態2に係る食券販売システムは、食券販売機40がキャッシュレス決済を完了できない場合にも、迅速かつ円滑に食券を発券することができる食券販売システムである。
【0057】
図8(a)に示すように、食券販売機40がキャッシュレス決済可能である場合は、食券販売機40は、食券を販売することができる商品のメニューの表示を行う(S21)。そして、顧客Aが、表示されたメニューから購入したい商品の選択操作を行ったならば(S22)、食券販売機40は、料金の表示を行う(S23)。顧客Aが食券販売機40のICカード読取り部にICカードを翳したならば(S24)、食券販売機40は、キャッシュレス決済を行い(S25)、食券を発券する(S26)。顧客Aは、発券された食券を受領する(S27)。食券販売機40は、キッチンディスプレイ60に発券データを送信する(S28)。
【0058】
次に、食券販売機40がキャッシュレス決済を完了できない場合について説明する。ここで、キャッシュレス決済を完了できない場合は、食券販売機40と図示しないキャッシュレス決済サーバとの通信ができない場合と、キャッシュレス決済サーバの異常の場合と、キャッシュレス決済端末の故障とを含む。
【0059】
図8(b)に示すように、食券販売機40は、食券を販売することができる商品のメニューの表示を行う(S31)とともに、キャッシュレス決済不可の表示を行う(S32)。顧客Aが表示されたメニューから購入したい商品の選択操作を行ったならば(S33)、食券販売機40は、未精算である旨を印字した食券の発券を行う(S34)。
【0060】
顧客Aは、未精算である旨を印字した食券を受領する(S35)。食券販売機40は、レジ端末50に未精算データを送信する(S36)。顧客Aは店員Bに未精算の食券を提示し、店員Bは、未精算食券の決済を行う(S37)。レジ端末50は、未精算食券の決済が完了したならば、食券販売機40に決済完了通知の送信を行い(S38)、食券販売機40は、キッチンディスプレイ60に発券データを送信する(S39)。
【0061】
<食券販売システムの構成>
次に、本実施形態2に係る食券販売システムのシステム構成について説明する。図9は、食券販売システムのシステム構成を示す図である。図9に示すように、食券販売システムは、キャッシュレス決済サーバ30と、食券販売機40と、レジ端末50と、キッチンディスプレイ60と、ルータ70とを有する。食券販売機40と、レジ端末50と、キッチンディスプレイ60と、ルータ70とは、店舗内ネットワーク80に接続されており、店舗内ネットワーク80は、ルータ70を介してネットワークNに接続されている。
【0062】
キャッシュレス決済サーバ30は、ICカード等のデータに基づいてキャッシュレス決済を行うサーバである。具体的には、食券販売機40で読取ったICカード等のICカードデータを受信し、該ICカードデータに基づいて決済を行い、決済結果を食券販売機40に送信する。
【0063】
食券販売機40は、飲食店で提供されるメニューの表示処理、キャッシュレス決済サーバ30とデータをやりとりしてキャッシュレス決済の処理、顧客Aへのメッセージを表示する処理、食券を発券する処理、未精算の発券データを送信する処理、決済完了通知を受信する処理及び発券データを送信する処理などを行う。
【0064】
レジ端末50は、未精算の発券データを受信する処理、決済処理及び決済完了通知の送信処理などを行う。キッチンディスプレイ60は、食券販売機40から送信される発券データの受信処理、発券されたメニューを表示する処理等を行う。ルータ70は、店舗内ネットワーク80とネットワークNとの間のデータの送受信を制御する処理を行う。
【0065】
<食券販売機40の構成>
次に、図9に示した食券販売機40の構成について説明する。図10は、図9に示した食券販売機40の構成を示す機能ブロック図である。なお、図3に示した食券販売機10と同様の機能部については、同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。図10に示すように、食券販売機40は、操作表示部11と、ICカード読取ユニット42と、発券部14と、通信I/F部43と、記憶部45と、制御部46とを有する。
【0066】
ICカード読取ユニット42は、非接触でICカードに記憶されたカードID等を読み取るリーダ装置である。具体的には、ICカード読取ユニット42から磁界を発生し、このICカード読取ユニット42にICカードが翳されたならば、ICカードに内蔵されたアンテナの役目を果たすコイルにより無線通信でデータの授受が行われる。
【0067】
通信I/F部43は、ネットワークNを介してキャッシュレス決済サーバ30と通信し、店舗内ネットワーク80を介してレジ端末50及びキッチンディスプレイ60と通信するための通信インターフェース部である。
【0068】
記憶部45は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、メニューデータ15aと、メッセージデータ15bと、動作フラグ45aと、発券データ45bを記憶する。動作フラグ45aは、食券販売機40の動作状態を表すフラグで、食券販売機40に異常がない場合は「0」が設定され、食券販売機40のキャッシュレス決済に異常がある場合は「1」が設定される。発券データ45bは、顧客Aが選択操作を行った商品に基づいて発券された食券のデータである。かかる発券データ45bは、未精算食券が発券された場合は、未精算である旨が記憶される。
【0069】
制御部46は、食券販売機40の全体の制御を行う制御部であり、メニュー表示処理部16aと、キャッシュレス決済処理部46aと、メッセージ表示処理部16eと、発券処理部46bと、未精算発券データ送信部46cと、決済完了通知受信部46dと、発券データ送信部46eとを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、メニュー表示処理部16aと、キャッシュレス決済処理部46aと、メッセージ表示処理部16eと、発券処理部46bと、未精算発券データ送信部46cと、決済完了通知受信部46dと、発券データ送信部46eとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0070】
キャッシュレス決済処理部46aは、ICカード読取ユニット42からICカードデータを取得し、通信I/F部43を介してキャッシュレス決済サーバ30と通信を行いキャッシュレス決済の処理を行う。また、キャッシュレス決済処理部46aは、キャッシュレス決済サーバ30と通信が可能である場合は、記憶部45の動作フラグ45aに「0」を設定し、キャッシュレス決済サーバ30と通信ができない場合、キャッシュレス決済サーバ30で決済ができなかった場合又はキャッシュレス決済端末が故障していた場合は、記憶部45の動作フラグ45aに「1」を設定する。
【0071】
発券処理部46bは、顧客Aにより選択された商品に対応する食券を発券するように発券部14に指示するとともに、発券した食券のデータを発券データ45bとして記憶部45に記憶する。発券処理部46bは、未精算の食券を発券した場合は、発券データ45bとして未精算の食券のデータを記憶する。
【0072】
未精算発券データ送信部46cは、動作フラグ45aが「1」の場合に発券された未精算の食券のデータを通信I/F部43を介してレジ端末50に送信する処理を行う。決済完了通知受信部46dは、後述するレジ端末50において未精算の食券が決済された時に送信される決済完了通知を受信する処理を行う。また、決済完了通知受信部46dは、決済完了通知を受信したならば、発券データ45bの状態を決済完了と更新してもよい。発券データ送信部46eは、決済完了通知が受信されたならば、発券データを通信I/F部43を介して後述するキッチンディスプレイ60に送信する処理を行う。
【0073】
<レジ端末50の構成>
次に、レジ端末50の構成について説明する。図11は、図9に示したレジ端末50の構成を示す機能ブロック図である。図11に示すように、レジ端末50は、操作表示部51と、通信I/F部52と、記憶部55と、制御部56とを有する。操作表示部51は、液晶パネル、ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)等のデバイスを用いて表示を行うとともに、感圧式等により操作入力を受け付ける入力デバイス兼表示デバイスである。
【0074】
通信I/F部52は、店舗内ネットワーク80を介して食券販売機40と通信するための通信インターフェース部である。記憶部55は、記憶部15は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。
【0075】
制御部56は、レジ端末50の全体の制御を行う制御部であり、未精算発券データ受信部56aと、決済処理部56bと、決済完了通知送信部56cとを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、未精算発券データ受信部56aと、決済処理部56bと、決済完了通知送信部56cとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0076】
未精算発券データ受信部56aは、食券販売機40から送信される未精算の発券データを受信する処理を行う。決済処理部56bは、店員Bにより顧客Aから受け取った貨幣の入金操作が行われたならば、決済処理を行う。決済完了通知送信部56cは、未精算の食券が決済されたならば、通信I/F部52を介して食券販売機40に決済完了通知を送信する処理を行う。
【0077】
<キッチンディスプレイ60の構成>
次に、キッチンディスプレイ60の構成について説明する。図12は、図9に示したキッチンディスプレイ60の構成を示す機能ブロック図である。図12に示すように、キッチンディスプレイ60は、操作表示部61と、通信I/F部62と、記憶部65と、制御部66とを有する。
【0078】
操作表示部61は、液晶パネル、ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)等のデバイスを用いて表示を行うとともに、感圧式等により操作入力を受け付ける入力デバイス兼表示デバイスである。通信I/F部62は、店舗内ネットワーク80を介して食券販売機40と通信するための通信インターフェース部である。記憶部65は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。
【0079】
制御部66は、キッチンディスプレイ60の全体の制御を行う制御部であり、発券データ受信部66aと、発券データ表示処理部66bとを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、発券データ受信部66aと、発券データ表示処理部66bとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0080】
発券データ受信部66aは、通信I/F部52を介して食券販売機40から送信される発券データを受信する処理を行う。発券データ表示処理部66bは、食券販売機40から受信した発券データを操作表示部61に表示する処理を行う。
【0081】
<食券販売システムの処理手順>
次に、食券販売システムの処理手順について説明する。図13及び図14は、図9に示した食券販売システムの処理手順を示すシーケンス図である。図13に示すように、食券販売機40は、初期画面を表示する(ステップS201)。そして、食券販売機40は、キャッシュレス決済に異常があるか否かを判定する(ステップS202)。
【0082】
食券販売機40は、キャッシュレス決済に異常がない場合は(ステップS202:No)、発券処理を行い(ステップS203)、図14に示すステップS213に移行する。
【0083】
一方、食券販売機40は、キャッシュレス決済に異常がある場合は(ステップS202:Yes)、操作表示部11にキャッシュレス決済不可だが発券可能のメッセージを表示する(ステップS204)。そして、食券販売機40は、メニュー選択ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS205)。
【0084】
食券販売機40は、メニュー選択ボタンが押されていない場合は(ステップS205:No)、メニュー選択ボタンが押されるまで待機する。食券販売機40は、メニュー選択ボタンが押されたならば(ステップS205:Yes)、未精算の食券を発券する(ステップS206)。そして、食券販売機40は、未精算発券データをレジ端末50に送信する(ステップS207)。
【0085】
レジ端末50は、食券販売機40から未精算発券データを受信したか否かを判定する(ステップS208)。レジ端末50は、未精算発券データを受信していない場合は(ステップS208:No)、未精算発券データを受信するまで待機する。レジ端末50は、未精算発券データを受信したならば(ステップS208:Yes)、決済処理が完了したか否かを判定する(ステップS209)。
【0086】
レジ端末50は、決済処理が完了していない場合は(ステップS209:No)、決済処理が完了するまで待機する。レジ端末50は、決済処理が完了したならば(ステップS209:Yes)、食券販売機40に決済完了通知を送信し(ステップS210)、一連の処理を終了する。
【0087】
食券販売機40は、レジ端末50から決済完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS211)。食券販売機40は、決済完了通知を受信していない場合は(ステップS211:No)、決済完了通知を受信するまで待機する。食券販売機40は、決済完了通知の受信を待機しつつ、未精算の食券を発券したならば、初期画面に戻って次の顧客からの注文を受け付ける。食券販売機40は、決済完了通知を受信したならば(ステップS211:Yes)、キッチンディスプレイ60に発券データを送信する(ステップS212)。そして、食券販売機40は、販売を終了するか否かを判定する(ステップS213)。食券販売機40は、販売を終了しない場合は(ステップS213)、図13のS201に移行する。食券販売機40は、販売を終了する場合は(ステップS213:Yes)、一連の処理を終了する。なお、食券販売機40は、キャッシュレス決済に異常がある場合には、販売を終了して店員を呼び出し、キャッシュレス決済の異常を解消させるようにしてもよい。
【0088】
キッチンディスプレイ60は、食券販売機40から発券データを受信したか否かを判定する(ステップS214)。キッチンディスプレイ60は、発券データを受信していない場合は(ステップS214:No)、発券データの受信を待機する。キッチンディスプレイ60は、発券データを受信したならば(ステップS214:Yes)、操作表示部61に発券データを表示制御し(ステップS215)、一連の処理を終了する。
【0089】
<発券処理の処理手順>
次に、図13に示した発券処理の処理手順について説明する。図15は、図13に示した発券処理の処理手順を示すフローチャートである。図15に示すように、食券販売機40は、メニュー選択ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS301)。メニュー選択ボタンが押されていない場合は(ステップS301:No)、メニュー選択ボタンが押されるまで待機する。
【0090】
食券販売機40は、メニュー選択ボタンが押されたならば(ステップS31:Yes)、キャッシュレス決済が行われたか否かを判定する(ステップS302)。食券販売機40は、キャッシュレス決済が行われていない場合は(ステップS302:No)、キャッシュレス決済が行われるのを待機する。食券販売機40は、キャッシュレス決済が行われたならば(ステップS302:Yes)、選択されたメニューの食券を発券し(ステップS303)、図14のステップS213に移行する。
【0091】
上述してきたように、本実施形態2では、食券販売システムにおいて食券販売機40は、食券販売機40とキャッシュレス決済サーバ30との通信に異常があった場合、キャッシュレス決済サーバ30に異常があり、キャッシュレス決済ができない場合又はキャッシュレス決済端末が故障の場合に、キャッシュレス決済処理部46aは、動作フラグ45aを「1」に設定する。食券販売機40は、動作フラグ45aが「1」であった場合には、キャッシュレス決済を行わず、顧客Aが商品の選択操作をしたならば、未精算で食券を発券し、未精算発券データをレジ端末50に送信する。レジ端末50は、顧客Aが未精算の食券を店員Bに提示し、店員Bがレジ端末50により決済操作をしたならば、決済完了通知を食券販売機40に送信する。そして、食券販売機40は、レジ端末50より決済完了通知を受信したならば、発券データをキッチンディスプレイ60に送信する。キッチンディスプレイ60は、発券データを受信したならば、発券データを表示制御するようにした。このように、食券販売機40は、食券販売機40における決済処理を完了できない場合に、迅速かつ円滑に食券を発券することができる。
【0092】
<変形例1>
ところで、上記実施形態2では、食券販売機40は、キャッシュレス決済を行う場合について説明したが、変形例1では、食券販売機90が貨幣決済手段及びキャッシュレス決済手段を配設している場合について説明する。
【0093】
図16は、変形例1に係る食券販売機90の外観構成を示す図である。図16に示すように、食券販売機90の筐体表面は、操作表示部11と、紙幣入出金口12aと、硬貨投入口13aと、硬貨取出口13bと、食券取出口14aと、カードリーダ42aとを有する。カードリーダ42aは、非接触でICカードに記憶されたカードID等を読み取るリーダ装置である。
【0094】
食券販売機90は、貨幣決済手段及びキャッシュレス決済手段を配設している。そして、食券販売機90は、初期画面において、貨幣決済又はキャッシュレス決済を選択する画面が表示され、顧客Aは、希望の決済手段を選択することができる。そして、食券販売機90は、選択された決済手段に異常がある場合に、未精算の食券を発券する。また、食券販売機90は、貨幣決済手段、キャッシュレス決済手段のいずれかしか配設していない場合においても、決済手段を選択可能とし、対応できない決済手段が選択された場合には、未精算食券を発券する態様でもよい。
【0095】
なお、上記実施形態2では、キャッシュレス決済を行う場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、実施形態2に記載のレジ端末50及びキッチンディスプレイ60との連携動作は、貨幣決済の場合に適用してもよい。
【0096】
また、上記実施形態2では、レジ端末50は、食券販売機40から未精算の発券データを受信する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、レジ端末50は、食券販売機40から未精算の発券データを受信することなく、レジ端末50に配設されたスキャナ等で食券に記載されたQRコード(登録商標)を読み取る等の方法により取引を特定するとともに決済を完了させ、決済が完了したならば、決済データを食券販売機40に通知するようにしてもよい。
【0097】
なお、上記実施形態2では、レジ端末50は、決済処理が完了したならば、決済完了通知を食券販売機40に送信する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、レジ端末50は、決済処理が完了したならば、キッチンディスプレイ60に発券データを送信するようにしてもよい。
【0098】
また、上記実施形態2では、キッチンディスプレイ60は、レジ端末50において決済処理が完了したならば、食券販売機40から発券データを受信する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、キッチンディスプレイ60は、食券販売機40において未精算の食券が発券されたならば、未精算で発券した発券データを受信し、キッチンディスプレイ60に未精算であることを明示した上で発券データを表示し、レジ端末50で決済処理が完了したならば、キッチンディスプレイ60に表示されている発券データのステータスを決済処理済に更新するようにしてもよい。これにより、厨房の店員が事前に提供予定のメニューを把握することができ、調理の準備等をすることができる。
【0099】
<ハードウエアとの関係>
次に、本実施形態2に係る食券販売システムの食券販売機40と、コンピュータの主たるハードウエア構成の対応関係について説明する。図17は、ハードウエア構成の一例を示す図である。
【0100】
一般的に、コンピュータは、CPU81、ROM82、RAM83及び不揮発性メモリ84などがバス85により接続された構成となる。不揮発性メモリ84の代わりにハードディスク装置が設けられていてもよい。説明の便宜上、基本的なハードウエア構成のみを示している。
【0101】
ここで、ROM82又は不揮発性メモリ84には、オペレーティングシステム(以下、単に「OS」と言う)の起動に必要となるプログラム等が記憶されており、CPU81は、電源投入時にROM82又は不揮発性メモリ84からOSのプログラムをリードして実行する。
【0102】
一方、OS上で実行される各種のアプリケーションプログラムは、不揮発性メモリ84に記憶されており、CPU81がRAM83を主メモリとして利用しつつアプリケーションプログラムを実行することにより、アプリケーションに対応するプロセスが実行される。
【0103】
そして、本実施形態2に係る食券販売システムの食券販売機40の食券発券プログラムについても、他のアプリケーションプログラムと同様に不揮発性メモリ84等に記憶され、CPU81が、かかる食券発券プログラムをロードして実行することになる。本実施形態2に係る食券販売システムの食券販売機40の場合には、図10に示したメニュー表示処理部16aと、キャッシュレス決済処理部46aと、メッセージ表示処理部16eと、発券処理部46bと、未精算発券データ送信部46cと、決済完了通知受信部46dと、発券データ送信部46eとに対応するルーチンを含む食券発券プログラムが不揮発性メモリ84等に記憶される。CPU81により食券発券プログラムがロード実行されることにより、メニュー表示処理部16aと、キャッシュレス決済処理部46aと、メッセージ表示処理部16eと、発券処理部46bと、未精算発券データ送信部46cと、決済完了通知受信部46dと、発券データ送信部46eとに対応する食券発券プロセスが生成される。
【0104】
上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明に係る食券販売機、食券販売システム、食券発券方法及び食券発券プログラムは、食券販売機における決済処理を完了できない場合に、迅速かつ円滑に食券を発券する場合に適している。
【符号の説明】
【0106】
10 食券販売機
11 操作表示部
12 紙幣ユニット
12a 紙幣入出金口
13 硬貨ユニット
13a 硬貨投入口
13b 硬貨取出口
14 発券部
14a 食券取出口
15 記憶部
15a メニューデータ
15b メッセージデータ
15c 動作フラグ
16 制御部
16a メニュー表示処理部
16b 紙幣処理部
16c 硬貨処理部
16d 決済処理部
16e メッセージ表示処理部
16f 発券処理部
20 食券
20a メニュー名
20b 金額
20c 発券年月日
20d 呼出番号
20e 未精算メッセージ
20f 二次元バーコード
30 キャッシュレス決済サーバ
40 食券販売機
42 ICカード読取ユニット
42a カードリーダ
43 通信I/F部
45 記憶部
45a 動作フラグ
45b 発券データ
46 制御部
46a キャッシュレス決済処理部
46b 発券処理部
46c 未精算発券データ送信部
46d 決済完了通知受信部
46e 発券データ送信部
50 レジ端末
51 操作表示部
52 通信I/F部
55 記憶部
56 制御部
56a 未精算発券データ受信部
56b 決済処理部
56c 決済完了通知送信部
60 キッチンディスプレイ
61 操作表示部
62 通信I/F部
65 記憶部
66 制御部
66a 発券データ受信部
66b 発券データ表示処理部
70 ルータ
81 CPU
82 ROM
83 RAM
84 不揮発性メモリ
85 バス
90 食券販売機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17