(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132364
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043100
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】505392916
【氏名又は名称】弁護士ドットコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 卓司
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 幸徳
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB67
5L049BB67
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、契約書について、契約書の保存期間に関するユーザ体験を向上させることである。
【解決手段】文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、当事者のユーザ間で合意形成された電子データに関する情報を管理する機能を備えており、合意形成された電子データについて、合意形成に関わった当事者のユーザの少なくともいずれかから、電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップと、電子データの保存期間の長さをデータベースに記憶するステップと、データベースに記憶されている管理されている電子データの保存期間の長さの情報に基づいて、電子データの保存期間の長さを、電子データの合意形成に関わった当事者のユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、
前記文書管理サービスは、当事者のユーザ間で合意形成された電子データに関する情報を管理する機能を備えており、
前記プログラムは、前記コンピュータのプロセッサに、
前記合意形成された電子データについて、合意形成に関わった当事者のユーザの少なくともいずれかから、前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップと、
前記電子データの保存期間の長さをデータベースに記憶するステップと、
前記データベースに記憶されている前記管理されている電子データの保存期間の長さの情報に基づいて、前記電子データの保存期間の長さを、前記電子データの合意形成に関わった当事者のユーザに提示するステップと、
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップにおいて、
前記電子データの閲覧権限を有するユーザから、前記電子データの前記保存期間の入力操作を受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップにおいて、
前記合意形成の完了後、前記電子データの前記保存期間の入力操作を受け付ける、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップにおいて、
前記当事者のユーザが入力操作した前記電子データの前記保存期間を、契約相手に対して提示する、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップにおいて、
前記当事者のユーザの双方から前記電子データの前記保存期間の入力操作を受け付けることにより、契約関係である当事者のユーザの双方に前記電子データの前記保存期間を提示する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップにおいて、
前記当事者のユーザが前記電子データのアップロードをするところから前記電子データを合意形成する操作までの間のいずれかのタイミングで、前記電子データの前記保存期間の入力操作を受け付けて、前記電子データの内容を閲覧可能にしつつ、前記当事者のユーザの双方から前記電子データに対して合意形成する操作を受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記データベースに記憶されている前記電子データの内容と、前記当事者のユーザから入力操作された前記電子データの前記保存期間とに基づいて機械学習モデルを作成するステップをさらに実行させ、
前記機械学習モデルは、前記合意形成の対象となる電子データの入力を受けて前記保存期間の長さを出力するものであり、
前記保存期間の長さをデータベースに記憶するステップにおいて、前記合意形成の対象となった前記電子データを入力として前記機械学習モデルが出力する前記保存期間の長さを記憶させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記電子データの前記当事者のユーザのそれぞれから前記保存期間の入力操作を受け付け、前記入力操作された保存期間が外れ値でない場合、前記入力操作された保存期間を前記機械学習モデルの教師データとするステップを実行させる、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記提示するステップにおいて、
前記データベースに記憶されている前記電子データの保存期間に基づいて、最小値、平均値、中央値、最頻値、四分位数、または、これらのいずれかの組み合わせを含むものとして、前記保存期間を提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記提示するステップにおいて、
前記データベースに記憶されている前記電子データの保存期間の最大値を提示する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記提示するステップにおいて、
外れ値を除いて、前記最小値、前記平均値、前記中央値、前記最頻値、前記四分位数のそれぞれを算出し、前記最小値、前記平均値、前記中央値、前記最頻値、前記四分位数、または、これらのいずれかの組み合わせを含むものとして、前記保存期間として提示する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項12】
前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップにおいて、
前記電子データの前記保存期間の入力操作を行った当事者のユーザに対し、特典を付与する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップにおいて、
前記特典の内容として、前記文書管理サービスの利用料に関する特典を付与する、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記提示するステップにおいて、
前記電子データの保存をしていた履歴に基づいて、前記保存期間を前記当事者のユーザに提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項15】
コンピュータを動作させるための方法であって、
前記コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、
前記文書管理サービスは、当事者のユーザ間で合意形成された電子データに関する情報を管理する機能を備えており、
前記方法は、前記コンピュータのプロセッサに、
前記合意形成された電子データについて、合意形成に関わった当事者のユーザの少なくともいずれかから、前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップと、
前記電子データの保存期間の長さをデータベースに記憶するステップと、
前記データベースに記憶されている前記管理されている電子データの保存期間の長さの情報に基づいて、前記電子データの保存期間の長さを、前記電子データの合意形成に関わった当事者のユーザに提示するステップと、
を実行する、方法。
【請求項16】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、
前記文書管理サービスは、当事者のユーザ間で合意形成された電子データに関する情報を管理する機能を備えており、
前記制御部が、
前記合意形成された電子データについて、合意形成に関わった当事者のユーザの少なくともいずれかから、前記電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップと、
前記電子データの保存期間の長さをデータベースに記憶するステップと、
前記データベースに記憶されている前記管理されている電子データの保存期間の長さの情報に基づいて、前記電子データの保存期間の長さを、前記電子データの合意形成に関わった当事者のユーザに提示するステップと、
を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事業活動において、社内外で様々な取り決め、申請について承認をしつつ事業を進展させることが行われている。例えば、事業者の社内では、承認者が、承認すべき内容について決裁をすることが行われている。
また、事業者の社内外において、契約については、近年、IT技術の発達により、これまでは紙により締結が行われていたものが、徐々に電子契約で行われている。
【0003】
電子契約では、電子契約サービスの利用者が、署名対象の契約書に電子署名をする。電子契約サービスは、いわゆる当事者署名型のもの、いわゆる事業者署名型(立会人型)のもの等様々な方式により事業者によって提供されている。
電子契約サービスを用いて契約締結を結ぶ際、契約の当事者を特定する情報により、契約の当事者間で契約対象の契約書を閲覧可能としつつ締結作業を進めることがある。例えば、契約の当事者を特定する情報として、メールアドレスを用いて契約締結を進める場合、契約を行いたい者の一方が、他方のメールアドレスを指定した状態で契約書を電子契約サービスへ送信する。そして、契約書を受け取った者が、電子契約サービスを用いて、契約書を承認する等により、電子契約による締結作業を進める。
【0004】
下記の特開2016-162104号公報(特許文献1)には、電子融資契約書を、契約書のステータスに応じた期間に渡って保管することを可能とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1は、契約書のステータスに応じた期間に渡って保管することが可能なものの、契約書を保存すべき期間に関するユーザ体験については十分な改善の余地がある。本発明の課題は、当事者間で合意された文書データの保存期間に関するユーザ体験を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に示す一実施形態は、コンピュータを動作させるためのプログラムであって、コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、当事者のユーザ間で合意形成された電子データに関する情報を管理する機能を備えており、プログラムは、コンピュータのプロセッサに、合意形成された電子データについて、合意形成に関わった当事者のユーザの少なくともいずれかから、電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップと、電子データの保存期間の長さをデータベースに記憶するステップと、データベースに記憶されている管理されている電子データの保存期間の長さの情報に基づいて、電子データの保存期間の長さを、電子データの合意形成に関わった当事者のユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本開示によると、当事者間で合意された文書データの保存期間に関するユーザ体験を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、電子契約システム1の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1のユーザの装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第2のユーザの装置30の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、電子契約サービスのサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、電子契約を説明するための概念図である。
【
図6】
図6は、契約管理のデータベース2021のデータ構造を示す図である。
【
図7】
図7は、電子データのデータベース2022のデータ構造を示す図である。
【
図8】
図8は、第1のユーザの装置10と電子契約サービスのサーバ20と第2のユーザの装置30の間において、電子データの保存期間の長さに関する処理の流れを示す図である。
【
図9】
図9は、第1のユーザの装置10と電子契約サービスのサーバ20と第2のユーザの装置30の間において、電子データの保存期間の長さに関する処理の流れを示す図である。
【
図10】
図10は、電子データの保存期間に基づいて機械学習モデルを作成する処理の流れを示す図である。
【
図11】
図11は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける画面を示す図である。
【
図12】
図12は、契約相手が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報を画面に示す図である。
【
図13】
図13は、契約の当事者双方が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報を画面に示す図である。
【
図14】
図14は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける場面において、電子データの保存期間の参考情報を画面に示す図である。
【
図15】
図15は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける場面において、電子データの保存期間の入力操作をすることでの特典付与に関する情報を画面に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明するのは、本開示の実施形態である。本開示の実施形態の説明は、図面を参照しつつ説明を行う。また、本開示の実施形態の説明は、同一の部品に同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施形態の概略>
本実施形態において、ユーザは、PC(Personal Computer)を操作し、文書管理サービスを用いて契約書等の文書を管理する。文書管理サービスは、例えば、当事者が所有する契約書等の電子データを誰が、いつ、どのタイミングで保存したか等を管理するものである。なお、文書管理サービスは、上記の基本的な機能の他にも、当事者のユーザ間で合意した電子データを管理する機能も備えているとする。例えば、文書管理サービスは、契約書等の電子データをどの当事者が、いつ、どのタイミングで合意形成したか等の情報も管理することが可能である。
また、本実施形態において、ユーザは、PC(Personal Computer)を操作し、電子契約サービスにより契約を締結する。電子契約には契約書を承認するための承認者が一人以上存在する。承認者は契約書に基づき、当該契約書の内容に示される条件での契約締結の可否を判断する。当該電子契約サービスにより当事者間で契約を締結した場合、上記の文書管理サービスは、合意にかかる契約書データを管理することとしてもよい。
また、本実施形態において、「電子契約」とは、契約書をインターネット上で交換し、契約当事者が合意の意思表示を行い、契約書に電子署名を付与することをいう。契約当事者は、契約書送信者側と契約書受信者側が存在する。本実施形態において、契約書送信者側のユーザは、第1のユーザとして説明を行う。また、本実施形態において、契約書受信者側のユーザは、第2のユーザとして説明を行う。
【0012】
<1.1 システム全体の構成図>
図1は、本実施形態の電子契約システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図1に示すように、電子契約システム1は、第1のユーザの装置10と、電子契約サービスのサーバ20と、第2のユーザの装置30とを含む。電子契約システム1は、第1のユーザの装置10と、電子契約サービスのサーバ20とがネットワーク80によって互いに通信可能に接続されている。また、電子契約システム1は、第2のユーザの装置30と、電子契約サービスのサーバ20とがネットワーク80によって互いに通信可能に接続されている。
【0013】
図1の例は、第1のユーザの装置10を示している。第1のユーザの装置10は、例えば、PC、スマートフォン等によって実現される。第1のユーザの装置10は、プログラムを実行することにより、プログラムに応じたシステムを操作する環境を第1のユーザに対して提供する。
【0014】
第1のユーザの装置10は、契約書送信者側である第1のユーザから入力操作を受け付ける装置であるものとする。
【0015】
第1のユーザの装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0016】
通信IF12は、第1のユーザの装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0017】
入力装置13は、第1のユーザからの入力操作を受け付けるための装置である。入力操作を受け付けるための装置は、例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボードである。
【0018】
出力装置14は、第1のユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0019】
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。メモリ15は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0020】
記憶部16は、データを保存するためのものである。記憶部16は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
【0021】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0022】
図1の例は、電子契約サービスのサーバ20を示している。電子契約サービスのサーバ20は、電子契約により契約締結を結ぶユーザの情報、電子契約の際に使用する契約書等の情報を管理する装置である。
【0023】
電子契約サービスのサーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0024】
通信IF22は、電子契約サービスのサーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0025】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0026】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。メモリ25は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0027】
ストレージ26は、データを保存するためのものである。ストレージ26は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
【0028】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0029】
電子契約サービスのサーバ20は、電子契約に必要なデータを、適宜、第1のユーザの装置10へ送信することで、第1のユーザの装置10での電子契約の状況を可視化させる。また、電子契約サービスのサーバ20は、第1のユーザの装置10と通信し、各ユーザの電子契約の進行に応じて、画像、ファイル、テキストデータ等を第1のユーザの装置10へ送信する。
【0030】
図1の例は、第2のユーザの装置30を示している。第2のユーザの装置30は、例えば、PC、スマートフォン等によって実現される。第2のユーザの装置30は、プログラムを実行することにより、プログラムに応じたシステムを操作する環境をユーザに対して提供する。
【0031】
第2のユーザの装置30は、契約書受信者側である第2のユーザから入力操作を受け付ける装置であるものとする。
【0032】
第2のユーザの装置30は、通信IF32と、入力装置33と、出力装置34と、メモリ35と、記憶部36と、プロセッサ39とを備える。
【0033】
通信IF32は、第2のユーザの装置30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0034】
入力装置33は、第2のユーザからの入力操作を受け付けるための装置である。入力操作を受け付けるための装置は、例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボードである。
【0035】
出力装置34は、第2のユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0036】
メモリ35は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。メモリ35は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0037】
記憶部36は、データを保存するためのものである。記憶部36は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
【0038】
プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0039】
電子契約サービスのサーバ20は、電子契約に必要なデータを、適宜、第2のユーザの装置30へ送信することで、第2のユーザの装置30での電子契約の状況を可視化させる。また、電子契約サービスのサーバ20は、第2のユーザの装置30と通信し、各ユーザの電子契約の進行に応じて、画像、ファイル、テキストデータ等を第2のユーザの装置30へ送信する。
【0040】
<1.2 第1のユーザの装置10の機能的な構成>
図2は、第1のユーザの装置10の機能的な構成を示す図である。第1のユーザの装置10は、アンテナ111と、第1無線通信部121と、プロセッサ19と、操作受付部130と、記憶部16と、メモリ15と、ディスプレイ132と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカー142とを含む。
【0041】
アンテナ111は、第1のユーザの装置10が発する信号を電波として空間へ放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0042】
第1無線通信部121は、第1のユーザの装置10が他の通信機器と通信するため、アンテナ111等を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121は、チューナー、高周波回路等を含む無線通信用の通信モジュールであり、第1のユーザの装置10が送受信する無線信号の変復調、周波数変換を行い、受信信号をプロセッサ19へ与える。
【0043】
プロセッサ19は、記憶部16に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、第1のユーザの装置10の動作を制御する。プロセッサ19は、例えばアプリケーションプロセッサによって実現される。
【0044】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。例えば、操作受付部130は、マウス、タッチパッド、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、コントローラ、エンドユーザの身体の動きを入力操作としてセンシングする撮影手段等として実現される。例えば、操作受付部130は、エンドユーザの身体の動きとして、手等の身体の部位の動き、エンドユーザの顔の表情等をセンシングすることにより、これら身体の部位等の動きを入力操作として受け付ける。操作受付部130は、タッチパネル等に対してエンドユーザが指を接触させる等により入力操作を受け付けた座標に基づいて、エンドユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0045】
記憶部16は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等により構成される。また、記憶部16は、第1のユーザの装置10が使用するプログラム、および、第1のユーザの装置10が電子契約サービスのサーバ20から受信する各種データ等を記憶する。
【0046】
ディスプレイ132は、プロセッサ19の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等の表示装置によって実現される。
【0047】
音声処理部140は音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号をプロセッサ19へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカー142へ与える。
【0048】
マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。
【0049】
スピーカー142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を第1のユーザの装置10の外部へ出力する。
【0050】
記憶部16は、契約管理情報161と、電子データ情報162とを記憶する。
【0051】
契約管理情報161は、電子契約システム1における、電子契約の契約状況の情報を管理するための情報である。契約管理情報161は、例えば、「契約ID」と、「電子データID」と、「送信者メールアドレス」と、「受信者メールアドレス」と、「契約のステータス」と、「契約完了日時」とを含む。これら情報の詳細について、電子契約サービスのサーバ20が保持する各種データベースの説明において後述する。
【0052】
電子データ情報162は、電子契約システム1における、電子データを管理するための情報である。電子データ情報162は、例えば、「電子データID」と、「文書タイトル」と、「送信者側保存期間」と、「受信者側保存期間」と、「保存開始日」と、「保存終了日」と、「契約締結日」と、「契約開始日」と、「契約終了日」とを含む。これら情報の詳細について、電子契約サービスのサーバ20が保持する各種データベースの説明において後述する。
【0053】
プロセッサ19がプログラムにしたがって動作することにより、入力操作受付部191、送受信部192、データ処理部193、報知制御部194としての機能を発揮する。
入力操作受付部191は、操作受付部130等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、操作受付部130が例えばタッチデバイスである場合、タッチデバイスに対してユーザが指等を接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか等の操作の種別を判定する。
送受信部192は、第1のユーザの装置10が、電子契約サービスのサーバ20等の外部の装置と通信プロトコルにしたがってデータを送受信するための処理を行う。
データ処理部193は、第1のユーザの装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムにしたがって演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
報知制御部194は、情報をユーザに提示する処理として、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカー142に出力させる処理、振動をバイブレータ等に発生させる処理等を行う。
【0054】
<1.3 第2のユーザの装置30の機能的な構成>
図3は、第2のユーザの装置30の機能的な構成を示す図である。第2のユーザの装置30は、アンテナ311と、第1無線通信部321と、プロセッサ39と、操作受付部330と、記憶部36と、メモリ35と、ディスプレイ332と、音声処理部340と、マイク341と、スピーカー342とを含む。
【0055】
第2のユーザの装置30は、第1のユーザの装置10と機能的な構成が同一である。そのため、第2のユーザの装置30の機能的な構成の説明は、省略する。
【0056】
<1.4 電子契約サービスのサーバ20の機能的な構成>
図4は、電子契約サービスのサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4に示すように、電子契約サービスのサーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0057】
通信部201は、電子契約サービスのサーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0058】
記憶部202は、契約管理のデータベース2021と、電子データのデータベース2022等の各種データベースを記憶する。
【0059】
契約管理のデータベース2021は、電子契約システム1における契約状況を管理するための情報を含むデータベースである。詳細は後述する。
【0060】
電子データのデータベース2022は、電子契約システム1における契約書の情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0061】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムにしたがって動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、第1の作成モジュール2033、第2の作成モジュール2034として示す機能を発揮する。
【0062】
受信制御モジュール2031は、電子契約サービスのサーバ20が外部の装置から通信プロトコルにしたがって信号を受信する処理を制御する。
【0063】
送信制御モジュール2032は、電子契約サービスのサーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルにしたがって信号を送信する処理を制御する。
【0064】
第1の作成モジュール2033は、電子データのデータベース2022に記憶されている電子データの保存期間の情報に基づいて、電子データの適切な保存期間を提案するための機械学習モデルを作成、管理する処理を行うものである。
【0065】
第2の作成モジュール2034は、電子データのデータベース2022に記憶されている電子データの保存期間の情報に基づいて、電子データの保存期間に関する参考情報を作成するための処理を行うものである。第2の作成モジュール2034は電子データの保存期間における参考情報として、例えば以下の情報を演算し、算出する。
・電子データの保存期間の最小値
・電子データの保存期間の中央値
・電子データの保存期間の平均値
・電子データの保存期間の四分位数
・電子データの保存期間の最大値
なお、第2の作成モジュール2034は、電子データのデータベース2022に記憶されている電子データの保存期間の外れ値を除外して演算を行ってもよい。電子データの保存期間の外れ値は、例えば、後述する電子データのデータベース2022の項目「送信者側保存期間」、および、項目「受信者側保存期間」に記憶されている値のうち、記憶されている他の値から大きく外れた値のことを指す。例えば、第2の作成モジュール2034は、外れ値か否かを検定するための各種計算式に基づき外れ値として特定することとしてもよい。
【0066】
<1.5 電子契約を説明するための概念図>
図5は、電子契約を説明するための概念図である。
図1に示すように、電子契約システム1は、第1のユーザの装置10と、電子契約サービスのサーバ20と、第2のユーザの装置30とを含む。
【0067】
まず契約書送信者は、第1のユーザの装置10を操作することにより、契約書を電子契約サービスのサーバ20にアップロードする。電子契約サービスのサーバ20は、契約書送信者が送信することに承諾した契約書に対し、契約書送信者の電子署名を付与する。
【0068】
契約書送信者は、契約書受信者に合意締結を依頼するための操作を行う。具体的には、第1のユーザの装置10は、契約書受信者を指定する操作を契約書送信者から受け付けて、電子契約サービスのサーバ20へ送信する。本実施形態では、第1のユーザの装置10は、契約書受信者を特定する情報として、1名以上の契約書受信者のそれぞれのメールアドレスを指定する操作を契約書送信者から受け付ける。
電子契約システム1の電子契約サービスのサーバ20は、契約書送信者のユーザによって指定された受信者側のメールアドレスに宛てて、契約書にアクセスするための情報を契約書受信者に送付する。本実施形態では、電子契約システム1の電子契約サービスのサーバ20は、契約書送信者のユーザによって指定された受信者側のメールアドレスに宛てて、契約書にアクセスするための情報を第2のユーザの装置30に送付する。契約書にアクセスするための情報は、例えば、URL(Uniform Resource Locator)として記述されるリンク等を含む。
【0069】
契約書受信者は、第2のユーザの装置30において受信した契約書にアクセスするための情報を指定する操作(クリック、タップ等)をし、オンラインで電子契約サービスのサーバ20上の契約書の内容を確認して、合意締結することができる。第2のユーザの装置30は、契約書について合意をすることを示す操作を受け付けるための画面を第2のユーザの装置30のユーザに提示して、合意するための操作を契約書受信者から受け付ける。
この時点で契約内容に瑕疵があるような場合、電子契約サービスのサーバ20は、契約書受信者から、契約に合意をしない旨の操作を受け付けることとしてもよい。
【0070】
電子契約サービスのサーバ20は、契約書受信者から、契約書について合意する操作を受け付けることにより、当該契約書に、契約書受信者の電子署名を付与する。電子契約サービスのサーバ20は、契約書を管理するデータベースに保管する。契約書の改ざんは、契約当事者双方の電子署名が付与されることで防止される。
【0071】
本実施形態は、このようなクラウド型の電子契約サービスを実現するものである。
【0072】
<2 データ構造>
図6、
図7は、電子契約サービスのサーバ20が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、
図6、
図7は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0073】
図6は、契約管理のデータベース2021のデータ構造を示す図である。契約管理のデータベース2021は、電子契約システム1における契約状況を管理するための情報を含むデータベースである。
図6の契約管理のデータベース2021の各レコードは、項目「契約ID」と、項目「電子データID」と、項目「送信者メールアドレス」と、項目「受信者メールアドレス」と、項目「契約のステータス」と、項目「契約完了日時」とを含む。
【0074】
項目「契約ID」は、電子契約により締結される各契約について、例えば電子契約サービスのサーバ20により発行される識別情報を示す。
【0075】
具体的には、項目「契約ID」は、ユーザ間で電子契約により締結される各契約を管理する際に必要となる、電子契約に対して一意なIDのことである。
【0076】
項目「電子データID」は、電子契約により締結される各契約について、電子契約の対象となる契約の際に契約書の送信者から指定される電子データに対して一意なIDのことを示す。例えば、電子データの識別情報として、電子契約サービスのサーバ20が電子契約の対象として電子データのアップロードを受け付けることにより、当該電子データと関連付けて発行する一意な情報を含む。当該電子データと関連付けて発行する一意な情報は、例えば、当該電子データに発行する識別情報、当該電子データに各端末装置がアクセスするためのリンク情報等を含む。
契約書は、典型的にはドキュメント作成用のソフトウェアで作成され、内容の改変ができない電子データのファイルである。電子データは、例えば、PDFファイル等を含む。
【0077】
項目「送信者メールアドレス」は、電子契約により締結される各契約について、契約書の送信者となるユーザのメールアドレスのことを示す。
【0078】
項目「受信者メールアドレス」は、電子契約により締結される各契約について、契約書の受信者となるユーザのメールアドレスのことを示す。
【0079】
項目「契約のステータス」は、契約書送信者と契約書受信者とで締結を進めている電子契約の締結の状況を示す。具体的には、項目「契約のステータス」は、当事者間での電子契約の締結の状況として、以下を含みうる。
・「未契約」は、電子契約の締結において、契約書受信者の指定もされておらず、電子契約による契約の締結がまだ開始されていない状態である。
・「締結中」は、電子契約の締結において、契約書受信者の指定はされているが、電子契約の締結に関わるすべてのユーザの承認が完了していない状態である。
・「契約完了」は、電子契約の締結において、契約書の当事者が承認する操作を電子契約サービスのサーバ20で受け付けて、電子契約による契約の締結が完了した状態である。
【0080】
項目「契約完了日時」は、電子契約により締結される各契約について、契約の締結が完了した日時を示す。
【0081】
図7は、電子データのデータベース2022のデータ構造を示す図である。電子データのデータベース2022は、電子契約システム1における電子データの情報を管理するためのデータベースである。
図7の電子データのデータベース2022の各レコードは、項目「電子データID」と、項目「文書タイトル」と、項目「送信者側保存期間」と、項目「受信者側保存期間」と、項目「保存開始日」と、項目「保存終了日」と、項目「契約締結日」と、項目「契約開始日」と、項目「契約終了日」とを含む。
【0082】
項目「電子データID」は、上記にて説明した通りである。
【0083】
項目「文書タイトル」は、各契約の際に用いられる電子データのタイトル名を示す。項目「文書タイトル」は、例えば、以下のように契約書等の書類の種別を示すものがある。以下は例示であり、これらに限られない。
・賃貸借契約書
・秘密保持契約書
・売買契約
・業務委託契約
・譲渡担保契約
・M&A契約
・合弁契約
・ソフトウェア開発契約
・知的財産に関する契約(実施許諾契約等)
・フランチャイズ契約書
・雇用契約書
・労働者派遣契約書
・事業譲渡契約書
・取締役会議事録
【0084】
項目「送信者側保存期間」は、契約書送信者側から指定した電子データの保存期間の長さを示す。
ここで、電子データの保存期間は、契約当事者双方からそれぞれ電子データの保存期間の長さに関する入力操作を受け付け、記憶することができる。項目「送信者側保存期間」は、契約当事者双方の内、契約書送信者側から入力操作を受け付けた電子データの保存期間の長さを記憶する。
なお、電子データの保存期間の長さは、契約者送信者側、契約書受信者側といった区分けのみならず、契約当事者ごとに保存期間を設定することも可能である。例えば、契約当事者であれば、電子データの保存期間の長さは、一ユーザごとに設定することができてもよい。
図7の例では、当事者間で合意される電子データを単位として、当事者それぞれが保存期間を設定する例を示している。このほかにも、当事者が、複数の他の当事者それぞれについて、契約書の種別ごとに(あるいは契約書の種別にかかわらず)、電子データの保存期間を設定することとしてもよい。例えば、事業者Aは、事業者Bとの契約書の保存期間を10年等と設定することがあり得る。
電子データに合意する当事者は、2つであってもよいし、3つ以上であることもあり得る。例えば、三者(第1の事業者、第2の事業者、第3の事業者による三者間契約)で契約書に合意することがあり得る。この場合、サーバ20は、電子データのデータベース2022において、電子データに合意する当事者を3つ以上管理する。電子契約の締結にあたり、例えば第1の事業者が送信者となる場合、第2の事業者のユーザのメールアドレスと、第3の事業者のユーザのメールアドレスとを受信者として指定して、電子契約サービスにより契約の締結を進めることができる。サーバ20は、電子データに合意する3つ以上の当事者それぞれから、電子データの保存期間の設定を受け付けることとしてもよい。
【0085】
項目「受信者側保存期間」は、契約書受信者側から指定した電子データの保存期間の長さを示す。
項目「送信者側保存期間」は、契約当事者双方の内、契約書受信者側から入力操作を受け付けた電子データの保存期間の長さを記憶する。
【0086】
項目「保存開始日」は、電子契約により締結される各契約に用いられる契約書について、契約書である電子データの保存を開始した日時を示す。
【0087】
項目「保存終了日」は、電子契約により締結される各契約に用いられる契約書について、契約書である電子データの保存を終了した日時を示す。
【0088】
項目「契約締結日」は、電子契約により締結される各契約に用いられる契約書について、契約書である電子データの締結日を示す。
【0089】
項目「契約開始日」は、電子契約により締結される各契約に用いられる契約書について、契約書である電子データの契約開始日を示す。
【0090】
項目「契約終了日」は、電子契約により締結される各契約に用いられる契約書について、契約書である電子データの契約終了日を示す。
【0091】
電子契約サービスのサーバ20は、上記の電子データの契約開始日の情報、電子データの契約終了日の情報等について、電子データ本文から光学読み取り処理等により取得することとしてもよいし、ユーザから入力を受け付けることとしてもよい。ここで、電子契約サービスのサーバ20は、承認済みの電子データを管理するために、当事者それぞれの側で、それぞれ管理用の情報を保持することとしてもよい。すなわち、一方の当事者と、他方の当事者とで、管理用の情報として保持する情報が異なることがあり得る。例えば、管理用の情報として、契約の「自動更新の有無」等の項目については管理の対象としないといったことが、当事者によってあり得る。
【0092】
<第1の実施形態の動作>
次に説明するのは、電子契約システム1を構成する各装置の動作についてである。
【0093】
図8は、第1のユーザの装置10と電子契約サービスのサーバ20と第2のユーザの装置30の間において、電子データの保存期間の長さを設定する処理の流れを示す図である。
電子契約サービスのサーバ20は、各契約の締結の際に用いられる電子データについて、電子データを保存する期間の長さに関する入力操作を第1のユーザ、および、第2のユーザのいずれかから受け付ける。電子契約サービスのサーバ20は、第1のユーザ、および、第2のユーザから受け付けた、電子データを保存する期間の長さに関する情報を電子データのデータベース2022に記憶する。そして、電子契約サービスのサーバ20は、電子データを保存する期間の情報に基づいて、各電子データを定められた期間の間保存する。
なお、電子データの保存期間は、第1のユーザ、および、第2のユーザから保存期間の入力操作の受け付けがあった後、電子データの保存中においても、再度保存期間の入力操作を受け付けてもよい。
【0094】
ステップS8011において、第1のユーザの装置10は、契約書である電子データの作成、そして、電子データの締結依頼を行う入力操作を第1のユーザから受け付ける。
【0095】
ステップS8021において、電子契約サービスのサーバ20は、第1のユーザの装置10から電子データの締結依頼を受け付ける。そして、電子契約サービスのサーバ20は、電子データの締結に関する情報を第2のユーザの装置30に対して送信する。
【0096】
ステップS8031において、第2のユーザの装置30は、電子契約サービスのサーバ20から電子データの締結に関する情報を受け取る。そして、第2のユーザの装置30は、電子データの締結の入力操作を第2のユーザから受け付ける。なお、第2のユーザの装置30は、電子データの締結について承認する入力操作を第2のユーザから受け付けたものとする。
【0097】
ステップS8022において、電子契約サービスのサーバ20は、電子データについて合意形成されたものとして判定する。
【0098】
ステップS8012において、第1のユーザの装置10は、電子データの保存期間の長さの入力操作を第1のユーザから受け付ける。例えば、第1のユーザの装置10は、ある秘密保持契約書の電子データに対して、何年の保存期間を望むのかといった設問を、第1のユーザに対して提示する。そして、第1のユーザの装置10は、例えば、ある秘密保持契約書の電子データに対して、10年の保存期間で決定するといった入力操作を第1のユーザから受け付ける。
なお、第1のユーザの装置10は、契約書である電子データを送信した本人に限らず、契約書送信者側の電子データの閲覧権限を有するユーザから電子データの保存期間の長さの入力操作を第1のユーザから受け付けてもよい。
【0099】
ステップS8023において、電子契約サービスのサーバ20は、第1のユーザの装置10から受信した電子データの保存期間の情報を受け付ける。
【0100】
ステップS8024において、電子契約サービスのサーバ20は、第1のユーザの装置10から受信した電子データの保存期間の情報を電子データのデータベース2022の項目「送信者側保存期間」に記憶する。
【0101】
ステップS8032において、第2のユーザの装置30は、電子データの保存期間の長さの入力操作を第2のユーザから受け付ける。例えば、第2のユーザの装置30は、ある秘密保持契約書の電子データに対して、何年の保存期間を望むのかといった設問を、第2のユーザに対して提示する。そして、第2のユーザの装置30は、例えば、ある秘密保持契約書の電子データに対して、15年の保存期間で決定するといった入力操作を第2のユーザから受け付ける。
なお、第2のユーザの装置30は、契約書である電子データを受信した本人に限らず、契約書受信者側の電子データの閲覧権限を有するユーザから電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けてもよい。
【0102】
図9は、第1のユーザの装置10と電子契約サービスのサーバ20と第2のユーザの装置30の間において、電子データの保存期間の長さを設定する処理の流れを示す図である。
図9は、
図8の処理のステップS8032の続きの処理の流れを示す。
【0103】
【0104】
ステップS9023において、電子契約サービスのサーバ20は、第2のユーザの装置30から受信した電子データの保存期間の情報を受け付ける。
【0105】
ステップS9024において、電子契約サービスのサーバ20は、第2のユーザの装置30から受信した電子データの保存期間の情報を電子データのデータベース2022の項目「受信者側保存期間」に記憶する。
【0106】
ステップS9013において、第1のユーザの装置10は、契約の当事者双方が決定した電子データの保存期間の情報を提示する。例えば、第1のユーザの装置10は、第1のユーザが10年として保存期間を決定し、第2のユーザが15年として保存期間を決定したことを提示する。
【0107】
ステップS9031において、第2のユーザの装置30は、電子データの保存期間の情報を提示する。ステップS9013と同様に、例えば、第2のユーザの装置30は、第1のユーザが10年として保存期間を決定し、第2のユーザが15年として保存期間を決定したことを提示する。
【0108】
図10は、電子データの保存期間に基づいて機械学習モデルを作成する処理の流れを示す図である。
【0109】
ステップS9023は、
図9にて説明した通りである。
【0110】
ステップS9024は、
図9にて説明した通りである。
【0111】
ステップS10021において、電子契約サービスのサーバ20は、電子データの内容と、電子データの保存期間に基づいて機械学習モデルを作成する。例えば、電子契約サービスのサーバ20は、電子データの内容を類型ごとに分類した上で、過去に記憶されている電子データの保存期間の情報から、新たな電子データに対して適切な保存期間の情報を推測するような機械学習モデルを作成する。電子データの内容を類型ごとに分類するとは、例えば、ある電子データの本文が業務上の秘密、個人情報等を第三者に開示しないといった内容であれば秘密保持契約書といったように、電子データの内容の種類ごとに分類する方法である。類型の種類は、例えば、秘密保持契約書、雇用契約書、請負契約書、賃貸借契約書などである。電子契約サービスのサーバ20は、電子データの内容を類型ごとに分類する際においては、分類モデルを使用してもよい。なお、電子データの内容を類型ごとに分類する際において、電子契約サービスのサーバ20は、電子データの本文の情報を使用してもよいし、電子データのタイトルの情報を使用してもよい。
また、電子契約サービスのサーバ20は、電子データの保存期間の情報から、新たな電子データに対して適切な保存期間の情報を推測する場面においては、回帰モデルを使用して、ユーザに対して保存期間の情報を提案してもよい。
【0112】
以下は、機械学習モデルにおける入力データに関する説明である。
電子データの内容を類型する際における入力データは、例えば、電子データのデータベース2022等の情報を使用する。具体的には、入力データは、電子データのデータベース2022の項目「文書タイトル」の情報、また、電子データのPDFファイル等を含む。
また、新たな電子データに対して適切な保存期間の情報を推測する際における入力データは、例えば、契約管理のデータベース2021、電子データのデータベース2022等の情報を使用する。具体的には、入力データは、電子データのデータベース2022の項目「文書タイトル」の情報、電子データのデータベース2022の項目「送信者側保存期間」の情報、電子データのデータベース2022の項目「受信者側保存期間」の情報等を含む。なお、電子契約サービスのサーバ20は、入力された電子データの保存期間が外れ値でない場合に、入力された電子データの保存期間を教師データとする。電子データの保存期間の外れ値は、例えば、項目「送信者側保存期間」、および、項目「受信者側保存期間」に記憶されている値の内、記憶されている他の値から大きく外れた値のことを指す。
なお、電子契約サービスのサーバ20は、機械学習モデルの教師データの信頼性を担保するために以下のようなことを実施してもよい。
・契約者送信者側と契約書受信者側から入力操作を受け付けた電子データの保存期間の値を照らし合わせ、合致していれば真正性があるデータ、合致していなければ疑義ありのデータとすること
・他の契約書での正解率をサンプリングして評価を行い、能力の高いユーザの回答データをより高く評価すること
【0113】
また、電子契約サービスのサーバ20は、機械学習モデルを作成することで以下のような効果も発揮する。
まず、電子契約サービスのサーバ20は、ユーザ同士が新しい契約書を締結したときに、その契約書に関する特徴量を抽出する。そして、電子契約サービスのサーバ20は、新しい契約書における保存期間の入力を受け付ける場面において、例えば、以下のように、多数のユーザによって設定される保存期間(中央値、平均値など)の提案を行うことができる。また、電子契約サービスのサーバ20は、新しい契約書における保存期間の入力を受け付ける場面において、保存期間として設定される最大値、または、最小値の情報(外れ値を除いた情報としてもよい)の提案を行うことができる。
・新しい契約書の類似文書において、他のユーザは通常10年保存期間として設定しています。
・新しい契約書の類似文書において、他のユーザは最低5年保存期間として設定しています。
そうすることで、電子契約サービスのサーバ20は、ユーザに対し、電子データの保存期間を決定する際の参考情報を提供することができる。
【0114】
<画面例>
図11は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける画面を示す図である。
【0115】
第1のユーザの装置10は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける。例えば、第1のユーザの装置10は、ある電子データの保存期間の長さを10年と決定する入力操作を第1のユーザから受け付ける。第1のユーザの装置10は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付けた後、電子契約サービスのサーバ20へ送信する。電子契約サービスのサーバ20は、第1のユーザから受け付けた電子データの保存期間の情報を電子データのデータベース2022に記憶する。
なお、第1のユーザの装置10は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける場面において、対象となる電子データの内容を同一画面に表示させてもよい。電子データの内容は、例えば、電子データのタイトル、電子データの本文、その他電子データの書誌情報などである。第1のユーザの装置10は、対象となる電子データの内容を同一画面に表示することで、電子データの内容を表示しながら電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付けることができる。そうすることで、第1のユーザは、電子データの内容を確認しながら電子データの保存期間を判断することが可能になる。
【0116】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1100に以下の各情報を提示する。
・領域1101は、電子データの内容として、電子データのタイトル、電子データの本文、その他電子データの書誌情報などを表示する領域である。
・領域1102は、電子データの保存期間の長さの入力をユーザから受け付ける領域である。なお、領域1102の入力欄は、画面を開いた時点で、デフォルト値が入力されておいてもよい。デフォルト値は、ユーザが何も操作を行っていない場合に使用される予め組み込まれた初期値のことである。また、デフォルト値は、電子データの類型に応じて、定めることも可能である。その際、デフォルト値は、上記で記した機械学習モデルを用いた結果を用いて、デフォルト値を決定するのもよい。
・ボタン1103は、電子データの保存期間の長さの入力を決定する操作をユーザから受け付けるボタンである。
【0117】
図12は、契約相手が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報を画面に表示する例を示す図である。
【0118】
第1のユーザの装置10は、契約相手が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報を第1のユーザに対して提示する。例えば、第1のユーザの装置10は、契約相手である第2のユーザが決定した電子データの保存期間の長さが15年であるといった情報を提示する。そうすることで、第1のユーザは、契約相手が決定した電子データの保存期間の長さの情報を確認することができる。また、契約相手が決定した電子データの保存期間の長さが提示されることで、第1のユーザは、電子データの保存期間を決定する際の参考情報とすることができる。
第1のユーザの装置10は、契約相手が決定した電子データの保存期間の長さに関する表示とともに、電子データの保存期間の長さを変更する操作を受け付けるボタンを同一画面に表示してもよい。
【0119】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1200に以下の各情報を提示する。
・領域1101は、上記で説明した通りである。
・領域1201は、契約相手が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報を示す領域である。
・ボタン1202は、電子データの保存期間の長さを変更する操作を第1のユーザから受け付けるボタンである。
【0120】
図13は、契約の当事者双方が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報を画面に示す図である。
【0121】
第1のユーザの装置10は、契約の当事者双方が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報を第1のユーザに対して提示する。例えば、第1のユーザの装置10は、第1のユーザが10年として保存期間を決定し、第2のユーザが15年として保存期間を決定したことを提示する。そうすることで、第1のユーザは、契約当事者双方が決定した電子データの保存期間の長さの情報を確認することができる。そして、第1のユーザは、契約当事者双方が決定した電子データの保存期間の長さが同一であるのか、同一ではない場合、どのくらい保存期間の年数の違いがあるのかを確認することができる。
第1のユーザの装置10は、契約当事者双方が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報とともに、電子データの保存期間の長さを変更する操作を受け付けるボタンを同一画面に表示してもよい。また、この際に、第1のユーザの装置10は、契約相手が決定した電子データの保存期間の長さに関する表示と変更する操作を受け付けるボタンとともに、第1のユーザが決定した電子データの保存期間の長さの情報も同一画面に表示してもよい。そういった情報を表示することで、第1のユーザは、電子データの保存期間の長さを変更する際の参考情報にすることができる。
【0122】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1300に以下の各情報を提示する。
・領域1101は、上記で説明した通りである。
・領域1301は、契約当事者のユーザ双方が決定した電子データの保存期間の長さに関する情報を示す領域である。
・ボタン1302は、電子データの保存期間の長さを変更する操作を第1のユーザから受け付けるボタンである。
【0123】
図14は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける場面において、電子データの保存期間の参考情報を画面に示す図である。
【0124】
第1のユーザの装置10は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける場面において、電子データのデータベース2022に記憶されている電子データの保存期間の情報に基づいて、電子データの保存期間の参考情報を提示する。そうすることで、第1のユーザは、電子データの保存期間を決定する際の参考情報とすることができる。
第1のユーザの装置10は、例えば、電子データの保存期間の参考情報として、第2のモジュールで算出された以下の情報を提示する。
・電子データの保存期間の最小値
・電子データの保存期間の中央値
・電子データの保存期間の平均値
・電子データの保存期間の四分位数
・電子データの保存期間の最大値
具体的には、例えば、第1のユーザの装置10は、電子データのデータベース2022に記憶されている同一の類型の電子データの保存期間の情報に基づいた情報として、電子データの保存期間の平均値が15年であることを提示する。
第1のユーザの装置10は、保存期間の参考情報をテキストで表示してもよい。また、第1のユーザの装置10は、保存期間の参考情報を簡易的なグラフ、箱ひげ図等による視覚的にわかりやすい提示方法を用いて実現されてもよい。
【0125】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1400に以下の各情報を提示する。なお、ダイアログ画面1400は、マイページの一部を表現しているものとする。
・領域1101は、上記で説明した通りである。
・領域1102は、上記で説明した通りである。
・ボタン1103は、上記で説明した通りである。
・領域1401は、電子データの保存期間の参考情報として、同一の類型の電子データの保存期間の最小値、同一の類型の電子データの保存期間の中央値、同一の類型の電子データの保存期間の平均値などの情報を提示する領域である。
【0126】
図15は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける場面において、電子データの保存期間の入力操作をすることでの特典付与に関する情報を画面に示す図である。
【0127】
第1のユーザの装置10は、電子データの保存期間の入力操作を第1のユーザから受け付ける場面において、電子データの保存期間の入力操作をすることでの特典付与に関する情報を画面に提示する。電子データの保存期間の入力操作をすることでの特典付与は、第1のユーザに対して電子データの保存期間の入力操作を促す効果がある。
第1のユーザの装置10は、特典付与に関する説明として、例えば、以下の情報を提示する。
・電子契約サービスの利用料に関する特典。電子契約サービスの利用料に関する特典は、例えば、利用料金を一部割引するなどである。
・電子契約サービスの機能に関する特典。電子契約サービスの機能に関する特典は、例えば、電子契約サービスに関連する機能の一部を無料で使用できるなどである。
【0128】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1500に以下の各情報を提示する。
・領域1101は、上記で説明した通りである。
・領域1102は、上記で説明した通りである。
・ボタン1103は、上記で説明した通りである。
・領域1501は、電子データの保存期間の入力操作をすることでの特典付与に関する情報を提示する領域である。
【0129】
<変形例>
(1)電子データの保存期間の入力操作を受け付けるタイミング
第1のユーザの装置10は、第1のユーザから電子データの保存期間に関する入力操作を受け付ける。また、第2のユーザの装置30は、第2のユーザから電子データの保存期間に関する入力操作を受け付ける。第1のユーザの装置10、および、第2のユーザの装置30は、第1のユーザ、および、第2のユーザから以下のタイミングで電子データの保存期間の入力操作を受け付けてもよい。
・契約当事者双方の契約における合意形成が完了した後
・契約当事者のユーザが電子データのアップロードをするところから電子データを合意形成する操作までの間のいずれかのタイミング
すなわち、
図8の例では、当事者(送信者、受信者)の双方で電子データの内容を承認する操作をしたのち(例えば、契約書の内容について締結する操作を完了させたのち)、当事者の双方から、電子データの保存期間の長さを設定する例を説明している。この他、保存期間の長さを設定するタイミングとしては、電子データの内容について当事者双方によって承認をする操作を完了させる前であるとしてもよく、当事者双方で電子データの内容を承認する操作を開始するより前であるとしてもよい。
【0130】
(2)実際の保存履歴に基づいた電子データの保存期間の提案
電子契約サービスのサーバ20は、電子データのデータベース2022に記憶されている実際の電子データの保存されていた期間の情報に基づいて、電子データの保存期間の提案を行ってもよい。
また、電子データの保存期間が終了した場合、電子契約サービスのサーバ20は、電子データの保存を終了する。その場合、電子契約サービスのサーバ20は、電子データのデータベース2022に記憶されている保存期間の履歴のみを残す方法をとってもよい。具体的には、例えば、電子契約サービスのサーバ20は、項目「電子データID」、項目「保存開始日」、項目「保存終了日」の情報を残しておいてもよい。
そういった情報を表示することで、第1のユーザは、電子データの保存期間の長さを決定、および、変更する際の参考情報にすることができる。
【0131】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態、その変形は、発明の範囲、要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0132】
<付記>
以下に説明するのは、上記の各実施形態で説明した事項を付記したものである。
(付記1)
コンピュータを動作させるためのプログラムであって、コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、当事者のユーザ間で合意形成された電子データに関する情報を管理する機能を備えており、プログラムは、コンピュータのプロセッサに、合意形成された電子データについて、合意形成に関わった当事者のユーザの少なくともいずれかから、電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)と、電子データの保存期間の長さをデータベースに記憶するステップ(S8023)と、データベースに記憶されている管理されている電子データの保存期間の長さの情報に基づいて、電子データの保存期間の長さを、電子データの合意形成に関わった当事者のユーザに提示するステップ(S9013)と、を実行させる、プログラム。
【0133】
(付記2)
電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)において、電子データの閲覧権限を有するユーザから、電子データの保存期間の入力操作を受け付ける、(付記1)に記載のプログラム。
【0134】
(付記3)
電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)において、合意形成の完了後、電子データの保存期間の入力操作を受け付ける、(付記2)に記載のプログラム。
【0135】
(付記4)
電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)において、当事者のユーザが入力操作した電子データの保存期間を、契約相手に対して提示する(1201)、(付記3)に記載のプログラム。
【0136】
(付記5)
電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)において、当事者のユーザの双方から電子データの保存期間の入力操作を受け付けることにより、契約関係である当事者のユーザの双方に電子データの保存期間を提示する(1301)、(付記4)に記載のプログラム。
【0137】
(付記6)
電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)において、当事者のユーザが電子データのアップロードをするところから電子データを合意形成する操作までの間のいずれかのタイミングで、電子データの保存期間の入力操作を受け付けて、電子データの内容を閲覧可能にしつつ、当事者のユーザの双方から電子データに対して合意形成する操作を受け付ける、(付記1)に記載のプログラム。
【0138】
(付記7)
プログラムは、プロセッサに、さらに、データベースに記憶されている電子データの内容と、当事者のユーザから入力操作された電子データの保存期間とに基づいて機械学習モデルを作成するステップ(S10021)をさらに実行させ、機械学習モデルは、合意形成の対象となる電子データの入力を受けて保存期間の長さを出力するものであり、保存期間の長さをデータベースに記憶するステップ(S8024)において、合意形成の対象となった電子データを入力として機械学習モデルが出力する保存期間の長さを記憶させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0139】
(付記8)
電子データの当事者のユーザのそれぞれから保存期間の入力操作を受け付け、入力操作された保存期間が外れ値でない場合、入力操作された保存期間を機械学習モデルの教師データとするステップ(S10021)を実行させる、(付記7)に記載のプログラム。
【0140】
(付記9)
提示するステップ(S9013)において、データベースに記憶されている電子データの保存期間に基づいて、最小値、平均値、中央値、最頻値、四分位数、または、これらのいずれかの組み合わせを含むものとして、保存期間を提示する(1401)、(付記1)に記載のプログラム。
【0141】
(付記10)
提示するステップ(S9013)において、データベースに記憶されている電子データの保存期間の最大値を提示する(1401)、(付記9)に記載のプログラム。
【0142】
(付記11)
提示するステップ(S9013)において、外れ値を除いて、最小値、平均値、中央値、最頻値、四分位数のそれぞれを算出し、最小値、平均値、中央値、最頻値、四分位数、または、これらのいずれかの組み合わせを含むものとして、保存期間として提示する(1401)、(付記9)に記載のプログラム。
【0143】
(付記12)
電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)において、電子データの保存期間の入力操作を行った当事者のユーザに対し、特典を付与する(1501)、(付記1)に記載のプログラム。
【0144】
(付記13)
電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)において、特典の内容として、文書管理サービスの利用料に関する特典を付与する(1501)、(付記12)に記載のプログラム。
【0145】
(付記14)
提示するステップ(S9013)において、電子データの保存をしていた履歴に基づいて、保存期間を当事者のユーザに提示する、(付記1)に記載のプログラム。
【0146】
(付記15)
コンピュータを動作させるための方法であって、コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、当事者のユーザ間で合意形成された電子データに関する情報を管理する機能を備えており、方法は、コンピュータのプロセッサに、合意形成された電子データについて、合意形成に関わった当事者のユーザの少なくともいずれかから、電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)と、電子データの保存期間の長さをデータベースに記憶するステップ(S8023)と、データベースに記憶されている管理されている電子データの保存期間の長さの情報に基づいて、電子データの保存期間の長さを、電子データの合意形成に関わった当事者のユーザに提示するステップ(S9013)と、を実行する、方法。
【0147】
(付記16)
制御部を備える情報処理装置であって、情報処理装置は、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、当事者のユーザ間で合意形成された電子データに関する情報を管理する機能を備えており、制御部が、合意形成された電子データについて、合意形成に関わった当事者のユーザの少なくともいずれかから、電子データの保存期間の長さの入力操作を受け付けるステップ(S8012)と、電子データの保存期間の長さをデータベースに記憶するステップ(S8023)と、データベースに記憶されている管理されている電子データの保存期間の長さの情報に基づいて、電子データの保存期間の長さを、電子データの合意形成に関わった当事者のユーザに提示するステップ(S9013)と、を実行する、情報処理装置。
【符号の説明】
【0148】
1:電子契約システム、10:第1のユーザの装置、12:通信IF、13:入力装置、14:出力装置、15:メモリ、16:記憶部、19:プロセッサ、20:電子契約サービスのサーバ、22:通信IF、23:入出力IF、25:メモリ、26:ストレージ、29:プロセッサ、30:第2のユーザの装置、32:通信IF、33:入力装置、34:出力装置、35:メモリ、36:記憶部、39:プロセッサ、80:ネットワーク、111:アンテナ、121:第1無線通信部、130:操作受付部、132:ディスプレイ、140:音声処理部、141:マイク、142:スピーカー、161:契約管理情報、162:電子データ情報、191:入力操作受付部、192:送受信部、193:データ処理部、194:報知制御部、201:通信部、202:記憶部、203:制御部、311:アンテナ、321:第1無線通信部、330:操作受付部、332:ディスプレイ、340:音声処理部、341:マイク、342:スピーカー、361:契約管理情報、362:電子データ情報、391:入力操作受付部、392:送受信部、393:データ処理部、394:報知制御部、2021:契約管理のデータベース、2022:電子データのデータベース、2031:受信制御モジュール、2032:送信制御モジュール、2033:第1の作成モジュール、2034:第2の作成モジュール