(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132370
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 611A
A63F5/04 603B
A63F5/04 605B
A63F5/04 650
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043107
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】花田 泰輝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 信也
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CA10
2C182CD12
2C182CE11
2C182DA22
2C182DA25
2C182DA33
2C182DA39
2C518EA01
(57)【要約】
【課題】興趣の向上を図ることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技者が保有する遊技媒体数を管理する処理を実行可能な媒体数CPUを有する遊技媒体数制御基板から出力される制御情報には、遊技者が保有する遊技媒体数に関する保有数コマンドがある。そして、保有数コマンドには、主CPUが実行する入力処理によって入力されずに副制御基板へと出力される直通型保有数コマンドがある。このような直通型保有数コマンドが出力されることで、遊技媒体数制御基板において管理されている遊技機管理遊技媒体数の変化と、演出表示装置において表示されている遊技機管理遊技媒体数の変化と、のズレを抑制することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1制御部を有する第1制御基板と、
前記第1制御基板と双方向に通信可能であり、第2制御部を有する第2制御基板と、
前記第1制御基板から単方向に通信可能であり、第3制御部を有する第3制御基板と、
前記第3制御部によって制御可能であり、遊技者が保有する遊技媒体数に関する表示を行うことが可能な特定表示部と、を備え、
前記第2制御部は、遊技者が保有する遊技媒体数を管理する処理を実行可能であり、
前記第1制御部は、前記第2制御基板から出力される制御情報を入力する入力処理を実行可能であり、
前記第2制御基板から出力される制御信号には、遊技者が保有する遊技媒体数に関する保有制御信号があり、
前記保有制御信号には、前記第1制御部が実行する前記入力処理によって入力されずに前記第3制御基板へと出力される特定制御信号があることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2制御部によって制御可能であり、遊技者が保有する遊技媒体数に関する表示を行うことが可能な非特定表示部を備え、
遊技者に対する前記特定表示部の表示面の向きは、遊技者に対する前記非特定表示部の表示面の向きと異なる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記保有制御信号には、前記特定制御信号と、前記第1制御部が実行する前記入力処理によって入力される非特定制御信号と、があり、
前記第1制御部は、前記非特定制御信号の入力に伴って、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御可能である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の中には、特許文献1に記載された遊技機のように、入賞に伴って遊技媒体としての遊技メダル(単に、「メダル」といわれることもある)が付与されるものがある。特許文献1に記載の遊技機では、遊技機外へ遊技メダルが排出される。今日においては、遊技者が保有する遊技媒体数がデータで管理されることにより、遊技メダルが遊技機外へ排出されることがない遊技機として、所謂、メダルレス遊技機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日においては、メダルレス遊技機において適切に制御することで、興趣の向上を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、第1制御部を有する第1制御基板と、前記第1制御基板と双方向に通信可能であり、第2制御部を有する第2制御基板と、前記第1制御基板から単方向に通信可能であり、第3制御部を有する第3制御基板と、前記第3制御部によって制御可能であり、遊技者が保有する遊技媒体数に関する表示を行うことが可能な特定表示部と、を備え、前記第2制御部は、遊技者が保有する遊技媒体数を管理する処理を実行可能であり、前記第1制御部は、前記第2制御基板から出力される制御情報を入力する入力処理を実行可能であり、前記第2制御基板から出力される制御信号には、遊技者が保有する遊技媒体数に関する保有制御信号があり、前記保有制御信号には、前記第1制御部が実行する前記入力処理によって入力されずに前記第3制御基板へと出力される特定制御信号があることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】(a)は遊技機管理遊技媒体数表示部及び計数ボタンを示す図であり、(b)は情報パネルを示す図である。
【
図4】スロットマシンの電気的構成を示す図である。
【
図6】経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドが遊技媒体数制御基板から出力されてから副制御基板に入力されるまでの流れを示す図である。
【
図7】(a)及び(b)は、保有数表示演出及び掛け数表示演出が実行されたときの演出表示装置の表示内容の一例を示す図である。
【
図8】遊技者に対する遊技機管理遊技媒体数表示部の表示面の向きと、遊技者に対する演出表示装置の表示面の向きと、を示す図である。
【
図9】(a)~(c)は、メダル投入演出が実行されたときの演出表示装置の表示内容の一例を示す図である。
【
図10】(a)及び(b)は、入賞獲得演出が実行されたときの演出表示装置の表示内容の一例を示す図である。
【
図11】(a)は第1転送演出が実行されたときの演出表示装置の表示内容の一例を示す図であり、(b)は第2転送演出が実行されたときの演出表示装置の表示内容の一例を示す図であり、(c)は特別転送演出が実行されたときの演出表示装置の表示内容の一例を示す図である。
【
図12】保有数画像が秘匿態様で表示されたときの演出表示装置の表示内容の一例を示す図である。
【
図13】(a)~(g)は、遊技機管理遊技媒体数の変化に伴う演出表示装置の表示内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、遊技機の一種であるスロットマシン(所謂、回胴式遊技機)の実施形態について説明する。本明細書において、上、下、左、右、前(正面)、後の各方向は、スロットマシンで遊技を行う遊技者から見たときの各方向を指すものとする。
【0009】
図1に示すように、島設備(遊技島)において、遊技機としてのスロットマシン10(以下、遊技機10と示す)は、管理装置の一種である管理ユニット100と並ぶように設置される。つまり、管理ユニット100は、遊技機10に併設される。管理ユニット100は、遊技機10と通信可能に接続される。
【0010】
ここで、管理ユニット100について説明する。
管理ユニット100は、管理媒体を挿入可能な管理媒体挿入部101を備える。例えば、管理媒体は、ICカード又はICコインといったデータ記憶媒体である。管理媒体は、投入金の残額及び管理ユニット100が管理可能な遊技者が保有する遊技媒体の数を記憶可能である。以下の説明では、「管理ユニット100が管理可能な遊技者が保有する遊技媒体の数」を「ユニット管理遊技媒体数」と示す。遊技媒体は、遊技機10において、遊技を行うために用いられる。ユニット管理遊技媒体数は、管理ユニット100が管理するデータである。管理媒体は、遊技者の個人情報を記憶可能であってもよい。管理ユニット100は、現金としての紙幣を投入可能な現金投入部102を備える。現金投入部102へ投入された金額は、管理媒体に記憶された投入金の残額に加算される。
【0011】
管理ユニット100は、貸出操作部103を備える。貸出操作部103は、管理媒体に記憶された投入金の残額に基づいて、遊技機10が管理可能な遊技者が保有する遊技媒体の数を増加させるときに操作される。以下の説明では、「遊技機10が管理可能な遊技者が保有する遊技媒体の数」を「遊技機管理遊技媒体数」と示す。遊技機管理遊技媒体数は、遊技機10が管理するデータである。管理ユニット100は、払出操作部104を備える。払出操作部104は、ユニット管理遊技媒体数に基づいて、遊技機管理遊技媒体数を増加させるときに操作される。管理ユニット100は、返却操作部105を備える。返却操作部105は、管理ユニット100に挿入された管理媒体の返却を受けるときに操作される。管理ユニット100は、ユニット管理遊技媒体数表示部106を備える。ユニット管理遊技媒体数表示部106には、ユニット管理遊技媒体数を特定可能な表示情報(例えば、アラビア数字を含む文字情報)が表示される。管理ユニット100は、残額表示部107を備える。残額表示部107には、投入金の残額を特定可能な表示情報(例えば、アラビア数字を含む文字情報)が表示される。
【0012】
管理ユニット100は、ユニット制御基板110を備える。ユニット制御基板110は、機外部にある外部機器の一例である。ユニット制御基板110は、ユニットCPU110aと、ユニットROM110bと、ユニットRWM110cと、を備える。ユニットCPU110aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の制御を行う。ユニットROM110bは、管理ユニット制御プログラムを記憶している。ユニットRWM110cは、管理ユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、ユニットRWM110cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。ユニット制御基板110は、遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子110dを備える。
【0013】
ユニット制御基板110は、管理媒体挿入部101と接続される。ユニットCPU110aは、管理媒体挿入部101に挿入された管理媒体の記憶内容を書き換え可能に構成される。ユニット制御基板110は、現金投入部102と接続される。ユニットCPU110aは、現金投入部102に現金が投入されたときに出力される投入信号を入力可能に構成される。投入信号は、現金投入部102への投入金額を特定可能な信号である。ユニット制御基板110は、貸出操作部103と接続される。ユニットCPU110aは、貸出操作部103が操作されたときに出力される貸出信号を入力可能に構成される。ユニット制御基板110は、払出操作部104と接続される。ユニットCPU110aは、払出操作部104が操作されたときに出力される払出信号を入力可能に構成される。ユニット制御基板110は、返却操作部105と接続される。ユニットCPU110aは、返却操作部105が操作されたときに出力される返却信号を入力可能に構成される。ユニット制御基板110は、ユニット管理遊技媒体数表示部106と接続される。ユニットCPU110aは、ユニット管理遊技媒体数表示部106の表示内容を制御可能に構成される。ユニット制御基板110は、残額表示部107と接続される。ユニットCPU110aは、残額表示部107の表示内容を制御可能に構成される。ユニット制御基板110は、通信端子110dを介して遊技機10と接続される。ユニットCPU110aは、遊技機10が出力する各種の制御情報(制御信号)を入力可能に構成される。ユニットCPU110aは、遊技機10に対して各種の制御情報(制御信号)を出力可能に構成される。
【0014】
管理ユニット100は、遊技機10及び管理ユニット100とは別に用意された外部管理機器と接続するための外部通信端子を備えていてもよい。例えば、外部管理機器は、遊技店に設置されたホールコンピュータであってもよい。例えば、外部管理機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータであってもよい。管理コンピュータ及び管理ユニット100は、双方向に通信可能に接続されていてもよい。
【0015】
管理ユニット100において行われる処理について説明する。
ユニットCPU110aは、管理媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された投入金の残額を読み出し、読み出した投入金の残額を特定可能な残額情報に更新する。残額情報は、投入金の残額を特定可能な情報であり、ユニットRWM110cに記憶されている。ユニットCPU110aは、管理媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶されたユニット管理遊技媒体数を読み出し、読み出したユニット管理遊技媒体数を特定可能なユニット管理遊技媒体数情報に更新する。ユニット管理遊技媒体数情報は、ユニット管理遊技媒体数を特定可能な情報であり、ユニットRWM110cに記憶されている。
【0016】
管理媒体が挿入されている場合、ユニットCPU110aでは、以下に説明する処理が行われる。
ユニットCPU110aは、投入信号を入力すると、投入信号から特定可能な投入金額を投入金の残額に加算し、残額情報を更新する。ユニットCPU110aは、投入金の残額が規定額(例えば、1000円)以上であるときに貸出信号を入力すると、遊技媒体の貸出を特定可能な制御情報(以下、貸出コマンドと示す)を遊技機10へ出力する。このとき、ユニットCPU110aは、規定額に対応する数(例えば、50)の遊技媒体の貸出を特定可能な貸出コマンドを遊技機10へ出力する。一方、ユニットCPU110aは、投入金の残額が規定額未満であるとき、貸出信号を入力したとしても、貸出コマンドを遊技機10へ出力しない。ユニットCPU110aは、ユニット管理遊技媒体数が所定数(例えば、50)以上であるときに払出信号を入力すると、所定数の遊技媒体の貸出を特定可能な貸出コマンドを遊技機10へ出力する。ユニットCPU110aは、ユニット管理遊技媒体数が所定数未満であって1以上であるときに払出信号を入力すると、ユニット管理遊技媒体数として記憶されている数の遊技媒体の貸出を特定可能な貸出コマンドを遊技機10へ出力する。ユニットCPU110aは、ユニット管理遊技媒体数が0であるとき、払出信号を入力したとしても、貸出コマンドを遊技機10へ出力しない。貸出コマンドを出力した場合、ユニットCPU110aは、ユニット管理遊技媒体数から貸出コマンドによって貸出を指示した数を差し引いた数を特定可能なユニット管理遊技媒体数情報に更新する。
【0017】
ユニットCPU110aは、遊技機10から計数情報コマンドを入力すると、計数情報コマンドから特定可能な数をユニット管理遊技媒体数に加算し、加算後のユニット管理遊技媒体数を特定可能なユニット管理遊技媒体数情報に更新する。詳しくは後述するが、計数情報コマンドは、遊技機10から管理ユニット100へと管理を移管する遊技媒体の数を特定可能な制御情報に相当する。
【0018】
ユニットCPU110aは、ユニット管理遊技媒体数情報から特定可能なユニット管理遊技媒体数を特定可能な表示情報を表示するように、ユニット管理遊技媒体数表示部106を制御する。ユニット管理遊技媒体数情報が更新された場合には、ユニット管理遊技媒体数表示部106の表示内容が更新されることとなる。ユニットCPU110aは、残数情報から特定可能な投入金の残額を特定可能な表示情報を表示するように、残額表示部107を制御する。残数情報が更新された場合には、残額表示部107の表示内容が更新されることとなる。
【0019】
以下、遊技機10について説明する。
本実施形態における遊技機10は、物理的な遊技媒体(例えば、遊技メダル)を用いて遊技を行うことができずに、電磁的な遊技媒体を用いて遊技を行うことができる遊技機(所謂、メダルレス遊技機)である。電磁的な遊技媒体は、電子的な遊技媒体と捉えることもできる。電磁的な遊技媒体を用いて遊技を行うとは、データで管理された遊技媒体を用いて遊技を行うことに相当する。遊技機10は、物理的な遊技媒体を検知可能なセンサを有する装置(例えば、セレクタ)を備えない。遊技機10は、物理的な遊技媒体を機内部へ投入可能な投入口を備えない。遊技機10は、物理的な遊技媒体を貯留可能であるとともに、貯留している遊技媒体を排出可能な装置(例えば、ホッパーユニット)を備えない。遊技機10は、物理的な遊技媒体を機外へ排出するための払出口を備えない。遊技機10は、遊技者が保有する遊技媒体の数(遊技機管理遊技媒体数)をデータで管理することが可能である。つまり、遊技機10は、遊技者が保有する遊技媒体数をデータで管理可能に構成されている。遊技機10は、遊技媒体を消費することによって遊技を行うことが可能である。遊技機10は、遊技媒体の貸出数及び遊技媒体の獲得数に基づいて、遊技機管理遊技媒体数をデータとして管理する。遊技媒体の貸出数は、管理ユニット100から遊技機10へ貸し出された遊技媒体の数である。つまり、遊技媒体の貸出数は、遊技者に貸し出された遊技媒体の数であるといえる。遊技媒体の獲得数は、遊技を行ったことに伴って遊技者が獲得した遊技媒体(例えば、賞として付与された遊技媒体)の数である。このように、遊技機10は、遊技者が遊技を行うのに際し、物理的な遊技媒体に触れることがないように構成される。
【0020】
図1に示すように、遊技機10は、四角箱状の本体キャビネット11を備えている。本体キャビネット11は、前面に、図示しない開口部を備えている。遊技機10は、本体キャビネット11の開口部を覆っている前面扉12を備えている。扉部材としての前面扉12は、本体キャビネット11に対して開閉可能に支持されている。遊技機10は、施錠部SJを備える。遊技機10では、施錠部SJによって前面扉12の開放が規制されている。遊技機10では、例えば、遊技場の管理者が管理する鍵を用いて施錠部SJを右回りに操作することで解錠され、前面扉12を開放させることができる。
【0021】
遊技機10は、前面扉12に、例えば、発光体を点灯、消灯又は点滅させる演出を実行可能な発光手段としての装飾ランプ13を備えている。遊技機10は、前面扉12に、例えば、効果音や楽曲、音声などの音を出力する演出を実行可能な音出力手段としてのスピーカ14を備えている。遊技機10は、前面扉12に、例えば、キャラクタや文字などを模した画像を表示する演出を実行可能な表示手段としての演出表示装置15を備えている。演出表示装置15としては、例えば、液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイなどを採用できる。演出表示装置15は、所定の表示面15aを有する。演出表示装置15において画像が表示される側の表面が、演出表示装置15の表示面15aとなる。本実施形態では、装飾ランプ13、スピーカ14及び演出表示装置15のうち一部又は全部の演出装置が演出実行手段に相当する。遊技機10は、前面扉12の前面であって、且つ、演出表示装置15の下方に、略四角形の表示窓12aを備えている。表示窓12aは、例えば、無色透明の樹脂材料製である。
【0022】
遊技機10は、リールユニット16を備える。リールユニット16は、表示窓12aを介して(通じて)遊技者が視認できるように、機内部に配設されている。リールユニット16は、左リール16a(第1リール)、中リール16b(第2リール)及び右リール16c(第3リール)を備える。リール16a~16cは、ドラムとも称される回胴である。このように、遊技機10は、複数のリールを備える。リール16a~16cは、その外周面に沿って、複数の図柄が識別可能に配列されている図柄列をそれぞれ備える。図柄列は、複数の図柄を長手方向に沿って印刷した帯状の透光性フィルムを、リール16a~16cの外側に巻き付けることにより設けられている。リール16a~16cの図柄列には、それぞれ21個の図柄が含まれている。図柄には、複数種類の図柄がある。例えば、複数種類の図柄には、チェリーを模したチェリー図柄、スイカを模したスイカ図柄、ベルを模したベル図柄、赤色の「7」を模した赤セブン図柄、「7」を模した白セブン図柄及び「REPLAY」の文字を模したリプレイ図柄が含まれる。このように、リール16a~16cは、複数の図柄をそれぞれ有している。
【0023】
リールユニット16は、左リール16aを駆動させるアクチュエータ、中リール16bを駆動させるアクチュエータ、及び、右リール16cを駆動させるアクチュエータを備える。リール16a~16c駆動させるアクチュエータとしては、例えば、ステッピングモータを採用できる。リール16a~16cは、それぞれに対応して設けられたアクチュエータによって、相互に独立して、縦方向に回転及び停止が可能である。遊技機10では、リール16a~16cが回転すると、表示窓12aを介して視認可能な図柄列(複数種類の図柄)が変動され、変動ゲームが実行される。例えば、図柄列の変動は、図柄列が上方から下方に向かって縦方向にスクロール表示される態様により行われる。このように、遊技機10は、変動ゲームを実行可能に構成されている。リールユニット16は、左リール16aの回転位置を検出するための左リールセンサSE1、中リール16bの回転位置を検出するための中リールセンサSE2、及び、右リール16cの回転位置を検出するための右リールセンサSE3を備える(
図4に示す)。
【0024】
表示窓12aは、リール16a~16cにおいて周方向に連続している3つの図柄を表示可能な大きさである。表示窓12aには、リール16a~16c毎に、上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置が設定されている。リールの回転が停止した場合に上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置の各停止位置には、1つの図柄が停止して表示される。そして、遊技機10では、表示窓12aを介して各停止位置に停止された図柄を視認することができ、表示窓12aに図柄が表示される。つまり、リール16a~16cのうち一部又は全部のリールの回転が停止している場合には、回転が停止しているリールが有する複数の図柄のうち少なくとも上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置に停止される計3つの図柄を、表示窓12aを介して視認することが可能である。遊技機10では、リール16a~16c毎に設定された3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組み合わせによって、停止された図柄組み合わせを入賞と判定し得る有効な停止位置の組み合わせが設定されている。以下の説明では、有効な停止位置の組み合わせを構成する複数の停止位置を結んだラインを、単に「有効ラインYL」と示す。本実施形態では、リール16a~16cの各中段停止位置によって、有効ラインYL(有効な停止位置の組み合わせ)が構成されている。有効ラインYLは、入賞ラインともいわれる。
【0025】
ここで、図柄について「停止」とは、図柄が表示窓12a内、即ち上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置の何れかに停止され、遊技者に視認可能に表示されることを意味する。また、「入賞」とは、賞が定められた図柄組み合わせが有効ラインYL上に表示されることを意味している。遊技機10では、入賞が発生すると、当該入賞した図柄組み合わせに定められた賞が付与される。なお、有効な停止位置の組み合わせ以外の組み合わせは、表示された図柄組み合わせを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組み合わせ(所謂、無効ライン)となる。以下、「変動ゲームにて導出されるゲーム結果」とは、変動ゲームにおいて有効ラインYL上に停止される図柄組み合わせに相当する。
【0026】
遊技機10は、前面扉12の前面に、1ベットボタン17を備える。1ベットボタン17は、操作することによって、遊技機管理遊技媒体数の中から掛け数を設定することが可能な操作手段に相当する。具体的に、掛け数が上限数(本実施形態では、3)に達していないときであって、遊技機管理遊技媒体数が1以上であるとき、1ベットボタン17を1回操作した場合には、遊技機管理遊技媒体数を1減少させ、掛け数を1増加させることができる。なお、掛け数が上限数に達しているときにおいて1ベットボタン17を操作した場合には、掛け数を増加させることができない。遊技機管理遊技媒体数が0であるときにおいて1ベットボタン17を操作した場合には、掛け数を増加させることができない。
【0027】
遊技機10は、前面扉12の前面に、MAXベットボタン18を備える。MAXベットボタン18は、操作することによって、遊技機管理遊技媒体数の中から掛け数を設定することが可能な操作手段に相当する。具体的に、掛け数が上限数に達していないときであって、当該掛け数と遊技機管理遊技媒体数が上限数以上であるとき、MAXベットボタン18を1回操作した場合には、掛け数が上限数に達するまでの残り数だけ遊技機管理遊技媒体数から減少させ、掛け数を上限数まで増加させることができる。なお、掛け数が上限数に達しているときにおいてMAXベットボタン18を操作した場合には、掛け数を増加させることができない。掛け数が上限数に達していないときであっても、掛け数と遊技機管理遊技媒体数が上限数未満であるときにおいてMAXベットボタン18を操作した場合には、掛け数を増加させることができない。
【0028】
遊技機10は、前面扉12の前面に、操作可能な精算操作手段としての精算ボタン19を備える。精算ボタン19は、操作することによって、設定されている掛け数を遊技機管理遊技媒体数に払い戻すことが可能な操作手段に相当する。具体的に、掛け数が1以上であるときにおいて、精算ボタン19を操作した場合には、掛け数が0となるように減少させ、減少させた数だけ遊技機管理遊技媒体数を増加させることができる。
【0029】
遊技機10は、前面扉12の前面に、開始操作部としてのスタートレバー20を備える。スタートレバー20は、リール16a~16cの回転を開始させる開始操作をするための手段である。即ち、開始操作の受付は、変動ゲームを開始させる契機となる。スタートレバー20は、変動ゲームを開始させるときに操作する操作手段である。スタートレバー20は、遊技者が操作することができる。遊技機10では、開始操作に基づき変動ゲームが開始される。
【0030】
遊技機10は、前面扉12の前面に、左ストップボタン21(第1ストップボタン)を備える。左ストップボタン21は、左リール16aと対応しており、左リール16aの回転を停止させる停止操作をするための操作手段である。遊技機10は、前面扉12の前面に、中ストップボタン22(第2ストップボタン)を備える。中ストップボタン22は、中リール16bと対応しており、中リール16bの回転を停止させる停止操作をするための操作手段である。遊技機10は、前面扉12の前面に、右ストップボタン23(第3ストップボタン)を備える。右ストップボタン23は、右リール16cと対応しており、右リール16cの回転を停止させる停止操作をするための操作手段である。ストップボタン21~23は、遊技者が操作することができる。ストップボタン21~23は、複数の図柄列と各別に対応している。ストップボタン21~23は、それぞれ停止操作部に相当する。このように、遊技機10は、ストップボタンが操作されたことを契機としてリールの回転を停止させることが可能に構成されている。また、回転中のリールを停止させるストップボタンの操作は、停止操作といえる。遊技機10では、停止操作に基づきリールの回転が停止する。以上のように、遊技機10は、複数のリール16a~16cにそれぞれ対応する複数の停止操作手段としてのストップボタン21~23を備える。以下の説明では、ストップボタン21~23のうち最初の停止操作を第1停止操作と示し、2番目の停止操作を第2停止操作と示し、3番目の停止操作を第3停止操作と示す場合がある。
【0031】
ストップボタン21~23の操作順序(以下、押し順と示す)には、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作を行うストップボタンを異ならせた押し順として、第1押し順~第6押し順の全6通りがある。第1押し順は、左リール16a→中リール16b→右リール16cの順に回転が停止されるように、ストップボタン21~23を操作する押し順である。第2押し順は、左リール16a→右リール16c→中リール16bの順に回転が停止されるように、ストップボタン21~23を操作する押し順である。第3押し順は、中リール16b→左リール16a→右リール16cの順に回転が停止されるように、ストップボタン21~23を操作する押し順である。第4押し順は、中リール16b→右リール16c→左リール16aの順に回転が停止されるように、ストップボタン21~23を操作する押し順である。第5押し順は、右リール16c→左リール16a→中リール16bの順に回転が停止されるように、ストップボタン21~23を操作する押し順である。第6押し順は、右リール16c→中リール16b→左リール16aの順に回転が停止されるように、ストップボタン21~23を操作する押し順である。
【0032】
図2(a)に示すように、遊技機10は、遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を表示する遊技機管理遊技媒体数表示部27を備える。遊技機管理遊技媒体数表示部27は、複数の7セグメント表示器によって構成されている。遊技機管理遊技媒体数表示部27を構成する複数の7セグメント表示器は、並ぶように配置されている。本実施形態における遊技機管理遊技媒体数表示部27は、5つの7セグメント表示器によって構成されている。そして、本実施形態では、遊技機管理遊技媒体数表示部27を構成する5つの7セグメント表示器により、00000~99999の十進法による5桁の数字を表示することが可能である。遊技機管理遊技媒体数表示部27は、所定の表示面27aを有する。遊技機管理遊技媒体数表示部27を構成する複数の7セグメント表示器の表面が、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aとなる。
【0033】
遊技機10は、遊技者が操作可能な計数ボタン28を備える。計数ボタン28は、転送操作手段に相当する。計数ボタン28が操作された場合には、遊技機管理遊技媒体数として遊技機10において管理されている遊技媒体の一部又は全部が、管理ユニット100において管理される。このように、遊技機10は、計数ボタン28が操作された場合には、遊技者が保有する遊技媒体が遊技機10から管理ユニット100へと転送されることとなる。即ち、本実施形態は、転送操作手段が操作された場合には、遊技者が保有する遊技媒体数が遊技機外に転送されるように構成されている。詳しくは後述するが、遊技機10では、計数ボタン28の操作態様によって、一度に転送される遊技媒体の数が異なる。
【0034】
図2(b)に示すように、遊技機10は、情報パネル30を備える。情報パネル30は、リプレイ表示部31と、ウェイト表示部32と、有利区間表示部33と、掛け数表示部34と、払出表示部35と、を有する。
【0035】
リプレイ表示部31は、再遊技が作動中であるか否かを特定可能な表示情報を表示する。具体的に、リプレイ表示部31は、再遊技が作動中であるときに点灯する一方、再遊技が作動中ではないときに消灯する。なお、再遊技については、後述する。ウェイト表示部32は、ウェイトタイム中であるか否かを特定可能な表示情報を表示する。具体的に、ウェイト表示部32は、ウェイトタイム中であるときに点灯する一方、ウェイトタイム中ではないときに消灯する。有利区間表示部33は、有利区間に制御されているか否かを特定可能な表示情報を表示する。具体的に、有利区間表示部33は、有利区間に制御されているときに点灯する一方、有利区間に制御されていないときに消灯する。有利区間表示部33は、有利区間のうち一部の区間に制御されているときに点灯するようにしてもよい。つまり、有利区間表示部33は、有利区間のうち少なくとも一部の区間に制御されているときに点灯するようにしてもよい。
【0036】
掛け数表示部34は、設定されている掛け数(ベット数)を特定可能な情報を表示する。具体的に、掛け数表示部34は、3つの発光体によって構成されている。掛け数が1である場合には、掛け数表示部34を構成する発光体のうち1つの発光体が点灯し、残り2つの発光体が消灯する。掛け数が2である場合には、掛け数表示部34を構成する発光体のうち2つの発光体が点灯し、残り1つの発光体が消灯する。掛け数が3である場合には、掛け数表示部34を構成する全ての発光体が点灯する。このように、掛け数表示部34では、掛け数に対応する発光体が点灯する。
【0037】
払出表示部35は、複数の7セグメント表示器によって構成されている。払出表示部35を構成する複数の7セグメント表示器は、並ぶように配置されている。本実施形態における払出表示部35は、2つの7セグメント表示器によって構成されている。そして、本実施形態では、払出表示部35を構成する2つの7セグメント表示器により、00~99の十進法による2桁の数字を表示することが可能である。
【0038】
次に、賞が定められた図柄組み合わせについて説明する。
賞が定められた図柄組み合わせとは、「役」ともいわれる。賞が定められた図柄組み合わせ(役)には、賞として遊技媒体の払い出しを定めた図柄組み合わせ(払出役)及び賞として再遊技を定めた図柄組み合わせ(再遊技役)がある。再遊技は、遊技媒体を掛ける必要がなく次の変動ゲームを開始できることである。再遊技役は、リプレイ役ともいわれる。払出役には、例えば、チェリー役、スイカ役、ベル役及び一枚役がある。
【0039】
チェリー役には、賞として所定数(本実施形態では、3枚)の遊技媒体の払い出しが定められている。以下の説明において、チェリー役が入賞する場合に有効ラインYL上に停止される図柄組み合わせを「チェリー停止目」と示す。スイカ役には、賞として所定数(本実施形態では、5枚)の遊技媒体の払い出しが定められている。以下の説明において、スイカ役が入賞する場合に有効ラインYL上に停止される図柄組み合わせを「スイカ停止目」と示す。ベル役には、賞として所定数(本実施形態では、15枚)の遊技媒体の払い出しが定められている。以下の説明において、ベル役が入賞する場合に有効ラインYL上に停止される図柄組み合わせを「ベル停止目」と示す。一枚役には、賞として所定数(本実施形態では、1枚)の遊技媒体の払い出しが定められている。以下の説明において、一枚役が入賞する場合に有効ラインYL上に停止される図柄組み合わせを「ベルこぼし停止目」と示す。なお、払い出される遊技媒体の数とは、遊技者に付与された遊技媒体の数に相当し、遊技機管理遊技媒体数に加算される遊技媒体の数に相当する。再遊技役には、賞として再遊技が定められている。以下の説明において、再遊技役が入賞する場合に有効ラインYL上に停止される図柄組み合わせを「再遊技停止目」と示す。
【0040】
遊技機10は、遊技状態を制御可能に構成されている。
図3に示すように、遊技機10における遊技状態は、複数種類ある。具体的に、遊技機10における遊技状態には、第1通常状態、第2通常状態、第1有利状態及び第2有利状態がある。以下の説明では、第1通常状態及び第2通常状態を纏めて通常状態という場合があり、第1有利状態及び第2有利状態を纏めて有利状態という場合がある。具体的には後述するが、有利状態は、通常状態に比して、有利な遊技状態である。
【0041】
遊技機10では、第1通常状態であるときに、有利区間への移行が決定されると、第2通常状態へ移行する。遊技機10では、第2通常状態であるときに、第1有利状態への移行が決定されると、第1有利状態へ移行する。そして、遊技機10では、第1有利状態の終了条件が成立するときにおいて、移行条件が成立しない場合(
図3では、不成立と示す)、有利区間が終了し、第1通常状態へ移行する。一方、遊技機10では、第1有利状態の終了条件が成立するときにおいて、移行条件が成立する場合、第2通常状態へ移行する。なお、遊技機10では、第1有利状態において実行された変動ゲームの回数が規定回数に相当する「30回」に達した場合、第1有利状態の終了条件が成立する。遊技機10では、第2有利状態から第1有利状態へ移行している場合、又は、第2通常状態から第1有利状態へ移行した場合において第2有利状態へ移行することが抽選によって決定された場合、移行条件が成立し、第1有利状態の終了後に第2有利状態へ移行する。遊技機10では、第2有利状態に滞在可能な変動ゲームの残り回数に相当する滞在残回数が0に達した場合、有利区間が終了し、第1通常状態へ移行する。その他、遊技機10では、有利区間であるときに、有利区間の終了条件が成立した場合、有利区間が終了し、第1通常状態へ移行する。遊技機10では、有利区間における変動ゲームの実行回数が上限滞在回数に相当する「1500回」に達した場合、又は、有利区間において付与された遊技媒体の数が上限付与数に相当する「2400枚」に達した場合、有利区間の終了条件が成立する。
【0042】
遊技機10は、演出状態(演出モード)を制御可能に構成されている。
遊技機10における演出状態は、複数種類ある。具体的に、遊技機10における演出状態には、通常演出状態、擬似ボーナス演出状態及び有利演出状態がある。通常演出状態は、主に、通常状態であるときに滞在する演出状態である。擬似ボーナス演出状態は、主に、第1有利状態であるときに滞在する演出状態である。有利演出状態は、主に、第2有利状態であるときに滞在する演出状態である。各演出状態では、滞在中の演出状態を識別可能な演出状態識別情報が報知される。滞在中の演出状態とは、制御されている演出状態に相当する。遊技機10では、例えば、演出状態の種類毎に異なる背景画像を演出表示装置15に表示させたり、演出状態の種類毎に異なる発光色で装飾ランプ13を発光させたり、演出状態の種類毎に異なる背景音(所謂、BGM)をスピーカ14から出力させたりして、演出状態識別情報を報知する。演出状態識別情報を報知することで、遊技者は、滞在中の演出状態の種類を認識することができる。
【0043】
遊技機10では、例えば、賞が定められた図柄組み合わせを有効ラインYL上に停止させるためのストップボタンの操作態様を示唆又は報知する操作関連演出(以下、ナビ演出と示す)が実行される。ナビ演出において示唆又は報知されるストップボタンの操作態様には、ストップボタンの押し順及びストップボタンの操作タイミングが含まれる。ストップボタンの操作タイミングは、所謂、目押し位置を意味する。ナビ演出は、操作ナビゲーション演出や、押し順ナビゲーション演出(押し順ナビ)ともいわれる。
【0044】
遊技機10では、通常演出状態であるとき、遊技者にとって有利な内容でナビ演出が実行されない。一方、遊技機10では、擬似ボーナス演出状態であるとき及び有利演出状態であるとき、遊技者にとって有利な内容でナビ演出が実行される。即ち、擬似ボーナス演出状態であるとき及び有利演出状態であるときは、通常演出状態であるときに比して、遊技者にとって有利な内容でナビ演出が実行される割合が高い。なお、遊技機10では、通常演出状態であるときにナビ演出は実行されず、擬似ボーナス演出状態であるとき及び有利演出状態であるときにナビ演出が実行される。即ち、遊技機10では、擬似ボーナス演出状態であるとき及び有利演出状態であるとき、通常演出状態であるときに比して、ナビ演出が実行される割合が高い。このため、有利状態において制御される擬似ボーナス演出状態及び有利演出状態は、通常状態において制御される通常演出状態よりも有利な演出状態といえる。擬似ボーナス演出状態及び有利演出状態は、通常演出状態よりも有利な演出状態といえる。擬似ボーナス演出状態及び有利演出状態は、所謂、「アシストタイム(AT)」となる。したがって、有利状態は、通常状態に比して、有利である。
【0045】
次に、遊技機10の電気的構成を説明する。
図4に示すように、遊技機10は、主制御部としての主制御基板40を備える。主制御基板40は、変動ゲームに係る処理を行う。主制御基板40は、制御情報を出力する。制御情報は、制御信号又は制御コマンドともいわれる。遊技機10は、副制御部としての副制御基板50を備える。副制御基板50は、主制御基板40から入力する制御情報に基づいて処理を行う。遊技機10は、遊技媒体数制御基板60を備える。遊技媒体数制御基板60は、主制御基板40から入力する制御情報に基づいて処理を行う。遊技媒体数制御基板60は、制御情報を出力する。
【0046】
主制御基板40及び遊技媒体数制御基板60は、双方向に通信を行うことが可能に接続される。主制御基板40は、遊技媒体数制御基板60へ制御情報を出力する。遊技媒体数制御基板60は、主制御基板40へ制御情報を出力する。このように、第1制御基板としての主制御基板40は、第2制御基板としての遊技媒体数制御基板60と双方向に通信可能である。換言すると、第2制御基板としての遊技媒体数制御基板60は、第1制御基板としての主制御基板40と双方向に通信可能である。
【0047】
主制御基板40及び副制御基板50は、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に通信を行うことが可能に接続されている。主制御基板40は、副制御基板50へ制御情報を出力する。一方、副制御基板50は、主制御基板40へ制御情報を出力しない。このように、第3制御基板としての副制御基板50は、第1制御基板としての主制御基板40から単方向に通信可能である。
【0048】
遊技機10と管理ユニット100が遊技機10に設けられた接続端子板90を介して接続されている場合、遊技機10の遊技媒体数制御基板60及び管理ユニット100のユニット制御基板110は、双方向に通信を行うことが可能に接続される。遊技機10と管理ユニット100が接続端子板90を介して接続されている場合、遊技媒体数制御基板60は、管理ユニット100へ制御情報を出力する。遊技機10と管理ユニット100が接続端子板90を介して接続されている場合、管理ユニット100は、遊技媒体数制御基板60へ制御情報を出力する。
【0049】
まず、主制御基板40について説明する。
主制御基板40は、第1制御部としての主CPU41と、主ROM42と、主RWM43と、を備える。本実施形態において、第1制御基板としての主制御基板40は、第1制御部としての主CPU41を有する。主CPU41は、主制御プログラムを実行することにより、各種の処理を行う。例えば、主CPU41は、入力処理を実行することにより、遊技媒体数制御基板60から出力される制御情報を入力することが可能である。このように、第1制御部としての主CPU41は、第2制御基板としての遊技媒体数制御基板60から出力される制御情報を入力する入力処理を実行可能である。主ROM42は、主制御プログラム、及び、所定の抽選に用いられる判定値などを記憶している。主RWM43は、遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主RWM43が記憶する情報には、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどがある。主制御基板40は、乱数を生成可能に構成されている。乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0050】
主制御基板40には、リールセンサSE1~SE3が接続されている。主CPU41は、図示しないポートを介して、各種のリールセンサSE1~SE3が出力する検知信号を入力可能に構成されている。主CPU41は、入力処理を行うことにより、各種のリールセンサSE1~SE3が出力する検知信号を入力することができる。主制御基板40には、リール16a~16cの各アクチュエータが接続されている。主CPU41は、図示しない駆動回路を介して、リール16a~16cの各アクチュエータの動作を制御可能に構成されている。
【0051】
主制御基板40には、1ベットボタン17、MAXベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20及びストップボタン21~23が接続されている。主CPU41は、図示しないポートを介して、1ベットボタン17、MAXベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20及びストップボタン21~23が出力する検知信号を入力可能に構成されている。主CPU41は、入力処理を行うことにより、1ベットボタン17、MAXベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20及びストップボタン21~23が出力する検知信号を入力することができる。主制御基板40には、情報パネル30が接続されている。主CPU41は、図示しない駆動回路を介して、情報パネル30の表示内容を制御可能に構成されている。
【0052】
ここで、主ROM42に記憶されている抽選テーブルのうち、複数ある当選番号の中から当選番号を決定するための内部抽選に用いられる役抽選テーブルと上記当選番号について説明する。なお、当選番号を決定するための内部抽選は、「役抽選」である。役抽選において決定される当選番号は、条件装置組み合わせともいわれる。このため、役抽選は、「条件装置組み合わせ抽選」ともいえる。以下の説明では、「役抽選にて所定の当選番号が決定される」ことを「役抽選にて所定の当選番号に当選する」と示したり、「役抽選にて決定される当選番号」を「当選した当選番号」と示したりする場合がある。
【0053】
当選番号は、変動ゲームにおいて導出(表示)可能な図柄組み合わせとして、1つ又は複数の図柄組み合わせが定められた制御情報である。即ち、当選番号は、変動ゲームにおいて入賞が可能な役として、1つ又は複数の役が定められた条件装置識別子である。当選番号には、例えば、チェリー役の入賞を許容する当選番号、スイカ役の入賞を許容する当選番号、ベル役の入賞を許容する当選番号及び再遊技役の入賞を許容する当選番号が含まれている。ベル役の入賞を許容する当選番号の中には、ベル役に加えて一枚役の入賞を許容する当選番号がある。ベル役及び一枚役の入賞を許容する当選番号には、ベル役を入賞させるためのストップボタンの操作順序と、一枚役を入賞させるためのストップボタンの操作順序と、が異なる当選番号が含まれている。例えば、ベル役及び一枚役の入賞を許容する当選番号には、所定の操作順序でストップボタンが操作された場合にはベル役が入賞する一方、所定の操作順序とは異なる操作順序でストップボタンが操作された場合には一枚役が入賞する当選番号が含まれている。
【0054】
以下の説明において、役抽選にてチェリー役の入賞を許容する当選番号に当選した場合を「チェリー役の入賞が許容された場合」と示す。なお、チェリー役の入賞が許容された場合とは、役抽選の抽選結果が「チェリー役の入賞を許容する抽選結果」であることに相当する。以下の説明において、役抽選にてスイカ役の入賞を許容する当選番号に当選した場合を「スイカ役の入賞が許容された場合」と示す。なお、スイカ役の入賞が許容された場合とは、役抽選の抽選結果が「スイカ役の入賞を許容する抽選結果」であることに相当する。以下の説明において、役抽選にてベル役の入賞を許容する当選番号に当選した場合を「ベル役の入賞が許容された場合」と示す。なお、ベル役の入賞が許容された場合とは、役抽選の抽選結果が「ベル役の入賞を許容する抽選結果」であることに相当する。ベル役の入賞を許容する当選番号には、ベル役及び一枚役の入賞を許容する当選番号も含まれる。以下の説明において、役抽選にて再遊技役の入賞を許容する当選番号に当選した場合を「再遊技役の入賞が許容された場合」と示す。再遊技役の入賞が許容された場合とは、役抽選の抽選結果が「再遊技役の入賞を許容する抽選結果」であることに相当する。
【0055】
役抽選テーブルには、決定可能とする当選番号に対して、役抽選に用いられる乱数(以下、役抽選用乱数と示す)の値が、当該乱数の値として取り得る範囲内の数値の中から所定個数ずつ振り分けられている。遊技機10では、役抽選において何れの当選番号にも当選しなかった場合、つまり、役の入賞が許容されなかった場合、役抽選の抽選結果が「はずれ」となる。そして、役抽選の抽選結果が「はずれ」の場合には、役抽選の抽選結果に基づいて、賞が定められた図柄組み合わせが有効ラインYL上に導出されることはない。
【0056】
次に、遊技媒体数制御基板60について説明する。
遊技媒体数制御基板60は、第2制御部としての媒体数CPU61と、媒体数ROM62と、媒体数RWM63と、を備える。本実施形態において、第2制御基板としての遊技媒体数制御基板60は、第2制御部としての媒体数CPU61を有する。媒体数CPU61は、遊技媒体数制御プログラムを実行することにより、主に、遊技者が保有する遊技媒体の数の管理に関する処理を行う。このように、第2制御部としての媒体数CPU61は、遊技者が保有する遊技媒体数を管理する処理を実行可能である。媒体数CPU61は、入力処理を実行することにより、主制御基板40から出力される制御情報を入力することが可能である。このように、第2制御部としての媒体数CPU61は、第1制御基板としての主制御基板40から出力される制御情報を入力する入力処理を実行可能である。媒体数ROM62は、遊技媒体数制御プログラムなどを記憶している。媒体数RWM63は、遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。媒体数RWM63が記憶する情報には、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどがある。
【0057】
遊技媒体数制御基板60には、遊技機管理遊技媒体数表示部27が接続されている。媒体数CPU61は、図示しない駆動回路を介して、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示内容を制御可能に構成されている。遊技機管理遊技媒体数表示部27は、第2制御部としての媒体数CPU61によって制御可能である。遊技媒体数制御基板60には、計数ボタン28が接続されている。媒体数CPU61は、図示しないポートを介して、計数ボタン28が出力する検知信号を入力可能に構成されている。遊技媒体数制御基板60には、接続端子板90が接続されている。
【0058】
次に、副制御基板50について説明する。
副制御基板50は、第3制御部としての副CPU51と、副ROM52と、副RWM53と、を備える。本実施形態において、第3制御基板としての副制御基板50は、第3制御部としての副CPU51を有する。副CPU51は、副制御プログラムを実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。副CPU51は、入力処理を実行することにより、主制御基板40から出力される制御情報を入力することが可能である。このように、第3制御部としての副CPU51は、第1制御基板としての主制御基板40から出力される制御情報を入力する入力処理を実行可能である。副ROM52は、副制御プログラム、及び、各種の抽選に用いられる判定値などを記憶している。副ROM52は、装飾ランプ13における発光演出に関する発光演出データを記憶している。副ROM52は、スピーカ14における音演出に関する音演出データを記憶している。副ROM52は、演出表示装置15における表示演出に関する表示演出データを記憶している。副RWM53は、遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副RWM53が記憶する情報には、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどがある。副制御基板50は、乱数を生成可能に構成されている。乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0059】
副制御基板50には、装飾ランプ13、スピーカ14及び演出表示装置15が接続されている。副CPU51は、図示しない駆動回路を介して、装飾ランプ13、スピーカ14及び演出表示装置15を制御可能に構成されている。このように、装飾ランプ13は、第3制御部としての副CPU51によって制御可能である。本実施形態では、発光手段としての装飾ランプ13を副CPU51が制御することにより、発光手段を制御可能な発光制御手段としての機能が実現される。同様に、スピーカ14は、第3制御部としての副CPU51によって制御可能である。本実施形態では、音出力手段としてのスピーカ14を副CPU51が制御することにより、音出力手段を制御可能な音出力制御手段としての機能が実現される。演出表示装置15は、第3制御部としての副CPU51によって制御可能である。本実施形態では、表示手段としての演出表示装置15を副CPU51が制御することにより、表示手段を制御可能な表示制御手段としての機能が実現される。
【0060】
ここで、主CPU41が実行する遊技進行処理について説明する。主CPU41が実行する遊技進行処理は、変動ゲームの実行、及び賞の付与などを行う遊技の進行に係る一連の処理である。
【0061】
図5に示すように、遊技進行処理において主CPU41は、遊技開始セット処理を実行する(ステップS101)。遊技開始セット処理において、主CPU41は、主RWM43における所定の記憶領域の更新を行う。次に、主CPU41は、エラー処理を実行する(ステップS102)。エラー処理において主CPU41は、オーバーフローエラーを発生させるか否かを判定する。主CPU41は、遊技媒体数制御基板60から入力する経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数に基づいて、オーバーフローエラーを発生させるか否かを判定する。経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数(例えば、16369)未満である場合、主CPU41は、オーバーフローエラーを発生させない。この場合、主CPU41は、遊技不能状態に制御せずに、遊技可能状態に制御する。その後、主CPU41は、エラー処理を終了する。一方、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上である場合、主CPU41は、オーバーフローエラーを発生させる。この場合、主CPU41は、遊技を行うことができない遊技不能状態に制御する。主CPU41は、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数未満となる迄、エラー処理とは異なる処理を実行せず、遊技不能状態に制御する。主CPU41は、遊技不能状態に制御した場合、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを特定可能な制御情報(以下、不能状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。なお、主制御基板40において出力バッファに格納された制御情報は、タイマ割込処理として実行される出力処理によって、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60の少なくとも一方へ出力される。不能状態コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。遊技不能状態に制御しているとき、主CPU41は、払出表示部35に「EE」と表示されるように制御する。遊技不能状態に制御した後、主CPU41は、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数未満となった場合、遊技不能状態を終了させ、エラー処理を終了する。
【0062】
エラー処理を終えると、主CPU41は、再遊技が非作動中であるかを判定する(ステップS103)。再遊技が非作動中とは、再遊技が付与されていないときに相当する。再遊技が作動中とは、再遊技が付与されているときに相当する。再遊技が非作動中である場合(ステップS103;YES)、主CPU41は、今回の変動ゲームにおける掛け数(ベット数)を設定するベットボタン受付処理を実行する(ステップS104)。
【0063】
ベットボタン受付処理において、主CPU41は、1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作されたか否かを判定する。1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作されていない場合、主CPU41は、ベットボタン受付処理を終了する。1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作された場合、主CPU41は、掛け数を増加させる場合がある。具体的に、ベットボタン受付処理において、主CPU41は、1ベットボタン17からの検知信号を入力すると、掛け数を1増加させる場合がある。主CPU41は、掛け数が上限数に達していないときであって、遊技機管理遊技媒体数が1以上あるときに、1ベットボタン17からの検知信号を入力すると、掛け数を1増加させる。主CPU41は、経由型保有数コマンドに基づき、遊技機管理遊技媒体数を特定可能である。ベットボタン受付処理において、主CPU41は、MAXベットボタン18からの検知信号を入力すると、掛け数を上限数まで増加させる場合がある。主CPU41は、掛け数が上限数に達していないときであって、設定されている掛け数と遊技機管理遊技媒体数の合計数が上限数以上であるときに、MAXベットボタン18からの検知信号を入力すると、掛け数を上限数まで増加させる。但し、主CPU41は、掛け数が上限数に達していないときであっても、設定されている掛け数と遊技機管理遊技媒体数の合計数が上限数未満であるときに、MAXベットボタン18からの検知信号を入力したとしても、掛け数を増加させない。なお、主CPU41は、掛け数が上限数に達しているとき、1ベットボタン17からの検知信号及びMAXベットボタン18からの検知信号の何れを入力したとしても、掛け数を増加させない。主CPU41は、掛け数が上限数に達していないときであっても、遊技機管理遊技媒体数が0であるとき、1ベットボタン17からの検知信号及びMAXベットボタン18からの検知信号の何れを入力したとしても、掛け数を増加させない。
【0064】
ベットボタン受付処理において掛け数を増加させた場合、主CPU41は、掛け数が設定されたことを特定可能な制御情報(以下、掛け数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。掛け数コマンドは、1ベットボタン17又はMAXベットボタン18の操作を契機として増加した掛け数を特定可能な制御情報である。例えば、1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作されて掛け数が1増加した場合、掛け数が1増加したことを特定可能な掛け数コマンドを出力バッファに格納する。例えば、MAXベットボタン18が操作されて掛け数が3増加した場合、掛け数が3増加したことを特定可能な掛け数コマンドを出力バッファに格納する。ベットボタン受付処理において掛け数を増加させた場合、主CPU41は、掛け数コマンドを出力バッファに格納した後、ベットボタン受付処理を終了する。ベットボタン受付処理において掛け数を増加させなかった場合、主CPU41は、掛け数コマンドを出力バッファに格納せず、ベットボタン受付処理を終了する。掛け数コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60の何れにも出力される。
【0065】
ベットボタン受付処理を終えると、主CPU41は、精算ボタン受付処理を実行する(ステップS105)。精算ボタン受付処理において、主CPU41は、精算ボタン19が操作されたか否かを判定する。精算ボタン19が操作されていない場合、主CPU41は、精算ボタン受付処理を終了する。精算ボタン19が操作された場合、主CPU41は、掛け数を減少させ得る。つまり、精算ボタン19が操作された場合、主CPU41は、掛け数が精算される場合がある。具体的に、主CPU41は、掛け数が1以上であるときに、精算ボタン19からの検知信号を入力した場合、掛け数を0とし、掛け数を減少させる。主CPU41は、掛け数が0であるときに精算ボタン19からの検知信号を入力したとしても、掛け数を減少させず、精算ボタン受付処理を終了する。
【0066】
精算ボタン受付処理において掛け数を減少させた場合、主CPU41は、掛け数が精算されたことを特定可能な制御情報(以下、精算コマンドと示す)を出力バッファに格納する。掛け数が精算されるとは、設定されている掛け数が減少することに相当する。より具体的に、掛け数が精算されるとは、設定されている掛け数が1~3の何れかから0になることに相当する。精算コマンドは、精算ボタン19が操作されたことにより減少した掛け数の数を特定可能な制御情報である。例えば、掛け数が3であるときに精算ボタン19が操作された場合、主CPU41は、掛け数が3減少したことを特定可能な精算コマンドを出力バッファに格納する。精算コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60の何れにも出力される。
【0067】
主CPU41は、再遊技が非作動中ではない場合(ステップS103;NO)、又は、精算ボタン受付処理を終了した場合、設定されている掛け数が、変動ゲームを開始可能とする規定掛け数(本実施形態では、3)と一致するかを判定する(ステップS106)。なお、主CPU41は、再遊技が非作動中ではない場合(ステップS103;NO)、前回の変動ゲームを開始する際に設定された掛け数を、今回の変動ゲームにおける掛け数として設定する。
【0068】
設定されている掛け数が規定掛け数と一致しない場合(ステップS106;NO)、主CPU41は、ステップS102の処理に移行する。つまり、ステップS106の処理において主CPU41は、変動ゲームを開始可能な状態となったか否かを判定する。一方、設定されている掛け数が規定掛け数と一致する場合(ステップS106;YES)、主CPU41は、スタートレバー20による開始操作を受付けたかを判定する(ステップS107)。ステップS107の処理において主CPU41は、スタートレバー20から検知信号を入力した場合に肯定判定する。一方、主CPU41は、スタートレバー20から検知信号を入力しない場合に否定判定する。開始操作を受付けていない場合(ステップS107;NO)、主CPU41は、ステップS102の処理へ移行する。一方、開始操作を受付けた場合(ステップS107;YES)、主CPU41は、ゲーム数減算処理を実行する(ステップS108)。なお、主CPU41は、開始操作を受付けた場合、変動ゲームの開始を特定可能な制御情報(以下、変動ゲーム開始コマンドと示す)を出力バッファに格納する。変動ゲーム開始コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。
【0069】
ゲーム数減算処理において主CPU41は、第1ゲーム数減算処理と、第2ゲーム数減算処理と、第3ゲーム数減算処理と、を行う。ゲーム数減算処理において主CPU41は、第1ゲーム数減算処理を行い、当該第1ゲーム数減算処理を終了した後に第2ゲーム数減算処理を行い、当該第2ゲーム数減算処理を終了した後に第3ゲーム数減算処理を行う。そして、ゲーム数減算処理において主CPU41は、第3ゲーム数減算処理を終了した後、遊技進行処理に戻る。
【0070】
第1ゲーム数減算処理において主CPU41は、主RWM43に記憶されている遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態が第1有利状態であるかを判定する。第1有利状態でない場合、主CPU41は、第1ゲーム数減算処理を終了する。一方、第1有利状態である場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている擬似ボーナス滞在残回数を1減算して更新する。擬似ボーナス滞在残回数は、第1有利状態に滞在可能な変動ゲームの残り回数に相当する。その後、主CPU41は、第1ゲーム数減算処理を終了する。
【0071】
第2ゲーム数減算処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態が第2有利状態であるかを判定する。第2有利状態でない場合、主CPU41は、第2ゲーム数減算処理を終了する。一方、第2有利状態である場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている滞在残回数を1減算して更新する。滞在残回数は、第2有利状態に滞在可能な変動ゲームの残り回数に相当する。その後、主CPU41は、第2ゲーム数減算処理を終了する。
【0072】
第3ゲーム数減算処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態が第2通常状態及び有利状態の何れかであるかを判定する。第2通常状態及び有利状態の何れでもない場合、主CPU41は、第3ゲーム数減算処理を終了する。一方、第2通常状態及び有利状態の何れかである場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている有利上限値を1減算して更新する。有利上限値は、有利区間の終了条件が成立するまでの値であって、有利上限値が0に達した場合に有利区間の終了条件が成立する。その後、主CPU41は、第3ゲーム数減算処理を終了する。
【0073】
ゲーム数減算処理を終えると、主CPU41は、役抽選として、当選番号を決定するための役抽選処理を行う(ステップS109)。役抽選処理において主CPU41は、役抽選用乱数の値を取得する。主CPU41は、取得した役抽選用乱数の値を基に、役抽選テーブルを参照することによって、役抽選を行う。具体的に、主CPU41は、取得した役抽選用乱数の値が振り分けられている当選番号を決定する。なお、役抽選用乱数の値が、賞が定められた図柄組み合わせの入賞を許容する当選番号に振り分けられていない場合、役抽選の抽選結果は「はずれ」となる。本実施形態では、主CPU41が役抽選処理を行うことで、役抽選を行う役抽選手段としての機能が実現される。
【0074】
役抽選処理において主CPU41は、役抽選の抽選結果を特定可能な情報(以下、当選情報と示す)を、主RWM43に記憶する。主CPU41は、役抽選の抽選結果を特定可能な制御情報(以下、当選情報コマンドと示す)を出力バッファに格納する。当選情報コマンドを出力バッファに格納した後、主CPU41は、役抽選処理を終了するとともに、遊技進行処理に戻る。当選情報コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。
【0075】
ステップS110の有利抽選処理において主CPU41は、有利区間移行抽選処理と、第1有利移行抽選処理と、第2有利移行抽選処理と、天井判定処理と、上乗せ抽選処理と、を行う。有利抽選処理において主CPU41は、有利区間移行抽選処理を行い、当該有利区間移行抽選処理を終了した後に第1有利移行抽選処理を行い、当該第1有利移行抽選処理を終了した後に第2有利移行抽選処理を行う。更に、有利抽選処理において主CPU41は、第2有利移行抽選処理を終了した後に天井判定処理を行い、当該天井判定処理を終了した後に上乗せ抽選処理を行う。そして、有利抽選処理において主CPU41は、上乗せ抽選処理を終了した後、遊技進行処理に戻る。
【0076】
有利区間移行抽選処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態が第1通常状態であるかを判定する。第1通常状態でない場合、主CPU41は、有利区間移行抽選処理を終了する。一方、第1通常状態である場合、主CPU41は、役抽選の抽選結果に基づいて、有利区間移行抽選を行う。主CPU41は、例えば、主制御基板40内で生成した乱数の値を取得するとともに、当該取得した乱数の値を基に所定の抽選テーブルを参照し、有利区間への移行を決定可能な有利区間移行抽選を行う。有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定される確率は、役抽選の抽選結果に応じて異なる。有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されなかった場合、主CPU41は、有利区間移行抽選処理を終了する。一方、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定された場合、主CPU41は、有利移行許容情報を主RWM43に記憶する。更に、主CPU41は、有利演出状態への移行が決定されたことを特定可能な制御情報(以下、有利許容コマンドと示す)を出力バッファに格納し、有利移行抽選処理を終了する。有利許容コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。
【0077】
第1有利移行抽選処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態が第2通常状態又は第2有利状態であるかを判定する。第2通常状態又は第2有利状態でない場合、主CPU41は、第1有利移行抽選処理を終了する。一方、第2通常状態又は第2有利状態である場合、主CPU41は、役抽選の抽選結果に基づいて、第1有利移行抽選を行う。主CPU41は、例えば、主制御基板40内で生成した乱数の値を取得するとともに、当該取得した乱数の値を基に所定の抽選テーブルを参照し、第1有利状態への移行を決定可能な第1有利移行抽選を行う。第1有利移行抽選において第1有利状態への移行が決定される確率は、役抽選の抽選結果に応じて異なる。第1有利移行抽選において第1有利状態への移行が決定される確率は、第2通常状態であるときと、第2有利状態であるときと、で異なる。具体的に、第2有利状態であるときに第1有利移行抽選において第1有利状態への移行が決定される確率は、第2通常状態であるときに第1有利移行抽選において第1有利状態への移行が決定される確率よりも高い。第1有利移行抽選において第1有利状態への移行が決定されなかった場合、主CPU41は、第1有利移行抽選処理を終了する。一方、第1有利移行抽選において第1有利状態への移行が決定された場合、主CPU41は、第1有利状態への移行が決定されていることを特定可能な第1有利許容情報を主RWM43に記憶する。更に、主CPU41は、第1有利状態への移行が決定されたことを特定可能な制御情報(以下、第1有利許容コマンドと示す)を出力バッファに格納し、第1有利移行抽選処理を終了する。第1有利許容コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。
【0078】
第2有利移行抽選処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態が第1有利状態であるかを判定する。第1有利状態でない場合、主CPU41は、第2有利移行抽選処理を終了する。一方、第1有利状態である場合、主CPU41は、第2有利状態への移行が決定されていることを特定可能な第2有利許容情報が主RWM43に記憶されているかを判定する。そして、第2有利許容情報が記憶されている場合、主CPU41は、第2有利移行抽選処理を終了する。一方、第2有利許容情報が記憶されていない場合、主CPU41は、役抽選の抽選結果に基づいて、第2有利移行抽選を行う。主CPU41は、例えば、主制御基板40内で生成した乱数の値を取得するとともに、当該取得した乱数の値を基に所定の抽選テーブルを参照し、第2有利状態への移行を決定可能な第2有利移行抽選を行う。第2有利移行抽選において第2有利状態への移行が決定される確率は、役抽選の抽選結果に応じて異なる。第2有利移行抽選において第2有利状態への移行が決定されなかった場合、主CPU41は、第2有利移行抽選処理を終了する。一方、第2有利移行抽選において第2有利状態への移行が決定された場合、主CPU41は、第2有利許容情報を主RWM43に記憶する。更に、主CPU41は、第2有利状態への移行が決定されたことを特定可能な制御情報(以下、第2有利許容コマンドと示す)を出力バッファに格納し、第2有利移行抽選処理を終了する。第2有利許容コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。
【0079】
天井判定処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態が第2通常状態であるかを判定する。第2通常状態でない場合、主CPU41は、天井判定処理を終了する。一方、第2通常状態である場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている通常実行回数に1加算し、通常実行回数を更新する。通常実行回数は、有利状態に制御されることなく第2通常状態において実行された変動ゲームの回数に相当する。主CPU41は、更新後の通常実行回数が、主RWM43に記憶されている天井回数に達したかを判定する。通常実行回数が天井回数に達していない場合、主CPU41は、天井判定処理を終了する。一方、通常実行回数が天井回数に達した場合、主CPU41は、第1有利許容情報を主RWM43に記憶する。更に、主CPU41は、第1有利許容コマンドを出力バッファに格納し、天井判定処理を終了する。
【0080】
上乗せ抽選処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態が第2有利状態であるかを判定する。第2有利状態でない場合、主CPU41は、上乗せ抽選処理を終了する。一方、第2有利状態である場合、主CPU41は、役抽選の抽選結果に基づいて、上乗せ抽選を行う。主CPU41は、例えば、主制御基板40内で生成している乱数の値を取得するとともに、当該取得した乱数の値を基に所定の抽選テーブルを参照し、取得した乱数の値に応じて、上乗せすること、又は、上乗せしないことを決定する上乗せ抽選を行う。本実施形態では、上乗せすることが決定される場合、上乗せする回数(所謂、上乗せ回数)も決定される。ここでいう「上乗せ」は、第2有利状態に滞在可能な変動ゲームの残り回数に相当する滞在残回数を増加させること、つまり、第2有利状態に制御される期間を延長することに相当する。「上乗せ回数」は、滞在残回数を増加させる回数、つまり、滞在残回数に加算される回数に相当する。但し、主RWM43に記憶されている滞在残回数が、主RWM43に記憶されている有利上限値を超えている場合、主CPU41は、上乗せ抽選処理において上乗せ抽選を行わず、上乗せ抽選処理を終了する。上乗せ抽選において上乗せすることを決定した場合、主CPU41は、決定した上乗せ回数を滞在残回数に加算し、滞在残回数を更新する。更に、主CPU41は、上乗せ回数を特定可能な制御情報(以下、上乗せ回数コマンドと示す)を出力バッファに格納し、上乗せ抽選処理を終了する。上乗せ回数コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。
【0081】
有利抽選処理を終えると、主CPU41は、指示情報決定処理を行う(ステップS111)。指示情報決定処理において主CPU41は、有利状態であって、役抽選においてベル役及び一枚役の入賞を許容する当選番号に当選した場合、ベル役を入賞させるための操作順序に対応する指示番号を決定する。また、主CPU41は、決定した指示情報を特定可能な制御情報(以下、指示情報コマンドと示す)を出力バッファに格納し、指示情報決定処理を終了する。指示情報コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。払出表示部35で表示される指示情報には、ストップボタンの操作順序(押し順)毎に対応する指示情報がそれぞれある。指示情報決定処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態を特定する。
【0082】
指示情報決定処理を終えると、主CPU41は、指示情報表示処理を行う(ステップS112)。具体的に、指示情報決定処理において指示情報を決定した場合、主CPU41は、決定した指示情報が表示されるように、払出表示部35を制御する。主CPU41は、変動ゲームが終了するまで、指示情報が表示されるように払出表示部35を制御する。なお、指示情報決定処理において指示情報を決定していない場合、主CPU41は、指示情報表示処理を終了する。
【0083】
指示情報表示処理を終えると、主CPU41は、ウェイトタイムが経過したかを判定する(ステップS113)。ウェイトタイムが経過していない場合(ステップS113;NO)、主CPU41は、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過している場合(ステップS113;YES)、主CPU41は、リール16a~16cの回転が開始されるように、リール16a~16cの各アクチュエータを制御する(ステップS114)。遊技機10では、ステップS114においてリール16a~16cの回転が開始されることにより変動ゲームが開始される。因みに、遊技機10では、割込処理においてリール16a~16cの回転を加速及び維持する回転制御が行われる。リール16a~16cが回転する速度が定速に達した場合には、リール16a~16cの回転する速度が定速のまま維持される。ステップS114において主CPU41は、全てのリール16a~16cの回転を同時又は略同時に開始させる。例えば、ステップS114において主CPU41は、リール16a~16cの回転を開始させる順序を決定し、決定した順序でリール16a~16cの回転を開始させるようにしてもよい。このとき、例えば、リール16a~16cの回転を開始させる順序は、複数通りの順序の中から決定されるように構成してもよいし、予め決められた1つの順序であってもよい。
【0084】
続いて、主CPU41は、リール16a~16cが回転する速度が定速に達しているかを判定する(ステップS115)。リール16a~16cが回転する速度が定速に達していない場合(ステップS115;NO)、主CPU41は、リール16a~16cが回転する速度が定速に達するまで待機する。リール16a~16cが回転する速度が定速に達している場合(ステップS115;YES)、主CPU41は、ストップボタン21~23の何れかによる停止操作を受付けたかを判定する(ステップS116)。ステップS116において主CPU41は、ストップボタン21~23の何れかから検知信号を入力している場合には肯定判定する一方で、ストップボタン21~23の何れからも検知信号を入力していない場合には否定判定する。停止操作を受付けていない場合(ステップS116;NO)、主CPU41は、ステップS115の処理に移行する。これにより、主CPU41は、リール16a~16cの回転が定速であるときにおいて停止操作を受付けるまで待機することとなる。
【0085】
一方、停止操作を受付けた場合(ステップS116;YES)、主CPU41は、検知信号を入力したストップボタンに対応するリールの回転を停止させるリール停止処理を実行する(ステップS117)。即ち、主CPU41は、停止操作を契機としてアクチュエータを制御し、停止操作に対応するリールにおいて図柄を停止させる。詳しく説明すると、主CPU41は、役抽選の抽選結果及びストップボタン21~23の操作態様(操作順序及び操作タイミング)に基づいて、予め定められた引込み範囲(例えば、4図柄)内に位置する図柄の中から有効ラインYL上に停止可能な図柄を検索する。そして、主CPU41は、検索された図柄が有効ラインYL上に停止されるようにアクチュエータを制御する。主CPU41は、リール16a~16cの停止操作に関してこのようなリール停止制御を行うことにより、当選番号とストップボタンの操作態様とに応じた図柄組み合わせを有効ラインYL上に停止させる。ステップS117において主CPU41は、ストップボタン21~23から検知信号を入力すると、当該検知信号を入力したストップボタンを特定可能な制御情報(以下、操作コマンドと示す)を出力バッファに格納する。操作コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。
【0086】
続いて、主CPU41は、リール16a~16cの全てが停止したかを判定する(ステップS118)。リール16a~16cのうち一部のリールが停止していない場合(ステップS118;NO)、主CPU41は、ステップS115の処理へ移行する。一方、リール16a~16cの全てが停止している場合(ステップS118;YES)、主CPU41は、有効ラインYL上に停止されている図柄組み合わせを判定する表示図柄判定処理を行う(ステップS119)。表示図柄判定処理において主CPU41は、有効ラインYL上に賞が定められた図柄組み合わせ(役)が停止されているか、及び、有効ラインYL上に賞を定めた図柄組み合わせ(役)が停止されている場合にその図柄組み合わせの種類を判定する。そして、賞が定められた図柄組み合わせが停止されている場合、つまり、役が入賞した場合、主CPU41は、入賞した役を特定可能な制御情報(以下、入賞コマンドと示す)を出力バッファに格納する。入賞コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60の何れにも出力される。本実施形態において、払出役が入賞したことを特定可能な入賞コマンドは、入賞した役と、入賞したことによって付与される遊技媒体の数を特定可能な制御情報である。ステップS119において、有効ラインYL上に賞として再遊技が定められた図柄組み合わせが停止されている場合、主CPU41は、今回の変動ゲームで設定された掛け数を再び掛け数として設定し、再遊技を作動させる。これにより、再遊技が賞として付与される。
【0087】
続いて、主CPU41は、遊技媒体を付与するかを判定する(ステップS120)。ステップS120において主CPU41は、払出役が入賞している場合には肯定判定する一方、払出役が入賞していない場合には否定判定する。遊技媒体を付与する場合(ステップS120;YES)、主CPU41は、遊技媒体付与処理を実行する(ステップS121)。遊技媒体付与処理において主CPU41は、役の入賞に伴って付与される遊技媒体の数を特定可能な制御情報(以下、払出数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。払出数コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60の何れにも出力される。遊技媒体付与処理において主CPU41は、入賞に伴って付与される遊技媒体の数が表示されるように、払出表示部35を制御する。因みに、遊技機10では、賞が定められていない図柄組み合わせ(例えば、はずれ停止目)が有効ラインYL上に停止されている場合、賞は付与されない。
【0088】
遊技媒体を付与しない場合(ステップS120;NO)、及び、遊技媒体付与処理を終了した場合、主CPU41は、1回の変動ゲームを終了させる終了処理を行う(ステップS122)。終了処理の処理において主CPU41は、変動ゲームの終了を特定可能な制御情報(以下、変動ゲーム終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。変動ゲーム終了コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。本実施形態における変動ゲーム終了コマンドは、入賞の有無や、入賞した役についても特定可能な制御情報である。終了処理において主CPU41は、獲得数計数処理と、遊技状態移行処理と、演出状態移行処理と、を行う。
【0089】
まず、獲得数計数処理について説明する。
獲得数計数処理において主CPU41は、第2通常状態及び有利状態のうち何れかであるとき、表示図柄判定処理の結果に基づき、有利区間であるときに付与された遊技媒体の数を特定可能な有利区間獲得情報を更新する場合がある。有利区間獲得情報は、主RWM43に記憶されている。例えば、主CPU41は、付与された遊技媒体の数から変動ゲームを実行するにあたって消費した遊技媒体の数(掛け数)を差し引いた値を、有利区間獲得情報に反映させ、有利区間獲得情報を更新する。例えば、掛け数として「3」が設定されて実行された変動ゲームにおいてベル役が入賞した場合には、「12(=15-3)」が有利区間獲得情報に加算される。掛け数として「3」が設定されて実行された変動ゲームにおいて一枚役が入賞した場合には、「-2(=1-3)」が有利区間獲得情報に加算される。つまり、このとき、遊技区間獲得情報から「2」減算される。因みに、主CPU41は、再遊技役が入賞した場合、有利区間獲得情報を更新しない。なお、更新後の有利区間獲得情報が0を下回る場合、主CPU41は、有利区間獲得情報を「0」とし、有利区間獲得情報を更新する。有利区間獲得情報は、第1通常状態に制御されることに伴って、「0」に更新され、初期化される。具体的に、有利区間獲得情報は、第1通常状態に制御されてから1回目の変動ゲームが実行されたことに伴って、初期化される。
【0090】
獲得数計数処理において主CPU41は、有利状態であるとき、表示図柄判定処理の結果に基づき、有利状態であるときに付与された遊技媒体の数を特定可能な第1期間獲得情報を更新する場合がある。第1期間獲得情報は、主RWM43に記憶されている。例えば、有利区間獲得情報と同様、主CPU41は、付与された遊技媒体の数から変動ゲームを実行するにあたって消費した遊技媒体の数(掛け数)を差し引いた値を、第1期間獲得情報に反映させ、第1期間獲得情報を更新する。なお、更新後の第1期間獲得情報が0を下回る場合、主CPU41は、第1期間獲得情報を「0」とし、第1期間獲得情報を更新する。第1期間獲得情報は、第1通常状態に制御されることに伴って、「0」に更新され、初期化される。具体的に、第1期間獲得情報は、第1通常状態に制御されてから1回目の変動ゲームが実行されたことに伴って、初期化される。
【0091】
獲得数計数処理において主CPU41は、第1有利状態であるとき、表示図柄判定処理の結果に基づき、第1有利状態であるときに付与された遊技媒体の数を特定可能な第2期間獲得情報を更新する場合がある。第2期間獲得情報は、主RWM43に記憶されている。例えば、有利区間獲得情報及び第1期間獲得情報と同様、主CPU41は、付与された遊技媒体の数から変動ゲームを実行するにあたって消費した遊技媒体の数(掛け数)を差し引いた値を、第2期間獲得情報に反映させ、第2期間獲得情報を更新する。なお、更新後の第2期間獲得情報が0を下回る場合、主CPU41は、第2期間獲得情報を「0」とし、第2期間獲得情報を更新する。第2期間獲得情報は、第1通常状態に制御されること又は第2有利状態に制御されることに伴って、「0」に更新され、初期化される。具体的に、第2期間獲得情報は、第1通常状態又は第2有利状態に制御されてから1回目の変動ゲームが実行されたことに伴って、初期化される。
【0092】
次に、遊技状態移行処理について説明する。
遊技状態移行処理において主CPU41は、遊技状態フラグの値を更新し、遊技状態を移行させる。なお、主CPU41は、遊技状態フラグを参照し、現在の遊技状態を特定する。主CPU41は、表示図柄判定処理(ステップS119)の結果に基づき、入賞した役を特定する。主CPU41は、遊技状態フラグの値を更新した場合、更新後の値から特定可能な遊技状態を指示する制御情報(以下、遊技状態指定コマンドと示す)を出力バッファに格納する。遊技状態指定コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。
【0093】
具体的に、遊技状態移行処理において主CPU41は、第1通常状態であるときに主RWM43に有利移行許容情報が記憶されている場合、つまり、有利区間への移行が決定された場合、第2通常状態を特定可能な値を遊技状態フラグに設定する。また、主CPU41は、天井回数を決定し、当該決定した天井回数を主RWM43に記憶する。例えば、主CPU41は、設定値に応じた抽選確率の下、上限滞在回数に相当する「1500回」未満の回数の中から天井回数を決定する。更に、主CPU41は、主RWM43に記憶されている有利移行許容情報を消去する。
【0094】
また、主CPU41は、第2通常状態又は第2有利状態であるときに主RWM43に第1有利許容情報が記憶されている場合、つまり、第1有利状態への移行が決定された場合、第1有利状態を特定可能な値を遊技状態フラグに設定する。また、主CPU41は、擬似ボーナス滞在残回数として「30回」を主RWM43に記憶する。更に、主CPU41は、主RWM43に記憶されている第1有利許容情報を消去する。
【0095】
また、主CPU41は、第1有利状態であるときに主RWM43に記憶されている擬似ボーナス滞在残回数が0に達した場合、つまり、第1有利状態が終了する場合、第2有利許容情報が記憶されているとき、又は、滞在残回数が1以上であるとき、第2有利状態を特定可能な値を遊技状態フラグに設定する。ここでいう、第2有利許容情報が記憶されているときとは、第2通常状態から第1有利状態へ移行した場合において第2有利状態へ移行することが抽選によって決定された場合に相当する。また、ここでいう、滞在残回数が1以上であるときとは、第2有利状態から第1有利状態へ移行している場合に相当する。また、主CPU41は、主RWM43に記憶されている滞在残回数に「50回」を加算し、滞在残回数を更新する。このため、第2有利状態から第1有利状態へ移行し、当該第1有利状態が終了して再び第2有利状態へ移行する場合には、「50回」の上乗せが行われることとなる。更に、第2有利許容情報が記憶されている場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている第2有利許容情報を消去する。一方、主CPU41は、第1有利状態であるときに主RWM43に記憶されている擬似ボーナス滞在残回数が0に達した場合、第2有利許容情報が記憶されておらず、且つ、滞在残回数が1以上でないとき、第1通常状態を特定可能な値を遊技状態フラグに設定する。このように、本実施形態では、第1有利状態であるときに主RWM43に記憶されている擬似ボーナス滞在残回数が0に達した場合において、第2有利許容情報が記憶されているとき、又は、滞在残回数が1以上であるときであれば、移行条件が成立する。一方、本実施形態では、第1有利状態であるときに主RWM43に記憶されている擬似ボーナス滞在残回数が0に達した場合において、第2有利許容情報が記憶されておらず、且つ、滞在残回数が1以上でなければ、移行条件が成立しない。
【0096】
また、主CPU41は、第2有利状態であるときに主RWM43に記憶されている滞在残回数が0に達した場合、第1通常状態を特定可能な値を遊技状態フラグに設定する。その他、主CPU41は、第2通常状態及び有利状態であるときに主RWM43に記憶されている有利上限値が0に達した場合、つまり、有利区間の終了条件が成立した場合、第1通常状態を特定可能な値を遊技状態フラグに設定する。同様に、主CPU41は、第2通常状態及び有利状態であるときに主RWM43に記憶されている有利区間獲得情報が2400に達した場合、つまり、有利区間の終了条件が成立した場合、第1通常状態を特定可能な値を遊技状態フラグに設定する。有利区間の終了条件が成立した場合において、有利移行許容情報、第1有利許容情報及び第2有利許容情報のうち何れかが主RWM43に記憶されているとき、主CPU41は、それらの情報を消去する。遊技状態フラグの値を更新した場合、主CPU41は、現在の遊技状態を特定可能な制御情報(以下、遊技状態コマンド)を出力バッファに格納する。遊技状態コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。このように、本実施形態では、主CPU41が遊技状態移行処理を行うことにより、遊技状態を制御する遊技状態制御手段としての機能が実現される。
【0097】
次に、演出状態移行処理について説明する。
演出状態移行処理において主CPU41は、演出状態フラグの値を更新し、演出状態を移行させる。主CPU41は、演出状態フラグを参照し、現在の演出状態を特定する。演出状態移行処理において主CPU41は、遊技状態フラグに第1通常状態又は第2通常状態を特定可能な値が設定されている場合、通常演出状態を特定可能な値を演出状態フラグに設定する。また、主CPU41は、遊技状態フラグに第1有利状態を特定可能な値が設定されている場合、擬似ボーナス演出状態を特定可能な値を演出状態フラグに設定する。主CPU41は、遊技状態フラグに第2有利状態を特定可能な値が設定されている場合、有利演出状態を特定可能な値を演出状態フラグに設定する。演出状態フラグの値を更新した場合、主CPU41は、現在の演出状態を特定可能な制御情報(以下、演出状態コマンド)を出力バッファに格納する。演出状態コマンドは、副制御基板50及び遊技媒体数制御基板60のうち副制御基板50へ出力される。このように、本実施形態では、主CPU41が演出状態移行処理を行うことにより、演出状態を制御する演出状態制御手段としての機能が実現される。
【0098】
また、遊技進行処理において終了処理を終えると、主CPU41は、1回の変動ゲームの実行に係る遊技進行処理を終了し、再びステップS101の処理へ移行する。以上のように、遊技機10では、開始操作を契機として全リールの回転が開始されるとともに、停止操作を契機としてリールの回転が停止される。遊技進行処理は、変動ゲームの実行に関する制御に相当し、遊技の進行に関する制御に相当する。
【0099】
次に、媒体数CPU61が行う処理について説明する。
媒体数CPU61は、掛け数コマンドを入力すると、当該入力した掛け数コマンドに基づいて、媒体数RWM63に記憶されている遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報(以下、遊技機管理媒体数情報と示す)を更新する。具体的に、掛け数コマンドを入力した場合、媒体数CPU61は、入力した掛け数コマンドから特定可能な掛け数だけ、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数から減算し、遊技機管理媒体数情報を更新する。例えば、媒体数CPU61は、掛け数が1増加したことを特定可能な掛け数コマンドを入力した場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数から1減算する。このように、媒体数CPU61は、掛け数コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を減少させる。遊技機10は、掛け数の設定に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数を減少させることが可能に構成される。
【0100】
媒体数CPU61は、精算コマンドを入力すると、当該入力した精算コマンドに基づいて、遊技機管理媒体数情報を更新する。具体的に、精算コマンドを入力した場合、媒体数CPU61は、入力した精算コマンドに基づき、精算ボタン19が操作されたことにより減少した掛け数の数を特定し、当該数だけ遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数に加算し、遊技機管理媒体数情報を更新する。例えば、媒体数CPU61は、精算ボタン19が操作されたことにより減少した掛け数の数が3であることを特定可能な精算コマンドを入力した場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数に3加算する。このように、媒体数CPU61は、精算コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を増加させる。遊技機10は、掛け数の精算に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数を増加させることが可能に構成される。
【0101】
媒体数CPU61は、払出数コマンドを入力すると、当該入力した払出数コマンドに基づいて、遊技機管理媒体数情報を更新する。具体的に、払出数コマンドを入力した場合、媒体数CPU61は、入力した払出数コマンドに基づき、役の入賞に伴って付与される遊技媒体の数を特定し、当該数だけ遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数に加算し、遊技機管理媒体数情報を更新する。例えば、媒体数CPU61は、役の入賞に伴って付与される遊技媒体の数が15であることを特定可能な払出数コマンドを入力した場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数に15加算する。このように、媒体数CPU61は、払出数コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を増加させる。遊技機10は、入賞に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数を増加させることが可能に構成される。
【0102】
媒体数CPU61は、貸出コマンドを入力すると、当該入力した貸出コマンドに基づいて、遊技機管理媒体数情報を更新する。具体的に、貸出コマンドを入力した場合、媒体数CPU61は、規定額に対応する数を遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数に加算し、遊技機管理媒体数情報を更新する。例えば、媒体数CPU61は、貸出コマンドを入力した場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数に50加算する。遊技機10は、遊技媒体の貸出に伴って遊技者が保有する遊技媒体の数を増加させることが可能に構成される。
【0103】
媒体数CPU61は、計数ボタン28からの検知信号を入力すると、当該計数ボタン28の操作態様に応じて、遊技機管理媒体数情報を更新する場合がある。計数ボタン28の操作態様には、計数ボタン28が操作されている時間が所定時間(例えば、500ms)未満となる第1操作態様と、計数ボタン28が操作されている時間が所定時間以上となる第2操作態様と、がある。第1操作態様は、計数ボタン28の短押し操作に相当する。第2操作態様は、計数ボタン28の長押し操作に相当する。媒体数CPU61は、計数ボタン28からの検知信号に基づき、計数ボタン28の短押し操作又は計数ボタン28の長押し操作を特定する。計数ボタン28が所定時間以上操作され続けている場合、媒体数CPU61は、計数ボタン28の操作態様を特定する度に、計数ボタン28からの検知信号に基づいて計数ボタン28の長押し操作を特定する。
【0104】
媒体数CPU61は、計数ボタン28の短押し操作を特定する場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数が1以上であれば当該遊技機管理遊技媒体数から1減算し、遊技機管理媒体数情報を更新する。加えて、媒体数CPU61は、遊技者が保有する遊技媒体のうち1の遊技媒体の管理を遊技機10から管理ユニット100へと移管することを特定可能な計数情報コマンドを出力バッファに格納する。なお、遊技媒体数制御基板60において出力バッファに格納された制御情報は、タイマ割込処理として実行される出力処理によって、主制御基板40及び管理ユニット100の少なくとも一方へ出力される。計数コマンドは、主制御基板40及び管理ユニット100のうち管理ユニット100へ出力される。なお、媒体数CPU61は、計数ボタン28の短押し操作を特定する場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数が0であれば、遊技機管理媒体数情報を更新しない。
【0105】
媒体数CPU61は、計数ボタン28の長押し操作を特定する場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数が50以上であれば当該遊技機管理遊技媒体数から50減算し、遊技機管理媒体数情報を更新する。加えて、媒体数CPU61は、遊技者が保有する遊技媒体のうち50の遊技媒体の管理を遊技機10から管理ユニット100へと移管することを特定可能な計数情報コマンドを出力バッファに格納する。また、媒体数CPU61は、計数ボタン28の長押し操作を特定する場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数が50未満であっても1以上であれば当該遊技機管理遊技媒体数を0まで残り数を減算し、遊技機管理媒体数情報を更新する。加えて、媒体数CPU61は、遊技者が保有する遊技媒体の残り数の遊技媒体の管理を遊技機10から管理ユニット100へと移管することを特定可能な計数情報コマンドを出力バッファに格納する。なお、媒体数CPU61は、計数ボタン28の長押し操作を特定する場合、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数が0であれば、遊技機管理媒体数情報を更新しない。以上のように、媒体数CPU61は、遊技機管理媒体数情報の更新に関する処理を実行することで、遊技者が保有する遊技媒体数を管理する処理を実行する。
【0106】
媒体数CPU61は、遊技機管理媒体数情報を更新した場合、更新後の遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な制御情報(以下、保有数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。保有数コマンドは、主制御基板40及び管理ユニット100のうち管理ユニット100へ出力される。本実施形態では、保有数コマンドが、遊技者が保有する遊技媒体数に関する保有数制御信号に相当する。このように、第2制御基板としての遊技媒体数制御基板60から出力される制御情報(制御信号)には、遊技者が保有する遊技媒体数に関する保有制御信号に相当する保有数コマンドがある。保有数コマンドには、経由型保有数コマンドと、直通型保有数コマンドと、がある。
【0107】
図6に示すように、経由型保有数コマンドは、遊技媒体数制御基板60から出力された後、主制御基板40の主CPU41が実行する入力処理によって入力される。その後、経由型保有数コマンドは、主CPU41による出力処理によって主制御基板40から副制御基板50へ出力される。このように、経由型保有数コマンドは、主CPU41が実行する入力処理によって入力される。本実施形態において、経由型保有数コマンドは、第1制御部が実行する入力処理によって入力される非特定制御信号に相当する。
【0108】
これに対して、直通型保有数コマンドは、遊技媒体数制御基板60から出力された後、主制御基板40の主CPU41が実行する入力処理によって入力されず、副制御基板50へ出力される。このように、直通型保有数コマンドは、主CPU41が実行する入力処理によって入力されずに副制御基板50へと出力される。本実施形態において、直通型保有数コマンドは、第1制御部が実行する入力処理によって入力されずに第3制御基板へと出力される特定制御信号がある。因みに、直通型保有数コマンドを通過する導線は、主制御基板40上に配線されている。したがって、直通型保有数コマンドは、経由型保有数コマンドと同様、主制御基板40上を通過可能である。
【0109】
以上のように、遊技機10において、保有数コマンドには、主CPU41が実行する入力処理によって入力されずに副制御基板50へと出力される直通型保有数コマンドと、主CPU41が実行する入力処理によって入力される経由型保有数コマンドと、がある。即ち、保有制御信号には、第1制御部が実行する入力処理によって入力されずに第3制御基板へと出力される特定制御信号と、第1制御部が実行する入力処理によって入力される非特定制御信号と、がある。前述したように、遊技機10において、主CPU41は、経由型保有数コマンドの入力に伴って進行不能状態としての遊技不能状態に制御可能である。つまり、本実施形態において、第1制御部は、非特定制御信号の入力に伴って、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御可能である。
【0110】
経由型保有数コマンドには、当該経由型保有数コマンドと共に出力バッファに格納される直通型保有数コマンドを特定可能な情報が含まれる。同様に、直通型保有数コマンドには、当該直通型保有数コマンドと共に出力バッファに格納される経由型保有数コマンドを特定可能な情報が含まれる。このように、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドには、対になる他方のコマンドを特定可能な情報が含まれる。
【0111】
また、媒体数CPU61は、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドを出力バッファに格納する場合、当該経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの出力契機となった事象を特定可能な経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドを出力バッファに格納する。例えば、媒体数CPU61は、掛け数コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を減少させた場合、掛け数の設定に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドを出力バッファに格納する。例えば、媒体数CPU61は、精算コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を増加させた場合、掛け数の精算に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドを出力バッファに格納する。例えば、媒体数CPU61は、払出数コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を増加させた場合、入賞に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドを出力バッファに格納する。例えば、媒体数CPU61は、貸出コマンドに応じて遊技機管理遊技媒体数を増加させた場合、遊技媒体の貸出に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドを出力バッファに格納する。例えば、媒体数CPU61は、計数ボタン28の操作に応じて遊技機管理遊技媒体数を減少させた場合、遊技媒体の管理の移管に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドを出力バッファに格納する。
【0112】
媒体数CPU61は、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示内容を制御する。具体的に、媒体数CPU61は、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数を示す表示内容となるように、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示内容を制御する。このため、遊技機管理媒体数情報が更新された場合には、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示内容についても更新される。このように、遊技機管理遊技媒体数表示部27は、第2制御部としての媒体数CPU61によって制御可能である。遊技機管理遊技媒体数表示部27は、遊技機管理媒体数情報から特定可能な遊技機管理遊技媒体数を示す表示内容となることが可能であり、遊技者が保有する遊技媒体数に関する表示を行うことが可能である。本実施形態では、遊技機管理遊技媒体数表示部27が、非特定表示部に相当する。
【0113】
次に、副CPU51が行う処理について説明する。
副CPU51は、遊技状態コマンドを入力した場合、副RWM53に記憶されている遊技状態情報を更新する。このとき、副CPU51は、遊技状態コマンドから特定可能な遊技状態を示す遊技状態情報に更新する。また、副CPU51は、演出状態コマンドを入力した場合、副RWM53に記憶されている演出状態情報を更新する。このとき、副CPU51は、演出状態コマンドから特定可能な演出状態を示す演出状態情報に更新する。
【0114】
副CPU51は、掛け数コマンドを入力した場合、演出状態情報から特定可能な演出状態に制御する。因みに、再遊技役が入賞した後において、副CPU51は、変動ゲーム開始コマンドを入力した場合、演出状態情報から特定可能な演出状態に制御する。具体的に、副CPU51は、演出状態情報から特定可能な演出状態の種類が変更された場合、変更後の演出状態に制御する。一方、副CPU51は、演出状態情報から特定可能な演出状態の種類が変更されていない場合、制御中の演出状態に制御し続ける。
【0115】
副CPU51は、指示情報コマンドを入力した場合、押し順を示唆又は報知するナビ演出を実行させる押し順ナビ演出処理を行う。副CPU51は、当選情報コマンドから特定可能な当選番号と、指示情報コマンドから特定可能な指示情報と、に基づき、押し順ナビ演出処理を行う。押し順ナビ演出処理において副CPU51は、指示情報コマンドから特定可能な指示情報に基づくナビ演出が実行されるように、演出表示装置15を制御する。例えば、第4押し順を示唆又は報知するナビ演出を実行させる場合、副CPU51は、演出表示装置15におけるストップボタン21~23の上方の領域に、左から「3」を含むナビ画像、「1」を含むナビ画像、「2」を含むナビ画像が表示されるナビ演出を実行させるようにしてもよい。副CPU51は、全てのリール16a~16cの回転が停止するまで、ナビ演出が実行されるように演出表示装置15を制御する。
【0116】
因みに、副CPU51は、指示情報コマンドから特定可能な指示情報に基づくナビ演出を実行させているときにおいて、ナビ演出において示唆又は報知している押し順とは異なる押し順でストップボタンが操作された場合、ナビ演出を終了させ、ナビ演出の実行を中止する。このため、遊技機10では、例えば、第4押し順を示唆又は報知するナビ演出が実行されているときにおいて、1回目にストップボタン22以外のストップボタン21,23が操作された場合、ナビ演出が終了する。同様に、遊技機10では、例えば、第4押し順を示唆又は報知するナビ演出が実行されているときにおいて、1回目にストップボタン22が操作されたとしても2回目にストップボタン21が操作された場合、ナビ演出が終了する。なお、遊技機10では、演出表示装置15におけるナビ演出の実行が中止した場合であっても、払出表示部35における指示情報の表示は継続して行われる。
【0117】
副CPU51は、上乗せ回数コマンドを入力した場合、副CPU51は、上乗せ演出処理を行う。一方、上乗せ回数コマンドを入力していない場合、副CPU51は、上乗せ演出処理を行わない。上乗せ演出処理において副CPU51は、入力している上乗せ回数コマンドから上乗せ回数を特定し、当該上乗せ回数を報知する内容の上乗せ演出が実行されるように、演出表示装置15を制御する。
【0118】
副CPU51は、入賞コマンドを入力した場合、当該入賞コマンドから特定可能な入賞した役に応じた演出を実行させる場合がある。例えば、副CPU51は、ベル役が入賞したことを特定可能な入賞コマンドを入力した場合、黄色に発光するように装飾ランプ13を制御し、ベルを模した画像を表示するように演出表示装置15を制御する。例えば、副CPU51は、再遊技役が入賞したことを特定可能な入賞コマンドを入力した場合、青色に発光するように装飾ランプ13を制御し、再遊技役が入賞したことを特定可能な画像を表示するように演出表示装置15を制御する。
【0119】
副CPU51は、不能状態コマンドを入力すると、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する演出(以下、不能演出と示す)を実行するように装飾ランプ13、スピーカ14及び演出表示装置15のうち少なくとも1つを制御する。不能演出は、オーバーフローエラーが発生したことを示唆又は報知する演出に相当する。例えば、不能演出は、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する画像を演出表示装置15に表示する表示演出によって構成される演出であってもよいし、当該表示演出を含んで構成される演出であってもよい。例えば、不能演出は、遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数以上となったことにより遊技不能状態に制御されたことを示唆又は報知する音声をスピーカ14から出力する音演出によって構成される演出であってもよいし、当該音演出を含んで構成される演出であってもよい。オーバーフローエラーが解消された場合、副CPU51は、不能演出を終了するように制御する。例えば、副CPU51は、直通型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が遊技上限数未満となった場合、不能演出を終了するように制御する。
【0120】
遊技機10において、演出表示装置15では、遊技機管理遊技媒体数を表示する保有数表示演出が実行される場合がある。つまり、演出表示装置15が実行可能な表示演出には、遊技機管理遊技媒体数を表示する保有数表示演出がある。本実施形態では、保有数表示演出が、遊技者が保有する遊技媒体数を表示する第1表示演出に相当する。
【0121】
図7(a)に示すように、遊技機10では、保有数画像HMが演出表示装置15に表示され、保有数演出が実行される。保有数画像HMは、原則として、遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含んでいる。例えば、
図7(a)に示す「1012枚」という文字情報を含む保有数画像HMは、遊技機管理遊技媒体数が「1012」であることを特定可能な情報を含む保有数画像HMに相当する。そして、
図7(a)に示す保有数画像HMが演出表示装置15に表示されているとき、遊技機管理遊技媒体数が「1012」であることを特定することが可能となっている。
図7(b)に示すように、例えば、遊技機管理遊技媒体数が「1009」となった場合、演出表示装置15には、「1009枚」という文字情報を含む保有数画像HMが表示され、保有数表示演出が実行される。演出表示装置15は、保有数画像HMを表示することにより、遊技者が保有する遊技媒体数に関する表示を行う。本実施形態では、演出表示装置15が、特定表示部に相当する。
【0122】
図7(a)に示すように、保有数画像HMは、演出表示装置15において画像を表示可能な表示領域のうち左上方に表示される。因みに、遊技機10において、遊技機管理遊技媒体数表示部27は、演出表示装置15の右下方に設けられている。したがって、演出表示装置15の表示領域のうち左上方の表示領域は、遊技機管理遊技媒体数表示部27と、演出表示装置15の表示領域の中心CPから左右方向において真逆の方向に位置する表示領域である。つまり、保有数画像HMは、演出表示装置15の表示領域のうち、当該演出表示装置15の表示領域の中心CPを基準として、遊技機管理遊技媒体数表示部27とは左右方向において逆方向の表示領域に表示される。また、演出表示装置15の表示領域のうち左上方の表示領域は、遊技機管理遊技媒体数表示部27と、演出表示装置15の表示領域の中心CPから上下方向において真逆の方向に位置する表示領域である。つまり、保有数画像HMは、演出表示装置15の表示領域のうち、当該演出表示装置15の表示領域の中心CPを基準として、遊技機管理遊技媒体数表示部27とは上下方向において逆方向の表示領域に表示される。本実施形態において、演出表示装置15の表示領域の形状は、四角形である。そして、本実施形態における「演出表示装置15の表示領域の中心CP」は、演出表示装置15の表示領域の2本の対角線の交点としている。
【0123】
図8に示すように、例えば、演出表示装置15は、当該演出表示装置15の表示面15aが遊技者からみて後方へ角度X1だけ傾くように取り付けられている。例えば、遊技機管理遊技媒体数表示部27は、当該遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aが遊技者からみて後方へ角度X2だけ傾くように取り付けられている。この場合、遊技機10において、角度X1は、角度X2と異なる。具体的に、遊技機10における角度X1は、角度X2よりも小さい。この結果、遊技機10を側面から見た場合において、演出表示装置15の表示面15aの向きMY1は、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの向きMY2と異なる。このように、遊技機10において、遊技者に対する演出表示装置15の表示面15aの向きMY1は、遊技者に対する遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの向きMY2と異なる。換言すると、遊技機10において、遊技者に対する遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの向きMY2は、遊技者に対する演出表示装置15の表示面15aの向きMY1と異なる。即ち、本実施形態において、遊技者に対する特定表示部の表示面の向きは、遊技者に対する非特定表示部の表示面の向きと異なる。そして、遊技機10では、演出表示装置15の表示面15aの上下方向の向きと、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの上下方向の向きと、が異なる。一方、遊技機10では、演出表示装置15の表示面15aの左右方向の向きと、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの上下方向の向きと、は同じである。
【0124】
遊技機10において、演出表示装置15では、設定されている掛け数を特定可能な掛け数表示演出が実行される場合がある。つまり、演出表示装置15が実行可能な表示演出には、掛け数を特定可能な掛け数表示演出がある。
【0125】
図7(a)に示すように、遊技機10では、掛け数表示画像BPが演出表示装置15に表示され、掛け数表示演出が実行される。掛け数表示画像BPは、第1掛け数表示画像BP1と、第2掛け数表示画像BP2と、第3掛け数表示画像BP3と、によって構成されている。第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3は、それぞれ、白色表示態様で表示される場合と、黄色表示態様で表示される場合と、がある。例えば、第1掛け数表示画像BP1が白色表示態様で表示される場合には、白色を基調とした第1掛け数表示画像BP1が演出表示装置15に表示される。ここでは、第1掛け数表示画像BP1を例に挙げたが、第2掛け数表示画像BP2及び第3掛け数表示画像BP3が白色表示態様で表示される場合も同様である。例えば、第1掛け数表示画像BP1が黄色表示態様で表示される場合には、黄色を基調とした第1掛け数表示画像BP1が演出表示装置15に表示される。ここでは、第1掛け数表示画像BP1を例に挙げたが、第2掛け数表示画像BP2及び第3掛け数表示画像BP3が黄色表示態様で表示される場合も同様である。
【0126】
図7(a)に示すように、遊技機10では、掛け数が0である場合、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の全てが白色表示態様で演出表示装置15に表示される。一方、
図7(b)に示すように、遊技機10では、掛け数が3である場合、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の全てが黄色表示態様で演出表示装置15に表示される。なお、図示していないが、遊技機10では、掛け数が1である場合、第1掛け数表示画像BP1が黄色表示態様で演出表示装置15に表示され、第2掛け数表示画像BP2及び第3掛け数表示画像BP3が白色表示態様で演出表示装置15に表示される。また、図示していないが、遊技機10では、掛け数が2である場合、第1掛け数表示画像BP1及び第2掛け数表示画像BP2が黄色表示態様で演出表示装置15に表示され、第3掛け数表示画像BP3が白色表示態様で演出表示装置15に表示される。遊技機10では、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3のうち一部又は全部が白色表示態様から黄色表示態様に切り替わる場合には、掛け数が増加したこと、つまり、遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定することができる。掛け数表示演出は、掛け数が増加したことを特定可能な表示演出、つまり、遊技機管理遊技媒体数の減少を特定可能な表示演出といえる。
【0127】
因みに、遊技機10では、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3のうち一部又は全部が黄色表示態様で表示されているときにおいて、精算ボタン19が操作された場合、掛け数が0となるため、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の全てが白色表示態様で表示される。遊技機10では、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3のうち一部又は全部が黄色表示態様から白色表示態様に切り替わる場合には、掛け数が0となったこと、つまり、掛け数が遊技機管理遊技媒体数に払い戻されたことを特定することができる。掛け数表示演出は、掛け数が払い戻されたことを特定可能な表示演出として機能する場合がある。
【0128】
遊技機10において、演出表示装置15では、掛け数が設定されたことに伴う遊技機管理遊技媒体数の減少を特定可能なメダル投入演出が実行される。つまり、演出表示装置15が実行可能な表示演出には、遊技機管理遊技媒体数の減少を特定可能なメダル投入演出がある。本実施形態では、メダル投入演出が、遊技者が保有する遊技媒体数の減少を特定可能な第2表示演出に相当する。
【0129】
図9(a)に示すように、遊技機10では、掛け数が1増加する場合、遊技メダルを模したメダル画像MDが演出表示装置15に1つ表示される内容のメダル投入演出が実行される。このとき、演出表示装置15において、1つのメダル画像MDは、保有数画像HMから掛け数表示画像BPに向かって移動するように表示される。また、
図9(b)に示すように、遊技機10では、掛け数が2増加する場合、メダル画像MDが演出表示装置15に2つ表示される内容のメダル投入演出が実行される。このとき、演出表示装置15において、2つのメダル画像MDは、保有数画像HMから掛け数表示画像BPに向かって移動するように表示される。同様に、
図9(c)に示すように、遊技機10では、掛け数が2増加する場合、メダル画像MDが演出表示装置15に3つ表示される内容のメダル投入演出が実行される。このとき、演出表示装置15において、3つのメダル画像MDは、保有数画像HMから掛け数表示画像BPに向かって移動するように表示される。
【0130】
因みに、メダル投入演出は、掛け数が設定されることによって保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が減少することに伴って、実行が開始される。このため、例えば、
図9(a)に示すように、掛け数が設定される前において保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「1012」であれば、掛け数が1増加した場合には、保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「1011」となり、1つのメダル画像MDが表示されるメダル投入演出の実行が開始される。例えば、
図9(b)に示すように、掛け数が設定される前において保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「1012」であれば、掛け数が2増加した場合には、保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「1010」となり、2つのメダル画像MDが表示されるメダル投入演出の実行が開始される。同様に、例えば、
図9(c)に示すように、掛け数が設定される前において保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「1012」であれば、掛け数が3増加した場合には、保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「1009」となり、3つのメダル画像MDが表示されるメダル投入演出の実行が開始される。
【0131】
以上のように、メダル投入演出は、遊技を行うにあたって掛け数を設定して遊技媒体を消費することに伴って実行可能である。即ち、第2表示演出としてのメダル投入演出は、遊技媒体を消費することに伴って実行可能である。また、遊技機10では、メダル投入演出において、メダル画像MDが保有数画像HMから掛け数表示画像BPに向かって移動するように表示されることにより、遊技機管理遊技媒体数の減少を特定することができる。更に、遊技機10では、メダル投入演出において表示されるメダル画像MDの数によって、遊技機管理遊技媒体数から減少する遊技媒体の数を特定することができる。
【0132】
なお、図示していないが、メダル投入演出が実行された場合には、当該メダル投入演出の終了後、掛け数に応じた表示態様で第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3が表示される。ここでいう「メダル投入演出の終了後」とは、メダル投入演出において表示されたメダル画像MDが掛け数表示画像BPまで移動し終わった後を意味する。
【0133】
遊技機10において、演出表示装置15では、入賞に伴う遊技機管理遊技媒体数の増加を特定可能な入賞獲得演出が実行される。つまり、演出表示装置15が実行可能な表示演出には、遊技機管理遊技媒体数の増加を特定可能な入賞獲得演出がある。本実施形態では、入賞獲得演出が、遊技者が保有する遊技媒体数の増加を特定可能な特殊表示演出に相当する。
【0134】
入賞獲得演出の表示態様は、入賞した払出役に応じて異なる。つまり、遊技機10において、入賞獲得演出の表示態様は、遊技機管理遊技媒体数が増加する契機となった事象によって異なる。即ち、本実施形態において、特殊表示演出としての入賞獲得演出の表示態様は、遊技者が保有する遊技媒体数の増加契機となった事象によって異なる。因みに、遊技機10では、払出役のうち一枚役以外の役(つまり、チェリー役、スイカ役、ベル役)が入賞したときには、当該入賞に伴い、入賞獲得演出が演出表示装置15において実行される。一方、遊技機10では、払出役のうち一枚役が入賞したときには、当該入賞に伴い、入賞獲得演出が演出表示装置15において実行されない。
【0135】
図10(a)に示すように、遊技機10では、ベル役が入賞した場合、払出役が入賞したことを特定可能な入賞画像GNが演出表示装置15に表示され、入賞獲得演出が実行される。ベル役が入賞した場合には、ベルを模した入賞画像GNが表示される内容の入賞獲得演出が実行される。ベル役が入賞した場合に表示される入賞画像GNは、ベル役の入賞によって遊技媒体を15獲得することを特定可能な「+15」という文字情報を含んでいる。同様に、
図10(b)に示すように、遊技機10では、スイカ役が入賞した場合、払出役が入賞したことを特定可能な入賞画像GNが演出表示装置15に表示され、入賞獲得演出が実行される。スイカ役が入賞した場合には、スイカを模した入賞画像GNが表示される内容の入賞獲得演出が実行される。スイカ役が入賞した場合に表示される入賞画像GNは、スイカ役の入賞によって遊技媒体を5獲得することを特定可能な「+5」という文字情報を含んでいる。図示していないが、遊技機10では、チェリー役が入賞した場合、払出役が入賞したことを特定可能な入賞画像GNが表示され、入賞獲得演出が実行される。チェリー役が入賞した場合には、チェリーを模した入賞画像GNが表示される内容の入賞獲得演出が実行される。チェリー役が入賞した場合に表示される入賞画像GNは、チェリー役の入賞によって遊技媒体を3獲得することを特定可能な「+3」という文字情報を含んでいる。また、遊技機10では、入賞獲得演出において入賞画像GNが演出表示装置15における所定の位置に表示された後、当該入賞画像GNが保有数画像HMに向かって移動するように表示される。以上のように、遊技機10では、入賞した払出役によって入賞獲得演出において表示される入賞画像GNが異なることにより、遊技機管理遊技媒体数が増加する契機となった事象によって入賞獲得演出の表示態様が異なる。
【0136】
なお、図示していないが、入賞獲得演出が実行された場合には、当該入賞獲得演出の終了後のタイミングにおいて、保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が増加する。ここでいう「入賞獲得演出の終了後」とは、入賞獲得演出において表示された入賞画像GNが保有数画像HMまで移動し終わった後を意味する。
【0137】
遊技機10において、演出表示装置15では、遊技媒体の管理を遊技機10から管理ユニット100へと移管されることを特定可能な転送演出が実行される。転送演出は、遊技者が保有する遊技媒体が遊技機10から管理ユニット100へと転送されることを特定可能な表示演出であり、遊技者が保有する遊技媒体の数の機外への転送を特定可能な表示演出に相当する。つまり、演出表示装置15が実行可能な表示演出には、遊技機管理遊技媒体数の機外への転送を特定可能な転送演出がある。本実施形態では、転送演出が、遊技者が保有する遊技媒体数の遊技機外への転送を特定可能な特定表示演出に相当する。
【0138】
転送演出には、第1転送演出と、第2転送演出と、がある。第1転送演出は、1の遊技媒体の管理を遊技機10から管理ユニット100へと移管されるときに実行可能である。つまり、第1転送演出は、遊技者が保有する1の遊技媒体が遊技機外へ転送されるときに実行可能である。第2転送演出は、1を超える数の遊技媒体の管理を遊技機10から管理ユニット100へと移管されるときに実行可能である。つまり、第2転送演出は、遊技者が保有する2以上の遊技媒体が遊技機外へ転送されるときに実行可能である。遊技機10では、計数ボタン28が短押し操作されて1の遊技媒体の管理が遊技機10から管理ユニット100へ移管されるとき、第1転送演出が実行される。遊技機10では、計数ボタン28が長押し操作されて2以上の遊技媒体の管理が遊技機10から管理ユニット100へ移管されるとき、第2転送演出が実行される。因みに、遊技機10では、計数ボタン28が長押し操作されて1の遊技媒体の管理が遊技機10から管理ユニット100へ移管されるときには、第1転送演出が実行される。
【0139】
図11(a)に示すように、遊技機10では、第1転送画像TG1が演出表示装置15に表示され、第1転送演出が実行される。このとき、第1転送画像TG1は、演出表示装置15において、保有数画像HMに重ねて表示される。これにより、第1転送演出が遊技機管理遊技媒体数に関連する演出であることを認識させ易くすることができる。また、
図11(b)に示すように、遊技機10では、第2転送画像TG2が演出表示装置15に表示され、第2転送演出が実行される。このとき、第2転送画像TG2は、演出表示装置15において、保有数画像HMに重ねて表示される。これにより、第2転送演出が遊技機管理遊技媒体数に関連する演出であることを認識させ易くすることができる。本実施形態において、第2転送画像TG2は、第1転送画像TG1よりも大きい。つまり、第2転送演出が実行される演出領域は、第1転送演出が実行される演出領域よりも大きい。これにより、第2転送演出が実行された場合には、第1転送演出が実行された場合に比して、遊技機外へ転送されている遊技媒体数が多いことを認識させ易くすることができる。
【0140】
因みに、転送演出は、遊技機管理遊技媒体数が遊技機外へ転送されることによって保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が減少することに伴って、実行が開始される。このため、例えば、遊技機管理遊技媒体数が遊技機外へ転送される前において保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「1012」であるとする。そして、例えば、
図11(a)に示すように、1の遊技媒体が遊技機外へ転送された場合には、保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「1011」となるとともに、第1転送画像TG1が表示されて第1転送演出の実行が開始される。一方、例えば、
図11(b)に示すように、50の遊技媒体が遊技機外へ転送された場合には、保有数画像HMにおいて示される遊技機管理遊技媒体数が「962」となるとともに、第2転送画像TG2が表示されて第2転送演出の実行が開始される。
【0141】
遊技機10において、演出表示装置15では、遊技機外へ連続して転送された遊技媒体の数が所定の実行数に達したことを契機に、特別転送演出が実行される。本実施形態において、「連続して転送された遊技媒体の数」とは、所定の間隔(本実施形態では、5秒)をあけることなく転送された遊技媒体の数としている。本実施形態において、「所定の実行数」は、2000としている。特別転送演出は、遊技者が保有する遊技媒体の数の機外への転送を特定可能な表示演出と捉えることもできる。このように、演出表示装置15が実行可能な表示演出には、特別転送演出がある。
【0142】
図11(c)に示すように、遊技機10では、特別転送演出が実行される場合、特別転送画像TGxが演出表示装置15に表示され、特別転送演出が実行される。本実施形態において、特別転送画像TGxは、ハートを模した画像としている。また、本実施形態において、特別転送画像TGxは、「2000」の文字情報を含んでいる。特別転送画像TGxは、演出表示装置15において、保有数画像HMに重ねて表示されない。また、特別転送演出が実行される場合には、第1転送画像TG1又は第2転送画像TG2が表示されて転送演出が演出表示装置15において実行されている。しかし、特別転送画像TGxは、演出表示装置15において、第1転送画像TG1及び第2転送画像TG2の何れにも重ねて表示されない。
【0143】
ここで、保有数表示演出、掛け数表示演出、メダル投入演出、入賞獲得演出、転送演出及び特別転送演出の実行に係る制御について、説明する。
副CPU51は、掛け数表示演出が実行されるように、演出表示装置15を制御する。副CPU51は、掛け数表示画像BPが表示されるように、演出表示装置15を制御する。また、副CPU51は、掛け数に応じて第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の表示態様を制御する。なお、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の表示態様に関する制御については、各演出の実行に係る制御とともに後述する。
【0144】
副CPU51は、保有数表示演出が実行されるように、演出表示装置15を制御する。副CPU51は、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。副CPU51は、遊技媒体の貸出に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力した場合、当該経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。
【0145】
副CPU51は、掛け数の精算に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力した場合、当該経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。更に、副CPU51は、掛け数の精算に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力した場合、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の全てが白色表示態様で表示されるように、演出表示装置15を制御する。
【0146】
副CPU51は、掛け数の設定に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力した場合、当該経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。また、副CPU51は、掛け数コマンドを入力した場合、当該掛け数コマンドから増加した掛け数と同じ数のメダル画像MDが表示されるように、演出表示装置15を制御する。メダル画像MDを表示させる場合、副CPU51は、表示させたメダル画像MDが保有数画像HMから掛け数表示画像BPに向かって移動するように表示されるように、演出表示装置15を制御する。これにより、演出表示装置15では、メダル投入演出が実行される。そして、メダル投入演出の終了後、副CPU51は、増加後の掛け数に応じた表示態様で表示されるように第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の表示態様を制御する。このとき、掛け数は1以上であることから、副CPU51は、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3のうち少なくとも1つが黄色表示態様で表示されるように、演出表示装置15を制御する。
【0147】
副CPU51は、払出役のうち一枚役以外の役が入賞したことを特定可能な入賞コマンドを入力した場合、当該入賞コマンドから特定可能な入賞した払出役に応じた入賞画像GNが表示されるように、演出表示装置15を制御する。入賞画像GNを表示させる場合、副CPU51は、表示させた入賞画像GNが保有数画像HMに向かって移動するように表示されるように、演出表示装置15を制御する。これにより、演出表示装置15では、入賞獲得演出が実行される。そして、副CPU51は、入賞に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力した場合、当該経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。具体的に、入賞獲得演出の終了後、副CPU51は、入賞に伴って遊技機管理遊技媒体数が増加したことを特定可能な経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。
【0148】
副CPU51は、遊技媒体の管理の移管に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力した場合、当該経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。更に、副CPU51は、遊技媒体の管理の移管に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンドから1の遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な場合、第1転送画像TG1が表示されるように、演出表示装置15を制御する。これにより、演出表示装置15では、第1転送演出が実行される。一方、副CPU51は、遊技媒体の管理の移管に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンドから2以上の遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な場合、第2転送画像TG2が表示されるように、演出表示装置15を制御する。これにより、演出表示装置15では、第2転送演出が実行される。
【0149】
また、副CPU51は、遊技機外へ連続して転送された遊技媒体の数が所定の実行数に達した場合、特別転送画像TGxが表示されるように、演出表示装置15を制御する。これにより、演出表示装置15では、特別転送演出が実行される。なお、副CPU51は、5秒以上の時間が経過することなく連続して入力した「遊技媒体の管理の移管に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンド」から、遊技機外へ連続して転送された遊技媒体の数を特定する。
【0150】
具体的に、副RWM53には、外へ連続して転送された遊技媒体の数を特定可能な情報(以下、転送数情報と示す)が記憶される。副CPU51は、遊技媒体の管理の移管に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力した場合、当該経由型保有数コマンドの入力前の遊技機管理遊技媒体数と、入力した経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数と、の差を算出する。そして、副CPU51は、算出した差を転送数情報に加算し、転送数情報を更新する。転送数情報を更新したことによって転送数情報から特定可能な数が所定の実行数に達した場合、副CPU51は、特別転送画像TGxが表示されるように、演出表示装置15を制御する。なお、副CPU51は、遊技媒体の管理の移管に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力してから、次の遊技媒体の管理の移管に伴って遊技機管理遊技媒体数が減少したことを特定可能な経由型保有数コマンドを入力しないまま5秒が経過した場合、転送数情報を初期化する。副CPU51は、0を特定可能な転送数情報に更新することで、転送数情報を初期化する。
【0151】
遊技機10では、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドが遊技媒体数制御基板60から出力された場合、副制御基板50には、直通型保有数コマンドが入力された後のタイミングで経由型保有数コマンドが入力されることとなる。これは、直通型保有数コマンドは、主制御基板40において主CPU41による入力処理によって入力されずに副制御基板50に入力される一方、経由型保有数コマンドは、主制御基板40において主CPU41による入力処理によって入力されてから副制御基板50に入力されることに起因するものである。
【0152】
前述したように、副CPU51は、経由型保有数コマンドを入力した場合、当該経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。そして、入力した経由型保有数コマンドと共に出力バッファに格納される直通型保有数コマンドを入力した場合、副CPU51は、各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致するかを判定する。各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致しない場合、副CPU51は、保有数画像HMを秘匿態様で表示されるように、演出表示装置15を制御する。
【0153】
図12に示すように、秘匿態様で表示される保有数画像HMは、「?????」の文字情報を含む保有数画像HMである。保有数画像HMが秘匿態様で表示されることにより、遊技機管理遊技媒体数が秘匿されることとなる。因みに、このとき、演出表示装置15には遊技機管理遊技媒体数が表示されないものの、遊技機管理遊技媒体数表示部27には、遊技機管理遊技媒体数が表示されたままとなる。
【0154】
保有数画像HMを秘匿態様で表示させた後、副CPU51は、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致するまでの間、秘匿態様で保有数画像HMを表示させる。更に、保有数画像HMを秘匿態様で表示させた後、副CPU51は、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致するまでの間、経由型保有数コマンドを入力したとしても、遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMを表示させない。つまり、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致しなかった場合には、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMの表示が制限される。
【0155】
例えば、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMの表示を制限した後、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致したとする。この場合、副CPU51は、次に経由型保有数コマンドを入力した場合に、当該経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。これにより、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMの表示の制限が解消され、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMの表示が復活する。
【0156】
なお、秘匿態様で保有数画像HMを表示させていないとき、各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致する場合、副CPU51は、保有数画像HMを秘匿態様で表示されるように制御しない。また、各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致する場合、副CPU51は、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMの表示を制限しない。そして、各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致する場合、副CPU51は、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。
【0157】
ここで、
図13(a)~
図13(g)に基づき、遊技機管理遊技媒体数の変化と演出表示装置15の表示内容の一例について説明する。
図13(a)に示すように、遊技機管理遊技媒体数が「7063」であるとき、演出表示装置15には、「7063枚」の文字情報を含む保有数画像HMが表示される。更に、このとき、掛け数が設定されていないとき、つまり、掛け数が0であるとき、演出表示装置15には、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の全てが白色表示態様で表示される。その後、
図13(b)に示すように、MAXベットボタン18が操作されて掛け数が3増加する場合、演出表示装置15には、保有数画像HMが示す遊技機管理遊技媒体数が3減少し、「7060枚」の文字情報を含む保有数画像HMが表示される。更に、演出表示装置15では、3つのメダル画像MDが表示されるメダル投入演出の実行が開始される。このとき表示される3つのメダル画像MDは、保有数画像HMから掛け数表示画像BPに向かって移動するように表示される。そして、
図13(c)に示すように、掛け数が3であるため、メダル投入演出が終了すると、演出表示装置15には、第1掛け数表示画像BP1~第3掛け数表示画像BP3の全てが黄色表示態様で表示される。
【0158】
その後、
図13(d)に示すように、変動ゲームが実行されてベル役が入賞した場合、演出表示装置15では、ベルを模した入賞画像GNが表示される内容の入賞獲得演出が実行される。このとき表示される入賞画像GNは、保有数画像HMに向かって移動するように表示される。そして、
図13(e)に示すように、ベル役の入賞によって15の遊技媒体を獲得したことにより、演出表示装置15には、「7075枚」の文字情報を含む保有数画像HMが表示される。
【0159】
また、
図13(f)に示すように、計数ボタン28が長押し操作された場合、演出表示装置15では、第2転送画像TG2が表示され、第2転送演出が実行される。更に、50の遊技媒体が遊技機外へ転送されたことに伴い、演出表示装置15には、「7025枚」の文字情報を含む保有数画像HMが表示される。その後、
図13(g)に示すように、遊技機外へ連続して転送された遊技媒体の数が2000に達すると、演出表示装置15では、特別転送画像TGxが表示され、特別転送演出が実行される。
【0160】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)遊技者が保有する遊技媒体数を管理する処理を実行可能な媒体数CPU61を有する遊技媒体数制御基板60から出力される制御情報(制御信号)には、遊技者が保有する遊技媒体数に関する保有数コマンドがある。そして、保有数コマンドには、主CPU41が実行する入力処理によって入力されずに副制御基板50へと出力される直通型保有数コマンドがある。このような直通型保有数コマンドが出力されることで、例えば、一時的に主制御基板40で入力されてから副制御基板50へ制御信号が出力される場合に比して、遊技媒体数制御基板60において管理されている遊技機管理遊技媒体数の変化と、演出表示装置15において表示されている遊技機管理遊技媒体数の変化と、のズレを抑制することができる。以上のように、遊技媒体数制御基板60において管理されている遊技機管理遊技媒体数の変化と、演出表示装置15において表示されている遊技機管理遊技媒体数の変化と、のズレを抑制することができるように制御することにより、メダルレス遊技機における興趣の低下を抑制し、興趣の向上を図ることができる。
【0161】
(2)保有数コマンドとして、直通型保有数コマンドとは別に、主CPU41が実行する入力処理によって入力される経由型保有数コマンドが出力される。そして、主CPU41は、保有数コマンドのうち経由型保有数コマンドの入力に伴って遊技不能状態に制御可能である。これにより、遊技媒体数制御基板60において管理されている遊技機管理遊技媒体数の変化と、演出表示装置15において表示されている遊技機管理遊技媒体数の変化と、のズレを抑制しつつ、主CPU41による遊技不能状態への制御を可能とし、興趣の向上を図ることができる。
【0162】
(3)遊技者に対する演出表示装置15の表示面15aの向きは、遊技者に対する遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの向きと異なる。このため、演出表示装置15及び遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示内容を同時にはっきりと視認することを困難とすることができる。この結果、演出表示装置15における「遊技機管理遊技媒体数の表示」と、遊技機管理遊技媒体数表示部27における「遊技機管理遊技媒体数の表示」と、のズレが生じたとしても、そのズレに遊技者が気付き難くすることができ、興趣の向上を図り易くすることができる。
【0163】
(4)遊技媒体を消費することは、遊技を行うことに対する楽しみな感情を遊技者に与える一方で、遊技媒体を失うことへの残念な感情を遊技者に与えることとなる。特に、遊技者が保有する遊技媒体数を表示する保有数表示演出を実行する場合には、当該保有数表示演出において表示されている遊技機管理遊技媒体数が減少することで、遊技媒体を失うことへの残念な感情を遊技者に与え、興趣を低下させる虞がある。しかし、遊技機10では、遊技者が保有する遊技媒体数の減少を特定可能なメダル投入演出を、遊技媒体を消費することに伴って実行可能に構成した。このため、遊技機10によれば、遊技媒体を失うことへの残念な感情を遊技者に与えることを抑制でき、興趣の向上を図ることができる。
【0164】
(5)演出表示装置15では、遊技者が保有する遊技媒体数の遊技機外への転送を特定可能な転送演出が実行される。このような転送演出を実行することにより、遊技機10によれば、遊技者が保有する遊技媒体数が遊技機外に転送されて、保有数表示演出において表示されている遊技機管理遊技媒体数が減ったとしても、失ったわけではなく、遊技機外に転送されていることを特定させることで安心させ、興趣の向上を図ることができる。
【0165】
(6)遊技機10では、遊技者が保有する遊技媒体数の増加する契機となった事象によって、遊技者が保有する遊技媒体数の増加を特定可能な入賞獲得演出の表示態様を異ならせた。このため、遊技機10によれば、入賞獲得演出の表示態様に注目させて、興趣の向上を図ることができる。
【0166】
(7)演出表示装置15では、設定されている掛け数を特定可能な掛け数表示演出が実行される。これにより、掛け数が精算されたことによって遊技機管理遊技媒体数が増加した場合であっても、その増加の要因が、設定されていた掛け数が払い戻されたからであることを認識させ易くすることができる。また、掛け数が設定されたことによって遊技機管理遊技媒体数が減少した場合であっても、その減少の要因が、掛け数が設定されたからであることを認識させ易くすることができる。
【0167】
(8)演出表示装置15では、遊技機外へ連続して転送された遊技媒体の数が所定の実行数に達したことを契機に、特別転送演出が実行される。このような特別転送演出を実行可能であることにより、遊技機10によれば、遊技機外へ連続して転送される遊技媒体の数が多いことによって、遊技機外へ連続して転送しているときの飽きを抑制できる。
【0168】
(9)遊技機10では、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致しない場合、保有数画像HMが秘匿態様で表示される。このため、遊技機10によれば、間違っている可能性がある遊技機管理遊技媒体数が演出表示装置15に表示され続けることを抑制することができる。例えば、保有数画像HMにおける遊技機管理遊技媒体数が間違っている場合には、遊技者に不快感を与え、興趣を低下させてしまう虞がある。しかし、遊技機10によれば、間違っている可能性がある遊技機管理遊技媒体数が演出表示装置15に表示され続けることを抑制することができるので、興趣の低下を抑制することができる。
【0169】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・保有数画像HMは、秘匿態様で表示されないように構成してもよい。遊技機10は、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致しない場合であっても、直通型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが演出表示装置15に表示されるようにしてもよい。遊技機10は、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致しない場合であっても、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが演出表示装置15に表示されるようにしてもよい。
【0170】
・副CPU51は、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドの各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数が一致した場合に限り、各保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御するようにしてもよい。
【0171】
・副CPU51は、直通型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御する。その後、既に入力している直通型保有数コマンドと対になる経由型保有数コマンドを入力した場合、副CPU51は、経由型保有数コマンドから特定可能な遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報を含む保有数画像HMが表示されるように、演出表示装置15を制御するようにしてもよい。
【0172】
・直通型保有数コマンドは、主制御基板40上に配線された導線を通過することなく、副制御基板50へ出力されるように構成してもよい。例えば、遊技媒体数制御基板60は、主制御基板40に対して経由型保有数コマンド、副制御基板50に対して直通型保有数コマンドをそれぞれ出力するように構成してもよい。
【0173】
・経由型保有数コマンドは、副制御基板50に出力されないように構成してもよい。例えば、経由型保有数コマンドは、主制御基板40に入力される保有数コマンドとしてもよい。例えば、直通型保有数コマンドは、副制御基板50に入力される保有数コマンドとしてもよい。例えば、経由型保有数コマンドは、主制御基板40の主CPU41によって実行される入力処理において入力される保有数コマンドであってもよい。例えば、直通型保有数コマンドは、副制御基板50の副CPU51によって実行される入力処理において入力される保有数コマンドであってもよい。
【0174】
・保有数コマンドは、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドのうち何れか一方のみであってもよい。例えば、遊技機10は、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドのうち直通型保有数コマンドのみが出力されるように構成してもよい。例えば、遊技機10は、経由型保有数コマンド及び直通型保有数コマンドのうち経由型保有数コマンドのみが出力されるように構成してもよい。
【0175】
・遊技機10は、遊技不能状態に制御可能に構成しなくてもよい。例えば、遊技機10は、経由型保有数コマンドの入力に伴って主CPU41により遊技不能状態に制御されないように構成してもよい。例えば、遊技機10は、経由型保有数コマンドの入力に伴って遊技不能状態に制御されない一方、他の事象が発生に伴って遊技不能状態に制御されるように構成してもよい。例えば、「他の事象」は、特定のエラーが発生したことであってもよい。例えば、「他の事象」は、遊技者に付与された遊技媒体の数が規定値に達したことであってもよい。例えば、「他の事象」は、付与された遊技媒体の数と、遊技を行うにあたって消費した遊技媒体の数と、に基づいて変化可能な特定値が規定値に達したことであってもよい。
【0176】
・遊技者に対する演出表示装置15の表示面15aの向きは、遊技者に対する遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの向きと同じであってもよい。遊技機10では、演出表示装置15の表示面15aの上下方向の向きと、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの上下方向の向きと、が同じであってもよい。遊技機10では、演出表示装置15の表示面15aの左右方向の向きと、遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aの上下方向の向きと、を異ならせてもよい。
【0177】
・演出表示装置15は、当該演出表示装置15の表示面15aが遊技者からみて傾くように取り付けなくてもよい。演出表示装置15は、当該演出表示装置15の表示面15aが遊技者からみて遊技者側へ傾くように取り付けられていてもよい。
【0178】
・遊技機管理遊技媒体数表示部27は、当該遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aが遊技者からみて傾くように取り付けなくてもよい。遊技機管理遊技媒体数表示部27は、当該遊技機管理遊技媒体数表示部27の表示面27aが遊技者からみて遊技者側へ傾くように取り付けられていてもよい。
【0179】
・遊技機10では、保有数表示演出、掛け数表示演出、メダル投入演出、入賞獲得演出、転送演出及び特別転送演出のうち一部又は全部の演出を実行しなくてもよい。例えば、遊技機10は、保有数表示演出、掛け数表示演出、メダル投入演出、入賞獲得演出、転送演出及び特別転送演出のうち一部の演出を実行可能に構成してもよい。保有数表示演出、掛け数表示演出、メダル投入演出、入賞獲得演出、転送演出及び特別転送演出のうち一部又は全部の演出の演出態様は、上記実施形態における演出態様とは異なる演出態様に変更してもよい。
【0180】
・特別転送演出の実行契機となる「所定の実行数」を変更してもよい。例えば、所定の実行数は、複数であってもよい。例えば、所定の実行数は、1000の倍数であってもよい。この場合には、例えば、連続して転送された遊技媒体の数が更新されたことに伴って所定の実行数を超える度に特別転送演出が演出表示装置15において実行されるように構成してもよい。例えば、連続して転送された遊技媒体数が970から1020へ更新された場合と、連続して転送された遊技媒体数が1970から2020へ更新された場合と、の何れにおいても特別転送演出が実行されるように構成してもよい。なお、所定の実行数を複数とする場合には、特別転送演出が実行される機会も複数となるが、それぞれ実行される特別転送演出は同じであってもよいし、実行されるタイミング(所定の実行数)によって特別転送演出の演出態様を異なる場合があってもよい。
【0181】
・遊技機管理遊技媒体数表示部27は、遊技機10において発生したエラーを特定可能なエラー情報を表示する表示部として兼用されてもよい。例えば、遊技不能状態であるときにエラーが発生した場合には、遊技機管理遊技媒体数表示部27にエラー情報が表示される。一方、遊技不能状態でないとき(遊技を行うことが可能な遊技可能状態であるとき)にエラーが発生した場合には、遊技機管理遊技媒体数表示部27にエラー情報が表示されないように構成してもよい。つまり、エラーが発生したとしても、遊技可能状態であるときには、遊技機管理遊技媒体数表示部27にエラー情報が表示されないように構成してもよい。例えば、エラー情報を表示させる場合、媒体数CPU61は、遊技機管理遊技媒体数を特定可能な情報と、エラー情報と、が所定時間(例えば、4800ms)毎に交互に表示されるように遊技機管理遊技媒体数表示部27を制御してもよい。
【0182】
・遊技機10は、掛け数が上限数に達していないときにおいて、掛け数と遊技機管理遊技媒体数が上限数未満であっても、遊技機管理遊技媒体数が1以上であれば、MAXベットボタン18を操作した場合、掛け数を増加させることができるように構成してもよい。例えば、主CPU41は、掛け数が上限数に達していないとき、設定されている掛け数と遊技機管理遊技媒体数の合計数が上限数未満であっても、遊技機管理遊技媒体数が1以上であれば、MAXベットボタン18からの検知信号を入力したことを契機として、遊技機管理遊技媒体数分だけ掛け数を増加させてもよい。以上のように、遊技機10は、MAXベットボタン18が操作されることによって最大掛け数未満の掛け数も設定できるように構成してもよい。
【0183】
・主制御基板40は、役比表示部(所謂、役比モニタ)を備えてもよい。主CPU41は、役比表示部の表示内容を制御可能であるとよい。例えば、役比表示部に表示される内容は、役物等状態比率、有利区間比率、連続役物比率及び役物比率のうち一部又は全部であってもよい。有利区間比率は、有利区間及び非有利区間において実行された変動ゲームの回数に占める、有利区間において実行された変動ゲームの回数の割合である。
【0184】
・上記実施形態における遊技機は、ボーナス役に相当する図柄組み合わせ(ボーナス停止目)が変動ゲームにて導出されたことを契機に、ボーナス遊技が生起(付与)されるスロットマシンに具体化してもよい。ボーナス遊技が生起されている期間は、有利区間に含まれるように構成してもよい。因みに、ボーナス遊技を生起可能なスロットマシンにおいて、ボーナス役の入賞が許容されている状態は、「持越状態」や「内部中」といわれる。
【0185】
・遊技機10は、電磁的な遊技媒体を用いて遊技を行うことに加えて、又は、電磁的な遊技媒体を用いて遊技を行うことに代えて、物理的な遊技媒体(例えば、遊技メダル)を用いて遊技を行うことができるように構成されてもよい。この場合、遊技機10は、物理的な遊技媒体を機内部へ投入可能であってもよく、物理的な遊技媒体を機外部へ排出可能であってもよい。
【0186】
・上記実施形態における遊技機は、パチンコ遊技機として具体化してもよい。パチンコ遊技機では、所定の入賞口に遊技球が入球することが入賞することに相当する。パチンコ遊技機では、遊技球が発射されて、遊技球が所定の入賞口へ入球することにより遊技媒体が付与される。パチンコ遊技機は、遊技者が保有する遊技媒体(所謂、持ち球)の数をデータとして記憶可能であって、データとして記憶された遊技媒体を物理的な遊技媒体(遊技球)に変換して発射することにより遊技媒体を消費することによって遊技を行うことが可能であってもよい。つまり、上記実施形態における遊技機10は、物理的な遊技媒体が払い出されないパチンコ遊技機(所謂、管理遊技機)に具体化してもよい。管理遊技機では、管理装置(管理ユニット)から遊技媒体が貸し出されたときに、持ち球の数を増加させることができる。管理遊技機では、パチンコ遊技機から管理装置へと持ち球の管理を移管して、持ち球を減少させることができる。
【0187】
・上記実施形態における主制御基板40の機能は、複数の基板に分割してもよい。主CPU41は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・上記実施形態における遊技媒体数制御基板60の機能は、複数の基板に分割してもよい。媒体数CPU61は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。上記実施形態における主制御基板40の機能と、上記実施形態における遊技媒体数制御基板60の機能と、を単一の基板(以下、集約制御基板と示す)に集約してもよい。集約制御基板は、第1制御基板及び第2制御基板の何れにも相当するように構成してもよい。つまり、第1制御基板に相当する制御基板と、第2制御基板に相当する制御基板と、が同じ制御基板であってもよい。集約制御基板上に実行されるCPUは、1であってもよいし、複数であってもよい。集約制御基板上の1のCPUによって第1制御部及び第2制御部の両方の機能が実現されるように構成してもよいし、集約制御基板上の複数のCPUによって第1制御部及び第2制御部の両方の機能が実現されるように構成してもよい。
【0188】
・上記実施形態における副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、装飾ランプ13を専門に制御するランプ制御基板、スピーカ14を専門に制御する音制御基板及び演出表示装置15を専門に制御する表示制御基板を設けてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに設けてもよい。また、副CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0189】
・リプレイ表示部31、ウェイト表示部32、有利区間表示部33、掛け数表示部34及び払出表示部35のうち一部又は全部を備えない遊技機であってもよい。リプレイ表示部31、ウェイト表示部32、有利区間表示部33、掛け数表示部34及び払出表示部35の各種の表示部は、同一部材(上記実施形態でいえば、情報パネル30)に設ける必要はなく、例えば、一部又は全部の表示部が別の部材に設けられてもよい。
【0190】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(A-1)第1制御部を有する第1制御基板と、前記第1制御基板と双方向に通信可能であり、第2制御部を有する第2制御基板と、前記第1制御基板から単方向に通信可能であり、第3制御部を有する第3制御基板と、前記第3制御部によって制御可能であり、遊技者が保有する遊技媒体数に関する表示を行うことが可能な特定表示部と、を備え、前記第2制御部は、遊技者が保有する遊技媒体数を管理する処理を実行可能であり、前記第1制御部は、前記第2制御基板から出力される制御情報を入力する入力処理を実行可能であり、前記第2制御基板から出力される制御信号には、遊技者が保有する遊技媒体数に関する保有制御信号があり、前記保有制御信号には、前記第1制御部が実行する前記入力処理によって入力されずに前記第3制御基板へと出力される特定制御信号があることを特徴とする遊技機。
【0191】
(A-2)前記第2制御部によって制御可能であり、遊技者が保有する遊技媒体数に関する表示を行うことが可能な非特定表示部を備え、遊技者に対する前記特定表示部の表示面の向きは、遊技者に対する前記非特定表示部の表示面の向きと異なる技術的思想(A-1)に記載の遊技機。
【0192】
(A-3)前記保有制御信号には、前記特定制御信号と、前記第1制御部が実行する前記入力処理によって入力される非特定制御信号と、があり、前記第1制御部は、前記非特定制御信号の入力に伴って、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御可能である技術的思想(A-1)又は技術的思想(A-2)に記載の遊技機。
【0193】
(B-1)遊技者が保有する遊技媒体数をデータで管理可能に構成されており、遊技媒体を消費することによって遊技を行うことが可能な遊技機において、表示手段と、前記表示手段を制御可能な表示制御手段と、を備え、前記表示手段が実行可能な表示演出には、遊技者が保有する遊技媒体数を表示する第1表示演出と、遊技者が保有する遊技媒体数の減少を特定可能な第2表示演出と、があり、前記第2表示演出は、遊技媒体を消費することに伴って実行可能であることを特徴とする遊技機。
【0194】
(B-2)遊技者が操作可能な転送操作手段を備え、前記転送操作手段が操作された場合には、遊技者が保有する遊技媒体数が遊技機外に転送されるように構成されており、前記表示手段が実行可能な表示演出には、遊技者が保有する遊技媒体数の遊技機外への転送を特定可能な特定表示演出がある技術的思想(B-1)に記載の遊技機。
【0195】
(B-3)前記表示手段が実行可能な表示演出には、遊技者が保有する遊技媒体数の増加を特定可能な特殊表示演出があり、前記特殊表示演出の表示態様は、遊技者が保有する遊技媒体数の増加契機となった事象によって異なる技術的思想(B-1)又は技術的思想(B-2)に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0196】
10…スロットマシン(遊技機) 12…前面扉 13…装飾ランプ 14…スピーカ 15…演出表示装置 15a…表示面 16a…左リール 16b…中リール 16c…右リール 17…1ベットボタン 18…MAXベットボタン 19…精算ボタン 20…スタートレバー 21…左ストップボタン 22…中ストップボタン 23…右ストップボタン 27…遊技機管理遊技媒体数表示部 27a…表示面 28…計数ボタン 30…情報パネル 35…払出表示部 40…主制御基板 41…主CPU 42…主ROM 43…主RWM 50…副制御基板 51…副CPU 52…副ROM 53…副RWM 60…遊技媒体数制御基板 61…媒体数CPU 62…媒体数ROM 63…媒体数RWM