(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132378
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G03G21/16 185
G03G21/16 152
G03G21/16 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043117
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】入山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 未都
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA03
2H171FA19
2H171GA12
2H171GA13
2H171HA06
2H171HA33
2H171JA12
2H171KA05
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA27
2H171MA02
2H171NA08
2H171NA09
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB01
2H171QB32
2H171QB35
2H171QC05
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】ユニットを本体筐体に装着する場合にユニットコネクタが本体コネクタに係合しやすくなる。
【解決手段】画像形成装置は、本体コネクタを有する本体筐体と、ユニットコネクタ170を有する定着装置80とを備える。ユニットコネクタ170は、本体コネクタのガイドピンが挿入される第1ガイド穴173を有する。第1ガイド穴173は、第1筒状部173Aと、第1入口173Bと、第1テーパ部173Cとを有する。第1筒状部173Aは、第1ガイドピンが挿入されることで位置が規制される。第1入口173Bは、第1筒状部173Aよりも大きい。第1テーパ部173Cは、第1入口173Bと第1筒状部173Aとを接続する。第1入口173Bは、第1筒状部173Aの軸方向に直交する平面内において、第1方向と直交する第2方向の寸法A4より、軸方向および第2方向に直交する第3方向の寸法A3が大きい(A4<A3)。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体コネクタを有する本体筐体と、
前記本体筐体の外から前記本体筐体の装着位置に装着可能なユニットであって、前記ユニットが前記装着位置に位置する場合に前記本体コネクタと接続されるユニットコネクタを有するユニットと、を備え、
前記本体コネクタおよび前記ユニットコネクタは、前記ユニットが前記本体筐体に装着される過程において、互いに第1方向に対向した状態で係合し、
前記本体コネクタおよび前記ユニットコネクタの一方は、前記本体コネクタおよび前記ユニットコネクタの係合をガイドするガイドピンを有し、
前記本体コネクタおよび前記ユニットコネクタの他方は、前記本体コネクタおよび前記ユニットコネクタが係合される場合に前記ガイドピンが挿入されるガイド穴を有し、
前記ガイド穴は、
前記ガイドピンが挿入されることで前記ユニットコネクタが前記本体コネクタに対して位置が規制される筒状部と、
前記筒状部よりも大きい入口と、
前記入口と前記筒状部とを接続するテーパ部と、を有し、
前記入口は、前記筒状部の軸方向に直交する平面内において、前記第1方向と直交する第2方向の寸法より、前記軸方向および前記第2方向に直交する第3方向の寸法が大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記本体コネクタおよび前記ユニットコネクタの一方は、前記第2方向および前記第3方向に移動可能な可動コネクタであり、
前記本体筐体または前記ユニットのうち、前記可動コネクタが設けられた一方は、前記可動コネクタが移動する範囲を規制する規制部であって、前記第2方向の一方側から前記可動コネクタと接触可能な規制部と、
前記規制部に向けて前記可動コネクタを付勢するバネを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記本体コネクタは、前記本体筐体に移動可能に保持されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体コネクタは、前記ユニットが前記本体筐体に装着される過程において、前記ガイドピンが前記筒状部に入り込んだ状態で、前記ユニットコネクタと対向する面が第2方向の一方側を向くように傾動可能であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記本体コネクタおよび前記ユニットコネクタは、前記第3方向の寸法より前記第2方向の寸法が大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ガイドピンは、2つ設けられ、2つの前記ガイドピンの間には、端子を保持するハウジングが設けられており、
前記ガイド穴は、2つ設けられ、2つの前記ガイド穴の間には、端子を保持するハウジングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
2つの前記ガイド穴の一方の筒状部は、断面が真円形状であり、
2つの前記ガイド穴の他方の筒状部は、断面が2つの前記ガイドピンが並ぶ方向に長い長円形状であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ガイドピンの先端は、前記ハウジングよりも突出していることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ガイドピンは、前記本体コネクタに設けられていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ユニットは、ヒータを有する加熱部と、前記加熱部との間でシートを圧接する加圧部と、を有する定着器であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記本体筐体は、前記ヒータに電力を通電可能な通電部を備え、
前記本体コネクタと前記ユニットコネクタとは、前記通電部と前記ヒータとを電気的に接続することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記本体筐体は、前記通電部を制御する制御部を備え、
前記ユニットは、前記加熱部の温度を検知するセンサを備え、
前記本体コネクタと前記ユニットコネクタとは、前記制御部と前記センサとを電気的に接続することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユニットが着脱可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユニットが着脱可能な画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。この画像形成装置は、ユニットとしての定着器が着脱可能である。この画像形成装置では、開閉カバーを開いて、本体筐体から定着器を着脱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユニットを本体筐体に装着する場合、ユニットに通電させるために、ユニットコネクタが本体コネクタと係合するようになっている。ユニットを本体筐体に装着する場合にユニットコネクタが本体コネクタに係合しやすいものが望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、ユニットを本体筐体に装着する場合にユニットコネクタが本体コネクタに係合しやすい画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を達成するため、本願の画像形成装置は、本体筐体と、ユニットと、を備える。本体筐体は、本体コネクタを有する。ユニットは、本体筐体の外から本体筐体の装着位置に装着可能である。ユニットは、ユニットが装着位置に位置する場合に本体コネクタと接続されるユニットコネクタを有する。
本体コネクタおよびユニットコネクタは、ユニットが本体筐体に装着される過程において、互いに第1方向に対向した状態で係合する。本体コネクタおよびユニットコネクタの一方は、本体コネクタおよびユニットコネクタの係合をガイドするガイドピンを有する。本体コネクタおよびユニットコネクタの他方は、本体コネクタおよびユニットコネクタが係合される場合にガイドピンが挿入されるガイド穴を有する。ガイド穴は、筒状部と、入口と、テーパ部と、を有する。筒状部は、ガイドピンが挿入されることでユニットコネクタが本体コネクタに対して位置が規制される。入口は、筒状部よりも大きい。テーパ部は、入口と筒状部とを接続する。
入口は、筒状部の軸方向に直交する平面内において、第1方向と直交する第2方向の寸法より、軸方向および第2方向に直交する第3方向の寸法が大きい。
【0007】
テーパ部の入口の第2方向の寸法より、テーパ部の入口の第3方向の寸法を大きくすることで、テーパ部が第2方向に大きくなるのを抑制し、かつ、ユニットを本体筐体に装着する場合にユニットコネクタが第3方向に少しずれても本体コネクタに係合しやすくなる。
【0008】
また、本体コネクタおよびユニットコネクタの一方は、第2方向および第3方向に移動可能な可動コネクタであってもよい。そして、本体筐体またはユニットのうち、可動コネクタが設けられた一方は、可動コネクタが移動する範囲を規制する規制部であって、第2方向の一方側から可動コネクタと接触可能な規制部と、規制部に向けて可動コネクタを付勢するバネを有してもよい。
【0009】
稼働コネクタに規制部とバネを有するため、本体コネクタおよびユニットコネクタが係合する前においては、可動コネクタは規制部に向けて付勢されており、本体コネクタおよびユニットコネクタが係合する過程においては可動コネクタが移動可能である。この結果、本体筐体に対してユニットを着脱するときのユニットの移動軌跡が複雑な場合であっても、ユニットを本体筐体に装着する場合に本体コネクタとユニットコネクタが係合しやすい。
【0010】
また、本体コネクタは、本体筐体に移動可能に保持されている構成としてもよい。
【0011】
本体コネクタが移動し、ユニットコネクタが移動しない構成とすることで、ユニットの大型化を抑制できる。
【0012】
また、本体コネクタは、ユニットが本体筐体に装着される過程において、ガイドピンが筒状部に入り込んだ状態で、ユニットコネクタと対向する面が第2方向の一方側を向くように傾動可能である構成としてもよい。
【0013】
本体コネクタが傾動可能であるため、ユニットが本体筐体に装着される過程において、ユニットの移動軌跡が複雑な場合であっても、本体コネクタとユニットコネクタが一体となって移動することができる。
【0014】
また、画像形成装置は、本体コネクタおよびユニットコネクタは、第3方向の寸法より第2方向の寸法が大きくてもよい。
【0015】
また、ガイドピンは2つ設けられ、2つのガイドピンの間には、端子を保持するハウジングが設けられており、ガイド穴は2つ設けられ、2つのガイド穴の間には端子を保持するハウジングが設けられている構成であてもよい。
【0016】
2つのガイドピンと2つのガイド穴により本体コネクタとユニットコネクタが安定して係合できる。
【0017】
また、2つのガイド穴の一方の筒状部は、断面が真円形状であり、2つのガイド穴の他方の筒状部は、断面が2つのガイドピンが並ぶ方向に長い長円形状であってもよい。
【0018】
他方の筒状部の断面が長円であるため、寸法に余裕があり、2つのガイドピンが係合しやすい。
【0019】
また、ガイドピンの先端は、ハウジングよりも突出していてもよい。
【0020】
ガイドピンの先端がハウジングよりも突出しているため、ハウジングが他の部材に接触することを抑制できる。
【0021】
また、ガイドピンは、本体コネクタに設けられてもよい。
【0022】
また、ユニットは、ヒータを有する加熱部と、加熱部との間でシートを圧接する加圧部と、を有する定着器である構成としてもよい。
【0023】
また、本体筐体は、ヒータに電力を通電可能な通電部を備え、本体コネクタとユニットコネクタとは、通電部とヒータとを電気的に接続する構成としてもよい。
【0024】
また、本体筐体は、通電部を制御する制御部を備え、ユニットは、加熱部の温度を検知するセンサを備え、本体コネクタとユニットコネクタとは、制御部とセンサとを電気的に接続する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、ユニットを本体筐体に装着する場合にユニットコネクタが本体コネクタに係合しやすい画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
【
図2】本体コネクタとユニットコネクタの電気的接続を示すブロック図である。
【
図3】リヤカバーを開けた状態の画像形成装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3の状態から定着器を引き出した状態の斜視図である。
【
図5】定着器を本体筐体に装着する前を示す図(a)と、定着器を本体筐体に装着する過程であり、第1基準部がガイド面と接触した状態を示す図(b)である。
【
図6】定着器を本体筐体に装着する過程であり、第1基準部が傾斜面と接触した状態を示す図(a)と、第1基準部が先端面から外れた状態を示す図(b)である。
【
図7】レバーが第1位置に位置し、定着器が装着位置に位置した状態を示す図(a)と、レバーが第2位置に位置し、定着器が装着位置に位置した状態を示す図(b)である。
【
図9】本体コネクタの初期位置を示す図(a)と、傾動位置を示す図(b)である。
【
図10】本体コネクタを上から見た図であり、本体コネクタが第3方向で移動可能な位置(a),(b),(c)である。
【
図11】ユニットコネクタを装着方向の上流側から見た図(a)と、装着方向の上流側から見た斜視図(b)である。
【
図12】第1工程における本体コネクタとユニットコネクタの状態を説明する図(a),(b)である。
【
図13】第2工程における本体コネクタとユニットコネクタの状態を説明する図(a),(b)である。
【
図14】第3工程における本体コネクタとユニットコネクタの状態を説明する図(a),(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、シート供給部20と、プロセス部30と、ユニットの一例としての定着器80と、シート排出部90とを備える。
【0028】
本体筐体10は、フロントカバー11と、排出トレイ12と、リヤカバー13とを有する。本体筐体10は、開口10Aと、開口10Bと、を有する。フロントカバー11は、本体筐体10の前側の開口10Aを開閉する。リヤカバー13は、本体筐体10の後側の開口10Bを開閉する。
【0029】
シート供給部20は、シートトレイ21と、供給機構22とを備える。シートトレイ21は、紙などのシートSを収容する。供給機構22は、シートトレイ21内のシートSをプロセス部30に供給する。
【0030】
プロセス部30は、シートSに現像剤像を形成する。プロセス部30は、露光装置40と、プロセスユニットPUと、転写ユニット70とを備える。
【0031】
露光装置40は、プロセスユニットPUの上に位置する。露光装置40は、光ビームを出射して感光ドラム51の表面を露光する。
【0032】
プロセスユニットPUは、シートトレイ21と露光装置40の間に位置する。プロセスユニットPUは、フロントカバー11を開くことで開放される本体筐体10の開口10Aを通して、本体筐体10に着脱可能である。プロセスユニットPUは、ドラムカートリッジ50と、複数のトナーカートリッジ60とを備える。
【0033】
ドラムカートリッジ50は、複数の感光ドラム51と、複数の感光ドラム51に対応する複数の帯電器52と、ドラムフレーム53とを備える。
【0034】
ドラムフレーム53は、感光ドラム51および帯電器52を支持する。ドラムフレーム53は、本体筐体10に移動可能に支持される。ドラムフレーム53には、トナーカートリッジ60が着脱可能である。
【0035】
複数のトナーカートリッジ60は、互いに異なる色のトナーを収容する。トナーカートリッジ60は、現像ローラ61と、供給ローラ62と、層厚規制ブレード63と、トナーを収容するトナー収容部64と、アジテータ65とを備える。
【0036】
アジテータ65は、トナー収容部64内のトナーを攪拌する。アジテータ65は、トナーを供給ローラ62に供給する。供給ローラ62は、トナーを現像ローラ61に供給する。層厚規制ブレード63は、現像ローラ61上のトナーを一定の厚さに規定する。
【0037】
転写ユニット70は、シートトレイ21とプロセスユニットPUの間に位置する。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、複数の転写ローラ74とを備える。搬送ベルト73は、シートSを搬送するための無端状のベルトである。駆動ローラ71および従動ローラ72は、搬送ベルト73を回転させる。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に位置する。転写ローラ74は、感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟む。
【0038】
定着器80は、加熱部の一例としての加熱ローラ81と、加圧部の一例としての加圧ローラ82とを備える。加熱ローラ81は、ヒータ81Aを有する。加熱ローラ81は、図示せぬ駆動源の駆動力を受けて回転する。
【0039】
加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを圧接する。加圧ローラ82は、加熱ローラ81に従動して回転する。
【0040】
帯電器52は、感光ドラム51の表面を帯電する。露光装置40は、感光ドラム51の表面を露光する。これにより、感光ドラム51上には、静電潜像が形成される。現像ローラ61は、感光ドラム51にトナーを供給する。これにより、感光ドラム51上には、トナー像が形成される。
【0041】
シート供給部20は、シートSを感光ドラム51と転写ローラ74の間に搬送する。感光ドラム51上のトナー像は、シートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間に搬送される。これにより、定着器80は、シートSに形成された現像剤像を熱定着する。
【0042】
シート排出部90は、搬送ローラ91と、排出ローラ92とを有する。搬送ローラ91は、シートSを排出ローラ92に搬送する。排出ローラ92は、シートSを排出トレイ12上に排出する。
【0043】
図2に示すように、画像形成装置1は、制御部83と、電源入力部84と、スイッチング回路85と、温度センサ86と、インターロックスイッチ87と、リレー89と、本体コネクタ160と、ユニットコネクタ170と、をさらに備える。制御部83、電源入力部84、スイッチング回路85、インターロックスイッチ87および本体コネクタ160は、本体筐体10に配置されている。温度センサ86およびユニットコネクタ170は、定着器80に配置されている。なお、電源入力部84、スイッチング回路85およびリレー89は、ヒータに電力を通電可能な通電部の一例である。
【0044】
制御部83は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備えており、ROMなどに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって制御を実行する。
【0045】
電源入力部84は、交流電源に接続され、スイッチング回路85に電力を供給する。
【0046】
リレー89は、電源入力部84とスイッチング回路85との間に設けられている。リレー89は、電源入力部84からスイッチング回路85に電力が供給される接続状態と、電源入力部84からスイッチング回路85に電力が供給されない切断状態に切り替え可能である。リレー89は、接続状態と切断状態に切り替える可動接点と、可動接点を動作させる電磁石を有している。制御部83の指令により、電磁石が動作されて可動接点が切り替わる。
【0047】
スイッチング回路85は、トライアック等の半導体素子を有する。スイッチング回路85は、制御部83からの指令により、ヒータ81Aに電力を供給したり遮断したりすることが可能な回路である。
【0048】
温度センサ86は、加熱ローラ81の温度を検知する。測定した加熱ローラ81の温度情報は、制御部83に送られる。制御部83は、温度センサ86からの情報に基づいてスイッチング回路85に指令を送る。
【0049】
インターロックスイッチ87は、オン状態である場合にヒータ81Aへの通電が許容される。インターロックスイッチ87は、オフ状態である場合にヒータ81Aへの通電が遮断される。本実施形態では、制御部83は、インターロックスイッチ87が導通状態である場合に、インターロックスイッチ87がオン状態であるとして、リレー89を接続状態とする。制御部83は、インターロックスイッチ87が非導通状態である場合にインターロックスイッチ87がオフ状態であるとして、リレー89を切断状態とする。リレー89が切断状態であるとき、スイッチング回路85への通電が遮断され、ヒータ81Aへの通電が遮断される。
【0050】
本体コネクタ160は、本体筐体10の保持されている。ユニットコネクタ170は、定着器80の定着筐体100に保持されている。本体コネクタ160は、定着器80が本体筐体10の装着位置に装着された場合にユニットコネクタ170と接続される。本体コネクタ160とユニットコネクタ170が接続されると、通電部とヒータが電気的に接続されて、スイッチング回路85からヒータ81Aに電力が供給可能となる。また、本体コネクタ160とユニットコネクタ170が接続されると、制御部83と温度センサ86が電気的に接続され、温度センサ86が検知した温度情報を制御部83に送ることができるようになる。
【0051】
図3、
図4に示すように、定着器80は、本体筐体10に着脱可能である。詳しくは、定着器80は、リヤカバー13を開くことで開放される本体筐体10の開口10Bを通して、本体筐体10に着脱可能である。つまり、本体筐体10は、定着器80を着脱可能に支持する。
【0052】
第1方向は、定着器80が本体筐体10の外側から本体筐体10の内側に向かう装着方向に沿った方向である。本実施形態では、第1方向は、画像形成装置1の前後方向に沿った方向であり、第1方向の一方側は画像形成装置1の後側を向く方向である。以下の説明では、定着器80の装着方向の上流側を第1方向の一方側といい、下流側を第1方向の他方側という。図面における各方向を示す矢印は、各方向における一方側を指すこととする。
また、第2方向は、第1方向に直交する方向である。本実施形態では、第2方向は、画像形成装置1の上下方向に沿った方向である。以下の説明では、下方向を第2方向の一方側といい、上方向を第2方向の他方側という。
また、第3方向は、第1方向および第2方向に直交する方向である。本実施形態において、第3方向の一方側は、画像形成装置1の右側に相当し、第3方向の他方側は、画像形成装置1の左側に相当する。
【0053】
定着器80は、
図3に示す装着位置から第1方向の一方側に外される。以下の説明では、定着器80が外される方向を離脱方向ともいう。そして、定着器80は、
図4に示すように、第1方向の一方側から他方側に向けて装着される。以下の説明では、定着器80が装着される方向を装着方向ともいう。
【0054】
図4に示すように、定着器80は、定着筐体100と、第1基準部120と、第2基準部130と、固定ハンドル140と、レバー150と、バネSPと、スイッチ当接部88と、を有する。なお、
図4では、第1基準部120と、第2基準部130およびバネSPは、第3方向の他方側のみ示している。
【0055】
第1基準部120は、画面に円筒面を有する軸である。第1基準部120は、定着筐体100の第3方向における一方側の面と、他方側の面とに位置する。2つの第1基準部120は、第3方向の一方側と、他方側とに向けてそれぞれ突出する。第1基準部120は、定着筐体100の第2方向の一方側の端部に位置する。第1基準部120は、定着筐体100の第1方向の他方側の端に位置する。別の言い方をすれば、第1基準部120は、装着方向の下流端に位置する。
【0056】
第1基準部120は、後述する被位置決め部と係合して、定着器80を装着位置に位置決めする。具体的には、第1基準部120は、定着器80が装着位置に位置する場合に溝の一例としての第1凹部G3(
図5参照)に入り込むことで、装着位置に位置決めする。第1基準部120は、第1凹部G3に入り込むことで、本体筐体10に対して第2方向および第1方向に位置決めされる。
【0057】
第2基準部130は、外面に円筒面を有する軸である。第2基準部130は、定着筐体100の第3方向における一方側と、他方側の面とに位置する。2つの第2基準部130は、第3方向の一方側と、他方側と向けてそれぞれ突出する。第2基準部130は、定着筐体100の第2方向の一方側の端に位置する。第2基準部130は、第1基準部120より装着方向の上流側に位置する。また、第2基準部130は、第1基準部120より第2方向の一方側に位置する。第2基準部130は、装着方向において、定着筐体100の中央よりも上流側に位置する。これにより、装着方向において、第2基準部130より下流側の方が、第2基準部130より上流側よりも重量が大きい。なお、以下の説明では、第2基準部130の中心を通り第3方向に延びる軸を第1軸1Xという。
【0058】
固定ハンドル140は、定着器80を着脱するときに、ユーザが把持するハンドルである。固定ハンドル140は、定着筐体100の第3方向における一方側の端と、他方側の端とに1つずつ設けられている。2つの固定ハンドル140は、第1方向の一方側の端に位置する。別の言い方をすれば、固定ハンドル140は、装着方向の上流端に位置する。
図5(a)に示すように、固定ハンドル140は、グリップ141と、第1突起143と、を有する。
【0059】
グリップ141は、定着器80を外すときに、ユーザが把持可能な部分である。
図3に示すように、グリップ141は、リヤカバー13を開いた状態で本体筐体10の外表面に露出する。第1突起143は、下方に突出する突起である。第1突起143は、バネSPの一端を保持する。
【0060】
レバー150は、L字状に形成されている。レバー150は、固定ハンドル140にネジNによって取り付けられている。レバー150は、レバー軸150Xを中心に、
図7(a)に示す第1位置と、
図7(b)に示す第2位置との間で回動可能である。なお、本実施形態では、レバー軸150Xの軸方向は、シートSの幅方向である。バネSPは、固定ハンドル140とレバー150の間に配置された圧縮バネである。バネSPは、レバー150を第2位置から第1位置に向けて常に付勢している。
【0061】
レバー150は、本体部151と、把持部152と、第2突起154と、係合部156と、を有する。
【0062】
本体部151は、第1方向に沿って延びている。把持部152は、第2方向に沿って延びている。すなわち、把持部152は、本体部151と異なる方向に延び、本体部151と共にL字を形成している。把持部152は、定着器80を本体筐体10から外す場合に把持可能である。ユーザがグリップ141と把持部152の両方を把持して、把持部152をグリップ141に近づけると、レバー150が
図7(a)に示す第1位置から、
図7(b)に示す第2位置に移動する。すなわち、把持部152は、レバー150が第1位置に位置する場合よりも、レバー150が第2位置に位置する場合の方がグリップ141の近くに位置する。
【0063】
図5(a)に示すように、第2突起154は、上方に突出する突起である。第2突起154は、バネSPの一端を保持する。
【0064】
係合部156は、本体部151の第1方向における他端側の端部から第2方向の一方側に延びる突起である。すなわち、係合部156は、レバー150の回動方向に突出する突起である。本実施形態では、係合部156は、先端が離脱方向に向けて折れ曲がるフック形状を有している。
【0065】
ここで、本体筐体10は、係合穴16を有する。係合穴16は、本体筐体10の内壁面に位置する。係合穴16は、定着器80が本体筐体10に装着され、かつ、レバー150が第1位置に位置する場合、係合部156が入り込む穴である。係合穴16は、係合部156が入り込んだ場合に、定着器80が本体筐体10から外れるのを規制する。
【0066】
図7(a)に示すように、係合部156は、レバー150が第1位置に位置する場合、係合穴16に入り込む。係合部156が係合穴16に入り込むと、係合部156は、本体筐体10と係合可能である。
【0067】
係合部156は、レバー150が、第1位置に位置する場合に、本体筐体10と係合して、定着器80が本体筐体10から外れるのを規制する。詳しくは、係合部156は、定着器が装着位置に位置する場合に、離脱方向にスライド移動するのを規制する。
【0068】
図7(b)に示すように、係合部156は、レバー150が、第2位置に位置する場合に、本体筐体10と係合せず、定着器80が本体筐体10から外れるのを規制しない。
【0069】
スイッチ当接部88は、定着筐体100の第1方向の他端側の端であって、第2方向の一方側の端に位置する。スイッチ当接部88は、定着筐体100の第1方向における他端側の端から第1方向の他端側に突出する突起である。別の言い方をすれば、スイッチ当接部88は、定着筐体100から装着方向の上流側に向けて突出する突起である。装着方向において、第1基準部120は、スイッチ当接部88と、第1軸1Xの間に位置する。
【0070】
図7(a)に示すように、スイッチ当接部88は、定着器80が装着位置に位置する場合、インターロックスイッチ87のアームに当接可能である。スイッチ当接部88がインターロックスイッチ87のアームに当接した場合、前述したように、インターロックスイッチ87がオン状態となり、ヒータ81Aに電力が供給可能となる。
【0071】
図5(b)に示すように、スイッチ当接部88は、定着器80が装着位置に位置しない場合、インターロックスイッチ87のアームに当接しない。スイッチ当接部88がインターロックスイッチ87のアームに当接しない場合、前述したように、インターロックスイッチ87がオフ状態となり、ヒータ81Aに電力が供給可能でない。
【0072】
図5(a)に示すように、本体筐体10は、第1ガイド面G1を有する第1ガイドL1と、第2ガイドの一例としての突起G2と、溝の一例としての第1凹部G3と、第3ガイドの一例としての第2凹部G4と、を有する。
【0073】
第1ガイドL1は、第1方向に延びるレールである。第1ガイド面G1は、第1ガイドL1の上側の面である。第1ガイド面G1は、定着器80の第1基準部120を案内する面である。第1ガイド面G1は、第2方向に直交する。第1ガイド面G1は、定着器80が着脱される過程において、第1基準部120に下から接触する。
【0074】
突起G2は、第1ガイド面G1から上に突出する。突起G2は、第2ガイド面G21と、先端面G22と、基準面G23とを有する。
【0075】
第2ガイド面G21は、第1ガイド面G1から第1方向に対して傾斜して延びる。第2ガイド面G21は、突起G2の第1方向の一方側の端部に位置する。つまり、第2ガイド面G21は、定着器80の装着方向において、突起G2の装着方向の上流側の端部に位置する。詳しくは、第2ガイド面G21は、装着方向の下流側に向かうにつれて上に位置するように斜め上方を向くように傾斜している。言い換えると、第2ガイド面G21は、装着方向の下流側に向かうにつれて、第1ガイド面G1から離れるように傾斜している。
【0076】
先端面G22は、第2ガイド面G21の装着方向の下流端から装着方向の下流側に向けて延びている。基準面G23は、先端面G22の装着方向の下流端から下に向けて延びている。基準面G23は、第1方向と直交する。基準面G23は、装着方向において、突起G2の下流側に位置する。基準面G23は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第1基準部120と接触する。
【0077】
第1凹部G3は、突起G2の先端面G22から第2方向の一方側に凹んだ溝である。定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第1基準部120は第1凹部G3内に入る。第1凹部G3は、前述した基準面G23と、第2基準面G31と、ストッパ面G32とを有する。
【0078】
第2基準面G31は、基準面G23と交差している。詳しくは、第2基準面G31は、基準面G23と直交している。第2基準面G31は、基準面G23の下端から装着方向の下流側に向けて延びる。第2基準面G31は、第2方向に直交する。第2基準面G31は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第1基準部120と接触する。
【0079】
ストッパ面G32は、第2基準面G31の装着方向の下流端から上に向けて延びる。ストッパ面G32は、定着器80の装着の際に第1基準部120と接触することで、第1基準部120が装着方向の下流側に移動するのを抑制する。
【0080】
第2凹部G4は、第1方向に延びている。第2凹部G4は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第2基準部130が入る凹部である。第2凹部G4は、装着方向の上流側に開口している。第2凹部G4は、規制面G41と、底面G42と、第2規制面G43とを有する。
【0081】
規制面G41は、第1基準部120を中心に第2基準部130が回転するのを止めるための面である。規制面G41は、第2方向に直交する。規制面G41は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第2基準部130に下から接触する。規制面G41は、第2規制面G43よりも装着方向の上流側に延びる。
【0082】
底面G42は、規制面G41の装着方向の下流端から上に延びる。第2規制面G43は、底面G42の上端から装着方向の上流側に延びる。第2規制面G43は、第2基準部130と接触することで、第2基準部130が上に移動するのを抑制する。
【0083】
図8に示すように、本体コネクタ160は、第3方向の寸法D1より第2方向の寸法D2が大きい(D1<D2)。本体コネクタ160は、本体ハウジング161と、ベース部162と、第1ガイドピン163と、第2ガイドピン164と、突出部165と、掛止部166と、第1面160Aと、を有する。第1ガイドピン163および第2ガイドピン164は、可動コネクタと固定コネクタが係合するための係合部の一例である。本実施形態では、本体コネクタ160およびユニットコネクタ170のうち、本体コネクタ160のみが本体筐体10に対して移動可能な可動コネクタである。
【0084】
本体ハウジング161は、端子を保持し、後述するユニットコネクタ170のユニットハウジング171と嵌合する部分である。詳しくは、本体ハウジング161はプラグハウジングであり、ユニットハウジング171はレセプタクルハウジングである。本体ハウジング161は、第2方向において、第1ガイドピン163と第2ガイドピン164の間に位置する。第1面160Aは、本体ハウジング161の定着器80の装着方向の上流側を向く面である。
【0085】
ベース部162は、第2方向に延びている。ベース部162は、第2方向の中央に本体ハウジング161を保持する保持部162Aを有する。本体ハウジング161は、装着方向の下流側の端部が保持部162Aに嵌っている。
【0086】
第1ガイドピン163は、ベース部162における第2方向の他方側の端部から装着方向の上流側に向けて突出している。第1ガイドピン163は、細長い円柱形状を有し、先端が先細り形状を有している。第1ガイドピン163の先端は、本体ハウジング161よりも装着方向の上流側に位置する。
【0087】
第2ガイドピン164は、ベース部162における第2方向の一方側の端部から装着方向の上流側に向けて突出している。第2ガイドピン164は、細長い円柱形状を有し、先端が先細り形状を有している。第2ガイドピン164の先端は、本体ハウジング161よりも装着方向の上流側に位置する。
【0088】
突出部165は、ベース部162の第2方向の一方側の端から第2方向の一方側へ突出している。突出部165は。第1方向に直交する方向に延びる板形状を有する。
【0089】
掛止部166は、ベース部162の第2方向の他方側の端部に配置されている。掛止部166は、装着方向の下流側に向けて延びた後、第2方向の他方側に向けて延びるフック形状を有している。
【0090】
図9(a),(b)および
図10(a),(b),(c)に示すように、本体コネクタ160は、本体筐体10に移動可能に保持されている。具体的には、本体コネクタ160は、
図9(a)の初期位置と
図9(b)の傾動位置との間で移動可能である。また、本体コネクタ160は、
図10(a)~(c)の位置の間で移動可能である。本体コネクタ160の第3方向における初期位置は、特に決まっておらず、本体コネクタ160は、
図10(a)~(c)の範囲内で移動することができる。
【0091】
ここで、
図9(a),(b)および
図10(a),(b),(c)に示すように、本体筐体10は、第1規制部K1と、第2規制部K2と、第3規制部K3と、第4規制部K4と、第5規制部K5と、第6規制部K6と、バネBを有する。
【0092】
図9(a),(b)に示すように、第1規制部K1は、第1方向に直交する方向に延びる壁である。第1規制部K1は、本体コネクタ160が移動する範囲を規制する。第1規制部K1は、本体コネクタ160の第1方向の他方側に位置する。第1規制部K1は、第1方向において、定着器80の装着方向の上流側を向き、本体コネクタ160と接触可能である。第1規制部K1は、定着器80が装着位置に位置する場合、本体コネクタ160のベース部162と接触して本体コネクタ160が第1方向の他方側に移動できないように規制する。第1規制部K1は、第1壁K11と、第2壁K12と、を有する。第1壁K11は、本体コネクタ160のベース部162と接触可能な壁である。第2壁K12は、第1壁K11より第2方向の一方側に配置され、本体コネクタ160の突出部165と接触可能な壁である。第1規制部K1の第1壁K11には、バネBを掛止する掛止部K13が設けられている。
【0093】
第2規制部K2は、第2方向に延びる壁であり、第2壁K12から第1方向の一方側に所定距離離れて配置されている。第2規制部K2は、本体コネクタ160が移動する範囲を規制する。第2規制部K2は、本体コネクタ160の第2方向の一方側に位置する。第2規制部K2は、第2方向の一方側から本体コネクタ160と接触可能である。第2規制部K2は、定着器80が装着されていない場合、本体コネクタ160の第2ガイドピン164の根本付近と接触して本体コネクタ160が第1方向の他方側に移動できないように規制する。具体的には、第2規制部K2の第2方向における他端側の先端が第2ガイドピン164の根本付近に接触する。
【0094】
図8に示すように、本体コネクタ160の突出部165は、第2壁K12と、第2規制部K2との間に入り込んでいる。
図9(a)に示すように、定着器80が装着位置に位置する場合、第2規制部K2は、第1方向の一方側から本体コネクタ160の突出部165と接触し、本体コネクタ160が第1方向の一方側に移動できないように規制する。このように、第1規制部K1の第2壁K12および第2規制部K2は、本体コネクタ160の外れ止めとなっている。
【0095】
図9(b)に示すように、本体コネクタ160は、第2規制部K2と接触する第2ガイドピン164の根本付近を支点として、本体ハウジング161の第1面160Aが第2方向の一方側を向くように傾動可能である。別の言い方をすると、本体コネクタ160が装着位置から移動する場合には、本体コネクタ160の第2方向の他方側が、第2規制部K2と接触する第2ガイドピン164の根本付近を支点として、装着方向の上流側に向けて移動して傾動可能である。なお、ここでの本体コネクタ160の揺動は、回転中心が明確にあるわけではないが、突出部165が第2壁K12と第2規制部K2との間に入り込んだ状態で本体コネクタ160の第2方向の他方側の端部が一方側の端部よりも大きく動くことをいう。
【0096】
第3規制部K3は、本体コネクタ160が第2規制部K2に接触した状態で本体コネクタ160と第2方向に間隔を空けて設けられている。第3規制部K3は、第2方向に直交する方向に延びる壁である。第3規制部K3は、本体コネクタ160の第2方向の他方側に位置する。第3規制部K3は、第2方向の他方側から本体コネクタ160と接触可能である。第3規制部K3は、定着器80が装着位置に位置する場合、本体コネクタ160のベース部162と接触して本体コネクタ160が第2方向の他方側に移動できないように規制する。
【0097】
第4規制部K4は、本体コネクタ160が第1規制部K1に接触した状態で、第2方向において、本体コネクタ160の第2規制部K2から遠い部分と第1方向の一方側に離間した部分である。第4規制部K4は、本体コネクタ160の第1方向の一方側に位置する。第4規制部K4は、第2方向の一方側に向かうにつれて第1方向の他方側に向かって延びる傾斜壁である。第4規制部K4は、第1方向の一方側から本体コネクタ160の第2方向における他方側の端部と接触可能である。第4規制部K4は、本体コネクタ160のベース部162の第2方向における他方側の端部と接触して本体コネクタ160が第1方向の一方側に移動できないように規制する。
【0098】
図10(a),(b),(c)に示すように、第5規制部K5は、本体コネクタ160が移動する範囲を規制する。第5規制部K5は、第3方向に直交する方向に延びる壁である。第5規制部K5は、本体コネクタ160の第3方向の一方側に位置する。第5規制部K5は、第3方向の一方側から本体コネクタ160と接触可能である。第5規制部K5は、本体コネクタ160のベース部162と接触して本体コネクタ160が第3方向の一方側に移動できないように、規制する。
【0099】
第6規制部K6は、本体コネクタ160が移動する範囲を規制する。第6規制部K6は、第5規制部K5から第3方向に所定距離離れて配置されている。第6規制部K6は、第3方向に直交する方向に延びる壁である。第6規制部K6は、本体コネクタ160の第3方向の他方側に位置する。第6規制部K6は、第3方向の他方側から本体コネクタ160と接触可能である。第6規制部K6は、本体コネクタ160のベース部162と接触して本体コネクタ160が第3方向の他方側に移動できないように規制する。第5規制部K5から第6規制部K6までの距離D3は、本体コネクタ160の第3方向の寸法D4より大きい(D4<D3)。
【0100】
バネBは、引っ張りバネである。バネBは、一端が本体筐体10の掛止部K13と係合し、他端が本体コネクタ160の掛止部166と係合している。バネBは、第1規制部K1および第2規制部K2の両方に向けて本体コネクタ160を常に付勢している。
【0101】
図9(a),(b)に示すように、第2方向において、第1規制部K1の掛止部K13および本体コネクタ160の掛止部166は、第2規制部K2より第3規制部K3の近くに位置する。すなわち、掛止部K13および掛止部166は、ベース部162の第2方向における中央より第2規制部K2から遠い部分に位置する。
【0102】
図11(a),(b)に示すように、ユニットコネクタ170は、定着筐体100に対して移動可能でない固定コネクタである。ユニットコネクタ170は、第3方向の寸法D5より第2方向の寸法D6が大きい(D5<D6)。ユニットコネクタ170は、ユニットハウジング171と、ベース部172と、第1ガイド穴173と、第2ガイド穴174と、第2面170Aと、を有する。第1ガイド穴173および第2ガイド穴174は、係合部の一例としての第1ガイドピン163および第2ガイドピン164とそれぞれ係合する被係合部の一例である。
【0103】
ユニットハウジング171は、端子を保持し、本体ハウジング161と嵌合する部分である。ユニットハウジング171は、第2方向に並ぶ3つのヒータ端子171Aと、第2方向に並ぶ7つのセンサ端子171Bと、を有する。ヒータ端子171Aとセンサ端子171Bとは第3方向に並んでいる。ユニットハウジング171は、第2方向において、第1ガイド穴173と第2ガイド穴174に間に位置する。ユニットハウジング171は、定着器80が本体筐体10に装着された場合に本体ハウジング161と嵌合する。第2面170Aは、ユニットハウジング171の定着器80の装着方向の下流側を向く面である。第2面170Aは、本体コネクタ160とユニットコネクタ170が係合される過程において、本体ハウジング161の第1面160Aと向かい合う。
【0104】
ベース部172は、第2方向の中央にユニットハウジング171を保持する保持部172Aを有する。ユニットハウジング171は、保持部162Aに嵌っている。
【0105】
第1ガイド穴173は、ベース部172における第2方向の一方側の端部であって、装着方向に形成された穴である。第1ガイド穴173は、第1ガイドピン163が挿入される。第1ガイド穴173は、定着器80が本体筐体10に装着される場合にユニットハウジング171が本体ハウジング161に接触するより先に第1ガイドピン163と係合する。第1ガイド穴173は、第1筒状部173Aと、第1入口173Bと、第1テーパ部173Cと、を有する。
【0106】
第1筒状部173Aは、第1方向に延びる円柱形状に形成された穴である、第1筒状部173Aは、第1ガイドピン163が入り込むことでユニットコネクタ170が本体コネクタ160に対して位置が規制される。第1筒状部173Aの第3方向の穴の寸法A1は、第2方向の穴の寸法A2と同じ大きさである(A1=A2)。
【0107】
第1入口173Bは、第1ガイド穴173における第1方向の一方側の端に設けられている。第1入口173Bは、第1筒状部173Aよりも大きい。具体的に、第3方向において、第1入口173Bの穴の寸法A3は、第1筒状部173Aの穴の寸法A1より大きい(A1<A3)。第2方向において、第1入口173Bの穴の寸法A4は、第1筒状部173Aの穴の寸法A2より大きい(A2<A4)。さらに、第1入口173Bは、第1筒状部173Aの軸X1の方向に直交する平面内において、第2方向の穴の寸法A4より、第3方向の穴の寸法A3が大きい(A4<A3)。
【0108】
第1テーパ部173Cは、第1入口173Bと第1筒状部173Aとを接続するテーパ面である。第1テーパ部173Cは、第1ガイドピン163の先端と接触可能であり、第1ガイドピン163を第1入口173Bから第1筒状部173Aまでガイドする。
【0109】
第2ガイド穴174は、ベース部172における第2方向の他端側の端部であって、装着方向に形成された穴である。第2ガイド穴174は、第2ガイドピン164が入り込む穴である。第2ガイド穴174は、定着器80が本体筐体10に装着される場合にユニットハウジング171が本体ハウジング161に接触するより先に第2ガイドピン164と係合する。第2ガイド穴174は、第2筒状部174Aと、第2入口174Bと、第2テーパ部174Cと、を有する。
【0110】
第2筒状部174Aは、第1方向に延びる長穴の円柱形状に形成された穴である、第2筒状部174Aは、第2ガイドピン164が入り込むことでユニットコネクタ170が本体コネクタ160に対して位置が規制される。第2筒状部174Aの第2方向の穴の寸法B2は、第3方向の穴の寸法B1より大きい(B1<B2)。
【0111】
第2入口174Bは、第2ガイド穴174における第1方向の一方側の端に設けられている。第2入口174Bは、第2筒状部174Aよりも大きい。具体的に、第3方向において、第2入口174Bの穴の寸法B3は、第2筒状部174Aの穴の寸法B1より大きい(B1<B3)。第2方向において、第2入口174Bの穴の寸法B4は、第2筒状部174Aの穴の寸法B2より大きい(B2<B4)。さらに、第2入口174Bは、第2筒状部174Aの軸X2の方向に直交する平面内において、第2方向の穴の寸法B4より、第3方向の穴の寸法B3が大きい(B4<B3)。
【0112】
第2テーパ部174Cは、第2入口174Bと第2筒状部174Aとを接続するテーパ面である。第2テーパ部174Cは、第2ガイドピン164の先端と接触可能であり、第2ガイドピン164を第2入口174Bから第2筒状部174Aまでガイドする。
【0113】
次に、定着器80を着脱する動作について説明する。まず、定着器80を本体筐体10に取り付ける動作について説明する。
【0114】
本実施形態では、定着器80は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を経て本体筐体10に装着される。
【0115】
第1工程は、第1基準部120が第1ガイド面G1に案内されて移動する工程である。具体的に、第1工程は、定着器80が装着方向(第1方向)にスライド移動して本体筐体10内に進入する工程である。詳しくは、
図5(a)に示す状態から
図5(b)の状態の状態を経て、
図6(a)の状態の状態に至るまでの工程である。
図5(a)の状態から、定着器80を装着方向に移動させていくと、
図5(b)に示すように、第1基準部120が第1ガイド面G1と接触するので、定着器80は、第1ガイド面G1に沿って、装着方向に向けてスライド移動して本体筐体10内に案内される。
【0116】
図5(b)の状態から、定着器80がさらに装着方向に移動されると、
図6(a)に示すように、第2基準部130が第2凹部G4に入り込み、規制面G41と接触する。これにより、定着器80は、規制面G41に接触した後、規制面G41で装着位置に向けて案内される。すなわち、定着器80は、第1基準部120が第1ガイド面G1と接触すると共に、第2基準部130が規制面G41に接触して装着位置に向けて案内される。このとき、第1ガイド面G1および規制面G41は、平行であるため、定着器80は、回動することなく、第1基準部120が第2ガイド面G21に接触するまで、第1方向に真っすぐスライド移動する。このように、定着器80の装着を開始してから、第1基準部120が第2ガイド面G21に接触するまでの工程が第1工程である。
【0117】
図12(a)に示すように、本体コネクタ160は、第1工程において、第1面160Aが第1方向の他方側すなわち、装着方向の上流側を向く。
【0118】
次に、
図12(b)に示すように、第1ガイドピン163が第1ガイド穴173の第1入口173Bに入り、第2ガイドピン164が第2ガイド穴174の第2入口174Bに入る。
【0119】
次に、
図13(a)に示すように、第1ガイドピン163の先端が第1ガイド穴173の第1テーパ部173Cに案内され第1筒状部173Aに入り込み、第2ガイドピン164の先端が第2ガイド穴174の第2テーパ部174Cに案内されて第2筒状部174Aに入り込む。このようにして、本体コネクタ160およびユニットコネクタ170は、ユニットが本体筐体10に装着される過程において、互いに第1方向に対向した状態で係合する。
【0120】
第2工程は、第1工程の後、第1基準部120が第2ガイド面G21に案内されて移動する工程である。具体的に、
図6(a)に示すように、第1基準部120が第2ガイド面G21に接触した状態で、定着器80を装着方向にさらに移動させていくと、第2基準部130は第2凹部G4内で保持されたまま、第1基準部120が上方に持ち上げられていくので、第1基準部120が第2ガイド面G21に案内されるにつれて、定着器80が
図6(b)における反時計回りに回動しながら装着方向に移動する。別の言い方をすれば、
図6(a)の状態から、定着器80は、装着方向に進むにつれて、
図6(b)に示すように、装着方向の下流側の面が斜め上方を向いた姿勢となるように本体筐体10に進入していく。
【0121】
図13(a),(b)に示すように、第2工程において、本体コネクタ160は、ユニットコネクタ170が移動するのに伴って移動する。すなわち、第2工程において、本体コネクタ160は、ユニットコネクタ170が移動するのに伴って、
図13(a)の状態から
図13(b)の状態となるように、第1面160Aが第2方向の一方側を向くように傾く。なお、ユニットコネクタ170は、第2工程において、本体コネクタ160と電気的に接続される。詳しくは、本体コネクタ160の端子と、ユニットコネクタ170の端子とが接触して導通する。このように、第2工程において、定着器80は、第1基準部120が第2ガイド面G21上をスライドして斜め上方に移動するので、第2基準部130を中心に定着器80の全体が回動する。
【0122】
第3工程は、第2工程の後、第1基準部120が第1凹部G3に入り込んで定着器80が装着位置に位置する工程である。具体的に、
図6(a)の状態から、第1基準部120は、第2ガイド面G21で案内された後、先端面G22で第1方向に沿った方向に案内される。定着器80は、第1軸1Xより装着方向の下流側が上流側より重いので、第1基準部120が先端面G22から外れると、
図6(b)の状態から
図7(a)に示すように、第1基準部120が、重力によって、第1凹部G3内に入る。このとき、第2基準部130が依然として第2凹部G4内で保持されているので、定着器80は、第1軸1Xを中心に時計回りに回動することで装着位置まで移動する。
【0123】
このように、第1軸1Xを中心に回動することで装着位置まで移動する工程が第3工程である。すなわち、第3工程は、スライド移動する第1工程とは、異なる動きにより装着位置まで移動する。第3工程において、スイッチ当接部88は、下方に移動する。第1工程においては、スイッチ当接部88は、インターロックスイッチ87に当接しないが、第3工程において、スイッチ当接部88は、インターロックスイッチ87に当接してインターロックスイッチ87をオフ状態からオン状態とする。
【0124】
定着器80が装着位置に位置した状態で、ユーザがレバー150から手を離すと、バネSPの付勢力により、レバー150が
図7(a)に示す第2位置から
図7(b)に示す第1位置に移動する。
図7(b)に示すように、レバー150が第1位置に移動すると、係合部156が係合穴16に入り込み、ユーザがレバー150を把持しない限り、定着器80が本体筐体10から外れないようになる。
【0125】
図14(a),(b)に示すように、第3工程において、本体コネクタ160は、ユニットコネクタ170が移動するのに伴って移動する。具体的に、第3工程において、第1基準部120が第1凹部G3内に入ることで、
図14(a)の状態から第1基準部120が下方に移動して、
図14(b)に示すように、定着器80が装着位置に位置する。このとき、第1面160Aが第2方向の一方側を向くように傾いていた本体コネクタ160は、第3工程が完了してユニットが装着位置に位置すると、第1面160Aが第1方向の一方側を向く。
【0126】
次に、定着器80を本体筐体10から取り外す過程を説明する。
【0127】
本実施形態では、定着器80は、第4工程と、第5工程と、第6工程とを経て本体筐体10から取り外される。第4工程は、第3工程と対応する工程である。第5工程は、第2工程と対応する工程である。第6工程は、第1工程と対応する工程である。
【0128】
定着器80が定着位置に位置するとき、レバー150の係合部156が係合穴16と係合している。
図7(a)に示すように、ユーザがレバー150を把持して、レバー150を反時計回りに回動させると、レバー150が第1位置から第2位置に移動して、係合穴16に入り込んでいた係合部156が係合穴15の外に出る。これにより、定着器80が本体筐体10から外れるようになる。
【0129】
第4工程は、定着器80が装着位置に位置した状態から第1基準部120が第1凹部G3から離脱する工程である。詳しくは、第4工程において、ユーザは、
図7(a)の状態からグリップ141と把持部152を把持したまま下に引っ張る。すると、
図6(b)に示すように、第1軸1Xを中心として定着器80が反時計回りに回動する。このとき、定着器80は、レバー軸150Xが下に下がり、第1基準部120が上に上がる方向に回動する。この回動により、第1基準部120が第1凹部G3から外に出るので、第1基準部120が基準面G23に規制されず、定着器80が離脱方向に移動可能となる。
【0130】
図14(a),(b)に示すように、第4工程において、定着器80が回動しても、本体コネクタ160は、ユニットコネクタ170が移動するのに伴って移動する。このため、本体コネクタ160とユニットコネクタ170の電気的な接続は保たれたままである。
【0131】
第5工程は、第4工程の後、定着器80が離脱方向にスライド移動して、第1基準部120が第2ガイド面G21に案内されて移動する工程である。詳しくは、ユーザは、
図6(b)の状態からグリップ141と把持部152を把持したまま離脱方向に引っ張る。すると、
図6(a)に示すように、定着器80が離脱方向に移動し、第1基準部120が第2ガイド面G21と接触する。第1基準部120が第2ガイド面G21に案内されるにつれて、定着器80が時計回りに回動する。
図13(b),(a)に示すように、本体コネクタ160とユニットコネクタ170の電気的接続は、第5工程の間に遮断される。
【0132】
第6工程は、第5工程の後、第1基準部120が第1ガイド面G1に案内されて移動する工程である。具体的に、グリップ141を離脱方向にさらに引っ張ると、
図5(b)に示すように、定着器80が離脱方向にさらに移動し、第1基準部120が第1ガイド面G1と接触する。このとき、第2基準部130は、第2凹部G4内で保持されているため、定着器80は、第1基準部120が第1ガイド面G1と接触すると共に、第2基準部130が規制面G41に接触して本体筐体10の外に向けて案内される。第1ガイド面G1および規制面G41は、平行であるため、定着器80は、回動することなく、第3方向に真っすぐスライド移動する。
図12(a),(b)に示すように、本体コネクタ160とユニットコネクタ170の係合は、第6工程の間に外れる。
【0133】
以上によれば、本実施形態において次のような効果を得ることができる。
上述したように、本実施形態の定着器80は、第1工程、第2工程および第3工程を経て本体筐体10に装着される。ユニットコネクタ170が第1工程で本体コネクタ160に係合した後、第2工程および第3工程において本体コネクタ160は、ユニットコネクタ170が移動するのに伴って移動することができる。このため、本体筐体10に対して定着器80を装着するときの定着器80の移動軌跡が複雑な場合であっても、本体コネクタ160とユニットコネクタ170が係合しやすい。
【0134】
また、ユニットハウジング171が本体ハウジング161と接触するより先に第1ガイドピン163と第1ガイド穴173が係合し、第2ガイドピン164と第2ガイド穴174が係合する。このため、ユニットハウジング171を本体ハウジング161に適切に案内できる。また、第1ガイドピン163の先端および第2ガイドピン164の先端が本体ハウジング161よりも突出しているため、本体ハウジング161が他の部材に接触することを抑制できる。
【0135】
また、第1工程において、本体ハウジング161の第1面160Aが第1方向を向き、第2工程において第1面160Aが第2方向の一方側を向くように傾く。このため、本体コネクタ160とユニットコネクタ170が係合した状態でユニットの移動軌跡の方向を変えても本体コネクタ160とユニットコネクタ170の係合が外れにくい。
【0136】
また、第3工程が完了した後、第1面160Aが第1方向を向いているため、装着開始時の姿勢と装着完了時の姿勢をおよそ同じにすることができる。
【0137】
また、第1ガイド穴173は、第1筒状部173Aと、第1入口173Bと、第1テーパ部173Cとを有する。第1入口173Bは、第1筒状部173Aの軸方向に直交する平面内において、第2方向の寸法A4より、第3方向の寸法A3が大きい(A4<A3)。このため、第1テーパ部173Cが第2方向に大きくなるのを抑制し、かつ、定着器80を本体筐体10に装着する場合に、ユニットコネクタ170が第3方向に少しずれても本体コネクタ160に係合しやすくなる。
【0138】
また、本体コネクタ160に規制部とバネBを有するため、本体コネクタ160およびユニットコネクタ170が係合する前においては、本体コネクタ160は規制部に向けて付勢されている。このため、本体コネクタ160およびユニットコネクタ170が係合する過程においては本体コネクタ160が移動可能である。この結果、本体筐体10に対して定着器80を着脱するときのユニットの移動軌跡が複雑な場合であっても、定着器80を本体筐体10に装着する場合に本体コネクタ160とユニットコネクタ170が係合しやすい。
【0139】
また、本体コネクタ160は、本体筐体10に移動可能に保持され、ユニットコネクタ170を移動しない固定コネクタとすることで、定着器80をコンパクトにできる。
【0140】
また、本体コネクタ160が傾動可能であるため、定着器80が本体筐体10に装着される過程において、ユニットの移動軌跡が複雑な場合であっても、本体コネクタ160とユニットコネクタ170が一体となって移動することができる。この結果、本体コネクタ160とユニットコネクタ170の係合が外れにくい。
【0141】
また、ガイドピンは、第1ガイドピン163および第2ガイドピン164の2つ設けられている。第1ガイドピン163および第2ガイドピン164の間には、本体ハウジング161が設けられている。また、ガイド穴は、第1ガイド穴173および第2ガイド穴174の2つ設けられている。第1ガイド穴173および第2ガイド穴174の間にはユニットハウジング171が設けられている。このように、2つのガイドピンと2つのガイド穴により本体コネクタ160とユニットコネクタ170が係合することで、安定して係合できる。
【0142】
また、第1ガイドピン163の第1筒状部163Aの断面が円であり、第2ガイドピン164の第2筒状部164Aの断面が長円である。第2筒状部164Aの断面が長円であるため、第1筒状部163Aと比較して寸法に余裕があり、第2ガイドピン164が係合しやすい。
【0143】
可動コネクタである本体コネクタ160は、第1規制部K1と、第2規制部K2と、第1規制部K1および第2規制部K2の両方に向けて本体コネクタ160を付勢するバネBを有する。このため、本体コネクタ160およびユニットコネクタ170が係合する前においては、本体コネクタ160は第1規制部K1および第2規制部K2の両方に向けて付勢されている。そして、本体コネクタ160およびユニットコネクタ170が係合する過程においては本体コネクタ160が移動可能であるため、本体筐体10に対して定着器80を装着するときのユニットの移動軌跡が複雑な場合であっても、本体コネクタ160とユニットコネクタ170が係合しやすい。
【0144】
また、本体筐体10が第3規制部K3を有することで、本体コネクタ160は、第2規制部K2と第3規制部K3の間で第2方向に移動することができる。
【0145】
また、本体コネクタ160が傾動可能なため、装着時に定着器80が傾動しても、本体コネクタ160とユニットコネクタ170が係合しやすい。
【0146】
また、本体筐体10が第4規制部K4を有することで、本体コネクタ160が傾動する範囲を規制できる。
【0147】
また、本体コネクタ160の掛止部166は、本体コネクタ160の第2方向における中央より第2規制部K2から遠い部分に位置している。これにより、本体コネクタ160が傾動した場合、バネBは本体コネクタ160の支点から離れた部分を付勢している。この結果、バネBは、効率良く本体コネクタ160を付勢できるので、本体コネクタ160の姿勢が安定する。
【0148】
また、本体筐体10が第5規制部K5と第6規制部K6を有するため、本体コネクタ160の第3方向の移動を許容でき、かつ、本体コネクタ160の第3方向の移動量を規制できる。このように、本体コネクタ160は、第3方向にある程度自由に動くことができる。
【0149】
以上に実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。なお、以下の説明では、先に説明した形態と同様の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0150】
上述した実施形態では、装置本体に着脱されるユニットの一例として定着器80を例示したが、ユニットは定着器に限られない。例えば、ユニットは、プロセスユニット、転写ユニット、スキャナユニット、搬送ユニットなどであってもよい。
【0151】
上述した実施形態では、第1方向は画像形成装置1の前後方向に沿った方向としたが、第1方向は画像形成装置1の前後方向と異なる方向であってもよい。また、第2方向は画像形成装置1の上下方向に沿った方向としたが、第2方向は画像形成装置1の上下方向と異なる方向であってもよい。
【0152】
上述した実施形態では、本体コネクタが本体筐体に移動可能な可動コネクタであり、ユニットコネクタが固定コネクタである構成であったが、ユニットコネクタが可動コネクタであり、本体コネクタが固定コネクタであってもよい。また、本体コネクタおよびユニットコネクタの両方が可動コネクタであってもよい。
【0153】
上述した実施形態では、ガイドピンは、本体コネクタに設けられていたが、ガイドピンがユニットコネクタに設けられていてもよい。この場合には、本体コネクタにガイド穴が形成される。
【0154】
また、画像形成装置は、カラープリンタに限られず、モノクロプリンタ、複合機、コピー機などのいずれであってもよい。また、前記実施形態では、電子写真方式の画像形成装置を例示したが、これに限定されず、例えば、インクジェット方式の画像形成装置などであってもよい。
【0155】
また、上述した実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0156】
1 画像形成装置
10 本体筐体
80 定着器
83 制御部
160 本体コネクタ
161 本体ハウジング
163 第1ガイドピン
163A 第1筒状部
164 第2ガイドピン
164A 第2筒状部
165 突出部
166 掛止部
170 ユニットコネクタ
171 ユニットハウジング
173 第1ガイド穴
173A 第1筒状部
173B 第1入口
173C 第1テーパ部
174 第2ガイド穴
174A 第2筒状部
174B 第2入口
174C 第2テーパ部
G1 第1ガイド面
G21 第2ガイド面