(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132389
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】パターン形状計測方法、パターン形状計測装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G01B 15/04 20060101AFI20240920BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G01B15/04 K
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043129
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 一希
【テーマコード(参考)】
2F067
4M106
【Fターム(参考)】
2F067AA53
2F067AA54
2F067BB04
2F067EE04
2F067HH06
2F067JJ05
2F067RR31
2F067RR35
4M106BA02
4M106CA39
4M106DB05
4M106DH24
4M106DH33
4M106DJ18
(57)【要約】
【課題】パターンの形状を高い確度で計測すること。
【解決手段】実施形態のパターン形状計測方法は、試料の観察領域に荷電粒子または電磁波を照射することにより得られた対象パターンの画像データを取得し、画像データに基づいて抽出した対象パターンの輪郭点の位置情報と、対象パターン中心と輪郭点を結ぶ線の、対象パターンの中心を通る基準線からの方位角に関連するインデックスと、を対応づけた第1の輪郭点群データを生成し、インデックスと、方位角の方向に存在する対象パターンの輪郭点の位置情報の標準偏差に基づいて決定される重みと、が対応づけられて記憶された重み付けテーブルと、第1の輪郭点群データと、に基づいて、重みに応じた第2の輪郭点群データを生成することを含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の観察領域に荷電粒子または電磁波を照射することにより得られた対象パターンの画像データを取得し、
前記画像データに基づいて抽出した前記対象パターンの輪郭点の位置情報と、前記対象パターン中心と前記輪郭点を結ぶ線の、前記対象パターンの中心を通る基準線からの方位角に関連するインデックスと、を対応づけた第1の輪郭点群データを生成し、
前記インデックスと、前記方位角の方向に存在する前記対象パターンの前記輪郭点の位置情報の標準偏差に基づいて決定される重みと、が対応づけられて記憶された重み付けテーブルと、前記第1の輪郭点群データと、に基づいて、重みに応じた第2の輪郭点群データを生成することを含む、
パターン形状計測方法。
【請求項2】
前記重みに応じた前記第2の輪郭点群データを生成することは、前記重みに基づいて乱数を生成し、前記重み付けテーブルから前記乱数に対応するインデックスの抽出を繰り返し行い、前記第1の輪郭点群データのうち、抽出された前記インデックスに対応する前記輪郭点の位置情報を用いて複数の第2の輪郭点群データを生成することを含み、
生成された前記複数の第2の輪郭点群データについてそれぞれフィッティングを行うことにより複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データから代表値を算出する、
ことをさらに含む、
請求項1に記載のパターン形状計測方法。
【請求項3】
前記観察領域に複数の対象パターンが含まれる場合には、
前記複数の対象パターンのそれぞれについて前記測定データを取得し、
前記測定データに基づいて、前記複数の対象パターンそれぞれについての散布度と、前記代表値と、を取得し、
前記複数の対象パターンのうち、取得された前記散布度の小さい順に所定数の対象パターン選択し、
選択された前記対象パターンの前記代表値から前記観察領域の測定値を算出する、
請求項2に記載のパターン形状計測方法。
【請求項4】
前記代表値は平均値、中央値、最頻値のいずれかである、
請求項2に記載のパターン形状計測方法。
【請求項5】
前記散布度は、レンジ、標準偏差のいずれかである、
請求項3に記載のパターン形状計測方法。
【請求項6】
前記乱数に対応する前記インデックスを抽出することは、
前記インデックス毎に割り当てられた、前記インデックスに対応する重みを順に累積した累積重みと、前記重みの総計に基づいて生成された前記乱数と、を照合することにより、前記乱数が含まれる前記累積重みに対応するインデックスを抽出することを含む、
請求項2に記載のパターン形状計測方法。
【請求項7】
試料の観察領域に荷電粒子または電磁波を照射することにより得られた対象パターンの画像データを取得する画像取得部と、
前記画像データに基づいて抽出された前記対象パターンの輪郭点の位置情報と、前記対象パターン中心と前記輪郭点を結ぶ線の、前記対象パターンの中心を通る基準線からの方位角に関連するインデックスと、を対応づけた第1の輪郭点群データを生成する第1の輪郭点群データ生成部と、
前記インデックスと、前記方位角に存在する前記対象パターンの前記輪郭点の位置情報の標準偏差に基づいて決定される重みと、が対応づけられた重み付けテーブルを記憶する記憶部と、
前記重み付けテーブルと、前記第1の輪郭点群データと、に基づいて、重みに応じた第2の輪郭点群データを生成する第2の輪郭点群データ生成部と、
を備える、
パターン形状計測装置。
【請求項8】
基板上に所定の形成条件で対象パターンを形成し、
撮像装置によって前記基板の観察領域に荷電粒子または電磁波を照射するとともに前記対象パターンを撮像し、
撮像された前記対象パターンの画像データを取得し、
前記画像データに基づいて抽出した前記対象パターンの輪郭点の位置情報と、前記対象パターン中心と前記輪郭点を結ぶ線の、前記対象パターンの中心を通る基準線からの方位角に関連するインデックスと、を対応づけた第1の輪郭点群データを生成し、
前記インデックスと、前記方位角の方向に存在する前記対象パターンの前記輪郭点の位置情報の標準偏差に基づいて決定される重みと、が対応づけられて記憶された重み付けテーブルと、前記第1の輪郭点群データと、に基づいて、重みに応じた第2の輪郭点群データを生成し、
前記第2の輪郭点群データに基づいて取得された前記対象パターンの測定データが、基準の範囲内か否かを判断し、
前記基準の範囲内ではないと判断された場合に、前記測定データに基づいて、前記対象パターンの前記形成条件を適正な条件に変更する、
半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、パターン形状計測方法、パターン形状計測装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、特にメモリデバイスにおいては、基板上に同一設計のパターンが複数形成される場合がある。これらのパターンは、同一の形状に仕上がることが求められている。撮像装置等により取得されるパターンの撮像画像の輪郭情報に基づいて、パターン形状を計測する技術が利用されている。
【0003】
しかしながら、撮像画像のばらつきにより輪郭情報の確度が低下する場合がある。輪郭情報の確度低下は、計測の確度を低下させる要因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第10754256号明細書
【特許文献2】米国特許第11422473号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011-020847号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの実施形態は、パターンの形状を高い確度で計測可能なパターン形状計測方法、パターン形状計測装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のパターン形状計測方法は、試料の観察領域に荷電粒子または電磁波を照射することにより得られた対象パターンの画像データを取得し、前記画像データに基づいて抽出した前記対象パターンの輪郭点の位置情報と、前記対象パターン中心と前記輪郭点を結ぶ線の、前記対象パターンの中心を通る基準線からの方位角に関連するインデックスと、を対応づけた第1の輪郭点群データを生成し、前記インデックスと、前記方位角の方向に存在する前記対象パターンの前記輪郭点の位置情報の標準偏差に基づいて決定される重みと、が対応づけられて記憶された重み付けテーブルと、前記第1の輪郭点群データと、に基づいて、重みに応じた第2の輪郭点群データを生成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態にかかる形状計測システムの概略の一例を示すブロック図。
【
図2】実施形態にかかる電子像撮像装置の構成の一例を示す図。
【
図3】実施形態にかかる画像データの一例を示す図。
【
図4】実施形態にかかる輪郭点の特定について説明する図。
【
図5】実施形態にかかる第1の輪郭点群データの一例を示す図。
【
図6】実施形態にかかる重み付けテーブルの一例を示す図。
【
図7】実施形態にかかる第2の輪郭点群データの一例を示す図。
【
図8】実施形態にかかる寸法の算出について説明する図。
【
図9】実施形態にかかるパターン形状計測装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【
図10】実施形態にかかるの半導体装置の製造方法の手順の一例を示すフローチャート。
【
図11】実施形態にかかる重み付けテーブルの生成方法の手順の一例について説明する図。
【
図12】実施形態にかかる輪郭点の位置情報の標準偏差を示す図。
【
図14】実施形態における重みに基づくランダム抽出について説明する図。
【
図15】変形例にかかるパターン形状計測方法の手順の一例について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0009】
[実施形態]
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(形状計測システムの構成例)
図1は、実施形態にかかるパターン形状計測システム1の概略の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、パターン形状計測システム1は、電子像撮像装置10と、形状計測装置20と、を備える。
【0011】
実施形態のパターン形状計測システム1の観察対象となる試料Sには、計測対象である対象パターンが形成されている。パターン形状計測システム1は、対象パターンを撮像した画像データIMに基づき、当該対象パターンの形状を計測するシステムとして構成されている。
【0012】
まず、電子像撮像装置10について説明する。形状計測装置20の各部については後述する。
図2は、実施形態にかかる電子像撮像装置10の構成の一例を示す図である。
【0013】
電子像撮像装置10は、試料Sの観察領域Rに荷電粒子または電磁波を照射して、試料Sが有する対象パターンを撮像し、対象パターンの画像データIMを形成することが可能な撮像装置である。電子像撮像装置10は、例えば、電子ビームEBを試料Sに照射して対象パターンの画像データIMを形成可能な測長SEM(CD-SEM:Critical Dimension Scanning Electron Microscope)として構成される。
【0014】
図2に示すように、電子像撮像装置10は、電子ビームEBの照射源としての電子銃121が設置された鏡筒111と、試料Sが配置される試料室112と、電子像撮像装置10の各部を制御する図示せぬ制御部と、を備える。
【0015】
鏡筒111は、閉塞された上端部と、電子ビームEBを通過させるために開放された下端部と、を備える筒状である。試料室112は、試料Sを収容可能に構成される。鏡筒111と試料室112とは気密に封止された状態で組み合わされている。鏡筒111内及び試料室112内は、図示しないポンプ等により減圧に保持することが可能なように構成される。
【0016】
鏡筒111内には、上端部近傍から順に、電子銃121、集束レンズ131、対物レンズ132、コイル141、及び検出器151が設置される。
【0017】
電子銃121は、鏡筒111内下方に向かって電子ビームEBを照射する。電子銃121から照射された電子ビームEBは、鏡筒111の長軸方向に沿うように進行する。
【0018】
集束レンズ131は、鏡筒111の光軸を中心として同心円状に巻かれた電磁コイルであって、磁界により電子ビームEBを集束させる。
【0019】
対物レンズ132は、鏡筒111の光軸を中心として同心円状に巻かれた電磁コイルであって、磁界により試料Sへ向かって出射した電子ビームEBを集束させる。
【0020】
コイル141は、集束された電子ビームEBを偏向させるため、または非点収差補正をするため、2つで1組になった電磁コイルである。コイル141は、鏡筒111の光軸に対して互いに対称に配置される。コイル141は、集束された電子ビームEBを、対象パターンが形成された観察領域Rの所定方向に走査させる。
【0021】
検出器151は、試料Sから発生した二次電子もしくは反射電子を検出する。検出器151は、観察領域Rが電子ビームEBにより走査された結果として検出された二次電子もしくは反射電子の信号量を画像化する。これにより、対象パターンが画像化された画像データIMが生成される。
【0022】
なお、試料室112内には、試料Sが載置されるステージ161が設置されている。ステージ161にはアクチュエータ162が取り付けられ、ステージ161を前後左右に駆動可能に構成される。ステージ161が駆動することで、所望の観察領域Rについての画像データIMを生成できる。
【0023】
電子像撮像装置10は、生成された対象パターンの画像データIMを、形状計測装置20へ送信する。
【0024】
図1に戻り、形状計測装置20について説明する。パターン形状計測装置としての形状計測装置20は、電子像撮像装置10から取得した画像データIMに基づき、対象パターンについての形状計測処理を実行する。形状計測装置20は、形状計測処理を実行するための機能部として、画像取得部21と、パターン検出部22と、第1の輪郭点群データ生成部23と、第2の輪郭点群データ生成部24と、解析部25と、判定部26と、記憶部27と、を備える。これらの機能的構成要素は、例えば後述する
図9に示すようなハードウェアと、ソフトウェアと、の協働により実現され得る。
【0025】
画像取得部21は、電子像撮像装置10から対象パターンの画像データIMを取得する。画像取得部21は、例えば、取得した画像データIMを、形状計測装置20の出力部205に出力する。
【0026】
図3は、実施形態にかかる画像データIMの一例を示す図である。
【0027】
なお本明細書においては、説明の便宜上、各図の紙面における左右方向をX軸と定義し、各図の紙面における上下方向をY軸と定義する。また、X軸、及びY軸のそれぞれと交差する方向をZ軸と定義する。また、X軸、Y軸、及びZ軸の矢印が示す方向をそれぞれXの正方向、Yの正方向、及びZの正方向とし、矢印の反対方向をそれぞれXの負方向、Yの負方向、Zの負方向とする。
【0028】
図3に示すように、画像データIMには、複数のピラーPL1~12(以後、「ピラーPL」と称する場合がある)が含まれている。ピラーPL1~12は、同一の設計情報に基づいて形成されたピラーパターンである。ピラーPL1~12のそれぞれは、Zの正方向からの視点で、X方向に延びる短径SAと、Y方向に延びる長径LAを有する楕円形状である。
【0029】
図3において、Xの正方向を向く矢印Mは、
図2を用いて説明した電子ビームEBの走査方向に相当する。即ち、ピラーPL1~12は、電子ビームEBによって、
図3の矢印Mが向かう所定方向に走査されている。なお、電子ビームEBの走査方向は、
図2、及び
図3に示した例に限定されない。電子ビームEBの走査方向は、電子像撮像装置10によって異なる場合がある。
【0030】
なお、
図3に示すピラーPL1~12は例示でありこれに限定されない。例えば、画像データIMに1つのピラーPLのみが含まれていてもよい。また、ピラーPLに替えて、画像データIMにホールパターンが含まれていてもよい。
【0031】
本実施形態では、ピラーPL1~12のうち、対象パターンとしてのピラーPL1の形状計測処理を実行することを想定する。ピラーPL1の形状の計測には、例えばピラーPL1の寸法CDの定義が含まれる。
【0032】
パターン検出部22は、画像データIMに基づき、ピラーPL1を検出する。具体的には、パターン検出部22は、画像データIMと、ピラーPL1~12の設計情報が含まれるモデルデータと、に基づいてパターンマッチングを行う。これにより、計測対象であるピラーPL1が検出される。
【0033】
パターン検出部22は、検出されたピラーPL1の、対象パターン中心としての中心点C1を特定する。具体的には、パターン検出部22は、画像データIMと、モデルデータと、に基づいてパターンマッチングを行う。これにより、モデルデータにおけるパターン中心の位置が、ピラーPL1の中心点C1として特定される。
【0034】
第1の輪郭点群データ生成部23は、画像データIMに基づき、ピラーPL1の輪郭点Tを特定する。輪郭点Tとは、画像データIMにおいてピラーPL1の輪郭を特定する位置である。ピラーPLの寸法CDは、輪郭点Tの位置に基づいて特定される。
【0035】
図4は、実施形態にかかる輪郭点Tの特定について説明する図である。
図4は、
図3の画像データIMのうちピラーPL1を拡大した図である。
【0036】
具体的には
図4に示すように、第1の輪郭点群データ生成部23は、ピラーPL1の中心点C1を通り、かつXの正方向に沿って延びる基準線BLを定義する。第1の輪郭点群データ生成部23は、例えば、基準線BLから方位角θをなす方向に延びる方位線DL上のピクセルのグレースケールを取得し、径方向の輝度プロファイルを生成する。
【0037】
第1の輪郭点群データ生成部23は、生成された輝度プロファイルに基づき、例えば輝度が極大となる位置を、方位線DLにおける輪郭点Tと特定する。ここで、方位線DLは、中心点C1と輪郭点Tを結ぶ線である。第1の輪郭点群データ生成部23は、中心点C1から輪郭点Tまでの距離と、方位角θと、に基づいて、輪郭点Tの位置情報を特定する。輪郭点Tの位置情報には、中心点C1から輪郭点Tまでの距離、方位角θ、及び輪郭点T1の座標情報が含まれるものとする。
【0038】
第1の輪郭点群データ生成部23は、基準線BLから全方位に延びる方位線DLのそれぞれに基づき、輪郭点Tの位置情報を特定する。
【0039】
第1の輪郭点群データ生成部23は、全方位において特定された輪郭点Tの位置情報のそれぞれと、インデックスIDと、を対応づけた第1の輪郭点群データ100を生成する。
【0040】
図5は、実施形態にかかる第1の輪郭点群データ100の一例を示す図である。
図5(a)の例は、特定された全方位における輪郭点Tの位置情報を、インデックスID0~359と対応づけた第1の輪郭点群データ100を表に表したものである。また、
図5(b)の例は、
図5(a)の第1の輪郭点群データ100を座標上に表したものである。
【0041】
図5に示すインデックスIDは、基準線BLを0°とし、基準線BLから1°刻みで定義された0°~359°の方位角θのそれぞれに対応づけられたものである。このように、インデックスIDと、方位角θと、は対応する関係にある。換言すると、インデックスIDは、方位角θに関連している。
【0042】
第2の輪郭点群データ生成部24は、生成された第1の輪郭点群データ100と、重み付けテーブル200と、に基づいて、重みWに応じた第2の輪郭点群データ300を生成する。
【0043】
記憶部27は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(SolitedState Drive)等の記憶媒体である。記憶部27は、重み付けテーブル2000を記憶する。
【0044】
図6は、実施形態にかかる重み付けテーブル200の一例を示す図である。
図6で示す重み付けテーブル200は、記憶部27に記憶されている。
【0045】
ここで重みWとは、基準線BLから方位角θをなす方向に存在する輪郭点Tの位置情報の標準偏差σに基づいて決定される。例えば、同一のピラーPL1を撮像対象とした画像データIMが複数取得された場合、それぞれの画像データIMの所定の方位角θにおいて特定されるピラーPL1の輪郭点Tの位置情報は全て同一になることが理想である。しかしながら実際には、それぞれの画像データIMで特定される輪郭点Tの位置情報は、ばらつく場合が多い。詳しくは後述するが、解析部25は、このような輪郭点Tの位置情報のばらつきを、標準偏差σとして予め算出する。そして、解析部25は、算出された標準偏差σを逆数にした値を重みWとして定義する。従って、例えば輪郭点Tの位置情報のばらつきが小さい程、重みWが大きくなる。
【0046】
重み付けテーブル200は、方位角θ毎に算出された重みWと、インデックスIDと、が対応づけられたものである。重みWの算出方法、及び重み付けテーブル200の生成方法の詳細については後述する。
【0047】
第2の輪郭点群データ生成部24が、第2の輪郭点群データ300を生成する際には、第1の輪郭点群データ100と、重み付けテーブル200と、に基づくランダム抽出の手法が用いられる。このような重みWに基づくランダム抽出の手法を用いることで、第1の輪郭点群データ100から、重みWが大きい、即ち、位置情報のばらつきが小さい輪郭点Tが高確率で抽出されることとなる。このようにして、第2の輪郭点群データ300が生成される。重みWに基づくランダム抽出の手法の詳細については後述する。
【0048】
図7は、実施形態にかかる第2の輪郭点群データ300の一例を示す図である。
図7(a)の例は、生成された第2の輪郭点群データ300を表に表したものである。また、
図7(b)の例は、
図7(a)の第2の輪郭点群データ300を座標上に表したものである。
【0049】
図7に示す例は、
図5(a)の例で示した第1の輪郭点群データ100から、重みWに基づくランダム抽出の手法により、所定数として例えば180個の輪郭点Tの位置情報が抽出された例を示している。このような180個の輪郭点Tの位置情報からなる第2の輪郭点群データ300には、位置情報のばらつきが小さい輪郭点Tが高確率で含まれている。
【0050】
第2の輪郭点群データ生成部24は、上述した第2の輪郭点群データ300の生成を、複数回、繰り返して実行する。第2の輪郭点群データ300の生成には、ランダム抽出の手法が用いられる。そのため、生成された複数の第2の輪郭点群データ300はそれぞれ異なるものとなる。このようにして、1つの画像データIMから、異なる複数の第2の輪郭点群データ300が生成される。
【0051】
図1に戻り、解析部25は、生成された複数の第2の輪郭点群データ300に基づいて、ピラーPL1の、例えば短径SAの寸法CDを算出する。寸法CDは、測定データの一例である。
【0052】
図8は、実施形態における寸法CDの算出について説明する図である。
【0053】
図8には、生成された複数の第2の輪郭点群データ300が示されている。具体的には、解析部25は、複数の第2の輪郭点群データ300のそれぞれと、モデルMDに基づいて、モデルフィッティングを行う。これにより、複数の第2の輪郭点群データ300のそれぞれにおいて、ピラーPL1の短径SAの寸法CDが定義される。上述したように、第2の輪郭点群データ300には、位置情報のばらつきが小さい輪郭点Tが多く含まれる。そのため、より高い確度で寸法CDを定義することができる。解析部25は、定義された寸法CDに基づいて、平均値CDavを算出する。平均値CDavは、代表値の一例である。
【0054】
判定部26は、算出した平均値CDavが、基準の範囲内か否かを判断する。基準とは、例えば、ピラーPL1の設計情報等に基づいて予め定められ、入力部206によって形状計測装置20へ入力されたものである。判定部26は、判断結果を出力部205に出力する。
【0055】
図9は、実施形態にかかる形状計測装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ここで例示する形状計測装置20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、外部記憶装置204、出力部205、入力部206等がバス207を介して接続されたマイクロコンピュータ(プロセッサ)を含む。CPU201は、ROM202、外部記憶装置204等に記憶されたプログラムに従って各種形状計測処理を実行する。RAM203は、CPU201の作業領域等として使用される。出力部205は、例えばディスプレイ、スピーカ等であり得る。入力部206は、例えばキーボード、タッチパネル機構、ポインティングデバイス等であり得る。なお、形状計測装置20のハードウェア構成は上述に限られるものではなく、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のデバイスを利用して構成されてもよい。
【0056】
(半導体装置の製造方法)
次に、
図10~13を用いて、実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。なお、
図10~
図13で説明する基板は、パターン形状計測システム1の観察対象である試料Sに相当する。
図10~
図13の例では、半導体装置の製造方法の一工程として、基板を観察対象として、基板上に形成されたピラーPL1の形状計測処理を行う例について説明する。
【0057】
図10は、実施形態にかかるの半導体装置の製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【0058】
基板上に、所定の形成条件でピラーPL1~12を形成する(S1)。
【0059】
電子像撮像装置10のステージ261に基板が載置されると、電子像撮像装置10は、電子ビームEBで観察領域Rを走査し、観察領域Rを撮像する。これにより、ピラーPL1~12の画像データIMが生成される(S2)。
【0060】
次に、ピラーPL1~12のうち、対象パターンとしてのピラーPL1の形状計測処理を行う工程について説明する。形状計測装置20におけるピラーPL1の形状計測処理は、半導体装置の製造方法の一環として行われる。
【0061】
画像取得部21は、電子像撮像装置10から、画像データIMを取得する(S3)。
【0062】
パターン検出部22は、ピラーPL1を検出する(S4)。また、パターン検出部22は、ピラーPL1の中心点C1を特定する(S5)。
【0063】
第1の輪郭点群データ生成部23は、第1の輪郭点群データ100を生成する(S6)。具体的には、第1の輪郭点群データ生成部23は、画像データIMに基づいて、中心点C1を通る基準線BLから方位角θをなす方位線DL上に存在するピラーPL1の輪郭点Tを特定する。第1の輪郭点群データ生成部23は、基準線BLから全方位に延びる方位線DLのそれぞれにおいて輪郭点Tを特定する。第1の輪郭点群データ生成部23は、特定した輪郭点Tの位置情報と、インデックスIDと、を対応づける。これにより、第1の輪郭点群データ100が生成される。
【0064】
第2の輪郭点群データ生成部24は、重みWに応じた第2の輪郭点群データ300を生成する(S7)。第2の輪郭点群データ300の生成には、生成された第1の輪郭点群データ100と、重み付けテーブル200と、が用いられる。
【0065】
ここで
図11~12を用いて、重みWの算出方法、及び重み付けテーブル200の生成方法の詳細について説明する。
図11は、実施形態にかかる重み付けテーブル200の生成方法の手順の一例について説明する図である。
【0066】
なお、重み付けテーブル200は、ピラーPL1の形状計測処理に先立ち、パターン形状計測システム1において予め生成され、記憶部27に記憶されている。
【0067】
図11に示すように、電子像撮像装置10は、ピラーPL1~12が含まれる画像データIMを生成する。具体的には、電子像撮像装置10は、ピラーPL1~12の撮像を、例えば10回繰り返すことにより、10個の画像データIM1~10を生成する。
【0068】
画像取得部21は、画像データIM1~10を取得する。パターン検出部22は、画像データIM1~10のそれぞれについてピラーPL1~12を検出し、検出されたピラーPL1~12の中心点C1~C12を特定する。
【0069】
第1点群データ生成部23は、画像データIM1~10のそれぞれに含まれる、例えばピラーPL1について基準線BLを定義し、方位角θにおける輪郭点T1~10の位置情報を特定する。
【0070】
解析部25は、特定された輪郭点T1~10の位置情報に基づき、方位角θにおける輪郭点T1~10の位置情報の標準偏差σ1を算出する。
【0071】
解析部25は、ピラーPL2~12についても上述と同様の手順を実行し、方位角θにおける輪郭点Tの位置情報の標準偏差σ2~12を算出する。
【0072】
解析部25は、基準線BLからの全方位において特定された輪郭点T1~10の位置情報に基づいて、標準偏差σ1~12を算出する。以上の手順により算出された全方位における輪郭点Tの位置情報の標準偏差σ1~12を
図12に示す。
【0073】
図12は、実施形態にかかる輪郭点Tの位置情報の標準偏差σを示す図である。
図12の横軸は方位角θ、縦軸は、標準偏差σを示している。なお、
図12のうち、グレーで塗るプロットは、方位角θそれぞれにおける標準偏差σ1~12の値を示し、黒で塗るプロットは、標準偏差σ1~12の中央値σZを示している。
【0074】
図12に示すように、標準偏差σは、方位角θが、128°付近及び308°付近に近づくに従い大きくなり、方位角θが128°付近及び308°付近から離れるに従い小さくなる。ここで発明者は、このような標準偏差σの傾向が、電子ビームEBの走査方向と以下のような相関を有していることを発見した。
【0075】
図13は、
図12の標準偏差σをレーダーチャートで表した図である。
図13の径方向の軸は、標準偏差σを示し、周方向は、方位角θを示している。
【0076】
図13の中心点OからXの正方向に延びる軸Axは、方位角θ=0°を示している。即ち、
図13の軸Axが延びる方向は、画像データIMにおいて定義されたピラーPL1~12の基準線BLが延びる方向に相当する。また、輪郭線Lは、基準線BLから全方位における輪郭点Tの標準偏差σの中央値σZを結ぶ線である。なお、
図13のXの正方向、及びYの正方向の間の所定方向を向く矢印Nは、
図2、及び
図3を用いて説明した電子ビームEBの走査方向に相当する。
【0077】
図13に示すように、標準偏差σが極大となる128°付近及び308°付近等の方位角θにおいては、輪郭線Lは電子ビームEBの走査方向に沿って延びている。即ち、輪郭線Lが電子ビームEBの走査方向と沿うときの方位角θにおいて、標準偏差σは極大を示す。また、輪郭線Lが電子ビームEBの走査方向と交差するときの方位角θにおいて、標準偏差σは比較的小さい値となる。
【0078】
以上のように、発明者は、ピラーPLの輪郭点Tの位置情報の標準偏差σは、方位角θにより異なること、標準偏差σは、所定の方位角θにおいて大きくなる傾向を有することを見出した。また、発明者は、このような傾向は、電子ビームEBの走査方向と相関することを見出した
【0079】
【0080】
S7において、第2の輪郭点群データ300が生成される際には、第2の輪郭点群データ生成部24は、重みWに基づくランダム抽出の手法を用いる。
【0081】
図14は、実施形態における重みWに基づくランダム抽出について説明する図である。
図14(a)は、
図6で示した重み付けテーブル200に基づき、重みWを発生確率に換算して示したものである。また、
図14(b)は、
図14(a)の発生確率をインデックスID毎に累積させた図である。
【0082】
具体的には、
図14(a)に示すように、第2の輪郭点群データ生成部24は、
図6で示した重み付けテーブル200に基づいて、インデックスID1~359のそれぞれに対応づけられた重みWの、重みWの総計に対する割合を発生確率Aとして算出する。
【0083】
そして、
図14(b)に示すように、第2の輪郭点群データ生成部24は、発生確率A1~A359をインデックスID順に累積させ、累積重みとしての累積確率をそれぞれインデックスIDに割り当てる。
【0084】
次いで、第2の輪郭点群データ生成部24は、所定数の乱数Xをランダムに生成する。乱数Xは、発生確率A1~A359の総計である1未満の乱数である。換言すると、乱数Xは、重みWに基づいて生成される。第2の輪郭点群データ生成部24は、生成された乱数Xと、
図14(b)の累積確率と、を照合し、乱数Xが含まれる累積確率に対応するインデックスIDを抽出する。具体的には例えば、生成された乱数Xが、A1未満である場合は、インデックスIDとして「1」が抽出される。また例えば、生成された乱数Xが、A1以上、かつA1+A2未満である場合には、インデックスIDとして「2」が抽出される。これにより、重みWの大きいインデックスIDが、高確率で抽出されることとなる。
【0085】
第2の輪郭点群データ生成部24は、上述の抽出を所定数の乱数Xについて実行する。これにより、所定数のインデックスIDが抽出される。ここで所定数とは、例えば180個である。なお、抽出されるインデックスIDが重複することを回避するために、2個目以降の乱数Xによって抽出されるインデックスIDがすでに抽出されたインデックスIDであった場合には抽出をスキップする等の処理を行ってもよい。
【0086】
第2の輪郭点群データ生成部24は、上述の処理により抽出されたインデックスIDに対応する輪郭点Tの位置情報を第1の輪郭点群データ100から抽出する。これにより、重みWの大きい輪郭点Tの位置情報が高確率で含まれる第2の輪郭点群データ300が生成される。
【0087】
第2の輪郭点群データ生成部24は、第2の輪郭点群データ300の生成を、所定回数実行する。これにより、異なる複数の第2の輪郭点群データ300が生成される。所定回数とは、例えば200回である。
【0088】
解析部25は、生成された複数の第2の輪郭点群データ300について、それぞれモデルフィッティングを行うことにより、ピラーPL1についての複数の寸法CDを取得する(S8)。
【0089】
解析部25は、複数の寸法CDから代表値としての平均値CDavを算出する。なお、代表値は、平均値Davに限定されない。例えば、複数の寸法CDの中央値、あるいは最頻値のいずれでもよい。
【0090】
判定部26は、算出されたピラーPL1の寸法CDの平均値CDavが、基準の範囲内か否かを判断する(S9)。
【0091】
判定部26が、平均値CDavが、基準の範囲内ではないと判定した場合(S9→YES)には、処理はS10へ進む。
【0092】
判定部26によって、平均値CDavが、基準の範囲内ではないと判定された場合には、基準を超えた原因となるプロセスが特定され、ピラーPL1の形成条件が変更される(S10)。そして、異常が発生した基板は除外される(S11)。
【0093】
判定部26が、平均値CDavが、基準の範囲内であると判定した場合(S9→NO)には、処理は終了する。
【0094】
このようにして、形状計測装置20におけるピラーPLの形状計測処理は終了し、実施形態の半導体装置が製造される。
【0095】
(概括)
実施形態のパターン形状計測方法によれば、画像データIMに基づいて抽出したピラーPLの輪郭点Tの位置情報と、基準線BLからの方位角θに関連するインデックスIDと、を対応づけた第1の輪郭点群データ100を生成する。そして、重み付けテーブル200と、第1の輪郭点群データ100と、に基づいて、重みWに応じた第2の輪郭点群データ300を生成する。重み付けテーブル200は、インデックスIDと、方位角θに存在するピラーPLの輪郭点Tの位置情報の標準偏差σに基づく重みWと、が対応づけられている。
【0096】
このように、第1の輪郭点群データ100から、重みWの大きさに基づく輪郭点Tからなる第2の輪郭点群データ300が生成される。これにより、ピラーPLの形状を高い確度で計測することが可能となる。
【0097】
実施形態のパターン形状計測方法によれば、第2の輪郭点群データ300を作成するときは、重みWに基づいて生成された乱数Xに対応するインデックスIDの抽出を繰り返し行う。このようにして生成された複数の第2の輪郭点群データ300に基づいて、複数の寸法CDを取得し、複数の寸法CDから平均値を算出する。
【0098】
このように、第1の輪郭点群データ100から、重みWの大きさに基づくランダム抽出を行うことにより、異なる複数の第2の輪郭点群データ300が生成される。これにより、ピラーPLの形状をさらに高い確度で計測することが可能となる。
【0099】
(変形例)
図15用いて、変形例のパターン形状計測方法について説明する。変形例のパターン形状計測方法は、画像データIMに含まれるピラーPL1~12のうち、寸法CDのばらつきが小さいピラーPLを選択して形状計測処理を実行する点が上述の実施形態とは異なる。
【0100】
図15は、変形例にかかるパターン形状計測方法の手順の一例について説明する図である。
図15には、ピラーPL1~12それぞれについて取得された寸法CDに基づくヒストグラムH1~H12が示されている。
【0101】
なお、変形例のパターン形状計測方法の説明に先立ち、
図10のS3で取得された画像データIMのピラーPL1~12のそれぞれについて、S4~8の処理が実行されているものとする。
【0102】
解析部25は、対象パターンとしてのピラーPL1~12のそれぞれについて取得された複数の寸法CDに基づいて、それぞれの平均値CDav1~12を算出する。
【0103】
また、解析部25は、ピラーPL1~12のそれぞれについて取得された複数の寸法CDに基づいて、標準偏差ST1~12を算出する。標準偏差ST1~12は、散布度の一例である。なお、散布度は標準偏差STに限定されない。例えば、レンジであってもよい。
【0104】
解析部25は、ピラーPL1~12のうち、算出された標準偏差STの小さい順に所定数のピラーPLを選択する。例えば
図16に示す例では、解析部25は、標準偏差STの小さい順に、ピラーPL1、PL4、PL6、PL7、PL8、PL10、PL11、PL12の8個のピラーPLを選択する。なお、ピラーPLの選択数はこれに限定されない。
【0105】
解析部25は、選択された8個のピラーPLの平均値を、観察領域Rの測定値として算出する。標準偏差STのより小さいピラーPLの平均値Cdavが採用されるため、ピラーPLの形状をより高い確度で計測することができる。
【0106】
変形例のパターン形状計測方法によれば、その他、上述の実施形態のパターン形状計測方法及びパターン計測装置と同様の効果を奏する。
【0107】
(その他の変形例)
上述の実施形態、及び変形例では、パターン形状計測システム1に、電子像撮像装置10及び、形状計測装置20が備わっているものと説明したがこれに限定されない。例えば、電子像撮像装置10に、形状計測装置20が備わっていてもよい。
【0108】
上述の実施形態、及び変形例では、生成された輝度プロファイルのうち、輝度が最大となる位置を、輪郭点Tとして特定したが、これに限られない。輝度プロファイルのうち、所定条件を満たした位置を、輪郭点Tとして特定してもよい。
【0109】
上述の実施形態、及び変形例では、基準線BLから方位角θを1°毎に刻み、それぞれにインデックスIDを対応づけたがこれに限定されない。例えば、方位角θの刻み量が小さい程、高い確度で計測することができる。
【0110】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
1…パターン形状計測システム、10…電子像撮像装置、20‥形状計測装置、21…画像取得部、22…パターン検出部、23…第1の輪郭点群データ生成部、24…第2の輪郭点群データ生成部、25…解析部、26…判定部、27…記憶部、100…第1の輪郭点群データ、200…重み付けテーブル、300…第2の輪郭点群データ、CD…寸法、EB…電子ビーム、ID…インデックス、IM…画像データ、PL…ピラー、R…観察領域、S…試料、T…輪郭点、X…乱数、W…重み。