(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132395
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20240920BHJP
F04B 39/06 20060101ALI20240920BHJP
F04C 23/02 20060101ALI20240920BHJP
F04C 29/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F04B39/00 106Z
F04B39/06 Q
F04B39/00 106
F04C23/02 H
F04C29/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043137
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西村 恵寿
(72)【発明者】
【氏名】木下 雄介
(72)【発明者】
【氏名】矢野 順也
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB05
3H003AC03
3H003BE09
3H003CD01
3H003CE02
3H003CF01
3H129AA02
3H129AA15
3H129AB03
3H129BB12
3H129CC02
3H129CC07
3H129CC09
3H129CC27
(57)【要約】
【課題】インバータの冷却効果を増大できる電動圧縮機を提供する。
【解決手段】インバータ16は、回路基板66と、複数の電解コンデンサ63と、電解コンデンサ63を保持するホルダ65とを有する。ホルダ65は、閉塞部28の第1面28aと回路基板66との間に配置される。電解コンデンサ63は、第1面28aと対向するホルダ65の第1面71aに保持される。ホルダ65は、複数の電解コンデンサ63の軸方向が平行に延びるとともに、各段に複数の電解コンデンサ63が配置され、かつ各段における電解コンデンサ63の間隔が回路基板66から閉塞部28の第1面28aに向かうにつれて順次広がるように電解コンデンサ63を段積み状態で保持する。ハウジング11は、閉塞部28の第1面28aから突出する突出部32を有する。突出部32は、複数の電解コンデンサ63によって囲まれるとともに、複数の電解コンデンサ63の各々と熱的に接続されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動する電動モータと、
前記電動モータを駆動するインバータと、
前記電動モータを収容するとともに前記流体が吸入される吸入室を形成する筒状のモータハウジング、及び前記モータハウジングに熱的に接続されるとともに前記インバータを収容するインバータ収容室を形成するインバータハウジングを有するハウジングと、
を備え、
前記インバータは、回路基板と、円柱状の複数の電解コンデンサと、前記電解コンデンサを保持するホルダとを有し、
前記ホルダは、前記モータハウジングの軸方向において前記インバータ収容室を区画する内壁面と前記回路基板との間に配置され、
前記電解コンデンサは、前記ホルダにおける前記内壁面と対向する面に保持され、
前記ホルダは、複数の前記電解コンデンサの軸方向が平行に延びるとともに、各段に複数の前記電解コンデンサが配置され、かつ各段における前記電解コンデンサの間隔が前記回路基板から前記ホルダと対向する前記内壁面に向かうにつれて順次広がるように前記電解コンデンサを段積み状態で保持し、
前記ハウジングは、前記ホルダと対向する前記内壁面から突出する突出部を有し、
前記突出部は、複数の前記電解コンデンサによって囲まれるとともに、複数の前記電解コンデンサの各々と熱的に接続されていることを特徴とする電動圧縮機。
【請求項2】
前記インバータハウジングは、前記モータハウジングの軸方向の一端を閉塞するとともに前記内壁面の一部を構成する閉塞部を有し、
前記突出部は、前記閉塞部に設けられ、
前記ホルダは、前記閉塞部に近い段にある前記電解コンデンサが前記回路基板に近い段にある前記電解コンデンサを前記モータハウジングの軸方向と直交する方向に挟むように前記電解コンデンサを保持する請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記インバータは、前記電動モータを駆動するためのスイッチング動作を行うスイッチング素子と、前記電解コンデンサとともにLC回路を構成するコイルとを有し、
前記スイッチング素子、前記コイル、及び複数の前記電解コンデンサは、前記モータハウジングの軸方向において前記吸入室と並びつつ前記閉塞部と熱的に接続されるよう前記インバータ収容室内に配置されている請求項2に記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記インバータは、前記電動モータを駆動するためのスイッチング動作を行うスイッチング素子を有し、
前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、
前記ホルダは、前記第1端面から前記スイッチング素子までの距離が前記第1端面とは反対側の端面である第2端面から前記スイッチング素子までの距離よりも短くなるように前記電解コンデンサを保持する請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項5】
前記モータハウジングは、前記吸入室に前記流体を吸入する吸入口を有し、
前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、
前記ホルダは、前記第1端面から前記吸入口までの距離が前記第1端面とは反対側の端面である第2端面から前記吸入口までの距離よりも短くなるように前記電解コンデンサを保持する請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項6】
前記ホルダは、前記電解コンデンサの軸方向の全体を保持する請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項7】
前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、
前記電解コンデンサの前記第1端面とは反対側の端面である第2端面は導電面であり、
前記ホルダは、前記第2端面を覆うカバー部を有する請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項8】
複数の前記電解コンデンサは、前記ホルダに直接取り付けられている請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項9】
前記ホルダは、前記電解コンデンサから延びる一対のリードが挿通されるリード挿通部を有し、
複数の前記電解コンデンサは、前記リードが前記リード挿通部に向けて屈曲されるように前記リードを案内する案内部を有する案内部材に組み付けられた状態で、前記ホルダに取り付けられている請求項1に記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動圧縮機は、圧縮部と、電動モータと、インバータと、ハウジングとを備えている。圧縮部は、流体を圧縮する。電動モータは、圧縮部を駆動する。インバータは、電動モータを駆動する。ハウジングは、筒状のモータハウジングと、インバータハウジングとを有している。モータハウジングは、電動モータを収容するとともに冷媒が吸入される吸入室を形成している。インバータハウジングは、インバータを収容するインバータ収容室を形成している。
【0003】
インバータは、複数の円柱状の電解コンデンサと、電動モータを駆動するためのスイッチング動作を行うスイッチング素子と、電解コンデンサとともにLC回路を構成するコイルとを有している。特許文献1に記載された電動圧縮機では、各電解コンデンサは、電解コンデンサの長手方向である軸方向がモータハウジングの軸方向と一致するように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電解コンデンサ、スイッチング素子、及びコイルは、インバータの動作時に発熱する発熱素子の一例である。発熱素子は、例えば、次のように冷却される。発熱素子の熱は、ハウジングに伝わる。ハウジングは、吸入室に吸入された冷媒によって冷却される。すなわち、発熱素子は、吸入室に吸入された冷媒によって冷却される。したがって、発熱素子は、吸入室と熱交換しやすいようモータハウジングの軸方向において吸入室と並ぶように配置されるのが好ましい。
【0006】
特許文献1のように、電解コンデンサの軸方向がモータハウジングの軸方向と一致している場合には、モータハウジングの軸方向から見たときの電解コンデンサの面積は大きくなりにくい。このため、発熱素子をモータハウジングの軸方向において吸入室と並ぶよう配置しやすい。しかしながら、電解コンデンサは、電解コンデンサの外周面がハウジングにおける吸入室とインバータ収容室とを隔てる壁に沿うよう配置されることがある。すなわち、電解コンデンサは、電解コンデンサの軸方向がモータハウジングの軸方向と直交する方向に延びるように配置されることがある。この場合、モータハウジングの軸方向から見たときの電解コンデンサの面積は大きくなりやすい。このため、発熱素子をモータハウジングの軸方向において吸入室と並ぶように配置することが困難になることがある。モータハウジングの軸方向において吸入室と並んでいない発熱素子は、モータハウジングの軸方向において吸入室と並んでいる発熱素子と比べて冷却されにくい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するための電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動する電動モータと、前記電動モータを駆動するインバータと、前記電動モータを収容するとともに前記流体が吸入される吸入室を形成する筒状のモータハウジング、及び前記モータハウジングに熱的に接続されるとともに前記インバータを収容するインバータ収容室を形成するインバータハウジングを有するハウジングと、を備え、前記インバータは、回路基板と、円柱状の複数の電解コンデンサと、前記電解コンデンサを保持するホルダとを有し、前記ホルダは、前記モータハウジングの軸方向において前記インバータ収容室を区画する内壁面と前記回路基板との間に配置され、前記電解コンデンサは、前記ホルダにおける前記内壁面と対向する面に保持され、前記ホルダは、複数の前記電解コンデンサの軸方向が平行に延びるとともに、各段に複数の前記電解コンデンサが配置され、かつ各段における前記電解コンデンサの間隔が前記回路基板から前記ホルダと対向する前記内壁面に向かうにつれて順次広がるように前記電解コンデンサを段積み状態で保持し、前記ハウジングは、前記ホルダと対向する前記内壁面から突出する突出部を有し、前記突出部は、複数の前記電解コンデンサによって囲まれるとともに、複数の前記電解コンデンサの各々と熱的に接続されていることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、ホルダは、複数の電解コンデンサを段積み状態で保持している。このため、全ての電解コンデンサが一列に並んでいる場合と比較して、モータハウジングの軸方向から見たときの複数の電解コンデンサの面積が減少する。したがって、電解コンデンサ以外の発熱素子を吸入室と熱交換しやすいようにインバータ収容室内に配置することができる。その結果、電解コンデンサ以外の発熱素子の冷却効果を増大させることができる。
【0009】
また、突出部は、複数の電解コンデンサによって囲まれるとともに、複数の電解コンデンサの各々と熱的に接続されている。このため、突出部が設けられていない場合と比較して、ハウジングと電解コンデンサとの距離が短くなるとともに、ハウジングと電解コンデンサとが向かい合う面積が増大する。したがって、電解コンデンサの冷却効果を増大させることができる。よって、インバータの冷却効果を増大できる。
【0010】
上記電動圧縮機において、前記インバータハウジングは、前記モータハウジングの軸方向の一端を閉塞するとともに前記内壁面の一部を構成する閉塞部を有し、前記突出部は、前記閉塞部に設けられ、前記ホルダは、前記閉塞部に近い段にある前記電解コンデンサが前記回路基板に近い段にある前記電解コンデンサを前記モータハウジングの軸方向と直交する方向に挟むように前記電解コンデンサを保持してもよい。
【0011】
上記構成によれば、閉塞部に近い段にある電解コンデンサの一部と、回路基板に近い段にある電解コンデンサの一部とが、モータハウジングの軸方向と直交する方向に重なる。したがって、閉塞部に近い段にある複数の電解コンデンサと、回路基板に近い段にある電解コンデンサとが、モータハウジングの軸方向と直交する方向に重なっていない場合と比較して、モータハウジングの軸方向において複数のコンデンサを小型化できる。
【0012】
上記電動圧縮機において、前記インバータは、前記電動モータを駆動するためのスイッチング動作を行うスイッチング素子と、前記電解コンデンサとともにLC回路を構成するコイルとを有し、前記スイッチング素子、前記コイル、及び複数の前記電解コンデンサは、前記モータハウジングの軸方向において前記吸入室と並びつつ前記閉塞部と熱的に接続されるよう前記インバータ収容室内に配置されていてもよい。
【0013】
上記構成によれば、電解コンデンサに加え、スイッチング素子及びコイルを吸入室と熱交換しやすいようインバータ収容室内に配置しているため、スイッチング素子及びコイルを冷却させやすい。
【0014】
上記電動圧縮機において、前記インバータは、前記電動モータを駆動するためのスイッチング動作を行うスイッチング素子を有し、前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、前記ホルダは、前記第1端面から前記スイッチング素子までの距離が前記第1端面とは反対側の端面である第2端面から前記スイッチング素子までの距離よりも短くなるように前記電解コンデンサを保持してもよい。
【0015】
上記構成によれば、電解コンデンサのリード及びスイッチング素子間の距離を短くすることができる。したがって、電解コンデンサ及びスイッチング素子間のインピーダンスを低減できる。
【0016】
上記電動圧縮機において、前記モータハウジングは、前記吸入室に前記流体を吸入する吸入口を有し、前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、前記ホルダは、前記第1端面から前記吸入口までの距離が前記第1端面とは反対側の端面である第2端面から前記吸入口までの距離よりも短くなるように前記電解コンデンサを保持してもよい。
【0017】
上記構成によれば、リードを吸入口に近付けて配置することができる。したがって、リードを冷却させやすい。
上記電動圧縮機において、前記ホルダは、前記電解コンデンサの軸方向の全体を保持してもよい。
【0018】
上記構成によれば、ホルダは、複数の電解コンデンサをより安定的に保持することができる。
上記電動圧縮機において、前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、前記電解コンデンサの前記第1端面とは反対側の端面である第2端面は導電面であり、前記ホルダは、前記第2端面を覆うカバー部を有していてもよい。
【0019】
上記構成によれば、カバー部によって、電解コンデンサの第2端面を回路基板に対して絶縁することができる。
上記電動圧縮機において、複数の前記電解コンデンサは、前記ホルダに直接取り付けられていてもよい。
【0020】
上記構成によれば、複数の電解コンデンサが他の部材を介してホルダに取り付けられている場合と比較して、電解コンデンサ同士を近付けて配置することができる。したがって、複数の電解コンデンサを小型化することができる。
【0021】
上記電動圧縮機において、前記ホルダは、前記電解コンデンサから延びる一対のリードが挿通されるリード挿通部を有し、複数の前記電解コンデンサは、前記リードが前記リード挿通部に向けて屈曲されるように前記リードを案内する案内部を有する案内部材に組み付けられた状態で、前記ホルダに取り付けられていてもよい。
【0022】
上記構成によれば、リードは、案内部に案内されることによって、リード挿通部に向けて屈曲されている。このため、リードをホルダのリード挿通部に挿通しやすくなる。特に、リードの屈曲作業及びリード挿通部へのリードの挿通作業を機械化する場合において効果的である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、インバータの冷却効果を増大できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】電動圧縮機の
図5の1-1線に沿う断面図である。
【
図2】第1構成体及び電解コンデンサの斜視図である。
【
図3】電動圧縮機の
図5の3-3線に沿う断面図である。
【
図4】第1構成体、インバータ、及び第3構成体の斜視図である。
【
図8】ホルダ、電解コンデンサ、及び案内部材を示す斜視図である。
【
図9】案内部材に組み付けられる前の電解コンデンサを示す斜視図である。
【
図10】案内部材に組み付けられた状態の電解コンデンサを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、電動圧縮機を具体化した一実施形態を
図1~
図7にしたがって説明する。本実施形態の電動圧縮機は、例えば、車両空調装置に用いられる。
<電動圧縮機の基本構成>
図1に示すように、電動圧縮機10は、ハウジング11と、軸支部材12と、回転軸13と、圧縮部14と、電動モータ15と、インバータ16とを備えている。ハウジング11は、軸支部材12と、回転軸13と、圧縮部14と、電動モータ15と、インバータ16とを収容している。圧縮部14は、流体としての冷媒を圧縮する。電動モータ15は、回転軸13を回転させることにより、圧縮部14を駆動する。インバータ16は、電動モータ15を駆動する。
【0026】
ハウジング11は、第1構成体21と、第2構成体22と、第3構成体23とを有している。第1構成体21、第2構成体22、及び第3構成体23は、金属製である。したがって、ハウジング11は、金属製である。本実施形態では、第1構成体21、第2構成体22、及び第3構成体23は、アルミニウム製である。
【0027】
第1構成体21は、円筒状のモータハウジング24と、有底筒状のインバータハウジング25とを有している。インバータハウジング25は、モータハウジング24の軸方向の第1端と連なっている。インバータハウジング25は、モータハウジング24と熱的に接続されている。
【0028】
図2に示すように、インバータハウジング25は、底壁26と、底壁26の外周縁から底壁26の厚み方向に延びる周壁27とを有している。底壁26の厚さ方向は、モータハウジング24の軸方向と一致している。底壁26の外形は、モータハウジング24の外形よりも大きい。底壁26は、閉塞部28と延出部29とを有している。
【0029】
閉塞部28は、モータハウジング24の軸方向の第1端に位置する開口を閉塞している。閉塞部28は、第1面28a及び第2面28bを有している。第1面28aは、底壁26の内面の一部を構成している。第2面28bは、第1面28aの反対に位置している。
【0030】
延出部29は、モータハウジング24の軸方向と直交する方向においてモータハウジング24の外周面24aよりも外側に位置する部分である。延出部29は、第1面29a及び第2面29bを有している。第1面29aは、底壁26の内面の一部を構成している。第2面29bは、第1面29aの反対に位置している。第2面29bは、底壁26の外面を構成している。延出部29は、閉塞部28よりもインバータハウジング25の開口側に位置している。言い換えると、閉塞部28は、延出部29に対して凹んでいる。
【0031】
図1に示すように、インバータハウジング25は、ボス31を有している。ボス31は、閉塞部28の第2面28bからモータハウジング24の軸方向に突出した部分である。ボス31は、軸受収容部31aを有している。軸受収容部31aは、ボス31の先端面から凹んだ部分である。軸受収容部31aは、第1軸受17を収容している。
【0032】
図2及び
図3に示すように、インバータハウジング25は、突出部32を有している。突出部32は、閉塞部28の第1面28aからモータハウジング24の軸方向に突出した部分である。突出部32は、モータハウジング24の軸方向と直交する方向に延在している。以下では、突出部32が延在する方向を突出部32の延在方向という。突出部32の延在方向は、モータハウジング24の軸方向と直交する方向である。また、モータハウジング24の軸方向及び突出部32の延在方向の両方と直交する方向を突出部32の幅方向という。突出部32の幅方向の寸法は、先端部から基端部に向かうにつれて大きくなっている。つまり、突出部32は、インバータハウジング25の開口側から底側に向かうにつれて幅広になる末広がり形状である。
【0033】
図1に示すように、第2構成体22は、モータハウジング24の軸方向の第2端に連結されている。モータハウジング24の軸方向の第2端とは、モータハウジング24の軸方向において第1端とは反対に位置する端である。第2構成体22は、モータハウジング24の軸方向の第2端に位置する開口を閉塞している。
【0034】
図4に示すように、第3構成体23は、インバータハウジング25の周壁27に対応する形状である。第3構成体23は、インバータハウジング25の周壁27の先端部に連結されている。第3構成体23は、インバータハウジング25の開口を閉塞している。第3構成体23は、第2構成体22と熱的に接続されている。
【0035】
図1及び
図3に示すように、インバータハウジング25の底壁26の内面と、インバータハウジング25の周壁27の内周面と、第3構成体23の内面23aとによって、インバータ収容室S1が区画されている。すなわち、底壁26の内面、周壁27の内周面、及び第3構成体23の内面23aはそれぞれ、インバータ収容室S1を区画する内壁面である。上述したように、閉塞部28の第1面28a及び延出部29の第1面29aは、底壁26の内面の一部を構成している。したがって、閉塞部28の第1面28a及び延出部29の第1面29aは、インバータ収容室S1を区画する内壁面である。
【0036】
図1に示すように、ハウジング11は、吸入口11aと吐出口11bとを有している。吸入口11aは、モータハウジング24に設けられている。吸入口11aは、モータハウジング24の軸方向においてインバータハウジング25に近い部分に設けられている。吐出口11bは、第2構成体22に設けられている。吸入口11aには、図示しない外部冷媒回路の一端が接続されるとともに、吐出口11bには、外部冷媒回路の他端が接続されている。
【0037】
軸支部材12は、モータハウジング24内に収容されている。軸支部材12は、軸挿通孔12aと、連通孔12bとを有している。軸挿通孔12aには、第2軸受18が収容されている。
【0038】
モータハウジング24の内周面と、軸支部材12と、インバータハウジング25の閉塞部28とによって、吸入室S2が区画されている。閉塞部28は、インバータ収容室S1と吸入室S2とを隔てている。閉塞部28の第2面28bは、吸入室S2に露出している。閉塞部28は、吸入室S2と熱的に接続されている。閉塞部28及び第3構成体23の一部は、モータハウジング24の軸方向において吸入室S2と並んでいる。
【0039】
回転軸13は、モータハウジング24内に収容されている。回転軸13は、モータハウジング24の軸方向に沿って延びている。回転軸13の第1端部は、軸受収容部31aに挿入されている。回転軸13の第1端部は、第1軸受17を介してボス31に回転可能に支持されている。回転軸13の第1端部とは反対側に位置する第2端部は、軸支部材12の軸挿通孔12aに挿通されている。回転軸13の第2端部は、第2軸受18を介して軸支部材12に回転可能に支持されている。
【0040】
圧縮部14は、モータハウジング24内に収容されている。圧縮部14は、モータハウジング24の軸方向において軸支部材12と第2構成体22との間に配置されている。本実施形態の圧縮部14は、スクロール式である。圧縮部14は、固定スクロール14aと可動スクロール14bとを有している。固定スクロール14aは、第2構成体22と軸支部材12とによって挟み込まれることにより、ハウジング11に固定されている。可動スクロール14bは、固定スクロール14aと対向するように配置されている。固定スクロール14aと可動スクロール14bとの間には容積変更可能な圧縮室S3が区画されている。圧縮室S3は、連通孔12bを介して吸入室S2と連通している。固定スクロール14aと第2構成体22の内面とによって吐出室S4が区画されている。圧縮室S3と吐出室S4とは連通している。
【0041】
電動モータ15は、吸入室S2に収容されている。つまり、吸入室S2は、電動モータ15を収容するモータ収容室でもある。電動モータ15は、ロータ41と、ステータ42とを有している。ロータ41は、円筒状のロータコア41aと、複数の永久磁石41bとを有している。ロータコア41aは、回転軸13に固定されている。複数の永久磁石41bは、ロータコア41aに埋設されている。複数の永久磁石41bは、ロータコア41aの周方向に等ピッチに設けられている。ステータ42は、ロータ41を取り囲んでいる。ステータ42は、円筒状のステータコア42aと、モータコイル42bとを有している。ステータコア42aは、モータハウジング24の内周面に固定されている。モータコイル42bは、ステータコア42aに巻回されている。ロータ41は、モータコイル42bに電流が流れることにより回転する。回転軸13は、ロータ41と一体的に回転する。
【0042】
<インバータ>
図4及び
図5に示すように、インバータ16は、3相のスイッチング素子61と、コイル62と、複数の電解コンデンサ63と、3相の導電部材64と、電解コンデンサ63を保持する樹脂製のホルダ65と、回路基板66とを有している。本実施形態のインバータ16が有する電解コンデンサ63の数は4つである。
【0043】
図6及び
図7に示すように、電解コンデンサ63は、円柱状である。電解コンデンサ63の外径及び軸方向の寸法は、全ての電解コンデンサ63で同じである。電解コンデンサ63の軸方向の寸法は、電解コンデンサ63の外径よりも大きい。したがって、電解コンデンサ63の軸方向は、電解コンデンサ63の長手方向でもある。
【0044】
電解コンデンサ63は、第1端面63a及び第2端面63bを有している。第1端面63a及び第2端面63bは、電解コンデンサ63の軸方向の端面である。第2端面63bは、第1端面63aの反対側に位置している。電解コンデンサ63の第1端面63aからは一対のリード67が延出している。電解コンデンサ63の第2端面63bは、導電面である。電解コンデンサ63の第2端面63bには、圧力弁が設けられている。電解コンデンサ63の外周面63cは円筒面である。
【0045】
3相のスイッチング素子61は、電動モータ15を駆動するためのスイッチング動作を行う。コイル62は、電解コンデンサ63とともにLC回路を構成している。LC回路は、外部からの入力電流に含まれるノイズを低減するためのフィルタ回路である。3相のスイッチング素子61、コイル62、及び電解コンデンサ63は、インバータ16の動作時に発熱する発熱素子である。3相の導電部材64は、電動モータ15とインバータ16とを電気的に接続する。
【0046】
ホルダ65は、3相のスイッチング素子61、コイル62、複数の電解コンデンサ63、及び3相の導電部材64を保持している。3相のスイッチング素子61、コイル62、複数の電解コンデンサ63、及び3相の導電部材64は、ホルダ65に保持された状態で回路基板66に電気的に接続されている。
【0047】
図1及び
図3に示すように、インバータ16は、インバータ収容室S1に収容されている。回路基板66は、回路基板66の板厚方向がモータハウジング24の軸方向と一致するように配置されている。回路基板66は、モータハウジング24の軸方向において閉塞部28と並ぶ部分と延出部29と並ぶ部分とを有している。ホルダ65は、モータハウジング24の軸方向において閉塞部28の第1面28aと回路基板66との間に配置されている。したがって、ホルダ65は、モータハウジング24の軸方向においてインバータ収容室S1を区画する内壁面と回路基板66との間に配置されている。
【0048】
<ホルダ>
図3及び
図4に示すように、ホルダ65は、板状のベースプレート71を有している。本実施形態のベースプレート71は円板状である。ベースプレート71の板厚方向は、回路基板66の板厚方向と一致している。ベースプレート71は、第1面71a及び第2面71bを有している。第1面71a及び第2面71bは、ベースプレート71の板厚方向と直交する面である。第2面71bは、第1面71aの反対側に位置している。ベースプレート71の第1面71aは、閉塞部28の第1面28aと対向している。すなわち、ベースプレート71の第1面71aは、インバータ収容室S1を区画する内壁面と対向している。ベースプレート71の第2面71bは、回路基板66と対向している。ホルダ65及び回路基板66は、ボルトBによってハウジング11の第1構成体21に固定されている。
【0049】
ホルダ65は、複数の電解コンデンサ63を保持するコンデンサ保持部72を有している。コンデンサ保持部72は、ベースプレート71の第1面71aから閉塞部28に向かって突出している。したがって、複数の電解コンデンサ63は、ベースプレート71の第1面71aに保持されている。本実施形態では、複数の電解コンデンサ63は、ホルダ65に直接取り付けられている。本実施形態のコンデンサ保持部72は、略長方形状である。コンデンサ保持部72の長手方向は、突出部32の延在方向と一致している。コンデンサ保持部72の短手方向は、突出部32の幅方向と一致している。
【0050】
コンデンサ保持部72は、複数の電解コンデンサ63が収容されるコンデンサ収容部73を有している。コンデンサ収容部73は、コンデンサ保持部72の先端面から凹んだ部分である。コンデンサ収容部73は、閉塞部28に向かって開口している。
【0051】
図3に示すように、コンデンサ収容部73は、2つの第1収容部73aと、2つの第2収容部73bとから構成されている。各収容部73a,73bは、コンデンサ保持部72の長手方向、すなわち突出部32の延在方向に延在している。各収容部73a,73bは、平行に延在している。各収容部73a,73bは、電解コンデンサ63の外周面63cに沿う形状に湾曲した湾曲面を有している。
【0052】
2つの第1収容部73a及び2つの第2収容部73bは、モータハウジング24の軸方向において2段に設けられている。2つの第1収容部73aは、同じ段に設けられている。2つの第2収容部73bは、2つの第1収容部73aが位置する段とは異なる段に設けられている。2つの第1収容部73aは、回路基板66に近い段に設けられている。2つの第2収容部73bは、閉塞部28に近い段に設けられている。
【0053】
2つの第1収容部73aは、コンデンサ保持部72の短手方向、すなわち突出部32の幅方向において間隔を空けて並んでいる。また、2つの第2収容部73bも、コンデンサ保持部72の短手方向において間隔を空けて並んでいる。2つの第2収容部73bの間隔は、2つの第1収容部73aの間隔よりも広い。つまり、コンデンサ収容部73は、回路基板66から閉塞部28に向かうにつれて幅広になる末広がり形状をしている。
【0054】
図4に示すように、コンデンサ保持部72は、リード挿通部74及び板状のカバー部75を有している。リード挿通部74は、コンデンサ保持部72の長手方向の一端に位置するとともに、カバー部75は、コンデンサ保持部72の長手方向の他端に位置している。
【0055】
図3に示すように、複数の電解コンデンサ63は、コンデンサ収容部73に収容されている。複数の電解コンデンサ63はそれぞれ、コンデンサ収容部73に収容された状態で図示しない接着剤によってコンデンサ保持部72に固定されている。4つの電解コンデンサ63のうち、2つの電解コンデンサ63は、第1収容部73aに収容されているとともに、他の2つの電解コンデンサ63は、第2収容部73bに収容されている。4つの電解コンデンサ63を区別する必要がある場合には、第1収容部73aに収容された電解コンデンサ63を第1電解コンデンサ631という。また、第2収容部73bに収容された電解コンデンサ63を第2電解コンデンサ632という。
【0056】
各電解コンデンサ63は、電解コンデンサ63の外周面63cの一部が第1収容部73a又は第2収容部73bの湾曲面と当接するようにコンデンサ収容部73に収容されている。各電解コンデンサ63の軸方向は、コンデンサ保持部72の長手方向、すなわち突出部32の延在方向と一致している。したがって、各電解コンデンサ63の軸方向は、モータハウジング24の軸方向と直交する方向に延びている。複数の電解コンデンサ63の軸方向は平行に延びている。すなわち、ホルダ65は、複数の電解コンデンサ63の軸方向が平行に延びるように電解コンデンサ63を保持している。
【0057】
図7に示すように、ホルダ65は、各電解コンデンサ63の軸方向の全体を保持している。各電解コンデンサ63は、第1端面63aがリード挿通部74側に位置するとともに、第2端面63bがカバー部75側に位置するように配置されている。各電解コンデンサ63の第1端面63aから延びる一対のリード67は、リード挿通部74に向けて屈曲されている。一対のリード67は、リード挿通部74に挿通されるとともにベースプレート71を板厚方向に貫通することによって、ベースプレート71の第2面71b側、すなわち回路基板66側に引き出されている。ベースプレート71の第2面71b側に引き出された一対のリード67は、回路基板66に対して、例えば、はんだ付けされている。これにより、電解コンデンサ63は、回路基板66と電気的に接続されている。電解コンデンサ63の第2端面63bは、カバー部75によって覆われている。
【0058】
図3に示すように、複数の電解コンデンサ63は、モータハウジング24の軸方向において段積みされている。本実施形態では、4つの電解コンデンサ63は、モータハウジング24の軸方向において2段に段積みされている。2つの第1電解コンデンサ631は、同じ段に配置されている。2つの第2電解コンデンサ632は、2つの第1電解コンデンサ631が配置された段とは異なる段に配置されている。2つの第1電解コンデンサ631は、回路基板66に近い段に配置されている。2つの第2電解コンデンサ632は、閉塞部28に近い段に配置されている。
【0059】
2つの第1電解コンデンサ631は、突出部32の幅方向、すなわちモータハウジング24の軸方向と直交する方向において間隔を空けて並んでいる。また、2つの第2電解コンデンサ632も、突出部32の幅方向において間隔を空けて並んでいる。2つの第2電解コンデンサ632の間隔は、2つの第1電解コンデンサ631の間隔よりも広い。すなわち、ホルダ65は、各段に複数の電解コンデンサ63が配置されるとともに、各段における電解コンデンサ63の間隔が回路基板66から閉塞部28に向かうにつれて順次広がるように電解コンデンサ63を段積み状態で保持している。
【0060】
本実施形態のホルダ65は、2つの第2電解コンデンサ632が2つの第1電解コンデンサ631をモータハウジング24の軸方向と直交する方向に挟むように電解コンデンサ63を保持している。このため、モータハウジング24の軸方向における第1電解コンデンサ631の一端部と、モータハウジング24の軸方向における第2電解コンデンサ632の一端部とは、突出部32の幅方向に重なっている。また、突出部32の幅方向における第1電解コンデンサ631の一端部と、突出部32の幅方向における第2電解コンデンサ632の一端部とは、モータハウジング24の軸方向に重なっている。
【0061】
図7に示すように、ホルダ65は、第1電解コンデンサ631と第2電解コンデンサ632とを電解コンデンサ63の軸方向にずらした状態で電解コンデンサ63を保持している。第2電解コンデンサ632の第1端面63a側の端部は、第1電解コンデンサ631の第1端面63a側の端部よりも電解コンデンサ63の軸方向に突出している。第1電解コンデンサ631の第2端面63b側の端部は、第2電解コンデンサ632の第2端面63b側の端部よりも電解コンデンサ63の軸方向に突出している。
【0062】
図3に示すように、突出部32は、2つの第2電解コンデンサ632の間に位置している。突出部32は、複数の電解コンデンサ63によって囲まれている。本実施形態では、各電解コンデンサ63の外周面63cと突出部32との間には、放熱部材としての放熱グリス19が設けられている。各電解コンデンサ63と突出部32とは、放熱グリス19を介して熱的に接続されている。また、突出部32は、閉塞部28と熱的に接続されている。したがって、各電解コンデンサ63は、放熱グリス19及び突出部32を介して閉塞部28と熱的に接続されている。
【0063】
図4及び
図5に示すように、ベースプレート71の第1面71aには、電解コンデンサ63だけでなく、3相のスイッチング素子61、コイル62、及び3相の導電部材64も保持されている。3相のスイッチング素子61と複数の電解コンデンサ63とは、電解コンデンサ63の軸方向において並んでいる。また、3相のスイッチング素子61及び複数の電解コンデンサ63は、電解コンデンサ63の軸方向と直交する方向において、コイル62と3相の導電部材64との間に配置されている。3相のスイッチング素子61は、絶縁部材68を介して閉塞部28と熱的に接続されている。コイル62は、閉塞部28と接触した状態で配置されている。コイル62は、閉塞部28と熱的に接続されている。
【0064】
ホルダ65は、電解コンデンサ63の第1端面63aからスイッチング素子61までの距離が電解コンデンサ63の第2端面63bからスイッチング素子61までの距離よりも短くなるように電解コンデンサ63を保持している。具体的には、ホルダ65は、電解コンデンサ63の第1端面63aが3相のスイッチング素子61に向けられた状態で電解コンデンサ63を保持している。このため、一対のリード67は、電解コンデンサ63の軸方向において電解コンデンサ63と3相のスイッチング素子61との間に位置している。
【0065】
図1に示すように、ホルダ65は、電解コンデンサ63の第1端面63aから吸入口11aまでの距離が電解コンデンサ63の第2端面63bから吸入口11aまでの距離よりも短くなるように電解コンデンサ63を保持している。このため、一対のリード67は、電解コンデンサ63の軸方向において電解コンデンサ63と吸入口11aとの間に位置している。
【0066】
図5に二点鎖線で示すように、モータハウジング24の外周面24aをモータハウジング24の軸方向に投影した領域を投影領域Aとする。本実施形態のモータハウジング24は円筒状であるため、投影領域Aは円形状である。ホルダ65は、投影領域A内に位置している。このため、ホルダ65に保持された3相のスイッチング素子61、コイル62、複数の電解コンデンサ63、及び3相の導電部材64は、投影領域A内に位置している。したがって、3相のスイッチング素子61、コイル62、複数の電解コンデンサ63、及び3相の導電部材64は、モータハウジング24の軸方向において吸入室S2と並んでいる。
【0067】
<電動圧縮機の動作>
冷媒は、吸入口11aから吸入室S2内に吸入される。吸入室S2に吸入された冷媒は、連通孔12bを介して圧縮室S3に流入する。圧縮室S3に流入した冷媒は、圧縮室S3の容積変更により圧縮される。圧縮された冷媒は、吐出室S4に吐出される。吐出室S4に吐出された冷媒は、吐出口11bから外部冷媒回路へ流出する。外部冷媒回路に流出した冷媒は、外部冷媒回路の熱交換器や膨張弁を経て、吸入口11aから吸入室S2内に還流する。電動圧縮機10及び外部冷媒回路は、車両用空調装置を構成している。
【0068】
[本実施形態の作用]
本実施形態の作用を説明する。
3相のスイッチング素子61、コイル62、及び電解コンデンサ63は、インバータ16の動作時に発熱する。各スイッチング素子61の熱は、絶縁部材68を介して閉塞部28に伝わる。コイル62の熱は、閉塞部28に直接伝わる。各電解コンデンサ63の熱は、放熱グリス19及び突出部32を介して閉塞部28に伝わる。閉塞部28は、吸入室S2と熱的に接続されている。このため、閉塞部28は、吸入室S2に吸入された冷媒によって冷却される。このように、各スイッチング素子61、コイル62、及び各電解コンデンサ63は、閉塞部28を介して吸入室S2に吸入された冷媒によって冷却される。
【0069】
[本実施形態の効果]
本実施形態の効果を説明する。
(1)インバータ16は、回路基板66と、ホルダ65と、複数の電解コンデンサ63とを有している。ホルダ65は、モータハウジング24の軸方向において、インバータ収容室S1を区画する内壁面である閉塞部28の第1面28aと回路基板66との間に配置されている。ホルダ65の第1面71aは、閉塞部28の第1面28aと対向している。複数の電解コンデンサ63は、ホルダ65の第1面71aに保持されている。ホルダ65は、複数の電解コンデンサ63の軸方向が平行に延びるように電解コンデンサ63を保持している。また、ホルダ65は、各段に複数の電解コンデンサ63が配置され、かつ各段における電解コンデンサ63の間隔が回路基板66から閉塞部28の第1面28aに向かうにつれて順次広がるように電解コンデンサ63を保持している。インバータハウジング25は、閉塞部28の第1面28aから突出する突出部32を有している。突出部32は、複数の電解コンデンサ63によって囲まれている。突出部32は、複数の電解コンデンサ63の各々と熱的に接続されている。
【0070】
この構成によれば、ホルダ65は、複数の電解コンデンサ63を段積み状態で保持している。このため、全ての電解コンデンサ63が一列に並んでいる場合と比較して、モータハウジング24の軸方向から見たときの複数の電解コンデンサ63の面積が減少する。したがって、電解コンデンサ63以外の発熱素子であるスイッチング素子61及びコイル62を吸入室S2と熱交換しやすいようにインバータ収容室S1内に配置することができる。その結果、スイッチング素子61及びコイル62の冷却効果を増大させることができる。
【0071】
また、突出部32は、複数の電解コンデンサ63によって囲まれるとともに、複数の電解コンデンサ63の各々と熱的に接続されている。このため、突出部32が設けられていない場合と比較して、ハウジング11と電解コンデンサ63との距離が短くなるとともに、ハウジング11と電解コンデンサ63とが向かい合う面積が増大する。したがって、電解コンデンサ63の冷却効果を増大させることができる。よって、インバータ16の冷却効果を増大できる。
【0072】
(2)例えば、ホルダ65が、各段における電解コンデンサ63の間隔が回路基板66から閉塞部28に向かうにつれて順次狭くなるように電解コンデンサ63を段積み状態で保持する場合、次のような問題が生じる。本実施形態と同様、電解コンデンサ63の冷却効果を増大させるために、閉塞部28の第1面28aから突出部32を突出させることが考えられる。しかしながら、上記例の場合、本実施形態よりも突出部32から回路基板66までの距離が短くなることによって、ハウジング11と回路基板66との絶縁を確保しにくくなるおそれがある。例えば、突出部32に対して回路基板66を離して配置すれば、ハウジング11と回路基板66との絶縁を確保できるものの、電動圧縮機10が大型化する。
【0073】
これに対し、本実施形態のホルダ65は、各段における電解コンデンサ63の間隔が回路基板66から閉塞部28に向かうにつれて順次広くなるように電解コンデンサ63を段積み状態で保持している。この場合、上記例よりも突出部32から回路基板66までの距離が長くなるため、ハウジング11と回路基板66との絶縁を確保しやすい。また、ハウジング11と回路基板66との絶縁を確保するために生じる電動圧縮機10の大型化も回避できる。
【0074】
(3)本実施形態では、ホルダ65は、各段における電解コンデンサ63の間隔が回路基板66から閉塞部28に向かうにつれて順次広くなるように電解コンデンサ63を段積み状態で保持している。このため、例えば、ホルダ65が、各段における電解コンデンサ63の間隔が回路基板66から閉塞部28に向かうにつれて順次狭くなるように電解コンデンサ63を段積み状態で保持する場合と比較して、電解コンデンサ63とホルダ65との接触面積を大きく取ることができる。したがって、本実施形態のホルダ65は、複数の電解コンデンサ63を安定的に保持することができる。
【0075】
なお、ホルダ65には、電解コンデンサ63を安定的に保持するために、電解コンデンサ63を閉塞部28側から保持する部分が設けられることがある。しかしながら、電解コンデンサ63を閉塞部28側から保持する部分がホルダ65に設けられている場合、例えば、次の3つのデメリットが生じる。1つ目のデメリットは、ホルダ65の構成が複雑化することである。2つ目のデメリットは、電解コンデンサ63をホルダ65に取り付けにくくなることである。3つ目のデメリットは、電解コンデンサ63と閉塞部28との間にホルダ65が介在するため、電解コンデンサ63と突出部32とが向かい合う面積が減少することである。これに対し、本実施形態のホルダ65は、電解コンデンサ63を閉塞部28側から保持する部分がなくても、複数の電解コンデンサ63を安定的に保持できるため、上記デメリットを回避できる。
【0076】
(4)インバータハウジング25は、モータハウジング24の軸方向の一端を閉塞するとともにインバータ収容室S1を区画する内壁面の一部を構成する閉塞部28を有している。突出部32は、閉塞部28に設けられている。ホルダ65は、閉塞部28に近い段にある第2電解コンデンサ632が回路基板66に近い段にある第1電解コンデンサ631をモータハウジング24の軸方向と直交する方向に挟むように電解コンデンサ63を保持している。
【0077】
この構成によれば、閉塞部28に近い段にある第2電解コンデンサ632の一部と、回路基板66に近い段にある第1電解コンデンサ631の一部とが、モータハウジング24の軸方向と直交する方向に重なる。したがって、第1電解コンデンサ631と第2電解コンデンサ632とがモータハウジング24の軸方向と直交する方向に重なっていない場合と比較して、モータハウジング24の軸方向において複数の電解コンデンサ63を小型化できる。
【0078】
(5)インバータ16は、電動モータ15を駆動するためのスイッチング動作を行うスイッチング素子61と、電解コンデンサ63とともにLC回路を構成するコイル62とを有している。スイッチング素子61、コイル62、及び複数の電解コンデンサ63は、モータハウジング24の軸方向において吸入室S2と並びつつ閉塞部28と熱的に接続されるようインバータ収容室S1内に配置されている。この構成によれば、電解コンデンサ63に加え、スイッチング素子61及びコイル62を吸入室S2と熱交換しやすいようインバータ収容室S1内に配置しているため、スイッチング素子61及びコイル62を冷却させやすい。
【0079】
(6)電解コンデンサ63の第1端面63aからは一対のリード67が延びている。ホルダ65は、電解コンデンサ63の第1端面63aからスイッチング素子61までの距離が電解コンデンサ63の第2端面63bからスイッチング素子61までの距離よりも短くなるように電解コンデンサ63を保持している。この構成によれば、電解コンデンサ63のリード67及びスイッチング素子61間の距離を短くすることができる。したがって、電解コンデンサ63及びスイッチング素子61間のインピーダンスを低減できる。
【0080】
(7)モータハウジング24は、吸入室S2に冷媒を吸入する吸入口11aを有している。ホルダ65は、電解コンデンサ63の第1端面63aから吸入口11aまでの距離が電解コンデンサ63の第2端面63bから吸入口11aまでの距離よりも短くなるように電解コンデンサ63を保持している。この構成によれば、一対のリード67を吸入口11aに近付けて配置することができる。したがって、一対のリード67を冷却させやすい。
【0081】
(8)ホルダ65は、電解コンデンサ63の軸方向の全体を保持している。このため、ホルダ65は、複数の電解コンデンサ63をより安定的に保持することができる。
(9)各電解コンデンサ63の第2端面63bは導電面である。ホルダ65は、電解コンデンサ63の第2端面63bを覆うカバー部75を有している。このため、カバー部75によって、電解コンデンサ63の第2端面63bを回路基板66に対して絶縁することができる。
【0082】
(10)複数の電解コンデンサ63は、ホルダ65に直接取り付けられている。このため、複数の電解コンデンサ63が、後述する案内部材80など、他の部材を介してホルダ65に取り付けられている場合と比較して、電解コンデンサ63同士を近付けて配置することができる。したがって、複数の電解コンデンサ63を小型化することができる。
【0083】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0084】
○ ハウジング11の構成は適宜変更されてもよい。例えば、モータハウジング24とインバータハウジング25とは別体であってもよい。モータハウジング24とインバータハウジング25とが別体である場合、モータハウジング24は、次のような構成でもよい。
【0085】
モータハウジング24は、周壁と、周壁の軸方向の一端に位置する開口を閉塞する端壁とを有する。モータハウジング24の端壁は、吸入室S2に露出することで、吸入室S2と熱的に接続されている。インバータハウジング25は、閉塞部28がモータハウジング24の端壁と隣り合うように配置される。閉塞部28は、モータハウジング24の端壁と熱的に接続されている。すなわち、閉塞部28は、モータハウジング24の端壁を介して吸入室S2と熱的に接続されている。
【0086】
なお、上記構成の場合、閉塞部28に貫通孔を設けることによって、モータハウジング24の端壁における吸入室S2に露出する面とは反対側の面の一部を貫通孔からインバータ収容室S1に露出させてもよい。この場合、モータハウジング24の端壁におけるインバータ収容室S1内に露出する面は、インバータ収容室S1を区画する内壁面である。また、モータハウジング24の端壁におけるインバータ収容室S1内に露出する面は、ホルダ65と対向する。
【0087】
この場合、突出部32は、モータハウジング24の端壁におけるインバータ収容室S1内に露出する面から突出していてもよい。突出部32を有するモータハウジング24の端壁は、吸入室S2に露出しているため、インバータ16の冷却効果がより増大する。
【0088】
○ ホルダ65は、モータハウジング24の軸方向において第3構成体23の内面23aと回路基板66との間に配置されていてもよい。この場合、ホルダ65は、第3構成体23の内面23aと対向する。ホルダ65は、各段における電解コンデンサ63の間隔が回路基板66から第3構成体23の内面23aに向かうにつれて順次広がるように電解コンデンサ63を保持する。突出部32は、第3構成体23の内面23aにおける吸入室S2とモータハウジング24の軸方向に並ぶ面から突出する。
【0089】
○ モータハウジング24は、筒状であれば、円筒状でなくてもよい。モータハウジング24は、例えば、四角筒状でもよい。
○ 閉塞部28の第1面28aと延出部29の第1面29aとは面一であってもよい。
【0090】
○ インバータハウジング25には、閉塞部28の第1面28aから凹むとともに第1軸受17の周囲に位置する凹部が設けられていてもよい。インバータ16の一部は、凹部内に収容されることによって、第1軸受17の周囲に配置される。この場合、吸入室S2内において第1軸受17の周囲に生じるデッドスペースをインバータ収容室S1として利用できるため、モータハウジング24の軸方向において電動圧縮機10を小型化できる。
【0091】
○ ホルダ65は、電解コンデンサ63の数に応じて、電解コンデンサ63が3段以上に段積みされるように、複数の電解コンデンサ63を保持してもよい。この場合も、ホルダ65は、複数の電解コンデンサ63の軸方向が平行に延びるとともに、各段に複数の電解コンデンサ63が配置され、かつ各段における電解コンデンサ63の間隔が段毎に順次広がるように電解コンデンサ63を保持する。
【0092】
○ ホルダ65は、異なる段に位置する電解コンデンサ63がモータハウジング24の軸方向と直交する方向において重ならないように、複数の電解コンデンサ63を保持してもよい。
【0093】
○ ホルダ65は、異なる段に位置する電解コンデンサ63がモータハウジング24の軸方向において重ならないように、複数の電解コンデンサ63を保持してもよい。
○ ホルダ65は、異なる段に位置する電解コンデンサ63の軸方向の全体が電解コンデンサ63の軸方向と直交する方向において重なるように、複数の電解コンデンサ63を保持してもよい。この場合、ホルダ65は、異なる段に位置する電解コンデンサ63から延びるリード67同士の絶縁が確保されるように、複数の電解コンデンサ63を保持する。例えば、ホルダ65は、第1電解コンデンサ631の第1端面63aと第2電解コンデンサ632の第2端面63bとが電解コンデンサ63の軸方向と直交する方向に並ぶように電解コンデンサ63を保持する。
【0094】
○ ベースプレート71の厚さによっては、コンデンサ収容部73は、ベースプレート71の第1面71aから凹むように形成されていてもよい。
○ ホルダ65は、電解コンデンサ63の軸方向の全体を保持していなくてもよい。ホルダ65は、電解コンデンサ63の軸方向の一部を保持していてもよい。
【0095】
○ ホルダ65は、カバー部75を有していなくてもよい。
○ ホルダ65は、電解コンデンサ63の第1端面63aからスイッチング素子61までの距離が電解コンデンサ63の第2端面63bからスイッチング素子61までの距離以上になるように電解コンデンサ63を保持してもよい。
【0096】
○ ホルダ65は、電解コンデンサ63の第1端面63aから吸入口11aまでの距離が電解コンデンサ63の第2端面63bから吸入口11aまでの距離以上になるように電解コンデンサ63を保持してもよい。
【0097】
○ 突出部32と各電解コンデンサ63との間に介在する放熱部材は、放熱グリス19でなくてもよい。
○ 突出部32と各電解コンデンサ63との間には放熱部材が介在していなくてもよい。この場合、突出部32と各電解コンデンサ63とは、互いに当接することによって、熱的に接続される。突出部32は、電解コンデンサ63の外周面63cに沿う形状に湾曲する湾曲面を有しているのが好ましい。
【0098】
○ 上記実施形態では、複数の電解コンデンサ63は、ホルダ65に直接取り付けられていたが、他の部材を介してホルダ65に取り付けられてもよい。
例えば、
図8に示すように、複数の電解コンデンサ63は、案内部材80に組み付けられた状態でホルダ65に取り付けられていてもよい。
【0099】
図9に示すように、案内部材80は、板状の基部81を有している。基部81は、第1面81a及び第2面81bを有している。第1面81a及び第2面81bは、基部81の板厚方向と直交する面である。第2面81bは、第1面81aの反対側に位置している。案内部材80は、基部81の第1面81aから延出する壁部82を有している。基部81と壁部82とによって、複数の電解コンデンサ63が挿入される挿入部80aが区画されている。案内部材80は、基部81を板厚方向に貫通する一対の貫通孔81cを複数有している。案内部材80は、基部81の第2面81bから突出する一対の案内部83を複数有している。一対の案内部83は、一対の貫通孔81cと対応する位置に設けられている。
【0100】
複数の電解コンデンサ63をホルダ65に取り付ける方法について説明する。
図9に示すように、複数の電解コンデンサ63は、まず、案内部材80に組み付けられる。一対のリード67は、電解コンデンサ63の第1端面63aから直線状に延びている。複数の電解コンデンサ63は、第1端面63a側から案内部材80の挿入部80aに挿入される。各電解コンデンサ63の一対のリード67は、一対の貫通孔81cに挿通されることによって、基部81の第2面81b側に引き出される。
【0101】
次に、
図10に示すように、基部81の第2面81b側に引き出された一対のリード67は、一対の案内部83に沿うように屈曲される。これにより、一対のリード67の一部は、電解コンデンサ63の径方向に延びる状態になる。
【0102】
そして、
図8に示すように、複数の電解コンデンサ63は、案内部材80に組み付けられた状態でホルダ65に取り付けられる。このとき、一対のリード67における電解コンデンサ63の径方向に延びる部分は、ホルダ65のリード挿通部74に挿通される。
【0103】
このように一対の案内部83は、一対のリード67がリード挿通部74に向けて屈曲されるようにリード67を案内する部分である。この場合、リード67をホルダ65のリード挿通部74に挿通しやすくなる。特に、リード67の屈曲作業及びリード挿通部74へのリード67の挿通作業を機械化する場合において効果的である。
【0104】
○ 圧縮部14は、スクロール式に限定されない。圧縮部14は、例えば、ピストン式やベーン式等であってもよい。
○ 電動圧縮機10は、車両用空調装置以外の用途に用いられてもよい。例えば、電動圧縮機10は、燃料電池車に搭載されてもよい。電動圧縮機10は、燃料電池に供給される流体としての空気を圧縮部14により圧縮するために用いられる。
【0105】
[付記]
上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
[1]流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動する電動モータと、前記電動モータを駆動するインバータと、前記電動モータを収容するとともに前記流体が吸入される吸入室を形成する筒状のモータハウジング、及び前記モータハウジングに熱的に接続されるとともに前記インバータを収容するインバータ収容室を形成するインバータハウジングを有するハウジングと、を備え、前記インバータは、回路基板と、円柱状の複数の電解コンデンサと、前記電解コンデンサを保持するホルダとを有し、前記ホルダは、前記モータハウジングの軸方向において前記インバータ収容室を区画する内壁面と前記回路基板との間に配置され、前記電解コンデンサは、前記ホルダにおける前記内壁面と対向する面に保持され、前記ホルダは、複数の前記電解コンデンサの軸方向が平行に延びるとともに、各段に複数の前記電解コンデンサが配置され、かつ各段における前記電解コンデンサの間隔が前記回路基板から前記ホルダと対向する前記内壁面に向かうにつれて順次広がるように前記電解コンデンサを段積み状態で保持し、前記ハウジングは、前記ホルダと対向する前記内壁面から突出する突出部を有し、前記突出部は、複数の前記電解コンデンサによって囲まれるとともに、複数の前記電解コンデンサの各々と熱的に接続されていることを特徴とする電動圧縮機。
【0106】
[2]前記インバータハウジングは、前記モータハウジングの軸方向の一端を閉塞するとともに前記内壁面の一部を構成する閉塞部を有し、前記突出部は、前記閉塞部に設けられ、前記ホルダは、前記閉塞部に近い段にある前記電解コンデンサが前記回路基板に近い段にある前記電解コンデンサを前記モータハウジングの軸方向と直交する方向に挟むように前記電解コンデンサを保持する[1]に記載の電動圧縮機。
【0107】
[3]前記インバータは、前記電動モータを駆動するためのスイッチング動作を行うスイッチング素子と、前記電解コンデンサとともにLC回路を構成するコイルとを有し、前記スイッチング素子、前記コイル、及び複数の前記電解コンデンサは、前記モータハウジングの軸方向において前記吸入室と並びつつ前記閉塞部と熱的に接続されるよう前記インバータ収容室内に配置されている[2]に記載の電動圧縮機。
【0108】
[4]前記インバータは、前記電動モータを駆動するためのスイッチング動作を行うスイッチング素子を有し、前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、前記ホルダは、前記第1端面から前記スイッチング素子までの距離が前記第1端面とは反対側の端面である第2端面から前記スイッチング素子までの距離よりも短くなるように前記電解コンデンサを保持する[1]~[3]の何れか1つに記載の電動圧縮機。
【0109】
[5]前記モータハウジングは、前記吸入室に前記流体を吸入する吸入口を有し、前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、前記ホルダは、前記第1端面から前記吸入口までの距離が前記第1端面とは反対側の端面である第2端面から前記吸入口までの距離よりも短くなるように前記電解コンデンサを保持する[1]~[4]の何れか1つに記載の電動圧縮機。
【0110】
[6]前記ホルダは、前記電解コンデンサの軸方向の全体を保持する[1]~[5]の何れか1つに記載の電動圧縮機。
[7]前記電解コンデンサの軸方向の第1端面からは一対のリードが延びており、前記電解コンデンサの前記第1端面とは反対側の端面である第2端面は導電面であり、前記ホルダは、前記第2端面を覆うカバー部を有する[1]~[6]の何れか1つに記載の電動圧縮機。
【0111】
[8]複数の前記電解コンデンサは、前記ホルダに直接取り付けられている[1]~[7]の何れか1つに記載の電動圧縮機。
[9]前記ホルダは、前記電解コンデンサから延びる一対のリードが挿通されるリード挿通部を有し、複数の前記電解コンデンサは、前記リードが前記リード挿通部に向けて屈曲されるように前記リードを案内する案内部を有する案内部材に組み付けられた状態で、前記ホルダに取り付けられている[1]~[7]の何れか1つに記載の電動圧縮機。
【符号の説明】
【0112】
10…電動圧縮機、11…ハウジング、11a…吸入口、14…圧縮部、15…電動モータ、16…インバータ、24…モータハウジング、25…インバータハウジング、28…閉塞部、28a…内壁面としての第1面、32…突出部、61…スイッチング素子、62…コイル、63…電解コンデンサ、63a…第1端面、63b…第2端面、65…ホルダ、66…回路基板、67…リード、74…リード挿通部、75…カバー部、80…案内部材、83…案内部、S1…インバータ収容室、S2…吸入室。