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特開2024-132409情報処理装置、情報処理方法、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132409
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240920BHJP
   G01S 15/46 20060101ALI20240920BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20240920BHJP
   G01S 13/46 20060101ALI20240920BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20240920BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G01S15/46
G01S15/931
G01S13/46
G01S13/931
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043157
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】辻岡 竣祐
(72)【発明者】
【氏名】向井 裕人
(72)【発明者】
【氏名】曹 芸芸
(72)【発明者】
【氏名】赤松 秀治
【テーマコード(参考)】
5H181
5J070
5J083
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE02
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5J070AC01
5J070AC02
5J070AD02
5J070AE01
5J070AE07
5J070AF03
5J070AK22
5J070BD08
5J083AA02
5J083AB12
5J083AB13
5J083AC17
5J083AD01
5J083AD04
5J083AE06
5J083AF05
5J083AG05
5J083CA02
(57)【要約】
【課題】対象物の誤検知を抑制できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る情報処理方法は、距離センサ101の検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す第1情報、および、第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された対象物の第2位置を示す第2情報を取得する取得部と、第1情報および第2情報を比較することにより、第1位置の正誤を判定する比較部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
距離センサの検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す第1情報、および、前記第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された前記対象物の第2位置を示す第2情報を取得する取得部と、
前記第1情報および前記第2情報を比較することにより、前記第1位置の正誤を判定する比較部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
さらに、前記検知結果を用いて前記第1計算方法によって前記第1位置を計算することにより前記第1情報を生成する座標計算部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
さらに、前記対象物の第3位置および形状を示す対象物情報、ならびに、前記距離センサが搭載される車両に関する車両情報を用いて前記第2計算方法によるシミュレーションを行うことにより前記第2位置を計算することで前記第2情報を生成するシミュレーション部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記比較部は、前記第1位置と前記第2位置とが所定の距離以内に位置しているか否かを判定することで、前記第1位置の正誤を判定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記距離センサは、電波または音波を出射して、前記対象物での当該電波または当該音波の反射波を検知し、
前記情報処理装置は、さらに、前記検知結果に含まれる、前記距離センサが検知した前記反射波の強度を示す受波情報に基づいて前記第3位置を推定することで、前記対象物情報を生成する対象物推定部を備える、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象物推定部は、
推定された前記第3位置の数が3以上である場合、3以上の前記第3位置の複数の組を決定し、
前記複数の組のそれぞれについて、当該組の2以上の前記第3位置に前記対象物が存在すると仮定して前記対象物の形状を推定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象物推定部は、
推定された前記第3位置の数が3以上である場合、3以上の前記第3位置の複数の組を決定し、
前記車両の前後方向に延在し、かつ、前記車両の中心を通過する仮想軸からも最も遠い位置に位置している前記第3位置を含む組を選択し、当該組の2以上の前記第3位置に前記対象物が存在すると仮定して前記対象物の形状を推定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記対象物推定部は、
推定された前記第3位置の数が3以上である場合、3以上の前記第3位置の複数の組を決定し、
3以上の前記第3位置が、前記車両が前進または後進した場合に前記車両の進行上に位置しているか否かを判定し、
前記複数の組のうち、当該組の2以上の前記第3位置の全てが前記車両の進行上に位置していない組の2以上の前記第3位置に前記対象物が存在すると仮定し、かつ、前記対象物の形状を所定の反射率より高い反射率を有する形状であると推定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記対象物推定部は、前記受波情報、および、前記距離センサとは異なる種類の所定のセンサから得られるセンサ情報に基づいて、前記対象物情報を生成する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記所定のセンサは、カメラであり、
前記対象物推定部は、前記受波情報、および、前記カメラにより撮像された画像を処理することで得られる前記対象物の形状に基づいて、前記対象物情報を生成する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記対象物推定部は、前記受波情報、および、前記カメラにより撮像された画像を用いた三角測量を行うことにより算出される前記対象物の位置に基づいて、前記対象物情報を生成する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
さらに、第1時刻における前記距離センサの第1検知結果を用いて生成された前記第1情報が示す前記第1位置と、前記第1時刻より前の第2時刻における前記距離センサの第2検知結果を用いて生成された前記第3位置を用いて前記第2計算方法によるシミュレーションを行うことにより計算された前記第2位置とが一致するか否かを判定する対象物確認部を備える、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記距離センサは、超音波センサ、レーダ、または、ライダである、
請求項1~12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
距離センサの検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す第1情報、および、前記第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された前記対象物の第2位置を示す第2情報を取得し、
前記第1情報および前記第2情報を比較することにより、前記第1位置の正誤を判定する、
情報処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物の位置を検知するための情報処理装置、情報処理方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両およびドライバの安全性の向上、ならびに、事故防止のため、車両周囲の情報を取得してドライバの運転を支援するADAS(Advanced Driving Assistant System)の開発・導入が加速している。
【0003】
上記の車両周囲の情報を取得する手段としては、超音波センサ、レーダ、または、ライダなどの距離センサによる測距が挙げられる。これらの距離センサによれば、車両周囲の対象物からの反射波を取得して車両と対象物との距離が算出され得る。また、カメラなどにより得られる車両周囲の風景または対象物の画像情報を画像処理することにより、対象物の位置および形状の識別など行うことができる。このような距離センサを車両に搭載することにより、多方向の監視を行うことが可能である。例えば、車両前方部に配置される距離センサの検知結果は、追突防止のため使用される。また、例えば、車両後方部に配置される距離センサの検知結果は、駐車時に壁または他車両との接触防止に使用される。
【0004】
特許文献1には、送信した探査波の反射波を物体の検知情報として受信し、検知情報に基づいて移動体の周囲に存在する物体を検知する物体検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6442225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、例えば距離センサの検知結果に基づいて、対象物からの反射波に基づいて距離の算出が行われると、地面または段差などからの反射波による干渉、および、外部環境による外乱などの影響により、実際の位置とは異なる位置に対象物を検知してしまう誤検知が発生する可能性がある。誤検知が発生すると、対象物が存在しないにもかかわらず存在すると判断されてブレーキが動作されてしまったり、対象物が存在するにもかかわらず存在しないと判断されて対象物と衝突してしまったりと、事故につながってしまう。
【0007】
このような誤検知を抑制するために、特許文献1には、受波情報より座標位置を算出し、同じ位置に続けて検知される位置(座標)の信頼度を高いと判定し、それ以外のばらついた位置に検知される位置を誤検知として排除する方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、ばらついた位置の誤検知しか対応できず、同じ位置に繰り返し現れてしまう誤検知には対応できない課題がある。
【0009】
本開示は、対象物の誤検知を抑制できる情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、距離センサの検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す第1情報、および、前記第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された前記対象物の第2位置を示す第2情報を取得する取得部と、前記第1情報および前記第2情報を比較することにより、前記第1位置の正誤を判定する比較部と、を備える。
【0011】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、距離センサの検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す第1情報、および、前記第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された前記対象物の第2位置を示す第2情報を取得し、前記第1情報および前記第2情報を比較することにより、前記第1位置の正誤を判定する。
【0012】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記情報処理方法を実行するための、プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、対象物の誤検知を抑制できる情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、対象物の位置の検知の具体例を説明するための図である。
図2図2は、実施の形態1に係る障害物検知装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る障害物検知装置の処理手順を示すフローチャートである。
図4図4は、実施の形態2に係る障害物検知装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態2に係る対象物推定部が対象物の形状を決定する処理を説明するための図である。
図6図6は、実施の形態2に係る対象物推定部が対象物の形状を決定する処理を説明するための図である。
図7図7は、車両と対象物との位置関係を説明するための図である。
図8図8は、距離センサの検知結果と対象物との位置との関係を説明するための図である。
図9図9は、実施の形態2に係る対象物推定部の処理手順を示すフローチャートである。
図10図10は、車両と対象物との位置関係を説明するための図である。
図11図11は、距離センサの検知結果と対象物との位置との関係を説明するための図である。
図12図12は、実施の形態3に係る障害物検知装置の処理手順を示すフローチャートである。
図13図13は、実施の形態4に係る障害物検知装置の処理手順を示すフローチャートである。
図14図14は、実施の形態5に係る障害物検知装置の処理手順を示すフローチャートである。
図15図15は、実施の形態6に係る障害物検知装置の構成を示すブロック図である。
図16図16は、実施の形態6に係るカメラ部の処理手順を示すフローチャートである。
図17図17は、実施の形態6に係る対象物推定部の処理手順を示すフローチャートである。
図18図18は、実施の形態7に係る障害物検知装置の構成を示すブロック図である。
図19図19は、実施の形態7に係る対象物確認部の処理手順を示すフローチャートである。
図20図20は、実施の形態7に係る対象物推定部の処理手順を示すフローチャートである。
図21図21は、実施の形態7に係る対象物推定部が対象物の形状を決定する処理を説明するための図である。
図22図22は、本開示の一態様に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0016】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0017】
(実施の形態1)
[構成]
図1は、対象物の位置の検知の具体例を説明するための図である。図2は、実施の形態1に係る障害物検知装置100の構成を示すブロック図である。
【0018】
障害物検知装置100は、対象物の位置を検知する装置である。障害物検知装置100は、情報処理装置の一例である。障害物検知装置100は、例えば、車両700などに搭載され、距離センサ101(例えば、受波センサ600、610、620および630)の検知結果に基づいて、車両700の周囲に位置する対象物500、510を検知する。
【0019】
対象物500、510は、壁、ポール、歩行者、または、他車両などの車両700の周囲に位置する、車両700の走行の妨げとなる障害物などの物体である。
【0020】
障害物検知装置100は、距離センサ101と、情報処理部10と、を備える。
【0021】
距離センサ101は、対象物の位置(具体的には、対象物までの距離および方位)を算出するための情報を検知するセンサである。距離センサ101は、例えば、電波または音波を出射して、対象物での当該電波または当該音波の反射波を検知する。距離センサ101は、例えば、超音波センサ、レーダ、または、ライダである。本実施の形態では、距離センサ101は、超音波センサであり、超音波を出射し、物体で反射した反射波を受波することで、超音波を出射してから反射波を受波するまでの時間から対象物までの距離を算出するための情報を検知結果として情報処理部10に出力する。
【0022】
距離センサ101は、例えば、車両700に配置される受波センサ600、610、620および630を備える。受波センサ600、610、620および630はそれぞれ、車両700の異なる位置に配置される。
【0023】
受波センサ600、610、620および630は、それぞれ、反射波を検知するセンサである。本実施の形態では、受波センサ610のみが電波または音波(本実施の形態では、超音波)を出力する機能を有するアクティブ型のセンサであり、受波センサ600、620および630は、超音波を出力する機能を有さないパッシブ型のセンサである。受波センサ600、610、620および630は、それぞれ、受波センサ610が出射した超音波の対象物での反射波を検知し、検知結果を情報処理部10に出力する。
【0024】
なお、例えば障害物検知装置100が備える複数の距離センサ101のうち、アクティブ型のセンサの数は、1以上であればよく、任意でよい。
【0025】
また、距離センサ101の種類は、超音波センサに限らず、物体までの距離および方位が算出可能なセンサであればよく、任意でよい。
【0026】
情報処理部10は、障害物検知装置100が実行する各種処理を行う処理装置である。情報処理部10は、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、プログラムを実行するプロセッサなどで実現される。情報処理部10は、車両700が備えるECU(Electronic Control Unit)およびサーバなどと通信するため通信インターフェースを備えてもよい。
【0027】
情報処理部10は、座標計算部102と、シミュレーション部103と、パラメータ設定部104と、座標比較部105と、を備える。
【0028】
座標計算部102は、距離センサ101の検知結果を用いて第1計算方法によって対象物の位置(第1位置)を計算することにより位置情報を生成する処理部である。
【0029】
位置情報は、距離センサ101の検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す情報である。位置情報は、第1情報の一例である。座標計算部102が計算した対象物の位置(座標)を第1位置ともいう。
【0030】
例えば、座標計算部102は、距離センサ101の検知結果として距離センサ101から得られる送受信時間および受波パワーなどの受波情報を入力情報として取得し、電波または音波などの波を出射する送波センサ(本実施の形態では、受波センサ610)に対して、自センサへの反射波と他のセンサへの反射波とから算出できる距離を用いて三角測量を行うことで、対象物の位置を算出する。座標計算部102は、計算結果を座標比較部105に出力する。三角測量は、第1計算方法の一例である。
【0031】
シミュレーション部103は、第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって対象物の位置(第2位置)を計算することにより誤検知情報を生成する処理部である。具体的には、シミュレーション部103は、対象物の第3位置および形状を示す対象物情報、ならびに、距離センサ101が搭載される車両700に関する車両情報を用いて第2計算方法によるシミュレーションを行うことにより第2位置を計算することで第2情報を生成する。第3位置は、例えば、任意に設定される、対象物の位置である。第3位置は、後述する対象物推定部206(図4参照)によって計算された対象物の位置(座標)であってもよい。
【0032】
誤検知情報は、第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された対象物の第2位置を示す情報である。誤検知情報は、第2情報の一例である。シミュレーション部103が計算した対象物の位置(座標)を第2位置ともいう。
【0033】
対象物情報は、対象物の第3位置および形状を示す情報である。
【0034】
車両情報は、距離センサ101が搭載される車両700に関する情報である、車両情報は、例えば、車両700の位置を示す情報、車両700の速度を示す情報、および、車両700の進行方向を示す情報などを含む。車両情報は、例えば、車両700が備えるECUおよびGPS(Global Positioning System)などから取得される。
【0035】
例えば、シミュレーション部103は、対象物の位置、対象物の形状、車両700の速度、および、車両700の位置などを示す情報を入力情報とし、その対象物に対して数理モデルによって距離センサ101から出力された波の、対象物における反射点を算出することで対象物の位置を算出する。シミュレーション部103は、計算結果を座標比較部105に出力する。
【0036】
これらのように、座標計算部102は、例えば、距離センサ101の検知結果を用いて三角測量を行うことで対象物の位置を計算する。一方、シミュレーション部103は、例えば、数理モデルを用いて反射点を算出するシミュレーションを行い、シミュレーション結果である反射点を対象物の位置として計算する。数理モデルを用いた計算は、第2計算方法の一例である。例えば、第2計算方法では対象物の形状を用いて反射点の計算が行われるが、第1計算方法では対象物の形状が用いられない。
【0037】
パラメータ設定部104は、座標比較部105が用いるパラメータを設定する処理部である。例えば、パラメータは、所定の距離を示す情報である。パラメータは、例えば、記憶部11に予め記憶されている。例えば、記憶部11には、互いに示す距離が異なる複数のパラメータが記憶されている。パラメータ設定部104は、例えば、図示しないタッチパネルディスプレイなどのユーザインターフェースを介して取得したドライバなどの指示に基づいて、パラメータを設定する。パラメータ設定部104は、設定したパラメータを座標比較部105に出力する。
【0038】
座標比較部105は、位置情報および誤検知情報を取得し、位置情報および誤検知情報を比較することにより、位置情報の正誤を判定する処理部である。具体的には、座標比較部105は、位置情報が示す第1位置と、誤検知情報が示す第2位置とを比較することにより、位置情報が示す第1情報の正誤を判定する。座標比較部105は、取得部および比較部の一例である。例えば、座標比較部105は、座標計算部102、シミュレーション部103、および、パラメータ設定部104の出力情報を入力とし、座標計算部102とシミュレーション部103との検知座標(対象物の位置)が同一のものか否かをパラメータ設定部104からの情報(パラメータ)に基づいて判断し、座標計算部102による誤った対象物の位置の計算結果(誤検知座標)をフィルタリングする。
【0039】
例えば、座標比較部105は、位置情報が示す第1位置と誤検知情報が示す第2位置とが、パラメータ設定部104によって設定されたパラメータが示す所定の距離以内に位置しているか否かを判定することで、第1位置の正誤を判定する。例えば、座標比較部105は、第1位置と第2位置とが所定の距離以内に位置している場合、第1位置が正しい、つまり、対象物が第1位置に位置していると判定する。一方、座標比較部105は、第1位置と第2位置とが所定の距離以内に位置していない場合、第1位置が誤っている、つまり、対象物が第1位置に位置していないと判定する。
【0040】
座標計算部102による計算方法では、計算速度が速いものの、計算原理上、例えば、図1に示すように対象物500および510が存在する場合に、破線矢印で示すように受波センサ610で出射された超音波が対象物500で反射されて受波センサ610で検知された検知結果と、一点鎖線矢印で示すように受波センサ610で出射された超音波が対象物510で反射されて受波センサ620で検知された検知結果とから、対象物500および510の位置として反射位置R1およびR2だけでなく、交点Cに対象物が存在すると計算される可能性がある。そこで、障害物検知装置100は、シミュレーション部103によって、数理モデルを用いてこのような計算原理上発生するような誤った対象物の位置が計算されない方法によっても対象物の位置を計算する。例えば、シミュレーション部103は、座標計算部102で新たな対象物の位置が計算された場合に、上記のように、当該対象物が実際に存在するか否かのシミュレーションを行う。
【0041】
座標計算部102、シミュレーション部103、パラメータ設定部104、および、座標比較部105の各処理部は、例えば、プロセッサと、当該プロセッサが実行する制御プログラムが記憶されたメモリとにより実現される。
【0042】
記憶部11は、パラメータおよび対象物情報などの各処理部が用いる情報が記憶される記憶装置である。記憶部11は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)または半導体メモリなどにより実現される。
【0043】
[動作]
続いて、障害物検知装置100の処理手順について説明する。
【0044】
図3は、実施の形態1に係る障害物検知装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0045】
まず、座標計算部102は、距離センサ101から検知結果を取得する(S110)。
【0046】
次に、座標計算部102は、取得した検知結果に基づいて三角測量によって対象物の第1位置を示す位置情報を生成する(S120)。具体的には、座標計算部102は、車両700に搭載されている距離センサ101より得られる送受信時間および受波パワーなどの情報である検知結果に基づいて、三角測量を用いて対象物の座標を算出する。
【0047】
また、シミュレーション部103は、対象物情報および車両情報に基づいて数理モデルによって対象物の第2位置を示す誤検知情報を生成する(S130)。具体的には、シミュレーション部103は、対象物情報および車両情報に基づいて数理モデルを構築し、数理モデルにより導出される対象物の座標を算出する。本実施の形態では、対象物情報は、既知の情報として例えば記憶部11に予め記憶されている。
【0048】
なお、ステップS120とステップS130とは、ステップS120から先に行われてもよいし、ステップS130から先に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
【0049】
次に、パラメータ設定部104は、座標比較部105の判定基準を設定する(S140)。パラメータ設定部104は、例えば、所定の距離を示す情報を判定基準として設定する。
【0050】
次に、座標比較部105は、位置情報と誤検知情報とを比較する(S150)。具体的には、座標比較部105は、第1位置と第2位置とが、パラメータ設定部104より得られるパラメータの基準に従い、同じ位置であるか否かを判定する。
【0051】
次に、座標比較部105は、比較結果に基づいて、対象物の位置を示す情報を車両700のECUなどに出力する(S160)。例えば、座標比較部105は、ステップS105で同じ位置であると判定した場合、位置情報を例えば車両700のECUなどに出力する。一方、座標比較部105は、ステップS150で同じ位置ではないと判定した場合、位置情報が示す第1位置を補正した補正情報を生成して出力する。例えば、位置情報が第1位置として図1に示す反射位置R1と反射位置R2と交点Cとを示し、誤検知情報が第2位置として反射位置R1と反射位置R2とを示す場合、座標比較部105は、交点Cを誤検知としてその位置(座標)をフィルタリング(削除)し、フィルタリング後の結果を補正情報として出力する。
【0052】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る障害物検知装置100によれば、距離センサ101の検知結果に基づいて計算された対象物の位置と、数理モデルより計算された対象物の位置とを比較することにより、距離センサ101の検知結果に基づいて計算された対象物の位置が誤検知であるか否かを判定できる。そのため、障害物検知装置100によれば、例えば、上記特許文献1では解決できないような、計算上所定の位置に現れてしますような誤検知に対してもフィルタリングをすることが可能となる。したがって、距離センサ101の原理上発生してしまうなどのばらつかない誤検知に対しても有用に作用し、例えば車両700が検知結果に基づいてブレーキなどを制御するような場合に、誤検知によるブレーキの誤った制御などの発生が抑制され得る。
【0053】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。なお、本実施の形態の説明においては、上記実施の形態との差異点を中心に説明する。
【0054】
[構成]
図4は、実施の形態2に係る障害物検知装置200の構成を示すブロック図である。
【0055】
障害物検知装置200は、実施の形態1に係る障害物検知装置100が備える構成に加えて、さらに、対象物推定部206を備える。
【0056】
対象物推定部206は、距離センサ101の検知結果に含まれる、距離センサ101が検知した反射波の強度を示す受波情報に基づいて第3位置を推定することで、対象物情報を生成する処理部である。具体的には、対象物推定部206は、座標計算部102と同様に、距離センサ101より送受信時間および受波パワーなどの検知結果を入力情報として取得し、検知結果に基づいて対象物の位置(第3位置)および対象物の形状を計算する。対象物推定部206が計算した対象物の位置(座標)を第3位置ともいう。対象物推定部206は、計算結果を対象物情報としてシミュレーション部103に出力する。
【0057】
対象物推定部206は、例えば、プロセッサと、当該プロセッサが実行する制御プログラムが記憶されたメモリとにより実現される。
【0058】
図5および図6は、実施の形態2に係る対象物推定部206が対象物の形状を決定する処理を説明するための図である。
【0059】
図5の(a)および(c)に示すように、例えば、車両700に受波センサ640が備えられているとする。受波センサ640は、例えば、超音波を出射しその反射波を検知するアクティブ型のセンサであって、距離センサ101が備えるセンサである。図5の(a)および(c)は、対象物の形状が異なる。図5の(b)は、図5の(a)に示す壁などの対象物520から反射波の検知結果を示すグラフである。図5の(d)は、図5の(c)に示すポールなどの対象物530から反射波の検知結果を示すグラフである。これらのグラフの横軸は時間であり、縦軸は反射波の強度(受波パワー)である。
【0060】
例えば、図5の(a)に示すように、対象物520が壁などのように強い反射波を返すような物体(強反射物)である場合、図5の(b)に示すように、受波センサ640では、受波パワーが強い反射波が検知される。
【0061】
一方、例えば、図5の(c)に示すように、対象物530がポールなどのように細長く壁などと比べて比較的弱い反射波を返すような物体(弱反射物)である場合、図5の(d)に示すように、受波センサ640では、受波パワーが弱い反射波が検知される。
【0062】
また、対象物が同じであれば、受波センサ640と対象物との距離が近いほど強い受波パワーで反射波が受波センサ640によって検知される。
【0063】
これらのことから、対象物の位置(具体的には、受波センサ640と対象物との距離)および受波パワーによって、対象物の種類(例えば、ポールおよび壁などの形状)が決定され得る。
【0064】
図6は、例えば、受波パワーと距離と対象物の形状との関係を示す表である。例えば、受波センサ640と対象物との距離がiであり、受波パワーがjであれば、図6の表のマス目Eij(図6に示すi行j列)に対応し、対象物の形状がポール状(つまり、対象物の種類がポール)である、などのように定められている。このような表の情報(対応情報)が例えば記憶部11に予め記憶されている。
【0065】
対象物推定部206は、例えば、距離センサ101の検知結果に基づいて三角測量などによって対象物の位置(第3位置)を推定し、算出した位置および対応情報に基づいて、対象物の形状を推定する。対象物推定部206は、推定結果をシミュレーション部103に出力する。
【0066】
図7は、車両700と対象物500および510との位置関係を説明するための図である。図7に示す例では、受波センサ610で出射された超音波が、対象物500で反射されて受波センサ610および620で検知され、対象物510で反射されて受波センサ610および620で検知されている。また、対象物500の方が対象物510よりも車両700の近くに位置している。
【0067】
図8は、距離センサ101の検知結果と対象物500および510との位置との関係を説明するための図である。第1センサは、例えば、受波センサ610であり、第2センサは、例えば、受波センサ620である。例えば、1波目とは、最初に検知される超音波であり、2波目とは、1波目の次に検知される超音波である。図7に示す例では、受波センサ610および受波センサ620には、それぞれ、対象物500の反射波が1波目として検知され、対象物510の反射波が2波目として検知される。そのため、受波センサ610および受波センサ620のそれぞれで検知される1波目に基づいて算出される座標aは、反射位置R1(つまり、対象物500の位置)を示す。また、受波センサ610および受波センサ620のそれぞれで検知される2波目に基づいて算出される座標bは、反射位置R2(つまり、対象物510の位置)を示す。
【0068】
そのため、車両700と対象物500および510とが図7に示すような位置関係である場合には、例えば、対象物推定部206は、図8に示すような対応関係を用いて対象物の位置(本例では2つの第3位置)を推定する。
【0069】
[動作]
続いて、実施の形態2に係る障害物検知装置200の処理手順について説明する。
【0070】
図9は、実施の形態2に係る対象物推定部206の処理手順を示すフローチャートである。
【0071】
まず、対象物推定部206は、反射波の返ってくる順番の組み合わせに基づいて座標を計算する(S201)。具体的には、対象物推定部206は、距離センサ101が備える複数の受波センサ(例えば、受波センサ610および620)の検知結果に基づいて、複数の受波センサが受波した波の順番を用いて各波の組み合わせを決定し、決定した組み合わせを用いて対象物の位置を計算する。より具体的には、対象物推定部206は、入力情報として距離センサ101より観測した反射波の情報を受け取る。その後、対象物推定部206は、反射波の返ってくる順番に従い組み合わせを考え、三角測量を行うことにより反射物の座標位置を算出する。例えば図8に示す例では、対象物推定部206は、受波センサ610および受波センサ620から、それぞれが受波した2つの波に関する情報を検知結果として取得する。さらに、対象物推定部206は、受波センサ610および受波センサ620のそれぞれで検知される1波目と、受波センサ610および受波センサ620のそれぞれで検知される2波目とを波の組み合わせとして決定する。さらに、対象物推定部206は、受波センサ610および受波センサ620のそれぞれで検知される1波目に基づいて座標aを計算する。さらに、対象物推定部206は、受波センサ610および受波センサ620のそれぞれで検知される2波目に基づいて座標bを計算する。座標aおよび座標bは、それぞれ第3位置の一例である。
【0072】
次に、対象物推定部206は、距離センサ101の検知結果に含まれる送受信時間より導出される受波センサから対象物までの距離と、距離センサ101の検知結果に含まれる、受波センサが受波した際の強度である受波パワーとに基づいて、対象物の形状(種類)を推定する(S202)。例えば、対象物推定部206は、距離センサ101の検知結果と、図6に示す対応情報とに基づいて、対象物の形状を推定する。
【0073】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る障害物検知装置200によれば、対象物推定部206によって、例えば障害物検知装置100では既知の情報として必要だった対象物情報を予め記憶部11等に記憶させておく必要がなくなり、リアルタイムでの導出が可能となる。そのため、位置および形状が未知の対象物に対してもこれらを推定して数理モデルでシミュレーションを実行することが可能となる。
【0074】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。なお、本実施の形態の説明においては、上記各実施の形態との差異点を中心に説明する。
【0075】
実施の形態3に係る障害物検知装置は、構成としては実施の形態2に係る障害物検知装置200と同様である。実施の形態3に係る障害物検知装置は、障害物検知装置200とは、対象物推定部206の処理が異なる。具体的には、本実施の形態における対象物推定部206は、実施の形態2と同様に、距離センサ101から得られる検知結果に基づいて対象物の位置および形状を推定するが、推定された位置が3以上存在する場合に、そのうちの可能な位置の組み合わせを考え、その組み合わせのすべてに対して対象物の形状の推定を実施する。
【0076】
図10は、車両700と対象物500および510との位置関係を説明するための図である。
【0077】
図10に示す例では、受波センサ610で出射された超音波が、対象物500で反射されて受波センサ610および620で検知され、対象物510で反射されて受波センサ610および620で検知されている。また、本例では、車両700との距離が、対象物500と対象物510とで似たような距離となっている。
【0078】
図11は、距離センサ101の検知結果と対象物500および510との位置との関係を説明するための図である。第1センサは、例えば、受波センサ610であり、第2センサは、例えば、受波センサ620である。図10に示す例では、受波センサ610および受波センサ620には、それぞれ、対象物500および510のいずれからの反射波が1波目または2波目として検知されるかが不明瞭である。
【0079】
このような場合、例えば、対象物推定部206は、考えられる波の組み合わせについて座標を計算する。本例では、対象物推定部206は、受波センサ610および受波センサ620のそれぞれで検知される1波目に基づいて算出される座標aと、受波センサ610および受波センサ620のそれぞれで検知される2波目に基づいて算出される座標bと、受波センサ610で検知される2波目および受波センサ620で検知される1波目に基づいて算出される座標cと、受波センサ610で検知される1波目および受波センサ620で検知される2波目に基づいて算出される座標dとを、それぞれ第3位置として推定する。これにより、例えば、反射位置R1およびR2、ならびに、計算点C1およびC2が第3位置として計算される。例えば、反射位置R1が座標aに対応し、反射位置R2が座標bに対応し、計算点C1が座標cに対応し、計算点C2が座標dに対応する。
【0080】
さらに、対象物推定部206は、計算された複数の第3位置が3以上ある場合(本例では、4)、計算された複数の第3位置のうち、対象物が位置すると考えられる組み合わせを決定する。例えば、受波センサで検知される波は、対象物が複数存在していても、検知される1つの波に対して1つの対象物が対応する。つまり、検知された1つの波の情報は、1つの座標を計算するために用いられ、他の座標を計算するためには用いられない。そのため、例えば、本例では、座標aおよび座標b、または、座標cおよび座標dのいずれかの組み合わせの位置に対象物が位置していると考えられる。言い換えると、本例では、座標aおよび座標bのそれぞれに対象物が位置しているか、座標cおよび座標dのそれぞれに対象物が位置しているかのいずれかが考えられる。対象物推定部206は、決定した組み合わせごとに数理モデルを用いてシミュレーションを行うことで反射波を導出し、導出した反射波に基づいて3以上の第3位置の中から適切な第3位置を決定する。
【0081】
このように、例えば、対象物推定部206は、推定された第3位置の数が3以上である場合、3以上の第3位置の複数の組(例えば、座標aおよび座標b、ならびに、座標cおよび座標d)を決定し、複数の組のそれぞれについて、当該組の2以上の第3位置に対象物が存在すると仮定して対象物の形状を推定する。また、対象物推定部206は、距離センサ101の検知結果に基づいて、推定された3以上の第3位置の中から1以上の第3位置を決定し、決定した1以上の第3位置と、当該1以上の第3位置のそれぞれに対応する対象物の形状とを含む対象物情報をシミュレーション部103に出力する。シミュレーション部103は、対象物推定部206から取得した対象物情報に基づいて、当該対象物情報が示す対象物の1以上の第3位置および形状を用いて第2計算方法によるシミュレーションを行うことにより1以上の第3位置および形状に対応する1以上の第2位置を計算することで、第2情報を生成する。このように、対象物推定部206は、距離センサ101の情報から数理モデルを用いて反射波を導出して、導出した反射波に基づいて、対象物の位置(第3位置)を算出する。シミュレーション部103は、対象物推定部206によって算出された対象物の第3位置と、対象物推定部206によって推定された対象物の形状とを用いた数理モデルによるシミュレーションによって、距離センサから出射された波が対象物で反射される位置を対象物の位置(第2位置)として算出する。
【0082】
[動作]
図12は、実施の形態3に係る障害物検知装置の処理手順を示すフローチャートである。具体的には、図12は、実施の形態3に係る対象物推定部206の処理手順を示すフローチャートである。
【0083】
まず、対象物推定部206は、上記のステップS201およびステップS202を実行する。
【0084】
次に、対象物推定部206は、対象物の位置(座標)として考えられるものが3以上存在するか否かを判定する(S303)。
【0085】
対象物推定部206が、3以上存在しない、つまり、2以下であると判定した場合(S303でNo)、シミュレーション部103に推定した対象物の位置および形状を出力して(S308)処理を終了する。
【0086】
一方、対象物推定部206は、3以上存在すると判定した場合(S303でYes)、推定した複数の位置の組み合わせを導出する(ステップS304)。
【0087】
次に、対象物推定部206は、複数の組み合わせの中から1つの組み合わせを選択し、選択した組み合わせの各位置に対象物を設置して、数理モデルを用いてシミュレーションすることにより、反射波(例えば、反射波の強度および広がり方など)を計算する(S305)。
【0088】
次に、対象物推定部206は、計算した反射波の情報と距離センサ101の検知結果に含まれる反射波の情報とが一致するか否かを判定する(S306)。
【0089】
対象物推定部206は、一致すると判定した場合(S306でYes)、選択した対象物の位置および形状をシミュレーション部103に出力する(S308)。
【0090】
一方、対象物推定部206は、一致しないと判定した場合(S306でNo)、計算したすべての組み合わせについて反射波を計算したか否かを判定する(S307)。
【0091】
対象物推定部206は、すべての組み合わせについて反射波を計算していないと判定した場合(S307でNo)、処理をステップS305に戻し、反射波を計算していない組み合わせを選択し、選択した組み合わせの各位置に対象物を設置して、数理モデルを用いてシミュレーションすることにより、反射波を計算する。
【0092】
一方、対象物推定部206は、すべての組み合わせについて反射波を計算したと判定した場合(S307でYes)、シミュレーションに用いた対象物の形状が誤っている可能性があるため、処理をステップS202に戻し、対象物の形状の推定をやり直す。この場合、例えば、対象物推定部206は、元々推定していた対象物の形状とは異なる形状が決定されるように、対象物の推定をやり直す。例えば、対象物推定部206は、図6に示す対応情報に基づいて、距離がiでかつ受波パワーがjに対応する対象物の形状を選択していた場合には、マス目Eijの周囲、例えば、距離がi±1でかつ受波パワーがj±1のマス目のいずれかに対応する対象物の形状を選択する。
【0093】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る障害物検知装置によれば、反射波により考えられる対象物の位置のすべてに対し推定をかけることができる。そのため、実施の形態2に係る障害物検知装置200よりもさらに正確に対象物の位置の推定が可能となる。
【0094】
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4について説明する。なお、本実施の形態の説明においては、上記各実施の形態との差異点を中心に説明する。
【0095】
実施の形態4に係る障害物検知装置は、構成としては実施の形態2に係る障害物検知装置200と同様である。実施の形態4に係る障害物検知装置は、障害物検知装置200とは、対象物推定部206の処理が異なる。具体的には、本実施の形態における対象物推定部206は、実施の形態2と同様に、距離センサ101から得られる検知結果に基づいて対象物の位置および形状を推定するが、推定された位置が3以上存在する場合に、そのうちの可能な位置の組み合わせを考える。本実施の形態における対象物推定部206は、考えられる組み合わせのうち、車両700の進行上から最も遠い位置にある組み合わせを選択し、選択した組み合わせの位置に対象物が存在すると仮定して、対象物の形状の推定を実施する。具体的には、対象物推定部206は、推定された第3位置の数が3以上である場合、3以上の第3位置の複数の組を決定する。ここで、対象物推定部206は、車両700の前後方向に延在し、かつ、車両700の中心を通過する仮想軸(例えば、図10に示す車軸)からも最も遠い位置に位置している第3位置を含む組を選択し、当該組の2以上の第3位置に対象物があると仮定して対象物の形状を推定する。
【0096】
[動作]
図13は、実施の形態4に係る障害物検知装置の処理手順を示すフローチャートである。具体的には、図13は、実施の形態4に係る対象物推定部206の処理手順を示すフローチャートである。
【0097】
まず、対象物推定部206は、上記のステップS201、ステップS202およびステップS303を実行する。
【0098】
対象物推定部206が、3以上存在しない、つまり、2以下であると判定した場合(S303でNo)、シミュレーション部103に推定した対象物の位置および形状を出力して(S308)、処理を終了する。
【0099】
一方、対象物推定部206は、3以上存在すると判定した場合(S303でYes)、車両700の進行上の外側に位置している第3位置を含む組み合わせを選択する(S404)。車両700の進行上の外側とは、例えば、図10に示す車軸上を車両700が移動した場合の車両700の経路以外の場所である。図10に示す例では、対象物500および510、ならびに、反射位置R1およびR2は、車両700の進行上の外側に位置している。一方、図10に示す例では、計算点C1およびC2は、車両700の進行上の外側に位置していない。言い換えると、図10に示す例では、計算点C1およびC2は、車両700の進行上に位置している。
【0100】
次に、対象物推定部206は、選択された組み合わせの各位置に対象物を設置して、数理モデルを用いてシミュレーションすることにより、反射波(例えば、反射波の強度および広がり方など)を計算する(S405)。
【0101】
次に、対象物推定部206は、計算した反射波の情報と距離センサ101の検知結果に含まれる反射波の情報とが一致するか否かを判定する(S306)。
【0102】
対象物推定部206は、一致すると判定した場合(S306でYes)、選択した第3位置および形状をシミュレーション部103に出力して(S308)、処理を終了する。
【0103】
一方、対象物推定部206は、一致しないと判定した場合(S306でNo)、選択されていない組み合わせの位置(座標)が車両700の進行上に存在しているか否かを判定する(S407)。
【0104】
例えば、対象物推定部206は、車両700の進行上に存在していると判定した場合(S407でYes)、ステップS308では、選択されていない組み合わせの位置とステップS202で対象物推定部206が推定した形状とをシミュレーション部103に出力する。
【0105】
一方、例えば、対象物推定部206は、車両700の進行上に存在していないと判定した場合(S407でNo)、図12に示すステップS305に処理を移行し、選択されていない組み合わせの各位置に対象物を設置して、数理モデルを用いてシミュレーションすることにより、反射波(例えば、反射波の強度および広がり方など)を計算する。
【0106】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る障害物検知装置によれば、反射波により考えられる対象物の位置の組み合わせに対して車両700の進行上の外側の位置に対象物があると仮定して処理を進める。これにより、計算時間を少なくして対象物の位置の推定が可能となる。また、車両700の進行上の外側にある前提で推定が行われるため、距離センサ101の検知結果とシミュレーション部103によるシミュレーション結果とが一致すれば車両700が進行可能であり、一致しない、かつ、残りの第3位置が車両700の進行上に位置している場合には、対象物と衝突する危険性があるとして例えば車両700のECUなどにブレーキ動作を命令することで、事故の発生を抑制できる。例えば、ステップS407でYesの場合には、本実施の形態に係る障害物検知装置は、ステップS407での判定結果を示す情報(例えば、対象物推定部206によって選択されていない組み合わせの位置)を車両700が備えるECUに出力する。ステップS407でYesの場合には、車両700が対象物と衝突する可能性が高いため、本実施の形態に係る障害物検知装置が判定結果を車両700が備えるECUに出力することで車両700にブレーキをかけさせる。これにより、車両700は緊急停止される。
【0107】
(実施の形態5)
続いて、実施の形態5について説明する。なお、本実施の形態の説明においては、上記各実施の形態との差異点を中心に説明する。
【0108】
実施の形態5に係る障害物検知装置は、構成としては実施の形態2に係る障害物検知装置200と同様である。実施の形態5に係る障害物検知装置は、障害物検知装置200とは、対象物推定部206の処理が異なる。具体的には、本実施の形態における対象物推定部206は、実施の形態2と同様に、距離センサ101から得られる検知結果に基づいて対象物の位置および形状を推定するが、推定された位置が3以上存在する場合に、そのうちの可能な位置の組み合わせを考える。本実施の形態における対象物推定部206は、考えられる組み合わせにおいて、組み合わせのすべての位置が車両700の進行上の外側に存在する場合、対象物の位置が車両700の進行上から遠い地点にあり、かつ、対象物が壁または他車両などのような強い反射が返ってくる物体であると対象物の種類(形状)を決定する。具体的には、対象物推定部206は、推定された第3位置の数が3以上である場合、3以上の第3位置の複数の組を決定し、3以上の第3位置が、車両700が前進または後進した場合に車両700の進行上に位置しているか否かを判定する。また、対象物推定部206は、複数の組のうち、当該組の2以上の第3位置の全てが車両700の進行上に位置していない組の2以上の第3位置に対象物が存在すると仮定する。また、例えば、対象物推定部206は、対象物の形状を所定の反射率より高い反射率を有する形状であると推定する。
【0109】
なお、所定の反射率は、および、所定の反射率より高い反射率を有する形状は、任意に定められてよい。例えば、壁などのような波を反射する面積が比較的大きいような物体は、所定の反射率より高い反射率を有する形状の物体である。一方、例えば、ポールなどのような壁などと比較して細長く波を反射する面積が比較的小さい物体は、所定の反射率以下の反射率を有する形状の物体である。
【0110】
[動作]
図14は、実施の形態5に係る障害物検知装置の処理手順を示すフローチャートである。具体的には、図14は、実施の形態5に係る対象物推定部206の処理手順を示すフローチャートである。
【0111】
まず、対象物推定部206は、上記のステップS201およびステップS303を実行する。
【0112】
対象物推定部206が、3以上存在しない、つまり、2以下であると判定した場合(S303でNo)、シミュレーション部103に推定した対象物の位置および形状を出力して(S308)、処理を終了する。
【0113】
一方、対象物推定部206は、3以上存在すると判定した場合(S303でYes)、複数の組み合わせの中に、位置(座標)がすべて車両700の進行上の外側に存在するものがあるか否かを判定する(S509)。
【0114】
対象物推定部206は、複数の組み合わせの中に、位置(座標)がすべて車両700の進行上の外側に存在するものがないと判定した場合(S509でNo)、ステップS202の処理を行った後に、ステップS404以降の処理を行う。
【0115】
一方、対象物推定部206は、複数の組み合わせの中に、位置(座標)がすべて車両700の進行上の外側に存在するものがあると判定した場合(S509でYes)、当該組み合わせを選択し、当該組み合わせの各位置に対象物として強反射物(所定の反射率より高い反射率を有する形状の物体)が存在すると決定する(S510)。これ以降、対象物推定部206は、ステップS405以降の処理を行う。
【0116】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る障害物検知装置によれば、反射波により考えられる対象物の位置の組み合わせのうち、すべての位置が車両700の進行上の外側に存在するような限定された状況である場合、車両700が対象物間をすり抜け可能であると想定でき、かつ、対象物から強い反射が返ってきているという想定ができる。そのため、対象物の形状を特定するための計算時間が大幅に削減され得る。また、車両700の進行上の外側にある前提で推定が行われるため、距離センサ101の検知結果とシミュレーション部103によるシミュレーション結果とが一致すれば車両700が進行可能であり、一致しない、かつ、残りの第3位置が車両700の進行上に位置している場合には、対象物と衝突する危険性があるとして例えば車両700のECUなどにブレーキ動作を命令することで、事故の発生を抑制できる。
【0117】
(実施の形態6)
続いて、実施の形態6について説明する。なお、本実施の形態の説明においては、上記各実施の形態との差異点を中心に説明する。
【0118】
[構成]
図15は、実施の形態6に係る障害物検知装置300の構成を示すブロック図である。
【0119】
障害物検知装置300は、障害物検知装置200の構成に加えて、さらに、カメラ部307を備える。
【0120】
カメラ部307は、カメラによって車両700の周囲を撮像することで画像(画像情報)を取得し、取得した画像に対して画像解析を行うことにより、対象物の有無、対象物の形状および対象物の位置を推定する装置である。例えば、カメラ部307は、生成した画像を用いて三角測量を行うことにより対象物の位置を推定する。カメラ部307は、推定結果を対象物推定部206に出力する。
【0121】
カメラ部307は、例えば、カメラと、プロセッサと、プロセッサが実行する制御プログラムを記憶するメモリと、情報処理部10と通信するための通信インターフェースとにより実現される。
【0122】
また、本実施の形態に係る対象物推定部206は、例えば、距離センサ101の検知結果(具体的には、受波情報)、および、カメラ部307のカメラにより撮像された画像に基づいて、対象物情報を生成する。具体的には、対象物推定部206は、受波情報、および、カメラにより撮像された画像を用いた三角測量を行うことにより算出される対象物の位置(例えばカメラ部307による推定結果)に基づいて、対象物情報を生成する。
【0123】
なお、本実施の形態に係る対象物推定部206は、例えばカメラ部307からの画像情報ではなく、距離センサ101とは異なる種類の任意のセンサの検知結果を用いて対象物情報を生成してもよい。例えば、対象物推定部206は、受波情報、および、距離センサ101とは異なる種類の所定のセンサから得られるセンサ情報に基づいて、対象物情報を生成する。上記の通り、例えば、所定のセンサは、カメラであり、対象物推定部206は、受波情報、および、カメラにより撮像された画像を処理することで得られる対象物の形状に基づいて、対象物情報を生成する。また、所定のセンサは、例えば、カメラ部307が備えるカメラであるが、カメラ以外でもよく、特に限定されない。例えば、所定のセンサは、距離センサとは異なるセンサであって、超音波センサ、レーダ、および、ライダのいずれかでもよい。
【0124】
[動作]
続いて、実施の形態6に係る障害物検知装置300の処理手順について説明する。具体的には、実施の形態6に係る障害物検知装置300が備えるカメラ部307および対象物推定部206のそれぞれの処理手順について説明する。
【0125】
図16は、実施の形態6に係るカメラ部307の処理手順を示すフローチャートである。
【0126】
まず、カメラ部307は、カメラによって撮像を行うことにより画像を生成し、生成した画像に対して画像解析を行うことにより、対象物の有無を推定し、対象物が存在する場合には対象物の種類(形状)を推定する(S601)。例えば、カメラ部307は、画像に映る対象物が、他車両であるのか、人であるのか、それ以外であるのか、などを判定する。また、例えば、カメラ部307は、画像に映る対象物が所定のサイズより細長い場合にはポールと判定し、所定のサイズより大きい場合には壁と判定するなどして、対象物の形状を推定する。
【0127】
次に、カメラ部307は、画像に基づいて例えば三角測量などを行うことにより、対象物の位置を算出する(S602)。
【0128】
カメラ部307は、これらのように算出した対象物に関する情報を対象物推定部206に出力する。
【0129】
図17は、実施の形態6に係る対象物推定部206の処理手順を示すフローチャートである。
【0130】
まず、対象物推定部206は、カメラ部307から推定結果を取得し、かつ、距離センサ101から検知結果を取得する。対象物推定部206は、カメラ部307から取得した推定結果、つまり、カメラの撮像結果(カメラで生成された画像)から推定される対象物の位置と、距離センサ101から検知結果から計算される対象物の位置とに基づいて、対象物の位置(第3位置)を推定する(S603)。例えば、対象物推定部206は、カメラの撮像結果から推定される対象物の位置と、距離センサ101の検知結果から計算される対象物の位置とを比較し、対象物が存在する可能性の高い位置を第3位置として選択する。カメラの撮像結果から推定される対象物の位置と、距離センサ101から検知結果から計算される対象物の位置とのいずれを対象物が存在する可能性が高いと判定するかは、任意に定められてよい。例えば、これらの対象物の位置が車両700から所定の距離未満であればカメラの撮像結果から推定される対象物の位置を優先して第3位置と推定してもよいし、所定の距離以上であれば距離センサ101から検知結果から計算される対象物の位置を優先して第3位置と推定してもよい。所定の距離は、任意に定められてよい。
【0131】
次に、距離センサ101からの対象物の距離と受波パワーとの関係を示す対応情報と、カメラ部307の撮像結果から推定される対象物の形状(種類)とに基づいて、対象物の形状(種類)を推定する(ステップS604)。例えば、対象物推定部206は、対応情報から推定される対象物の形状と、カメラの撮像結果から推定される対象物の形状とを比較し、可能性の高い形状を対象物の形状として選択する。対応情報に基づく対象物の形状と、カメラの撮像結果から推定される対象物の形状とのいずれを対象物の形状と推定するかは、任意に定められてよい。例えば、これらの対象物の位置が車両700から所定の距離未満であればカメラの撮像結果から推定される対象物の形状を優先してもよいし、所定の距離以上であれば対応情報から決定される対象物の形状を優先してもよい。所定の距離は、任意に定められてよい。
【0132】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る障害物検知装置によれば、距離センサ101から得られる検知結果に加え、カメラ部307による画像解析による対象物の位置および形状の情報も用いて対象物の位置および形状が推定されるため、対象物の位置および形状がさらに正確に推定され得る。
【0133】
(実施の形態7)
続いて、実施の形態7について説明する。なお、本実施の形態の説明においては、上記各実施の形態との差異点を中心に説明する。
【0134】
[構成]
図18は、実施の形態7に係る障害物検知装置400の構成を示すブロック図である。障害物検知装置400は、障害物検知装置200とは異なる情報処理部40を備える。情報処理部40は、情報処理部20の構成に加えて、さらに、対象物確認部408を備える。つまり、障害物検知装置400は、障害物検知装置200が備える構成に加えて、さらに、対象物確認部408を備える。
【0135】
対象物確認部408は、第1時刻における距離センサ101の第1検知結果を用いて生成された第1情報が示す第1位置と、第1時刻より前の第2時刻における距離センサ101の第2検知結果を用いて生成された第3位置を用いて第2計算方法によるシミュレーションを行うことにより計算された第2位置とが一致するか否かを判定する。
【0136】
距離センサ101は、繰り返し対象物の検知を行う。座標計算部102は、例えば、距離センサ101から繰り返し検知結果を取得し、取得した検知結果に基づいて繰り返し第1位置を計算する。対象物推定部206は、例えば、距離センサ101から繰り返し検知結果を取得し、取得した検知結果に基づいて繰り返し第3位置および対象物の形状などを示す対象物情報を生成する。シミュレーション部103は、例えば、対象物推定部206から繰り返し対象物情報を取得し、取得した対象物情報に基づいて繰り返し第2位置を計算する。そこで、対象物確認部408は、座標計算部102が過去に計算した対象物の位置を用いて、シミュレーション部103が今回計算した対象物の位置が適切であるか否かを判定する。対象物確認部408は、例えば、現在時刻より前の時刻における距離センサ101の検知結果に基づいて対象物推定部206によって推定された対象物の位置および形状などの対象物情報を用いてシミュレーション部103で計算された対象物の第2位置と、現在時刻における距離センサ101の検知結果に基づいて座標計算部102で算出された第1位置とが一致するか否かを判定する。例えば、対象物確認部408は、一致する場合には、シミュレーション部103の計算結果を座標比較部105に出力する。一方、対象物確認部408は、一致しない場合には、対象物推定部206にもう一度対象物の位置および/または形状の推定するように指示を出力する。
【0137】
対象物推定部206は、例えば、このような指示を取得した場合、推定していた対象物の形状とは異なる形状を対象物の形状として再度推定する。シミュレーション部103は、再度推定された対象物の形状を用いてシミュレーションを行い、第2位置を計算する。
【0138】
[動作]
続いて、実施の形態7に係る障害物検知装置400の処理手順について説明する。具体的には、障害物検知装置400が備える対象物確認部408および対象物推定部206の処理手順について説明する。
【0139】
図19は、実施の形態7に係る対象物確認部408の処理手順を示すフローチャートである。
【0140】
まず、対象物確認部408は、時刻t+1における距離センサ101の検知結果に基づいて計算された第1位置を示す位置情報を座標計算部102から取得する(S701)。時刻t+1は、第1時刻の一例である。
【0141】
また、対象物確認部408は、時刻tにおける距離センサ101の検知結果に基づいて計算された第3位置に基づき計算された第2位置を示す誤検知情報をシミュレーション部103から取得する(S702)。時刻tは、第2時刻の一例である。
【0142】
ステップS701とステップS702とが実行される順序は、任意でよい。ステップS702がステップS701より先に実行されてもよいし、ステップS701とステップS702とが同時に実行されてもよい。
【0143】
次に、対象物確認部408は、取得した位置情報が示す第1位置と、取得した誤検知情報が示す第2位置との位置(座標)が一致するか否かを判定する(S703)。
【0144】
対象物確認部408は、一致すると判定した場合(S703でYes)、時刻t+1における距離センサ101の検知結果に基づいて計算された第3位置に基づき計算された第2位置を示す誤検知情報を座標比較部105に出力する(S704)。
【0145】
一方、対象物確認部408は、一致しないと判定した場合(S703でNo)、対象物推定部206に、時刻t+1における距離センサ101の検知結果に基づく推定を再度行う指示(再推定指示)を出力する(ステップS705)。再推定指示には、例えば、対象物推定部206に再推定を行わせるためのフラグと、時刻tにおける距離センサ101の検知結果に基づく対象物推定部206における対象物の形状の推定結果とが含まれる。
【0146】
これにより、対象物推定部206では、時刻t+1における距離センサ101の検知結果に基づく対象物の形状の推定の処理が行われる。
【0147】
図20は、実施の形態7に係る対象物推定部206の処理手順を示すフローチャートである。
【0148】
まず、対象物推定部206は、上記のステップS201およびステップS202を実行する。これにより、対象物推定部206は、例えば、時刻t+1における距離センサ101の検知結果に基づいて、対象物の第3位置および形状を推定する。
【0149】
次に、対象物推定部206は、対象物確認部408から再推定指示を取得したか否かを判定する(S706)。例えば、対象物推定部206は、対象物確認部408から取得した情報にフラグが含まれているか否かを判定する。
【0150】
対象物推定部206は、対象物確認部408から再推定指示を取得していないと判定した場合(S706でNo)、上記のステップS201およびステップS202を実行することで生成した対象物情報をシミュレーション部103に出力する。これにより、シミュレーション部103は、時刻t+1における距離センサ101の検知結果に基づいて生成された対象物情報に基づいて第2位置を計算し、計算結果を示す誤検知情報を対象物確認部408に出力する。対象物確認部408は、取得した誤検知情報を座標比較部105に転送する。
【0151】
一方、対象物推定部206は、対象物確認部408から再推定指示を取得したと判定した場合(S706でYes)、上記のステップS202を実行することで推定した対象物の形状と、対象物確認部408から取得した情報に含まれる対象物の形状とが同じであるか否かを判定する(S707)。
【0152】
対象物推定部206は、異なると判定した場合(S707でNo)、上記のステップS201およびステップS202を実行することで生成した対象物情報をシミュレーション部103に出力する。
【0153】
一方、対象物推定部206は、同じであると判定した場合(S707でYes)、対象物の形状を推定する際に用いた対応情報における対応する箇所(例えば、図21に示す対応情報のいずれかマス目)の周辺(当該マス目の周囲のマス目)で、かつ、対象物確認部408から取得した情報に含まれる対象物の形状とは異なる形状とするように対象物の形状を決定する(S708)。
【0154】
図21は、実施の形態7に係る対象物推定部206が対象物の形状を決定する処理を説明するための図である。
【0155】
図21に示すように、例えば、対象物推定部206がステップS202においてマス目Eijの箇所に対応する対象物の形状を選択したとする。この場合、例えば、対象物推定部206は、選択した対象物の形状と、対象物確認部408から取得した情報に含まれる対象物の形状とが同じであるとき、図21に示す破線枠A内のマス目であって、マス目Eij以外のマス目に対応する対象物の形状を選択する。
【0156】
なお、破線枠Aは、任意に定められてよい。対象物推定部206は、例えば、破線枠A内のマス目に対応する対象物の形状がすべて同じである場合、破線枠Aを大きくするなどにて対象物の形状の選択肢を増やしてもよい。
【0157】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る障害物検知装置400によれば、例えば対象物推定部206において同時刻における距離センサ101の検知結果から座標計算部102で計算される第1位置と対象物推定部206が計算する第3位置とが一致しているかを確認しているが、対象物確認部408において、ある時刻の距離センサ101の検知結果に基づいて推定された第3位置を用いて計算された第2位置と、それより後の時刻の距離センサ101の検知結果に基づき算出された第1位置とが一致するか否かが確認される。これにより、例えば第3位置が間違いであった場合に、誤って計算された第2位置に基づいて第1位置のフィルタリングが行われてしまう可能性を減少させることができる。したがって、障害物検知装置400によれば、対象物の位置の誤った計算がなされることをさらに抑制できる。
【0158】
(まとめ)
図22は、本開示の一態様に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【0159】
まず、情報処理装置は、距離センサ101の検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す第1情報、および、第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された対象物の第2位置を示す第2情報を取得する(S10)。
【0160】
次に、情報処理装置は、第1情報および第2情報を比較することにより、第1位置の正誤を判定する(S20)。
【0161】
第1情報は、例えば、位置情報である。第2情報は、例えば、誤検知情報である。取得部および比較部は、例えば、座標比較部105である。情報処理装置は、例えば、障害物検知装置100、200、300、または、400である。情報処理装置は、例えば、情報処理部10、20、または、40で実現されてもよい。
【0162】
次に、情報処理装置は、判定結果を車両700などに出力する。これにより、車両700は、判定結果に基づいて、適切な制御を行うことができる。また、例えば、判定結果が、ディスプレイなどの表示装置に表示されることで、ドライバは、適切な対象物の位置を知ることができる。
【0163】
以下、本明細書の開示内容から得られる技術を例示し、例示される技術から得られる効果等について説明する。
【0164】
技術1は、距離センサ101の検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す第1情報、および、第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された対象物の第2位置を示す第2情報を取得する取得部と、第1情報および第2情報を比較することにより、第1位置の正誤を判定する比較部と、を備える、情報処理装置である。
【0165】
従来、TOF(Time Of Flight)などの原理を用いるライダなどの距離センサの検知結果などから三角測量を用いて対象物の位置を算出する場合、2つの距離センサが別々の対象物からの反射波を検知した場合、その検知結果から算出される対象物の位置(座標)には誤座標が含まれる可能性がある。例えば、図1に示す交点Cに対象物が存在すると算出される可能性がある。そこで、距離センサ101の検知結果から算出されるこのような位置関係などの原理上発生する誤座標をフィルタリングするために、上記の数理モデルを用いたシミュレーションのように、複数の計算方法によって対象物の位置を計算し、計算結果を比較する。これにより、例えば三角測量のような第1計算方法によって計算された対象物の位置(第1位置)に誤座標が含まれていても、例えば数理モデルのような、第1計算方法とは異なる第2計算方法によって計算された対象物の位置(第2位置)を用いて、第1計算方法によって計算された対象物の位置が適切であるか否かを判定できる。そのため、情報処理装置によれば、対象物の誤検知を抑制できる。したがって、例えば、距離センサ101の原理上発生してしまうようなばらつかない誤検知に対しても有用に作用し、例えば誤検知による車両700の誤ブレーキに対処できる。
【0166】
技術2は、さらに、検知結果を用いて第1計算方法によって第1位置を計算することにより第1情報を生成する座標計算部102を備える、技術1に記載の情報処理装置である。
【0167】
これによれば、第1情報が座標計算部102によって生成され得る。
【0168】
技術3は、さらに、対象物の第3位置および形状を示す対象物情報、ならびに、距離センサ101が搭載される車両700に関する車両情報を用いて第2計算方法によるシミュレーションを行うことにより第2位置を計算することで第2情報を生成するシミュレーション部103を備える、技術1または2に記載の情報処理装置である。
【0169】
これによれば、第2情報がシミュレーション部103によって生成され得る。
【0170】
技術4は、比較部は、第1位置と第2位置とが所定の距離以内に位置しているか否かを判定することで、第1位置の正誤を判定する、技術3に記載の情報処理装置である。
【0171】
所定の距離は、例えば、パラメータ設定部104によって設定されるパラメータである。
【0172】
これによれば、所定の距離が適切に設定されることにより、第1位置と第2位置とが完全に一致しないような場合であってほとんど同じであり一致している場合と同様にドライバなどが取り扱いたい場合に、ドライバなどが所望する判定結果となり得る。
【0173】
技術5は、距離センサ101は、電波または音波を出射して、対象物での当該電波または当該音波の反射波を検知し、情報処理装置は、さらに、検知結果に含まれる、距離センサ101が検知した反射波の強度を示す受波情報に基づいて第3位置を推定することで、対象物情報を生成する対象物推定部206を備える、技術3または4に記載の情報処理装置である。
【0174】
これによれば、対象物情報が対象物推定部206によって生成され得る。
【0175】
技術6は、対象物推定部206は、推定された第3位置の数が3以上である場合、3以上の第3位置の複数の組を決定し、複数の組のそれぞれについて、当該組の2以上の第3位置に対象物が存在すると仮定して対象物の形状を推定する、技術5に記載の情報処理装置である。
【0176】
対象物推定部206は、例えば、距離センサ101の検知結果に基づいて座標計算部102と同様の計算をすることにより、第3位置を算出する。例えば第3位置として複数の位置(具体的には、3以上の位置)が推定されるような場合、座標計算部102によって誤座標が計算されている可能性がある。また、3以上の位置が推定される場合、全てが正しいわけではなく、3以上の位置のいくつかが正しい場合が多い。そこで、情報処理装置は、例えば3以上のうちの2つごとの組を決定し、決定した組ごとのシミュレーションを行う。これにより、例えば正しい組が選択された場合、他の組の計算をする必要がなくなることから、処理量の削減が期待され得る。
【0177】
技術7は、対象物推定部206は、推定された第3位置の数が3以上である場合、3以上の第3位置の複数の組を決定し、車両700の前後方向に延在し、かつ、車両700の中心を通過する仮想軸からも最も遠い位置に位置している第3位置を含む組を選択し、当該組の2以上の第3位置に対象物があると仮定して対象物の形状を推定する、技術5に記載の情報処理装置である。
【0178】
仮想軸は、例えば、上記の車軸である。
【0179】
これによれば、計算の最初に対象物の位置をある程度予め絞り込んでしまうために、計算時間を少なく対象物の位置を推定できる。また、対象物が車両700から遠いと推定して計算するため、例えば、当該第3位置から算出される第2位置が第1位置とは異なる場合、つまり、第1位置に誤座標が含まれている場合には、車両700に近い位置に対象物が位置している可能性があるため、例えば車両700を急停止させるなどすることにより、事故の発生が抑制され得る。
【0180】
技術8は、対象物推定部206は、推定された第3位置の数が3以上である場合、3以上の第3位置の複数の組を決定し、3以上の第3位置が、車両700が前進または後進した場合に車両700の進行上に位置しているか否かを判定し、複数の組のうち、当該組の2以上の第3位置の全てが車両700の進行上に位置していない組の2以上の第3位置に対象物が存在すると仮定し、かつ、対象物の形状を所定の反射率より高い反射率を有する形状であると推定する、技術5に記載の情報処理装置である。
【0181】
これによれば、計算の最初に対象物の位置をある程度予め絞り込んでしまうために、計算時間を少なく対象物の位置を推定できる。また、対象物が車両700の進行上には存在しないと推定して計算するため、例えば、当該第3位置から算出される第2位置が第1位置とは異なる場合、つまり、第1位置に誤座標が含まれている場合には、車両700の進行上に対象物が位置している可能性があるため、例えば車両700を急停止させるなどすることにより、事故の発生が抑制され得る。
【0182】
技術9は、対象物推定部206は、受波情報、および、距離センサ101とは異なる種類の所定のセンサから得られるセンサ情報に基づいて、対象物情報を生成する、技術5~8のいずれかに記載の情報処理装置である。
【0183】
所定のセンサは、例えば、カメラ部が備えるカメラである。
【0184】
これによれば、さらに精度よく対象物の第3位置および形状が推定され得る。
【0185】
なお、所定のセンサは、カメラ以外でもよく、特に限定されない。例えば、所定のセンサは、距離センサとは異なるセンサであって、超音波センサ、レーダ、および、ライダのいずれかでもよい。
【0186】
技術10は、所定のセンサは、カメラであり、対象物推定部206は、受波情報、および、カメラにより撮像された画像を処理することで得られる対象物の形状に基づいて、対象物情報を生成する、技術9に記載の情報処理装置である。
【0187】
これによれば、さらに精度よく対象物の形状が推定され得る。
【0188】
技術11は、対象物推定部206は、受波情報、および、カメラにより撮像された画像を用いた三角測量を行うことにより算出される対象物の位置に基づいて、対象物情報を生成する、技術10に記載の情報処理装置である。
【0189】
これによれば、さらに精度よく対象物の第3位置が推定され得る。
【0190】
技術12は、さらに、第1時刻における距離センサ101の第1検知結果を用いて生成された第1情報が示す第1位置と、第1時刻より前の第2時刻における距離センサ101の第2検知結果を用いて生成された第3位置を用いて第2計算方法によるシミュレーションを行うことにより計算された第2位置とが一致するか否かを判定する対象物確認部408を備える、技術5~11のいずれかに記載の情報処理装置である。
【0191】
例えば、対象物が動かない場合、および、対象物が非常にゆっくり動いている場合には、対象物の位置に大きな変化がないことが想定される。そのため、例えば過去に計算された対象物の位置を用いて現在計算された対象物の位置の正誤の判定をすることにより、対象物の誤検知をさらに抑制できる。
【0192】
技術13は、距離センサ101は、超音波センサ、レーダ、または、ライダである、技術1~12のいずれかに記載の情報処理装置である。
【0193】
このような距離センサ101の検知結果に基づいて算出される対象物の位置には、上記のように理論上算出される誤座標が含まれ得る。そのため、距離センサ101がこれらのようなセンサである場合に算出される対象物の位置フィルタリングに、情報処理装置が特に効果的である。
【0194】
技術14は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、距離センサ101の検知結果に基づき第1計算方法によって計算された対象物の第1位置を示す第1情報、および、第1計算方法とは異なる第2計算方法によるシミュレーションによって計算された対象物の第2位置を示す第2情報を取得し(S10)、第1情報および第2情報を比較することにより、第1位置の正誤を判定する(S20)、情報処理方法である。
【0195】
これによれば、本開示の一態様に係る情報処理装置と同様の効果を奏する。
【0196】
技術15は、技術14に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための、プログラムである。
【0197】
これによれば、本開示の一態様に係る情報処理装置と同様の効果を奏する。
【0198】
(その他の実施の形態)
以上、本開示について、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記各実施の形態に限定されるものではない。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0199】
例えば、情報処理装置は、座標比較部105によって実現されてもよい、また、例えば、情報処理装置は、座標計算部102と座標比較部105とによって実現されてもよい。また、例えば、情報処理装置は、シミュレーション部103と座標比較部105とによって実現されてもよい。また、例えば、情報処理装置は、座標計算部102とシミュレーション部103と座標比較部105とによって実現されてもよい。
【0200】
また、例えば、上記実施の形態において、各構成要素(各処理部)は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0201】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0202】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0203】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェアまたはソフトウェアが並列または時分割に処理してもよい。
【0204】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0205】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0206】
本開示は、障害物の検知結果に基づいて車両を制御する制御装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0207】
10、20、40 情報処理部
11 記憶部
100、200、300、400 障害物検知装置
101 距離センサ
102 座標計算部
103 シミュレーション部
104 パラメータ設定部
105 座標比較部
206 対象物推定部
307 カメラ部
408 対象物確認部
500、510、520、530 対象物
600、610、620、630、640 受波センサ
700 車両
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