(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132416
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ねじ締め機
(51)【国際特許分類】
B23P 19/06 20060101AFI20240920BHJP
B25B 23/10 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B23P19/06 E
B25B23/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043166
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】背戸 康治
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA07
3C038BB01
(57)【要約】
【課題】ワッシャが移動時にずれないねじ締め機を提供する。
【解決手段】
本発明は、非円形形状のワッシャS1を有するねじSを締結するねじ締め機において、前記ねじSの頭部と嵌合可能なドライバビット33と、前記ドライバビット33を内包するスクリューガイド35と、前記ドライバビット33を回転駆動させる回転駆動源32を備え、前記スクリューガイド35の下端には、前記ワッシャS1と嵌合可能な保持部材38が装着されていることを特徴とするねじ締め機10による。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワッシャを有するねじを締結するねじ締め機において、
前記ねじの頭部と嵌合可能なドライバビットと、前記ドライバビットを内包するスクリューガイドと、前記ドライバビットを回転駆動させる回転駆動源を備え、
前記スクリューガイドの下端には、前記ワッシャの回転を規制する保持部材が装着されていることを特徴とするねじ締め機。
【請求項2】
前記ワッシャの外径が非円形形状であり、前記保持部材は、ワッシャと嵌合するよう構成されていること特徴とする請求項1に記載のねじ締め機。
【請求項3】
前記保持部材は、割り締め部材によって固定されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め機。
【請求項4】
前記保持部材には、前記ねじの頭部を収容可能な頭部収容孔および前記ねじのワッシャと嵌合可能な嵌合凹部が形成され、
頭部収容穴には、負圧発生手段が連続していることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじを締結するねじ締め機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端子ねじ等の非円形形状のワッシャを有するねじを締結するねじ締め機として、特許文献1に開示されたねじ締め機が知られている。このねじ締め機は、ねじの頭部と嵌合可能なドライバビットと、このドライバビットを内包するように配置されたスクリューガイドを備えている。このねじ締め機は、スクリューガイドに負圧発生手段が接続されており、この負圧発生手段が駆動することにより、スクリューガイドの下端開口部にねじを吸着保持可能であった。また、スクリューガイドは、ねじを吸着した際、その下端面にワッシャを当接させた状態で保持することが可能でねじをワークまで搬送して締結することが可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のねじ締め機は、ねじのワッシャがスクリューガイドの下端面に当接しているものの、ワッシャがスクリューガイドに対して規制されておらず、回転可能かつ移動可能な構造であった。そのため、平坦面にねじを締結する際、回転するねじの頭部や軸部とワッシャとの間で生じる摩擦により、ワッシャが回転する等の問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて創生されたものであり、締結箇所に関係なくワッシャが回転しないねじ締め機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、ワッシャを有するねじを締結するねじ締め機において、前記ねじの頭部と嵌合可能なドライバビットと、前記ドライバビットを内包するスクリューガイドと、前記ドライバビットを回転駆動させる回転駆動源を備え、前記スクリューガイドの下端には、前記ワッシャの回転を規制する保持部材が装着されていることを特徴とする。なお、前記ワッシャの外径が非円形形状であり、前記保持部材は、ワッシャと嵌合するよう構成されていることが好ましい。また、前記保持部材は、割り締め部材によって固定されていることが好ましい。さらに、前記保持部材には、前記ねじの頭部を収容可能な頭部収容孔および前記ねじのワッシャと嵌合可能な嵌合凹部が形成され、頭部収容穴には、負圧発生手段が連続していることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明のねじ締め機によれば、保持部材がワッシャの回転を規制するため、締結箇所に関係なくワッシャを向きに揃えて締結可能等の利点がある。なお、保持部材が嵌合可能なワッシャに嵌合することにより、保持部材にねじが保持された後に当該ねじのワッシャがずれ動くことが防止できる等の利点もある。また、前記保持部材は、割り締め部材によって固定されているため、保持部材の向きを変更してもスクリューガイドに対する保持部材の高さが変更されず、なおかつ何れの向きを変更しても保持部材の固定が緩まない。このため、ワッシャを任意の向きで締結可能等の利点もある。さらに、前記保持部材には、負圧発生手段に連続する頭部収容孔および嵌合凹部が形成されているため、ねじを吸着保持できるとともに搬送途中でワッシャが位置ずれすることがない等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係るねじ締め機の構造を示す側面図である。
【
図2】本発明に係るねじ締め機の構造を示す要部拡大側面図であり、(a)は
図1のA部拡大図であり、(b)は
図1のA部拡大断面図である。
【
図3】本発明に係るねじ締め機の動作を示す要部拡大側面図であり、(c)は
図2の(a)の状態から次の状態に移行した状態を示すA部拡大図であり、(d)は(c)の状態から次の状態に移行した状態を示すA部拡大図である。
【
図4】本発明に係るねじ締め機の動作を示す要部拡大平面図であり、(e)は分離機構の構造を示す一部断面平面図であり、(f)は(e)の状態から次の状態に移行した状態を示す一部断面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
図1ないし
図4において10は、ねじSをワーク(図示せず)に締め付けるねじ締め機10である。このねじ締め機10は、昇降制御ユニット20と、この昇降制御ユニット20の駆動を受けて昇降するドライバユニット30と、このドライバユニット30にねじSを供給する供給ユニット40を備え、これらは、制御ユニット(図示せず)にその駆動が制御されている。なお、前記ねじSは、脚部に平面視四角形状のワッシャS1が装着された端子ねじであり、前記ワッシャS1には、屈曲部が上方に突き出すよう構成された側面視への字形状に構成されている。
【0010】
前記昇降制御ユニット20は、
図1に示すように鉛直方向に延びる固定プレート21を備えており、この固定プレート21の上下端部には、水平方向に延びる上板22および下板23が一体に固定されている。この上板22および下板23の間には、固定プレート21と平行に延びるガイドロッド24が設けられており、このガイドロッド24には、ドライバ台25が昇降自在に装着されている。また、前記上板22には、昇降駆動源の一例であるACサーボモータ26(以下、昇降モータ26という)が載置されており、この昇降モータ26の出力軸には、ボールねじ27が一体に回転可能に連結されている。このボールねじ27は、前記上板22および下板23の間に設けられており、このボールねじ27には、その回転によって昇降可能な前記ドライバ台25が連結されている。このドライバ台25には、前記ドライバユニット30が連結されている。このため、昇降モータ26の回転駆動により、前記ドライバ台25およびこれに連結されるドライバユニット30が昇降する。
【0011】
前記ドライバユニット30は、
図1に示すように前記ドライバ台25に連結されるモータ台31を有しており、このモータ台31上には、回転駆動源の一例であるACサーボモータ32(以下、締結モータ32という)がその出力軸を下方に向けるよう固定されている。この締結モータ32の出力軸には、軸継手を介してドライバビット33が連結されており、このドライバビット33の下端には、前記ねじSの頭部に形成された駆動孔と係合する係合部が形成されている。また、前記モータ台31の下方には、中空形状に構成されたガイドホルダ34が固定されており、このガイドホルダ34には、スクリューガイド35が吊下されている。このスクリューガイド35は、前記ドライバビット33を収容可能な略円筒形状に構成されており、ガイドホルダ34に対して上下方向への相対移動可能に構成されている。さらにスクリューガイド35の内部には、前記ガイドホルダ34との間で常時これらを離反する方向に付勢する付勢ばね36が収容されている。このため、スクリューガイド35は、付勢ばね36によって常時下方に付勢される一方、上方に向かって付勢されると付勢ばね36を撓ませながらドライバビット33に対して相対移動可能となる。
【0012】
また、このスクリューガイド35は、ドライバビット33を回転自在に収容する略中空円筒形状の吸着パイプ37有しており、この吸着パイプ37の下端には、前記ねじSを吸着保持する保持部材38が割り締め部材371によって固定されている。この保持部材38は、前記吸着パイプ37に連続する筒状部材であり、その下端開口部には、ねじSの頭部を収容可能な頭部収容孔381が形成されている。また、保持部材38の下面には、前記ねじSのワッシャS1と対称形状に構成された嵌合凹部382とを有する。このため、保持部材38がねじSを吸着保持した際、嵌合凹部382がワッシャS1の屈曲部と嵌合してワッシャS1を回り止め可能となる。
【0013】
また、スクリューガイド35には、外周から前記吸着パイプ37まで連続する通気孔が貫通形成されており、この通気孔には、ホース継手351が装着されている。このホース継手351には、外部の負圧発生手段の一例である真空ポンプ(図示せず)まで続く負圧ホース(図示せず)が接続されている。このため、真空ポンプが駆動すると、スクリューガイド35の内部が負圧となり、前記保持部材38の頭部収容孔381から吸気して、ねじSを吸着保持可能となる。
【0014】
前記供給ユニット40は、前方に向かうにつれて徐々に下がるよう傾斜した傾斜レール41を有しており、この傾斜レール41の上面には、前記ねじSを吊下可能な吊下溝42が形成されている。この吊下溝42は、前記ねじSのワッシャS1が嵌合可能な幅を有する広溝とねじSの脚部が遊嵌可能な幅を有する狭溝からなる段付形状に構成されており、ねじSは、広溝の底面にワッシャS1が当接した状態で吊下されている。この傾斜レール41上には、傾斜レール41と平行に伸びる押さえ部材43が設けられている。この押さえ部材43は、ねじSが傾斜レール41から外れないよう傾斜レール41に吊下されたねじSの頭部と若干の隙間を空けるように配されている。なお、傾斜レール41の上端には、ねじSをワッシャS1が同じ方向を向いた状態で当該傾斜レール41上に供給可能な整列装置(図示せず)が連続している。
【0015】
また、傾斜レール41の先端には、ねじ受け部材44が設けられている。このねじ受け部材44は、前記吊下溝42に連続する溝が形成されているおり、傾斜レール41と前記保持部材38との間で当該ねじ受け部材44を往復移動させる往復旋回機構45に支持されている。この往復旋回機構45は、前記傾斜レール41の下方に固定され、その駆動ロッド452が傾斜レール41と平行に伸びるエアシリンダ451を有しており、この駆動ロッド452は、クランクロッド453を介して前記ねじ受け部材44に連結されている。このクランクロッド453と、駆動ロッド452あるいは、ねじ受け部材44との連結部分には、左右方向に伸びる揺動軸4531,4532が設けられており、これらを角度変化自在に連結している。
【0016】
前記エアシリンダ451の駆動ロッド452と傾斜レール41との間には、前記傾斜レール41と平行に伸びる従動ロッド46が設けられている。この従動ロッド46は、駆動ロッド452との連結部品454を摺動自在に貫通しているとともに当該連結部品454を挟むように前側拡径部461および後側拡径部462を有している。この従動ロッド46の前側拡径部461と連結部品454との間には、これらを離反させる方向に付勢する圧縮ばね4611が設けられており、従動ロッド46は、連結部品454に前記後側拡径部462を当接させた状態で前記駆動ロッド452に常時従動している。この従動ロッド46の前記前側拡径部461より前方側には、前記傾斜レール41に固定された保持パイプ463が設けられており、従動ロッド46は、この保持パイプ463を軸方向摺動自在に貫通している。このため、従動ロッド46は、前側拡径部461が保持パイプ463に当接するまで駆動ロッド452に従動する一方、保持パイプ463と前側拡径部461が当接することにより前進を停止する。また、前記従動ロッド46の前端部には、前記ねじ受け部材44に連結されており、この従動ロッド46とねじ受け部材44との接続部分には、左右方向に伸びる連結軸464が設けられている。このため、従動ロッド46とねじ受け部材44とを角度変化自在に連結している。このため、前記ねじ受け部材44は、前側拡径部461が保持パイプ463に当接するまでは、
図2の(a)および
図3の(c)に示すように傾斜レール41と平行方向に前進する往復直進運動を行う一方、保持パイプ463と前側拡径部461が当接した後、前記駆動ロッド452およびクランクロッド453が前進することにより、
図3の(d)に示すように従動ロッド46との連結軸464を中心に旋回して吊下したねじSを保持部材38の直下に搬送する。
【0017】
さらに、前記傾斜レール41には、吊下保持するねじSを一本ずつ分離する分離機構47が設けられている。この分離機構47は、傾斜レール41と直交方向に往復駆動可能に構成された直交駆動源471を有しており、この直交駆動源471の駆動部には、傾斜レール41を左右から挟むよう配置された第一保持板472および第二保持板473を介して前記吊下溝42と直交方向に伸びる第一分離ピン474および第二分離ピン475が設けられている。この分離機構47の第一分離ピン474は、
図2の(b)に示すように傾斜レール41上最前に位置するねじSの脚部と当接可能に配置されている一方、第二分離ピン475は、傾斜レール41上前から二番目に位置するねじSの脚部と当接するよう配置されている。これら第一分離ピン474および第二分離ピン475は、直交駆動源471の駆動を受けて傾斜レール41と直交方向に往復移動した際、交互に前記吊下溝42と交差するよう所定の長さに構成されている。このため、前記傾斜レール41上のねじSは、第一分離ピン474および第二分離ピン475に交互にせき止められて一本ずつ分離されてねじ受け部材44に滑落する。
【0018】
前記制御部は、
図1に示すように供給ユニット40とドライバユニット30の両方に接続されており、それぞれの駆動源を所定のタイミングで駆動させるように構成されている。
【0019】
次に上記のように構成されたねじ締め機10の作用を説明する。
駆動信号が入力されると外部の部品供給装置がねじSを
図2の(b)に示すように屈曲部が横方向に伸びる向きで傾斜レール41に供給する。この時、前記吊下溝42には、第一分離ピン474が差し込まれているため、傾斜レール41上の先頭のねじSが
図4の(e)に示すように第一分離ピン474に当たり停止する。これにより、ねじSは、整列した状態で傾斜レール41上に滞留する。この状態で前記直交駆動源471が駆動すると、前記第一分離ピン474が吊下溝42から脱却するため、先頭のねじSは、傾斜レール41を滑落して
図2の(a)に示すように傾斜レール41に連続する位置で待機する前記ねじ受け部材44に供給される。この時、
図4の(f)に示すように第一分離ピン474が吊下溝42から脱却して先頭のねじSが滑落し始めるより前に先頭のねじSと次段のねじSとの間に第二分離ピン475が差し込まれる。これにより、次段のねじSは、第二分離ピン475と当接して停止するため、先頭のねじSと次段のねじSが分離される。その後、直交駆動源471が複動することにより、第二分離ピン475が吊下溝42から脱却するとともに第一分離ピン474が吊下溝42に差し込まれるため、次段のねじSは、前段のねじSと同様に第一分離ピン474に停止した状態で停止する。
【0020】
上述のように先頭のねじSがねじ受け部材44まで滑落すると、前記往復旋回機構45のエアシリンダ451が駆動ロッド452を伸張させてねじ受け部材44を前進させる。これにより、
図3の(c)に示すように前記従動ロッド46の前側拡径部461が保持パイプ463と当接すると、従動ロッド46は、前進を停止する。その後、駆動ロッド452から付勢を受けたねじ受け部材44が前記連結軸464を中心に旋回するため、
図4の(f)に示すようにねじ受け部材44に保持されたねじSは前記保持部材38の直下に到達する。
図3の(d)に示すようにねじ受け部材44が前記保持部材38の直下に到達すると、制御部は、前記真空ポンプが駆動させてスクリューガイド35の下端から吸気する。これにより、ねじSが保持部材38に吸着保持される。この時、前記嵌合凹部382がワッシャS1と対称形状に構成されており、保持部材38とワッシャS1との間に隙間が生じず気密性が保持されるため、ねじSの脱落が防止される。また、保持部材38の嵌合凹部382が三角形状であるため、ねじSがねじ受け部材44上で若干位置ずれしていても、当該ねじSは、嵌合凹部382の斜面に従い位置補正され、円滑に嵌合できる。
【0021】
上述のようにねじSが吸着保持されると、制御部は、前記エアシリンダ451が駆動ロッド452を収縮させてスクリューガイド35の下方からねじ受け部材44を退去させる。制御部は、
図2の(a)に示すようにねじ受け部材44が退去後、前記昇降モータ26が駆動してドライバユニット30をワーク(図示せず)に向けて高速下降させる。この時、前述のようにワッシャS1が保持部材38と嵌合しているため、下降時の振動等によって回転したり位置ずれしたりすることが防止される。なお、エアシリンダ451が駆動ロッド452を収縮させたことによってねじ受け部材44が再度傾斜レール41に連続すると、制御部は、前記直交駆動源471を駆動させて次段のねじSを前段のねじSと同様にねじ受け部材44まで供給する。
【0022】
上述のように下降するねじSの先端がワークに当接する直前、制御部は、前記昇降モータ26の駆動の駆動を低速に切替えるとともに前記締結モータ32を駆動させてドライバビット33を回転させる。その後、低速で下降したねじSがワークに当接して停止する。これにより、ねじSと接触しているスクリューガイド35も停止するため、昇降モータ26の駆動を受けて下降する前記ドライバビット33のみがスクリューガイド35の内部を相対移動する。このため、ドライバビット33は、前記スクリューガイド35内でねじSの頭部と係合するとともに当該ねじSをワークに締結する。このようにねじSがドライバビット33一体に回転してもワッシャS1は保持部材38と嵌合しているため、共周りすることなく所定の角度を維持できる。その後、前記締結モータ32が所定の締結トルクを出力すると、制御部は、締結モータ32を停止させるとともに前記昇降モータ26を逆駆動させて当初高さまで復帰する。
【0023】
また、本願発明は、前述のように保持部材38と吸着パイプ37と割り締め部材371によって固定されている。このため、保持部材38と吸着パイプ37を螺合させることによって保持部材38を固定する方法と異なり保持部材38の角度を変更しても保持部材38が吸着パイプ37に対する相対高さが変化せず、なおかつ向きを変更しても保持部材38の固定が緩むこともないという利点がある。このため、保持部材38を段替えしたり、交換したりする際、保持部材38の向き調整が容易となり、作業性が向上する等の利点を有する。
【0024】
なお、本発明に係るねじ締め機10は、前述したものに限定するものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、前記保持部材38の嵌合凹部382は、ワッシャS1の形状に合わせて適宜変更されることが好ましく、三角形状以外の非円形形状であっても良い。
【符号の説明】
【0025】
10 … ねじ締め機
20 … 昇降制御ユニット
30 … ドライバユニット
33 … ドライバビット
35 … スクリューガイド
351… ホース継手
371… 割り締め部材
38 … 保持部材
381… 頭部収容孔
382… 嵌合凹部
40 … 供給ユニット
41 … 傾斜レール
43 … 押さえ部材
44 … ねじ受け部材
45 … 往復旋回機構
47 … 分離機構
S … ねじ
S1… ワッシャ