(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132418
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ポリウレタン樹脂の水分散体、及びコーティング剤
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20240920BHJP
C08G 18/12 20060101ALI20240920BHJP
C08G 18/08 20060101ALI20240920BHJP
C08G 18/44 20060101ALI20240920BHJP
C08G 18/48 20060101ALI20240920BHJP
C08G 18/75 20060101ALI20240920BHJP
C09D 5/02 20060101ALI20240920BHJP
C09D 175/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C08G18/00 C
C08G18/12
C08G18/08 019
C08G18/44
C08G18/48 033
C08G18/75
C09D5/02
C09D175/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043168
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003506
【氏名又は名称】第一工業製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 卓真
【テーマコード(参考)】
4J034
4J038
【Fターム(参考)】
4J034BA08
4J034CA04
4J034CA16
4J034CA22
4J034DA01
4J034DB04
4J034DB07
4J034DF02
4J034DG03
4J034HA01
4J034HA07
4J034HB07
4J034HB08
4J034HC06
4J034HC22
4J034HC26
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034JA42
4J034QB14
4J034QB17
4J034QB19
4J034QC05
4J034RA07
4J038DG051
4J038DG062
4J038DG121
4J038DG131
4J038DG261
4J038DG272
4J038DG282
4J038GA06
4J038HA176
4J038JB01
4J038KA02
4J038MA08
4J038MA10
4J038NA04
4J038NA09
(57)【要約】
【課題】自己修復性及び耐溶剤性を改善し、タックを抑制することができるポリウレタン樹脂の水分散体を提供する。
【解決手段】実施形態に係るポリウレタン樹脂の水分散体は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)に由来する部分と、鎖伸長剤(B)に由来する部分とを有するポリウレタン樹脂の水分散体である。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、(A1)炭素数5のジオール由来の構成成分と炭素数6のジオール由来の構成成分とを含む数平均分子量300~2500のポリカーボネートジオール、(A2)数平均分子量500~2500のポリエチレングリコール、(A3)カルボキシ基含有ポリオール、及び、(A4)脂環式ポリイソシアネート、を構成成分として含む。ポリカーボネートジオール100質量部に対するポリエチレングリコールの量は5~30質量部である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)に由来する部分と、鎖伸長剤(B)に由来する部分とを有するポリウレタン樹脂の水分散体であって、
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、
(A1)炭素数5のジオール由来の構成成分と炭素数6のジオール由来の構成成分とを含む、数平均分子量300~2500のポリカーボネートジオール、
(A2)数平均分子量500~2500のポリエチレングリコール、
(A3)カルボキシ基含有ポリオール、及び、
(A4)脂環式ポリイソシアネート
を構成成分として含み、前記ポリカーボネートジオール100質量部に対する前記ポリエチレングリコールの量が5~30質量部である、
ポリウレタン樹脂の水分散体。
【請求項2】
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基とヒドロキシ基の当量比NCO/OHを1.02~1.50として反応させてなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
【請求項3】
酸価が15~40mgKOH/gである、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
【請求項4】
前記鎖伸長剤(B)がトリアミンを含む、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
【請求項5】
前記脂環式ポリイソシアネートが水添ジフェニルメタンジイソシアネートを含む、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂の水分散体を含む、コーティング剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ポリウレタン樹脂の水分散体、及び、それを含むコーティング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン樹脂の水分散体は、例えば、航空機や自動車等の内外装用、住宅の外壁面や床材用などの各種コーティング剤の原料として広く利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ウレタンプレポリマーと鎖伸長剤とを反応させて得られるポリウレタン樹脂の水分散体において、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量を2000~30000とし、ポリウレタン樹脂の架橋度を0.03~0.15mol/kgとし、ポリウレタン樹脂のウレア量を0.5mol/kg以下としたものが開示されている。具体的に、特許文献1には、ウレタンプレポリマーの構成成分としてポリカーボネートジオール、カルボキシ基含有ポリオール、及び脂環式ポリイソシアネートを用い、該ウレタンプレポリマーをアミン鎖伸長剤と反応させてなるポリウレタン樹脂の水分散体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1によれば、自己修復性が良好で、タックが抑制され、かつ耐溶剤性が良好な塗膜を形成することができるポリウレタン樹脂の水分散体が得られる。しかしながら、これらの性能に対する市場の要求はますます高くなっており、更なる改善が求められる。
【0006】
本発明の実施形態は、自己修復性及び耐溶剤性を改善し、タックを抑制することができるポリウレタン樹脂の水分散体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1] イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)に由来する部分と、鎖伸長剤(B)に由来する部分とを有するポリウレタン樹脂の水分散体であって、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、(A1)炭素数5のジオール由来の構成成分と炭素数6のジオール由来の構成成分とを含む、数平均分子量300~2500のポリカーボネートジオール、(A2)数平均分子量500~2500のポリエチレングリコール、(A3)カルボキシ基含有ポリオール、及び、(A4)脂環式ポリイソシアネートを構成成分として含み、前記ポリカーボネートジオール100質量部に対する前記ポリエチレングリコールの量が5~30質量部である、ポリウレタン樹脂の水分散体。
[2] 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基とヒドロキシ基の当量比NCO/OHを1.02~1.50として反応させてなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである、[1]に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
[3] 酸価が15~40mgKOH/gである、[1]又は[2]に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
[4] 前記鎖伸長剤(B)がトリアミンを含む、[1]~[3]のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
[5] 前記脂環式ポリイソシアネートが水添ジフェニルメタンジイソシアネートを含む、[1]~[4]のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
[6] [1]~[5]のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂の水分散体を含む、コーティング剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、自己修復性及び耐溶剤性に優れ、かつタックを抑制することができ、更に防汚性にも優れるポリウレタン樹脂の水分散体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係るポリウレタン樹脂の水分散体(以下、単に水分散体ということがある。)は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と鎖伸長剤(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂が水に分散したものである。そのため、該ポリウレタン樹脂はイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)に由来する部分と、鎖伸長剤(B)に由来する部分とを有する。
【0010】
[イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)]
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させて得られるものであり、本実施形態ではその構成成分として、(A1)ポリカーボネートジオール、(A2)ポリエチレングリコール、(A3)カルボキシ基含有ポリオール、及び(A4)脂環式ポリイソシアネートを含む。従って、ポリオール成分は、(A1)ポリカーボネートジオール、(A2)ポリエチレングリコール、及び(A3)カルボキシ基含有ポリオールを含み、ポリイソシアネート成分は、(A4)脂環式ポリイソシアネートを含む。
【0011】
[(A1)ポリカーボネートジオール]
ポリカーボネートジオールは、分子内にカーボネート基(-O-(C=O)-O-)を含む繰り返し単位を持ち、両末端にヒドロキシ基を持つポリオールである。本実施形態では、ポリカーボネートジオールとして、炭素数5のジオール由来の構成成分と炭素数6のジオール由来の構成成分とを含むものが用いられる。
【0012】
ポリカーボネートジオールとしては、例えば、炭酸エステル及び/又はホスゲンと、ジオールとを反応させて得られるものであって、該ジオールとして炭素数5のジオールと炭素数6のジオールとを併用した共重合体が用いられる。
【0013】
炭素数5のジオールとしては、炭素数5のアルカンジオールが好ましく、直鎖状でも分岐状でもよい。具体例としては、1,5-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール等が挙げられ、これらはいずれか1種用いても2種以上併用してもよい。好ましくは1,5-ペンタンジオールである。
【0014】
炭素数6のジオールとしては、炭素数6のアルカンジオールが好ましく、直鎖状でも分岐状でもよい。具体例としては、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール等が挙げられ、これらはいずれか1種用いても2種以上併用してもよい。好ましくは1,6-ヘキサンジオールである。
【0015】
上記炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート等が挙げられ、これらはいずれか1種用いても2種以上併用してもよい。
【0016】
なお、実施形態に係るポリカーボネートジオールとしては、一般にポリカーボネートジオールであると当業者が認識する限りにおいて、その骨格内に炭素数5のジオール由来の構成成分及び炭素数6のジオール由来の構成成分以外の構成成分を含むものであってもよい。
【0017】
一実施形態においてポリカーボネートジオールとしては、下記一般式(1)で表されるものが用いられてもよい。
【化1】
式中、R
1は、炭素数5の2価の炭化水素基(好ましくはアルカンジイル基、より好ましくはペンタメチレン基)を表し、炭素数5のジオール由来の構造成分である。R
2は、炭素数6の2価の炭化水素基(好ましくはアルカンジイル基、より好ましくはヘキサメチレン基)を表し、炭素数6のジオール由来の構造成分である。R
3は、R
1又はR
2を表す。m,nは1以上の整数を表す。共重合体における単量体の配列様式は特に限定されいない。
【0018】
ポリカーボネートジオールとしては、1,6-ヘキサンジオールと1,5-ペンタンジオールを炭酸エステル及び/又はホスゲンと反応させて得られるジオール、即ちポリ(ヘキサメチレンカーボネート/ペンタメチレンカーボネート)ジオールが好ましく用いられる。
【0019】
炭素数5のジオール由来の構成成分と炭素数6のジオール由来の構成成分とのモル比(上記式(1)におけるm/n)は、特に限定されず、75/25~25/75でもよく、65/35~35/65でもよい。
【0020】
ポリカーボネートジオールの数平均分子量(Mn)は、自己修復性、タックの抑制及び耐溶剤性の観点から、300~2500であり、好ましくは400~2200であり、より好ましくは500~2000であり、更に好ましくは700~1500である。
【0021】
本明細書において、数平均分子量(Mn)は、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)により測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて算出した値である。詳細には、GPCの条件として、カラム:東ソー(株)製「TSKgelG4000HXL+TSKgel G3000HXL+TSKgel G2000HXL+TSKgel G1000HXL+TSKgel G1000HXL」、移動相:THF(テトラヒドロフラン)、移動相流量:1.0mL/min、カラム温度:40℃、試料注入量:50μL、試料濃度:0.2質量%として測定することができる。
【0022】
[(A2)ポリエチレングリコール]
本実施形態では、ポリオール成分として、上記ポリカーボネートジオールとともにポリエチレングリコールが用いられる。ポリエチレングリコールを用いることにより防汚性と耐溶剤性を向上することができる。
【0023】
ポリエチレングリコールとしては、自己修復性、タックの抑制、耐溶剤性及び防汚性の観点から、数平均分子量が500~2500であるものが用いられる。ポリエチレングリコールの数平均分子量は600~2300であることが好ましく、より好ましくは700~2000であり、更に好ましくは800~1800である。
【0024】
[(A3)カルボキシ基含有ポリオール]
本実施形態では、ポリオール成分として、更にカルボキシ基含有ポリオールが用いられる。カルボキシ基含有ポリオールを用いることにより、ポリウレタン樹脂に酸価を持たせることができる。
【0025】
カルボキシ基含有ポリオールは、分子内にカルボキシ基を有するポリオールであり、例えば、ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロール吉草酸、ジヒドロキシマレイン酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸等のカルボン酸含有化合物及びこれらの誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。これらはいずれか1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
ここで、カルボキシ基は、酸型(-COOH)だけでなく、塩型、即ちカルボン酸塩基(-COOX。X:カルボン酸と塩を形成する陽イオン)も含む概念であり、酸型と塩型が混在してもよい。該カルボキシ基は中和して塩にすることにより、最終的に得られるポリウレタン樹脂を水分散性にすることができる。そのため、ポリウレタン樹脂の水分散体において、カルボキシ基は塩型として存在する。塩型の種類は、後述する中和剤の種類に応じて異なり、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩でもよく、トリエチルアミン塩等の三級アミン塩でもよく、アンモニウム塩でもよい。
【0027】
[(A4)脂環式ポリイソシアネート]
本実施形態では、ポリイソシアネート成分として脂環式ポリイソシアネートが用いられる。脂環式ポリイソシアネートを用いることにより、ポリウレタン樹脂に適度な剛性を持たせることができ、タックを抑制しつつ自己修復性を改善することができる。また、芳香族ポリイソシアネートを用いた場合のようなポリウレタン樹脂の黄変を抑制することができる。
【0028】
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、並びにこれらの変性体および多核体が挙げられる。変性体としては、例えば、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、アダクト変性体、カルボジイミド変性体などが挙げられる。これらの脂環式ポリイソシアネートは、いずれか1種用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0029】
脂環式ポリイソシアネートとしては、これらのなかでも水添MDIが好ましい。水添MDIは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を水素添加したものであり、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネートが挙げられる。
【0030】
[ポリオール成分]
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を構成するポリオール成分において、(A1)ポリカーボネートジオール100質量部に対する(A2)ポリエチレングリコールの量は5~30質量部である。(A2)ポリエチレングリコールの量が5質量部以上であることにより、防汚性と耐溶剤性を向上することができる。また、(A2)ポリエチレングリコールの量が30質量部以下であることにより、タックを抑制し、耐溶剤性及び自己修復性を向上することができる。(A1)ポリカーボネートジオール100質量部に対する(A2)ポリエチレングリコールの量は、6~28質量部であることが好ましく、より好ましくは8~25質量部であり、更に好ましくは10~20質量部である。
【0031】
該ポリオール成分100質量%における、(A1)ポリカーボネートジオールの量は、特に限定されないが、65~95質量%であることが好ましく、より好ましくは70~93質量%であり、更に好ましくは75~90質量%である。
【0032】
該ポリオール成分100質量%における、(A2)ポリエチレングリコールの量は、特に限定されないが、4.7~25質量%であることが好ましく、より好ましくは5~20質量%であり、更に好ましくは6~15質量%である。
【0033】
該ポリオール成分100質量%における、(A3)カルボキシ基含有ポリオールの量は、特に限定されず、例えば、0.3~20質量%でもよく、2~15質量%でもよく、4~10質量%でもよい。
【0034】
ここで、該ポリオール成分を構成する各成分の量について、その基準とする上記ポリオール成分100質量%は、(A3)カルボキシ基含有ポリオールのカルボキシ基を酸型として計算される。(A3)カルボキシ基含有ポリオールの量についても酸型としての量である。
【0035】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を構成するポリオール成分は、基本的には、上記の(A1)ポリカーボネートジオール、(A2)ポリエチレングリコール、及び(A3)カルボキシ基含有ポリオールのみで構成されるが、本実施形態の効果が奏される範囲で他のポリオールを含んでもよい。上記ポリオール成分100質量%における、(A1)ポリカーボネートジオール、(A2)ポリエチレングリコール及び(A3)カルボキシ基含有ポリオールの合計量は、85質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。
【0036】
他のポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール以外のポリエーテルポリオールが挙げられる。他のポリオールとしては、また、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールA等の低分子量のポリオールが挙げられる。
【0037】
[ポリイソシアネート成分]
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を構成するポリイソシアネート成分は、基本的には、上記の(A4)脂環式ポリイソシアネートのみで構成されるが、本実施形態の効果が奏される範囲で他のポリイソシアネートを含んでもよい。上記ポリイソシアネート成分100質量%における(A4)脂環式ポリイソシアネートの量は、85質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。
【0038】
他のポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、等の脂肪族ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5-ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0039】
[NCO/OH]
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基とヒドロキシ基の当量比NCO/OH(インデックス)を1.02~1.50として反応させてなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであることが好ましい。NCO/OHは、より好ましくは1.05~1.35であり、更に好ましくは1.08~1.25であり、更に好ましくは1.10~1.20である。
【0040】
ここで、NCO/OHは、ポリオール成分に含まれるヒドロキシ基に対する、ポリイソシアネート成分に含まれるイソシアネート基のモル比である。NCO/OHは、ポリオール成分の水酸基価とポリイソシアネート成分のイソシアネート価を用いて算出される。イソシアネート価は、JIS K1603-1:2007のA法に準拠して測定されるイソシアネート含有率を用いて、イソシアネート価={(イソシアネート含有率)×56110}/(42.02×100)により算出される。
【0041】
[鎖伸長剤(B)]
鎖伸長剤(B)としては、例えば、ジアミン、トリアミン、テトラミン等が挙げられる。ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ピペラジン、イソホロンジアミン等が挙げられる。トリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン等が挙げられる。テトラミンとしては、例えば、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。これらの鎖伸長剤はいずれか1種用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0042】
鎖伸長剤(B)としては、自己修復性の向上効果により優れることから、3官能であるトリアミンを用いることが好ましく、より好ましくはジエチレントリアミンを用いることである。
【0043】
鎖伸長剤(B)の量は、特に限定されず、例えば、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.1~3.0質量部でもよく、0.2~2.5質量部でもよく、0.3~2.0質量部でもよく、0.4~1.5質量部でもよく、0.5~1.2質量部でもよい。
【0044】
[ポリウレタン樹脂の水分散体]
ポリウレタン樹脂の水分散体は、(A1)ポリカーボネートジオール、(A2)ポリエチレングリコール、(A3)カルボキシ基含有ポリオールを含むポリオール成分と、(A4)脂環式ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分とを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を、鎖伸長剤(B)と反応させて得られるものである。
【0045】
該ポリウレタン樹脂は、酸価が15~40mgKOH/gであることが好ましい。酸価が15mgKOH/g以上であることにより、タックの抑制効果及び耐溶剤性が向上する傾向がある。酸価が40mgKOH/g以下であることにより、防汚性及び自己修復性が向上する傾向がある。ポリウレタン樹脂の酸価は、より好ましくは17~30mgKOH/gであり、更に好ましくは18~25mgKOH/gである。ポリウレタン樹脂の酸価は、例えば(A3)カルボキシ基含有ポリオールの種類及び量により調整することができる。
【0046】
本明細書において、酸価は、JIS K0070-1992に準拠して、ポリウレタン樹脂の水分散体の固形分(即ち、ポリウレタン樹脂)1g中に含まれる遊離カルボキシ基を中和するのに要するKOH量(mg)より求めることができる。
【0047】
該ポリウレタン樹脂の数平均分子量(Mn)は、特に限定されず、例えば10,000以上でもよく、50,000以上でもよい。該ポリウレタン樹脂の水分散体の平均粒子径は、特に限定されず、例えば0.0005~0.5μmでもよい。ここで、平均粒子径は、日機装(株)製「Microtrac UPA-UZ152」を用いて測定される50%累積の粒子径(d50)である。
【0048】
ポリウレタン樹脂の水分散体の製造方法は、特に限定されない。例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を得て、該ウレタンプレポリマー(A)を中和剤により中和し、水中に乳化分散させた後、該ウレタンプレポリマー(A)と鎖伸長剤(B)を反応させる方法が挙げられる。
【0049】
詳細には、上記ポリオール成分と上記ポリイソシアネート成分を、溶剤なしに又は活性水素基を有しない有機溶媒中で反応させて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を合成する。その際、NCO/OHを上記のように設定する。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成後、カルボキシ基を中和剤により中和してから、水中に乳化分散させる。その後、残存するイソシアネート基より少ない当量(例えば、イソシアネート基と鎖伸長剤(B)の活性水素基との当量比1:0.50~0.95)にて鎖伸長剤(B)を加えて、乳化ミセル中のイソシアネート基と鎖伸長剤(B)とを界面重合反応させてウレア結合を生成させる。その後、必要に応じて使用した溶剤を除去することにより、ポリウレタン樹脂の水分散体を得ることができる。
【0050】
中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類、アンモニア等の揮発性塩基等が挙げられる。中和は、ウレタン化反応前、反応中、又は反応後の何れにおいても行うことができる。
【0051】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成において任意に用いられる有機溶媒としては、イソシアネート基と不活性で、かつ、生成するウレタンプレポリマー(A)を溶解し得る有機溶剤が挙げられる。そのような有機溶剤としては、例えば、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N-メチル-2-ピロリドン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0052】
ポリウレタン樹脂の水分散体は、水と、水中に分散したポリウレタン樹脂とを含むが、本実施形態の効果が奏される限り、他の成分を含んでもよく、例えば、分散媒として、水とともに上記有機溶媒を含んでもよい。該水分散体において、ポリウレタン樹脂の濃度は特に限定されず、例えば10~50質量%でもよく、20~45質量%でもよい。
【0053】
[コーティング剤]
本実施形態に係るコーティング剤は、上記ポリウレタン樹脂の水分散体を含むものであり、従って、水と、水中に分散したポリウレタン樹脂とを含む。
【0054】
コーティング剤には、他の水性樹脂が上記ポリウレタン樹脂とともに含まれてもよい。他の水性樹脂としては、水溶性又は水分散性のアクリル樹脂、水溶性又は水分散性のポリエステル系樹脂、水溶性又は水分散性のアルキド系樹脂、水溶性又は水分散性のセルロース系樹脂等が挙げられる。
【0055】
コーティング剤には、また、本実施形態の効果が奏される限り、一般的に使用される各種添加剤を使用することができる。このような添加剤としては、例えば、耐候剤、抗菌剤、抗カビ剤、充填材、防錆剤、顔料、染料、造膜助剤、無機架橋剤、有機架橋剤(例えばブロックドイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メラミン系架橋剤)、シランカップリング剤、ブロッキング防止剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤、分散安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
【実施例0056】
以下、実施例および比較例に基づいて、より詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0057】
実施例で使用した各成分の詳細は以下のとおりである。
【0058】
[(A1)ポリカーボネートジオール]
・ポリカーボネートジオール1:旭化成株式会社製「DURANOL T5651」(数平均分子量:1000。ジオール成分として1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオールを使用。繰り返し単位:ペンタメチレンカーボネート/ヘキサメチレンカーボネート=1/1(モル比))
【0059】
・ポリカーボネートジオール2:UBE株式会社製「ETERNACOLL PH-50」(数平均分子量500。ジオール成分として1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオールを使用。)
【0060】
・ポリカーボネートジオール3:旭化成株式会社製「DURANOL T5652」(数平均分子量:2000。ジオール成分として1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオールを使用。繰り返し単位:ペンタメチレンカーボネート/ヘキサメチレンカーボネート=1/1(モル比))
【0061】
・ポリカーボネートジオールC1:UBE株式会社製「ETERNACOLL UP-200」(数平均分子量:2000。ジオール成分として1,5-ペンタンジオールのみ使用。)
【0062】
・ポリカーボネートジオールC2:UBE株式会社製「ETERNACOLL UH-200」(数平均分子量:2000。ジオール成分として1,6-ヘキサンジオールのみ使用。)
【0063】
・ポリカーボネートジオールC3:UBE株式会社製「ETERNACOLL PH-300」(数平均分子量:3000。ジオール成分として1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオールを使用。)
【0064】
[(A2)ポリエチレングリコール]
・ポリエチレングリコール1:三洋化成工業株式会社製「PEG-1000」(数平均分子量:1000)
・ポリエチレングリコール2:三洋化成工業株式会社製「PEG-2000」(数平均分子量:2000)
・ポリエチレングリコールC1:三洋化成工業株式会社製「PEG-3000」(数平均分子量:3000)
・ポリエチレングリコールC2:三洋化成工業株式会社製「PEG-300」(数平均分子量:300)
【0065】
[(A3)カルボキシ基含有ポリオール]
・ジメチロールプロピオン酸:Perstorp社製「Bis-MPA」
【0066】
[ポリイソシアネート成分]
・水添MDI:ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート
・MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
・HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
【0067】
<ポリウレタン樹脂の水分散体の合成>
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、57.0質量部のポリカーボネートジオール1、8.0質量部のポリエチレングリコール1、5.0質量部のジメチロールプロピオン酸(DMPA)、及び100質量部のメチルエチルケトンを加え十分に攪拌溶解し、次いで水添MDIを30.0質量部加え、固形分に対する遊離イソシアネート基の含有量が1.0質量%になるまで75℃で反応させて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このプレポリマー溶液を45℃まで冷却し、中和剤としてトリエチルアミン3.8質量部を加えることにより中和した後、ホモミキサーを用いて攪拌しながら蒸留水300質量部を添加して乳化分散させた。続いて、ジエチレントリアミン0.7質量部を添加し、鎖伸長反応を30℃で30分間行った。これを加熱減圧下、メチルエチルケトンを留去して、固形分25質量%のポリウレタン樹脂の水分散体を得た。得られたポリウレタン樹脂は、酸価が21.0mgKOH/gであった。
【0068】
[実施例2~13及び比較例1~10]
各原料の種類と仕込み量を下記表1,2に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様に合成を行い、各ポリウレタン樹脂の水分散体を得た。表中の「配合比(A2)/(A1)」は、(A1)ポリカーボネートジオール100質量部に対する(A2)ポリエチレングリコールの質量部を示す。
【0069】
<ポリウレタン樹脂の水分散体の評価>
[コーティング層の作製]
ポリウレタン樹脂の水分散体をポリエチレンテレフタレート基材(東レ株式会社製PET、型番:#100 T60)上に膜厚が約20μmになるように塗布し、80℃で10分乾燥することによりコーティング層を作製した。
【0070】
[防汚性]耐指紋性試験
コーティング層表面に人差し指を押し付けて3秒間保持した後、静かに指を離し指紋を付着させた。付着した指紋を不織布(旭化成(株)製「ベンコットM-311」)で一方向に往復して指紋を拭き取った。拭き取り後の状態を三波長発光形蛍光灯下で塗膜の斜め45°上から目視観察し、指紋が目視できなくなるまでの往復回数を以下の3段階で評価した。
〇:5往復未満で指紋を拭き取ることができた。
△:5往復以上8往復未満で指紋を拭き取ることができた。
×:指紋の拭き取りに8往復以上が必要であった。
【0071】
[タックの抑制]
コーティング面同士を1kg荷重で貼り合わせ、剥離する際のコーティング面の状態を目視にて観察し、タックの抑制効果を評価した。コーティング面同士が接着しない場合を「〇」(優)とし、貼り付けた面積の50%未満が接着している場合は「△」(良)とし、貼り付けた面積の50%以上が接着している場合は「×」(不良)とした。
【0072】
[耐溶剤性]
コーティング層に対して、トルエンをしみ込ませたフェルトを用いて1kg荷重でラビング試験を10回行い、コーティング面の状態を目視で観察した。コーティング面が変化しない場合は「〇」とし、浸食されている場合は「△」、コーティング層が剥離した場合は「×」とした。
【0073】
[自己修復性]
コーティング面を500g荷重の真鍮ワイヤーブラシ(藤原産業株式会社製No.9)にて15往復こすり、コーティング面の傷のつき具合を目視にて観察した。評価は、室温23℃で行い、1分未満で傷が復元しているものを「〇」とし、復元に1分~30分かかるものを「△」とし、30分たっても復元しない場合は「×」とした。
【0074】
【0075】
【0076】
結果は表1,2に示すとおりである。比較例1は、ジオール成分が炭素数5のジオールのみで構成されたポリカーボネートジオールを用いた例である。比較例2は、ジオール成分が炭素数6のジオールのみで構成されたポリカーボネートジオールを用いた例である。比較例3は、ジオール成分が炭素数5と炭素数6の併用ではあるがMnが規定よりも大きいポリカーボネートジオールを用いた例である。これらの比較例では、防汚性、タックの抑制、耐溶剤性及び自己修復性のいずれか1つ以上が不良であった。
【0077】
比較例4は、Mnが規定よりも大きいポリエチレングリコールを用いた例であり、コーティング層が軟らかすぎてタックの抑制及び自己修復性に劣り、耐溶剤性も不十分であった。比較例5は、Mnが規定よりも小さいポリエチレングリコールを用いた例であり、コーティング層が硬く自己修復性に劣っており、防汚性も不十分であった。
【0078】
比較例6,7は、ポリエチレングリコールを未使用又はその量が少ない例であり、防汚性及び耐溶剤性に劣っていた。比較例8は、ポリエチレングリコールの量が多すぎる例であり、タックの抑制、耐溶剤性及び自己修復性に劣っていた。
【0079】
比較例9は芳香族ポリイソシアネートを用いた例であり、コーティング層が硬すぎて自己修復性に劣っており、防汚性にも劣っていた。比較例10は脂肪族ポリイソシアネートを用いた例であり、コーティング層が軟らかすぎてタックの抑制に劣っており、防汚性、耐溶剤性及び自己修復性にも劣っていた。
【0080】
これに対し、実施例1~13であると、自己修復性、タックの抑制及び耐溶剤性に優れ、更に防汚性にも優れていた。実施例1と実施例6との対比により、鎖伸長剤としては2官能のイソホロンジアミンよりも3官能のジエチレントリアミンを用いた方が、タックの抑制及び自己修復性により優れていた。
【0081】
なお、明細書に記載の種々の数値範囲は、それぞれそれらの上限値と下限値を任意に組み合わせることができ、それら全ての組み合わせが好ましい数値範囲として本明細書に記載されているものとする。また、「X~Y」との数値範囲の記載は、X以上Y以下を意味する。
【0082】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基とヒドロキシ基の当量比NCO/OHを1.02~1.50として反応させてなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基とヒドロキシ基の当量比NCO/OHを1.02~1.50として反応させてなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の水分散体。