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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132430
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】車両用ブレーキランプ
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/44 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B60Q1/44 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043182
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】田古里 眞嘉
(72)【発明者】
【氏名】槌谷 裕志
(72)【発明者】
【氏名】忍田 圭
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA29
3K339BA09
3K339BA22
3K339CA13
3K339EA06
3K339GB26
3K339KA07
3K339MC53
3K339MC58
(57)【要約】
【課題】後続車両の離間距離に拘わらず制動時における縞状の点灯状況を後続車両の運転者に確実に認識させることができる車両用ブレーキランプを提供する。
【解決手段】車両用ブレーキランプは、複数の縞状発光領域15と、複数の非発光領域16と、を備える。縞状発光領域15は、帯状の複数の発光部13と非発光部14が交互に配列される。非発光領域16は、発光部がない。縞状発光領域15と非発光領域16は交互に配列される。非発光領域16の配列方向の延在幅w1は、縞状発光領域15内の非発光部14の配列方向の延在幅w2よりも広く設定される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後部に配置される車両用ブレーキランプであって、
帯状の複数の発光部と非発光部が交互に配列された複数の縞状発光領域と、
発光部のない複数の非発光領域と、を備え、
前記縞状発光領域と前記非発光領域が交互に配列されるとともに、前記非発光領域の配列方向の延在幅が、前記縞状発光領域内の前記非発光部の配列方向の延在幅よりも広く設定されていることを特徴とする車両用ブレーキランプ。
【請求項2】
前記発光部と前記非発光部の配列方向は、前記縞状発光領域と前記非発光領域の配列方向と同方向とされていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキランプ。
【請求項3】
車両の減速度を検出する減速度検出部と、
前記発光部の発光を制御する発光制御部と、をさらに備え、
前記発光制御部は、前記減速度検出部による検出値が規定値よりも小さいときに、一の前記縞状発光領域のみを発光させ、前記減速度検出部による検出値が前記規定値以上のときに、一の前記縞状発光領域と併せて他の前記縞状発光領域を発光させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ブレーキランプ。
【請求項4】
前記縞状発光領域は、車両の主ブレーキランプとは別に車両の上部に配置されるハイマウントストップランプであり、
前記発光制御部は、前記減速度検出部による検出値が規定値よりも小さいときに、車幅方向中央の一の前記縞状発光領域のみを発光させ、前記減速度検出部による検出値が規定値以上に増大すると、当該検出値の増大に応じて一の前記縞状発光領域に併せて車幅方向外側の他の前記縞状発光領域を順次発光させることを特徴とする請求項3に記載の車両用ブレーキランプ。
【請求項5】
前記発光制御部は、前記減速度検出部による検出値が規定値よりも小さいときには、前記減速度検出部による検出値が規定値以上のときよりも車幅方向中央の前記縞状発光領域の発光量を増大させることを特徴とする請求項4に記載の車両用ブレーキランプ。
【請求項6】
車幅方向中央の前記縞状発光領域は、その他の前記縞状発光領域よりも車幅方向の幅が広く設定されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用ブレーキランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後部に配置される車両用ブレーキランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の後部に配置されるブレーキランプはブレーキ装置の作動に連動して点灯する。これにより、後続車両に前方車両の制動状況を知らせることができる。ブレーキランプは、点灯状態を後続車両により明確に認識させることが重要となるため、このための各種の工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の車両用ブレーキランプは、発光面に帯状の高光度発光部と低光度発光部が交互に配置されている。これにより、ブレーキ装置の作動時(制動時)には、ブレーキランプが縞状に光って見え、後続車両の運転者にランプの点灯をより明確に認識させることができる。
一般に、踏切の遮断器等のコントラストのある縞模様は視認者の危険に対する警告意識を高めることができる。このため、縞状に点灯する上記のブレーキランプは、ブレーキ装置の作動時に後続車両の運転者により注意を換気させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-52977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の車両用ブレーキランプは、発光面の全体がほぼ均等な縞状に点灯して見える。このため、後続車両が一定距離以内に近接した場合には、発光面の縞状の点灯を後続車両の運転者が認識することができる。しかし、後続車両が一定距離よりも離れている場合には、発光面の点灯自体は視認できても、縞状の点灯状況までは認識することができない。このため、縞状の点灯によって視認者の警告意識を充分に高めることができず、この点の改善が望まれている。
【0006】
そこで本発明は、後続車両の離間距離に拘わらず制動時における縞状の点灯状況を後続車両の運転者に確実に認識させることができる車両用ブレーキランプを提供しようとするものである。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両用ブレーキランプは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車両用ブレーキランプは、車両の後部に配置される車両用ブレーキランプであって、帯状の複数の発光部(例えば、実施形態の発光部13)と非発光部(例えば、実施形態の非発光部14)が交互に配列された複数の縞状発光領域(例えば、実施形態の縞状発光領域15)と、発光部のない複数の非発光領域(例えば、実施形態の非発光領域16)と、を備え、前記縞状発光領域と前記非発光領域が交互に配列されるとともに、前記非発光領域の配列方向の延在幅(例えば、実施形態のw1)が、前記縞状発光領域内の前記非発光部の配列方向の延在幅(例えば、実施形態のw2)よりも広く設定されていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成を採用した場合、後続車両が離れている場合に複数の縞状発光領域の発光部が発光すると、後続車両の運転者からは、縞状発光領域と非発光領域が全体として縞状に点灯して見える。このため、後続車両が離れていても、車両用ブレーキランプを視認する後続車両の運転者の警告意識を充分に高めることができる。
また、後続車両が接近している場合に縞状発光領域の発光部が発光すると、縞状発光領域内の発光部と非発光部が後続車両の運転者から縞状に点灯して見える。このため、この場合も車両用ブレーキランプを視認する後続車両の運転者の警告意識を充分に高めることができる。
【0009】
前記発光部と前記非発光部の配列方向は、前記縞状発光領域と前記非発光領域の配列方向と同方向とすることが望ましい。
【0010】
この場合、縞状発光領域と非発光領域の配列方向と、各縞状発光領域内の発光部と非発光部の配列方向が一致しているため、後方から視認する視認者が違和感を感じることなく、制動時の警告意識を高めることができる。特に、前方車両の制動時に後続車両が次第に接近する状況では、縞状発光領域と非発光領域による全体の縞状の点灯視認から、発光部と非発光部による個別のセグメント(発光領域)内の縞状の点灯視認に違和感なく移ることができる。
【0011】
車両用ブレーキランプは、車両の減速度を検出する減速度検出部(例えば、実施形態の減速度検出部19)と、前記発光部の発光を制御する発光制御部(例えば、実施形態の発光制御部17)と、をさらに備え、前記発光制御部は、前記減速度検出部による検出値が規定値よりも小さいときに、一の前記縞状発光領域のみを発光させ、前記減速度検出部による検出値が前記規定値以上のときに、一の前記縞状発光領域と併せて他の前記縞状発光領域を発光させるようにしても良い。
【0012】
この場合、車両の減速度が小さい(検出値が規定値よりも小さい)ときには、一の縞状発光領域のみが発光するため、後続車両の運転者に必要以上の警告感を与えなくなる。
また、車両の減速度が大きい(検出値が規定値以上に大きい)ときには、一の縞状発光領域と併せて他の縞状発光領域も発光するため、後続車両が離れている状況でも後続車両の運転者に充分に警告感を与えることができる。
【0013】
前記縞状発光領域は、車両の主ブレーキランプとは別に車両の上部に配置されるハイマウントストップランプであり、前記発光制御部は、前記減速度検出部による検出値が前記規定値よりも小さいときに、車幅方向中央の一の前記縞状発光領域のみを発光させ、前記減速度検出部による検出値が前記規定値以上に増大すると、当該検出値の増大に応じて一の前記縞状発光領域に併せて車幅方向外側の他の前記縞状発光領域を順次発光させるようにしても良い。
【0014】
この場合、車両の減速度が小さい(検出値が規定値よりも小さい)ときには、車両上部中央の一の縞状発光領域のみが発光する。このため、後続車両の運転者は、通常のハイマウントストップランプとして縞状発光領域の発光を違和感なく認識することができる。
一方、車両の減速度が大きい(検出値が規定値以上に大きい)ときには、減速度の増大に応じて車両上部中央の縞状発光領域に加えて車幅方向外側の他の縞状発光領域が順次発光する。これにより、減速度の増大に応じて車両上部の発光領域(縞状発光領域)の発光が車幅方向の中央から外側に広がり、後続車両の運転者に危険な状況が迫っていることをより認識させることができる。
【0015】
前記発光制御部は、前記減速度検出部による検出値が規定値よりも小さいときには、前記減速度検出部による検出値が規定値以上のときよりも車幅方向中央の前記縞状発光領域の発光量を増大させるようにしても良い。
【0016】
この場合、車両の減速度が小さい(検出値が規定値よりも小さい)ときには、車両上部中央の縞状発光領域の発光量が増大し、その縞状発光領域内の帯状の発光部の周囲に光がより拡散するようになる。この結果、発光部と非発光部が縞状に認識されにくくなり、後続車両の運転者に必要以上の警告感を与えなくなる。
一方、車両の減速度が大きい(検出値が規定値以上に大きい)ときには、車両上部中央の縞状発光領域の発光量が減少し、その縞状発光領域内の発光部の周囲に光が拡散しにくくなる。この結果、発光部と非発光部が縞状に認識され易くなり、後続車両の運転者に充分に警告感を与えることが可能になる。このとき、車両上部中央の縞状発光領域の発光量が減少するが、他の縞状発光領域が併せて発光するため、後続車両が前方車両から離れている場合であっても、後続車両の運転者は前方車両の制動状況を確実に視認することができる。
【0017】
車幅方向中央の前記縞状発光領域は、その他の前記縞状発光領域よりも車幅方向の幅が広く設定されるようにしても良い。
【0018】
この場合、車両の減速度が小さい(検出値が規定値よりも小い)状況で車幅方向中央の縞状発光領域が単独で発光するときには、その縞状発光領域は他の縞状発光領域よりも車幅方向の幅が広いため、後続車両の運転者は縞状発光領域の発光を良好に認識することができる。
また、その他の縞状発光領域は、車幅方向の幅が車幅方向中央の縞状発光領域の車幅方向の幅よりも狭いため、限られたスペース内にその他の縞状発光領域を多数配置することができる。このため、後続車両の運転者は、縞状発光領域と非発光領域による縞模様をより認識し易くなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る車両用ブレーキランプは、縞状発光領域と非発光領域が交互に配列され、非発光領域の配列方向の延在幅が縞状発光領域内の非発光部の配列方向の延在幅よりも広く設定されている。このため、後続車両が離れている場合には、後続車両の運転者からは縞状発光領域と非発光領域が全体として縞状に発光して見え、後続車両が接近している場合には、後続車両の運転者からは縞状発光領域内の発光部と非発光部が縞状に発光して見える。
したがって、本発明に係る車両用ブレーキランプを採用した場合には、後続車両の離間距離に拘わらず制動時における縞状の点灯状況を後続車両の運転者に確実に認識させることができる。その結果、持続可能な輸送システムの発展に寄与することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態のブレーキランプを搭載した車両の後部の正面図。
図2図1のII部の拡大図。
図3図2のIII部の拡大図。
図4】実施形態のブレーキランプの作動状態を示す車両後部の正面図。
図5】実施形態のブレーキランプの作動状態を示すブレーキランプの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の適所には、車両の上方を指す矢印UPと、車両の左側方を指す矢印LHが記されている。
【0022】
図1は、本実施形態の車両1の後部の正面図である。
図1おいて、符号10は、本実施形態の車両用ブレーキランプ(以下、「ブレーキランプ10」と称する)であり、符号11は、車両1の後部に配置されたリヤガラスである。車両1の後部のリヤガラス11よりも下方側には、車幅方向(左右方向)に離間して一対の主ブレーキランプ12が配置されている。一対の主ブレーキランプ12は、車両1の後部の左右の対称位置に配置されている。ブレーキランプ10は、リヤガラス11の上方位置に車幅方向に略沿って長尺に延在している。本実施形態のブレーキランプ10は、主ブレーキランプ12よりも上方位置で点灯するハイマウントストップランプを構成している。
【0023】
図2は、図1のII部のブレーキランプ10の拡大図であり、図3は、図2のIII部の拡大図である。
ブレーキランプ10は、帯状の発光部13及び非発光部14を有する複数の縞状発光領域15と、発光部のない複数の非発光領域16と、を備えている。複数の縞状発光領域15と非発光領域16は、車幅方向に略沿って交互に配列されている。
【0024】
縞状発光領域15の発光部13と非発光部14は上下方向に長尺な帯状に形成されている。本実施形態の場合、発光部13と非発光部14の車幅方向の延在幅は同幅とされている。発光部13と非発光部14は、車幅方向に沿って交互に配列されている。各縞状発光領域15には、発光部13と非発光部14が複数(多数)配列されている。発光部13は、LED等の光源の光を車両後方側に向けて発光する。発光部13の光源は、発光制御部17(図1参照)によって制御される。
本実施形態の場合は、各縞状発光領域15の発光部13と非発光部14の配列方向は、縞状発光領域15と非発光領域16の配列方向(車幅方向に略沿う方向)と同方向とされている。
【0025】
発光制御部17の入力側には、図示しないブレーキ装置の作動を検知するブレーキ作動検知部18と、車両1の減速度を検出する減速度検出部19が接続されている。各縞状発光領域15の発光部13は、後に詳述するようにブレーキ装置の作動と車両1の減速度に応じて点灯する。なお、ブレーキ装置の作動には、運転者のブレーキ操作による作動と、電子制御ブレーキによる作動が含まれる。
【0026】
図1に示すように、複数の縞状発光領域15のうちの一つは車幅方向の中央に配置されている。以下、この車幅方向の中央に配置される縞状発光領域15は、他の縞状発光領域15と区別する場合には、「中央の縞状発光領域15C」と称するものとする。中央の縞状発光領域15Cは、図2に示すように、その他の縞状発光領域15よりも車幅方向の幅が広く設定され、帯状の発光部13の数もその他の縞状発光領域15よりも多く設定されている。
【0027】
非発光領域16の配列方向の延在幅w1(図2参照)は、各縞状発光領域15内の非発光部14の配列方向の延在幅w2(図3参照)よりも広く設定されている。このため、各縞状発光領域15内の複数の発光部13が発光するときには、発光する縞状発光領域15と発光しない非発光領域16が全体として縞状に点灯して見える。
【0028】
発光制御部17は、車両1の制動時に、縞状発光領域15の発光部13に対して以下の制御を行う。
発光制御部17は、ブレーキ作動検知部18からブレーキ作動信号が入力されると、減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいか否かを判定する。減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいときには、複数の縞状発光領域15のうちの一の縞状発光領域15のみを発光させ、減速度検出部19による検出値が規定値以上のときには、一の縞状発光領域15と併せて他の縞状発光領域15を発光させる。
【0029】
図4の(a),(b),(c)は、ブレーキランプ10の作動状態の一例を示す車両後部の正面図である。
より具体的に説明すると、減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいときには、発光制御部17は、図4(a)に示すように、中央の縞状発光領域15Cのみを発光させる。また、減速度検出部19による検出値が規定値以上に増大すると、発光制御部17は、図4(b),(c)に示すように、検出値の増大に応じて中央の縞状発光領域15Cに併せて車幅方向外側の他の縞状発光領域15を順次発光させる。つまり、減速度検出部19による検出値が増大する(車両の減速度が高まる)と、その増大に応じて発光する縞状発光領域15が車幅方向の外側に向かって増加する。
【0030】
また、発光制御部17は、車両の減速度に応じて中央の縞状発光領域15Cの発光量を変化させる。
図5の(a),(b),(c)は、ブレーキランプ10の作動状態を示すブレーキランプ10の正面図である。
発光制御部17は、減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいときには、減速度検出部19による検出値が規定値以上のときよりも中央の縞状発光領域15Cの発光量を増大させる。このため、図5(a)に示すように、減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さく、中央の縞状発光領域15Cが単独で発光するときには、中央の縞状発光領域15Cの発光量が増大する。また、図5(b),(c)に示すように、減速度検出部19による検出値が規定値よりも増大して他の縞状発光領域15が発光する状況では、中央の縞状発光領域15Cの発光量が減少する。
【0031】
なお、上記では減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいときに、中央の縞状発光領域15Cのみが発光する例について説明したが、減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいとき発光する縞状発光領域15はこれに限定されない。減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいときに、中央の縞状発光領域15C以外の他の一つの縞状発光領域15を発光するようにしても良い。
【0032】
以上のように、本実施形態のブレーキランプ10は、縞状発光領域15と非発光領域16が交互に配列され、非発光領域16の配列方向の延在幅w1が縞状発光領域15内の非発光部14の配列方向の延在幅w2よりも広く設定されている。このため、後続車両が離れている場合に複数の縞状発光領域15の発光部13が発光すると、後続車両の運転者からは、縞状発光領域15と非発光領域16が全体として縞状に点灯して見える。このため、後続車両が離れていても、ブレーキランプ10を視認する後続車両の運転者の警告意識を充分に高めることができる。
また、後続車両が接近している場合に縞状発光領域15の発光部13が発光すると、縞状発光領域15内の発光部13と非発光部14が後続車両の運転者から縞状に点灯して見える。このため、後続車両が接近している場合も、ブレーキランプ10を視認する後続車両の運転者の警告意識を充分に高めることができる。
したがって、本実施形態のブレーキランプ10を採用した場合には、後続車両の離間距離に拘わらず制動時における縞状の点灯状況を後続車両の運転者に確実に認識させることができ、持続可能な輸送システムの発展に寄与することができる。
【0033】
また、本実施形態のブレーキランプ10は、縞状発光領域15内の発光部13と非発光部14の配列方向が、縞状発光領域15と非発光領域16の配列方向と同方向とされている。このため、後方から視認する視認者が違和感を感じることなく、制動時の警告意識を高めることができる。
特に、前方車両の制動時に後続車両が次第に接近する状況では、縞状発光領域15と非発光領域16による全体の縞状の点灯視認から、発光部13と非発光部14による個別のセグメント(発光領域)内の縞状の点灯視認に違和感なく移ることができる。
【0034】
また、本実施形態のブレーキランプ10は、減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいときには、発光制御部17が一の縞状発光領域15のみを発光させ、減速度検出部19による検出値が規定値以上のときには、発光制御部17が一の縞状発光領域15と併せて他の縞状発光領域15を発光させる。このため、車両の減速度が小さい(検出値が規定値よりも小さい)ときには、後続車両の運転者に必要以上の警告感を与えなくなり、車両の減速度が大きい(検出値が規定値以上に大きい)ときには、後続車両が離れている状況でも後続車両の運転者に充分に警告感を与えることができる。
【0035】
また、本実施形態のブレーキランプ10は、車両の主ブレーキランプ12とは別に車両の上部に配置されるハイマウントストップランプとして構成されている。そして、減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいときには、発光制御部17が中央の縞状発光領域15のみを発光させる。また、減速度検出部19による検出値が規定値以上に増大すると、発光制御部17が当該検出値の増大に応じて中央の縞状発光領域15Cに併せて車幅方向外側の他の縞状発光領域を15順次発光させる。このため、車両1の減速度が小さい(検出値が規定値よりも小さい)ときには、中央の縞状発光領域15Cのみが発光し、後続車両の運転者が通常のハイマウントストップランプとして中央の縞状発光領域15Cの発光を違和感なく認識することができる。
また、車両1の減速度が大きい(検出値が規定値以上に大きい)ときには、減速度の増大に応じて中央の縞状発光領域15Cに加えて車幅方向外側の他の縞状発光領域15が順次発光することにより、後続車両の運転者に危険な状況が迫っていることをより認識させることができる。
【0036】
さらに、本実施形態のブレーキランプ10は、減速度検出部19による検出値が規定値よりも小さいときには、検出値が規定値以上のときよりも中央の縞状発光領域15Cの発光量が増大するように、発光制御部17が中央の縞状発光領域15Cの発光量を制御する。このため、車両1の減速度が小さい(検出値が規定値よりも小さい)ときには、中央の縞状発光領域15Cの発光量が増大し、その縞状発光領域15C内の帯状の発光部13の周囲に光がより拡散するようになる。この結果、車両1の減速度が小さいときには、発光部13と非発光部14が縞状に認識されにくくなり、後続車両の運転者に必要以上の警告感を与えなくなる。
また、車両1の減速度が大きい(検出値が規定値以上に大きい)ときには、中央の縞状発光領域15Cの発光量が減少し、その縞状発光領域15C内の発光部13の周囲に光が拡散しにくくなる。この結果、車両1の減速度が大きいときには、発光部13と非発光部14が縞状に認識され易くなり、後続車両の運転者に充分に警告感を与えることが可能になる。なお、このとき、中央の縞状発光領域15Cの発光量が減少するが、他の縞状発光領域15が併せて発光するため、後続車両が前方車両から離れている場合であっても、後続車両の運転者は前方車両の制動状況を確実に視認することができる。
【0037】
また、本実施形態のブレーキランプ10は、中央の縞状発光領域15Cの車幅方向の幅が、その他の縞状発光領域の車幅方向の幅よりも広く設定されている。このため、車両1の減速度が小さい(検出値が規定値よりも小い)状況で中央の縞状発光領域15Cが単独で発光するときには、その縞状発光領域15Cは他の縞状発光領域15よりも車幅方向の幅が広いため、後続車両の運転者は縞状発光領域15Cの発光を良好に認識することができる。
また、その他の縞状発光領域15は、車幅方向の幅が中央の縞状発光領域15Cの車幅方向の幅よりも狭いため、限られたスペース内にその他の縞状発光領域15を多数配置することができる。したがって、本構成を採用した場合には、後続車両の運転者は、縞状発光領域15と非発光領域16による縞模様をより認識し易くなる。
【0038】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、発光領域と非発光領域を持つブレーキランプが車両後部のリヤガラスの上縁部に沿って配置されているが、ブレーキランプの配置はこれに限定されない。ブレーキランプはリヤガラスよりも下方位置や側方位置に配置されるようにしても良い。
また、ブレーキランプにおける発光領域と非発光領域の配列方向も車幅方向に限定されるものではなく、上下方向やその他の方向であっても良い。さらに、ブレーキランプの形状も直線形状に限定されず、V字形状等の一部に屈曲部を持つ形状であっても良い。
【符号の説明】
【0039】
10…ブレーキランプ
12…主ブレーキランプ
13…発光部
14…非発光部
15…縞状発光領域
16…非発光領域
17…発光制御部
19…減速度検出部
w1…非発光領域の配列方向の延在幅
w2…非発光部の配列方向の延在幅
図1
図2
図3
図4
図5