(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132433
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】車両のエクステリアライト構造
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/32 20060101AFI20240920BHJP
F21S 43/15 20180101ALI20240920BHJP
F21S 43/31 20180101ALI20240920BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20240920BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20240920BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240920BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240920BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20240920BHJP
【FI】
B60Q1/32
F21S43/15
F21S43/31
F21S43/50
F21V31/00 100
F21Y103:10
F21Y115:10
F21W104:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043185
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】田古里 眞嘉
(72)【発明者】
【氏名】槌谷 裕志
(72)【発明者】
【氏名】忍田 圭
【テーマコード(参考)】
3K014
3K339
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014NA00
3K014NA07
3K339AA33
3K339BA01
3K339CA23
3K339DA01
3K339GA02
3K339GB14
(57)【要約】
【課題】歩行者等の視認者の視線が車体の側面に向く状況においても、視認者が灯体の光を良好に視認することができる車両のエクステリアライト構造を提供する。
【解決手段】エクステリアライト構造は、フェンダー部材とフード部材を備えた車両に搭載される。フェンダー部材は、車体の側部に配置される。フード部材は、フェンダー部材の上部に隣接して配置される。エクステリアライト構造は、灯体22を備える。灯体22は、フェンダー部材の上部と、フード部材の側縁部との間に車体前後方向に略沿って配置される。灯体22は、フェンダー部材とフード部材の間の隙間dを通して車外に光を照射する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の側部に配置されるフェンダー部材と、前記フェンダー部材の上部に隣接して配置されるフード部材と、を備えた車両のエクステリアライト構造であって、
灯体を備え、
前記灯体は、前記フェンダー部材の上部と、前記フード部材の側縁部との間に車体前後方向に略沿って配置されるとともに、前記フェンダー部材と前記フード部材の間の隙間を通して車外に光を照射することを特徴とする車両のエクステリアライト構造。
【請求項2】
前記灯体は、前記フード部材と前記フェンダー部材の少なくとも一方に光を反射させて車外に光を照射することを特徴とする請求項1に記載の車両のエクステリアライト構造。
【請求項3】
前記フェンダー部材と前記フード部材の間の前記隙間には、前記灯体の光を透過し、かつ前記フェンダー部材と前記フード部材に密接する弾性部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のエクステリアライト構造。
【請求項4】
前記フェンダー部材の上部には、前記弾性部材の下方に前記灯体を配置するための灯体配置用凹部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両のエクステリアライト構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のエクステリアライト構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載されるエクステリアライトとして、車両側の外界検知状態を歩行者や他の車両の運転者に知らせる目的で灯体を点灯させるものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のエクステリアライトは、車両前面の左右の各ヘッドライトの周囲に複数の灯体(コミュニケーションランプ)が配置されている。ヘッドライトの周囲に配置される灯体は、車両が検知手段によって歩行者を検知したときに、その検知状態を歩行者に知らせるように点灯、若しくは、点滅する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のエクステリアライトは、コミュニケーション用の灯体が車両前面のヘッドライトの周囲に配置されている。このため、例えば、車両が交差点で曲がる際等に歩行者の視線が車体の外装側面に向く状況では、コミュニケーション用の灯体の点灯や点滅の状況を歩行者から良好に視認することが難しくなる。
【0006】
そこで本発明は、歩行者等の視認者の視線が車体の外装側面に向く状況においても、視認者が灯体の光を良好に視認することができる車両のエクステリアライト構造を提供しようとするものである。そして、本発明は、延いては交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両のエクステリアライト構造は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車両のエクステリアライト構造は、車体の側部に配置されるフェンダー部材(例えば、実施形態のフロントフェンダー10)と、前記フェンダー部材の上部に隣接して配置されるフード部材(例えば、実施形態のフロントフード11)と、を備えた車両のエクステリアライト構造であって、灯体(例えば、実施形態の灯体22)を備え、前記灯体は、前記フェンダー部材の上部と、前記フード部材の側縁部との間に車体前後方向に略沿って配置されるとともに、前記フェンダー部材と前記フード部材の間の隙間(例えば、実施形態の隙間d)を通して車外に光を照射することを特徴とする。
【0008】
上記のエクステリアライト構造では、エクステリアライトの灯体を点灯させると、灯体の光はフェンダー部材とフード部材の間の隙間を通して車外に照射される。この結果、車体の側面に視線が向く視認者からは、フェンダー部材とフード部材の間の境界部が光って良好に見える。
また、本構成のエクステリアライト構造は、エクステリアライトの灯体の点灯時にフェンダー部材とフード部材の間の境界部が光って見えるようにしたものであるため、灯体が外部から見えることによる外観の意匠性が低下するのを抑制することができる。さらに、本構成では、エクステリアライトの灯体が車体の側部から車幅方向外側に突出しないため、灯体によって車幅が拡大されるのを抑制することができる。
【0009】
前記灯体は、前記フード部材と前記フェンダー部材の少なくとも一方に光を反射させて車外に光を照射するようにしても良い。
【0010】
この場合、灯体が発する光は、フード部材とフェンダー部材の少なくとも一方に反射して車外に照射されるため、車体の側部を視認する視認者からは周囲に緩やかに拡散した光として見える。このため、エクステリアライトの点灯時における見栄えを良好にすることができる。
【0011】
前記フェンダー部材と前記フード部材の間の前記隙間には、前記灯体の光を透過し、かつ前記フェンダー部材と前記フード部材に密接する弾性部材(例えば、実施形態の弾性部材40)が配置されるようにしても良い。
【0012】
この場合、フェンダー部材とフード部材の間の隙間を通してフード部材の下方空間に水滴や埃が進入するのを弾性部材によって抑制することが可能になる。また、フェンダー部材とフード部材の間に配置される弾性部材は、光を透過する性質を持つため、エクステリアライトの発する光を緩やかに拡散させて車外に照射することができる。このため、エクステリアライトの点灯時における見栄えを良好にすることができる。
【0013】
前記フェンダー部材の上部には、前記弾性部材の下方に前記灯体を配置するための灯体配置用凹部(例えば、実施形態の灯体配置用凹部30a)が設けられるようにしても良い。
【0014】
この場合、エクステリアライトの灯体がフェンダー部材の上部の灯体配置用凹部に配置されるため、灯体が弾性部材の配置スペースを制限することがない。さらに、灯体に対する電気配線を灯体配置用凹部を通してフェンダー部材の内側から容易に行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る車両のエクステリアライト構造は、灯体が、フェンダー部材の上部とフード部材の側縁部との間に車体前後方向に略沿って配置され、灯体の点灯時にはフェンダー部材とフードの間の境界部が光って見える。したがって、本発明に係る車両のエクステリアライト構造を採用した場合には、歩行者等の視認者の視線が車体の外装側面に向く状況においても、視認者が灯体の光を良好に視認することができる。この結果、交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】実施形態の車両の
図1のII-II線に沿う断面図。
【
図3】実施形態のエクステリアライトの点灯の状態を(a),(b),(c)で順次示す車両の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下で説明する各実施形態では、共通部分に同一符号を付し、重複する説明を一部省略するものとする。また、図面の適所には、車両の上方を指す矢印UPと、車両の前方を指す矢印FRと、車両の左側方を指す矢印LHが記されている。
【0018】
図1は、本実施形態の車両1の斜視図である。
図1において、10は、車両1のフロントフェンダー(フェンダー部材)であり、11は、車両1のキャビンの前方のモータールームを上方から開閉可能に覆うフロントフード(フード部材)である。フロントフェンダー10は、車両1の左右の前輪Wfの各外側周囲に配置される外装パネルであり、車体の前方側の側部に配置されている。フロントフード11は、例えば、後端側をヒンジ支点として、モータールームの後壁部分に回動可能に支持されている。フロントフード11の側縁部は、左右同側のフロントフェンダー10の上部に隣接して配置される。車両1のモータールームの前方の前面にはグリル12が配置され、グリル12の左右両側にはヘッドライト13が配置されている。
なお、本実施形態の車両1は、電動モータを駆動源とする電動車両であるが、車両1の駆動源はこれに限定されない。車両1の駆動源は、内燃機関や、内燃機関と電動モータを併用するハイブリッド型の駆動源であっても良い。
【0019】
本実施形態の車両1は、車両外部の歩行者や他の車両の位置を検知し、そのときの歩行者や他の車両に対する運転者の認識状況を歩行者や他の車両の運転者に知らせる機能を有する。車両1は、後述するエクステリアライト20を種々の形態で点灯させることにより、運転者の認識状況を歩行者や他の車両の運転者に知らせることができる。
【0020】
具体的には、車両1は、例えば、車両外部の歩行者や他の車両の位置を検知する位置検出手段と、運転者の視線方向を検知する視線検知手段と、位置検出手段、及び、視線検知手段の検知結果に基づいて後述するエクステリアライト20の点灯を制御する制御部と、を備えている。
位置検出手段は、例えば、ライダーやミリ波レーダー、カメラ等の車載機器によって歩行者や他の車両を直接検知するものや、衛星通信や地上通信によって車両外部の歩行者や他の車両の位置情報を取得するものを採用することができる。また、視線検知手段は、例えば、赤外線を運転者の角膜で反射させて運転者の視線方向を検出するものや、車載カメラの画像解析により運転者の視線方向を検出するものを採用することができる。
【0021】
図2は、車両1の
図1のII-II線に沿う断面図である。
図2に示すように、フロントフェンダー10は、前輪Wfの外側輪郭に略沿う略U字状の開口(
図1参照)を有するフェンダー本体部10aと、フェンダー本体部10aの上端部から車幅方向内側に向かって斜め上方に傾斜する傾斜壁10bと、傾斜壁10bの延出端から鉛直上方に屈曲して延びる端部壁10cと、を有する。
【0022】
また、フロントフード11は、
図2に示すように、車外側に位置されるフードパネルアウタ11oと、モータールーム内に臨むフードパネルインナ11iと、を有する。フードパネルアウタ11oの外周縁部には、ヘミング曲げ部11ohが設けられている。フードパネルアウタ11oとフードパネルインナ11iとはヘミング曲げ部11ohによって相互に固定されている。フロントフード11の左右の側縁部11sは、車幅方向外側に向かって所定角度で下方に傾斜している。この下方に傾斜する側縁部11sは、フロントフェンダー10の上部において、フロントフェンダー10の傾斜壁10bと車幅方向で一部がオーバーラップしている。フロントフード11の側縁部11sは、フロントフェンダー10の傾斜壁10bと略平行になるように傾斜している。
【0023】
フロントフェンダー10の上部(傾斜壁10b及び端部壁10c)と、閉じられたフロントフード11の左右の同側の側縁部11sの間には、隙間dが確保される。この隙間dは、フェンダー本体部10aの上端形状に沿うように車体前後方向に略沿って延びている。本実施形態のエクステリアライト20は、この隙間dの内側に配置されている。具体的には、エクステリアライト20は、フロントフェンダー10の上部の端部壁10cの車幅方向外側面に取り付けられている。
【0024】
エクステリアライト20は、
図2に示すように、車体前後方向に略沿って延びる基板21上にLED発光素子等の複数の灯体22が実装されている。基板21は、フロントフェンダー10の端部壁10cに取り付けられている。灯体22は、基板21の長手方向(車体前後方向)に沿って複数配列されている。なお、灯体22は、LED発光素子に限定されない、制御部による制御によって光を照射し得るものであれば他の形態のものであっても良い。
【0025】
エクステリアライト20を構成する複数の灯体22は、光の照射方向がフロントフード11の側縁部11sの裏面に向くように配置されている。複数の灯体22の光は、例えば、
図2中の矢印で示すように、フロントフード11の側縁部11sの裏面で反射し、その後にフロントフェンダー10の傾斜壁10bの上面で反射して車幅方向外側に照射される。
ただし、エクステリアライト20の灯体22から発された光は、フロントフード11とフロントフェンダー10の少なくとも一方に1回以上反射されれば良い。
【0026】
つづいて、エクステリアライト20の作動の一例を
図3を参照して説明する。
図3は、
車両1が右折状態で交差点内に進入し、そのときに歩行者が横断歩道上を車両1の右斜め後方側から車両1の前方側に向かって進行するときのエクステリアライト20の点灯の仕方を(a),(b),(c)で順次に示している。
車両1が右折状態で交差点内に進入すると、横断歩道を進行する歩行者を位置検出手段が検出する。このとき、視線検知手段が運転者の視線を検知し、運転者の視線が歩行者の方向を向いているときには、制御部による制御によってエクステリアライト20の全体を一定色(例えば、緑色)に点灯させる。ただし、運転者の視線と合致する灯体22は全体の点灯色と異なる色(例えば、白色)に点灯させる。
図3の(a),(b),(c)の各図中の符号50は、全体の点灯色と異なる色に点灯している異色点灯領域を示している。これらの光はフロントフード11とフロントフェンダー10の間の隙間dを通して車両側部に照射され、その照射光は歩行者から視認可能となる。
【0027】
このとき、運転者の視線が、進行する歩行者を追って車両の側方から前方側に向かって移動すると、それに伴って
図3の(a),(b),(c)に順次示すように、異色点灯領域50がフロントフェンダー10とフロントフード11の間の隙間dに沿って車両前方側に移動する。この結果、歩行者は、エクステリアライト20の点灯状況を基に、車両1の運転者が歩行者の挙動を認識している(目で追っている)ことを把握することができる。
【0028】
以上のように、本実施形態の車両のエクステリアライト構造は、複数の灯体22がフロントフェンダー10の上部とフロントフード11の側縁部との間に車体前後方向に略沿って配置され、フロントフェンダー10とフロントフード11の間の隙間dを通して車外に光を照射する。このため、灯体22の点灯時には、フロントフェンダー10とフロントフード11の間の境界部が光って見える。
したがって、本実施形態の車両のエクステリアライト構造を採用した場合には、歩行者等の視認者の視線が車体の外装側面に向く状況においても、視認者が灯体22の光を良好に視認することができる。この結果、交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与することが可能になる。
【0029】
また、本実施形態の車両のエクステリアライト構造は、灯体22の点灯時にフロントフェンダー10とフロントフード11の間の境界部が光って見えるようにしているため、灯体22が外部から見えることによる外観の意匠性が低下するのを抑制することができる。さらに、本構成では、灯体22が車体の側部から車幅方向外側に突出しないため、灯体22によって車幅が拡大されるのを抑制することができる。
【0030】
さらに、本実施形態の車両のエクステリアライト構造は、エクステリアライト20の灯体22が、出射光をフロントフード11とフロントフェンダー10の少なくとも一方に反射させて車外に光を照射するように配置されている。このため、灯体22が発する光は、車体の側部を視認する視認者からは周囲に緩やかに拡散した光として見える。したがって、本構成を採用した場合には、エクステリアライト20の点灯時における見栄えを良好にすることができる。
【0031】
<他の実施形態>
図4は、本実施形態の車両101の
図2と同様の断面図である。
本実施形態の車両のエクステリア構造は、上記の実施形態と同様に、フロントフェンダー10の上部(傾斜壁10b及び端部壁10c)と、閉じられたフロントフード11の左右の同側の側縁部11sの間に隙間dが確保されている。フロントフェンダー10の傾斜壁10bには、車体前後方向に沿って延びる長孔25が形成されている。そして、傾斜壁10bの下面には、長孔25とともに灯体配置用凹部30aを形成する支持ブラケット30が形成されている。灯体配置用凹部30aの内部には、車体前後方向に略沿って延びるエクステリアライト20が設置されている。エクステリアライト20は、上記の実施形態と同様に基板21と複数の灯体22を備えている。各灯体22の発光方向は上方を向いている。
【0032】
フロントフェンダー10の傾斜壁10bの上面側には、車体前後方向と直交する断面が略半円状の弾性部材40が取り付けられている。弾性部材40は、光透過性のシリコンやゴム等のエラストマーによって構成されている。弾性部材40は、平坦な下面が傾斜壁10bの長孔25の全域を覆うように車体前後方向に長尺に形成されている。灯体22を配置するための灯体配置用凹部30aは、弾性部材40の下方に配置されている。
【0033】
また、フロントフェンダー10の傾斜壁10bに取り付けられた弾性部材40は、フロントフード11が閉じられたときに、フロントフード11の側縁部11sの下面が当接する。このとき、弾性部材40は、弾性変形することによってフロントフード11の閉時の衝撃を吸収するとともに、フロントフェンダー10とフロントフード11の間の隙間dを密閉する。
なお、本実施形態の場合、フロントフード11が閉じられた状態において、弾性部材40の円弧状の外側面の一部は、フロントフード11の側縁部11sよりも車幅方向外側に位置している。
【0034】
本実施形態の車両のエクステリア構造は、基本的な構成は上記の実施形態と同様であるため、前述した上記の実施形態と同様の基本的な効果を得ることができる。
【0035】
また、本実施形態の車両のエクステリア構造は、フロントフェンダー10とフロントフード11の間の隙間dに、灯体22の光を透過し、かつフロントフェンダー10とフロントフード11に密接する弾性部材40が配置されている。このため、フロントフード11の下方の空間(モータールーム)に隙間dを通して水滴や埃が進入するのを弾性部材40によって抑制することができる。
また、本構成では、弾性部材40が灯体22の光を透過する性質を持つため、エクステリアライト20の発する光を緩やかに拡散させて車外に照射することができる。したがって、本構成を採用した場合には、エクステリアライト20の点灯時における見栄えを良好にすることができる。
【0036】
さらに、本実施形態の車両のエクステリア構造は、フロントフェンダー10の上部(傾斜壁10b)に、弾性部材40の下方に灯体22を配置するための灯体配置用凹部30aが設けられている。このため、灯体22が車幅方向で弾性部材40の配置スペースを制限しなくなり、弾性部材に充分なボリュームを持たせることができる。したがって、本構成を採用した場合には、フロントフード11の閉操作時における緩衝性能を高めることができる。
さらに、本構成では、フロントフェンダー10の上部(傾斜壁10b)に下方に窪む灯体配置用凹部30aが設けられているため、灯体22(基板21)に対する電気配線を灯体配置用凹部30aを通してフロントフェンダー10の内側から容易に行うことができる。
【0037】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、エクステリアライト20の灯体22を点灯させる制御は上述の例に限定されない。灯体22を点灯させる状況や点灯のさせ方は上述したもの以外のものであっても良い。また、灯体22の光を外部に照射するためのフロントフェンダー10とフロントフード11の間の隙間dは、車両の前方側の一部にも拡張するようにしても良い。
【0038】
また、上記の実施形態では、車両前部のフロントフェンダー10とフロントフード11の側縁部の間にエクステリアライト20の複数の灯体22が設置されている。しかし、エクステリアライト22の配置はこれに限定されない。例えば、車両後部にリヤフェンダーとリヤフードがある車両の場合には、リヤフェンダーとリヤフードの側縁部の間にエクステリアライトの複数の灯体を配置するようにしても良い。また、灯体はフェンダー部材の上部とフード部材の側縁部との間に、車体前後方向に略沿って延びる一つの導光体を配置するようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
1,101…車両
10…フロントフェンダー(フェンダー部材)
11…フロントフード(フード部材)
20…エクステリアライト
22…灯体
30a…灯体配置用凹部
40…弾性部材
d…隙間