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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013245
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H05K3/46 S
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115175
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122622
【弁理士】
【氏名又は名称】森 徳久
(72)【発明者】
【氏名】和田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】国枝 賢治
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316BB06
5E316CC05
5E316CC09
5E316CC32
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD33
5E316EE01
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH04
5E316HH11
(57)【要約】
【課題】高い品質を有するプリント配線板の提供。
【解決手段】プリント配線板は、第1樹脂絶縁層と、前記第1樹脂絶縁層上の第1導体層と、前記第1樹脂絶縁層と前記第1導体層上の第2樹脂絶縁層と、前記第2樹脂絶縁層上の第2導体層と、前記第2導体層の上面と側面上に形成されている膜と、前記第2樹脂絶縁層と前記膜上の第3樹脂絶縁層、とを有する。前記第2導体層の前記上面の粗さは前記第1導体層の上面の粗さより小さく、前記第2樹脂絶縁層は前記第1導体層に接している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1樹脂絶縁層と、
前記第1樹脂絶縁層上の第1導体層と、
前記第1樹脂絶縁層と前記第1導体層上の第2樹脂絶縁層と、
前記第2樹脂絶縁層上の第2導体層と、
前記第2導体層の上面と側面上に形成されている膜と、
前記第2樹脂絶縁層と前記膜上の第3樹脂絶縁層、とを有するプリント配線板であって、
前記第2導体層の前記上面の粗さは前記第1導体層の上面の粗さより小さく、前記第2樹脂絶縁層は前記第1導体層に接している。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、前記第3樹脂絶縁層は前記膜に接している。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板であって、前記第2導体層は、主として、信号を伝送するための導体層として機能する。
【請求項4】
請求項1のプリント配線板であって、前記第2導体層は複数の第2導体回路を含み、前記複数の前記第2導体回路の内、信号を伝送する前記第2導体回路は信号用第2導体回路であって、前記信号用第2導体回路の数と全ての前記第2導体回路の数との第2比(信号用第2導体回路の数/全ての第2導体回路の数)は0.6以上である。
【請求項5】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1導体層は、主として、電源、または、グランドとして機能する。
【請求項6】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1導体層は複数の第1導体回路を含み、前記複数の前記第1導体回路の内、信号を伝送する前記第1導体回路は信号用第1導体回路であって、前記信号用第1導体回路の数と全ての前記第1導体回路の数との第1比(信号用第1導体回路の数/全ての第1導体回路の数)は0.4以下である。
【請求項7】
請求項1のプリント配線板であって、前記第2導体層はパッドを含み、前記第3樹脂絶縁層は前記パッドを露出する開口を有する。
【請求項8】
請求項1のプリント配線板であって、さらに、前記第3樹脂絶縁層上の第3導体層と前記第2樹脂絶縁層と前記第3導体層上の第4樹脂絶縁層を含み、前記第3導体層の上面の粗さは前記第2導体層の前記上面の前記粗さより大きく、前記第4樹脂絶縁層は前記第3導体層に接している。
【請求項9】
請求項1のプリント配線板であって、前記第2導体層の前記上面の前記粗さは二乗平均平方根粗さ(Rq)で代表され、前記第2導体層の前記上面の前記Rqは0.10μm以下である。
【請求項10】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1導体層の前記上面の前記粗さは二乗平均平方根粗さ(Rq)で代表され、前記第1導体層の前記上面の前記Rqは0.18μm以上である。
【請求項11】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1導体層は複数の第1導体回路を含み、前記複数の前記第1導体回路の内、信号を伝送する前記第1導体回路は信号用第1導体回路であって、前記信号用第1導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第1信号配線用面積であって、前記第1導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第1導体層用面積であって、前記第1信号配線用面積と前記第1導体層用面積との比(第1信号配線用面積/第1導体層用面積)は0.3未満であり、前記第2導体層は複数の第2導体回路を含み、前記複数の前記第2導体回路の内、信号を伝送する前記第2導体回路は信号用第2導体回路であって、前記信号用第2導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第2信号配線用面積であって、前記第2導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第2導体層用面積であって、前記第2信号配線用面積と前記第2導体層用面積との比(第2信号配線用面積/第2導体層用面積)は0.3以上である。
【請求項12】
請求項1のプリント配線板であって、前記膜はほぼ平滑な平滑膜と前記平滑膜から突出している突出部で形成されている。
【請求項13】
請求項12のプリント配線板であって、前記平滑膜はほぼ均一な厚みを有し、前記突出部は前記平滑膜の上面と前記突出部の頂部間に高さを有し、前記高さの最大値は前記厚みの10倍以上30倍以下である。
【請求項14】
請求項12のプリント配線板であって、前記平滑膜はほぼ均一な厚みを有し、前記厚みは10nm以上、120nm以下であって、前記突出部は前記平滑膜の上面と前記突出部の頂部間に高さを有し、前記高さは200nm以上、450nm以下である。
【請求項15】
請求項12のプリント配線板であって、前記突出部から露出する前記平滑膜の面積と前記接着層の面積との比は0.1以上、0.5以下である。
【請求項16】
請求項12のプリント配線板であって、前記突出部は複数の突起で形成されていて、前記複数の突起により前記突出部の上面に凹凸が形成される。
【請求項17】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1樹脂絶縁層は第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有し、前記第1導体層は前記第1面上に形成されていて、前記第1面の面積は第1面積であり、前記第1導体層は複数の第1導体回路を含み、前記第1導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第1導体層用面積であって、前記第1導体層用面積と前記第1面積との比(第1導体層用面積/第1面積)は0.8以上であって、前記第2樹脂絶縁層は第3面と前記第3面と反対側の第4面とを有し、前記第2導体層は前記第3面上に形成されていて、前記第3面の面積は第3面積であり、前記第2導体層は複数の第2導体回路を含み、前記第2導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第2導体層用面積であって、前記第2導体層用面積と前記第3面積との比(第2導体層用面積/第3面積)は0.8未満である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板上に導体回路と層間樹脂絶縁層を順次積層することと、導体回路の表面の少なくとも一部にトリアジン化合物を含む層を形成することを含む多層プリント配線板の製造方法を開示する。導体回路と層間樹脂絶縁層はトリアジン化合物を含む層を介して接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-203462号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献1の課題]
特許文献1の技術を用いて製造されるプリント配線板では、高速信号伝送のために導体回路の上面と側面は粗化されていないと考えられる。そのため、導体回路と層間樹脂絶縁層の間に大きいストレスが働くと、導体回路と層間樹脂絶縁層の間に剥がれが発生すると予測される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、第1樹脂絶縁層と、前記第1樹脂絶縁層上の第1導体層と、前記第1樹脂絶縁層と前記第1導体層上の第2樹脂絶縁層と、前記第2樹脂絶縁層上の第2導体層と、前記第2導体層の上面と側面上に形成されている膜と、前記第2樹脂絶縁層と前記膜上の第3樹脂絶縁層、とを有する。前記第2導体層の前記上面の粗さは前記第1導体層の上面の粗さより小さく、前記第2樹脂絶縁層は前記第1導体層に接している。
【0006】
本発明の実施形態のプリント配線板では、第2導体層の上面の粗さは第1導体層の上面の粗さより小さい。そのため、第2導体層に含まれる第2導体回路で信号が伝送される時、伝送損失を小さくすることができる。高速に伝達される信号にノイズが発生しがたい。第2導体層と第3樹脂絶縁層の間に形成されている膜を介して第2導体層と第3樹脂絶縁層を接着することができる。第2導体層と第3樹脂絶縁層が剥がれがたい。第1導体層の上面の粗さは比較的大きい。そのため、第1導体層と第2樹脂絶縁層は第1導体層に形成されている凹凸を介して接着される。第2樹脂絶縁層が第1導体層から剥がれがたい。本発明の実施形態のプリント配線板は、高速な信号を伝送することと導体層と樹脂絶縁層間の剥がれを抑制することができる。高い品質を有するプリント配線板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
図2】プリント配線板の一部を模式的に示す拡大断面図。
図3A】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3B】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3C】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3D】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3E】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3F】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3G】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3H】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3I】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3J】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3K】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3L】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
図1は実施形態のプリント配線板2を示す断面図である。図1に示されるように、プリント配線板2は、第1樹脂絶縁層4と第1導体層10と第2樹脂絶縁層20と第2導体層30と第3樹脂絶縁層120と第3導体層130と第4樹脂絶縁層220と第4導体層230と第5樹脂絶縁層320と第5導体層330を有する。第2導体層30の上面と側面上に膜50が形成されている。第4導体層230の上面と側面上に膜250が形成されている。プリント配線板2は、さらに4個のビア導体40、140、240、340を有する。4個のビア導体40、140、240、340はスタックビアを形成する。
【0009】
第1樹脂絶縁層4は熱硬化性樹脂を用いて形成される。第1樹脂絶縁層4は光硬化性樹脂でも良い。第1樹脂絶縁層4はシリカ等の無機粒子を含んでもよい。第1樹脂絶縁層4は、ガラスクロス等の補強材を含んでもよい。第1樹脂絶縁層4は、第1面6(図中の上面)と第1面6と反対側の第2面8(図中の下面)を有する。
【0010】
第1導体層10は第1樹脂絶縁層4の第1面6上に形成されている。第1導体層10は主として電源、または、グランドとして機能する。第1導体層10は、複数の第1導体回路12、14を含む。第1導体層10は主に銅によって形成される。第1導体層10は、第1樹脂絶縁層4上のシード層10aとシード層10a上の電解めっき層10bで形成されている。
【0011】
第1導体回路12はプレーン層である。第1導体回路12は電源またはグランドとして機能する。第1導体回路14はパッドである。図に示されていないが、第1導体層10は第1導体回路12、14(プレーン層とパッド)以外の第1導体回路も含んでいる。図に示されていないが、第1導体回路は、少なくとも1つの信号用第1導体回路を含んでいる。信号用第1導体回路は信号を伝送する導体回路である。
【0012】
信号用第1導体回路の数と全ての第1導体回路の数との第1比(信号用第1導体回路の数/全ての第1導体回路の数)は0.4以下である。第1比は0を含まない。第1比は0.3以下が好ましい。第1比は0.2以下がより好ましい。
【0013】
また、信号用第1導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第1信号配線用面積である。第1導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第1導体層用面積である。第1信号配線用面積と第1導体層用面積との第1面積比(第1信号配線用面積/第1導体層用面積)は0.3未満である。
【0014】
第1樹脂絶縁層4の第1面6の面積は第1面積である。第1面6が凹凸を有したとしても、第1面積は表面積でなく、平面積で代表される。第1導体層用面積と第1面積との比(第1導体層用面積/第1面積)は0.8以上である。
【0015】
第1導体層10の上面は粗化されている。第1導体層10の上面の粗さは二乗平均平方根粗さ(Rq)で代表される。第1導体層10の上面のRqは0.18μm以上である。第1導体層10の側面は粗化されている。第1導体層10の側面の粗さはRqで代表される。第1導体層10の側面のRqは0.18μm以上である。
【0016】
第2樹脂絶縁層20は第1樹脂絶縁層4の第1面6と第1導体層10上に形成されている。第2樹脂絶縁層20は第1導体層10に接する。第2樹脂絶縁層20は第3面22(図中の上面)と第3面22と反対側の第4面24(図中の下面)を有する。第4面24は第1導体層10に接する。第2樹脂絶縁層20の第4面24は第1導体層10と対向する。第2樹脂絶縁層20は第1導体回路(パッド)14を露出する開口26を有している。第2樹脂絶縁層20は樹脂と樹脂内に分散されている多数の無機粒子(図示省略)で形成されている。樹脂はエポキシ系樹脂である。樹脂の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子は例えばシリカやアルミナである。
【0017】
図1に示されるように、第2導体層30は第2樹脂絶縁層20の第3面22上に形成されている。第2導体層30は主として信号を伝送するための導体層として機能する。第2導体層30は、複数の第2導体回路32、34、36を含む。第2導体層30は主に銅によって形成される。第2導体層30は、第2樹脂絶縁層20上のシード層30aとシード層30a上の電解めっき層30bで形成されている。第2導体層30上に膜50が形成されている。
【0018】
第2導体層30は信号を伝送する信号用第2導体回路を含む。信号用第2導体回路の数は複数である。第2導体回路36はパッドである。図に示されていないが、第2導体層30は第2導体回路32、34、36以外の第2導体回路も含んでいる。
【0019】
信号用第2導体回路の数と全ての第2導体回路の数との第2比(信号用第2導体回路の数/全ての第2導体回路の数)は0.6以上である。第2比は0.7以上が好ましい。第2比は0.8以上がより好ましい。第2比は1を含んでもよい。
【0020】
また、信号用第2導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第2信号配線用面積である。第2導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる値は第2導体層用面積である。第2信号配線用面積と第2導体層用面積との第2面積比(第2信号配線用面積/第2導体層用面積)は0.3以上である。
【0021】
第2樹脂絶縁層20の第3面22の面積は第2面積である。第3面22が凹凸を有したとしても、第2面積は表面積でなく、平面積で代表される。第2導体層用面積と第2面積との比(第2導体層用面積/第2面積)は0.8未満である。
【0022】
第2導体層30の上面と側面は粗化されていない。あるいは、第2導体層30の上面と側面の凹凸はとても小さい。第2導体層30の上面の粗さは二乗平均平方根粗さ(Rq)で代表される。第2導体層30の上面のRqは0.10μm以下である。第2導体層30の側面の粗さは二乗平均平方根粗さ(Rq)で代表される。第2導体層30の側面のRqは0.10μm以下である。
【0023】
第2導体回路36に開口126が至っている場合、第2導体回路36の上面は第1表面と第2表面で形成される。第1表面は開口126から露出していて、膜50で覆われていない。第2表面は第1表面以外の部分であって、膜50で覆われている。第2導体回路36の側面は膜50で覆われている。第2導体回路に開口126が至っていない場合、そのような第2導体回路の上面は第2表面だけで形成される。第1表面は存在しない。例えば、膜50は有機製の材料で形成されている。有機製の材料の例は窒素系有機化合物である。窒素系有機化合物は例えばテトラゾール化合物である。窒素系有機化合物の例は特開2015-54987号公報に開示されている。膜50は第2導体層30から露出する第2樹脂絶縁層20の第3面22を覆っていない。膜50は第2導体層30と第3樹脂絶縁層120で挟まれている。膜50は第2導体層30と第3樹脂絶縁層120を接着する。
【0024】
図2は、第2表面上に形成されている膜50の一部を示す拡大断面図である。図2に示されるように、膜50は、ほぼ平滑な平滑膜60と平滑膜60から突出している複数の突出部70で形成されている。各第2導体回路の側面に形成されている膜50は、図2に示されている膜50と同様な平滑膜60と複数の突出部70で形成されている。形状も同様である。信号用第2導体回路の上面と側面に形成されている膜50は、図2と同様な平滑膜60と複数の突出部70で形成されている。形状も同様である。
【0025】
平滑膜60はほぼ均一な厚みTを有する。平滑膜60の厚みTは、10nm以上、120nm以下である。突出部70から露出する平滑膜60の面積(S1)と膜50の面積(S2)との比(S1/S2)は0.1以上、0.5以下である。第2導体層30の上面上の平滑膜60は第2導体層30の上面の形状にほぼ沿って形成されている。第2導体層30の第2表面上の平滑膜60は第2導体層30の第2表面の形状にほぼ沿って形成されている。第2導体層30の側面上の平滑膜60は第2導体層30の側面の形状にほぼ沿って形成されている。第2導体層30の上面と側面にうねりが形成されている場合、平滑膜60はそのうねりに追随している。
【0026】
突出部70は複数の突起72で形成されている。複数の突起72により、突出部70の上面に凹凸が形成される。1mmあたりの突起72の数は5以上、15以下である。突出部70は、平滑膜60の上面と突出部70の頂部間に高さH1、H2を有する。高さH1、H2の最大値は、平滑膜60の厚みTの10倍以上30倍以下である。高さH1、H2は、200nm以上、450nm以下である。
【0027】
ビア導体40は第2樹脂絶縁層20の開口26内に形成されている。ビア導体40は第1導体層10と第2導体層30を接続する。図1ではビア導体40は第1導体回路14と第2導体回路36を接続する。ビア導体40はシード層30aとシード層30a上の電解めっき層30bで形成されている。
【0028】
第3樹脂絶縁層120は第2樹脂絶縁層20の第3面22と膜50上に形成されている。第3樹脂絶縁層120は膜50によって第2導体層30と接着している。第3樹脂絶縁層120は膜50に接している。第3樹脂絶縁層120は第5面122(図中の上面)と第5面122と反対側の第6面124(図中の下面)を有する。第6面124は膜50に接している。第3樹脂絶縁層120の第6面124は膜50を介して第2導体層30と対向する。第3樹脂絶縁層120は第2導体回路(パッド)36を露出する開口126を有している。第3樹脂絶縁層120は樹脂と樹脂内に分散されている多数の無機粒子(図示省略)で形成されている。樹脂はエポキシ系樹脂である。樹脂の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子は例えばシリカやアルミナである。
【0029】
第3導体層130は第3樹脂絶縁層120の第5面122上に形成されている。第3導体層130は主として電源、または、グランドとして機能する。第3導体層130は、複数の第3導体回路132、134を含む。第3導体層130は主に銅によって形成される。第3導体層130はシード層130aと電解めっき層130bで形成されている。
【0030】
第3導体回路132はプレーン層である。第3導体回路132は電源またはグランドとして機能する。第3導体回路134はパッドである。図に示されていないが、第3導体層130は第3導体回路132、134(プレーン層とパッド)以外の第3導体回路も含んでいる。図に示されていないが、第3導体回路は、少なくとも1つの信号用第3導体回路を含んでいる。信号用第3導体回路は信号を伝送する。
【0031】
信号用第3導体回路の数と全ての第3導体回路の数との第3比(信号用第3導体回路の数/全ての第3導体回路の数)は0.4以下である。第3比は0を含まない。第3比は0.3以下が好ましい。第3比は0.2以下がより好ましい。
【0032】
また、信号用第3導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる第3信号配線用面積と第3導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる第3導体層用面積との第3面積比(第3信号配線用面積/第3導体層用面積)は0.3未満である。
【0033】
第3樹脂絶縁層120の第5面122の面積は第3面積である。第5面122が凹凸を有したとしても、第3面積は表面積でなく、平面積で代表される。第3導体層用面積と第3面積との比(第3導体層用面積/第3面積)は0.8以上である。
【0034】
第3導体層130の上面は粗化されている。第3導体層130の上面の粗さは二乗平均平方根粗さ(Rq)で代表される。第3導体層130の上面のRqは0.18μm以上である。第3導体層130の側面は粗化されている。第3導体層130の側面の粗さはRqで代表される。第3導体層130の側面のRqは0.18μm以上である。
【0035】
ビア導体140は第3樹脂絶縁層120の開口126内に形成されている。ビア導体140は第2導体層30と第3導体層130を接続する。図1ではビア導体140は第2導体回路36と第3導体回路134を接続する。ビア導体140はシード層130aと電解めっき層130bで形成されている。
【0036】
第4樹脂絶縁層220は第3樹脂絶縁層120の第5面122と第3導体層130上に形成されている。第4樹脂絶縁層220は第3導体層130に接する。第4樹脂絶縁層220は第7面222(図中の上面)と第7面222と反対側の第8面224(図中の下面)を有する。第4樹脂絶縁層220の第8面224は第3導体層130と対向する。第8面224は第3導体層130に接する。第4樹脂絶縁層220は第3導体回路(パッド)134を露出する開口226を有している。第4樹脂絶縁層220は樹脂と樹脂内に分散されている多数の無機粒子(図示省略)で形成されている。樹脂はエポキシ系樹脂である。樹脂の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子は例えばシリカやアルミナである。
【0037】
図1に示されるように、第4導体層230は第4樹脂絶縁層220の第7面222上に形成されている。第4導体層230は主として信号を伝送するための導体層として機能する。第4導体層230は、複数の第4導体回路232、234、236を含む。第4導体層230は主に銅によって形成される。第4導体層230はシード層230aと電解めっき層230bで形成されている。第4導体層230上に膜250が形成されている。
【0038】
第4導体層230は信号を伝送する信号用第4導体回路を含む。信号用第4導体回路の数は複数である。第4導体回路236はパッドである。図に示されていないが、第4導体層230は第4導体回路232、234、236以外の第4導体回路も含んでいる。
【0039】
信号用第4導体回路の数と全ての第4導体回路の数との第4比(信号用第4導体回路の数/全ての第4導体回路の数)は0.6以上である。第4比は0.7以上が好ましい。第4比は0.8以上がより好ましい。第4比は1を含んでもよい。
【0040】
信号用第4導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる第4信号配線用面積と第4導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる第4導体層用面積との第4面積比(第4信号配線用面積/第4導体層用面積)は0.3以上である。
【0041】
第4樹脂絶縁層220の第7面222の面積は第4面積である。第7面222が凹凸を有したとしても、第4面積は表面積でなく、平面積で代表される。第4導体層用面積と第4面積との比(第4導体層用面積/第4面積)は0.8未満である。
【0042】
第4導体層230の上面と側面は粗化されていない。あるいは、第4導体層230の上面と側面の凹凸はとても小さい。第4導体層230の上面の二乗平均平方根粗さ(Rq)は0.10μm以下である。第4導体層230の側面のRqは0.10μm以下である。
【0043】
第4導体回路236に開口326が至っている場合、第4導体回路236の上面は第3表面と第4表面で形成される。第3表面は開口326から露出していて、膜250で覆われていない。第4表面は第3表面以外の部分であって、膜250で覆われている。第4導体回路236の側面は膜250で覆われている。第4導体回路に開口が至っていない場合、そのような第4導体回路の上面は第4表面だけで形成される。第3表面は存在しない。膜250の材料は膜50(図1図2)と同様である。膜250は第4導体層230から露出する第4樹脂絶縁層220の第7面222を覆っていない。膜250は第4導体層230と第5樹脂絶縁層320で挟まれている。膜250は第4導体層230と第5樹脂絶縁層320を接着する。
【0044】
第4導体層230を覆う膜250は、図2に示される膜50と同様に平滑膜(図2の60参照)と複数の突出部(図2の70参照)で形成されている。膜250は図2に示される膜50と同様の構成を有する。
【0045】
ビア導体240は第4樹脂絶縁層220の開口226内に形成されている。ビア導体240は第3導体層130と第4導体層230を接続する。図1ではビア導体240は第3導体回路134と第4導体回路236を接続する。ビア導体240はシード層230aと電解めっき層230bで形成されている。
【0046】
第5樹脂絶縁層320は第4樹脂絶縁層220の第7面222と膜250上に形成されている。第5樹脂絶縁層320は膜250に接する。第5樹脂絶縁層320は膜250によって第4導体層230と接着している。第5樹脂絶縁層320は第9面322(図中の上面)と第9面322と反対側の第10面324(図中の下面)を有する。第5樹脂絶縁層320の第10面324は膜250を介して第4導体層230と対向する。第10面324は膜250に接する。第5樹脂絶縁層320は第4導体回路(パッド)236を露出する開口326を有している。第5樹脂絶縁層320は樹脂と樹脂内に分散されている多数の無機粒子(図示省略)で形成されている。樹脂はエポキシ系樹脂である。樹脂の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子は例えばシリカやアルミナである。
【0047】
第5導体層330は第5樹脂絶縁層320の第9面322上に形成されている。第5導体層330は主として電源、または、グランドとして機能する。第5導体層330は、複数の第5導体回路332、334を含む。第5導体層330は主に銅によって形成される。第5導体層330はシード層330aと電解めっき層330bで形成されている。
【0048】
第5導体回路332はプレーン層である。第5導体回路332は電源またはグランドとして機能する。第5導体回路334はパッドである。図に示されていないが、第5導体層330は第5導体回路332、334(プレーン層とパッド)以外の第5導体回路も含んでいる。図に示されていないが、第5導体回路は、少なくとも1つの信号用第5導体回路を含んでいる。信号用第5導体回路は信号を伝送する。
【0049】
信号用第5導体回路の数と全ての第5導体回路の数との第5比(信号用第5導体回路の数/全ての第5導体回路の数)は0.4以下である。第5比は0を含まない。第5比は0.3以下が好ましい。第5比は0.2以下がより好ましい。
【0050】
信号用第5導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる第5信号配線用面積と第5導体回路のそれぞれの上面の面積を合算することで得られる第5導体層用面積との第5面積比(第5信号配線用面積/第5導体層用面積)は0.3未満である。
【0051】
第5樹脂絶縁層320の第9面322の面積は第5面積である。第9面322が凹凸を有したとしても、第5面積は表面積でなく、平面積で代表される。第5導体層用面積と第5面積との比(第5導体層用面積/第5面積)は0.8以上である。
【0052】
第5導体層330の上面は粗化されている。第5導体層330の上面の二乗平均平方根粗さ(Rq)は0.18μm以上である。第5導体層330の側面は粗化されている。第5導体層330の側面のRqは0.18μm以上である。
【0053】
ビア導体340は第5樹脂絶縁層320の開口326内に形成されている。ビア導体340は第4導体層230と第5導体層330を接続する。図1ではビア導体340は第4導体回路236と第5導体回路334を接続する。ビア導体340はシード層330aと電解めっき層330bで形成されている。
【0054】
図1に示されるプリント配線板2の各辺の長さは50mm以上である。各辺の長さは100mm以上であることが好ましい。各辺の長さは250mm以下である。
【0055】
[実施形態のプリント配線板2の製造方法]
図3A図3Lは実施形態のプリント配線板2の製造方法を示す。図3A図3Lは断面図である。図3Aは第1樹脂絶縁層4と第1樹脂絶縁層4の第1面6上に形成されている第1導体層10を示す。第1導体層10はセミアディティブ法によって形成される。第1導体層10の上面と側面が粗化される。
【0056】
第1樹脂絶縁層4の第1面6と第1導体層10上に第2樹脂絶縁層20が形成される。第2樹脂絶縁層20の第4面24が第1樹脂絶縁層の第1面6と対向する。図3Bに示されるように、第2樹脂絶縁層20の上からレーザ光Lが照射される。レーザ光Lは例えばUVレーザ光やCO2レーザ光である。第2樹脂絶縁層20に開口26が形成される。開口26から第1導体回路(パッド)14が露出する。開口26形成後、開口26内が洗浄される。
【0057】
図3Cに示されるように、第2樹脂絶縁層20の第3面22上にシード層30aが形成される。シード層30aは無電解めっきによって形成される。シード層30aはスパッタで形成されてもよい。
【0058】
図3Dに示されるように、シード層30a上にめっきレジスト400が形成される。めっきレジスト400は、第2導体回路32、34、36(図1)を形成するための開口を有する。
【0059】
図3Eに示されるように、めっきレジスト400から露出するシード層30a上に電解めっき層30bが形成される。電解めっき層30bは銅で形成される。電解めっき層30bは開口26を充填する。第3面22上のシード層30aと電解めっき層30bによって、第2導体回路32、34、36が形成される。第2導体層30が形成される。開口26内のシード層30aと電解めっき層30bによってビア導体40が形成される。ビア導体40は、第1導体回路14と第2導体回路36を接続する。
【0060】
図3Fに示されるように、めっきレジスト400が除去される。電解めっき層30bから露出するシード層30aが除去される。第2導体層30とビア導体40は同時に形成される。第2導体層30の上面と側面は粗化されない。
【0061】
図3Gに示されるように、第2導体層30の上面と側面上に、膜50が形成される。膜50は、図3Fに示される途中基板を窒素系有機化合物を含む薬液に浸漬することによって形成される。薬液のphは7以下である。途中基板を薬液に浸漬することで第2導体層30の上面と側面上に平滑膜60と突出部70(図2)が形成される。途中基板が薬液に浸漬される前に第2導体層30の上面と側面の酸化膜が除去される。改変例では膜50は、第2導体層30上に薬液を塗布することによって形成される。膜50が形成されると、途中基板が薬液から取り出される。膜50が乾燥される。乾燥前の膜50の上面は平滑でもよい。その場合、乾燥により、乾燥前の膜50の一部が凝集する。凝集することで、平滑膜60と突出部70を含む膜50が形成される。
【0062】
膜50で覆われている第2導体層30上に第3樹脂絶縁層120が形成される。第3樹脂絶縁層120の第6面124が第2樹脂絶縁層20の第3面22と対向している。図3Hに示されるように、第3樹脂絶縁層120の上からレーザ光Lが照射される。レーザ光Lは例えばUVレーザ光やCO2レーザ光である。第3樹脂絶縁層120に開口126が形成される。レーザ光Lは第2導体回路36(パッド)を覆う膜50を貫通し第2導体回路36に至る。あるいは、レーザ光Lによって膜50が完全に除去されない。開口126の底は膜50で形成される。第2導体回路36に至るビア導体用の開口126が形成される。あるいは、膜50に至るビア導体用の開口126が形成される。開口126により第2導体回路36を覆う膜50が露出される。図3Hでは、開口126の底は膜50で形成されている。
【0063】
図3Iに示されるように、開口126内が洗浄される。膜50がレーザ光Lで完全に除去されない場合、開口26内を洗浄することにより開口126から露出する膜50が除去される。開口126から第2導体回路36(パッド)が露出する。開口126内の洗浄はプラズマによって行われる。即ち洗浄はドライプロセスで行われる。酸化剤を含む薬液を用いて洗浄を行うことができる。酸化剤の例は過マンガン酸カリウムである。洗浄はデスミア処理を含む。第3樹脂絶縁層120の第6面124と第2導体回路36の間に形成されている膜50は除去されない。そのため、第3樹脂絶縁層120の第6面124と第2導体回路36の間に隙間が形成されない。
【0064】
図3Jに示されるように、第3樹脂絶縁層120の第5面122上にシード層130aが形成される。シード層130aは無電解めっきによって形成される。シード層130aはスパッタで形成されてもよい。
【0065】
図3Kに示されるように、シード層130a上にめっきレジスト500が形成される。めっきレジスト500は、第3導体回路132、134(図1)を形成するための開口を有する。
【0066】
図3Lに示されるように、めっきレジスト500から露出するシード層130a上に電解めっき層130bが形成される。電解めっき層130bは銅で形成される。電解めっき層130bは開口126を充填する。第5面122上のシード層130aと電解めっき層130bによって、第3導体回路132、134が形成される。第3導体層130が形成される。開口126内のシード層130aと電解めっき層130bによってビア導体140が形成される。ビア導体140は、第2導体回路36と第3導体回路134を接続する。
【0067】
めっきレジスト500が除去される。電解めっき層130bから露出するシード層130aが除去される。第3導体層130とビア導体140は同時に形成される。第3導体層130の上面と側面が粗化される。
【0068】
その後、第2樹脂絶縁層20と第2導体層30とビア導体40を形成する方法と同様の方法によって、第4樹脂絶縁層220と第4導体層230とビア導体240が形成される。第4導体層230上に膜250が形成される。膜250は膜50を形成する方法と同様な方法で形成される。第3樹脂絶縁層120と第3導体層130とビア導体140を形成する方法と同様の方法によって、第5樹脂絶縁層320と第5導体層330とビア導体340が形成される。実施形態のプリント配線板2(図1)が得られる。
【0069】
実施形態のプリント配線板2(図1図2)では、第2導体層30の上面の粗さは第1導体層10の上面の粗さより小さい。そのため、第2導体層30に含まれる第2導体回路32、34、36でデータが伝送されると、伝送損失が小さい。高速な信号が伝送される時、ノイズが発生しがたい。第2導体層30と第3樹脂絶縁層120が膜50を介して密着する。第2導体層30と第3樹脂絶縁層120間で剥がれが発生しがたい。第1導体層10の上面の粗さは比較的大きい。そのため、第1導体層10と第2樹脂絶縁層20が十分に接着する。第1導体層10と第2樹脂絶縁層20間で剥がれが発生しがたい。実施形態のプリント配線板2は、高速な信号を低損失で伝送することと導体層と樹脂絶縁層間の剥がれを抑制することができる。
【0070】
同様に、第4導体層230と第5樹脂絶縁層320が膜250を介して密着する。第4導体層230と第5樹脂絶縁層320間で剥がれが発生しがたい。第3導体層130の上面の粗さは比較的大きい。そのため、第3導体層130と第4樹脂絶縁層220が十分に接着する。第3導体層130と第4樹脂絶縁層220間で剥がれが発生しがたい。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。
【0071】
導体層用面積と面積との比(導体層用面積/面積)が0.8以上であると、導体層と樹脂絶縁層間の界面に大きなストレスが加わりやすい。導体層とその導体層を覆う樹脂絶縁層間で剥がれが発生しやすい。比(導体層用面積/面積)が0.8以上であると、剥がれを防止するため、導体層の上面と側面が粗化される。導体層用面積と面積との比(導体層用面積/面積)が0.8未満であると、導体層とその導体層を覆う樹脂絶縁層間で剥がれが発生しがたい。そのため、比(導体層用面積/面積)が0.8未満であると、導体層と樹脂絶縁層間の界面に小さなストレスが加わりやすい。導体層の上面と側面の粗さを小さくすることができる。0.8未満の比を有する導体層は高速な信号を伝送するための導体層に適する。小さな粗さを有する導体層を接着膜で覆うことで、プリント配線板がストレスを受けても、導体層と樹脂絶縁層間の剥がれが発生しがたい。導体層が粗化されないと、そのような導体層は小さな粗さを有する導体層に含まれる。接着膜の例は膜50、250である。比(第1導体層用面積/第1面積)と比(第2導体層用面積/第2面積)、比(第3導体層用面積/第3面積)、比(第4導体層用面積/第4面積)、比(第5導体層用面積/第5面積)は比(導体層用面積/面積)に含まれる。同様に、導体層が粗化されるか導体層が膜(例えば、接着膜)で覆われるかどうかは、信号用導体回路の数と全ての導体回路の数との比に関係している。同様に、導体層が粗化されるか導体層が膜(例えば、接着膜)で覆われるどうかは、信号配線用面積と導体層用面積との比に関係している。実施形態のプリント配線板2は高速な信号を伝送することができる。そして、プリント配線板がストレスを受けても樹脂絶縁層が導体層から剥がれ難い。プリント配線板が5つ以上のビア導体で形成されるスタックビアを有していても、スタックビアを介する接続抵抗が安定である。図1に示されるスタックビアは4つのビア導体40、140、240、340で形成されている。
【0072】
膜50、250は導体層と樹脂絶縁層を接着する接着膜として機能することができる。
【0073】
[実施形態の別例]
実施形態の別例のプリント配線板2は、複数の導体層と複数の層間樹脂絶縁層(樹脂絶縁層)と複数のビア導体とを有する。導体層と層間樹脂絶縁層(樹脂絶縁層)は交互に積層されている。隣接する導体層はビア導体で接続される。別例では、導体層の数は5以上、20以下である。導体層の数は10以上であることが好ましい。導体層の数は15以上であることがより好ましい。導体層は第1種導体層と第2種導体層を含む。第1種導体層の数は2以上である。第1種導体層は実施形態の第2導体層30と同様の構成を有する。第1種導体層の上面と側面は図2に示されている膜50で覆われている。第2種導体層は実施形態の第1導体層10と同様の構成を有する。第1種導体層は最外の導体層を形成する。最外の導体層を形成する第1種導体層は開口を有するソルダーレジスト層で覆われる。ソルダーレジスト層の開口から露出する最外の導体層は電極を形成する。電極上に電子部品が搭載される。
【0074】
第1種導体層は膜で覆われる。膜は第1種導体層上の樹脂絶縁層と接する。第1種導体層と樹脂絶縁層は膜を介して接着される。第1種導体層の例は、実施形態の第2導体層30と第4導体層230である。第1種導体層は第2導体層30に関わる特徴を含む。第2導体層30に関わる特徴は実施形態内で説明されている第2導体層30と膜50の内容である。
【0075】
第2種導体層は第2種導体層を覆う樹脂絶縁層と接する。第2種導体層と樹脂絶縁層は凹凸を介して接着される。第2種導体層の例は、実施形態の第1導体層10と第3導体層130である。第2種導体層は第1導体層10に関わる特徴を含む。第1導体層10に関わる特徴は実施形態内で説明されている第1導体層10の内容である。
【0076】
第4導体層230が第3導体層130と第5導体層330で挟まれるように、第1種導体層は2つの第2種導体層で挟まれることが好ましい。
【0077】
別例のプリント配線板2は4つのビア導体で形成されるスタックビアを有する。さらに、別例のプリント配線板2は3つのビア導体で形成されるスタックビアを有する。
【0078】
別例のプリント配線板2の各辺の長さは50mm以上である。各辺の長さは100mm以上であることが好ましい。各辺の長さは250mm以下である。
【0079】
別例のプリント配線板2内の第1種導体層は10mm以上の長さを持つ信号用導体回路を持つ。信号用導体回路の長さは15mm以下である。
【符号の説明】
【0080】
2:プリント配線板
4:第1樹脂絶縁層
10:第1導体層
12、14:第1導体回路
20:第2樹脂絶縁層
30:第2導体層
32、34、36:第2導体回路
50:膜
60:平滑膜
70:突出部
72:突起
120:第3樹脂絶縁層
130:第3導体層
220:第4樹脂絶縁層
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L