(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132451
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】波動空間方法および装置
(51)【国際特許分類】
G21G 1/12 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G21G1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043215
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】502030271
【氏名又は名称】石川 泰男
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 泰男
(57)【要約】
【課題】高エネルギーを発生させるとともに熱バランスのよい反応を行わせしめる。
【解決手段】加熱により電磁波を放射する反応炉1内に電磁波のエネルギーを増幅する鉄よりも質量の小さい金属ナトリウム(Na)を増幅材として収納して反動空間Wを形成し、この波動空間W内で高エネルギーを発生させ、この高エネルギーを前記金属ナトリウムの微粒子の原子核及び処理すべき気体の構成原子の原子核の核力を保持している真空部分に当てて、核力を遮断して高エネルギーの発生と、核分裂の吸熱とをバランスさせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱により電磁波を放射する反応炉内に電磁波のエネルギーを増幅する増幅材を収納してイオン化した増幅材の微粒子と電子とを含む波動空間を形成し、この波動空間に所定間隔で不確定性原理に従う高エネルギーを発生せしめ、前記増幅材の原子炉内で処理すべき気体を構成する鉄よりも質量の小さいもので構成し、前記波動空間で発生した高エネルギーをそれら原子の原子核の真空の核力における対称性を破り、前記両原子の核崩壊の吸熱反応により吸収して熱バランスを取るようにした波動空間反応方法
【請求項2】
前記反応炉は加熱により多数の異なる振幅及び周波数を含む電磁波を放射する請求項1記載の反動反応方法。
【請求項3】
前記反応炉は円筒形、断面四角形又は断面六角形であり、加熱により定常波を放射する請求項1記載の波動反応方法。
【請求項4】
前記増幅材は、アルカリ金属(Na、K、Li等)、アルカリ±類金属(Mg,Ca等)、活性金属(Zn、Al等)のうち、少なくとも一原子からなるか、それを含む化合物からなり、前記処理すべき気体は炭酸ガス(CO2)、水蒸気(H2)及びアンモニア(NH4)のうち、一つである請求項1記載の波動反応方法。
【請求項5】
加熱により電磁波を放射する材質からなる反応炉と、この反応内に収納され電磁波のエネルギーを増幅するための質量が鉄(Fe)よりも小さい増幅材と、前記反応炉及び反応炉を加熱する為の加熱装置と、この加熱装置の加熱により増幅材のイオン化した微粒子とこの微粒子から飛び出した電子との混合体か又は、鉄より質量が小さい構成原子からなる処理気体を炉内に注入した時は処理気体の構成原子が加わった混合体であり、波動性と粒子性を備えた波動空間とからなり、前記増幅材の微粒子及び増幅材の微粒子は核力を保持する真空の原子核を備えている波動反応装置
【請求項6】
前記反応炉はステンレス製又は鉄製である請求項5記載の波動反応装置。
【請求項7】
前記加熱装置は炉周囲に巻回される帯状の電気ヒータである請求項5記載の波動反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子力学の権威である南部陽一郎博士が提示している“真空中の自発的対称性の破れ”の抽象的な概念を人為的に実証できる波動空間反応方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
20数年前、本件発明者はインターネットで触媒を加熱して水を加え水素を採集する実験を見て刺激を受け、開発者に交渉してその反応について教示して貰った。その開発者の話によれば酸化物と水酸化物とを700℃前後に加熱して水を供給すると、ケミカル反応によって水のHとOとが分離してHが生成されるとのことだった。私は、この反応原理に疑いを持ちつつ実験を重ね、2~3年後に、この反応は核反応であるという前提のもとに実証試験を重ねると同時に、量子力学の学習を継続していたところ、南部博士の理論に基づいて核反応が起きているのではないかと思い始めた。
【0003】
具体的な実験としては、最近世界が注目している炭酸ガス(CO
2)と核反応により、CO
2の中の特にOを核分裂して陽子、中性子、原子に分離するようにしてCO
2の分子を消去することを行っている。すなわち、反応炉をステンレス製で形成し、その中に電磁波増幅材としての金属ナトリウム(Na)を注入し、反応炉を400~600℃に加熱してNaの微粒子をイオン化させつつ電子との混合体を形成している。実験中において炉内の雰囲気をプラズマ測定器で測定したところ、エネルギーの発生(電流値が上下に激しく振動する)が観察された(
図7)。次いで、炉内に炭酸ガス(CO
2)を注入すると、水素が大量に発生するので、CO
2の原子核が(内部は真空)が崩壊していると考えざるを得ず、南部博士の“真空の中に起きる自発的対称性の破れ”の理論と実証結果が結び付いたのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-168898
【特許文献2】WO2021/079843A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、南部博士の論理は独創的で宇宙の成り立ちの根本に関するのであるが、具体的な装置として作成されておらず、人類がその理論を十分に数々の生活向上に役立てておらず、机上の空論になりかねない。
【0006】
また、現在、核反応は原子力発電に使用されているが、この核分裂はウランを2~3種類の原子に変換させる時の発熱反応を利用したものであり、核分裂は連鎖して起き、冷却機能が故障すると大きな事故に繋がりかねない。
【0007】
そこで、本発明は、南部論理を具体的に装置化するとともに、発熱と吸熱の熱バランスを取り安全な核反応を行わせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の波動空間反応は、加熱により電磁波を放射する反応炉内に電磁波のエネルギーを増幅する増幅材を収納してイオン化した増幅材の微粒子と電子とを含む波動空間を形成し、この波動空間に所定間隔で不確定性原理に従う高エネルギーを発生せしめ、前記増幅材の原子炉内で処理すべき気体を構成する鉄よりも質量の小さいもので構成し、前記波動空間で発生した高エネルギーをそれら原子の原子核の真空の核力における対称性を破り、前記両原子の核崩壊の吸熱反応により吸収して熱バランスを取るようにした。
【0009】
また、前記反応炉加熱により多数の異なる振幅及び周波数を含む電磁波を放射することが好ましい。
【0010】
更にまた、前記反応炉は円筒形、断面四角形又は断面六角形であり、加熱により定常波を放射するものが好ましい。
【0011】
本発明の波動空間反応装置は、加熱により電磁波を放射する材質からなる反応炉と、この反応内に収納される電磁波のエネルギーを増幅するための質量が鉄(Fe)よりも小さい増幅材と、前記反応炉及び反応炉を加熱する為の加熱装置と、この加熱装置の加熱により増幅材のイオン化した微粒子とこの微粒子から飛び出した電子との混合体か又は、鉄より質量が小さい構成原子からなる処理気体を炉内に注入した時は、処理気体の構成原子が加わった混合体であり、波動性と粒子性を備えた波動空間とからなり、前記増幅材の微粒子及び増幅材の微粒子は核力を保持する真空の原子核を備えている。
【0012】
また、前記反応炉はステンレス製又は鉄製であることが好ましい。
【0013】
更に、また、前記加熱装置は炉周囲に巻回される帯状の電気ヒータであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単な構造で物質の原子核内の真空内のゲージ場によって作られた核の対称性を人為的に破ることができ、核力を遮断して物資の原子核の真空を崩壊させ南部論理を現実の装置として具体化できる。
【0015】
また、増幅材と処理すべき気体の構成原子として質量が鉄より小さなものを選択すると、波動空間の発熱をそれらの原子核の真空の崩壊により吸収して熱バランスを取るので装置が安全である。また、真空の崩壊により核力が遮断して陽子と中性子が自由運動をするが、陽子と自由になった電子とが再結合すれば水素が採集できる。
【0016】
更に、また、CO2のような有害物質の原子核を崩壊させれば、有害物質の無害化が可能となるし、また、波動空間内には電子が充満しているので、その電子を取出せば直接発電機にもなり得る。しかも、反応炉の外部に陽子、中性子、電子が飛び出すことなく安全である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の波動空間反応装置の縦断面図である。
【
図7】波動空間をプラズマ測定器で計測した時の電流の変化を示す図である。
【
図8】波動空間の高エネルギー発生状態を示す図である。
【
図10】Na原子の増幅作用を説明する説明図である。
【
図11】原子質量数と一核子当たりの結合エネルギーを示すグラフである。
【
図12】酸素の原子核の状態と核力が遮断された時の陽子と中性子の挙動を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1において、本発明の反応炉1は円筒形の本体2を有し、この本体2はその左端が端板2aで閉じられ、他端は開放されている。前記他端には開閉蓋2bが形成され、この開閉蓋2bは必要時に開放して炉内の点検及び後述する増幅材の交換をする為のものである。
【0020】
前記本体2の外周には、加熱装置としての帯状電気ヒータ3、3…3が巻回されており、この帯状電気ヒータ3は、その加熱面(内面)が本体1の外周面に広く密着しており、本体1及び本体1に内接するカーボン筒4を効率よく加熱する。
【0021】
前記カーボン筒4の左端は端板4aで閉塞され、その右端は開放している。また、本体1及びカーボン筒4の周面を貫通して左端側には、処理すべき気体(例えば、炭酸ガス(CO2)、水蒸気(H2O)又はアンモニア(NH3)を注入する注入管5及び処理後の気体を排出する排出管6が取付けられている。なお、本体1の底部にはステンレス製のトレー7内に発生した電磁波を増幅する為の増幅器8が交換可能に収納されている。また、帯状電気ヒータ3の代わりに、本体2内に棒状ヒータ40を挿入すれば熱交換率が上昇する。
【0022】
1)反応炉の構造
前記反応炉1は、加熱により発生する電磁波に定常波が含まれることが必要である。
図2において、定常波とは両端が固定され1/2波長(λ)の整数倍nがカーボン筒4の直径Dに等しく、波が同一経路を通って重なり合い、そのエネルギーはnの2乗に等しくなり、このことはそのエネルギーは周波数γ(c/λ)の2乗に比例することとなり、本体2内に形成される波動空間Wの発生するエネルギーが大となる。定常波を発生させるためには、直径Dの円筒形でも良いし(
図3)、
図4のように一辺の長さDの四角形でも良いし、
図5のように対辺の距離Dの6角形でも良い。
【0023】
また、反応炉1の材質は加熱により多数の異なる振幅及び周波数が放射されて、いわゆる波束が形成されるものが好ましく、この点、ステンレス製の本体2、カーボン筒4は理想に近いものであり、
図1においては本体1にカーボン筒4が内接されている。必ずしもカーボン筒4は必要でないが、このカーボン筒4は特に炭酸ガス(CO
2)を処理する場合に、CO
2のOがカーボン筒4のCと酸化してもCO
2(気体)が発生するので、酸化膜の形成が防止できるので便利である。
【0024】
電磁波の振幅と周波数が連続的に変化する場合に、幅Δχの狭い波束が形成され(
図6)、ハイデルベルグの不確定性原理によれば次の式が成立する。すなわち、Δχ・Δp(運動量)≧h(エイチバー)であり、幅Δχが狭くなればΔpの不確実性は大きくなり、大きな運動量の発生が許容され得る。すなわち、幅の狭い波束程、大きな運動量が発生し得るのである。
【0025】
上述したように、波動空間Wは定常波と波束の発生によりエネルギーの大なる波動を生じさせることができるが、波動空間Wのエネルギーをプラズマ測定器で計測したところ、
図7に示すように、電流値が上下で大きく振動し、このようにエネルギーは短時間で変動していることが判った。
【0026】
前記
図6、
図7に示すように、波動空間W中には短時間であれば、ピーク的な大きな運動量(大エネルギーに繋がる)が発生し得ることが判り、これは
図8に示すように、所定間隔でピーク的でフーリエ級数的に大きなエネルギーが生じ得ることを示している。すなわち、ハイデルベルグの不確定性原理によれば発生エネルギーの不確定さΔEと発生時間Δtとの間には、以下の関係が成り立つ。
【0027】
ΔE・Δt≧h(エイチバー)
これは、エネルギーの発生時間が極く短時間であれば、大きなエネルギーが発生し得ることを意味し、この際エネルギー保存の法則は適用されない。
【0028】
すなわち、波動空間W中には所定間隔でピーク的エネルギーが発生し、このエネルギーが処理すべき気体を構成する原子の原子核の核力を越えれば、核力が遮断されて原子核の陽子、中性子は分離される。
【0029】
2)増幅
発生する電磁波のエネルギーを増幅する作用を果たすものであり、物質の原子構造においては中心に原子核が存在し、その周囲の軌道に電子が回転していることが共通しており、物質により原子核の陽子、中性子、回転軌道上の電子の数のみが異なるだけであるので、殆どの物質が増幅材として使用できるが、特に、イオン化エネルギーの小さなアルカリ金属(Na、K、Li等)が最も好ましい。アルカリ±類金属(Ca、Mg等)でも有効であるが、電子を吸収してしまう電気的に陰性の原子O、Cl等は好ましくない。
【0030】
増幅材として金属ナトリウム(Na)を使用した場合について、その作用をいかに詳しく説明する。
【0031】
図1において、帯状ヒータ3を500~600℃に設定すると、本体1、カーボン筒4及びトレー7からは、
図10に示すように多数の振幅と周波数を備えた電磁波γ
1が発生し、この電磁波γ
1は、トレー7内のNa原子内に入り、その近傍に存在する電子e
1
-から、第2の電磁波γ
2を誘導放射せしめ、電磁波γ
1と同等の電磁波の数を増加せしめる。
【0032】
一方、別の電磁波γ3が、軌道上の電子e2
-に衝突した時に、e2
-は電磁波γ3のエネルギーを吸収し、軌道から弾き飛ばされ自由電子e3
-となる。この自由電子e3
-は振動しながら飛行し、周波数の高い電磁波γ4を放射し、このエネルギーの大きな自由電子e3
-は、他のNa原子に入り誘導放射させたり、更に周波数の高い電磁波を放射せしめる。
【0033】
3)波動空間
このようにして、トレー7内のNa原子は、いくつかの電子が軌道から飛び出してイオン化(Na
+、Na
2+、…Na
x+)すると同時にそれ自身も励起され微粒子化して高温になり、一部は気化して波動空間W内に充満する。こうして先ず波動空間はイオン化されたNaの微粒子と自由電子とが共存する、いわゆるプラズマ状態となるので、この雰囲気をプラズマ測定器で測定したのが
図7に示す電流値の上下の振動状態図である。
【0034】
この状態の波動空間Wには、
図8に示すようなピーク的エネルギーが発生し、実証試験によれば、水素が発生するのでNa原子核の核力より大きなエネルギーが発生しているものと思われる。Naの原子核の核子1ケ当たりの結合エネルギーは、約8.0MeVであるので、Naの一原子当たりの核力は、Naが22個核子が存在するので、以下の通りとなる。
【0035】
8.0×106(Mega electron volt×1.6×1-10-19(joule)
×22個≒2,28×10-11J
この値は、E=hνからどの程度の周波数の電磁波に相当するか計算すると以下の通り となる。
【0036】
【0037】
これは電磁波で言えば1022以上の周波数、すなわちγ(ガンマ)線の領域に含まれる。
【0038】
波動空間Wにおいては、Naイオンとここから飛び出した電子e-と電磁波とでプラズマ空間を形成しているが、Naイオン粒と電子e-は粒子ではあるが、ド・フロイの物質波も放出し波動性も有し、一方電子波も粒子性をも有する。したがって、波動空間は粒子と波の2つの形態のエネルギーを有する。
【0039】
4)結合エネルギーの分析
図11は質量数とその質量数の原子核の一核子当たりの結合エネルギーを表示したものであり、現在の原子力は
235Uを核分裂させて、例えば、バリウム(Ba)とクリプトン(Kr)に分裂せしめ、結合エネルギーの最大の鉄(Fe)との結合エネルギーの差を熱量として取出したもので、その熱量に相当する質量欠損を生じさせている。
【0040】
一方、Feよりも質量数の小さな原子を核分裂させた場合には(特にpの原子核陽子)、その原子と陽子pとの結合エネルギーの差に相当する熱量を吸熱する。すなわち、その分に相当する質量が増加する。増加する質量mは、以下の式で計算される。
【0041】
E=mc2
m=E/c2
ここでNaが核分裂する場合、
E=8.0×106×1.6×10-19joule=1.3×10-18joule であり、したがって、mは以下の通りである。
【0042】
m=1.3×10
-18/(30,000)
2≒1.4×10
-9kg
すなわち、1.4×10
-6g程増加することとなる。
5)発熱と吸熱のバランス
前記波動空間Wには、パルス的に不確定原理に従う範囲内で核分裂を起こす程の高エネルギーが所定時間間隔で生じているが、
図9に示すようにこの高エネルギーの発生に伴って波動空間W内を移動している気体のN
a+イオンは、その原子核が崩壊して吸熱し、炉内温度が、例えば、設定温度の600℃に保持され安全である。更に詳しく述べると、あるタイミングで発熱(E)がΔt
1の短時間起こると、直ちにNaの原子核が崩壊し吸熱となり、その後、tx
1時間後に再びΔt
2時間発熱し、これに伴って直ちに吸熱し、次いでtx
2時間後に発熱がΔt
3間で起こり、tx
3時間後に次の発熱がΔt
4間起こり、この動作が繰り返される。
【0043】
6)処理すべき気体の注入
増幅材の質量を鉄(Fe)よりも小さなものとし、更に処理すべき気体の構成原子を鉄(Fe)よりも小さなものとすれば、発熱、吸熱のサイクルが確実に繰り返される。例えば、処理すべき気体として、炉内に炭酸ガス(CO2)を注入した場合、波動空間のエネルギーによってCとOと分離し、Cは固体であるので周囲の壁に補足され易く、Oが主として崩壊してNa原子の核崩壊に新たに加わる。なお、このOは核崩壊するのみでなく、Naイオンと化合してNaO、NaOH、Na2CO3の酸化物を生じるが、炉内の設定温度を800℃以上に上昇させると、これらの酸化物も気体となり増幅材として機能する。
【0044】
処理すべき気体としては他にアンモニア(NH4)あるいは水蒸気(H2O)等が選択され得る。
【0045】
7)真空中に起きる自発的対称性の破れ
図12は、CO
2の処理の場合の酸素原子Oの原子核の状態を示すものであるが、その原子核30内には8個の陽子p及び8個の中性子nが存在し、陽子pと陽子p、陽子pと中性子n、中性子nと中性子n間には、電荷に無関係に互いに核力という引張力が作用してその形を固く維持している。前記陽子p及び中性子nは振動しており電磁波を放射している。前記原子核30内は真空であり、この真空中には陽子と中性子がその中に含む強い引張力を備えたグルーオンの影響で核力を保持するゲージ場が形成され、このゲージ場は常時は対称性が維持されるが、波動空間W内に高エネルギー31が与えられると、南部博士の言う通り、真空の自発的対称性が破れ、例えば陽子と陽子間、陽子と中性子間、中性子と中性子間のいずれかの核力が遮断されると、他の粒子間の核力も自発的になくなり、結局原子核30が崩壊する。
【0046】
8)原子核の崩壊後の粒子の挙動
核力が遮断され原子核が崩壊すると、陽子と陽子間には反発力が作用して互いに反対方向に飛び出す場合もあるだろうが、一つの陽子は他の七つの陽子からも反発力を受けるので、それらがバランスして大きな運動量を有して飛び出すとは考えにくい。しかもカーボン筒4は透過しても炉本体はステンレス製であり自由電子を放射してプラスの電荷を有しているので、その反発力により透過しにくい。中性子は何の反発力を受けないので反発力によって大きな運動差を得ることはなく炉内を浮遊する。したがって、実証試験中に中性子測定器を炉に隣接して設置しても作動したことはない。
【0047】
9)再結合
原子核が核崩壊した場合に、炉内を陽子p、中性子n、電子e
-が自由に異なる速度で飛び交うが、タイミングが合えば
図13に示すように、陽子pと陽子pとが再結合(いわゆる核融合)が生じる。実証試験では200℃以上急激に炉内の温度が上昇したことがあり、この現象が起きたものと思われるが、次の瞬間、高エネルギーの発生に伴い核分裂して吸熱するので、やがて炉内の設定温度に戻る。
【0048】
また、陽子pと中性子nと電子e-が再結合して重水素ができることも考えられるし、陽子pと電子e-が再結合して水素が生じる。実証試験では多量の水素が採集できている。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は安全に核分裂を起こさせることができるので、有害物質の処理(CO2、トリチウム、NH4等)、波動空間の電子をそのまま取り出す発電事業、水から水素を大量に取り出す水素事業、CO2のCとOとの分離によるナノオーダーのCと水素からメタンを生成する燃焼ガス製造事業に応用できる。
【符号の説明】
【0050】
1…反応炉
2…本体
3…帯状電気ヒーター
4…カーボン筒
7…トレー
8…増幅材
30…酸素の原子核