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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132458
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/20 20230101AFI20240920BHJP
   H01L 27/00 20060101ALI20240920BHJP
   H10B 43/23 20230101ALI20240920BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240920BHJP
   H10B 43/50 20230101ALI20240920BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H10B43/20
H01L27/00 301C
H01L27/00 301B
H10B43/23
H10B43/27
H10B43/50
H01L29/78 371
H01L27/088 H
H01L27/088 E
H01L27/092 K
H01L21/90 B
H01L29/44 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043226
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】白 承根
(72)【発明者】
【氏名】園原 輝久
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104BB30
4M104CC05
4M104DD03
4M104DD08
4M104DD16
4M104DD17
4M104EE06
4M104EE16
4M104EE17
4M104FF06
4M104FF18
4M104FF27
4M104GG16
4M104HH15
5F033JJ19
5F033JJ20
5F033JJ21
5F033JJ33
5F033KK19
5F033KK20
5F033KK21
5F033KK33
5F033QQ48
5F033RR04
5F033VV16
5F033XX09
5F048AA01
5F048AB01
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5F048BB09
5F048BD07
5F048BF02
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5F048CB02
5F048CB07
5F083EP17
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5F083EP76
5F083ER02
5F083ER03
5F083ER22
5F083GA02
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5F083JA03
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA03
5F083KA05
5F083KA11
5F083KA12
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA18
5F083LA21
5F083MA01
5F083MA15
5F083MA16
5F083PR03
5F083PR21
5F083PR28
5F101BA42
5F101BA44
5F101BA46
5F101BB02
5F101BB08
5F101BC01
5F101BC02
5F101BC11
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
(57)【要約】
【課題】好適な電極層およびプラグを実現可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体装置は、第1方向に交互に積層された複数の電極層および複数の第1絶縁膜を含む積層膜を備える。前記装置はさらに、前記積層膜を前記第1方向に貫通し、前記複数の電極層のうちの第1電極層と電気的に接続された第1プラグを含む複数のプラグを備える。前記装置はさらに、前記積層膜を前記第1方向に貫通し、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部を備える。前記第1電極層および前記第1プラグは、同一の金属層を含み、前記第1電極層内の前記金属層は、前記第1プラグ内の前記金属層と連続している。
【選択図】図36
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に交互に積層された複数の電極層および複数の第1絶縁膜を含む積層膜と、
前記積層膜を前記第1方向に貫通し、前記複数の電極層のうちの第1電極層と電気的に接続された第1プラグを含む複数のプラグと、
前記積層膜を前記第1方向に貫通し、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部と、
を備え、
前記第1電極層および前記第1プラグは、同一の金属層を含み、
前記第1電極層内の前記金属層は、前記第1プラグ内の前記金属層と連続している、
半導体装置。
【請求項2】
前記金属層は、
前記第1電極層および前記第1プラグに含まれる第1金属層と、
前記第1電極層内で前記第1金属層の少なくとも上面および下面に設けられ、前記第1プラグ内で前記第1金属層の少なくとも側面に設けられた第2金属層と、
を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1電極層内の前記第1金属層は、前記第1プラグ内の前記第1金属層と連続しており、前記第1電極層内の前記第2金属層は、前記第1プラグ内の前記第2金属層と連続している、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1電極層内の前記第1金属層は、前記第2金属層により、前記第1プラグ内の前記第1金属層と分離されていない、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1金属層は、第1金属元素を含み、前記第2金属層は、前記第1金属元素と異なる第2金属元素を含む、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1電極層および前記第1プラグの表面に設けられた第2絶縁膜をさらに含み、
前記第2絶縁膜は、前記第1および第2金属元素と異なる第3金属元素を含む、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1電極層および前記第1プラグの表面に設けられた第2絶縁膜をさらに含み、
前記第1電極層の表面の前記第2絶縁膜は、前記第1プラグの表面の前記第2絶縁膜と連続している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1プラグは、前記積層膜の階段構造部内に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1プラグは、前記複数の電極層のうちの前記第1電極層と電気的に接続され、前記複数の電極層のうちの第2電極層と電気的に絶縁されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1プラグと前記第2電極層との間に設けられた第3絶縁膜をさらに含む、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
第1方向に交互に積層された複数の電極層および複数の第1絶縁膜を含む積層膜を形成し、
前記積層膜を前記第1方向に貫通し、前記複数の電極層のうちの第1電極層と電気的に接続された第1プラグを含む複数のプラグを形成し、
前記積層膜を前記第1方向に貫通し、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部を形成する、
ことを含み、
前記第1電極層および前記第1プラグは、同一の金属層を含むように形成され、
前記第1電極層および前記第1プラグは、前記第1電極層内の前記金属層が、前記第1プラグ内の前記金属層と連続するように形成される、
半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記金属層は、
前記第1電極層および前記第1プラグに含まれる第1金属層と、
前記第1電極層内で前記第1金属層の少なくとも上面および下面に設けられ、前記第1プラグ内で前記第1金属層の少なくとも側面に設けられた第2金属層と、
を含むように形成される、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1プラグは、前記複数の電極層のうちの前記第1電極層と電気的に接続され、前記複数の電極層のうちの第2電極層と電気的に絶縁されるように形成される、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
第1方向に交互に積層された複数の第1層および複数の第1絶縁膜を含む積層膜を形成し、
前記積層膜を前記第1方向に貫通し、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部を形成し、
前記積層膜を貫通する複数のホールを形成し、
前記複数のホール内に複数の第2層を形成し、
前記複数のホールから前記複数の第2層を除去し、前記積層膜から前記複数の第1層を除去して、前記積層膜内に複数の凹部を形成し、
前記複数の凹部内に複数の電極層を形成し、前記複数の凹部内に、前記複数の電極層のうちの第1電極層と電気的に接続された第1プラグを含む複数のプラグを形成する、
ことを含み、
前記第1電極層および前記第1プラグは、前記第1電極層用の第1凹部内および前記第1プラグ用の第1ホール内に、同一の金属層を形成することで形成され、
前記第1電極層および前記第1プラグは、前記第1電極層内の前記金属層が、前記第1プラグ内の前記金属層と連続するように形成される、
半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記金属層は、
前記第1電極層および前記第1プラグに含まれる第1金属層と、
前記第1電極層内で前記第1金属層の少なくとも上面および下面に設けられ、前記第1プラグ内で前記第1金属層の少なくとも側面に設けられた第2金属層と、
を含むように形成される、請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記金属層は、前記第1ホールおよび前記第1凹部内に、第2絶縁膜を介して形成される、請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1プラグは、前記複数の電極層のうちの前記第1電極層と電気的に接続され、前記複数の電極層のうちの第2電極層と電気的に絶縁されるように形成される、請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記複数のホール内に前記複数の第2層を形成する前に、前記第1ホールから、前記複数の第1層のうちの少なくとも1つの第1層の側面に第3絶縁膜を形成することをさらに含み、
前記複数の凹部は、前記第3絶縁膜が残存するように形成され、
前記第2電極層は、前記第3絶縁膜の側面に形成される、
請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元半導体メモリでは、ワード線などの電極層と、この電極層用のコンタクトプラグとの間で、種々の問題が発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許US10748923号公報
【特許文献2】特開2019-161080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適な電極層およびプラグを実現可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体装置は、第1方向に交互に積層された複数の電極層および複数の第1絶縁膜を含む積層膜を備える。前記装置はさらに、前記積層膜を前記第1方向に貫通し、前記複数の電極層のうちの第1電極層と電気的に接続された第1プラグを含む複数のプラグを備える。前記装置はさらに、前記積層膜を前記第1方向に貫通し、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部を備える。前記第1電極層および前記第1プラグは、同一の金属層を含み、前記第1電極層内の前記金属層は、前記第1プラグ内の前記金属層と連続している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図2】第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
図3】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
図4】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
図5】第1実施形態の変形例の半導体装置の構造を示す断面図である。
図6】第1実施形態の変形例の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/3)である。
図7】第1実施形態の変形例の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/3)である。
図8】第1実施形態の変形例の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/3)である。
図9】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/28)である。
図10】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/28)である。
図11】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/28)である。
図12】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/28)である。
図13】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(5/28)である。
図14】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(6/28)である。
図15】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(7/28)である。
図16】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(8/28)である。
図17】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(9/28)である。
図18】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(10/28)である。
図19】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(11/28)である。
図20】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(12/28)である。
図21】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(13/28)である。
図22】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(14/28)である。
図23】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(15/28)である。
図24】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(16/28)である。
図25】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(17/28)である。
図26】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(18/28)である。
図27】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(19/28)である。
図28】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(20/28)である。
図29】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(21/28)である。
図30】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(22/28)である。
図31】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(23/28)である。
図32】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(24/28)である。
図33】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(25/28)である。
図34】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(26/28)である。
図35】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(27/28)である。
図36】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(28/28)である。
図37】第1実施形態の比較例の半導体装置と、第1実施形態の半導体装置とを比較するための断面図である。
図38】第1実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
図39】第1実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
図40】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
図41】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1図41において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0009】
本実施形態の半導体装置は、例えば3次元半導体メモリを備える。本実施形態の半導体装置は、後述するように、アレイチップ1を含むアレイウェハと、回路チップ2を含む回路ウェハとを貼り合わせることで製造される。
【0010】
アレイチップ1は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ11と、メモリセルアレイ11上の絶縁膜12と、メモリセルアレイ11下の層間絶縁膜13とを備える。絶縁膜12は例えば、SiO膜(シリコン酸化膜)である。層間絶縁膜13は例えば、SiO膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0011】
回路チップ2は、アレイチップ1下に設けられている。符号Sは、アレイチップ1と回路チップ2との貼合面を示す。回路チップ2は、層間絶縁膜13下の層間絶縁膜14と、層間絶縁膜14下の基板15とを備える。層間絶縁膜14は例えば、SiO膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。基板15は例えば、Si(シリコン)基板などの半導体基板である。
【0012】
図1は、基板15の表面に平行で互いに垂直なX方向およびY方向と、基板15の表面に垂直なZ方向とを示す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差している。本明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していてもよいし、重力方向とは一致していなくてもよい。Z方向は、第1方向の例である。
【0013】
アレイチップ1は、メモリセルアレイ11内の複数の電極層として、複数のワード線WLを備える。図1は、メモリセルアレイ11内の階段構造部21と、階段構造部21内に設けられた複数の梁部22とを示す。各ワード線WLは、コンタクトプラグ23を介してワード配線層24と電気的に接続されている。コンタクトプラグ23のさらなる詳細については、後述する。上記複数のワード線WLを貫通する各柱状部CLは、ビアプラグ25を介してビット線BLと電気的に接続されており、かつ、ソース線SLと電気的に接続されている。ビット線BLは、これらのワード線WLの下方に設けられ、ソース線SLは、これらのワード線WLの上方に設けられている。
【0014】
回路チップ2は、複数のトランジスタ31を備える。各トランジスタ31は、基板15上に順に設けられたゲート絶縁膜31aおよびゲート電極31bと、基板15内に設けられた不図示のソース拡散層およびドレイン拡散層とを含む。また、回路チップ2は、これらのトランジスタ31のゲート電極31b、ソース拡散層、またはドレイン拡散層上に設けられた複数のコンタクトプラグ32と、これらのコンタクトプラグ32上に設けられ、複数の配線を含む配線層33と、配線層33上に設けられ、複数の配線を含む配線層34とを備える。
【0015】
回路チップ2はさらに、配線層34上に設けられ、複数の配線を含む配線層35と、配線層35上に設けられた複数のビアプラグ36と、これらのビアプラグ36上に設けられた複数の金属パッド37とを備える。金属パッド37は例えば、Cu(銅)層を含む金属層である。回路チップ2は、アレイチップ1の動作を制御する制御回路(論理回路)として機能する。この制御回路は、トランジスタ31などにより構成されており、金属パッド37に電気的に接続されている。
【0016】
アレイチップ1は、金属パッド37上に設けられた複数の金属パッド41と、金属パッド41上に設けられた複数のビアプラグ42とを備える。また、アレイチップ1は、これらのビアプラグ42上に設けられ、複数の配線を含む配線層43と、配線層43上に設けられ、複数の配線を含む配線層44とを備える。金属パッド41は例えば、Cu層を含む金属層である。上記のビット線BLは、配線層44内に含まれている。また、上記の制御回路は、金属パッド41、37などを介してメモリセルアレイ11に電気的に接続されており、金属パッド41、37などを介してメモリセルアレイ11の動作を制御する。
【0017】
アレイチップ1はさらに、配線層44上に設けられた複数のビアプラグ45と、これらのビアプラグ45上や絶縁膜12上に設けられた金属パッド46と、金属パッド46上や絶縁膜12上に設けられたパッシベーション絶縁膜47とを備える。金属パッド46は例えば、Cu層を含む金属層であり、本実施形態の半導体装置の外部接続パッド(ボンディングパッド)として機能する。パッシベーション絶縁膜47は例えば、SiO膜およびSiN膜(シリコン窒化膜)を含む積層膜であり、金属パッド46の上面を露出させる開口部Pを有する。金属パッド46は、この開口部Pを介してボンディングワイヤ、はんだボール、金属バンプなどにより実装基板や他の装置に接続可能である。
【0018】
図2は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
【0019】
図2は、図1に示すメモリセルアレイ11を示している。メモリセルアレイ11は、Z方向に交互に積層された複数の電極層51aおよび複数の絶縁膜51bを含む積層膜51を備える。これらの電極層51aは例えば、上記のワード線WLとして機能する。各電極層51aは例えば、W(タングステン)層を含む金属層である。各絶縁膜51bは、例えばSiO膜である。これらの絶縁膜51bは、第1絶縁膜の例である。
【0020】
図2はさらに、図1に示す複数の柱状部CLのうちの1つを示している。各柱状部CLは、積層膜51の側面に順に設けられたメモリ絶縁膜52、チャネル半導体層53、およびコア絶縁膜54を含む。メモリ絶縁膜52は、積層膜51の側面に順に設けられたブロック絶縁膜52a、電荷蓄積層52b、およびトンネル絶縁膜52cを含む。電荷蓄積層52bは例えば、SiN膜などの絶縁膜である。電荷蓄積層52bは、ポリシリコン層などの半導体層でもよい。チャネル半導体層53は例えば、ポリシリコン層である。ブロック絶縁膜52a、トンネル絶縁膜52c、およびコア絶縁膜54は例えば、SiO膜である。トンネル絶縁膜52cは、SiON膜(シリコン酸窒化膜)でもよい。
【0021】
図3および図4は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0022】
図3は、複数のアレイチップ1を含むアレイウェハW1と、複数の回路チップ2を含む回路ウェハW2とを示す。図3でのアレイウェハW1の向きは、図1でのアレイチップ1の向きとは逆になっている。本実施形態では、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせることで半導体装置を製造する。図3は、貼合のために向きを反転される前のアレイウェハW1を示しており、図1は、貼合のために向きを反転されて貼合およびダイシングされた後のアレイチップ1を示している。
【0023】
図3において、符号S1はアレイウェハW1の上面を示し、符号S2は回路ウェハW2の上面を示す。アレイウェハW1は、絶縁膜12下に設けられた基板16を備える。基板16は例えば、Si基板などの半導体基板である。
【0024】
本実施形態ではまず、図3に示すように、アレイウェハW1の基板16上にメモリセルアレイ11、絶縁膜12、層間絶縁膜13、階段構造部21、金属パッド41などを形成し、回路ウェハW2の基板15上に層間絶縁膜14、トランジスタ31、金属パッド37などを形成する。次に、図4に示すように、面S1と面S2とが対向するように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜13と層間絶縁膜14とが接着される。次に、アレイウェハW1および回路ウェハW2をアニールする。これにより、金属パッド41と金属パッド37とが接合される。このようにして、基板16と基板15とが、層間絶縁膜13、14を介して貼り合わされる。
【0025】
その後、基板16をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により除去し、基板15をCMPにより薄膜化した後、アレイウェハW1および回路ウェハW2を複数のチップに切断する(ダイシング)。このようにして、図1に示す半導体装置が製造される。なお、金属パッド46およびパッシベーション絶縁膜47は、基板16の除去および基板15の薄膜化の後に、絶縁膜12上に形成される。
【0026】
なお、図1は、層間絶縁膜13と層間絶縁膜14との境界面や、金属パッド41と金属パッド37との境界面を示しているが、上記のアニール後はこれらの境界面が観察されなくなることが一般的である。しかしながら、これらの境界面のあった位置は、例えば金属パッド41の側面や金属パッド37の側面の傾きや、金属パッド41の側面と金属パッド37の側面との位置ずれを検出することで推定することができる。
【0027】
図5は、第1実施形態の変形例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0028】
本変形例の半導体装置(図5)は、第1実施形態の半導体装置(図1)と同様の構造を有する。ただし、第1実施形態のソース線SLは、アレイウェハと回路ウェハとを貼り合わせる前に形成されるのに対し、本変形例のソース線SLは、アレイウェハと回路ウェハとを貼り合わせた後に形成される。
【0029】
本変形例の半導体装置はさらに、複数のビアプラグ45上にそれぞれ複数のビアプラグ48を備える。本変形例の金属パッド46は、ビアプラグ45上にビアプラグ48を介して設けられている。
【0030】
図6図8は、第1実施形態の変形例の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0031】
図6は、複数のアレイチップ1を含むアレイウェハW1と、複数の回路チップ2を含む回路ウェハW2とを示す。図1および図3に示す場合と同様の理由から、図6でのアレイウェハW1の向きは、図5でのアレイチップ1の向きとは逆になっている。
【0032】
本変形例ではまず、図6に示すように、アレイウェハW1の基板16上にメモリセルアレイ11、層間絶縁膜13a(=層間絶縁膜13の一部)、階段構造部21、金属パッド41などを形成し、回路ウェハW2の基板15上に層間絶縁膜14、トランジスタ31、金属パッド37などを形成する。次に、図7に示すように、面S1と面S2とが対向するように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜13aと層間絶縁膜14とが接着される。次に、アレイウェハW1および回路ウェハW2をアニールする。これにより、金属パッド41と金属パッド37とが接合される。このようにして、基板16と基板15とが、層間絶縁膜13a、14を介して貼り合わされる。
【0033】
次に、図8に示すように、基板16をCMPにより除去し、基板15をCMPにより薄膜化する。これにより、層間絶縁膜13a、柱状部CL、梁部22、ビアプラグ45などが露出する。次に、柱状部CLおよび梁部22上にソース線SLを形成し、層間絶縁膜13a上にソース線SLを介して層間絶縁膜13b(=層間絶縁膜13の残部)を形成し、層間絶縁膜13b内のビアプラグ45上にビアプラグ48を形成する(図8)。次に、層間絶縁膜13bおよびビアプラグ48上に金属パッド46を形成し、層間絶縁膜13bおよび金属パッド46上にパッシベーション絶縁膜47を形成する(図8)。その後、アレイウェハW1および回路ウェハW2を複数のチップに切断する。このようにして、図5に示す半導体装置が製造される。
【0034】
図9図36は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。この方法は、図3および図4に示す方法の詳細に相当するが、図6図8に示す方法にもおおむね同様に適用可能である。
【0035】
図9(a)は、本実施形態の半導体装置のXZ断面を示している。図9(b)は、本実施形態の半導体装置のYZ断面を示している。これは、図10(a)~図36(b)についても同様である。
【0036】
まず、アレイウェハW1の基板16(不図示)上に、絶縁膜12(不図示)を介して、ソース層61を形成する(図9(a)および図9(b))。ソース層61は、半導体層61a、犠牲層61b’、および半導体層61cを順に含むように形成される。半導体層61aは、例えばポリシリコン層である。犠牲層61b’は例えば、層L1、L2、L2を順に含む積層膜である。層L1は、例えばSiO膜である。層L2は、例えばSiN膜である。層L3は、例えばSiO膜である。半導体層61cは、例えばポリシリコン層である。ソース層61は、上記のソース線SLとして機能する。
【0037】
次に、ソース層61上に積層膜51を形成し、積層膜51の一部を階段構造部21に加工する(図9(a)および図9(b))。積層膜51は、ソース層61上に複数の犠牲層51a’および複数の絶縁膜51bを交互に積層することで形成される。犠牲層51a’は第1層の例であり、絶縁膜51bは第1絶縁膜の例である。犠牲層51a’は、例えばSiN膜である。図9(a)は、一例として、5段分の階段を含む階段構造部21を示している。
【0038】
次に、積層膜51およびソース層61内に、Z方向に延びる複数のメモリホールMHを形成する(図9(a)および図9(b))。次に、各メモリホールMH内に、メモリ絶縁膜52、チャネル半導体層53、およびコア絶縁膜54を順に形成する(図9(a)および図9(b))。その結果、各メモリホールMH内に柱状部CLが形成される。次に、積層膜51上に、各柱状部CLを覆うように、層間絶縁膜62を形成する(図9(a)および図9(b))。層間絶縁膜62は、上記の層間絶縁膜13の一部である。層間絶縁膜62は、例えばSiO膜である。図9(a)および図9(b)では、メモリホールMHおよび柱状部CLが、積層膜51をZ方向に貫通している。
【0039】
次に、階段構造部21の各段の側面に、スペーサ層63を形成する(図10(a)および図10(b))。スペーサ層63は、例えばSiO膜である。スペーサ層63は、SiO膜を堆積し、SiO膜をエッチバックにより加工することで形成される。スペーサ層63は、層間絶縁膜62の側面にも形成される。
【0040】
次に、階段構造部21の各段の上面に、選択成長層64を形成する(図11(a)および図11(b))。選択成長層64は、例えばSiN膜である。選択成長層64は、各犠牲層51a’の上面から選択成長層64を選択的に成長させることで形成される。
【0041】
次に、階段構造部21上に層間絶縁膜65を形成し、層間絶縁膜65および階段構造部21内に、リソグラフィおよびRIE(Reactive Ion Etching)により、複数のコンタクトホールCCおよび複数の梁ホールHRを同時に形成する(図12(a)および図12(b))。これらのコンタクトホールCCおよび梁ホールHRは、それぞれ対応する選択成長層64を貫通するように形成され、かつソース層61に達するように形成される。図12(a)は、一例として、2つのコンタクトホールCCと3つの梁ホールHRとを示している。各コンタクトホールCCは、ホールの例である。層間絶縁膜65は、上記の層間絶縁膜13の一部である。層間絶縁膜65は、例えばSiO膜である。
【0042】
次に、層間絶縁膜62、65上にマスク層66を形成し、マスク層66を所定の形状に加工する(図13(a)および図13(b))。その結果、コンタクトホールCCがマスク層66で覆われ、梁ホールHRがマスク層66から露出する。マスク層66は、下部層66aおよび上部層66bを順に含むように形成される。下部層66aは、例えばハードマスク層である。上部層66bは、例えばレジスト層である。
【0043】
次に、各梁ホールHR内に梁部22を形成する(図14(a)および図14(b))。梁部22は、例えばSiO膜である。梁部22は、梁ホールHRの内部および外部にSiO膜を堆積し、梁ホールHRの外部のSiO膜をエッチバックにより除去することで形成される。梁部22は、後述するように犠牲層51a’を電極層51aに置換する際に(リプレイス工程)、積層膜51が崩れるのを防ぐための梁として機能する。なお、図14(a)および図14(b)の工程では、各コンタクトホールCCがマスク層66で覆われているため、各コンタクトホールCC内にSiO膜は形成されない。
【0044】
次に、マスク層66を除去し、ウェットエッチングにより各コンタクトホールCCから犠牲層51a’および選択成長層64を加工する(図15(a)および図15(b))。その結果、各コンタクトホールCCの側部に、リング形状の凹部H1、H2が形成される。各凹部H1は、犠牲層51a’および選択成長層64が除去されることで形成される大きな凹部である。各凹部H2は、犠牲層51a’が除去されることで形成される小さな凹部である。このウェットエッチングは例えば、HPO(リン酸)を用いて行われる。
【0045】
次に、層間絶縁膜62、65上に絶縁膜67を形成する(図16(a)および図16(b))。その結果、各コンタクトホールCCの側面や底面に絶縁膜67が形成される。本実施形態の絶縁膜67は、各凹部H1が絶縁膜67で完全には埋まらず、各凹部H2が絶縁膜67で完全に埋まるように形成される。絶縁膜67は、例えばSiO膜である。絶縁膜67は、第3絶縁膜の例である。
【0046】
次に、CDE(Chemical Dry Etching)により絶縁膜67を加工する(図17(a)および図17(b))。その結果、絶縁膜67が、層間絶縁膜62、65の上面や各凹部H1から除去される。次に、半導体層61cの表面を、各コンタクトホールCCから酸化する(図17(a)および図17(b))。その結果、各コンタクトホールCCに露出した半導体層61cの表面に、絶縁膜68が形成される。絶縁膜68は、例えばSiO膜である。
【0047】
次に、各コンタクトホールCC内に犠牲層71を形成する(図18(a)および図18(b))。犠牲層71はさらに、各コンタクトホールCCの側部の凹部H1内にも形成される。犠牲層71は、例えばaSi(アモルファスシリコン)層である。犠牲層71は、コンタクトホールCCおよび凹部H1の内部および外部にaSi層を堆積し、コンタクトホールCCおよび凹部H1の外部のaSi層をエッチバックにより除去することで形成される。犠牲層71は、第2層の例である。次に、層間絶縁膜62、65上に層間絶縁膜72を形成する(図18(a)および図18(b))。層間絶縁膜72は、上記の層間絶縁膜13の一部である。層間絶縁膜72は、例えばSiO膜である。
【0048】
次に、層間絶縁膜72上にマスク層73を形成し、マスク層73を所定の形状に加工する(図19(a)および図19(b))。その結果、マスク層73内に開口部H3が形成される。マスク層73は、下部層73aおよび上部層73bを順に含むように形成される。下部層73aは、例えばハードマスク層である。上部層73bは、例えばレジスト層である。
【0049】
次に、マスク層73を用いたRIEにより、開口部H3下の層間絶縁膜72、層間絶縁膜62、積層膜51、および半導体層61c内にスリットSTを形成する(図20(a)および図20(b))。スリットSTは、Z方向およびX方向に延びるように形成され、かつ犠牲層61b’に達するように形成される。本実施形態では、メモリセルアレイ11がY方向に延びており、階段構造部21がX方向に延びている。次に、マスク層73を除去する(図20(a)および図20(b))。
【0050】
次に、スリットSTの側面および底面に絶縁膜74を形成する(図21(a)および図21(b))。絶縁膜74は例えば、SiN膜を堆積し、SiN膜を酸化することで形成される。
【0051】
次に、スリットSTの側面および底面に絶縁膜74を介して半導体層75および絶縁膜76を順に形成し、スリットSTの底部の絶縁膜76、半導体層75、および絶縁膜74をリソグラフィおよびRIEにより加工し、その後にスリットSTの底部を酸化する(図22(a)および図22(b))。その結果、図22(b)に示す形状の絶縁膜74、半導体層75、および絶縁膜76が、スリットST内に形成される。半導体層75は、例えばaSi層である。絶縁膜76は、例えばSiO膜である。
【0052】
次に、ウェットエッチングによりスリットSTから犠牲層61b’を除去し、その後にウェットエッチングにより各柱状部CLのメモリ絶縁膜52の一部と絶縁膜76とを除去する(図23(a)および図23(b))。その結果、半導体層61aと半導体層61cとの間に凹部H4が形成され、凹部H4内に各柱状部CLの側面が露出する。さらには、各柱状部CLのチャネル半導体層53の側面が凹部H4内に露出する。後者のウェットエッチングは例えば、SiO膜(ブロック絶縁膜52a、トンネル絶縁膜52c、絶縁膜76)を除去するための薬液と、SiN膜(電荷蓄積層52b)を除去するための薬液とを用いて行われる。なお、本実施形態では、階段構造部21下の犠牲層61b’は、これらのウェットエッチングにより除去されずに残存する。
【0053】
次に、スリットSTから凹部H4内に半導体層61bを形成する(図24(a)および図24(b))。その結果、半導体層61a、61b、61cを含むソース層61が形成される。半導体層61bは、例えばアモルファスシリコン層である。半導体層61bは、凹部H4の内部および外部にアモルファスシリコン層を堆積し、凹部H4の外部のアモルファスシリコン層をエッチバックにより除去することで形成される。この際、半導体層75も除去される。このアモルファスシリコン層は、ドーパントを含んでいる。また、このアモルファスシリコン層は、のちの工程で結晶化されて、ポリシリコンに変化してもよい。
【0054】
次に、CDEにより絶縁膜74を除去する(図25(a)および図25(b))。その結果、積層膜51の側面が、再びスリットST内に露出する。
【0055】
次に、ソース層61の表面を、スリットSTから酸化する(図26(a)および図26(b))。その結果、スリットST内に露出したソース層61の表面に、絶縁膜77が形成される。絶縁膜77は、例えばSiO膜である。
【0056】
次に、層間絶縁膜72上にマスク層78を形成し、マスク層78を所定の形状に加工する(図27(a)および図27(b))。その結果、マスク層73内に複数の開口部H5が形成される。マスク層78は、下部層78aおよび上部層78bを順に含むように形成される。下部層78aは、例えばハードマスク層である。上部層78bは、例えばレジスト層である。次に、マスク層78を用いたRIEにより、開口部H5下の層間絶縁膜72内に複数の開口部H6を形成する(図27(a)および図27(b))。
【0057】
次に、マスク層78を用いたウェットエッチングにより、各コンタクトホールCCから犠牲層71を除去する(図28(a)および図28(b))。犠牲層71はさらに、各コンタクトホールCCの側部の凹部H1からも除去される。次に、マスク層78を除去する(図28(a)および図28(b))。
【0058】
次に、スリットSTおよびコンタクトホールCCからのウェットエッチングにより、積層膜51から上記複数の犠牲層51a’を除去する(図29(a)および図29(b))。その結果、積層膜51内に複数の凹部H7が形成される。なお、図28(a)および図28(b)のウェットエッチングと図29(a)および図29(b)のウェットエッチングは、各凹部H2内に絶縁膜67が残存するように行われる。
【0059】
次に、コンタクトホールCC、凹部H1、凹部H7、およびスリットST内に、同一の金属層81を同時に形成する(図30(a)および図30(b))。その結果、各コンタクトホールCC内に、上記のコンタクトプラグ23が形成され、各凹部H7内に、上記の電極層51aが形成される。コンタクトプラグ23は、プラグの例である。金属層81は例えば、TiN膜(チタン窒化膜)およびW層を含む積層膜である。本実施形態の金属層81は、各凹部H1や各凹部H7が金属層81で完全に埋まり、各コンタクトホールCCやスリットSTが金属層81で完全には埋まらないように形成される。また、本実施形態の金属層81は、後述するように、コンタクトホールCC、凹部H1、凹部H7、およびスリットST内に、ブロック絶縁膜(例えばAl膜(アルミニウム酸化膜))を介して形成される。図30(a)および図30(b)では、各コンタクトプラグ23が、階段構造部21内に設けられており、積層膜51をZ方向に貫通している。
【0060】
次に、層間絶縁膜72上に絶縁膜82を形成する(図31(a)および図31(b))。その結果、絶縁膜82が、各コンタクトホールCCおよびスリットST内に形成される。絶縁膜82は、例えばSiO膜である。本実施形態の絶縁膜82は、各コンタクトホールCCが絶縁膜82で完全に埋まり、スリットSTが絶縁膜82で完全には埋まらないように形成される。
【0061】
次に、絶縁膜82をエッチバックにより除去する(図32(a)および図32(b))。その結果、層間絶縁膜72の上面やスリットSTの内部から、絶縁膜82が除去される。
【0062】
次に、スリットSTからのウェットエッチングにより、スリットST内の金属層81を除去する(図33(a)および図33(b))。この際、各電極層51aもリセスされ、各電極層51aの側面に凹部H8が形成される。
【0063】
次に、層間絶縁膜72上に絶縁膜83を形成し、絶縁膜83上にマスク層84を形成する(図34(a)および図34(b))。その結果、絶縁膜83がスリットST内に形成され、各凹部H8内に絶縁膜83が形成される。絶縁膜83は、例えばSiO膜である。マスク層84は、下部層84aおよび上部層84bを順に含むように形成される。下部層84aは、例えばハードマスク層である。上部層84bは、例えばレジスト層である。次に、マスク層84を用いたRIEにより、スリットSTの底面から絶縁膜83を除去する(図34(a)および図34(b))。
【0064】
次に、スリットST内の半導体層61a上に、配線層85を形成する(図35(a)および図35(b))。配線層85は例えば、W層を含む金属層である。配線層85は、スリットSTの内部および外部に当該金属層を堆積し、スリットSTの外部の当該金属層をCMPにより除去することで形成される。
【0065】
その後、図4を参照して説明したように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせる。さらには、アレイウェハW1および回路ウェハW2を、複数のチップに切断する。その結果、図36(a)および図36(b)に示す半導体装置が製造される。図36(a)および図36(b)は、図1と同様に、アレイチップ1および回路チップ2を示している。
【0066】
以下、図36(a)および図36(b)を参照して、本実施形態の半導体装置の詳細を説明する。
【0067】
図36(a)では、各コンタクトプラグ23が、凹部H1内の金属層81を介して、1つの電極層51aと電気的に接続され、凹部H2内の絶縁膜67などにより、他の電極層51aと電気的に絶縁されている。各コンタクトプラグ23は第1プラグの例であり、前者の電極層51aは第1電極層の例であり、後者の電極層51aは第2電極層の例である。さらに、各コンタクトプラグ23用のコンタクトホールCCは、第1ホールの例であり、前者の電極層51a用の凹部H7は、第1凹部の例である。
【0068】
このように、図36(a)に示す各コンタクトプラグ23は、凹部H1内の金属層81を介して、1つの電極層51aと電気的に接続され、凹部H2内の絶縁膜67などにより、他の電極層51aと電気的に絶縁されている。各コンタクトプラグ23内の金属層81は、前者の電極層51a内の金属層81と分離されておらず、前者の電極層51a内の金属層81と連続している。一方、各コンタクトプラグ23内の金属層81は、後者の電極層51a内の金属層81とは分離されており、これらの金属層81の間に絶縁膜67が挟まれている。前者の電極層51aは、凹部H1内の金属層81の側面に設けられ、後者の電極層51aは、凹部H2内の絶縁膜67の側面に設けられている。
【0069】
図37は、第1実施形態の比較例の半導体装置と、第1実施形態の半導体装置とを比較するための断面図である。
【0070】
図37(a)は、第1実施形態の比較例の半導体装置を製造する際に使用されるアレイウェハW1を示している。図37(b)は、第1実施形態の半導体装置を製造する際に使用されるアレイウェハW1を示している。図37(a)および図37(b)に示す断面図は、図35(a)に示す断面図と対応している。
【0071】
図37(a)および図37(b)では、各電極層51aが、バリアメタル層81aとフィル層81bとを含む金属層81により形成されている。各電極層51aは、対応する凹部H7内に、ブロック絶縁膜91、バリアメタル層81a、およびフィル層81bを順に形成することで形成される。よって、バリアメタル層81aは、フィル層81bの表面に設けられており、ブロック絶縁膜91は、金属層81の表面に設けられている。ブロック絶縁膜91は、例えばAl膜である。バリアメタル層81aは、例えばTiN膜である。フィル層81bは、例えばW層である。ブロック絶縁膜91は第2絶縁膜の例であり、バリアメタル層81aは第2金属層の例であり、フィル層81bは第1金属層の例である。また、ブロック絶縁膜91に含まれるアルミニウム元素は第3金属元素の例であり、バリアメタル層81aに含まれるチタン元素は第2金属元素の例であり、フィル層81bに含まれるタングステン元素は第1金属元素の例である。ブロック絶縁膜91は、アルミニウム元素(金属元素)と酸素元素(非金属元素)とを含む絶縁膜となっている。
【0072】
しかしながら、図37(a)に示すコンタクトプラグ23は、金属層81とは異なる金属層81’で形成されている。図37(a)では、各凹部H7が、ブロック絶縁膜91を介してバリアメタル層81aおよびフィル層81bで埋められており、コンタクトホールCCおよび凹部H1が、金属層81’で埋められている。よって、凹部H1と凹部H7との境界部において、フィル層81bの側面が、バリアメタル層81aを介して金属層81’の側面と隣接している。金属層81’は、コンタクトホールCCおよび凹部H1内に、バリアメタル層81a’およびフィル層81b’を順に形成することで形成される。バリアメタル層81a’は、例えばTiN膜である。フィル層81b’は、例えばW層である。
【0073】
一方、図37(b)に示すコンタクトプラグ23は、上述のように、金属層81で形成されている。図37(b)では、各凹部H7が、ブロック絶縁膜91を介して金属層81で埋められており、コンタクトホールCCおよび凹部H1も、ブロック絶縁膜91を介して金属層81で埋められている。図37(b)では、複数の電極層51aおよびコンタクトプラグ23が、複数の凹部H7、凹部H1、およびコンタクトホールCC内にブロック絶縁膜91、バリアメタル層81a、およびフィル層81bを順に形成することで形成される。よって、図37(b)では、最上位の凹部H7内のブロック絶縁膜91、バリアメタル層81a、およびフィル層81bがそれぞれ、凹部H1およびコンタクトホールCC内のブロック絶縁膜91、バリアメタル層81a、およびフィル層81bと連続している。また、図37(b)では、最上位の凹部H7内のフィル層81bが、バリアメタル層81aを介さずに、凹部H1内のフィル層81bと隣接している。すなわち、前者のフィル層81bと後者のフィル層81bが、バリアメタル層81aにより分断されておらず、互いに連続している。また、図37(b)では、図37(a)に示すような金属層81’(バリアメタル層81a’およびフィル層81b’)が形成されないことから、最上位の凹部H7内のフィル層81bが、バリアメタル層81もバリアメタル層81a’も介さずに、凹部H1内のフィル層81bと隣接している。
【0074】
図37(b)では、ブロック絶縁膜91およびバリアメタル層81aが、各凹部H7だけでなく、凹部H1およびコンタクトホールCC内にも形成されている。図37(b)では、ブロック絶縁膜91およびバリアメタル層81aが、各凹部H7の上面および下面や、凹部H1の上面および下面や、コンタクトホールCCの側面および底面に形成されている。よって、図37(b)では、ブロック絶縁膜91およびバリアメタル層81aが、各凹部H7内や凹部H1内でフィル層81bの上面および下面に形成され、コンタクトホールCC内でフィル層81bの側面および底面に形成されている。本実施形態のブロック絶縁膜91およびバリアメタル層81aはさらに、各凹部H7、凹部H1、およびコンタクトホールCC内のその他の箇所にも形成されていてもよい。
【0075】
なお、図37(a)および図37(b)に示す点線は、コンタクトホールCCと凹部H1との間の境界を示す。
【0076】
ここで、第1実施形態と比較例とを比較する。
【0077】
比較例では、凹部H1内の金属層81’と、凹部H7内のフィル層81bとの間に、バリアメタル層81aが設けられている。よって、凹部H1内の金属層81’と、凹部H7内のフィル層81bとの間の電気抵抗が、高くなるおそれがある。また、比較例の凹部H1と凹部H7との境界部では、金属層81’と金属層81とを電気的に接続するために、金属層81’と金属層81との間の領域からブロック絶縁膜91が除去されている。比較例では、このブロック絶縁膜91を除去する際のウェットエッチングにより、積層膜51内の耐圧が低下するおそれがある。
【0078】
一方、本実施形態では、凹部H1内のフィル層81bと、凹部H7内のフィル層81bとの間に、バリアメタル層81aが設けられていない。これにより、凹部H1内のフィル層81bと、凹部H7内のフィル層81bとの間の電気抵抗を、低くすることが可能となる。また、本実施形態の凹部H1と凹部H7との境界部では、凹部H1内の金属層81と凹部H7内の金属層81とを電気的に接続するために、ブロック絶縁膜91を除去する必要はない。これにより、積層膜51内の耐圧がウェットエッチングにより低下することを回避することが可能となる。
【0079】
図38および図39は、第1実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0080】
図38(a)は、リプレイス工程前の積層膜51を示し、図38(b)は、リプレイス工程後の積層膜51を示している。リプレイス工程では、積層膜51から複数の犠牲層51a’および選択成長層64を除去して複数の凹部H7を形成し、各凹部H7内にブロック絶縁膜91、バリアメタル層81a、およびフィル層81bを順に形成する。その結果、積層膜51内に複数の電極層51aが形成される。
【0081】
次に、コンタクトホールCCから犠牲層71を除去する(図39(a))。犠牲層71はさらに、コンタクトホールCCの側部の凹部H1からも除去される。次に、ウェットエッチングにより、凹部H1内に露出したブロック絶縁膜91を除去する(図39(a))。その結果、凹部H1内にバリアメタル層81aが露出する。
【0082】
次に、コンタクトホールCC内に金属層81’を形成する(図39(b))。その結果、コンタクトホールCC内にコンタクトプラグ23が形成される。金属層81’はさらに、凹部H1内にも形成される。その結果、最上位の凹部H7内の電極層51aが、凹部H1内の金属層81’を介して、コンタクトプラグ23と電気的に接続される。金属層81’は、コンタクトホールCCおよび凹部H1内に、バリアメタル層81a’およびフィル層81b’を順に形成することで形成される。
【0083】
図40および図41は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0084】
図40(a)は、図15(a)および図15(b)の工程で形成された凹部H1、H2を示している。図40(b)は、図16(a)~図17(b)の工程で凹部H2内に形成された絶縁膜67を示している。図41(a)は、図29(a)および図29(b)の工程で形成された凹部H7を示している。図41(a)では、積層膜51から犠牲層51a’および選択成長層64が除去されて、凹部H7が形成される。
【0085】
図41(b)は、図30(a)~図33(b)の工程で形成された金属層81を示している。図41(b)では、コンタクトホールCC、凹部H1、および凹部H7内に、ブロック絶縁膜91、バリアメタル層81a、およびフィル層81bが順に形成される。その結果、コンタクトホールCC内にコンタクトプラグ23が形成され、凹部H7内に電極層51aが形成される。さらには、コンタクトプラグ23が、凹部H1内の金属層81を介して、対応する電極層51aと電気的に接続される。
【0086】
以上のように、本実施形態の電極層51aおよびコンタクトプラグ23は、同一の金属層81で形成される。これにより、バリアメタル層81a(およびバリアメタル層81a’)に起因して、電極層51aとコンタクトプラグ23との間の電気抵抗が高くなることや、ブロック絶縁膜91の除去に起因して、積層膜51内の耐圧が低下することを抑制することが可能となる。これらの例のように、本実施形態によれば、好適な電極層51aおよびコンタクトプラグ23を実現することが可能となる。
【0087】
なお、コンタクトプラグ23は、本実施形態では積層膜51内の階段構造部21に形成されているが、積層膜51内のその他の部分に形成されていてもよい。また、ブロック絶縁膜91は、アルミニウム以外の金属元素を含んでいてもよいし、バリアメタル層81aは、チタン以外の金属元素を含んでいてもよいし、フィル層81bは、タングステン以外の金属元素を含んでいてもよい。例えば、バリアメタル層81aは、タンタル(Ta)を含んでいてもよい。また、フィル層81bは、モリブデン(Mo)を含んでいてもよい。
【0088】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0089】
1:アレイチップ、2:回路チップ、
11:メモリセルアレイ、12:絶縁膜、13:層間絶縁膜、13a:層間絶縁膜、
13b:層間絶縁膜、14:層間絶縁膜、15:基板、16:基板、
21:階段構造部、22:梁部、23:コンタクトプラグ、
24:ワード配線層、25:ビアプラグ、
31:トランジスタ、31a:ゲート絶縁膜、31b:ゲート電極、
32:コンタクトプラグ、33:配線層、34:配線層、
35:配線層、36:ビアプラグ、37:金属パッド、
41:金属パッド、42:ビアプラグ、43:配線層、
44:配線層、45:ビアプラグ、46:金属パッド、
47:パッシベーション絶縁膜、48:ビアプラグ、
51:積層膜、51a:電極層、51a’:犠牲層、51b:絶縁膜、
52:メモリ絶縁膜、52a:ブロック絶縁膜、52b:電荷蓄積層、
52c:トンネル絶縁膜、53:チャネル半導体層、54:コア絶縁膜、
61:ソース層、61a:半導体層、61b:半導体層、61b’:犠牲層、
61c:半導体層、62:層間絶縁膜、63:スペーサ層、
64:選択成長層、65:層間絶縁膜、66:マスク層、
66a:下部層、66b:上部層、67:絶縁膜、68:絶縁膜、
71:犠牲層、72:層間絶縁膜、73:マスク層、73a:下部層、
73b:上部層、74:絶縁膜、75:半導体層、76:絶縁膜、
77:絶縁膜、78:マスク層、78a:下部層、78b:上部層、
81:金属層、81’:金属層、81a:バリアメタル層、
81a’:バリアメタル層、81b:フィル層、81b’:フィル層、
82:絶縁膜、83:絶縁膜、84:マスク層、
84a:下部層、84b:上部層、85:配線層、
91:ブロック絶縁膜
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