IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コロナの特許一覧

<>
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図1
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図2
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図3
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図4
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図5
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図6
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図7
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図8
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図9
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図10
  • 特開-貯水装置及びこれを備えた加湿装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013246
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】貯水装置及びこれを備えた加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20240125BHJP
   F24F 6/16 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
F24F6/00 A
F24F6/16
F24F6/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115176
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】太田 智
(72)【発明者】
【氏名】桂 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】小川 洸太
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 靖
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BB03
3L055DA02
3L055DA10
(57)【要約】
【課題】貯水タンク内の水位の状態や変化を明確に判別することができる貯水装置及びこれを備えた加湿装置を提供する。
【解決手段】貯水装置において、最上位の照明手段と最下位の照明手段は同じ色相Aとし、中間位の照明手段は色相Aとは別の色相Bとし、最上位の照明手段は貯水タンクの満水水位より上に位置し、最下位の照明手段は貯水タンクの最低水位より上に位置したので、最小の複数色である2色の照明手段を用いて、最低水位から満水水位までの水位の状態や変化を明確に判別することができる。

【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を蓄えておく貯水タンクと、
当該貯水タンクの背面側に縦に並べて配置し、前記貯水タンクの背面から前面に向かって光を照射する3個以上の複数の照明手段を備え、
前記貯水タンクは透明又は半透明で構成されており、
最上位の前記照明手段と最下位の前記照明手段は同じ色相Aであり、
最上位と最下位の前記照明手段の間にある中間位の前記照明手段は、前記色相Aとは別の色相Bとなっており、
最上位の前記照明手段は、前記貯水タンクの満水水位より上に位置しており、
最下位の前記照明手段は、前記貯水タンクの最低水位より上に位置している
ことを特徴とする貯水装置。
【請求項2】
最上位及び最下位の前記照明手段の輝度の合計は、中間位の前記照明手段の輝度の合計よりも大きく、
かつ中間位の前記照明手段の輝度の合計は、最下位の前記照明手段の輝度よりも大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の貯水装置。
【請求項3】
前記色相Aと前記色相Bは、色相環において一方が他方の反対側の色であることを特徴とする請求項2に記載の貯水装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の貯水装置と、
前記貯水タンクから供給された水を貯水する貯水室と、
前記貯水室内の水からミストを発生させるミスト発生手段と、当該ミスト発生手段により発生したミストを含む加湿空気を送風口から送風する送風ファンと、
前記貯水室で発生したミストを含む加湿空気を前記送風ファンにより前記送風口から送風するミスト運転を制御する制御部と、を備え、
前記ミスト発生手段は、前記貯水室内の水を回転により汲み上げて外周方向へ飛散させる回転体と、当該回転体を回転可能となるように軸支した駆動軸と接続するミストモータと、前記回転体により飛散した水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴とする加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水を貯留可能な貯水装置、及び当該貯水装置の水を用いて発生させた加湿空気を室内へ供給する加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、給水ボトル内の貯留水の残量を確認するため、照明手段として発光ダイオードを給水ボトルに照射して水位を確認するものがあった。また、照明手段として発光色の相違する複数の発光ダイオードを用いることで、水位変化を色で区別するものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-110020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、発光色の相違する複数の発光ダイオードを配置すると、全ての光が混ざった色として見えてしまうため、個々の色相や配置によっては水位が変化しても見え方に差が付きにくくなる虞があった。また、複数の発光色とするために発光ダイオードの種類が多くなり、コストが増大してしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の貯水装置では、水を蓄えておく貯水タンクと、当該貯水タンクの背面側に縦に並べて配置し、前記貯水タンクの背面から前面に向かって光を照射する3個以上の複数の照明手段を備え、
前記貯水タンクは透明又は半透明で構成されており、最上位の前記照明手段と最下位の前記照明手段は同じ色相Aであり、最上位と最下位の前記照明手段の間にある中間位の前記照明手段は、前記色相Aとは別の色相Bとなっており、最上位の前記照明手段は、前記貯水タンクの満水水位より上に位置しており、最下位の前記照明手段は、前記貯水タンクの最低水位より上に位置していることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2の貯水装置では、最上位及び最下位の前記照明手段の輝度の合計は、中間位の前記照明手段の輝度の合計よりも大きく、かつ中間位の前記照明手段の輝度の合計は、最下位の前記照明手段の輝度よりも大きいことを特徴としている。
【0007】
また、請求項3の貯水装置では、前記色相Aと前記色相Bは、色相環において一方が他方の反対側の色であることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4の加湿装置では、請求項1から3のいずれかに記載の貯水装置と、前記貯水タンクから供給された水を貯水する貯水室と、前記貯水室内の水からミストを発生させるミスト発生手段と、当該ミスト発生手段により発生したミストを含む加湿空気を送風口から送風する送風ファンと、前記貯水室で発生したミストを含む加湿空気を前記送風ファンにより前記送風口から送風するミスト運転を制御する制御部と、を備え、前記ミスト発生手段は、前記貯水室内の水を回転により汲み上げて外周方向へ飛散させる回転体と、当該回転体を回転可能となるように軸支した駆動軸と接続するミストモータと、前記回転体により飛散した水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、最上位の照明手段と最下位の照明手段は同じ色相Aとし、中間位の照明手段は色相Aとは別の色相Bとし、最上位の照明手段は貯水タンクの満水水位より上に位置し、最下位の照明手段は貯水タンクの最低水位より上に位置したので、最小の複数色である2色の照明手段を用いて、水位が満水から中間水位まで、中間水位から最低水位まで、及び最低水位以下の変化を明確に判別することができる。
【0010】
また、最上位及び最下位の照明手段の輝度の合計は、中間位の照明手段の輝度の合計よりも大きく、かつ中間位の照明手段の輝度の合計は、最下位の照明手段の輝度よりも大きくしたので、光の強さに違いを持たせることで、水位の変化をより明確に区別することができる。
【0011】
また、色相Aと色相Bは、色相環において一方が他方の反対側の色としたので、色の違いを際立たせることで、水位の変化をより明確に区別することができる。
【0012】
また、ミスト発生手段は、貯水室内の水を回転により汲み上げて外周方向へ飛散させる回転体と、回転体を回転可能となるように軸支した駆動軸と接続するミストモータと、回転体により飛散した水が衝突する衝突体とで構成することで、簡易な構造でミストを含む加湿空気を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の一実施形態の外観を説明する斜視図
図2】同実施形態の概略構成図
図3】同実施形態の制御ブロック図
図4】同実施形態の操作部を説明する図
図5】同実施形態の運転開始から終了までの動作を説明するフローチャート
図6】同実施形態の給水タンクと扉パネルの構造を説明する図
図7】同実施形態の給水タンクと給水ホース及びオーバーフロー管の配置を説明する図
図8】同実施形態の貯水装置を説明する図
図9】同実施形態の貯水装置を説明する図
図10】同実施形態の貯水装置を説明する図
図11】同実施形態の水位窓の表示を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、この発明の一実施形態における貯水装置を備えた加湿装置を図に基づいて説明する。
【0015】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、及び「左」は、図1図6図10における定義に従う。また、上下方向は、器具本体1の設置時における鉛直方向に対応する。前後方向及び左右方向は、器具本体1の設置時における水平方向に対応する。また、図2は器具本体1の構成を模式的に示す図であり、図2における各構成品の前後左右の配置は実際とは相違している。
【0016】
1は略箱状で各種パネルに四方が覆われた器具本体、2は当該器具本体1上部に形成されルーバー3が設置された送風口、4は複数のスイッチが備えられ各種操作指令を行う操作部、5は前記器具本体1の前面略中央部に複数形成され前記器具本体1内に空気を取り込むよろい戸構造の吸い込み穴、6は前記器具本体1下部に設置され取っ手を引くことで内部に設置された排水タンク7の取り出しを可能とする排水タンク収納扉、8は当該排水タンク収納扉6の横にあり内部に設置された給水タンク9(本発明における貯水タンクに相当)の給水口43を収納する給水口扉、10は当該給水口扉8の下部に形成され前記給水タンク9内に残存する水量を目視可能な水位窓、11は前記器具本体1底部に設置され前記器具本体1の移動を可能とするタイヤ部である。
【0017】
ここで、給水タンク9と、照明手段としてのLED(発光ダイオード)73を給水タンク9の背面側に縦に複数配置することで、本発明の一実施形態における貯水装置72を構成する。LED73より照射した光は、給水タンク9を通過して、給水タンク9の前方にある水位窓10にて視認可能となっている。また、LED73は3個以上配置されるが、本実施形態では4個配置している。貯水装置72の詳細については後述する。
【0018】
12は器具本体1内に設置され所定量の水を貯水する貯水室であり、この貯水室12内には水に下端を水没させ駆動軸15に軸支された筒状の回転体13が備えられている。
【0019】
前記回転体13は、中空逆円錐形で上方に向かって径が徐々に拡大するものであり、駆動軸15に接続され回転体13を回転駆動させるミストモータ14を駆動させ、回転体13が回転することによる回転の遠心力で貯水室12内の水を汲み上げ、回転体13の外壁及び内壁を伝わせて水を押し上げて、回転体13の外壁を伝わせて押し上げた水を周囲に飛散させると共に、回転体13の内壁を伝わせて押し上げた水を回転体13の上端に形成された複数の図示しない飛散口から周囲に飛散させる。
【0020】
16は回転体13の上部外周に所定間隔を離間させて位置し、回転体13と共に回転する円筒状の多孔体で、当該多孔体16には、その全周壁に多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る衝突体としての多孔部17が設置されている。また、回転体13とミストモータ14と多孔部17とでミスト発生装置が構成されており、簡易な構成によってミストを含む加湿空気を多量に発生させることができ、ミストモータ14と駆動軸15を組み付けるだけであることから、組み付けが容易で低コストとなっている。
【0021】
前記ミスト発生部を構成するミストモータ14を駆動させ、回転体13を回転させたことで発生する遠心力で貯水室12内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、多孔部17を通過した水滴が破砕されることで、水を微細化して粒径がナノメートル(nm)サイズのミスト(以下、微細ミスト)が多量に生成されると共に、比較的粒径の大きな水滴(以下、大径ミスト)とが生成され、水の微細化によるレナード効果によって微細ミストに負イオンが帯電し、大径ミストに正イオンが帯電した状態となる。
【0022】
18は所定の回転数で駆動することで室内の乾燥空気を吸引して器具本体1の上方へ送風する送風ファンであり、当該送風ファン18が駆動すると、器具本体1の外から吸い込み穴5を介して送風ボックス80内へ流入した乾燥空気が送風排出口81から排出され、送風通路79を流通して風洞82の空気流入口83を介して貯水室12内へ流入し、貯水室12と気水分離ケース19とを通過して送風口2から送風することで、貯水室12内で発生した微細ミストと負イオンとを含んだ加湿空気を室内へ供給する。
【0023】
気水分離ケース19は、貯水室12の上方の他端(左側)に流路が鉛直上向きとなるように接続され、貯水室12内で発生した微細ミスト及び大径ミストを含む加湿空気が内部を流通する気水分離風路となっている。
【0024】
20は貯水室12内に設置され貯水を加熱する加熱ヒータであり、貯水室12の外壁に設置され貯水温度を検知する貯水温度センサ21で検知される温度が所定温度となるように、ON/OFF状態を適宜切り替える。
【0025】
22は貯水室12内に設置されフロートの上下により水位を検知する水位センサであり、貯水室12内の水位が低下して所定水位以下になったらOFF信号を出力し、水位が上昇して所定水位以上になったらON信号を出力し、更に水位が上昇して貯水室12内が満水となったら満水信号を出力する。
【0026】
23は一端が貯水室12に接続し、他端が給水タンク9の上面に脱着可能に接続された給水ホースである。当該給水ホース23の配管途中には、給水タンク9内の水を貯水室12内まで流動させる自吸式の給水ポンプ24と、給水ホース23内を流通する水の流量を検知する流量センサ25と、イオン溶出手段としてのイオン溶出ユニット70と、が設置されている。つまり、貯水室12に貯水される水は、給水タンク9内の水を給水ホース23の配管途中に設置された給水ポンプ24により供給される。
【0027】
イオン溶出ユニット70は、給水ポンプ24を駆動した際に、イオン溶出ユニット70内の電極71に所定の定電流を印加することで、電極71から金属イオンである銀イオンを給水ホース23内の水中に溶出する。そして、銀イオンが溶出した水が貯水室12内に供給されることで、貯水室周辺でのぬめりを抑制する。
【0028】
給水ホース23と給水タンク9の接続部である給水ホース接続部26は、カプラなどのジョイントで構成されており、ワンタッチで容易に脱着が可能となっている。
【0029】
23aは給水ホース接続部26から給水タンク9内の底部に所定のクリアランスを設けて設置された吸い上げ用ホースである。吸い上げ用ホース23aは、給水タンク9内の水を給水ポンプ24により吸い上げて、給水ホース23を介して貯水室12へ給水するため、給水タンク9の底部付近まで延伸している。
【0030】
28は一端が貯水室12の底部に接続し他端が排水タンク7の排水流入口27上部に設置された排水管であり、当該排水管28の配管途中には、電磁弁を開閉して貯水室12内の水の排水を制御する排水弁29が備えられている。
【0031】
30は送風口2の壁面に設置され室内へ向けて送風される加湿空気の温度を検知する送風温度センサ、31は送風ファン18の近傍に設置され吸い込み穴5から吸い込まれた室内空気の温度を検知する吸気温度センサ、32は前記吸気温度センサ31の近傍に設置され器具本体1が設置された室内の湿度を検知する湿度センサであり、各センサで検知された温度や湿度に基づいてミストモータ14や送風ファン18の回転数を変化させ、加熱ヒータ20のON/OFF状態を切り替える。
【0032】
33は気水分離ケース19内の途中に複数設置され鉛直上方へ傾斜する傾斜面を備えた気水分離手段としてのバッフル板である。
気水分離ケース19内に加湿空気が流入すると、バッフル板33を蛇行するように加湿空気が流通することで加湿空気中の大径ミストが傾斜面により分離され、分離された大径ミストが集まると重力の影響で傾斜面に沿ってバッフル板33の下端まで流動して貯水室12へ落下するため、送風口2へ案内される大径ミストの量を減少させると共に、微細ミストを多く含んだ加湿空気を送風口2へ案内する。
【0033】
34は一端が貯水室12の壁面に接続され他端が給水タンク9のドレン受け口44上部に設置されたオーバーフロー管である。万一水位センサ22が故障して満水検知ができなかった時、給水ポンプ24が駆動し続けて貯水室12内への給水が停止せずとも、オーバーフロー管34を通じて給水タンク9内へ水を戻すことができるため、貯水室12から水が溢れ出すことを防止することができる。
【0034】
35は排水タンク7内に設置され排水タンク7内の水位の上昇と共に浮きが上昇する排水フロート、36は当該排水フロート35の上端に設置された磁石、37は当該磁石36と対向する位置に設置され磁力の有無でON/OFF状態を判定する近接センサである。排水タンク7内の水が増えることで排水フロート35が上昇することに伴い、磁石36の設置箇所が徐々に低下して近接センサ37から徐々に離れて近接センサ37で検知可能な磁力が弱まり、排水タンク7が満水近くになると近接センサ37が磁力を検知できなくなってOFF信号を出力し、排水弁29を閉止することで排水タンク7から水が漏れ出す事態を防止する。
【0035】
38はルーバー3の図示しない支軸と接続してルーバー3を所定角度まで回動させるルーバーモータであり、加湿運転の開始時や停止時にルーバー3を所定の角度まで回動させる。
【0036】
39は器具本体1の前面上部を覆うように設置された前面パネルであり、操作部4のメンテナンスが必要になった場合等に取り外し作業することが可能である。
【0037】
40は器具本体1の前面中間部を覆うように設置され、吸い込み穴5が形成された外側パネルである。なお、外側パネル40の内部には、図示は省略するが給水ポンプ24に呼び水を給水する呼び水口や、器具本体1内へ流入する空気中の塵埃を捕集して清浄化する空清フィルタが設置される。
【0038】
41は器具本体1の排水タンク7及び給水タンク9の前面に設けられた扉パネルである。扉パネル41の右側一端はヒンジ41aで固定されており、左側一端に設けられた扉パネル用取っ手41bにて開閉可能となっており、扉パネル41を開けた状態で給水タンク9を前方へ引き出して取り出すことができる。
【0039】
42はマイクロスイッチで構成された開閉検知手段としての扉パネル検知センサであり、扉パネル41を開放した状態ではOFF信号を出力し、扉パネル41を閉止した状態になると、扉パネル41の存在を検知しON信号を出力する。
【0040】
操作部4には、運転開始及び停止を指示する運転スイッチ45と、ミストモータ14の回転数を所定値だけ低下させて運転音の低下を図る静音運転を実行するひかえめスイッチ46と、加湿空気を室内に供給する加湿運転の開始あるいは停止のタイマー運転の実施有無を設定するタイマー入/切スイッチ47と、現在時刻の設定を行う時計合せスイッチ48と、加湿空気を室内に供給する加湿運転の開始時刻や停止時刻を設定するタイマー合せスイッチ49と、室内へ供給する加湿空気量を3段階の加湿レベルから選択する加湿スイッチ50と、室内へ供給する加湿空気の風量を3段階の風量レベルから選択する風量スイッチ51と、加湿スイッチ50や風量スイッチ51で設定された加湿レベルや風量レベルを表示するレベル表示部52と、当該レベル表示部52での表示項目を加湿、風量レベルから湿度、現在時刻等に変化させる表示切り替えスイッチ53と、スイッチを3秒押しすると排水弁29を開放して貯水室12内の水を強制的に排水する排水スイッチ54と、運転停止以外の操作を禁止するチャイルドロックスイッチ55とが備えられている。
【0041】
また、操作部4には各スイッチに対応したランプが備えられており、運転スイッチ45が操作されたら点灯する運転ランプ56と、タイマー入/切スイッチ47が操作されタイマー入り制御かタイマー切り制御かのいずれかで設定されたモードのランプを点灯させるタイマーランプ57と、レベル表示部52で表示する検知湿度や現在時刻の午前、午後の項目に応じて該当する所定のランプが点灯する表示項目ランプ58と、排水スイッチ54が操作され排水弁29が開放されたら点灯する排水ランプ59と、チャイルドロックスイッチ55が操作されチャイルドロックが設定された時に点灯するチャイルドロックランプ60とが備えられている。
【0042】
61は各センサで検知された検知値や操作部4上に備えられた各スイッチでの設定内容に基づき運転内容や弁の開閉を制御するマイコンで構成された制御部である。当該制御部61には、ミストモータ14を所定の回転数で駆動させるミストモータ制御手段62と、送風ファン18を所定の回転数で駆動させる送風ファン制御手段63と、加熱ヒータ20のON/OFF状態を変化させて貯水室12内の水温を制御する加熱ヒータ制御手段64と、特定の動作開始時から経過した時間をカウントする計時手段65と、電極71から銀イオンを溶出させるイオン溶出制御手段69と、が備えられている。
【0043】
79は器具本体1内に形成され送風ファン18で送風された空気が流通する送風通路、80は送風ファン18を覆うように設置され吸い込み口68から吸い込まれた空気を送風排出口81へ案内する送風ボックス、82は貯水室12の上部に設置され前記送風通路79内を流通する空気を空気流入口83を介して貯水室12内へ流入させる風洞である。送風通路79は、送風排出口81から空気流入口83までの内側パネル66等の器具本体1内部を形成する区画壁により構成されており、送風ファン18が駆動すると内側パネル66等の区画壁近傍を空気が通過し、風洞82の空気流入口83へ空気が流入する。
【0044】
次に、一実施形態での運転開始から終了までの動作について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
まず、操作部4の運転スイッチ45が操作されたか、もしくはタイマー入/切スイッチ47で設定された運転開始時刻になったら、制御部61は、排水弁29を開放して貯水室12内の水を排水し、水位センサ22でOFF信号が出力されたと判断したら、給水ポンプ24の駆動を開始し給水ホース23内にある水を排水して、所定時間経過したら排水弁29を閉止する水入替モードを行う(ステップS101)。
【0046】
前記ステップS101の水入替モードが終了したら、制御部61は、給水タンク9内の水を給水ホース23を介して貯水室12内へ供給し、水位センサ22でON信号が出力されたと判断したら、所定量の水が貯水室12内に供給されたとして給水ポンプ24の駆動を停止した後、送風ファン18を所定時間だけ駆動させ回転体13に付着した大粒の水滴を落とす立ち上げモードを行う(ステップS102)。
【0047】
前記ステップS102の立ち上げモードが終了したら、制御部61は、ルーバーモータ38を駆動させてルーバー3を器具本体1の上面に対して垂直となる位置で停止させ、加湿スイッチ50及び風量スイッチ51で設定された加湿レベルと風量レベルに基づいて、ミストモータ14と送風ファン18とが所定の回転数で駆動するようミストモータ制御手段62と送風ファン制御手段63とでそれぞれの回転数を制御し、貯水温度センサ21の検知値に基づいて加熱ヒータ20のON/OFF状態を加熱ヒータ制御手段64で切り替えて制御することで、貯水室12内の貯水温度を加湿レベルと風量レベルとに合わせた所定の温度範囲内にする加湿運転を実行する通常運転モードを行う(ステップS103)。
【0048】
ここで通常運転モードを詳述すると、ミストモータ制御手段62によりミストモータ14を800~1400rpmの範囲内で回転数を変化させ、また、送風ファン制御手段63で送風ファン18を400~800rpmの範囲内で回転数を変化させることで、風量レベルに合った回転数にした加湿運転を行い、更に、送風温度センサ30で検知される温度が加湿レベルに合った値となるように貯水室12内の貯水温度を変化させ、貯水温度センサ21で検知される温度が約30~40℃の範囲内で推移するように加熱ヒータ20のON/OFF状態を加熱ヒータ制御手段64で切り替えて制御する。
【0049】
この通常運転モード時、貯水室12内の水位が低下し水位センサ22でOFF信号が検知されたら、制御部61は、給水ポンプ24の駆動を開始すると共にイオン溶出ユニット70内にある電極71へ所定の定電流値を印加し、貯水室12内に所定濃度の銀イオンを含んだ水を供給する。これにより、貯水室12内の水への抗菌作用が働き、貯水室12周辺でのぬめり発生を抑制することができる。
【0050】
前記ステップS103の通常運転モードを開始した後に通常運転モードの途中で運転スイッチ45がOFF操作されたか、あるいはタイマー入/切スイッチ47で設定された加湿運転の停止時刻になったら、制御部61は、ルーバーモータ38を駆動させてルーバー3を器具本体1の上面に対して約20°だけ開放した状態で静止させ、加熱ヒータ20をON状態にして水を加熱し、貯水温度センサ21での検知値が63℃から65℃の間で推移するよう加熱ヒータ20のON/OFF状態を切り替えて貯水室12内にある水の除菌を行う除菌運転を10分間実行し、10分経過後に貯水室12内を冷却する冷却運転を実行した後に排水弁29を開放して貯水室12内の水を排水するクリーニングモードを行う(ステップS104)。
【0051】
前記ステップS104のクリーニングモードが終了したら、制御部61は、ミストモータ制御手段62及び送風ファン制御手段63によりミストモータ14と送風ファン18とを所定の回転数で所定時間だけ駆動させ、貯水室12内を乾燥させる乾燥モードを実施し(ステップS105)、所定時間経過したらミストモータ14と送風ファン18とを停止させて乾燥モードが終了し、ルーバーモータ38を駆動させてルーバー3を閉止することで運転終了となる。
【0052】
次に、本発明の一実施形態における貯水装置72の構成について、図8に基づいて説明する。
【0053】
図8に示すように、貯水タンクとしての給水タンク9の背面側に、照明手段としてのLED(発光ダイオード)73として赤色LED73a、青色LED73b、緑色LED73c、及び赤色LED73dを縦に4個並べて配置する。なお、これらのLEDは給水タンク9の上端から下端までの間で鉛直方向に配置される。
【0054】
赤色LED73aは、最も上に配置された最上位のLEDであり、給水タンク9の満水水位74より上に位置している。
【0055】
赤色LED73dは、最も下に配置された最下位のLEDであり、給水タンク9の最低水位75より上に位置しており、かつ水位窓10の下端付近に位置している。また、最上位の赤色LED73aと最下位の赤色LED73dは、共に赤色で同じ色相となっている。
【0056】
青色LED73b及び緑色LED73cは、赤色LED73aと赤色LED73dの間に配置された中間位のLEDであり、赤色LED73a及び赤色LED73dとは異なる色相となっている。
【0057】
LED73a~73dは、LED実装基板76に実装されており、LED実装基板76に接続された図示しないリード線を介してLED73a~73dに電源が供給されることで、LED73a~73dを所定の色相で点灯させる。また、LED73a~73dの点灯や消灯は、制御部61に備えられたLED点灯制御手段77によって制御される。
【0058】
給水タンク9は、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)など、透明又は半透明の材質で構成されている。これにより、LED73a~73dで点灯した光は、給水タンク9を通過して、給水タンク9の前方にて視認可能となっており、更に扉パネル41にある水位窓10でも視認可能となっている。
【0059】
次に、本発明の一実施形態における貯水装置72の構成を用いて、水位の変化を明確に区別する詳細について、図8図11に基づいて説明する。
【0060】
まず、図8に示す貯水装置72では、給水タンク9の水位は満水から中間水位より上に位置した状態(概ね半分より上)となっており、赤色LED73aは水面より上に位置しており、青色LED73b、緑色LED73c及び赤色LED73dは水面より下に位置している。
【0061】
ここで、水面より上、即ち空気中を通過する赤色LED73aの光は、給水タンク9の前方へ進む一方で、給水タンク9の上方へ拡散したり、水中へ入射したりするので、給水タンク9の前方及び水位窓10に届く光の強さは比較的小さくなる。一方で、水面より下、即ち水中を通過する青色LED73b、緑色LED73c及び赤色LED73dの光は、水面で反射する光があるので、給水タンク9の前方及び水位窓10に届く光の強さは比較的大きくなる。
【0062】
言い換えると、給水タンク9の前方及び水位窓10に届く光の強さは、空気中を通過する赤色LED73aの光より、水中を通過する青色LED73b、緑色LED73c及び赤色LED73dの光の方が大きくなる。つまり、実際の見え方としては、図11(a)のように水面より下部分a1の色が強くはっきりと見え、水面より上部分a2の赤色は薄く見えるようになるので、水位の状態や変化を明確に判別することができる。なお、水面より下部分の色は、青色LED73b、緑色LED73c及び赤色LED73dを混ぜ合わせた色(ここでは青系統)となる。
【0063】
更に、赤色LED73aは給水タンク9の満水水位74より上に位置しているので、赤色LED73aが無い場合、又は満水水位74より下に位置している場合に比べて、水中の強くはっきりとした色と空気中の薄い赤色の間でコントラストが強くなることで、水位の状態や変化をより明確に判別することができる。
【0064】
次に、図9に示す貯水装置72では、給水タンク9の水位は中間水位より下から最低水位より上に位置した状態(概ね半分より下)となっており、赤色LED73a、青色LED73b、及び緑色LED73cは水面より上に位置しており、赤色LED73dは水面より下に位置している。
【0065】
ここで、水面より上、即ち空気中を通過する赤色LED73a、青色LED73b、及び緑色LED73cの光は、図8で説明したように光の拡散により、光の強さは比較的小さくなり、水中を通過する赤色LED73dの光は水面での反射により、光の強さは比較的大きくなる。
【0066】
つまり、実際の見え方としては、図11(b)のように水面より下部分b1の赤色が強くはっきりと見え、水面より上部分b2の色は薄く見えるようになるので、低下した水位の状態や変化を明確に判別することができる。なお、水面より上部分の色は、赤色LED73a、青色LED73b、及び緑色LED73cを混ぜ合わせた色(ここでは薄い青)となる。
【0067】
次に、図10に示す貯水装置72では、給水タンク9の水位は最低水位に位置した状態となっており、LED73a~73dの光は全て水面より上に位置している。このとき、実際の見え方としては、図11(c)のようにLED73a~73dを混ぜ合わせた色c1(ここでは赤紫)が薄く見えるようになるので、水位がほぼゼロであることを視覚的に判別することができる。
【0068】
また、最上位の赤色LED73a及び最下位の赤色LED73dと、中間位のLEDである青色LED73b及び緑色LED73cを異なる色相とすることで、図11(a)及び図11(b)で示した通り、水面より下部分の色と水面より上部分の色を、どの水位においても区別することができるので、水位の状態や変化を色の違いで明確に判別することができる。
【0069】
更に、中間位のLEDである青色LED73b及び緑色LED73cの輝度の合計を、最下位の赤色LED73dの輝度よりも大きくすることで、図8に示す満水から中間水位より上に位置した水位において、水面より下部分の色である青色LED73b、緑色LED73c及び赤色LED73dを混ぜ合わせた色(図11(a)のa1)を青系統の色相とすることができる。つまり、水面より下部分の光の強さをより大きくし、水中と空気中のコントラストを強くすることで、水位の状態や変化をより明確に判別することができる。
【0070】
また、最上位の赤色LED73aと最下位の赤色LED73dの輝度の合計を、中間位のLEDである青色LED73b及び緑色LED73cの輝度の合計よりも大きくすることで、図10に示す最低水位の状態にて、LED73a~73dを混ぜ合わせた色を薄い赤系統の色相として水位窓10に表示することができる。つまり、図11(c)のc1が薄い赤系統の色相で表示される。
【0071】
一方で、満水水位の状態では、水位窓10には水中を通過する青色LED73b、緑色LED73c及び赤色LED73dを混ぜ合わせた光a1が全体的に見えるので、図11(d)のような表示となる。ここで、最低水位時と満水水位時では、水位窓10で見える色相がほぼ一色の表示となるが、図11(c)は薄い赤系統の色相、図11(d)は青系統の色相となり、両者に違いが生じるため、水位が最低水位なのか満水水位なのかを色と光の強さの違いで容易に判別することができる。
【0072】
更に、最上位のLED73a及び最下位のLED73dの色相である赤色と、中間位のLED73b及びLED73cの色相である青色及び緑色は、色相環において反対側(反対色)となるように選定することで、色の違いを際立たせることができ、これまで説明してきた水中と空気中のコントラストをより強くすることができるので、水位の状態や変化をより明確に判別することができる。
【0073】
なお、中間位のLEDとして、本実施形態では青色LED73bと緑色LED73cの2種類を用いたが、どちらか一方だけとして1種類のLEDでも良い。例えば、最上位のLED73a及び最下位のLED73dの赤色と、中間位のLED73bの青色の構成として、合計3個のLEDで2色の照明手段としても良い。
【0074】
また、最上位のLED73a及び最下位のLED73dの色相は、本実施形態では赤色としたが、これは図11(b)のように水位が低下した際、水切れの危険性をユーザーに知らせるために誘目性の高い色相としているためであり、他の誘目性の高い色相である黄色や橙色でも良い。
【0075】
また、LED73a~73dの点灯や消灯は、制御部61に備えられたLED点灯制御手段77によって制御されるが、その方法は常時点灯としても良いし、操作部4に備えられたLED点灯スイッチ(図示せず)を押下することで点灯/消灯を切り替えても良いし、人感センサ等の検知器により自動で点灯/消灯を切り替えても良いし、予め決められたタイミングで点灯/消灯を切り替えても良い。
【0076】
また、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
9 給水タンク(貯水タンク)
73 LED(照明手段)
12 貯水室
13 回転体
14 ミストモータ
15 駆動軸
17 多孔部(衝突体)
18 送風ファン
72 貯水装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11