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特開2024-132460運転支援装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132460
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】運転支援装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/09 20120101AFI20240920BHJP
【FI】
B60W30/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043228
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志波 大樹
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA31
3D241DB10B
3D241DB37Z
3D241DC01Z
3D241DC02Z
3D241DC28Z
(57)【要約】      (修正有)
【課題】先行車両が跨いで避けた落下物に後続車両が衝突するリスクを回避すること。
【解決手段】車両の運転を支援する運転支援装置において、1つ又は複数のプロセッサと、前記1つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された1つ又は複数のメモリと、を備え、前記1つ又は複数のプロセッサが、前記車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定する推定処理と、前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定する判定処理と、前記判定処理において前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避する回避処理とを実行する、運転支援装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転を支援する運転支援装置において、
1つ又は複数のプロセッサと、前記1つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された1つ又は複数のメモリと、を備え、
前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定する推定処理と、
前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理において前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避する回避処理と
を実行する、運転支援装置。
【請求項2】
前記1つ又は複数のプロセッサは、
前記回避処理において、前記先行車両と前記車両との間の目標車間距離を拡大する、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記1つ又は複数のプロセッサは、
前記回避処理において、
前記車両及び前記先行車両が同一の車両通行帯を走行し、他車両が前記車両通行帯の隣の車両通行帯を走行している場合、前記車両を車両通行帯の幅方向に沿って見たときに前記車両と前記他車両とが重ならないように前記車両を移動させる、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記1つ又は複数のプロセッサは、
前記回避処理において、
前記車両及び前記先行車両が同一の車両通行帯を走行している場合、前記車両を前記車両通行帯の幅方向に移動させる、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項5】
車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定することと、
前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定することと、
前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避することと
を含む処理をプロセッサに実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転支援装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のドライバの運転を支援する様々な運転支援システムが従来から提供されている。例えば特許文献1には、走行中の後続車両に対する落下物への対処として、後続車両が、先行車両の荷台付近の物体を検出し、当該物体の振動周波数と振幅に応じて当該物体が落下するか否かを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-170370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、走行中の先行車両から物体が落下するか否かを判断する技術であるが、既に落下した物体に対処することについて考慮されていない。このため、特許文献1に記載の技術では、走行中の先行車両が既に路上に落下した物体を跨ぐことによって当該物体が先行車両の陰から急に現れるような状況では、当該先行車両の進行方向後方を走行する後続車両が当該物体を回避できないおそれがある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、先行車両が跨いだ落下物に後続車両が衝突するリスクを回避することができる運転支援装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、車両の運転を支援する運転支援装置において、1つ又は複数のプロセッサと、前記1つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された1つ又は複数のメモリと、を備え、前記1つ又は複数のプロセッサが、前記車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定する推定処理と、前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定する判定処理と、前記判定処理において前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避する回避処理と、を実行する、運転支援装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本開示の別の観点によれば、車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定することと、前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定することと、前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避することと、を含む処理をプロセッサに実行させる、コンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本開示によれば、先行車両が跨いだ落下物に後続車両が衝突するリスクを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の概要を説明するための説明図である。
図2】運転支援装置を備えた車両の構成例を示す模式図である。
図3】運転支援装置の構成例を示すブロック図である。
図4】移動速度と制動距離との対応関係を示すテーブルである。
図5】先行車両及び後続車両を示す説明図である。
図6】同一の車両通行帯を走行する先行車両及び後続車両を示す模式図である。
図7】本開示の運転支援方法の一例を示すフローチャートである。
図8】本開示の運転支援方法の推定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本開示の運転支援方法の回避処理の一例を示すフローチャートである。
図10】同一の車両通行帯を走行する先行車両及び後続車両を示す模式図である。
図11】上記回避処理のうちの一工程を説明するための説明図である。
図12】同一の車両通行帯を走行する先行車両及び後続車両と、当該車両通行帯の隣の車両通行帯を走行する他車両とを示す模式図である。
図13】同一の車両通行帯を走行する先行車両及び後続車両と、当該車両通行帯の隣の車両通行帯を走行する他車両とを示す模式図である。
図14】カーブ路を走行する先行車両及び後続車両を示す模式図である。
図15】路面状態と制動距離との対応関係を示すテーブルである。
図16】移動速度と路面状態と制動距離との対応関係を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.本開示の概要
図1は、本開示の概要を説明するための説明図である。本開示の運転支援装置は、先行車両が落下物を跨ぐことによって当該先行車両の影から現れた当該落下物を後続車両が回避することを支援する。以下、本開示の運転支援装置が先行車両20と同一の車両通行帯Rを走行する後続車両10(以下、単に“車両10”という。)に適用される場合の実施形態について説明する。なお、上記の“跨ぐ”とは、先行車両が走行しながら落下物を通過することに伴って、当該落下物が先行車両の底面と路面との間隔をくぐることを意味し、以降の説明でも同様である。
【0011】
2.実施形態
本開示の好適な一実施形態について説明する。なお、図面において各部の寸法及び縮尺は、実際と相違する。また、図面は、理解を容易にするために模式的に示すことがある。さらに、本開示の範囲は、本開示を特に限定する旨の記載がない限り、以下に例示する形態に限られない。
【0012】
[車両の構成]
図2は、運転支援装置11を備えた車両10の構成例を示す模式図である。車両10は、駆動トルクを生成する駆動力源17から出力される駆動トルクを左前輪及び右前輪に伝達する二輪駆動の四輪自動車として構成されている。駆動力源17は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよく、駆動用モータであってもよい。また、車両10は駆動力源17として内燃機関及び駆動用モータをともに備えていてもよい。
【0013】
なお、車両10は、駆動トルクを前輪及び後輪に伝達する四輪駆動車であってもよい。また、車両10は、例えば前輪駆動用モータ及び後輪駆動用モータの二つの駆動用モータを備えた電気自動車であってもよく、それぞれの車輪に対応する駆動用モータを備えた電気自動車であってもよい。また、車両10が電気自動車やハイブリッド電気自動車の場合、車両10には、駆動用モータへ供給される電力を蓄積する二次電池や、バッテリに充電される電力を発電するモータや燃料電池等の発電機が搭載される。
【0014】
車両10は、車両10の運転制御に用いられる機器として、駆動力源17、電動ステアリング装置15、ブレーキ装置13A~13D(以下、特に区別を要しない場合には“ブレーキ装置13”と総称する。)、及びストロークセンサST1~ST4(以下、特に区別を要しない場合には“ストロークセンサST”と総称する。)を備えている。駆動力源17は、図示しない変速機や差動機構14を介して前輪駆動軸Fに伝達される駆動トルクを出力する。駆動力源17や変速機の駆動は、1つ又は複数の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)を含んで構成された車両制御部21により制御される。
【0015】
前輪駆動軸Fには電動ステアリング装置15が設けられている。電動ステアリング装置15は図示しない電動モータやギヤ機構を含み、車両制御部21により制御されることによって前輪の操舵角を調節する。車両制御部21は、手動運転中には、ドライバによるステアリングホイール16の操舵角に基づいて電動ステアリング装置15を制御する。また、車両制御部21は、自動運転中には、設定される操舵角又は操舵角速度に基づいて電動ステアリング装置15を制御する。
【0016】
ブレーキ装置13A~13Dは、それぞれの車輪に制動力を付与する。ブレーキ装置13は、例えば油圧式のブレーキ装置として構成され、車両制御部21は、液圧ユニット24の駆動を制御することによりそれぞれのブレーキ装置13に供給する油圧を調節する。車両10が電気自動車あるいはハイブリッド電気自動車の場合、ブレーキ装置13は、駆動用モータによる回生ブレーキと併用される。
【0017】
ストロークセンサSTは、サスペンション装置(図示略)のストローク量を検出するサスペンションストロークセンサである。サスペンション装置は、車両10の車体に対して、車輪を車両10の高さ方向にストローク可能に支持する。ストロークセンサST1~ST4の各々はサスペンション装置のストローク量の情報を運転支援装置11に出力する。
【0018】
車両制御部21は、駆動力源17、電動ステアリング装置15及び液圧ユニット24の駆動を制御する1つ又は複数の電子制御装置を含む。車両10が駆動力源17から出力された出力を変速して車輪へ伝達する変速機を備えている場合、車両制御部21は、変速機の駆動を制御する機能を備えている。車両制御部21は、運転支援装置11から送信される情報を取得可能に構成され、車両10の自動運転制御を実行可能に構成されている。
【0019】
車両制御部21は、車両10と先行車両20との間の距離を目標とする車間距離に維持しようとするACC(Adaptive Cruise Control)制御を実行可能に構成される。車両制御部21は、ACC制御の実行中、基本目標車間距離に基づいて、車両10と先行車両20との間の距離が目標車間距離となるように車両10の加減速を制御する。本実施形態では、車両制御部21は、後述の回避処理部111Dの出力に基づいて、目標車間距離を基本目標車間距離よりも拡大可能に構成される。
【0020】
なお、上記の“基本目標車間距離”とは、車両10の移動速度に応じて予め設定された規定距離である。また、上記の“目標車間距離”とは、車両10と先行車両20との間の距離をACC制御により維持する上で目標となる車間距離であり、以降の説明でも同様である。
【0021】
また、車両10は、前方撮影カメラ12A,12B、後方撮影カメラ12C、車両位置検出センサ33、車速センサ34及び表示装置18を備えている。
【0022】
前方撮影カメラ12A,12B及び後方撮影カメラ12Cは、車両10の周囲環境の情報を取得するための周囲環境認識装置12に含まれる。前方撮影カメラ12A,12Bは、車両10の前方を撮影し、画像データを生成する。後方撮影カメラ12Cは、車両10の後方を撮影し、画像データを生成する。前方撮影カメラ12A,12B及び後方撮影カメラ12Cは、CCD(Charged Coupled Devices)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備え、生成した画像データを運転支援装置11へ送信する。図2に示された車両10においては、前方撮影カメラ12A,12Bは、左右一対のカメラを含むステレオカメラとして構成されているが、前方撮影カメラは単眼カメラであってもよい。
【0023】
なお、周囲環境認識装置12は、車両10の側方を検出する側方センサを有する。側方センサは、サイドカメラ12Dを含む。サイドカメラ12Dは、例えばサイドミラー40に設けられ、車両10の左後方、右後方及び側方を撮影する。この他、周囲環境認識装置12は、LiDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダ等のレーダセンサ及び超音波センサのうちのいずれか1つ又は複数のセンサを含んでいてもよい。
【0024】
車両位置検出センサ33は、GPS(Global Positioning System)衛星に代表されるGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの衛星信号を受信する。車両位置検出センサ33は、受信した衛星信号に含まれる車両10の位置情報を運転支援装置11へ送信する。なお、車両位置検出センサ33は、GPSセンサ以外に、車両10の位置を特定する他の衛星システムからの衛星信号を受信するアンテナが備えられていてもよい。
【0025】
車速センサ34は、車両10の移動速度を検出するセンサである。車速センサ34は、例えば、車輪速を検出するエンコーダであってもよく、駆動力源17としての駆動用モータの回転数を検出するエンコーダであってもよく、レーザドップラ式センサであってもよい。あるいは、車速センサ34は、LiDAR又はカメラ等を用いたSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)による自己位置推定技術を活用した速度推定モジュールであってもよい。なお、車速センサ34は、特に制限されず、走行中の車両10の速度を検出可能な通常のセンサが利用されてよい。
【0026】
運転支援装置11は、車両位置検出センサ33から取得した位置を示す情報に基づき、車両10の移動速度を示す情報を生成してよい。運転支援装置11は、例えば、車両10の位置の変化に基づき、車両10の移動速度を算出してもよい。具体的には、運転支援装置11は、現時点より前の演算周期で取得した車両10の位置から、当該現時点の演算周期で取得した車両10の現在位置までの距離を演算周期に相当する単位時間で割ることにより車両10の移動速度を算出してもよい。
【0027】
表示装置18は、運転支援装置11により駆動され、ドライバに視認可能な種々の情報を表示する。表示装置18は、例えばインストルメントパネル内に設けられた表示装置であってもよく、ナビゲーションシステムの表示装置であってもよい。また、表示装置18は、車両10の周囲の現実空間上に重畳して、ドライバが視認可能な情報をフロントウィンドウ上へ表示するHUD(ヘッドアップディスプレイ)であってもよい。
【0028】
運転支援装置11は、1つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがコンピュータプログラムを実行することで、ドライバによる車両10の運転を支援する装置として機能する。当該コンピュータプログラムは、運転支援装置11が実行すべき後述する動作をプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。プロセッサにより実行されるコンピュータプログラムは、運転支援装置11に備えられた記憶装置112(メモリ)として機能する記録媒体に記録されていてもよく、運転支援装置11に内蔵された記録媒体又は運転支援装置11に外付け可能な任意の記録媒体に記録されていてもよい。
【0029】
コンピュータプログラムを記録する記録媒体としては、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープ等の磁気媒体、CD-ROM、DVD及びBlu-ray(登録商標)等の光記録媒体、フロプティカルディスク等の磁気光媒体、RAM及びROM等の記憶素子、USBメモリ及びSSD等のフラッシュメモリ、並びに、その他のプログラムを格納可能な媒体であってよい。
【0030】
<運転支援装置の機能構成>
図3は、運転支援装置11の構成例を示すブロック図である。運転支援装置11には、専用線若しくはCAN(Controller Area Network)、又はLIN(Local Inter Net)等の通信手段を介して、周囲環境認識装置12及び車両制御部21が接続される。また、運転支援装置11にはストロークセンサSTも接続される。なお、運転支援装置11は、車両10に搭載された電子制御装置に限られるものではなく、タッチパッド又はウェアラブル機器等の端末装置でもよい。
【0031】
運転支援装置11は、処理装置111及び記憶装置112を有する。処理装置111は、CPU等の1つ又は複数のプロセッサ及び種々の周辺部品を有する。処理装置111の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等でもよい。
【0032】
(記憶装置)
記憶装置112は、処理装置111と通信可能に接続された、1つ若しくは複数のRAM、ROM、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)フラッシュ又はストレージ装置等の記録媒体である。ただし、記憶装置112の種類及び数は特に限定されず、1つ又は複数であってもよい。
【0033】
記憶装置112は、処理装置111により実行されるコンピュータプログラム、演算処理に用いられる種々のパラメータ、検出データ、及び演算結果等に関するデータ等を記録する。記憶装置112の一部は、処理装置111のワーク領域として使用される。
【0034】
本実施形態に係る記憶装置112は、乗員及び積載物が存在しない車両10の底面10Sと路面Rsとの間隔の情報(以下、“諸元の地上高の情報”という。)を予め記憶する。諸元の地上高の情報は、後述の運転支援方法の推定処理(ステップS4)に利用される。以降の説明では、乗員及び積載物が存在しない車両の底面と路面との間隔を“諸元の地上高”と記述する。
【0035】
図4は、移動速度と制動距離との対応関係を示すテーブルである。本実施形態に係る記憶装置112は、図4に示されるような、車両10の移動速度と制動距離とが対応づけられたテーブルを記憶する。このテーブルは、後述の運転支援方法の回避処理(ステップS6)に利用される。上記の“制動距離”とは、ブレーキが作動してから車両が停まるまでに走行する距離である。なお、図4の各数値は、あくまで説明の便宜上の数値であり、当該数値に限定されるものではない。
【0036】
(処理装置)
処理装置111は、周囲環境認識処理部111A、推定処理部111B、判定処理部111C、及び回避処理部111Dを有する。これらの各部の機能は、プロセッサによるコンピュータプログラムの実行により実現される。なお、周囲環境認識処理部111A、推定処理部111B、判定処理部111C及び回避処理部111Dのうちの一部が、アナログ回路等のハードウェアにより構成されていてもよい。
【0037】
周囲環境認識処理部111Aは、車両10の周囲環境の情報を取得する。車両10の周囲環境の情報とは、例えば周囲環境認識装置12の計測結果を示す情報である。
【0038】
周囲環境認識処理部111Aは、車両10に搭載された周囲環境認識装置12から取得した、車両10の周囲環境の情報に基づき、車両10の周囲環境を認識する処理(以下、周囲環境認識処理という。)を実行する。周囲環境認識処理部111Aは、周囲環境認識処理により車両10の周囲の移動体及び静止物を認識する。
【0039】
図5は、車両10及び先行車両20を示す説明図である。推定処理部111Bは、周囲環境認識装置12の計測結果の情報に基づき、先行車両20の底面20Sと路面Rsとの間隔である第1地上高H1を推定する。具体的には、推定処理部111Bは、前方撮影カメラ12A,12Bが先行車両20を撮像した画像データと、先行車両20と車両10との間の推定距離とに基づき第1地上高H1を推定する。
【0040】
また、推定処理部111Bは、ストロークセンサSTから取得した計測結果の情報と、記憶装置112から読みだした、諸元の地上高の情報とに基づき、車両10の底面10Sと路面Rsとの間隔である第2地上高H2を推定する。具体的には、推定処理部111Bは、諸元の地上高の情報を、ストロークセンサSTにより検出されたストローク量の情報を用いて補正することによって第2地上高H2を推定する。
【0041】
判定処理部111Cは、車両10の第2地上高H2が、先行車両20の第1地上高H1よりも低いか否かを判定する。回避処理部111Dは、第2地上高H2が第1地上高H1よりも低いと判定処理部111Cにより判定された場合、先行車両20の進行方向前方の路面Rs上に存在し得る落下物と車両10との接触を回避する処理を実行する。回避処理部111Dは、第2地上高H2が第1地上高H1よりも低いと判定処理部111Cにより判定された場合、車両制御部21を制御することにより、落下物との衝突を回避する動作を車両10に実行させる。回避処理部111Dの具体的な制御内容については後述する。
【0042】
図6は、同一の車両通行帯Rを走行する先行車両20及び車両10を示す模式図である。回避処理部111Dは、ACC制御に用いる目標車間距離の情報を車両制御部21に送信する。車両10と先行車両20との間の車間距離D1は、車両制御部21のACC制御によって目標車間距離となるように制御される。
【0043】
[運転支援方法]
図7は、本開示の運転支援方法の一例を示すフローチャートである。以下、本開示の運転支援方法の一例について、図7を参照しながら説明する。なお、上記フローチャートは、本開示の機能が起動された状態において、所定の演算周期で繰り返し実行される。
【0044】
<ステップS1:車両の周囲環境の情報を取得>
運転支援装置11の処理装置111が支援機能の起動を検知すると、周囲環境認識処理部111Aは、ステップS1において、車両10の周囲環境の情報を取得する。具体的には、周囲環境認識処理部111Aは、例えば、周囲環境認識装置12(前方撮影カメラ12A,12B)から画像データを取得する。
【0045】
<ステップS2:周囲環境認識処理>
続いて、周囲環境認識処理部111Aは、ステップS2において、周囲環境認識装置12から取得した周囲環境の情報に基づき、周囲環境認識処理を実行する。具体的には、周囲環境認識処理部111Aは、例えば、周囲環境認識装置12から取得した画像データからエッジ検出処理等により特徴点を抽出し、予め記録された種々の物体の特徴点群のパターンのデータとのマッチング処理(パターンマッチング)を行い、車両10の周囲に存在する検出対象物を認識するとともに当該検出対象物の種類を特定する。
【0046】
周囲環境認識処理部111Aは、例えば、車両、自転車及び歩行者等の移動体、ガードレール、縁石、道路、建造物、車両のテールランプ及びその他の静止物、並びに車両通行帯の境界線等を表す特徴点群のパターンのデータと、抽出した特徴点群とを適合することによって車両10の周囲に存在する検出対象物を認識し、この検出対象物の種類を特定する。なお、ステップS2において実行される周囲環境認識処理は従来公知の技術を利用して実行されればよく、特に限定されるものではない。
【0047】
<ステップS3:進行方向前方に先行車両があるか?>
周囲環境認識処理部111Aは、ステップS3において、先のステップS2のパターンマッチングの結果、先行車両20を認識した場合、車両10の進行方向前方に先行車両20があると判定する。推定処理部111Bは、周囲環境認識処理部111Aにより先行車両20があると判定された場合(ステップS3のYES)、後述の推定処理(ステップS4)を実行する。一方、処理装置111は、周囲環境認識処理部111Aにより先行車両20が存在しないと判定された場合(ステップS3のNO)、先のステップS1を再度実行する。
【0048】
<ステップS4:推定処理>
推定処理部111Bは、ステップS4において、車両10よりも進行方向前方に存在する先行車両20の底面20Sと路面Rsとの間隔である第1地上高H1を推定する処理を実行する。以下、ステップS4について、図8を参照しながら説明する。図8は、本開示の運転支援方法の推定処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
(ステップS41:先行車両の第1地上高H1を推定)
推定処理部111Bは、前方撮影カメラ12A,12B間の距離、並びに前方撮影カメラ12A,12Bの視差及び焦点距離に基づくステレオ法によって車両10と先行車両20との間の距離を推定する。次いで、推定処理部111Bは、推定された距離と、前方撮影カメラ12A,12Bが先行車両20を撮像することにより生成された画像データとに基づき、先行車両20の第1地上高H1を推定する。
【0050】
具体的には、推定処理部111Bは、前方撮影カメラ12A,12Bにより先行車両20が撮像された画像のうち底面20Sと路面Rsとの間隔に対応する部分のピクセル数Pを算出する。推定処理部111Bは、このピクセル数P[px]に、予め距離に基づき設定された1ピクセル当たりの定数D[m/px]を掛けた乗算値(P×D)を第1地上高H1として推定する。
【0051】
具体的な事例を挙げて説明すると、例えば、推定された先行車両20までの距離が30mであり、算出されたピクセル数Pが14pxである場合、予め30mの距離に対応づけられた1ピクセル当たりの定数が0.01m/pxであるとすると、推定処理部111Bは、14pxと0.01m/pxとを掛けることにより得られる0.14m(14cm)を先行車両20の第1地上高H1と推定する。なお、上記の30mの距離に対応づけられた0.01m/pxはあくまで説明の便宜上の数値であり、実際とは相違する。
【0052】
(ステップS42:第2地上高H2を推定)
続いて、推定処理部111Bは、諸元の地上高の情報を、ストロークセンサSTにより検出されたストローク量の情報を用いて補正することにより第2地上高H2を推定する。具体的には、例えば、推定処理部111Bは、車両10の各車輪に対応するストロークセンサST1~ST4の各々から取得したストローク量の平均値Saを算出する。
【0053】
次いで、推定処理部111Bは、予め記憶装置112に記憶された、乗員及び積載物が存在しない車両10の底面10Sと路面Rsとの間隔hと、平均値Saとの差分(h-Sa)を第2地上高H2として推定する。
【0054】
<ステップS5:第2地上高H2<第1地上高H1?>
図7に戻り、判定処理部111Cは、車両10の底面10Sと路面Rsとの間隔である第2地上高H2が第1地上高H1よりも低いか否かを判定する。回避処理部111Dは、判定処理部111Cにより第2地上高H2が第1地上高H1よりも低いと判定された場合(ステップS5のYES)、後述の回避処理(ステップS6)を実行する。一方、処理装置111は、第2地上高H2が第1地上高H1よりも低くない、即ち、第2地上高H2が第1地上高H1以上(H2≧H1)と判定処理部111Cにより判定された場合(ステップS5のNO)、先のステップS1を再度実行する。
【0055】
<ステップS6:回避処理>
次に、回避処理部111Dは、先のステップS5の判定処理において判定処理部111Cが、第2地上高H2が第1地上高H1よりも低いと判定した場合、先行車両20の進行方向前方の路面Rs上に存在し得る落下物と車両10との接触を回避する処理を実行する。以下、ステップS6について、図9を参照しながら説明する。図9は、本開示の運転支援方法の回避処理の一例を示すフローチャートである。
【0056】
(ステップS61:車間距離を拡大)
図10は、同一の車両通行帯Rを走行する先行車両20及び車両10を示す模式図であり、回避処理を実行する車両10を示す図である。
【0057】
回避処理部111Dは、ステップS61において、先行車両20と車両10との間の目標車間距離を拡大する。回避処理部111Dは、先行車両20と車両10との間の距離が車間距離D1よりも長い車間距離D2となるように、目標車間距離を拡大させる指令情報を車両制御部21に出力する。これにより、先行車両20と車両10との間の距離が車間距離D1よりも長い車間距離D2となる。
【0058】
本実施形態では、ステップS61の処理により車両10と先行車両20との間の距離が拡大するため、車両10の進行方向前方に落下物が現れたとしても、車両10のドライバは、減速及び旋回等の当該落下物を回避するための運転を、時間的余裕をもって行うことができる。このため、車両10は、当該落下物を容易に回避することができる。
【0059】
ステップS61について詳述すると、処理装置111は、例えば、車速センサ34から車両10の現在の移動速度を示す情報を取得する。次いで、回避処理部111Dは、記憶装置112に記憶されたテーブル(図4参照)を参照し、当該テーブルのなかから車両10の現在の移動速度に対応づけられた制動距離を検索する。
【0060】
次いで、回避処理部111Dは、検索された制動距離よりも大きくなるように目標車間距離を拡大する。具体的には、回避処理部111Dは、検索された制動距離以上の距離の値を指定する。回避処理部111Dは、指定した距離の値の情報を目標車間距離の情報として車両制御部21に送信する。車両制御部21は、車両10と先行車両20との間の車間距離D2が当該目標車間距離となるように車両10の加減速を制御するACC制御を実行する。
【0061】
または、回避処理部111Dは、検索された制動距離の情報を基本目標車間距離の情報として車両制御部21に送信し、当該基本目標車間距離(制動距離)に所定の係数を乗じさせる又は所定の値を加算させる指令情報を車両制御部21に送信する。車両制御部21は、基本目標車間距離(制動距離)に所定の係数を乗じる又は所定の値を加算することにより目標車間距離を算出し、車両10と先行車両20との間の車間距離D2が当該目標車間距離となるように車両10の加減速を制御するACC制御を実行する。
【0062】
(ステップS62:視認性が不十分?)
次に、回避処理部111Dは、ステップS62において、周囲環境認識装置12(前方撮影カメラ12A,12B)から取得した画像データに基づき、先行車両20よりも進行方向前方の視認性が不十分か否かを判定する。具体的には、回避処理部111Dは、先行車両20から進行方向に所定距離先の車両通行帯Rが、前方撮影カメラ12A,12Bにより計測可能か否かを判定する。
【0063】
前方撮影カメラ12A,12Bの計測視野が先行車両20に遮られることで、前方撮影カメラ12A,12Bが、先行車両20から所定距離先の車両通行帯Rを計測できない場合、回避処理部111Dは、先行車両20よりも進行方向前方の車両通行帯Rの視認性が不十分であると判定し(ステップS62のYES)、後述のステップS63を実行する。
【0064】
一方、前方撮影カメラ12A,12Bが、車両10と先行車両20との間の距離を拡大したことで、先行車両20から所定距離先の車両通行帯Rが前方撮影カメラ12A,12Bの計測視野に収められ、前方撮影カメラ12A,12Bが当該車両通行帯Rを計測できる場合、回避処理部111Dは、先行車両20よりも進行方向前方の車両通行帯Rの視認性が十分であると判定し(ステップS62のNO)、車両10と先行車両20との間の距離を車間距離D2に維持させる指令情報を車両制御部21に出力する、これにより、車両10と先行車両20との間の距離が、車両制御部21の制御により車間距離D2に維持される。
【0065】
(ステップS63:並走時間が所定時間継続?)
図11は、ステップS63を説明するための説明図である。回避処理部111Dは、ステップS63において、図11に示されるように、車両通行帯Rの隣の車両通行帯R2を走行する他車両30と車両10とが並走する時間が所定時間継続しているか否かを判定する。
【0066】
具体的には、回避処理部111Dは、車両通行帯R2を走行する他車両30が側方センサにより検出されている時間が所定時間以上か否かを判定する。回避処理部111Dは、他車両30が側方センサにより所定時間以上検出されていると判定した場合(ステップS63のYES)、後述のステップS64を実行する。一方、回避処理部111Dは、他車両30が側方センサにより所定時間以上検出されない場合(ステップS63のNO)、後述のステップS65を実行する。
【0067】
(ステップS64:並走車両がいなくなるまで車間距離を拡大)
図12及び図13は、同一の車両通行帯Rを走行する先行車両20及び車両10と、車両通行帯R2を走行する他車両30とを示す模式図であり、回避処理を実行する車両10を示す図である。
【0068】
回避処理部111Dは、ステップS64において、車両10及び先行車両20が同一の車両通行帯Rを走行し、他車両30が車両通行帯Rの隣の車両通行帯R2を走行している場合、車両10を車両通行帯Rの幅方向に沿って見たときに車両10と他車両30とが重ならないように車両10を移動させる。回避処理部111Dは、先行車両20と車両10との間の距離が車間距離D2よりも長い車間距離D3となるように、目標車間距離をさらに拡大させる指令情報を車両制御部21に出力する。これにより、先行車両20と車両10との間の距離が車間距離D2よりも長い車間距離D3となる。
【0069】
本実施形態では、ステップS64の処理によって図12に示されるように車両10と並走する他車両30がいなくなるため、車両10の進行方向前方に落下物が現れたとしても、車両10は他車両30と接触することなく当該落下物を安全に回避することができる。
【0070】
ステップS64の処理では、回避処理部111Dが、車両10の側方センサに他車両30が検出されなくなるまで目標車間距離を拡大する。具体的には、回避処理部111Dは、目標車間距離を指定し、当該目標車間距離の情報を車両制御部21に送信する。車両制御部21は、車両10と先行車両20との間の車間距離D3が、回避処理部111Dに指定された目標車間距離となるように車両10の加減速を制御するACC制御を実行する。
【0071】
または、回避処理部111Dは、車両10の現在の移動速度に基づく基本目標車間距離の情報と、当該基本目標車間距離に所定の係数を乗じさせる又は所定の値を加算させる指令情報を車両制御部21に送信する。車両制御部21は、基本目標車間距離に所定の係数を乗じる又は所定の値を加算することにより目標車間距離を算出し、車両10と先行車両20との間の車間距離D3が算出した目標車間距離となるように車両10の加減速を制御するACC制御を実行する。
【0072】
(ステップS65:視認性が不十分?)
図7に戻り、回避処理部111Dは、ステップS65において、周囲環境認識装置12(前方撮影カメラ12A,12B)から取得した画像データに基づき先のステップS62と同様に先行車両20よりも進行方向前方の視認性が不十分か否かを判定する。回避処理部111Dは、先行車両20よりも進行方向前方の視認性が不十分であると判定した場合(ステップS65のYES)、後述のステップS66を車両制御部21に実行させる。
【0073】
一方、車両10と先行車両20との間の距離を拡大したことで、先行車両20から所定距離先の車両通行帯Rが前方撮影カメラ12A,12Bの計測視野に収められ、前方撮影カメラ12A,12Bが当該車両通行帯Rを計測できる場合、回避処理部111Dは、先行車両20よりも進行方向前方の車両通行帯Rの視認性が十分であると判定し(ステップS65のNO)、車両10と先行車両20との間の距離を維持させる指令情報を車両制御部21に出力する、これにより、車両10と先行車両20との間の距離が車両制御部21の制御により維持される。
【0074】
(ステップS66:幅方向の位置修正)
回避処理部111Dは、車両10及び先行車両20が同一の車両通行帯Rを走行している場合、ステップS66において、車両10を車両通行帯Rの幅方向に移動させる。
【0075】
具体的には、回避処理部111Dは、車両通行帯R内での車両10の走行位置が、先行車両20の走行位置に対して左右いずれかの方向にずれるように、車両10の操舵に関する情報を車両制御部21に出力する。この際、回避処理部111Dは、車両通行帯Rの境界からはみ出さない範囲で、最大限、車両10を車両通行帯Rの幅方向に移動させる指令情報を車両制御部21に出力する。
【0076】
具体的には、回避処理部111Dは、例えば、車両通行帯R2を走行する他車両30が車両10に近接している場合、回避処理部111Dは、他車両30のドライバに危険を感じさせないように、車両10と車両通行帯Rの境界との間の距離の下限値を指定する。回避処理部111Dは、車両10と車両通行帯Rの境界との間の距離が、指定した下限値未満とならように、車両10を車両通行帯Rの幅方向に移動させる指令情報を車両制御部21に出力する。
【0077】
これにより、先行車両20の進行方向前方の路面Rsを車両10のドライバが視認できる範囲が、車両10が幅方向に移動する前よりも大きくなり、当該ドライバが落下物を見つけやすくなる。以下、ステップS66の具体的な適用事例をいくつか説明する。
【0078】
(適用事例1)
図13は、車両通行帯Rの幅、車両通行帯Rの道路形状、車両10の車幅、及び車両10の運転席の位置が、それぞれ、3.5m、直線道路、2.0m、及び進行方向右側であり、先行車両20が進行方向左に寄って走行し、車両10が車両通行帯Rの幅方向中央Rcに沿って走行している適用事例1を示す説明図である。
【0079】
適用事例1では、回避処理部111Dは、図13に示されるように、車両10を幅方向中央Rcから右方向に移動させる。これにより、先行車両20の進行方向前方の路面Rsを車両10のドライバが視認しやすくなる。このため、先行車両20の進行方向前方に落下物が存在する場合、車両10のドライバは、先行車両20が落下物を跨ぐ前に当該落下物の存在を把握することができる。従って、車両10のドライバは、減速及び旋回等の当該落下物を回避するための運転を、時間的余裕をもって行うことができる。このため、車両10は、当該落下物を容易に回避することができる。
【0080】
(適用事例2)
図14は、車両通行帯Rの幅、車両通行帯Rの道路形状、車両10の車幅、及び車両10の運転席の位置が、それぞれ、3.5m、車両10の進行方向に見て左曲がりの湾曲道路、2.0m、及び進行方向右側であり、車両10及び先行車両20が車両通行帯Rの幅方向中央Rcに沿って走行している適用事例2を示す説明図である。
【0081】
適用事例2では、回避処理部111Dは、図14に示されるように、車両10を幅方向中央Rcから左方向に移動させる。これにより、先行車両20の進行方向前方の路面Rsを車両10のドライバが視認しやすくなる。このため、適用事例1と同様に、車両10のドライバは、先行車両20が落下物を跨ぐ前に当該落下物の存在を把握することができる。従って、車両10のドライバは、減速及び旋回等の当該落下物を回避するための運転を、時間的余裕をもって行うことができる。このため、車両10は、当該落下物を容易に回避することができる。
【0082】
以上の説明の通り、本実施形態に係る運転支援装置11は、1つ又は複数のプロセッサと、上記1つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された1つ又は複数のメモリと、を備え、上記1つ又は複数のプロセッサが、車両10よりも進行方向前方に存在する先行車両20の底面20Sと路面Rsとの間隔である第1地上高H1を推定する推定処理と、車両10の底面10Sと路面Rsとの間隔である第2地上高H2が第1地上高H1よりも低いか否かを判定する判定処理と、当該判定処理において第2地上高H2が第1地上高H1よりも低いと判定した場合、先行車両20の進行方向前方の路面Rs上に存在し得る落下物と車両10との接触を回避する回避処理と、を実行する。
【0083】
上記運転支援装置11によれば、先行車両20が路面Rs上の落下物を跨ぐことで、当該落下物が車両10の進行方向前方に現れたとしても、当該落下物に車両10が衝突するリスクを回避することができる。
【0084】
3.変形例
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく種々の変更を加え得る。上記実施形態に付与され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。上記実施形態は、以下の例示から任意に選択された1つ以上の態様に、矛盾しない範囲で変更されてもよい。
【0085】
[変形例1]
上記実施形態では、先行車両20の第1地上高H1が、先行車両20が撮像された画像と、先行車両20と車両10との間の推定距離とに基づき推定されるが、これに限られない。
【0086】
例えば、推定処理部111Bは、周囲環境認識処理により先行車両20の概形又はテールライトの形状を認識する。推定処理部111Bは、車両の概形又はテールライトの形状と、諸元の地上高とが対応づけられた情報が集約されたデータベースを参照し、当該データベースのなかから認識した概形又はテールライトの形状に対応づけられた諸元の地上高を検索する。推定処理部111Bは、検索された諸元の地上高を第1地上高H1の情報として推定してもよい。なお、上記のデータベースは、車両10と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された情報処理装置(例えばクラウドサーバ)に格納されてもよく、記憶装置112に格納されてもよい。
【0087】
あるいは、推定処理部111Bは、車両10と車車間通信を介して相互に通信可能に接続された先行車両20から第1地上高H1の情報を推定してもよい。
【0088】
[変形例2]
上記実施形態では、車両10の諸元の地上高の情報がストローク量の情報により補正されることで車両10の第2地上高H2が推定されるがこれに限られない。
【0089】
例えば、推定処理部111Bは、例えば、乗員検知センサの検出結果に基づき車両10の車両総重量を推定してもよい。または、推定処理部111Bは、例えば、タイヤ空気圧モニタリングセンサ(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)の検出結果に基づき車両10の車両総重量を推定してもよい。具体的には、推定処理部111Bは、乗員及び積載物が存在しない状態でタイヤ空気圧モニタリングセンサにより計測された車輪の内圧と、乗員及び/又は積載物が存在する状態で当該センサにより計測された車輪の内圧との差分に基づき、車両10の車両総重量を推定してもよい。
【0090】
乗員検知センサは、車両10内に乗員がいるか否かを検出するセンサである。乗員検知センサは例えば圧力センサであり、車両10の座席における圧力が所定の閾値以上であるか否かに基づいて、乗員の有無を検出する。
【0091】
タイヤ空気圧モニタリングセンサは、車両10の車輪(タイヤ)の内圧を計測するセンサである。タイヤ空気圧モニタリングセンサの出力値は、車両10内の乗員又は積載物等の荷重によって変化する。
【0092】
推定処理部111Bは、推定した車両総重量に予め対応づけられた補正値Cvを用いて、車両10と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された情報処理装置(例えばクラウドサーバ)又は記憶装置112から取得した諸元の地上高の情報を補正することにより、第2地上高H2を推定してもよい。具体的には、推定処理部111Bは、乗員及び積載物が存在しない車両10の底面10Sと路面Rsとの間隔hと、補正値Cvとの差分(h-Cv)を第2地上高H2として推定してもよい。
【0093】
または、推定処理部111Bは、例えば、ヘッドライトレベライザセンサにより検出された車両10の照射角度(光軸角度)に基づき車両10の沈み量Vを推定してもよい。
【0094】
推定処理部111Bは、推定した沈み量Vを用いて、車両10と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された情報処理装置(例えばクラウドサーバ)又は記憶装置112から取得した諸元の地上高の情報を補正することにより、第2地上高H2を推定してもよい。具体的には、推定処理部111Bは、乗員及び積載物が存在しない車両10の底面10Sと路面Rsとの間隔hと、沈み量Vとの差分(h-V)を第2地上高H2として推定してもよい。
【0095】
[変形例3]
上記実施形態では、ステップS61において、車両10の現在の移動速度に対応づけられた制動距離よりも目標車間距離を拡大するがこれに限られない。上記実施形態のステップS61は、以下の変形例3-1又は変形例3-2の態様に変更されてもよい。
【0096】
<変形例3-1>
図15は、路面状態と制動距離との対応関係を示すテーブルである。回避処理部111Dは、周囲環境認識装置12の計測結果の情報に基づいて、車両10が現在走行している路面Rsの路面状態が、乾燥状態(DRY)、湿潤状態(WET)、積雪状態(SNOW)及び凍結状態(ICE)のいずれかであると推定する。
【0097】
次いで、回避処理部111Dは、図15に示されるような、路面状態と制動距離とが対応づけられたテーブルを参照し、当該テーブルのなかから推定した路面状態に対応づけられた制動距離を検索する。回避処理部111Dは、当該制動距離よりも大きくなるように目標車間距離を拡大する。これにより、車両10と先行車両20との間の距離が拡大するため、車両10の進行方向前方に落下物が現れたとしても、車両10が減速及び旋回等する時間的余裕が生まれる。このため、車両10は、当該落下物を容易に回避することができる。
【0098】
<変形例3-2>
図16は、移動速度と路面状態と制動距離との対応関係を示すテーブルである。回避処理部111Dは、周囲環境認識装置12の計測結果の情報に基づいて、車両10が現在走行している路面Rsの路面状態が、乾燥状態(DRY)、湿潤状態(WET)、積雪状態(SNOW)及び凍結状態(ICE)のいずれかであると推定する。
【0099】
次いで、回避処理部111Dは、図16に示されるような、移動速度と路面状態と制動距離とが対応づけられたテーブルを参照し、当該テーブルのなかから、車両10の現在の移動速度と推定した路面状態とに対応づけられた制動距離を検索する。回避処理部111Dは、当該制動距離よりも大きくなるように目標車間距離を拡大する。これにより、車両10と先行車両20との間の距離が拡大するため、車両10の進行方向前方に落下物が現れたとしても、車両10が減速及び旋回等する時間的余裕が生まれる。このため、車両10は、当該落下物を容易に回避することができる。
【0100】
なお、図15及び図16に示されたテーブルでは、路面状態が、乾燥状態、湿潤状態、積雪状態及び凍結状態の4つに区分されるがこれに限られない。回避処理部111Dは、路面状態として、当該4つの状態に替えて又はこれに加えて、例えば、車両10が現在走行している路面Rsの摩擦係数を推定してもよい。また、変形例3では、周囲環境認識装置12の計測結果の情報に基づき路面状態が推定されるがこれに限られず、その他の任意の方法により推定されてもよい。さらに、図15及び図16の各数値はあくまで説明の便宜上の数値であり、当該数値に限定されるものではない。
【0101】
[変形例4]
上記実施形態では、車両10がACC制御されて走行することを前提としているが、車両10の走行はACC制御されなくてもよい。この場合、回避処理部111Dは、車両10と先行車両20との間の距離を、例えば車両10の現在の移動速度から算出された制動距離又は停止距離より拡大してもよい。これにより、車両10がドライバによって手動運転されている場合であっても、車両10と先行車両20との間の距離が強制的に拡大される。このため、先行車両20が路面Rs上の落下物を跨ぐことで当該落下物が車両10の進行方向前方に現れたとしても、車両10が当該落下物を時間的余裕をもって回避することができる。即ち、先行車両20が跨いだ落下物に車両10が衝突するリスクを回避することができる。
【0102】
[変形例5]
上記実施形態では、先行車両20と車両10との間の距離が拡大された後の落下物を回避する運転が車両10のドライバにより行われることを前提としているが、当該運転は自動的に行われてもよい。具体的には、例えば、周囲環境認識処理部111Aは、周囲環境認識処理により路面Rs上の落下物を認識する。回避処理部111Dは、認識された落下物を回避させる指令情報を車両制御部21に出力する。車両制御部21は、当該指令情報を受けて、当該落下物を回避する自動運転制御を実行してもよい。これにより、落下物を回避する運転が自動的に行われるため、車両10のドライバの負担が軽減する。
【0103】
4.補足
上記実施形態で例示された運転支援装置及び運転支援方法は、乗用車に適用されるが、本開示の運転支援装置及び運転支援方法は、乗用車以外の移動体に適用されてもよく、本開示の用途は特に制限されない。
【0104】
さらに、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的ではない。つまり、本発明は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0105】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術は上記実施形態に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0106】
例えば、上記実施形態で例示された運転支援装置が有する機能の一部が、他の装置に備えられてもよい。具体的には、例えば、本開示の運転支援方法における各ステップ(ステップS1~S6)の一部又は全部が、支援対象車両と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された情報処理装置(例えばクラウドサーバ)により実行されてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、運転支援装置は、車両に搭載された電子制御装置であるが、本開示の技術はこの例に限定されない。例えば、運転支援装置は、車両とは異なる装置と通信可能に構成され、任意の表示装置に対して駆動指令する携帯端末であってもよい。このような携帯端末としては、例えば、ラップトップコンピュータ、携帯電話、スマートフォン又はタブレット端末等が挙げられる。
【0108】
さらに、本開示の技術は、上記実施形態に記載された運転支援装置を搭載した車両、運転支援装置による運転支援方法、コンピュータを上記の運転支援装置として機能させるコンピュータプログラム、及び当該コンピュータプログラムを記録した非一時的な有形の記録媒体としても実現することができる。
【0109】
5.付記
以上に例示した形態から、以下の態様が把握され得る。
【0110】
本開示の一態様(態様1)に係る車両の運転を支援する運転支援装置は、1つ又は複数のプロセッサと、前記1つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された1つ又は複数のメモリと、を備え、前記1つ又は複数のプロセッサが、前記車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定する推定処理と、前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定する判定処理と、前記判定処理において前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避する回避処理と、を実行する。
【0111】
態様1の運転支援装置によれば、先行車両が路面上の落下物を跨ぐことで、当該落下物が車両(後続車両)の進行方向前方に現れたとしても、当該落下物に車両が衝突するリスクを回避することができる。
【0112】
態様1の具体例(態様2)によれば、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記回避処理において、前記先行車両と前記車両との間の目標車間距離を拡大する。この態様によれば、車両(後続車両)と先行車両との間の距離が拡大するため、車両の進行方向前方に落下物が現れたとしても、車両のドライバは、減速及び旋回等の当該落下物を回避するための運転を、時間的余裕をもって行うことができる。このため、車両は、当該落下物を容易に回避することができる。
【0113】
態様1の具体例(態様3)によれば、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記回避処理において、前記車両及び前記先行車両が同一の車両通行帯を走行し、他車両が前記車両通行帯の隣の車両通行帯を走行している場合、前記車両を車両通行帯の幅方向に沿って見たときに前記車両と前記他車両とが重ならないように前記車両を移動させる。この態様によれば、車両(後続車両)と並走する他車両がいなくなるため、車両の進行方向前方に落下物が現れたとしても、車両は他車両と接触することなく当該落下物を安全に回避することができる。
【0114】
態様1の具体例(態様4)によれば、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記回避処理において、前記車両及び前記先行車両が同一の車両通行帯を走行している場合、前記車両を前記車両通行帯の幅方向に移動させる。この態様によれば、先行車両の進行方向前方の路面を車両(後続車両)のドライバが視認しやすくなる。このため、車両のドライバは、先行車両が落下物を跨ぐ前に当該落下物の存在を把握することができる。従って、車両のドライバは、減速及び旋回等の当該落下物を回避するための運転を、時間的余裕をもって行うことができる。従って、車両は、当該落下物を容易に回避することができる。
【0115】
本開示の一態様(態様5)に係るコンピュータプログラムは、車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定することと、前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定することと、前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避することと、を含む処理をプロセッサに実行させる。
【0116】
態様5のコンピュータプログラムは、先行車両が路面上の落下物を跨ぐことで、当該落下物が車両(後続車両)の進行方向前方に現れたとしても、プロセッサに実行されることによって、当該落下物に車両が衝突するリスクを回避することができる。
【0117】
本開示の一態様(態様6)に係る運転支援方法は、1つ又は複数のプロセッサが、車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定するステップと、前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定するステップと、前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避するステップと、を含む。
【0118】
態様6の運転支援方法によれば、先行車両が路面上の落下物を跨ぐことで、当該落下物が車両(後続車両)の進行方向前方に現れたとしても、当該落下物に車両が衝突するリスクを回避することができる。
【0119】
本開示の一態様(態様7)に係る非一時的な有形の記録媒体は、1つ又は複数のプロセッサが、車両よりも進行方向前方に存在する先行車両の底面と路面との間隔である第1地上高を推定することと、前記車両の底面と前記路面との間隔である第2地上高が前記第1地上高よりも低いか否かを判定することと、前記第2地上高が前記第1地上高よりも低いと判定した場合、前記先行車両の進行方向前方の前記路面上に存在し得る落下物と前記車両との接触を回避することと、を含む処理をプロセッサに実行させるコンピュータプログラムを記録する。
【0120】
態様7の記録媒体によれば、先行車両が路面上の落下物を跨ぐことで、当該落下物が車両(後続車両)の進行方向前方に現れたとしても、上記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されることによって、当該落下物に車両が衝突するリスクを回避することができる。
【符号の説明】
【0121】
10…支援対象車両
11…運転支援装置
12…周囲環境認識装置
20…先行車両
30…他車両
図1
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