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  • 特開-キャッパ 図1
  • 特開-キャッパ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132471
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】キャッパ
(51)【国際特許分類】
   B67B 1/04 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B67B1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043241
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】390029090
【氏名又は名称】靜甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】前野 房枝
(72)【発明者】
【氏名】秋山 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】桜本 良介
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080AA01
3E080CC01
3E080CF16
(57)【要約】
【課題】 容器の口部に打栓を行う際の高精度のセンタリングを可能とし、特に、容器のネック搬送に適用可能なキャッパを提供すること。
【解決手段】 容器Bのネック部BBに形成されたフランジの下方を狭持する一対のチャック41a,41bと、各チャック41a,41bを開閉動作させるチャック開閉手段42を有するセンタリングガイド4を設け、チャック開閉手段42を、容器Bが打栓位置Pへ搬送された際に、1本のエアシリンダ55のシャフト55aの進退駆動によって互いに噛合する平歯車が設けられた各チャック41a,41bの回動軸を回動させ、各チャック41a,41bを閉動作させて、狭持する容器Bの口部BDを前記打栓位置Pにおいてセンタリングし、打栓に供した後に、各チャック41a,41bを開動作させて、容器Bを開放するように構成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、容器本体に連接形成され、外周にフランジが形成されたネック部と、ネック部の天端面に開口する口部とを有し、前記口部を上位へ指向させて、打栓位置へ供給された容器の口元に対し、キャップを保持して加工するキャッピングヘッドを備えた打栓装置を用いて打栓するキャッパであって、
容器のネック部に形成されたフランジの下方を狭持する一対のチャックと、前記各チャックを開閉動作させるチャック開閉手段とを備えるセンタリングガイドを備え、
前記チャック開閉手段は、容器が打栓位置へ搬送された際に、1本のエアシリンダのシャフトの進退駆動によって互いに噛合する平歯車が設けられた各チャックの回動軸を回動させ、各チャックを閉動作させて、狭持する容器の口部を前記打栓位置においてセンタリングし、打栓に供した後に、各チャックを開動作させて、容器を開放するように構成されていることを特徴とするキャッパ。
【請求項2】
等間隔で複数設けられ、前記容器のネック部のフランジの上方を狭持する一対のグリッパと、その各グリッパを開閉動作させるグリッパ開閉手段とを備え、前記容器を吊り下させた状態で、搬送経路上にある前記打栓位置へ間欠搬送するネック搬送装置を備え、
前記グリッパ開閉手段は、容器が前記打栓位置へ搬送された際に、前記打栓位置Pにおいて前記一対のチャックが容器を狭持するときは各グリッパを開動作させて容器を開放し、打栓に供した後に、前記各グリッパを閉動作させて、前記容器のネック部を狭持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャッパ。
【請求項3】
前記センタリングガイドの前記各チャックは、水平方向に延出する先端部の互いの対向部には閉動作時に容器に形成されたネック部のフランジの下方に嵌着してセンタリングに協働する把持部が形成された第1チャック部と、水平方向に延出する先端部の互いの対向部には閉動作時に容器に形成されたネック部乃至口部を位置させて、前記キャッピングヘッドによる打栓を許容するガイド孔部が形成された第2チャック部とが、容器を狭持した前記搬送装置のグリッパの開閉および移動を許容する軸基台を介して層設されており、
前記一対のチャックは、前記容器の狭持位置における対向面の中間に位置する仮想面で対称に、容器の搬送方向の上下流方向へ開閉動作するように設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
口部にフランジが形成された容器の前記口部をネックグリッパで保持し、センタリングをした状態で、前記口部にキャップを押し込んで嵌着させて栓をするキャッパに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、容器としてペットボトル等の本体が軽量で可撓性の高い材料からなる容器が用いられるようになると、軽量容器は搬送面上に容器を直立させた状態で安定させて搬送することが困難であるため、ネックグリッパによって、剛性を持たせて形成されている容器のネック部(口部の直下部分)を把持して吊り下げた状態で搬送するネック搬送が多用されている。
【0003】
ネック搬送をしながら搬送される容器に対し打栓するキャッパとしては、例えば、特許文献1に示すキャッパがある。このキャッパは、回転体(28)の外周部に円周方向等間隔で複数のネックグリッパ(22)が設けられており、容器の搬送経路におけるネックグリッパ(22)の上方には、それぞれ、キャップ2を保持して下降し容器(4)の口部(4a)に打ち込むキャッピングヘッド(30)が昇降可能に配置されている。
【0004】
キャッピングヘッド(30)は、昇降するロッド(32)と、この昇降ロッド(32)の下端に設けられ、キャップ(2)を保持するチャック(34)を備えており、容器はネックグリッパ(22)によってネック部を把持され、回転搬送される間にチャック(34)に保持されたキャップ(2)がロッド(32)の降下によって打ち込まれるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-314235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、打栓装置の場合、容器の口部と栓との位置が少しでもずれると打ち込むことができず、また、栓や容器の破損の問題も引き起こすため、高いセンタリング精度が求められる。
【0007】
引用文献1のキャッパは、このセンタリングを、キャッピングヘッドが加工してきたときに、搬送用のネックグリッパを僅かに開放して、ネックグリッパと容器の外面との間にクリアランスを形成し、打ち込まれるキャップに容器がならうことでセンタリングを行うという発明である。つまり、キャップの打ち込みの際に容器を移動させて微調整可能とし、センタリングを行う。
【0008】
しかしながら、前述のように、キャップの打ち込みの際に容器の口部と栓との位置がずれていると、栓自体や容器の破損の損傷の問題は解消されない。また、搬送用のグリッパでは、キャップを打ち込む圧を受け止めきれない可能性がある。
【0009】
また、キャッパの一部構成として、打栓が行われる容器の口部(ネック部)を支承するとともにキャッピングヘッドとの位置合わせを行うセンタリングガイドを配設し、センタリングを行なうことができればセンタリングの精度は高まるが、容器のネック部においては、搬送用のネックグリッパのチャックとセンタリングガイドとが干渉してしまうという問題が生じる。また、特許文献1のように回転体を用いるネック搬送の場合は、中心側(内側)にはネックグリッパのチャックが配設されるためセンタリングガイドの構成には検討が必要であった。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、容器の口部に打栓を行うキャッパにおいて、センタリングガイドを用いた高精度のセンタリングを可能とする構成のキャッパであって、特には、容器のネック搬送に適用可能なキャッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明のキャッパは、容器本体と、容器本体に連接形成され、外周にフランジが形成されたネック部と、ネック部の天端面に開口する口部とを有し、前記口部を上位へ指向させて、打栓位置Pへ供給された容器の口元に対し、キャップを保持して加工するキャッピングヘッドを備えた打栓装置を用いて打栓するキャッパであって、容器のネック部に形成されたフランジの下方を狭持する一対のチャックと、前記各チャックを開閉動作させるチャック開閉手段とを備えるセンタリングガイドを備え、前記チャック開閉手段は、容器が打栓位置へ搬送された際に、1本のエアシリンダのシャフトの進退駆動によって互いに噛合する平歯車が設けられた各チャックの回動軸を回動させ、各チャックを閉動作させて、狭持する容器の口部を前記打栓位置においてセンタリングし、打栓に供した後に、各チャックを開動作させて、容器を開放するように構成されている。
【0012】
また、等間隔で複数設けられ、前記容器のネック部のフランジの上方を狭持する一対のグリッパと、その各グリッパを開閉動作させるグリッパ開閉手段とを備え、前記容器を吊り下させた状態で、搬送経路上にある前記打栓位置へ間欠搬送するネック搬送装置を備え、
前記グリッパ開閉手段は、容器が前記打栓位置へ搬送された際に、前記打栓位置において前記一対のチャックが容器を狭持するときは各グリッパを開動作させて容器を開放し、打栓に供した後に、前記各グリッパを閉動作させて、前記容器のネック部を狭持するように構成されている。
【0013】
さらには、前記センタリングガイドの各チャックは、水平方向に延出する先端部の互いの対向部には閉動作時に容器に形成されたネック部のフランジの下方に嵌着してセンタリングに協働する把持部が形成された第1チャック部と、水平方向に延出する先端部の互いの対向部には閉動作時に容器に形成されたネック部乃至口部を位置させて、前記キャッピングヘッドによる打栓を許容するガイド孔部が形成された第2チャック部とが、容器を狭持した前記搬送装置のグリッパの開閉および周回移動を許容する軸基台を介して層設されており、前記一対のチャックは、前記容器の狭持位置における対向面の中間に位置する仮想面で対称に、容器の搬送方向の上下流方向へ開閉動作するように設けられている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のキャッパによれば、容器の口部に打栓を行うキャッパにおいて、簡単な機構のセンタリングガイドを用い、高精度のセンタリングを行った上で、容器のフランジを支承して打圧をしっかりと受け止めて栓をすることが可能となり、特には、容器をネック搬送する場合においても、搬送装置のグリッパとセンタリングガイドのチャックが干渉することなく入れ替わり、容器をしっかりと包み込むように保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のキャッパの一実施形態におけるセンタリングガイドの要部構成と、チャックの開状態を示す説明図
図2】本発明のキャッパの一実施形態におけるセンタリングガイドの要部構成と、チャックの閉状態を示す説明図
図3】本発明のキャッパの一実施形態におけるセンタリングガイドのチャックと搬送装置のグリッパの打栓位置における容器に対する位置関係を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るキャッパ1の一実施形態について、図1乃至図3により説明する。
【0017】
本実施形態において打栓が施される容器Bは、容器本体BAと、容器本体BAに連接形成され、外周にフランジBCが形成されたネック部BBと、ネック部BBの天端面に開口する口部BDとを有するペットボトルを想定する。
【0018】
本実施形態のキャッパ1は、容器Bを吊り下させた状態で、搬送経路の打栓位置Pへ間欠搬送するネック搬送装置2を備えている。
【0019】
本実施形態のネック搬送装置2の構成について簡単に説明すると、図示しない回転体の外周部に円周方向24度ピッチで15個設けられ、容器Bのネック部BBに形成されたフランジBCの上方を狭持する一対のグリッパ21a,21bと、一対のグリッパ21a,21bを開閉動作させるグリッパ開閉手段22とを備えている。前記回転体の外周円上で、前記回転体の回転方向において、打栓を行う容器Bを受け取る搬入位置(不図示)と打栓済みの容器Bを送り出す搬出位置(不図示)との間が前記搬送経路となり、打栓位置Pは、前記搬入位置と前記搬出位置の間に設けられている。なお、一対のグリッパ21a,21bを開閉動作させるグリッパ開閉手段22の機械的構成は公知の構成を採用するものとし説明を省略するが、制御部23については後述する。
【0020】
そして、搬送経路上の打栓位置Pには、図1及び図2に示すように、打栓を施す打栓機3とセンタリングガイド4が配設用のステージ5を共用させて配設されている。
【0021】
打栓機3は、キャップ(不図示)を保持するチャック(不図示)を備えたキャッピングヘッド(不図示)が打栓位置Pの上方で昇降可能に支持されており、施蓋時には、前記キャッピングヘッドを下降させ、その押圧力により、打栓位置Pにセンタリングさせて配置された容器Bの口部BDにキャップを押し込んで装着するように構成されている。
【0022】
そしてセンタリングガイド4は、容器Bのネック部BBに形成されたフランジBCの下方を狭持する一対のチャック41a,41bと、各チャック41a,41bを開閉動作させるチャック開閉手段42とを備えている。
【0023】
前記各チャック41a,41bは、板状に形成され、厚さ方向を鉛直方向に向け、閉時には先端部を前記搬送経路上に臨ませて水平方向に延出し、互いの対向部には閉時に容器Bに形成されたネック部BBのフランジBCの下方に嵌着してセンタリングに協働するグリップ部43が形成された第1チャック部41Aと、板ブロック状に形成され、先端部を水平方向に延出し、互いの対向部には閉時に容器Bに形成されたネック部BB乃至口部BDを位置させて、前記キャッピングヘッドによる打栓を許容するガイド孔部44が形成された第2チャック部41Bとが、容器Bを狭持したネック搬送装置2のグリッパ21a,21bの開閉および周回移動を許容する間隙部41Cを介して積設されている。
【0024】
さらに詳しくは、本実施形態の各チャック41a,41bは、図3に示すように、間隙部41Cを介在させた第1チャック部41Aと第2チャック部41Bの後端を連接させて形成されており、前記一対のチャック41a,41bは容器Bの狭持位置における対向面の中間に位置する仮想面で対称に、かつ、それぞれ容器Bの搬送方向の上下流方向へ、第2チャック部41Bの上面を、ステージ5に設けられた案内部材50と摺接させながら開閉移動するように構成されている。
【0025】
各チャック41a,41bは、チャック開閉手段42を構成し、ステージ5の表面に設けられた軸基台51のセンタリング位置から同寸法の位置に鉛直軸回りで回動自在に設けられた回動軸52a,52bの上端部に着脱自在に取り付けられている。各回動軸52a,52bの下端部は軸基台51から下方へ突出しており、本実施形態において、チャック開閉手段42は、軸基台51から下方へ延出する各回動軸52a,52bに形成した平歯車53a,53bを互いに噛み合わせ、一方の回動軸52aに回転力を伝達することで、各チャック41a,41bを互いに逆方向へ回動可能とされている。そして、一方の回動軸52aの下端は、ステージ5に平行に位置する1片の回動ブロック54の長手方向一端部上面に固着されている。
【0026】
また、ステージ5の裏面には、1本のエアシリンダ55がシャフト55aをチャック41a,41bの配設方向へ向けて、ステージ5に平行に進退可能に配設されており、シャフト55aの先端に設けられた連結ブロック56には、連結軸57が鉛直軸周りに回動自在に設けられており、連結軸57は、回動ブロック54の長手方向他端部上面に固着されている。
【0027】
これにより、エアシリンダ55のシャフト55aの進退運動を、連結ブロック56、連結軸57、回動ブロック54からなるリンク機構を介して、前記一方のチャック41aの回動軸52aの回転運動に変えて伝達することができ、さらには、一方のチャック41aの回動軸52aの回転力は噛合する平歯車53a,53bにより、同時に、他方のチャック41bの回動軸52bの回転力とすることができ、一対のチャック41a,41bを水平面内に沿って同じ角度で開閉させることができる。なお、本実施形態においては、一対のチャック41a,41bは前記仮想面から60度ずつ開くように設計している。
【0028】
また、チャック開閉手段42は、チャック41a,41bを開閉動作させるべく、エアシリンダ55の駆動を制御する制御部(不図示)を有しており、本実施形態において、前記制御部は、容器Bが打栓位置Pへ搬送された際に、エアシリンダ55を駆動させ、シャフト55aを進出させることによって互いに噛合する平歯車53a,53bが設けられた各チャック41a,41bの回動軸52a,52bを回動させて各チャック41a,41bを閉動作させて、グリップ部43に狭持する容器Bの口部BDを打栓位置Pにおいてセンタリングし、打栓に供した後に、エアシリンダ55を駆動させ、シャフト55aを後退させることによって互いに噛合する平歯車53a,53bが設けられた各チャック41a,41bの回動軸52a,52bを逆方向へ回動させ各チャック41a,41bを開動作させて、容器Bを開放するように構成されている。
【0029】
チャック開閉手段42の前記制御部は、ネック搬送装置2のグリッパ開閉手段22の制御部(不図示)と連係しており、グリッパ開閉手段22の前記制御部は、打栓位置Pにおいてセンタリングガイド4のチャック41a,41bが容器Bのネック部BBを狭持するときはグリッパ21a,21bを開動作して容器Bを開放し、チャック41a,41bが容器Bを開放するとき、グリッパ21a,21bは閉動作して容器Bを狭持するように、グリッパ21a,21bの開閉動作を行うように構成されている。
【0030】
このように、本実施形態のキャッパ1は、前記回転体の外周部に搬送経路が形成されたような容器Bの搬送装置であっても、搬送経路の打栓位置Pの一側方に簡単な構成でコンパクトに配設することができる。
【0031】
次に、本実施形態のキャッパ1の作用を説明する。搬送手段のグリッパ21a,21bにより、容器Bがネック部BBのフランジBCの上方を狭持され、吊り下さげられた状態で、回転体の間欠回転により搬送経路の打栓位置Pへ向けて搬送される。このとき、チャック開閉手段42は、エアシリンダ55を駆動させ、シャフト55aを後退させて、各チャック41a,41bを開いた状態で打栓位置Pに容器Bを迎え入れる。
【0032】
容器Bが打栓位置Pに搬送されると、チャック開閉手段42は、エアシリンダ55を駆動させ、シャフト55aを進出させることによって互いに噛合する平歯車53a,53bが設けられたチャック41a,41bの回動軸52a,52bを回動させて各チャック41a,41bを閉動作させる。このとき、各チャック41a,41bは、第2チャック部41Bの上面をステージ5に設けられた案内部材50の下面と摺接させることで水平方向の移動を案内されながら閉動作する。そして、各チャック41a,41bの第1チャック部41Aは、打栓位置Pに間欠搬送された容器Bのネック部BBのフランジBCの下方に嵌着し、第2チャック部41Bは、ガイド孔部44内に容器Bに形成されたフランジBCより先端側のネック部BB乃至口部BDを位置させた状態で閉じ、容器Bを保持する。
【0033】
本実施形態においては、各チャック41a,41bの鉛直方向の配設位置を打栓位置Pに搬送される容器BのフランジBCと第1チャック部41Aの位置関係を整えうえで、案内部材50を第2チャック部41Bに合わせてステージ5に調整し、配置させることで、容器Bの所望の保持を確実なものとすることができる。
【0034】
容器Bが打栓位置Pに搬送されると、グリッパ開閉手段22は、容器BのフランジBCよりも上のネック部BBを挟持している一対のグリッパ21a,21bを若干開いて、容器Bの保持を開放するように動作させる。このときグリッパ21a,21bは、各チャック41a,41bの第1チャック部41Aと第2チャック部41Bとの間の間隙部41Cを用いて開動作する。
【0035】
なお、一対のチャック41a,41bが閉じるタイミングと一対のグリッパ21a,21bが開くタイミングは、グリッパ21a,21bに保持されていた容器Bが解放された際に、閉じようとしている一対のチャック41a,41bに容器BのフランジBCを載置させて支承されている状態となるように調整すると、一対のチャック41a,41bが閉じたときに、フランジBCを以て支承されていた容器Bをしっかりと把持し、センタリングも可能となる。
【0036】
容器BをフランジBCの下方で保持し、センタリングを行った状態で、チャック41a,41bによりキャップを保持した前記キャッピングヘッドを下降させ、打栓位置Pにセンタリングさせて配置された容器Bの、一対のグリッパ21a,21bの第2グリッパ21a,21b部に形成されたガイド孔部44内に臨む口部BDにキャップを押し込んで装着する。
【0037】
打栓は、ネック搬送装置2のグリッパ21a,21bよりも頑強に構成されたセンタリングガイド4のチャック41a,41bによりフランジBCの下方を把持され、センタリングされている容器Bに対し行われることとなる。つまり、適切な打圧をセンタリングガイド4で受け止め、高い精度でセンタリングされた容器Bに対し、打栓することができる。
【0038】
そして、打栓が完了すると、ネック搬送装置2の一対のグリッパ21a,21bを閉動作させ、打栓されている容器Bのネック部BBを再び挟持させる。と同時に、チャック開閉手段42は、エアシリンダ55を駆動させ、シャフト55aを後退させることによって互いに噛合する平歯車53a,53bが設けられた各チャック41a,41bの回動軸52a,52bを回動させ各チャック41a,41bを開動作させて、容器Bを開放する。つまり、一対のグリッパ21a,21bは、各チャック41a,41bに形成された間隙部41C内で閉動作し、各チャック41a,41bは、再び、打栓位置Pから容器Bを送り出し、打栓位置Pに次の容器Bを迎え入れることが可能なように開動作するが、本実施形態においては、グリッパ21a,21bとチャック41a,41bが打栓位置Pにおいて干渉することがなく、容器Bの把持と開放を入れ違いで行うことができる。
【0039】
なお、本発明のキャッパ1は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。例えば、キャッパ1は、容器Bの搬送装置を伴う構成である必要はなく、キャッピングヘッドが下降する打栓位置Pに、容器Bを手作業で配置させる構成であってもよい。その場合においても、本発明のキャッパ1は確実なセンタリングを行い、キャッピングヘッドの打圧を受け止めて適切な封栓作業を行うことが可能となる。さらには、容器Bの搬送装置も、回転体の円周部分を搬送経路とする構成に限らない。
【符号の説明】
【0040】
1 キャッパ
2 ネック搬送装置
3 打栓機
4 センタリングガイド
5 ステージ
21a,21b グリッパ
22 グリッパ開閉手段
23 グリッパ開閉手段の制御部
41a,41b チャック
41A 第1チャック部
41B 第2チャック部
41C 間隙部
42 チャック開閉手段
43 グリップ部
44 ガイド孔部
50 案内部材
51 軸基台
52a,52b 回動軸
53a,53b 平歯車
54 回動ブロック
55 エアシリンダ
55a シャフト
56 連結ブロック
57 連結軸
B 容器
BA 容器本体
BB ネック部
BC フランジ
BD 口部
P 打栓位置
図1
図2
図3