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  • 特開-センタリング機構並びに充填包装機 図1
  • 特開-センタリング機構並びに充填包装機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132472
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】センタリング機構並びに充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/24 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B67C3/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043242
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】390029090
【氏名又は名称】靜甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】前野 房枝
(72)【発明者】
【氏名】秋山 圭祐
【テーマコード(参考)】
3E079
【Fターム(参考)】
3E079AA10
3E079AB01
3E079BB08
3E079FG01
3E079GG02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワークのセンタリングのズレの発生を原因として生じていた問題を解消できるセンタリング機構と、そのセンタリング機構を備える充填包装機を提供する。
【解決手段】一対のグリッパ4と、グリッパ間において進退移動可能に配設された中央ガイド部材10と、シャフト12を貫挿させる孔15が形成された第1取付板16と、第1取付板との間に一対の支持軸18を支承する第2取付板17と、支持軸に添ってスライド自在に配設され、シャフトの後端部が固定されたスライドベース20と、常にはスライドベースを付勢してグリッパを閉じると共に中央ガイド部材を進出させる付勢手段22と、付勢部材の付勢に抗してグリッパを開くと共に中央ガイド部材を後退させる付勢解除手段とからなる直動駆動機構と、中央ガイド部材の進退移動に伴って移動する一対のカムピン14をカム溝7に係合させてグリッパを開閉させるカム開閉機構とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを把持しながらセンタリング位置に位置調整するセンタリング機構であって
ベースプレートと、
ベースプレートの先端辺から延出させた先端側の対向面にワークの被把持部を把持可能な把持部が形成され、回動軸をもって前記把持部を円弧軌道で開閉動作可能に配設された一対のグリッパと、
前記一対のグリッパ間において前記センタリング位置方向へ向かう直線上を進退移動可能に配設され、先端部を前記ベースプレートの前記先端辺から延出させた中央ガイド部材と、
前記中央ガイド部材から後方へ延出させて連接されたシャフトを進退させることにより、前記中央ガイド部を進退移動させる直動駆動機構と、
前記中央ガイド部の進退移動に伴って移動する一対のカムピンを、前記一対のグリッパのそれぞれに形成された円弧状のカム溝に係合させることにより、前記一対のグリッパを開閉させるカム開閉機構とを備え、
前記直動駆動機構は、
前記シャフトをスライド自在に貫挿させる孔が形成された第1取付板と、その第1取付板との間に前記シャフトと平行に配設される一対の支持軸を支承する第2取付板からなり、前記ベースプレートから垂設された一対の支持軸取付板と、
前記一対の支持軸を挿嵌させる一対の孔が形成され、前記一対の支持軸に添ってスライド自在に配設されるとともに、前記シャフトの後端部が固定されたスライドベースと、
常には、前記スライドベースを前記ベースプレートの先端側へ付勢し、前記一対のグリッパを閉じると共に前記中央ガイド部材の先端部を進出させる付勢手段と、
前記付勢部材の付勢に抗して前記スライドベースを前記ベースプレートの後端側へ移動させ、前記一対のグリッパを開くと共に前記中央ガイド部材の先端部を後退させる付勢解除手段と、
を備えることを特徴とするセンタリング機構。
【請求項2】
前記付勢手段は、前記スライドベースと前記第2取付板との間に配設されたばね部材であることを特徴とする請求項1に記載のセンタリング機構。
【請求項3】
前記付勢解除手段は、前記スライドベースに一体に設けられた解除操作部と、その解除操作部と接触・係合して前記ばね部材を圧縮可能とされた進退作動部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンタリング機構。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセンタリング機構を備える充填包装機であって、前記付勢解除手段の進退作動部は、ワークの搬入位置及び/又は搬出位置に配設され、シリンダシャフトの進退移動量を制御可能とされ、前記シリンダシャフトの進出時に前記解除操作部に当接し、前記スライドベースを移動可能に配設されたエアシリンダであることを特徴とする充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器のネック部を把持しながらセンタリング(芯出し・位置調整)するセンタリング機構であって、ネック部の径寸法の異なるボトル容器に対しても型替えを要せず、兼用可能なセンタリング機構並びに充填包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器を搬送する際の受け渡し時、容器に液体を充填する時、容器にキャップを施す時など、一連の充填工程においてそれぞれの作業を確実に実行するために、容器のネック部を把持しながらセンタリングを行う機構が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06-183551号公報
【特許文献2】特開2007ー314235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のセンタリング機構においては、把持される容器部分の形状に合わせた把持部を有する一対のグリッパを同時に正逆方向に回動させ、容器の被把持部の両側方から把持部を円弧軌道で近・当接させて把持するように構成されている。容器をグリッパが把持することでセンタリングがなされるように、前記把持部が容器のネック部の断面形状に合ったものを使用することが望ましいが、それでは、容器のネックの径寸法が変更となる毎にグリッパの型替えを要することとなる。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、ボトル容器のネック部など、ワークの被把持部を把持してセンタリングを行う機構をコンパクトにまとめ、各部材が1つの駆動源の駆動で動作する様に構成し、ワークのセンタリングのズレの発生を原因として生じていた問題、例えば、充填液の液漏れや施蓋不良などの問題を解消できるセンタリング機構と、そのセンタリング機構を備える充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するため、本発明のセンタリング機構は、ワークを把持しながらセンタリング位置に位置調整するセンタリング機構であって、ベースプレートと、ベースプレートの先端辺から延出させた先端側の対向面にワークの被把持部を把持可能な把持部が形成され、回動軸をもって前記把持部を円弧軌道で開閉動作可能に配設された一対のグリッパと、前記一対のグリッパ間において前記センタリング位置方向へ向かう直線上を進退移動可能に配設され、先端部を前記ベースプレートの前記先端辺から延出させた中央ガイド部材と、前記中央ガイド部材から後方へ延出させて連接されたシャフトを進退させることにより、前記中央ガイド部を進退移動させる直動駆動機構と、前記中央ガイド部の進退移動に伴って移動する一対のカムピンを、前記一対のグリッパのそれぞれに形成された円弧状のカム溝に係合させることにより、前記一対のグリッパを開閉させるカム開閉機構とを備え、前記直動駆動機構は、前記シャフトをスライド自在に貫挿させる孔が形成された第1取付板と、その第1取付板との間に前記シャフトと平行に配設される一対の支持軸を支承する第2取付板からなり、前記ベースプレートから垂設された一対の支持軸取付板と、前記一対の支持軸を挿嵌させる一対の孔が形成され、前記一対の支持軸に添ってスライド自在に配設されるとともに、前記シャフトの後端部が固定されたスライドベースと、常には、前記スライドベースを前記ベースプレートの先端側へ付勢し、前記一対のグリッパを閉じると共に前記中央ガイド部材の先端部を進出させる付勢手段と、前記付勢部材の付勢に抗して前記スライドベースを前記ベースプレートの後端側へ移動させ、前記一対のグリッパを開くと共に前記中央ガイド部材の先端部を後退させる付勢解除手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この構成を備えるセンタリング機構は、常には、付勢手段の付勢力によって、前記一対のグリッパは閉じ、前記中央ガイド部材の先端部は進出しているが、前記付勢解除手段により前記付勢部材の付勢を解除して、前記一対のグリッパを開くと共に前記中央ガイド部材の先端部を後退させることにより、前記ワークの被把持部の搬入または搬出が可能となる。そこで、再び、付勢手段を作用させれば、また、前記一対のグリッパは閉じ、前記中央ガイド部材の先端部は進出するので、閉時におけるこの一対のグリッパの把持部と前記中央ガイド部材の先端部のそれぞれの臨む位置を、ワークの被把持部の形状に合わせて、センタリング可能な位置に設定することで、ワークを把持し、かつ、センタリングを行うことが可能となる。
【0008】
そして、前記付勢手段は、前記スライドベースと前記第2取付板との間に配設されたばね部材であることを特徴とする。
【0009】
また、前記付勢解除手段は、前記スライドベースに一体に設けられた解除操作部と、その解除操作部と接触・係合して前記ばね部材を圧縮可能とされた進退作動部を備えることを特徴とする。
【0010】
前述のいずれかのセンタリング機構を備える充填包装機であって、前記付勢解除手段は、ワークの搬入位置及び/又は搬出位置に配設され、シリンダシャフトの進退移動量を制御可能とされ、前記シリンダシャフトの進出時に前記解除操作部に当接し、前記スライドベースを移動可能に配設されたエアシリンダであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のセンタリング機構によれば、コンパクトな構成で1つの駆動源の駆動で動作させることができ、ワークのセンタリングのズレの発生を防ぎ、径寸法の異なるワークに対しても汎用性を備えることができる。該センタリング機構を充填包装機に採用することで、センタリング不良を原因とする問題の発生を確実に抑止することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のセンタリング機構の一実施形態の要部構成をベースプレート裏面側から説明する平面図
図2図1のセンタリング機構の一実施形態の要部構成をベースプレート表面側から説明する斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るセンタリング機構1の一実施形態の構成について、図1および図2を参照して説明する。なお、本実施形態においては、センタリング機構1は、充填包装機2の回転体としての円環状のベースプレート3の外周部に円周方向等間隔で設けられた複数のネックグリッパとして、不図示の供給手段により供給されるボトル容器(不図示)の被把持部となるネック部を把持し、ボトル容器の口部をセンタリング位置へ位置させ(センタリング)て、搬送経路上の充填位置やキャッピング位置へ搬送する充填包装機2に採用されているものとする。
【0014】
本実施形態のセンタリング機構1は、ベースプレート3の先端辺から延出させた先端側の対向面にボトル容器のネック部を把持する一対のグリッパ4を備えている。一対のグリッパ4のそれぞれは、後述する中央ガイド部材10がセンタリング位置へ向かう直線、すなわち、本実施形態においては、後述のシャフト12の移動線をもって平面視において対称位置に配設されている。
【0015】
一対のグリッパ4のそれぞれは薄板片状の部材であり、先端側の対向部にボトル容器のネック部の外周を把持可能な矢弦形状とされた把持部5が形成されており、その把持部5をベースプレート3の先端辺から延出させた状態で、長手方向中央部に設けた軸孔(不図示)にベースプレート3から下面へ垂設させた回動軸6を通して軸支し、把持部5を円弧軌道で開閉動作可能とされている(以下、グリッパ4の先端側を位置させるベースプレート3の辺方向を「先(前)」と概念し、反対方向を「後」と概念する)。なお、図1及び図2に示すように、本実施形態のグリッパ4は、長手方向中間部の形成された段差部により、先端側の高さ位置をベースプレート3の取付面に対して調整した形状とされている。そして、一対のグリッパ4の回動軸6より後方の部分にはそれぞれ、カム開閉機構を構成する、後方から先端方向に向かうに従って間隔寸法が狭まる平面視八の字とされた円弧状のカム溝7が形成されている。
【0016】
また、一対のグリッパ4間には、先端部をベースプレート3の先端辺から延出させたブロック片状の中央ガイド部材10が、その幅方向中央部から後方へ延出させて連接部材11により連接されたシャフト12を進退させることにより、ベースプレート3に凹状に切り欠き形成されたスライドガイド9に沿ってセンタリング位置へ向かう直線上を進退移動可能に配設されている。
【0017】
本実施形態において、連接部材11は中央ガイド部材10の後端部に固定されており、中央ガイド部材10の幅寸法よりも長尺な部材として形成されている。そして、シャフト12は連接部材11の幅方向中央に連結され、連接部材11の両端の中央ガイド部材10から側方へ延出する部分には、各カム溝7に係合し、中央ガイド部材10の進退移動に伴って移動する一対のカムピン14のそれぞれが軸支され、カム開閉機構を構成している。
【0018】
ここで、シャフト12を含む直動駆動機構について説明すると、前記直動駆動機構は、ベースプレート3の一対のグリッパ4の配設位置より後端側において、シャフト12の進退方向に直交させてベースプレート3から下方へ垂設された一対の支持軸取付板を備えている。
【0019】
前記一対の支持軸取付板は、長手方向中央に形成された孔15に前記シャフト12をスライド自在に貫挿させた第1取付板16と、その第1取付板16よりも後方において、第1取付板16との間にシャフト12と平行に配設される一対の支持軸18を支承する第2取付板17とからなる。
【0020】
また、前記直動駆動機構は、長手方向両端部に前記一対の支持軸18を挿嵌させる一対の孔19のそれぞれが形成され、一対の支持軸18に添ってスライド自在に配設されるとともに、シャフト12の後端部が長手方向中央部に固定されたスライドベース20を備えている。なお、支持軸18やシャフト12が嵌装される孔15,9にはベアリングが配設されているものとする(図には、ベアリングを孔として示す)。
【0021】
本実施形態において、ベースプレート3にはスライドベース20のスライド移動に適応させて開口部9が設けられており、スライドベース20に一体に設けられ、付勢解除手段を構成するブロック片状の解除操作部21が、その開口部9からベースプレート3の表面側へ突出させて形成されている。
【0022】
ベースプレート3の裏面側の説明に戻り、スライドベース20と第2取付板17との間には、常には、スライドベース20をベースプレート3の先端側へ押し上げるように付勢し、一対のグリッパ4を閉じると共に中央ガイド部材10の先端部を進出させる付勢手段としてのばね部材22が配設されている。
【0023】
そして、本実施形態の充填包装機2においては、ベースプレート3の表面側に突出する解除操作部21と当接(接触・係合)してばね部材22の付勢に抗してベースプレート3を後退させるシリンダシャフト(不図示)を有するエアシリンダ(不図示)が、搬送経路におけるボトル容器の搬入位置と搬出位置に、付勢解除手段の進退作動部として設けられている。
【0024】
また、本実施形態の充填包装機2は、不図示の制御部を備え、ボトル容器の被把持部となるネック部の径寸法に応じた一対のグリッパ4の開度で予め設定された進退量でシリンダシャフトを進出させ、一対のチャック4を開放させるように、前記エアシリンダの駆動が制御されている。なお、前記シリンダシャフトを進退させるタイミングは、ボトル容器の搬入位置に配置されたボトル容器の供給手段の動作タイミングや、ボトル容器の搬出位置に配置されたボトル容器の搬出手段の動作タイミングに同期させる。
【0025】
続いて、本実施形態のセンタリング機構1並びに充填包装機2の動作と作用について説明する。本実施形態のセンタリング機構1においては、充填包装機2のボトル容器の搬入位置にボトル容器が不図示の供給手段によって配置されると、前記制御部はそのタイミングでばね部材22の付勢を解除するべく、付勢解除手段を構成する前記エアシリンダを駆動させ、シリンダシャフトを前進させる。そのシリンダシャフトの前進量は、把持するボトル容器のネック部の径寸法に応じた一対のグリッパ4の開度に合わせた量とする。
【0026】
前記制御部の制御によりシリンダシャフトが前進し、解除操作部21の先端側面に当接し、ばね部材22の付勢に抗してスライドベース20を一対の支持軸18に沿って後方へ押し遣ると、スライドベース20に固定されているシャフト12を介して中央ガイド部材10が後退する。
【0027】
その際、中央ガイド部材10の連接部材11に配設された一対のカムピン14はそれぞれ、グリッパ4に形成された円弧状のカム溝7の中を先端側から後方側へ向かって移動する。これにより、一対のグリッパ4は回動軸6を中心として矢弦形状とされた先端側を円弧軌道で開く方向へ回動する。
【0028】
このように一対のグリッパ4を開くと共に中央ガイド部材10の先端部を後退させることにより、ボトル容器の被把持部5を一対のグリッパ4の把持部5と中央ガイド部材10の先端部が臨む空間内に繰り入れることができる。
【0029】
その後、前記制御部の制御により前記シリンダシャフトを後退させ、解除操作部21の先端側面への当接を解除すると、ばね部材22の付勢力により、スライドベース20は再び支持軸18に沿って前方へ移動し、スライドベース20に固定されているシャフト12を介して中央ガイド部材10も前進する。
【0030】
その際、中央ガイド部材10の連接部材11に配設された一対のカムピン14はそれぞれ、グリッパ4に形成された円弧状のカム溝7の中を後方側から先端側へ向かって移動する。これにより、一対のグリッパ4は回動軸6を中心として矢弦形状とされた先端側を円弧軌道で閉じる方向へ回動する。
【0031】
これにより、ボトル容器のネック部は一対のグリッパ4とセンターガイドブロックとにより把持される。その際、矢弦形状とされたグリッパ4の把持部5は、円形状のネック部の形状に沿いつつネック部の前方の2点に当接し、中央ガイド部材10は、ネック部の後方の1点に当接する。
【0032】
本実施形態のセンタリング機構1は、センターガイドブロック7とボトル容器のネック部との当接点並びに一対のグリッパ4とボトル容器のネック部との当接点のそれぞれからセンタリング位置までの距離を等しくするように構成することで、把持した時点で、ボトル容器のセンタリングを確実に行うことができる。
【0033】
そして、本実施形態のセンタリング機構1は、小径のネック部を把持するときは、グリッパ4が大きく回動し、中央ガイド部材10も大きく突出してネック部に当接し、大径のネック部を把持するときは、グリッパ4が小さく回動し、中央ガイド部材10も小さく突出してネック部に当接するので、径が異なるボトル容器であっても、センタリング位置に被把持部5としてのネック部の中心を位置させることができる。
【0034】
つまり、1つのセンタリング機構1のセッティングでセンタリング可能なネック部の径寸法は1サイズに限られず、様々なネックサイズのボトル容器に対応することができる。
【0035】
そして、ボトル容器のセンタリングを行ない、把持した状態で、前記回転体(ベースプレート)を回転させ、搬送経路上の充填位置などの作業位置へ搬送し、所定の作業を行う。
【0036】
充填作業などの所定の作業が終了し、ボトル容器が搬出位置へ搬送されると、制御部はそのタイミングで再び前記付勢部材の付勢を解除してボトル容器の把持を開放するべく、エアシリンダを駆動させる。
【0037】
このように、本実施形態のセンタリング機構1はコンパクトな構成であり、ボトル容器のセンタリングのズレの発生を防ぎ、径寸法の異なるボトル容器に対しても汎用性を備えることができ、このセンタリング機構1を備える充填包装機2は、一つの駆動源の駆動で動作させることができ、センタリング不良を原因とする問題の発生を確実に抑止することも可能となる。
【0038】
なお、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0039】
例えば、カムピンは連接部材11に形成されていなくても、中央ガイド部材10の進退とともに移動すればよい。
【0040】
また、中央ガイド部材10を後退移動させる機構はエアシリンダとそのシリンダシャフトに限られないし、シャフト12の本数や中央ガイド部材10との連結位置、支持軸18の数なども、中央ガイド部材10がセンタリング位置へ向かう直線上を進退するものであれば、本実施形態の構成に限るものではない。
【0041】
また、上述の実施形態においては、ワークとしてのボトル容器に充填液を充填する充填包装機2に該センタリング機構1を組み込んだ場合を説明したが、本発明のセンタリング機構1は、ボトル容器の口部にキャップを施す施蓋装置、搬送途中のボトル容器の受け渡し装置などにおいても用いることができるし、付勢解除手段も、ばね部材22の付勢に抗して前記スライドベース20をベースプレート3の後端側へ移動させ、前記一対のグリッパ4を開くと共に前記中央ガイド部材10の先端部を後退させることができれば、必ずしも、解除操作部に当接して動作させるエアシリンダを必要とせず、例えば、手動操作としてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 センタリング機構
2 充填包装機
3 ベースプレート
4 グリッパ
5 把持部
6 回動軸
7 カム溝
8 スライドガイド
9 開口部
10 中央ガイド部材
11 連接部材2
12 シャフト
14 カムピン
15 孔
16 第1取付板
17 第2取付板
18 支持軸
19 孔
20 スライドベース
21 解除操作部
22 ばね部材
図1
図2