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特開2024-132476走行支援装置、走行支援方法、および車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132476
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】走行支援装置、走行支援方法、および車両
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240920BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043247
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 和博
(72)【発明者】
【氏名】福山 真幸
(72)【発明者】
【氏名】西村 洋文
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD53
2F129EE95
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH25
5H181AA01
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF03
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL08
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】走行を支援する。
【解決手段】走行支援装置20は、登録制御部30Fと、出力制御部30Dと、を備える。登録制御部30Fは、特定地点の位置情報と、特定地点の走行時に表示部10Hに表示する表示内容に関する表示内容情報と、を対応付けて登録する。出力制御部30Dは、走行する車両10が特定地点から所定範囲内に位置したときに、特定地点の位置情報に対応する表示内容情報によって表される表示内容を表示部10Hに出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定地点の位置情報と、前記特定地点の走行時に表示部に表示する表示内容に関する表示内容情報と、を対応付けて登録する登録制御部と、
走行する車両が前記特定地点から所定範囲内に位置したときに、前記特定地点の前記位置情報に対応する前記表示内容情報によって表される前記表示内容を前記表示部に出力する出力制御部と、
を備える走行支援装置。
【請求項2】
前記特定地点において前記表示部に表示する前記表示内容に関する前記表示内容情報を受付ける受付部を備え、
前記登録制御部は、
前記特定地点の前記位置情報と、受付けた前記表示内容情報と、を対応付けて登録する、
請求項1に記載の走行支援装置。
【請求項3】
車両の周囲の互いに異なる複数の撮影方向の撮影映像を取得する撮影映像取得部を備え、
前記受付部は、
前記特定地点において前記表示部に表示する前記撮影映像の前記撮影方向を含む前記表示内容情報を受付け、
前記出力制御部は、
前記車両が前記特定地点から前記所定範囲内に位置したときに、前記特定地点の前記位置情報に対応する前記表示内容情報に含まれる前記撮影方向の撮影映像を、前記表示内容として前記表示部に出力する、
請求項2に記載の走行支援装置。
【請求項4】
前記受付部は、
前記特定地点において前記表示部に表示する撮影映像の表示形態を表すパラメータを含む前記表示内容情報を受付け、
前記出力制御部は、
前記車両が前記特定地点から前記所定範囲内に位置したときに、前記特定地点の前記位置情報に対応する前記表示内容情報に含まれる前記撮影方向の撮影映像を、前記パラメータによって表される前記表示形態で前記表示部に出力する、
請求項3に記載の走行支援装置。
【請求項5】
前記登録制御部は、
実空間における所定位置から目標位置までの教師経路の作成のための教師走行時に受付けた前記表示内容情報と、前記表示内容情報の受付時の走行地点である前記特定地点の位置情報と、を対応付けて登録する、
請求項2に記載の走行支援装置。
【請求項6】
前記登録制御部は、
自動走行時に受付けた前記表示内容情報と、前記表示内容情報の受付時の走行地点である前記特定地点の位置情報と、を対応付けて登録する、
請求項2に記載の走行支援装置。
【請求項7】
前記登録制御部は、
予め記憶された走行経路情報によって表される走行経路の再生中に受付けた前記表示内容情報と、前記表示内容情報の受付時の前記走行経路の再生地点である前記特定地点の位置情報と、を対応付けて登録する、
請求項2に記載の走行支援装置。
【請求項8】
特定地点の位置情報と、前記特定地点の走行時に表示部に表示する表示内容に関する表示内容情報と、を対応付けて登録するステップと、
走行する車両が前記特定地点から所定範囲内に位置したときに、前記特定地点の前記位置情報に対応する前記表示内容情報によって表される前記表示内容を前記表示部に出力するステップと、
を含む走行支援方法。
【請求項9】
特定地点の位置情報と、前記特定地点の走行時に表示部に表示する表示内容に関する表示内容情報と、を対応付けて登録する登録制御部と、
走行する車両が前記特定地点から所定範囲内に位置したときに、前記特定地点の前記位置情報に対応する前記表示内容情報によって表される前記表示内容を前記表示部に出力する出力制御部と、
を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、走行支援装置、走行支援方法、および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周辺の撮影映像を車両内に設けられた表示部に表示することが行われている。また、障害物を検知したときに、障害物の検知結果を報知および車両を強制制動する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開6260462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来技術では、車両の走行時には、予め定められた撮影方向の撮影映像や検出した障害物の情報が表示されていた。このため、従来技術では、車両の走行前にある地点で事前に認識されている、注意等のためにユーザが確認したいと所望する領域が、車両の該地点の走行時に表示されない場合があった。従って、従来技術では、十分な走行支援がなされない場合があった。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、走行を支援することできる、走行支援装置、走行支援方法、および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の走行支援装置は、登録制御部と、出力制御部と、を備える。登録制御部は、特定地点の位置情報と、前記特定地点の走行時に表示部に表示する表示内容に関する表示内容情報と、を対応付けて登録する。出力制御部は、走行する車両が前記特定地点から所定範囲内に位置したときに、前記特定地点の前記位置情報に対応する前記表示内容情報によって表される前記表示内容を前記表示部に出力する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る走行支援装置、走行支援方法、および車両によれば、走行を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の車両の一例を示す図である。
図2図2は、撮影部の設置位置の一例を示す模式図である。
図3図3は、走行支援装置の一例のハードウェア構成図である。
図4図4は、車両の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、従来技術の一例の説明図である。
図6図6は、登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、表示内容の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る走行支援装置、走行支援方法、および車両の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の車両10の一例を示す図である。
【0011】
車両10は、走行支援装置20と、出力部10Aと、入力部10Bと、内界センサ10Cと、撮影部10Dと、測距センサ10Eと、駆動制御部10Fと、駆動部10Gと、を備える。
【0012】
走行支援装置20は、例えば、専用または汎用コンピュータである。本実施形態では、走行支援装置20が、車両10に搭載された形態を一例として説明する。
【0013】
車両10は、移動可能な物である。車両10は、二輪自動車、三輪自動車、または、四輪自動車などである。車両10は、ユーザによる運転操作により走行する車両、または、ユーザによる運転操作を介さずに自動的に走行(自動走行)可能な車両である。本実施形態では、車両10が、自動走行可能な車両である場合を一例として説明する。
【0014】
出力部10Aは、情報を出力する。本実施形態では、出力部10Aは、走行支援装置20で生成された情報を出力する。出力される情報の詳細は後述する。
【0015】
出力部10Aは、情報を表示する表示機能を備える。なお、出力部10Aは、情報を外部装置などへ送信する通信機能、音を出力する音出力機能、光を点灯または点滅させる機能、などを更に備えていてもよい。例えば、出力部10Aは、表示部10Hと、スピーカ10Iと、を含む。
【0016】
表示部10Hは、例えば、公知の有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、またはHUD(Head Up Display)、などである。スピーカ10Iは、音を出力する。
【0017】
出力部10Aの設置位置は、車両10に乗車したユーザが出力部10Aから出力される情報を確認可能な位置であればよい。例えば、表示部10Hは、車両10に乗車したユーザが表示面を視認可能となるように、表示面の向きが予め調整されている。
【0018】
入力部10Bは、ユーザからの指示または情報の入力を受付ける。入力部10Bは、例えば、ユーザの操作入力により入力を受付ける指示入力デバイス、および、音声の入力を受付けるマイク、の少なくとも一方である。指示入力デバイスは、例えば、ボタン、マウスまたはトラックボール等のポインティングデバイス、または、キーボードなどである。指示入力デバイスは、表示部10Hと一体的に設けられたタッチパネルにおける入力機能であってもよい。
【0019】
出力部10Aおよび入力部10Bは、車両10の乗員等のユーザに情報を出力およびユーザからの情報の入力を受付けるHMI(Human-Machine Interface)として構成されていればよい。
【0020】
内界センサ10Cは、車両10自体の情報を観測するセンサである。内界センサ10Cは、車両10の位置、車両10の速度、または車両10の加速度などを検出する。
【0021】
内界センサ10Cは、例えば、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)、速度センサ、またはGPS(Global Positioning System)等である。
【0022】
撮影部10Dは、車両10の周辺を観測するセンサである。撮影部10Dは、車両10に搭載されていてもよいし、該車両10の外部に搭載されていてもよい。車両10の外部とは、例えば、他の移動体または外部装置などを示す。
【0023】
車両10の周辺とは、車両10から予め定めた範囲内の領域である。この範囲は、撮影部10Dの観測可能な範囲である。この範囲は、予め設定すればよい。
【0024】
撮影部10Dは、車両10の周辺を撮影し撮影映像データ(以下、撮影映像と称する)を得る。撮影部10Dは、デジタルカメラ、ステレオカメラ、等である。
【0025】
撮影部10Dは、車両10の周囲を撮影可能となるように、設置位置および画角が予め調整されている。本実施形態では、車両10は、撮影方向の異なる複数の撮影部10Dを備える。
【0026】
図2は、撮影部10Dの設置位置の一例を示す模式図である。例えば、車両10は、撮影方向の異なる4つの撮影部10Dを備える。図2には、車両10が、フロントビューカメラ10DF、リアビューカメラ10DB、右サイドビューカメラ10DR、および左サイドビューカメラ10DLを撮影部10Dとして備える形態を一例として示す。
【0027】
フロントビューカメラ10DFは、車両10の周辺のフロント部側を撮影する撮影部10Dである。フロントビューカメラ10DFは、車両10の周辺のフロント部側を撮影可能な位置に配置されている。リアビューカメラ10DBは、車両10の周辺の後方部側を撮影する撮影部10Dである。リアビューカメラ10DBは、車両10の周辺の後方部側(リア部側)を撮影可能な位置に配置されている。
【0028】
右サイドビューカメラ10DRは、車両10の周辺の右サイド部側を撮影する撮影部10Dである。右サイドビューカメラ10DRは、車両10の周辺の右サイド部側を撮影可能な位置に配置されている。左サイドビューカメラ10DLは、車両10の周辺の左サイド部側を撮影する撮影部10Dである。左サイドビューカメラ10DLは、車両10の周辺の左サイド部側を撮影可能な位置に配置されている。なお、撮影部10Dは、車両10の周辺の互いに異なる複数の撮影方向の各々の撮影映像を取得可能であればよく、車両10に設けられる撮影部10Dの数は4つに限定されない。
【0029】
撮影部10Dは、撮影によって得られた撮影映像を走行支援装置20へ出力する。このため、走行支援装置20には、撮影部10Dによって撮影された車両10の周辺の撮影映像が入力される。詳細には、走行支援装置20には、車両10の周辺の互いに異なる複数の撮影方向の各々の撮影映像が入力される。
【0030】
図1に戻り説明を続ける。測距センサ10Eは、車両10と車両10の周辺の要素との距離および方向を計測可能なセンサである。測距センサ10Eは、例えば、ミリ波レーダ、レーザセンサ、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)等である。
【0031】
駆動部10Gは、車両10に搭載された駆動デバイスである。駆動部10Gは、例えば、エンジン、モータ、車輪、などである。
【0032】
駆動制御部10Fは、駆動部10Gを制御する。駆動制御部10Fの制御によって駆動部10Gが駆動する。例えば、駆動制御部10Fは、車両10を自動運転するために、内界センサ10C、撮影部10D、測距センサ10E、および走行支援装置20から受付けた情報などに基づいて、駆動部10Gを制御する。駆動制御部10Fによる駆動部10Gの制御によって、車両10のアクセル量、ブレーキ量、操舵角などが制御される。例えば、駆動制御部10Fは、走行支援装置20から受付けた走行経路に沿って走行するように駆動部10Gを制御する。
【0033】
次に、走行支援装置20のハードウェア構成を説明する。
【0034】
図3は、走行支援装置20の一例のハードウェア構成図である。
【0035】
走行支援装置20は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM(Read Only Memory)11B、RAM(Random Access Memory)11C、およびI/F11D等がバス11Eにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0036】
CPU11Aは、本実施形態の走行支援装置20を制御する演算装置である。ROM11Bは、CPU11Aによる処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM11Cは、CPU11Aによる処理に必要なデータを記憶する。I/F11Dは、データを送受信するためのインターフェースである。
【0037】
本実施形態の走行支援装置20で実行される情報処理を実行するためのプログラムは、ROM11B等に予め組み込んで提供される。なお、本実施形態の走行支援装置20で実行されるプログラムは、走行支援装置20にインストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ)に記憶されて提供するように構成してもよい。
【0038】
次に、車両10の機能的構成を説明する。
【0039】
図4は、車両10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
車両10は、走行支援装置20と、出力部10Aと、入力部10Bと、内界センサ10Cと、撮影部10Dと、測距センサ10Eと、駆動制御部10Fと、駆動部10Gと、を備える。
【0041】
走行支援装置20、出力部10A、入力部10B、内界センサ10C、撮影部10D、測距センサ10E、および駆動制御部10Fは、バス10L等を介してデータまたは信号を授受可能に接続されている。駆動制御部10Fは、駆動部10Gとデータまたは信号を授受可能に接続されている。
【0042】
走行支援装置20は、記憶部32と、処理部30と、を有する。処理部30および記憶部32は、バス10L等を介してデータまたは信号を授受可能に接続されている。また、出力部10A、入力部10B、内界センサ10C、撮影部10D、測距センサ10E、および駆動制御部10Fと、処理部30とは、バス10L等を介してデータまたは信号を授受可能に接続されている。
【0043】
なお、記憶部32、出力部10A(表示部10H、スピーカ10I)、入力部10B、内界センサ10C、撮影部10D、測距センサ10E、および駆動制御部10Fの少なくとも1つは、有線または無線で処理部30に接続すればよい。また、記憶部32、出力部10A(表示部10H、スピーカ10I)、入力部10B、内界センサ10C、撮影部10D、測距センサ10E、および駆動制御部10Fの少なくとも1つと、処理部30とを、ネットワークを介して接続してもよい。すなわち、記憶部32および処理部30に設けられた機能部の少なくとも1つを、車両10の外部に設けた構成としてもよい。
【0044】
記憶部32は、データを記憶する。記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。なお、記憶部32は、走行支援装置20の外部に設けられた記憶装置であってもよい。また、記憶部32は、プログラムまたは情報を、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどを介してダウンロードして記憶または一時記憶したものであってもよい。また、記憶部32を、複数の記憶媒体から構成してもよい。
【0045】
本実施形態では、記憶部32は、地図データ32Aおよび表示管理情報32B等を記憶する。地図データ32Aおよび表示管理情報32Bの詳細は後述する。
【0046】
処理部30は、走行支援装置20において情報処理を実行する。処理部30は、走行処理部30Aと、撮影映像取得部30Bと、障害物検知部30Cと、出力制御部30Dと、受付部30Eと、登録制御部30Fと、を備える。
【0047】
走行処理部30A、撮影映像取得部30B、障害物検知部30C、出力制御部30D、受付部30E、および登録制御部30F、は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、複数のプロセッサの各々は、複数の各部のうち1つを実現してもよいし、複数の各部のうち2以上を実現してもよい。
【0048】
プロセッサは、記憶部32に保存されたプログラムを読み出し実行することで、上記複数の各部を実現する。なお、記憶部32にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成してもよい。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで、上記複数の各部を実現する。
【0049】
走行処理部30Aは、車両10の走行モードに応じた走行を制御する。
【0050】
本実施形態の車両10は、複数の走行モードを備える。複数の走行モードには、教師走行モードと、自動走行モードと、手動走行モードと、が含まれる。教師走行モードとは、車両10の走行によって教師経路の生成を実行するモードである。自動走行モードとは、教師経路に沿って車両10を自動走行させるモードである。手動走行モードとは、ユーザの一例であるドライバによる運転操作により走行するモードである。
【0051】
走行処理部30Aは、ユーザによる入力部10B等の操作指示等によって教師走行開始を指示するための教師走行開始指示信号が入力されると、教師走行モードにおける処理を実行する。詳細には、走行処理部30Aは、教師走行開始指示信号が入力されると、実空間における所定位置から目標位置までの教師経路の作成のために、ユーザによる運転操作により教師走行するように、駆動制御部10Fを制御すると共に、該教師走行時の車両10の走行軌跡である教師経路を公知の方法で生成し、地図データ32Aに登録する。
【0052】
走行処理部30Aは、ユーザによる入力部10B等の操作指示等によって自動走行開始を指示するための自動走行開始指示信号が入力されると、自動走行モードにおける処理を実行する。詳細には、走行処理部30Aは、自動走行開始指示信号が入力されると、車両10の自己位置を公知の方法で推定しつつ、該自己位置を教師経路と一致させるように駆動制御部10Fを制御する。この制御により、走行処理部30Aは、車両10が教師経路に沿って自動走行するように、駆動制御部10Fを制御する。
【0053】
走行処理部30Aは、ユーザによる入力部10B等の操作指示によって手動走行開始を指示するための手動走行開始指示信号が入力されると、手動走行モードにおける処理を実行する。詳細には、走行処理部30Aは、手動走行開始指示信号が入力されると、ユーザによる運転操作により走行するように、駆動制御部10Fを制御する。なお、走行処理部30Aは、ユーザによって走行モードの切り替え指示が入力されない場合、手動走行モードにおける処理を実行してもよい。
【0054】
撮影映像取得部30Bは、撮影部10Dから撮影映像を取得する。上述したように、車両10には、車両10の周辺の互いに異なる複数の撮影方向の各々の撮影映像を取得する複数の撮影部10D(フロントビューカメラ10DF、リアビューカメラ10DB、左サイドビューカメラ10DL、右サイドビューカメラ10DR)が設けられている。このため、撮影映像取得部30Bは、これらの複数の撮影部10Dで撮影された撮影映像を受付けることで、車両10の周囲の互いに異なる複数の撮影方向の各々の撮影映像を取得する。
【0055】
障害物検知部30Cは、車両10の周囲の障害物を検知する。例えば、障害物検知部30Cは、撮影部10Dで撮影された撮影映像、内界センサ10Cによる検出結果、および測距センサ10Eによる検出結果などを用いて、車両10の運動方向と検知された障害物との位置関係を公知の方法で演算する。そして、障害物検知部30Cは、車両10と障害物との位置関係が所定距離未満である場合、障害物検出情報を出力制御部30Dへ出力する。障害物検出情報は、例えば、障害物を検出したことを表す障害物検出結果、および該障害物の写り込んだ撮影映像を撮影可能な撮影部10Dによる撮影映像の表示部10Hへの表示指示、等を含む。
【0056】
出力制御部30Dは、各種の情報を出力部10Aへ出力する。
【0057】
例えば、出力制御部30Dは、車両10が走行中である場合、該車両10の走行方向の下流側である車両10のフロント部側を映すフロントビューカメラ10DFによる撮影映像を表示部10Hへ表示する。
【0058】
また、出力制御部30Dは、障害物検知部30Cから障害物検出情報を受付けた場合、障害物検出情報によって表される障害物検出結果を表示部10Hおよびスピーカ10Iの少なくとも一方へ出力するとともに、障害物検出情報に含まれる表示指示によって表される撮影部10Dによる撮影映像を表示部10Hへ出力する。このため、障害物検出情報に含まれる表示指示によって表される、障害物の写り込んだ撮影映像を撮影可能な撮影部10Dがリアビューカメラ10DBである場合には、リアビューカメラ10DBによる車両10の周辺のリア部側を撮影した撮影映像が表示部10Hへ表示される。
【0059】
ここで、表示部10Hに出力される表示内容は、車両10の走行前にユーザによってある地点に対して事前に認識されている、注意等のためにユーザが確認したいと所望する領域の撮影映像とは異なる場合がある。
【0060】
図5は、従来技術の一例の説明図である。
【0061】
例えば、車両10が走行方向Dに走行中である場面を想定する。そして、該車両10を運転するユーザは、ある地点では建物の扉40Aから頻繁に人40Cが飛び出してくる事を事前に認識している場合を想定する。この場合、ユーザは、注意のために、車両10の該地点の走行時には建物の扉40Aの写り込んだ撮影映像を表示部10Hに表示することを所望する場合がある。また、車両10を運転するユーザは、ある地点では車両10の走行経路の傍らに用水路40Bがある事を事前に認識している場合を想定する。この場合、ユーザは、例えば用水路40Bに侵入しないように注意するために、車両10の該地点の走行時には用水路40Bの写り込んだ撮影映像を表示部10Hに表示することを所望する場合がある。
【0062】
車両10の実際の走行前に事前に認識されている注意のためにユーザが確認したいと所望する領域の撮影映像は、通常の走行時の表示制御や障害物検出による表示制御では表示部10Hに表示されない。すなわち、従来技術では、車両10の走行前にユーザによってある地点に対して事前に認識されている、注意等のためにユーザが確認したいと所望する領域とは異なる領域の撮影映像が表示部10Hに表示される場合があった。従って、従来技術では、十分な走行支援がなされない場合があった。
【0063】
図4に戻り説明を続ける。
【0064】
そこで、本実施形態の走行支援装置20では、受付部30Eが、表示内容情報を受付ける。
【0065】
表示内容情報とは、特定地点の走行時に表示部10Hに表示する表示内容に関する情報である。言い換えると、表示内容情報は、特定地点に対してユーザが表示内容の切り替えや表示内容の指定を行うための操作指示を行うことで入力される、表示内容の指定または変更に関する操作指示内容を表す情報である。
【0066】
特定地点とは、ユーザによって指定された実空間における地点である。特定地点は、例えば、実空間における位置情報、または地図データ32A上における位置情報、等によって表される。
【0067】
表示内容情報は、特定地点において表示部10Hに表示する撮影映像の撮影方向を少なくとも含む。撮影方向は、例えば、車両10の周辺における複数の撮影方向の各々を撮影するための、各撮影方向に対応する撮影部10Dの識別情報などによって表される。本実施形態では、具体的には、撮影方向は、フロントビューカメラ10DF、リアビューカメラ10DB、左サイドビューカメラ10DL、右サイドビューカメラ10DR、の何れかの識別情報によって表される。
【0068】
表示内容情報は、特定地点において表示部10Hに表示する撮影映像の表示形態を表すパラメータを更に含んでいてもよい。パラメータは、複数画面の表示、撮影映像の表示サイズ、撮影映像における所定部分の拡大率または縮小率、撮影映像全体のズーム倍率、撮影映像のパン(横)方向の旋回率、等である。
【0069】
登録制御部30Fは、特定地点の位置情報と、特定地点の走行時に表示部10Hに表示する表示内容に関する表示内容情報と、を対応付けて表示管理情報32Bに登録する。
【0070】
表示管理情報32Bは、特定地点の位置情報と、該特定地点の走行時に表示部10Hに表示する表示内容の表示内容情報と、を対応付けたデータベースである。表示管理情報32Bのデータ形式は、テーブル等であってもよく、データベースに限定されない。
【0071】
登録制御部30Fは、ユーザによる入力部10Bの操作指示によって特定地点に対する表示内容情報が入力されると、該特定地点の位置情報と該表示内容情報とを対応付けて表示管理情報32Bに登録する。
【0072】
例えば、ユーザは、車両10の教師走行時、車両10の自動走行時、または、予め記憶された走行経路情報によって表される走行経路の出力制御部30Dによる表示部10Hへの再生中、に入力部10Bを操作することで、所望の特定地点の走行時に表示する表示内容に関する表示内容情報を入力する。ユーザによる入力部10Bの操作によって表示内容情報が入力されることで、受付部30Eは、特定地点において表示する表示内容情報を受付ける。登録制御部30Fは、特定地点の位置情報と該表示内容の表示内容情報とを対応付けて表示管理情報32Bに登録する。
【0073】
まず、車両10の教師走行時のユーザによる表示内容情報の入力および表示管理情報32Bへの登録処理について詳細に説明する。
【0074】
この場合、ユーザは、教師走行中の車両10が所望の特定地点に到達したときに入力部10Bを操作することで、該特定地点で表示部10Hに表示する表示内容に関する表示内容情報を入力する。
【0075】
具体的には、ユーザは、教師走行中の車両10が所望の特定地点に到達したときに、入力部10Bを操作することで、該特定地点で表示部10Hに表示させる撮影映像を撮影する撮影部10Dの指定、および撮影映像の表示形態を表すパラメータの指定を行う。
【0076】
例えば、ユーザが、該特定地点において車両10の表示部10Hに、右サイドビューカメラ10DRによって撮影された車両10の周辺の右サイド部側の撮影映像を表示させることを所望した場合を想定する。また、ユーザは、該特定地点の走行時に撮影される車両10の周辺の右サイド部側の撮影映像に含まれる用水路40B等の注視したい要素を所望の表示サイズで表示させることを所望した場合を想定する。この場合、ユーザは、教師走行する車両10が該特定地点に到達したときに入力部10Bを操作することで、右サイドビューカメラ10DRによる撮影方向、および該表示サイズを含む表示内容情報を入力する。
【0077】
この場合、受付部30Eは、該表示内容情報の受付時の車両10の走行地点の位置情報を内界センサ10CのGPS等から取得することで、特定地点の位置情報を受付ける。また、受付部30Eは、該特定地点に対応する表示内容情報として、右サイドビューカメラ10DRの識別情報によって表される撮影方向、および表示サイズを表すパラメータを、表示内容情報として受付ける。出力制御部30Dは、受付けた表示内容情報に応じた表示内容を表示部10Hに表示する。
【0078】
登録制御部30Fは、車両10の教師走行時に受付部30Eで受付けた表示内容情報と、該表示内容情報の受付時の車両10の走行地点である特定地点の位置情報と、を対応付けて表示管理情報32Bに登録する。
【0079】
この場合、登録制御部30Fは、教師走行時にユーザによって指定された特定地点の位置情報と、右サイドビューカメラ10DRの識別情報によって表される撮影方向および表示サイズを表すパラメータを含む表示内容情報と、を対応付けて表示管理情報32Bに登録することとなる。
【0080】
すなわち、この場合、教師走行時にユーザによる操作指示によって表示部10Hに表示する表示内容が切り替えられることで、該操作指示されたときの走行地点である特定地点の位置情報と該操作指示によって入力された表示内容情報とが対応付けて表示管理情報32Bに登録される。
【0081】
次に、車両10の自動走行時のユーザによる表示内容情報の入力および表示管理情報32Bへの登録処理について説明する。
【0082】
この場合、ユーザは、自動走行中の車両10が所望の特定地点に到達したときに入力部10Bを操作することで、該特定地点で表示部10Hに表示する表示内容に関する表示内容情報を入力する。自動走行中はユーザによる運転操作が不要のため、ユーザは詳細且つ安全に表示内容情報を入力することが可能である。
【0083】
具体的には、ユーザは、自動走行中の車両10が所望の特定地点に到達したときに、入力部10Bを操作することで、該特定地点で表示部10Hに表示させる撮影映像を撮影する撮影部10Dの指定、および撮影映像の表示形態を表すパラメータの指定を行う。
【0084】
例えば、ユーザが、該特定地点において車両10の表示部10Hに、左サイドビューカメラ10DLによって撮影された車両10の周辺の左サイド部側の撮影映像を表示させることを所望した場合を想定する。また、ユーザは、該特定地点の走行時に撮影される車両10の周辺の左サイド部側の撮影映像に含まれる建物の扉40A等の注視したい要素を含む撮影映像を、所望のズーム倍率で表示させることを所望した場合を想定する。この場合、ユーザは、自動走行する車両10が該特定地点に到達したときに入力部10Bを操作することで、左サイドビューカメラ10DLによる撮影方向、および該ズーム倍率を含む表示内容情報を入力する。
【0085】
この場合、受付部30Eは、該表示内容情報の受付時の車両10の走行地点の位置情報を内界センサ10CのGPS等から取得することで、特定地点の位置情報を受付ける。また、受付部30Eは、該特定地点に対応する表示内容情報として、左サイドビューカメラ10DLの識別情報によって表される撮影方向、およびズーム倍率を表すパラメータを、表示内容情報として受付ける。
【0086】
登録制御部30Fは、車両10の自動走行時に受付部30Eで受付けた表示内容情報と、該表示内容情報の受付時の車両10の走行地点である特定地点の位置情報と、を対応付けて表示管理情報32Bに登録する。
【0087】
この場合、登録制御部30Fは、自動走行時にユーザによって指定された特定地点の位置情報と、左サイドビューカメラ10DLの識別情報によって表される撮影方向およびズーム倍率を表すパラメータを含む表示内容情報と、を対応付けて表示管理情報32Bに登録することとなる。
【0088】
すなわち、この場合、自動走行時にユーザによる操作指示によって表示部10Hに表示する表示内容が切り替えられることで、該操作指示されたときの走行地点である特定地点の位置情報と該操作指示によって入力された表示内容情報とが対応付けて表示管理情報32Bに登録される。
【0089】
次に、予め記憶された走行経路情報によって表される走行経路の出力制御部30Dによる表示部10Hへの再生中にユーザが入力部10Bを操作することで、表示内容情報の入力および表示管理情報32Bへの登録処理を行う場合について説明する。
【0090】
この場合、ユーザは、予め記憶された走行経路情報によって表される走行経路の出力制御部30Dによる表示部10Hへの再生中に入力部10Bを操作する。例えば、出力制御部30Dは、ユーザによる入力部10Bの操作指示等によって、走行経路情報によって表される走行経路の再生指示を受付けると、該走行経路の走行中に撮影部10Dによって撮影された撮影映像を該走行経路の走行軌跡に沿って表示部10Hに再生表示する。
【0091】
そして、ユーザは、該走行経路の表示部10Hへの再生中、該走行経路における所望の特定地点の撮影映像が再生されたときに入力部10Bを操作することで、該特定地点で表示部10Hに表示する表示内容に関する表示内容情報を入力する。
【0092】
具体的には、ユーザは、再生中の走行経路の再生地点が所望の特定地点に到達したときに入力部10Bを操作することで、該特定地点で表示部10Hに表示させる撮影映像を撮影する撮影部10Dの指定および撮影映像の表示形態を表すパラメータの指定を行い、表示内容情報を入力する。撮影部10Dの指定およびパラメータの指定は上記と同様である。ユーザによる入力部10Bの操作による表示内容情報の入力により、受付部30Eは表示内容情報を受付ける。
【0093】
受付部30Eは、該表示内容情報の受付時の車両10の再生地点の位置情報を走行経路情報から特定することで、特定地点の位置情報を受付ける。また、受付部30Eは、該特定地点に対応する表示内容情報として、該再生地点においてユーザによる入力部10Bの操作によって入力された表示内容情報を受付ける。
【0094】
登録制御部30Fは、走行経路の再生中に受付けた表示内容情報と、該表示内容情報の受付時の走行経路の再生地点である特定地点の位置情報と、を対応付けて表示管理情報32Bに登録する。
【0095】
この場合、登録制御部30Fは、走行経路の再生中にユーザによって指定された特定地点の位置情報と、表示内容情報と、を対応付けて表示管理情報32Bに登録する。
【0096】
すなわち、この場合、走行経路の再生中にユーザによる操作指示によって表示部10Hに表示する表示内容が切り替えられることで、該操作指示されたときの走行経路上の再生中の地点または指定された地点である特定地点の位置情報と該操作指示によって入力された表示内容情報とが対応付けて表示管理情報32Bに登録される。
【0097】
次に、出力制御部30Dによる出力処理について詳細に説明する。
【0098】
出力制御部30Dは、走行する車両10が特定地点から所定範囲内に位置したときに、特定地点の位置情報に対応する表示内容情報によって表される表示内容を表示部10Hに出力する。
【0099】
出力制御部30Dは、走行処理部30Aによる駆動制御部10Fの制御によって走行する車両10が、表示管理情報32Bに登録されている何れかの特定地点の位置情報によって表される位置から所定範囲内に位置したかを判断する。所定範囲は、予め設定すればよい。また所定範囲は、ユーザによる入力部10Bの操作指示などに応じて適宜変更可能としてもよい。
【0100】
出力制御部30Dは、内界センサ10CのGPS等から取得した車両10の現在の位置情報と、表示管理情報32Bに登録されている特定地点の位置情報の各々とを比較し、何れかの特定地点の位置情報から所定範囲内に車両10の現在の位置情報が位置されているか否かを判別する。この判別処理により、出力制御部30Dは、特定地点の位置情報から所定範囲内に位置したか否かを判断すればよい。
【0101】
出力制御部30Dは、走行する車両10が、表示管理情報32Bに登録されている何れかの特定地点の位置情報から所定範囲内に位置したと判断すると、該特定地点の位置情報に対応する表示内容情報によって表される表示内容を表示部10Hに表示する。
【0102】
詳細には、出力制御部30Dは、特定地点の位置情報に対応する表示内容情報に含まれる撮影方向の撮影映像を、表示内容として表示部10Hへ出力する。具体的には、出力制御部30Dは、表示内容情報に含まれる撮影方向を表す識別情報によって識別される撮影部10Dによって撮影された撮影映像を、表示部10Hへ出力する。
【0103】
また、表示内容情報に上記パラメータが含まれている場合がある。この場合、出力制御部30Dは、特定地点の位置情報に対応する表示内容情報に含まれる撮影方向の撮影映像を、該パラメータによって表される表示形態で表示部10Hに表示する。
【0104】
具体的には、例えば、走行する車両10が所定範囲内に位置した特定地点の位置情報に対応する表示内容情報が、右サイドビューカメラ10DRの識別情報によって表される撮影方向および表示サイズを表すパラメータを含む場合を想定する。
【0105】
この場合、出力制御部30Dは、走行する車両10が該特定地点から所定範囲内に位置したときに、右サイドビューカメラ10DRによって撮影された撮影映像を該表示内容情報に含まれるパラメータによって表される表示サイズで表示部10Hに表示する。
【0106】
このため、走行する車両10が該特定地点から所定範囲内の領域に到達すると、車両10の表示部10Hには、該特定地点の位置情報に対応する表示内容情報によって表される、右サイドビューカメラ10DRによって撮影された撮影映像が該表示内容情報に含まれるパラメータによって表される表示サイズで表示部10Hに表示される。
【0107】
また、例えば、走行する車両10が所定範囲内に位置した特定地点の位置情報に対応する表示内容情報が、左サイドビューカメラ10DLの識別情報によって表される撮影方向およびズーム倍率を表すパラメータを含む場合を想定する。
【0108】
この場合、出力制御部30Dは、走行する車両10が該特定地点から所定範囲内に位置したときに、左サイドビューカメラ10DLによって撮影された撮影映像を、該表示内容情報に含まれるパラメータによって表されるズーム倍率で表示部10Hに表示する。
【0109】
このため、走行する車両10が該特定地点から所定範囲内の領域に到達すると、車両10の表示部10Hには、該特定地点の位置情報に対応する表示内容情報によって表される、左サイドビューカメラ10DLによって撮影された撮影映像が該表示内容情報に含まれるパラメータによって表されるズーム倍率で表示部10Hに表示される。
【0110】
次に、本実施形態の走行支援装置20で実行する情報処理の流れを説明する。
【0111】
図6は、表示管理情報32Bへの登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0112】
受付部30Eは、特定地点において表示部10Hに表示する表示内容に関する表示内容情報を受付ける(ステップS100)。例えば、ユーザは、車両10の教師走行時、車両10の自動走行時、または走行経路の表示部10Hへの再生中に、入力部10Bを操作することで、所望の特定地点の走行時に表示する表示内容に関する表示内容情報を入力する。ユーザによる入力部10Bの操作によって表示内容情報が入力されることで、受付部30Eは、特定地点において表示する表示内容情報を受付ける。
【0113】
登録制御部30Fは、ステップS100で受付けた特定地点の位置情報と表示内容情報とを対応付けて表示管理情報32Bに登録する(ステップS102)。そして、本ルーチンを終了する。
【0114】
図7は、表示内容の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0115】
出力制御部30Dは、走行する車両10が特定地点から所定範囲内に位置したか否かを判断する(ステップS200)。出力制御部30Dは、走行処理部30Aによる駆動制御部10Fの制御によって走行する車両10が、表示管理情報32Bに登録されている何れかの特定地点の位置情報から所定範囲内に位置したかを判断する。出力制御部30Dは、内界センサ10CのGPSから取得した車両10の現在の位置情報と、表示管理情報32Bに登録されている特定地点の位置情報の各々とを比較し、何れかの特定地点の位置情報から所定範囲内に現在の位置情報が位置されているか否かを判別することで、特定地点の位置情報から所定範囲内に位置したかを判断すればよい。
【0116】
ステップS200で否定判断すると(ステップS200:No)、後述するステップS204へ進む。ステップS200で肯定判断すると(ステップS200:Yes)、ステップS202へ進む。
【0117】
ステップS202では、出力制御部30Dは、ステップS200で所定範囲内と判定した特定地点の位置情報に対応する表示内容情報を表示管理情報32Bから読み取り、該表示内容情報の表示内容を表示部10Hへ表示する(ステップS202)。
【0118】
例えば、走行する車両10が所定範囲内に位置した特定地点の位置情報に対応する表示内容情報が、右サイドビューカメラ10DRの識別情報によって表される撮影方向および表示サイズを表すパラメータを含む場合を想定する。この場合、出力制御部30Dは、走行する車両10が該特定地点から所定範囲内に位置したときに、右サイドビューカメラ10DRによって撮影された撮影映像を該表示内容情報に含まれるパラメータによって表される表示サイズで表示部10Hに表示する。
【0119】
次に、出力制御部30Dは、車両10のACC(アクセサリ)電源がオフ状態となったか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204で否定判断すると(ステップS204:No)、上記ステップS200へ戻る。ステップS204で肯定判断すると(ステップS204:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0120】
以上説明したように、本実施形態の走行支援装置20は、登録制御部30Fと、出力制御部30Dと、を備える。登録制御部30Fは、特定地点の位置情報と、特定地点の走行時に表示部10Hに表示する表示内容に関する表示内容情報と、を対応付けて登録する。出力制御部30Dは、走行する車両10が特定地点から所定範囲内に位置したときに、特定地点の位置情報に対応する表示内容情報によって表される表示内容を表示部10Hに出力する。
【0121】
このように、本実施形態の走行支援装置20の出力制御部30Dは、登録制御部30Fによって対応付けて登録された特定地点の位置情報と表示内容情報とに基づいて、走行する車両10が特定地点から所定範囲内に位置したときに、特定地点の位置情報に対応する表示内容情報によって表される表示内容を表示部10Hに出力する。
【0122】
すなわち、出力制御部30Dは、走行する車両10が特定地点から所定範囲内に位置したときに、車両10の走行前に事前に登録された該特定地点で表示部10Hに表示する表示内容を表示部10Hに出力する。
【0123】
このため、本実施形態の走行支援装置20は、車両10の走行前に特定地点においてユーザによって事前に認識されている、注意等のためにユーザが確認したいと所望する領域の撮影映像などの表示内容を、該特定地点の走行時に表示部10Hに出力することができる。
【0124】
従って、本実施形態の走行支援装置20は、車両10の走行支援を行うことができる。
【0125】
また、本実施形態の走行支援装置20は、ユーザが事前に認識している特定地点においてユーザの所望する表示内容を自動出力することができる。
【0126】
また、本実施形態の走行支援装置20は、受付部30Eで受付けた特定地点に対する表示内容情報を、走行する車両10が該特定地点から所定範囲内に到ったときに表示部10Hに表示する。このため、本実施形態の走行支援装置20は、該特定地点に対してユーザが行った表示内容に関する操作を再現した表示内容を、表示部10Hに表示することができる。
【0127】
このため、車両10の走行時にユーザに対して煩わしい操作を要求することなく、特定地点を走行時の注意をユーザに喚起させることができる。
【0128】
なお、本実施形態では、走行支援装置20を、車両10に搭載した形態を一例として説明した。しかし、走行支援装置20を、車両10の外部に搭載した構成としてもよい。この場合、走行支援装置20は、車両10に搭載された撮影部10Dなどの電子機器の各々と、ネットワークを介して通信可能な構成とすればよい。
【0129】
なお、上述した実施形態における、上記情報処理を実行するためのプログラムは、上記各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU(プロセッサ回路)がROMまたはHDDから情報処理プログラムを読み出して実行することにより、上述した各機能部がRAM(主記憶)上にロードされ、上述した各機能部がRAM(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、上述した各機能部の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0130】
なお、上記には、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、本開示の範囲または要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0131】
10 車両
20 走行支援装置
30B 撮影映像取得部
30D 出力制御部
30E 受付部
30F 登録制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7