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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013250
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】エリア情報の提供システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240125BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20240125BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G08B21/10
G08B27/00 C
G09B29/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115181
(22)【出願日】2022-07-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り MGA RPD CHALLENGE 2021 オンライン,2021年12月19日開催 電子情報通信学会技術研究報告(信学技報),Vol.121,No.326,ICTSSL2021-41,一般社団法人電子情報通信学会,2022年1月13日発行 電子情報通信学会技術研究報告(信学技報),Vol.121,No.357,CQ2021-80,一般社団法人電子情報通信学会,2022年1月20日発行
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人防災科学技術研究所、戦略的イノベーション創造プログラム国家レジリエンス(防災・減災)の強化「送信情報量が制約されるQZSSの災害時通信回線に必要な情報アーキテクチャと搭載システムの開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】嶋津 恵子
【テーマコード(参考)】
2C032
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
2C032HB22
2C032HC27
5C086AA11
5C086AA52
5C086CA22
5C086CA25
5C086CA28
5C086DA33
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA17
5C087AA09
5C087AA19
5C087AA32
5C087AA37
5C087BB18
5C087DD02
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG07
5C087GG17
5C087GG28
5C087GG70
5C087GG82
(57)【要約】
【課題】地図上で特定の領域を指定する情報の情報量を削減すること。
【解決手段】
端末(7)に送信する対象エリア(101)の情報を取得するエリア情報取得手段(11)と、対象エリア(101)を内包する外接図形(104)を特定する情報(x0,y0,a,b,φ)を算出する変換手段(17)と、外接図形(104)の情報を端末(7)に対して送信する送信手段(18)と、外接図形(104)の情報を出力する出力手段(7a)と、を備えたことを特徴とするエリア情報の提供システム(S)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に送信する対象エリアの情報を取得するエリア情報取得手段と、
前記対象エリアの外形が外接する外接図形を特定する情報を算出することで、対象エリアの情報を外接図形情報に変換する変換手段と、
前記外接図形情報を端末に対して送信する送信手段と、
受信した前記外接図形情報を出力する端末の出力手段と、
を備えたことを特徴とするエリア情報の提供システム。
【請求項2】
前記対象エリアを内包する楕円で構成された前記外接図形に対して、前記楕円の中心座標、長軸長さ、短軸長さ、緯線または経線に対する傾きを算出することで、前記対象エリアの情報を楕円の情報に変換する前記変換手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエリア情報の提供システム。
【請求項3】
前記対象エリアをすべて含み且つ面積が最小の矩形を導出する矩形導出手段と、
導出された矩形を内接する楕円の前記中心座標、前記長軸長さ、前記短軸長さ、前記緯線または経線に対する傾きを算出する前記変換手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載のエリア情報の提供システム。
【請求項4】
受信した前記外接図形情報に基づいて前記外接図形を地図画像上に重畳して表示する前記出力手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエリア情報の提供システム。
【請求項5】
全球測位衛星システムを通じて前記外接図形情報を送信する前記送信手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のエリア情報の提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上のエリアを特定する情報を送信可能な情報に変換して表示する端末に向けて提供するエリア情報の提供システムに関し、特に、災害発生時の地理上の危険な範囲(エリア)や避難すべき範囲(エリア)の情報に好適なエリア情報の提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震や津波、洪水、大規模火災等の災害の発生時に、警察や消防、自治体、国から危険な範囲や避難すべき範囲が発信されることがある。危険な範囲を地図上に表示する技術として、下記の特許文献1,2に記載の技術が公知である。
【0003】
特許文献1(特開2022-19346号公報)には、自治体から公表されている洪水の危険度を示す洪水ハザードマップのデータが予め準備されており、気象庁から発表される氾濫の危険度のリアルタイムな情報が所定の危険度以上の領域について、地図画像上で強調表示(点滅表示)する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2(特開2022-21114号公報)には、自治体から公表されている土砂災害の特別警戒区域と警戒区域を示す土砂災害ハザードマップのデータが予め準備されており、気象庁から発表される土砂災害の危険度のリアルタイムな情報が所定の危険度以上の領域について、地図画像上で強調表示(点滅表示)する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-19346号公報(「0014」-「0018」、「0025」-「0029」、図2図3
【特許文献2】特開2022-21114号公報(「0014」-「0017」、「0027」-「0032」、図2図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(従来技術の問題点)
特許文献1,2記載の従来技術において、気象庁から発表される災害が発生する可能性の高く避難すべき危険なエリアや避難の準備をしておくべきエリア、既に災害が発生したエリア等を特定する情報、データは、近年、詳細化、高解像度化している。したがって、送受信される情報量(データ通信量)も多くなっている。したがって、送受信の際に通信負荷が高くなると共に、通信量の大きなデータの送受信は、高速通信網が発達している先進国では導入可能でも、高速通信網の整備が遅れている地域では導入が困難である問題もある。
【0007】
また、災害発生時に情報が特に必要なのは被災地近くの人であるが、該当者が端末を持っていても、通信設備が被災していると携帯電話やテレビ等で、危険な領域に関する情報を取得できない場合がある。ここで、近年のスマートフォンやタブレット端末、ノート型パソコン等の情報端末において、位置情報を取得するために、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)で人工衛星から出力される情報を受信する受信機が内蔵されている端末が広く普及している。地上で地震や洪水等の災害が発生していても、GNSSで使用される宇宙空間の人工衛星は災害の影響がなく、地上の通信設備が被災しても、人工衛星からの電波は端末で受信し続けられる可能性が高い。しかしながら、現状のGNSSを通じて通信、放送できる情報の情報量は非常に限定的になっている。よって、GNSSを通じて危険なエリアを特定する情報を受信しようとしても、特許文献1,2に記載の技術のような情報では、情報量が多すぎてGNSSを通じて通信することは困難であるという問題がある。
【0008】
本発明は、従来の構成に比べて、地図上で特定の領域を指定する情報の情報量を削減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明のエリア情報の提供システムは、
端末に送信する対象エリアの情報を取得するエリア情報取得手段と、
前記対象エリアの外形が外接する外接図形を特定する情報を算出することで、対象エリアの情報を外接図形情報に変換する変換手段と、
前記外接図形情報を端末に対して送信する送信手段と、
受信した前記外接図形情報を出力する端末の出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエリア情報の提供システムにおいて、
前記対象エリアを内包する楕円で構成された前記外接図形に対して、前記楕円の中心座標、長軸長さ、短軸長さ、緯線または経線に対する傾きを算出することで、前記対象エリアの情報を楕円の情報に変換する前記変換手段、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエリア情報の提供システムにおいて、
前記対象エリアをすべて含み且つ面積が最小の矩形を導出する矩形導出手段と、
導出された矩形を内接する楕円の前記中心座標、前記長軸長さ、前記短軸長さ、前記緯線または経線に対する傾きを算出する前記変換手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のエリア情報の提供システムにおいて、
受信した前記外接図形情報に基づいて前記外接図形を地図画像上に重畳して表示する前記出力手段、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のエリア情報の提供システムにおいて、
全球測位衛星システムを通じて前記楕円の情報を送信する前記送信手段、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、対象エリアを内包する外接図形を特定する情報を算出して送信することで、従来の構成に比べて、地図上で特定の領域を指定する情報の情報量を削減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記楕円の中心座標、長軸長さ、短軸長さ、緯線または経線に対する傾きといった、従来の構成に比べて、非常に少ない情報で、地図上で特定の領域を指定する情報の情報量を削減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、面積が最小の矩形を導出しない場合に比べて、楕円に含まれる対象エリアではない部分が過剰になることを抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、外接図形の情報が地図画像に重畳された重畳画像で、特定の領域を確認することができる。
請求項5に記載の発明によれば、全球測位衛星システムを利用することで、地上の設備が被災していても、人工衛星を利用して対象エリアの情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本発明の実施例1のエリア情報の提供システムの説明図である。
図2図2は実施例1のエリア情報の提供システムの機能ブロック図である。
図3図3は実施例1において、避難エリアの情報から複数の外接矩形を生成する処理の説明図であり、図3Aは避難エリアの情報、図3Bは外接矩形が生成された結果の説明図である。
図4図4は実施例1において導出された複数の外接矩形から面積が最小の外接矩形を特定する処理の説明図であり、図4Aは複数の外接矩形の説明図、図4Bは各外接矩形の面積の説明図、図4Cは最小の面積を取る外接矩形の説明図である。
図5図5は実施例1の矩形情報の導出処理の説明図であり、図5Aは最小面積の外接矩形の図、図5Bは中心座標や傾き、長辺長さ、短辺長さの説明図である。
図6図6は実施例1の矩形情報から楕円情報を導出する処理の説明図であり、図6Aは最小面積の外接矩形の図、図6Bは最小面積の外接矩形を内接する楕円の説明図である。
図7図7は焦点等を導出する処理の説明図であり、図7Aは楕円の説明図、図7Bは焦点の中心からの長さや焦点座標、離心率、半直弦の説明図である。
図8図8は楕円の周上の点を導出する処理の説明図であり、図8Aは楕円の説明図、図8Bは楕円の一方の焦点からの楕円周上までの距離の説明図、図8Cは導出された周上の点の一例の説明図である。
図9図9は実施例1のサーバでの避難情報提供処理のフローチャートの説明図である。
図10図10は実施例1の外接矩形導出処理のフローチャートである。
図11図11は実施例1の端末におけるエリア表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例0017】
図1は本発明の実施例1のエリア情報の提供システムの説明図である。
図1において、本発明の実施例1のエリア情報の提供システムの一例としての避難情報提供システムSは、情報処理装置の一例としてのサーバ1を有する。サーバ1は、サーバ本体1aやディスプレイ1b、入力装置の一例としてのキーボード1cやマウス1dを有する。サーバ本体1aは、情報通信回線2に接続されている。
実施例1の避難情報提供システムSは、GNSS用の人工衛星3を有する。実施例の人工衛星3は、情報通信回線2に接続された地上の通信設備(図示せず)との間で無線通信を介して通信可能であり、情報通信回線2を介してサーバ1と通信可能である。また、GNSS用の人工衛星3は測位情報を定期的に地上に向けて発信する。
利用者6が携帯する端末の一例としてのタブレット端末7は、出力手段の一例としての表示器7aを有すると共に、人工衛星3からの測位情報を受信するGNSS用の受信機を内蔵している。
【0018】
(実施例1のエリア情報の提供システムの制御手段の説明)
図2は実施例1のエリア情報の提供システムの機能ブロック図である。
図2において、実施例1の避難情報提供システムSにおいて、サーバ本体1aは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な起動処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM等に記憶された起動プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)ならびにクロック発振器等を有するコンピュータ装置により構成されている。よって、サーバ本体1aは、前記ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0019】
(サーバ本体1aの機能)
実施例1のサーバ本体1aは、下記の機能手段(プログラムモジュール)11~18を有する。
避難エリア情報取得手段11は、避難エリア情報を取得する。実施例1の避難エリア情報取得手段11は、気象庁等の機関から発信された避難エリア(対象エリア)に関する情報を受信することで取得したり、キーボード1cやマウス1dから市区町村の避難指示発令組織により入力された避難エリアに関する情報を取得する。
2D情報変換手段12は、取得された避難エリアに関する情報が3次元の情報である場合には、2次元の情報に変換する。なお、3次元表現のポリゴンデータを2次元表現に変換する方法は公知であり、市販の地図ソフトウェアで採用されている任意の方法を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0020】
図3は実施例1において、避難エリアの情報から複数の外接矩形を生成する処理の説明図であり、図3Aは避難エリアの情報、図3Bは外接矩形が生成された結果の説明図である。
外接矩形生成手段13は、取得した避難エリアの外形が外接する矩形(外接矩形)を生成する。図3において、実施例1では、避難エリア101が外接する外接矩形102を複数生成する。具体的には、まず、取得した避難エリア101の中心位置(避難エリア101の最大経度と最小経度の中間線、最大緯度と最小緯度の中間線、この2つの中間線の交点)を求める。そして、中心位置を中心として、0度から90度まで、(90/n)度ずつ避難エリア101を回転させて、回転後の避難エリア101の最小緯度(y1)、最小経度(x1)、最大緯度(y2)、最大経度(x2)をそれぞれ求める。そして、最小緯度、最小経度、最大緯度、最大経度から外接矩形102を生成する。すなわち、座標(x1,y1)、(x1,y2)、(x2,y1)、(x2,y2)を4つの頂点(角)とする矩形を外接矩形102として生成する。したがって、実施例1の外接矩形生成手段13では、(n+1)個の外接矩形102が生成されることとなる。生成された外接矩形102は、地図上では、図3Bに示す形となる。なお、実施例1では、一例としてn=100としているが、nの値は、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
なお、実施例1では、(x1,y1)、(x1,y2)、(x2,y1)、(x2,y2)の4点を頂点とする矩形を使用する場合を例示したが、これに限定されない。実施例1の矩形は、傾きの無い(=頂点が90度の)平行四辺形であるが、傾きのある平行四辺形を使用することも可能である。なお、傾きのある平行四辺形であっても、後述する計算は同様に行うことが可能である。すなわち、本手法は、傾きがある場合も想定して、任意の4点からなる矩形に適用可能である。
【0021】
図4は実施例1において導出された複数の外接矩形から面積が最小の外接矩形を特定する処理の説明図であり、図4Aは複数の外接矩形の説明図、図4Bは各外接矩形の面積の説明図、図4Cは最小の面積を取る外接矩形の説明図である。
矩形面積演算手段14は、(n+1)個の外接矩形102のそれぞれの面積S0~Snを演算する。具体的には、面積S(k)=(x2(k)-x1(k))・(y2(k)-y1(k))で導出可能である。なお、k=0~nである。
最小面積矩形特定手段15は、(n+1)個の外接矩形102(102-0~102-n)の中から、面積が最小の外接矩形103を特定する。図4B図4Cにおいて、実施例1では、矩形面積演算手段14で導出された面積が最も小さい外接矩形103を特定する。
【0022】
図5は実施例1の矩形情報の導出処理の説明図であり、図5Aは最小面積の外接矩形の図、図5Bは中心座標や傾き、長辺長さ、短辺長さの説明図である。
矩形導出手段16は、最小面積の外接矩形103に関する情報を導出する。図5において、実施例1の矩形導出手段16は、最小面積の外接矩形103に関する情報として、傾きφと、長辺の長さL1、短辺の長さL2、中心座標(x0,y0)を導出する。中心座標は、最小面積の外接矩形103の最小緯度(y1)、最小経度(x1)、最大緯度(y2)、最大経度(x2)から、x0=(x1+x2)/2、y0=(y1+y2)/2で求められる。
【0023】
図6は実施例1の矩形情報から楕円情報を導出する処理の説明図であり、図6Aは最小面積の外接矩形の図、図6Bは最小面積の外接矩形を内接する楕円の説明図である。
変換手段の一例としての楕円情報導出手段17は、最小面積の外接矩形103を内接する楕円104の情報を導出する。図6において、実施例1の楕円情報導出手段17は、最小面積の外接矩形103の傾きφと、長辺の長さL1、短辺の長さL2、中心座標(x0,y0)に基づいて、楕円104の中心座標、長軸長さ、短軸長さ、緯線(X軸)に対する傾きを、楕円の情報として導出する。具体的には、最小面積の外接矩形103の中心座標(x0,y0)と傾きφを、楕円104の中心座標(x0,y0)と傾きφとして使用する。また、最小面積の外接矩形103の長辺の長さL1と短辺の長さL2の(√2/2)倍の値を、長軸長さの一例としての長軸半径a、短軸長さの一例としての短軸半径bとする。すなわち、a=L1×(√2/2)、b=L2×(√2/2)となる。
なお、長軸長さや短軸長さとして、長軸半径や短軸半径を使用したが、これに限定されず、長軸直径や短軸直径を使用することも可能である。また、実施例では緯線に対する傾きφを使用する場合を例示したが、これに限定されず、経線に対する傾きを使用することも可能である。
したがって、実施例1の楕円情報導出手段17は、結果として、避難エリア101を内包する外接図形の一例としての楕円104に関する情報を導出しており、避難エリア101の情報を楕円104の情報(x0,y0,a,b,φ)に変換している。
【0024】
楕円情報の送信手段18は、楕円104に関する情報(x0,y0,a,b,φ)をGNSSを通じてタブレット端末7に送信する。すなわち、サーバ1からGNSS用の人工衛星3に情報を送信し、人工衛星3から放送される測位用の情報レコードとともに、楕円104に関する情報レコードをタブレット端末7に送信する。
【0025】
(人工衛星3の機能)
図2において、実施例1の避難情報提供システムSにおいて、人工衛星3の制御部30は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な起動処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM等に記憶された起動プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)等を有するマイクロコンピュータ装置により構成されている。よって、人工衛星3の制御部30は、前記ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0026】
実施例1の人工衛星3の制御部30は、下記の機能手段(プログラムモジュール)31~32を有する。
受信手段31は、地上の設備から送信された情報を受信する。実施例1の受信手段31は、サーバ1から送信された楕円104に関する情報も受信する。
送信手段の一例としての放送手段32は、GNSSでの測位用の情報を地上に向けて、予め定められた時間間隔で送信(放送)する。放送される測位用の情報は、例えば、時刻の情報を使用可能である。したがって、地上のタブレット端末7が、人工衛星3から放送された情報を受信した時刻と、放送された時刻とのずれから、人工衛星3までの距離が算出でき、3つ以上の人工衛星3までの距離から、タブレット端末7の地上での位置を計測(測位)可能である。実施例1の放送手段32は、サーバ1から送信された楕円104に関する情報を受信した場合には、楕円104に関する情報も送信(放送)する。
【0027】
(タブレット端末7の機能)
図2において、実施例1の避難情報提供システムSのタブレット端末7の制御部70は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な起動処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM等に記憶された起動プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)ならびにクロック発振器等を有する携帯型のコンピュータ装置により構成されている。よって、タブレット端末7の制御部70は、前記ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0028】
実施例1のタブレット端末7の制御部70は、下記の機能手段(プログラムモジュール)71~75を有する。
地図情報記憶手段71は、地図情報を記憶している。実施例1の地図情報記憶手段71では、タブレット端末7の記憶領域に地図情報が予め記憶、保存されている。
受信手段72は、GNSS用の受信機7bを通じて、人工衛星3からの情報を受信する。受信手段72は、通常時は測位情報を受信し、災害発生時や災害の危険がある時等ではサーバ1から送信された避難エリア101に関連する楕円104に関する情報を受信可能である。
【0029】
位置判定手段73は、受信した楕円104の情報に基づいて、タブレット端末7が避難エリア101内の位置にいるのか否かを判定する。例えば、タブレット端末7の現在位置が、避難エリア101の中心位置を中心として予め定められた距離Rよりも離れている場合、すなわち、中心位置から遠く離れた地域(例えば、外国)にタブレット端末7が存在する場合には、タブレット端末7の使用者が避難の対象者ではない可能性が高いため、対象外と判定する。なお、距離Rは、災害の規模等に応じて、適宜変更可能である。また、全ての端末を対象にする場合は、位置の判定を行わないようにする(いわば、R=∞に設定する)ことも可能である。
また、受信した楕円104の情報にもとづいてタブレット端末7が避難エリア101の線上もしくは内側にいるか否かを判定する構成とすることも可能である。具体的にはGNSSが受信した測位情報を使って計算し受信機の位置を緯度経度で測定する。そしてその緯度経度が楕円104の線上もしくは内側に存在するかを判定する。
したがって、楕円104の内側のタブレット端末7のみを対象としてもよいし、楕円104の外側であり且つ楕円104の近く(距離Rの内側)のタブレット端末7も対象としてもよい。
【0030】
図7は焦点等を導出する処理の説明図であり、図7Aは楕円の説明図、図7Bは焦点の中心からの長さや焦点座標、離心率、半直弦の説明図である。
表示画像作成手段74は、焦点距離導出手段74aと、焦点座標導出手段74bと、離心率導出手段74cと、半直弦導出手段74dと、周上座標導出手段74eと、対象エリア画像生成手段74fとを有し、タブレット端末7に表示する避難エリア101に関する画像を作成する。
焦点距離導出手段74aは、受信した楕円104の情報に基づいて、楕円104の中心106から焦点107までの長さcを導出する。図7において、実施例1の焦点距離導出手段74aは、長軸半径aと短軸半径bから、c=sqrt(a-b)、で求めることが可能である。なお、sqrtは平方根の意味である。
【0031】
焦点座標導出手段74bは、受信した楕円104の情報に基づいて、楕円104の2つの焦点107+、107-の座標(xc+,yc+)、(xc-,yc-)を導出する。図7において、実施例1の焦点座標導出手段74bは、中心座標(x0,y0)、傾きφ、焦点までの長さcから、
c+=x+c・cosφ
c-=x-c・cosφ
c+=y+c・sinφ
c-=y-c・sinφ
で求めることが可能である。
【0032】
離心率導出手段74cは、受信した楕円104の情報に基づいて、楕円104の離心率εを導出する。実施例1の離心率導出手段74cは、長軸半径a,短軸半径bから、離心率ε=c/a=sqrt(1-(b/a))で求めることができる。
半直弦導出手段74dは、受信した楕円104の情報に基づいて、楕円104の半直弦Lを導出する。実施例1の半直弦導出手段74dは、長軸半径aと離心率εとから、半直弦L=a・(1-ε)で求めることができる。
【0033】
図8は楕円の周上の点を導出する処理の説明図であり、図8Aは楕円の説明図、図8Bは楕円の一方の焦点からの楕円周上までの距離の説明図、図8Cは導出された周上の点の一例の説明図である。
周上座標導出手段74eは、求められた離心率εと半直弦の長さLから、焦点座標から楕円周上までの距離r(θ)を導出する。実施例1の周上座標導出手段74eは、r(θ)=L/(1+ε・cosθ)で求めることができる。
【0034】
対象エリア画像生成手段74fは、変数θを、0度から360度/mずつ回転させ、m+1個の周上の点108a(θ,r(θ))を導出し、周上の点108a(θ,r(θ))で囲まれた内側の範囲を報知エリア108とする。そして、報知エリア108の内側を強調表示するための強調画像(例えば、半透明の画像)を作成する。なお、mは、設計や仕様等に応じて任意の値が設定可能であるが、実施例1では一例としてm=1000が設定されている。なお、表示画像作成手段74が画像を出力する場合を例示したがこれに限定されず、報知エリア108の計算結果のデータを出力する構成とすることも可能である。例えば、地理情報で広く使用されているKML形式のデータで出力することも可能である。
表示制御手段75は、表示画像作成手段74で作成された報知エリア108の強調画像を、地図情報記憶手段71に記憶された地図画像に重畳した重畳画像を表示器7aに表示するように制御する。
【0035】
(フローチャートの説明)
次に、実施例1の避難情報提供システムSにおける制御の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
図9は実施例1のサーバでの避難情報提供処理のフローチャートの説明図である。
図9のフローチャートの各ステップSTの処理は、サーバ1に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はサーバ本体1aの他の各種処理と並行して実行される。
なお、人工衛星3における処理については、測位情報を定期的に放送する際に、楕円104に関する情報を受信したときは、測位情報に付加して放送するだけであるため、図示および詳細な説明は省略する。
【0036】
図9のST1において、避難エリア101の情報の入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、避難エリア101の情報は3次元ポリゴンデータであるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST3に進み、ノー(N)の場合はST4に進む。
ST3において、3次元ポリゴンデータを2次元データに変換する。そして、ST4に進む。
ST4において、外接矩形102を生成する処理(後述する図10のフローチャート参照)を実行する。そして、ST5に進む。
【0037】
ST5において、(n+1)個の外接矩形102のそれぞれの面積Sを求める。そして、ST6に進む。
ST6において、面積が最小の外接矩形103を特定する。そして、ST7に進む。
ST7において、最小面積の外接矩形103の傾きφ、長辺長さL1、短辺長さL2、中心座標(x0,y0)を求める。そして、ST8に進む。
ST8において、最小面積の外接矩形103を内接する楕円104の中心座標(x0,y0)、傾きφ、長軸半径a、短軸半径bを求める。そして、ST9に進む。
ST9において、楕円に関する情報(x0,y0,a,b,φ)を送信する。そして、ST1に戻る。
【0038】
(外接矩形導出処理)
図10は実施例1の外接矩形導出処理のフローチャートである。
ST20において、回転角α=90度/nに設定して、ST21に進む。
ST21において、k=0にする。すなわち、引数kを初期化(リセット)する。よって、避難エリア101の回転角αもα=0となる。そして、ST22に進む。
ST22において、避難エリア101の回転中心の座標を計算し、ST23に進む。
ST23において、避難エリア101を回転角αだけ回転させ、ST24に進む
ST24において、回転後の避難エリア101の最小経度x1、最大経度x2、最小緯度y1、最大緯度y2を導出する。そして、ST25に進む。
【0039】
ST25において、最小経度x1、最大経度x2、最小緯度y1、最大緯度y2から外接矩形102を導出する。そして、ST26に進む。
ST26において、引数kが、回転分割の数nに達したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST27に戻り、イエス(Y)の場合は図10の処理を終了して、図9のST5に進む。
ST27において、引数kを1加算する。すなわち、k=k+1にする。そして、ST23に戻る。
【0040】
(タブレット端末7での処理の説明)
図11は実施例1の端末におけるエリア表示処理のフローチャートである。
図11のフローチャートの各ステップSTの処理は、タブレット端末7に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はタブレット端末7の他の各種処理と並行して実行される。
図11のST41において、楕円104に関する情報(x0,y0,a,b,φ)を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST42に進み、ノー(N)の場合はST41を繰り返す。
ST42において、タブレット端末7の現在位置は、楕円104の中心座標(x0,y0)から半径R以内の位置であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST43に進み、ノー(N)の場合はST41に戻る。
【0041】
ST43において、長軸半径aと短軸半径bから2つの焦点107の中心座標からの距離cを求める。そして、ST44に進む。
ST44において、傾きφと中心座標(x0,y0)と中心座標からの距離cから、焦点107の座標(xc+,yc+)、(xc-,yc-)を求める。そして、ST45に進む。
ST45において、長軸半径aと短軸半径bから楕円離心率εを求め、ST46に進む。
ST46において、楕円離心率εと長軸半径aから半直弦Lを求め、ST47に進む。
ST47において、楕円離心率εと半直弦Lから、楕円104の周上の焦点107からの距離r(θ)を求める。そして、ST48に進む。
ST48において、θを0度から360度まで、360度/m度ずつ回転させて、周上の点(θ,r(θ))を求める。そして、ST49に進む。
ST49において、周上の点(θ,r(θ))で囲まれる領域を報知エリア108として、地図画像に重ねて表示する。そして、ST41に戻る。
【0042】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の避難情報提供システムSでは、避難エリア101の情報が取得されると、避難エリア101を内包する楕円104の情報に変換されて、サーバ1から送信される。送信された情報は、GNSSの人工衛星3を介して、タブレット端末7に送られ、表示される。
実施例1では、送信される情報が楕円104の情報となっている。楕円104は、中心座標(x0,y0)、長軸半径a、短軸半径b、傾きφの5つの値で、一意に決定可能である。したがって、5値という非常に少ない情報で、避難エリア101を含む領域を特定可能である。1つの値が4ビットずつとしても、合計で20ビットという非常に少ない情報量で避難エリア101を特定可能である。よって、特許文献1,2に記載されているような従来の構成のように、大容量の通信が可能な状況が前提の詳細な地図情報を送信する構成に比べて、地図上で特定の領域(避難エリア101)を指定する情報の情報量を削減することができる。
【0043】
したがって、実施例1では、GNSSのようなメッセージ領域の情報量が非常に制限される通信網でも、情報の提供が可能となっている。よって、地上の通信設備が被災して、携帯電話回線等が不通の状態となっても、人工衛星3を通じて、避難エリア101の情報を、タブレット端末7の利用者に提供することが可能である。
また、GNSSの通信網を使用しない場合であっても、情報量が削減されているので、高速通信のインフラが未整備で低速の通信網しか整備されていない地域、国でも、既存の通信網を利用して避難情報を提供できる。
【0044】
また、実施例1では、キーボード1cやマウス1d等での入力にも対応しており、サーバ1のオペレータが、手書き入力で地図上の範囲を丸で囲むような場合でも、手書きで入力された範囲を楕円104の情報に変換して送信できる。
避難エリア101の情報が詳細な場合、避難エリア101の境界を挟んで外側の地域は避難しなくていいと判断される可能性があるが、外側の地域も危険性が劇的に変化することはほとんどなく、避難エリア101の近隣も危険度は高い。楕円104には、避難エリア101ではない部分も含まれることとなるが、現実問題として、避難エリア101ではないが楕円104に含まれる地域は危険性の高い地域と見なすことは可能であるので、楕円104という形で情報を提供しても問題は少ない。
【0045】
さらに、実施例1では、楕円104を導出する際に、最小面積の外接矩形103を導出している。最小面積の外接矩形103を使用しない場合、楕円104に含まれる避難エリア101ではない領域が多くなる。よって、実施例1のように最小面積の外接矩形103を使用することで、楕円104に含まれる避難エリア101ではない領域が過剰になることが抑制されている。
【0046】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、通信網としてGNSSを利用することが、形態としてもっとも効果が顕著であるが、GNSS以外の通信網を利用することも可能である。
【0047】
(H02)前記実施例において、避難エリア101の情報から、外接矩形102,103を導出してから楕円104を導出する場合を例示したが、これに限定されない。外接矩形102,103を使用せずに、避難エリア101を内包する楕円104を導出する処理を行うことも可能である。例えば、避難エリア101の中心位置を中心とし、避難エリア101で中心からの距離が最も遠い点を半径(長軸)とする円を基準として、長軸に直交する短軸方向をb/a倍(b<a)して、避難エリア101が全て内包される最小のbを有する楕円104を作成することも可能である。
【0048】
(H03)前記実施例において、対象エリアとして避難エリア101を例示したが、これに限定されず、危険なエリアや避難準備エリア、既に災害発生したエリア、土砂崩れの発生したエリア等、地理上の任意のエリアを対象とすることが可能である。
(H04)前記実施例において、避難エリア101に外接する外接図形として、楕円104を使用する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、外接矩形102を使用することも可能である。この場合、外接矩形102を特定する外接図形情報は、傾きφ、長辺の長さL1、短辺の長さL2、中心座標(x0,y0)の5値を使用可能である。他にも、外接図形として真円を使用することも可能である。この場合、外接図形(真円)を特定する外接図形情報は、真円の中心座標(x,y)と半径(r)の3値を使用可能である。他にも、外接図形として正六角形等の多角形を使用することも可能である。なお、図形の形状によって、外接図形に内包され且つ避難エリア101ではない領域が広くなったり、狭くなったりするため、設計や仕様等に応じて、任意の図形を使用可能である。また、真円や楕円、外接矩形をそれぞれ導出した後で、各図形における避難エリア101ではない領域が最も狭い外接図形を選択する構成とすることも可能である。
【0049】
(H05)前記実施例において、タブレット端末7の利用者に対して情報を出力する方法(報知する方法)として、地図上に報知エリア108を重畳して表示する形態を例示したが、これに限定されない。例えば、地図の出力(画像出力)だけでなく、音声出力、テキスト(文字)出力、警報音を鳴らすなど、様々な出力形式に適用可能である。よって、音声出力や警報音を鳴らす場合は、モニター(表示画面)を備えた端末に限定されない。
(H06)前記実施例において、端末として、携帯型のタブレット端末7を例示したがこれに限定されない。例えば、固定の防災無線の通信機や、駅や商業施設に設置されているデジタルサイネージ(電子看板、電子掲示板)等も使用可能である。したがって、防災無線の通信機等が設置されている場所が、楕円の範囲内であれば、避難指示を防災無線で報知する、という適用も可能である。
【0050】
(H07)前記実施例において、例示した具体的な値の導出方法や導出順番は、例示した方法に限定されない。例えば、半直弦Lは、楕円離心率εを使用しなくても、長軸半径aと短軸半径bから導出することも可能である。よって、ST45とST46の計算順は逆にすることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
7…端末、
7a…出力手段、
11…エリア情報取得手段、
16…矩形導出手段、
17…変換手段、
18…送信手段、
101…対象エリア、
103…面積が最小の矩形、
104…楕円、
a…長軸長さ、
b…短軸長さ、
S…エリア情報の提供システム、
(x0,y0)…中心座標、
(x0,y0,a,b,φ)…楕円の情報、
φ…緯線に対する傾き。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11