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特開2024-132509灯火器制御システム、評価システム、評価方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132509
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】灯火器制御システム、評価システム、評価方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20240920BHJP
   B60Q 1/34 20060101ALI20240920BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240920BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240920BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20240920BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20240920BHJP
【FI】
H05B47/19
B60Q1/34 A
H05B47/16
H05B47/11
H05B47/165
H05B47/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043301
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩丸 虎喜
【テーマコード(参考)】
3K273
3K339
【Fターム(参考)】
3K273PA07
3K273QA07
3K273QA29
3K273QA36
3K273QA37
3K273RA02
3K273RA12
3K273SA11
3K273SA18
3K273SA21
3K273SA39
3K273SA46
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA32
3K273TA33
3K273TA41
3K273TA47
3K273TA49
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273UA17
3K273UA22
3K339AA22
3K339AA25
3K339BA02
3K339BA22
3K339CA12
3K339CA30
3K339DA01
3K339FA02
3K339GB01
3K339GB21
3K339JA21
3K339KA06
3K339KA11
3K339KA12
3K339KA13
3K339KA14
3K339KA27
3K339KA39
3K339MA01
3K339MA07
3K339MA10
3K339MB02
3K339MB05
3K339MC03
3K339MC13
3K339MC17
3K339MC41
3K339MC77
(57)【要約】
【課題】ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくすること。
【解決手段】灯火器制御システム(10)は、車両(1)が備える灯火器(2)の点灯パターンの変更指示を入力する指示入力部(11)と、変更指示に基づいて点灯パターンを変更する点灯制御部(12)と、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、点灯パターンの相対評価を特定する処理を実行する相対評価特定部(14)と、特定した相対評価を出力する出力部(15)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)が備える灯火器(2)の点灯パターンの変更指示を入力する指示入力部(11)と、
前記変更指示に基づいて前記点灯パターンを変更する点灯制御部(12)と、
前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定する処理を実行する相対評価特定部(14)と、
特定した前記相対評価を出力する出力部(15)と、
を備える灯火器制御システム。
【請求項2】
前記灯火器(2)の点灯パターンは、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかを含み、
前記相対評価特定部は、前記相対評価として、前記ウインカーの点滅周期、及び前記光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価を特定する、
請求項1に記載の灯火器制御システム。
【請求項3】
点灯パターン変更後の前記灯火器(2)の点灯状態を確認可能な確認用画像を生成する画像生成部(13)を有し、
前記出力部(15)は、前記確認用画像を表示する機能を有し、
前記確認用画像は、前記車両(1)の走行環境に対応する天気、照度、及び場所の少なくともいずれかを反映した画像である、
請求項1又は2に記載の灯火器制御システム。
【請求項4】
前記車両(1)の周囲状況を検出する検出部(41)を有し、
前記点灯制御部(12)は、検出した前記周囲状況に基づいて前記車両(1)が他車両(1X)の死角に入った場合、前記灯火器(2)の点灯パターンを、所定の点灯パターンに変更し、
前記所定の点灯パターンは、最大光量が所定時間以下である、
請求項1に記載の灯火器制御システム。
【請求項5】
前記車両の周囲状況を検出する検出部(41)を有し、
前記点灯制御部(12)は、検出した前記周囲状況に基づいて前記車両(1)が他車両(1X)の死角に入った場合、前記灯火器(2)の点灯パターンを、所定の点灯パターンに変更し、
前記所定の点灯パターンは、最大光量がウインカーの点滅周期の半分の時間である、
請求項1に記載の灯火器制御システム。
【請求項6】
前記車両(1)の車速を検出する検出部(41)を有し、
前記点灯制御部(12)は、前記車速が所定速度以上の場合、前記灯火器(2)の点灯パターンを、点滅周期が所定値以下の点灯パターンに変更する、
請求項1に記載の灯火器制御システム。
【請求項7】
前記灯火器(2)の点灯パターンは、ウインカーの点灯パターンである、
請求項3から6のいずれか一項に記載の灯火器制御システム。
【請求項8】
車両(1)が備える灯火器(2)の点灯パターンを評価する評価システムであって、
前記車両(1)の点灯パターンを取得する手段と、
前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定する手段と、
を備える評価システム。
【請求項9】
前記相対評価は、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価である、
請求項8に記載の評価システム。
【請求項10】
情報処理装置を利用して、車両(1)が備える灯火器(2)の点灯パターンを評価する評価方法であって、
前記車両(1)の点灯パターンを取得するステップと、
前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定するステップと、
を実行する評価方法。
【請求項11】
前記相対評価は、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価である、
請求項10に記載の評価方法。
【請求項12】
情報処理装置を利用して、車両(1)が備える灯火器(2)の点灯パターンを評価するためのプログラムであって、
前記車両(1)の点灯パターンを取得するステップと、
前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定するステップと、
を実行するプログラム。
【請求項13】
前記相対評価は、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価である、
請求項12に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯火器制御システム、評価システム、評価方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーダーによって車両と物体の衝突の可能性を判断し、衝突の可能性、及び物体が人か否かの識別の結果に基づいて灯火器の光量を変更する灯火器制御装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、灯火器として、前方を照らすヘッドライトを用いてもよいし、ヘッドライトとは別の車両の前方を照らすLEDライトを設置してもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-153963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の技術には、車両の灯火器の光量を変更する技術は開示されるものの、その変更をしたユーザー(例えば乗員)は、その車両が他車両の乗員や歩行者等からどのように見えているのかを知ることはできなかった。
そのため、仮に、車両の灯火器の点灯パターンをカスタムできるようにしても、ユーザーが意図する効果を得られないおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
車両が備える灯火器の点灯パターンの変更指示を入力する指示入力部と、前記変更指示に基づいて前記点灯パターンを変更する点灯制御部と、前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定する処理を実行する対評価特定部と、特定した前記相対評価を出力する出力部と、を備える灯火器制御システムを提供する。
車両が備える灯火器の点灯パターンを評価する評価システムであって、前記車両の点灯パターンを取得する手段と、前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定する手段と、を備える評価システムを提供する。
車両が備える灯火器の点灯パターンを評価する評価方法であって、前記車両の点灯パターンを取得するステップと、前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定するステップと、を備える評価方法を提供する。
情報処理装置を利用して、車両が備える灯火器の点灯パターンを評価するためのプログラムであって、前記車両の点灯パターンを取得するステップと、前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定するステップと、を実行するプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る灯火器制御システムの概要構成を示す図である。
図2】灯火器制御システムの構成例を示すブロック図である。
図3】ウインカーの光量変化特性の変更の説明に供する図である。
図4】相対評価の説明に供する図である。
図5】灯火器制御システムの動作を示すフローチャートである。
図6】点灯パターン変更画面の一例を示す図である。
図7】相対評価画面の一例を示す図である。
図8】変形例に係る灯火器制御システムの構成例を示す図である。
図9】他の点灯パターン変更制御の動作例を示すフローチャートである。
図10】他の点灯パターン変更制御の動作例を示すフローチャートである。
図11】変形例の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る灯火器制御システム10の概要構成を示す図である。
灯火器制御システム10は、車両1が備える灯火器2の点灯パターンをユーザーの指示に応じて変更するシステムである。本実施形態の車両1は、自動二輪車であり、灯火器2は、車両1のウインカーである。また、ユーザーは、車両1の運転者(乗員)である。但し、ユーザーは、運転者に限定しなくてもよく、灯火器2の点灯パターンの変更が許可された者であればよい。
【0009】
図1に示すように、灯火器制御システム10は、ユーザーの指示を入力する指示入力部11と、灯火器2の点灯パターンを変更する点灯制御部12と、灯火器2の点灯状態確認用の画像である確認用画像GKを生成する画像生成部13と、点灯パターンの相対評価を特定する相対評価特定部14と、特定した相対評価を出力する出力部15と、を備えている。
【0010】
本実施形態の灯火器制御システム10の各構成は、車両1と、ユーザーが携帯する携帯装置20とに振り分けて配置される。
図2は、車両1と携帯装置20とに振り分けられた灯火器制御システム10の構成例を示すブロック図である。以下、図2に示す各構成について説明する。
車両1は、灯火器制御システム10に関わる構成として、灯火器2及び点灯制御部12に加えて、携帯装置20と通信するための車両側通信部1aを備えている。灯火器2は、車両前部の左右に設けられるフロントウインカー2aと、車両後部の左右に設けられるリアウインカー2bと、を備える。各ウインカー2a,2bの光源には、例えば、LED等の発光素子が適用される。
【0011】
点灯制御部12は、車両1に設けられるECU(車両側ECUと言うこともできる)であり、CPU(Central Processing Unit)及び周辺回路を備える。点灯制御部12は、各ウインカー2a,2bの作動/作動停止を制御すると共に、各ウインカー2a,2bの点灯パターン(灯火器2の点灯パターンに相当)を変更する。
ウインカー2a,2bの点灯パターンは、ウインカー2a,2bの点滅周期と、光量の変化特性(以下、「光量変化特性」と表記する)と、の組み合わせによって規定される。例えば、ウインカー2a,2bの点滅周期を変更することによって、ウインカー2a,2bの点滅を早くしたり、遅くしたりすることができる。
なお、点灯制御部12は、各ウインカー2a,2bを点滅させるウインカーリレーそのものでもよい。ウインカーリレーを点灯制御部として機能させる場合とする場合、ウインカーリレーは、各ウインカー2a,2bの点灯パターンを変更するための回路を更に備えている。
【0012】
光量変化特性の変更については図3を用いて説明する。図3中の横軸は、時間tを示し、縦軸は光量Lを示している。
図3に示すように、ウインカー2a,2bの駆動波形は、光量を増加させる立ち上がり波形faと、最大光量(図3中のLmax)を維持する光量維持波形fbと、光量を低下させる立ち下がり波形fcと、を含む。図3に示す「光量変化特性の変更態様1」では、立ち上がり波形faの時間ta、及び、立ち下がり波形fcの時間tcを変更することによって、消灯状態から最大光量までの時間、及び、最大光量から消灯状態までの時間をそれぞれ変化させる。
【0013】
時間ta及び時間tcを短くすることによって、立ち上がり波形fa、及び立ち下がり波形fcの傾きが急となり、光量変化を早くすることができる。
一方、時間ta及び時間tcを長くすることによって、立ち上がり波形fa、及び立ち下がり波形fcの傾きが緩やかになり、光量変化を遅くすることができる。このようにして光量変化特性を可変できる。
なお、ウインカー2a,2bの光源には、十分な反応速度を有する発光素子を用いることで、駆動波形fa~fc等に従った正確な光量変化を実現し易くなる。
図3に示す「光量変化特性の変更態様1」によれば、点滅周期を変更させることなく、いわゆるLED等の発光素子で実現される素早い光量変化を再現したり、ハロゲンランプのようなややスローな光量変化を再現したりすることが可能になる。
【0014】
次に、図3に示す「光量変化特性の変更態様2」では、立ち上がり波形faを光量増大側である波形fa’、又は、光量軽減側である波形fa’’のように変化させたり、立ち下がり波形fcを光量増大側である波形fc’、又は、光量軽減側である波形fc’’のように変化させたりする。
波形fa’及びfc’に変更することによって、波形fa及び波形fcの場合よりも素早く光量を増大させることができる。
【0015】
一方、波形fa’’及び波形fc’’に変更することによって、波形fa及び波形fcの場合よりもゆっくり光量を増大させることができる。
「光量変化特性の変更態様2」によっても、点滅周期を変更させることなく、いわゆるLED等の発光素子で実現される素早い光量変化を再現したり、ハロゲンランプのようなややスローな光量変化を再現したりすることが可能になる。
【0016】
図2に戻り、車両側通信部1aは、無線通信用の通信モジュールを備え、携帯装置20と無線通信する機能を実現する。車両側通信部1aは、携帯装置20との間の通信により、ウインカー2a,2bの点灯パターンの変更指示を入力し、点灯制御部12に出力する。点灯制御部12は、ウインカー2a,2bの点灯パターンの変更指示に基づいてウインカー2a,2bの点灯パターンを変更する。また、点灯制御部12は、車両1に設けられたウインカー操作子等の操作に応じてウインカー2a,2bの作動や作動停止を行う。
【0017】
携帯装置20は、ユーザーが携帯可能な情報処理装置であり、スマートフォン、又はスマートフォン以外の携帯型の情報処理装置を広く適用可能である。
図2に示すように、携帯装置20は、指示入力部11と、携帯側通信部20aと、携帯側ECU20bと、メモリ20cと、出力部15と、を備えている。指示入力部11は、操作スイッチ及びタッチパネル等の公知の入力デバイスを備え、ユーザーからの各種指示を入力する。
携帯側通信部20aは、無線通信用の通信モジュールを備え、車両1と無線通信する機能を実現する。携帯側通信部20aは、所定の無線通信網を介して音声データや各種データを通信したり、インターネット等に接続したりすることが可能である。
【0018】
携帯側ECU20bは、CPU及び周辺回路を備え、メモリ20cに記録されたプログラム32を実行することにより、携帯装置20の各部の制御等を行うコンピュータとして機能する。プログラム32は、点灯パターン変更用のアプリケーションプログラムを含み、このアプリケーションプログラムが実行されることによって、携帯側ECU20bが、点灯パターン設定部31、画像生成部13、及び、相対評価特定部14等として機能する。
なお、点灯パターン設定部31、画像生成部13、及び、相対評価特定部14については、ソフトウェア処理によって実現される構成に限定されず、ハードウェアによって実現される構成でもよい。また、点灯パターン変更用のアプリケーションプログラムは、携帯装置20にデフォルトで格納されたプログラムでもよいし、インターネットを経由してダウンロードしたプログラムでもよく、アプリケーションプログラムの取得方法は限定されるものではない。
【0019】
点灯パターン設定部31は、携帯装置20のユーザーに対し、ウインカー2a,2bの点灯パターンの設定を促す処理を行うことにより、指示入力部11を介してウインカー2a,2bの点灯パターンの設定を受け付け、つまり、ウインカー2a,2bの点灯パターンの変更指示を受け付ける。
画像生成部13は、メモリ20cに記録された画像データに基づいて、ウインカー2a,2bの点灯パターンの変更指示に対応する確認用画像GKを生成する処理を行う。確認用画像GKは、点灯パターン変更後の点灯状態を確認可能な画像であり、本実施形態では、点灯パターン変更後の点灯状態を車両1と共に示す画像(図6図7)である。
相対評価特定部14は、メモリ20cに記録されたデータに基づいて、点灯パターンの相対評価を特定する処理(以下、「評価特定処理」と表記する)を行う。
【0020】
メモリ20cは、携帯側ECU20bが使用するプログラム32、及び処理用データ33を格納する。処理用データ33は、画像生成部13が使用するデータとして、各点灯パターンの点灯状態、車両1の外観、及び車両1の走行環境を再現するための画像データを含んでいる。また、処理用データ33は、評価特定処理に使用するデータとして、点灯パターン毎の相対評価を予め記述したデータ、又は、点灯パターン毎の相対評価を特定可能にする予め定めたアルゴリズムのデータを含んでいる。
【0021】
さらに、処理用データ33は、相対評価特定部14が使用するデータとして、点灯パターン毎の他ユーザーの利用度に関連する情報(以下、「他ユーザー利用度情報」と言う)を示すデータを含んでいる。
なお、アルゴリズム等のデータは、プログラムに含まれていてもよいし、他ユーザー利用度情報を示すデータは、予め集計してメモリ20cに格納したデータでもよいし、インターネットから適宜なタイミングでダウンロードしたデータでもよい。
【0022】
ここで、相対評価は、例えば、点灯パターンの見栄えに関する評価であり、この評価によって、ユーザーは、他車両の乗員や歩行者等からどのように見えるかを知ることが可能な情報である。この相対評価は、客観的な評価、及び、平均的な評価と言うこともできる。
本実施形態では、図4に示すように、安静や緊張に関わる第1の評価軸X1と、鮮明さ(目立ち度と言うこともできる)に関わる第2の評価軸Y1とを設定し、これら評価軸X1,Y1からなる二次元空間を設定する。そして、第1の評価軸X1の一方側を、緊張の度合いが高い評価として、「せっかち」に設定し、第1の評価軸X1の他方側を、安静の度合いが高い評価として、「落ち着き」に設定する。また、第2の評価軸Y1の一方側を、鮮明の度合いが高い評価として、「目立つ」に設定し、第2の評価軸Y1の他方側を、鮮明の度合いが低い評価として、「目立たない」に設定する。
【0023】
そして、ウインカー2a,2bの点滅周期が短いほど、緊張の印象を与えるとみなし、第1の評価軸X1の「せっかち」側に設定する。これに対し、ウインカー2a,2bの点滅周期が長いほど、落ち着きの印象を与えるとみなし、第1の評価軸X1の「落ち着き」側に設定する。このような設定方法や、多数の人物の実際の評価の集計結果等に基づいて、ウインカー2a,2bの点滅周期に応じた相対評価を設定する。
【0024】
また、ウインカー2a,2bの光量変化が早いほど、鮮明の印象を与えるとみなし、第2の評価軸Y1の「目立つ」側に設定する。これに対し、ウインカー2a,2bの光量変化が遅いほど、鮮明の印象が低いとみなし、第2の評価軸Y1の「目立たない」側に設定する。このような設定方法や、多数の人物の実際の評価の集計結果等に基づいて、ウインカー2a,2bの光量変化に応じた相対評価を設定する。
このような相対評価を設定できるように、点灯パターン毎の相対評価を記述したデータが作成され、又は、点灯パターン毎の相対評価を特定可能にするアルゴリズムが作成され、メモリ20cに予め格納されている。
【0025】
本構成では、2種類の評価軸X1,Y1からなる二次元空間を設定するので、2種類の相対評価をユーザーが容易かつ直感的に認識し易くなる。例えば、図4に示すように、評価の位置が、各軸X1,Y1の中心位置P1の場合、他車両の乗員や歩行者等から見て、緊張の度合い、及び、鮮明の度合い(目立ち度に相当)のいずれも中間の評価であることが判る。
また、評価の位置が図4中の位置P2の場合、他車両の乗員等から見て、せっかちで目立つ印象を与える評価であることが判る。また、図4中の位置P3の場合、目立つが落ち着いている印象を与える評価であることが判る。
【0026】
出力部15は、相対評価をユーザーが確認可能に出力するデバイスである。出力部15は、表示パネル15aに相対評価の情報を表示させることによって、ユーザーが視覚で相対評価を確認可能にする。
表示パネル15aには、指示入力部11の一部を構成する透明のタッチパネルが重ねられ、GUI(Graphical User Interface)技術を利用してユーザーの操作を検出可能に構成される。なお、出力部15が、表示パネル15aを利用する構成に限定されず、音声出力デバイス等の他の出力デバイスを利用して、相対評価をユーザーに確認可能に出力する構成を備えていてもよい。
【0027】
図5は、ウインカー2a,2bの点灯パターンを変更する場合の灯火器制御システム10の動作を示すフローチャートである。
携帯装置20において、点灯パターン設定部31は、ユーザーに対し、ウインカー2a,2bの点灯パターンの設定を促す処理として、点灯パターン変更画面G1を表示パネルに表示させる処理を開始する(ステップS1)。また、画像生成部13は、確認用画像GKの生成を開始する(ステップS2)。生成された確認用画像GKは、点灯パターン変更画面G1中に表示される。
【0028】
図6は、点灯パターン変更画面G1の一例を示す図である。
図6に示すように、点灯パターン変更画面G1には、ウインカー2a,2bの点滅周期の設定を受け付ける第1画像G1aと、ウインカー2a,2bの光量変化の設定を受け付ける第2画像G1bと、が表示される。第1画像G1a及び第2画像G1bは、ユーザーがタッチ操作によってスライド自在なスライダ画像G1c,G1dを含み、ユーザーがタッチパネルを介して各スライダ画像G1c,G1dをスライド操作させる操作を行うことによって、各設定を受け付ける。
【0029】
画像生成部13は、確認用画像GKとして、各設定に対応する点灯パターンに対応する点灯状態の画像を生成し、点灯パターン変更画面G1中に表示させる。
図6には、確認用画像GKとして、スライダ画像G1c,G1dの位置に対応する点滅周期、及び光量変化でウインカー2a,2bが点灯する車両1を表示した場合を示している。
また、本構成では、画像生成部13が、車両1の走行環境に対応する天気、照度、及び場所の少なくともいずれかを反映した確認用画像GKを生成することによって、よりリアルな点灯状態を確認できるプレビュー画像を表示するようにしている。このプレビュー画像を生成する技術は、公知の技術を利用すればよいが、以下に一例を説明する。
【0030】
プレビュー画像を生成する処理として、画像生成部13は、まず、車両1の走行環境を特定すべく、車両1が走行する環境の天気、照度、及び場所の少なくともいずれかを特定する処理を行う。次に、画像生成部13は、メモリ20cに記録された車両1の画像データに対し、特定した天気、照度、及び場所の少なくともいずれかを再現する画像処理を行う。
【0031】
例えば、画像生成部13は、車両1がGPSセンサー等の位置センサーを有する場合、その位置センサーで検出される位置情報を通信によって取得し、又は、携帯装置20が位置センサーを有する場合、携帯装置20の位置を車両1の位置情報として取得する。次に、画像生成部13は、車両1の位置情報及び現在時刻等を利用して、インターネット等を利用して、その位置の天気、照度、及び場所の少なくともいずれかの情報を特定する。次いで、画像生成部13は、特定した情報に基づいて、晴天、曇天、雨天といった天気環境や、昼間か夜間といった照度環境や、山間地帯や市街地といった風景を再現する画像処理を行う。これにより、車両1の走行環境を反映した確認用画像GKが生成される。
【0032】
また、図6に示す確認用画像GKは、ユーザーの所定操作に応じて車両1の向きを変更したり、車両1の大きさを拡大縮小したりすることが可能である。車両1の向きの変更や拡大縮小については、公知の画像処理技術を適用することによって実現できる。
【0033】
この確認用画像GKは、スライダ画像G1c,G1dの位置に対応する点滅周期、及び光量変化で灯火器2が点灯する状態を示す画像であるので、ユーザーがスライダ画像G1c,G1dの位置を変更する操作を行うと、それに応じて確認用画像GK中の点滅周期、及び光量変化が変更する。これにより、ユーザーは、ウインカー2a,2bの点灯状態を確認用画像GKでリアルタイムに確認しながら、点灯パターンを変更することができる。
【0034】
ここで、図6に示すように、点灯パターン変更画面G1には、次の処理へ進めるGUIインターフェースに相当する操作ボタンB1と、処理を戻す、或いは中断させるGUIインターフェースに相当する操作ボタンB2と、が表示される。
図5に戻り、操作ボタンB1が操作された場合(ステップS3:YES)、相対評価特定部14は、車両1の点灯パターンを取得し、この点灯パターンに基づいて評価特定処理を開始すると共に(ステップS4)、出力部15によって相対評価画面G2を表示パネル15aに表示させる処理を開始する(ステップS5)。
なお、操作ボタンB2が操作された場合(ステップS3:NO)、携帯装置20において灯火器2の点灯パターンを変更する処理が終了する。
【0035】
図7は、相対評価画面G2の一例を示す図である。
図7に示すように、相対評価画面G2には、確認用画像GKに加え、図4に示すチャートからなる第1評価画像G2aと、他ユーザー利用度関連情報を表示する第2評価画像G2bと、が表示される。この場合、相対評価特定部14は、点灯パターン変更画面G1でユーザーに選択された点灯パターンについて、メモリ20cに格納された処理用データ33を利用して、図4に示す評価軸X1,Y1からなる二次元空間上の評価位置を特定し、特定した情報を第1評価画像G2aとして表示させる。この第1評価画像G2aにより、点灯パターンの見栄えに関する評価をユーザーが確認できる。例えば、ユーザーは、選択した点灯パターンが意図する評価が得られているか否かを確認できる。
【0036】
また、相対評価特定部14は、点灯パターン変更画面G1でユーザーに設定された点灯パターンについて、メモリ20cに格納された処理用データ33を利用して、そのパターンの他ユーザー利用度関連情報を示すデータを取得し、特定した情報を第2評価画像G2bとして表示する。
図7の例では、他ユーザー利用度関連情報を示すデータとして、「○○%のユーザーが使っています」といった情報を表示する。他ユーザー利用度関連情報を示すデータは、上記したように、予め集計したデータ、又は、インターネットからダウンロードしたデータであるので、ユーザーは、選択した点灯パターンの他ユーザー利用度関連情報を示す評価を確認できる。なお、他ユーザー利用度関連情報は、他ユーザーの利用度から算出した人気度の情報でもよい。
【0037】
また、図7に示すように、相対評価画面G2には、次の処理へ進めるGUIインターフェースに相当する操作ボタンB3と、処理を戻す、或いは中断させるGUIインターフェースに相当する操作ボタンB4と、が表示される。
図5に戻り、操作ボタンB3が操作された場合(ステップS6:YES)、点灯パターン設定部31は、ユーザーに選択された点灯パターンの設定処理を行う(ステップS7)。この設定処理は、ユーザーが選択した点灯パターンを設定する処理であり、点灯パターンを特定する信号を、携帯側通信部20aから車両の点灯制御部12に送信することによって、点灯制御部12によって、灯火器2の点灯パターンを、ユーザーが選択した点灯パターンに変更する。
【0038】
なお、操作ボタンB4が操作された場合(ステップS6:NO)、ステップS1の処理に移行し、点灯パターンの選択をやり直すことができる。以上が、灯火器2の点灯パターンを変更する場合の灯火器制御システム10の動作である。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態の灯火器制御システム10は、灯火器2の点灯パターンの変更指示を入力する指示入力部11と、変更指示に基づいて点灯パターンを変更する点灯制御部12と、点灯パターンの相対評価を特定する評価特定処理を実行する相対評価特定部14と、特定した相対評価を出力する出力部15と、を備える。これにより、灯火器2の点灯パターンをカスタムできると共に、その点灯パターンの相対評価をユーザーが確認できるので、ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくなる。この相対評価は、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含むので、ユーザーが他ユーザーの利用度を考慮して点灯パターンを選択することができ、他ユーザーの利用度の観点においてユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0040】
また、灯火器2の点灯パターンは、ウインカー2a,2bの点滅周期、及び、ウインカー2a,2bの光量変化特性を含み、相対評価として、ウインカー2a,2bの点滅周期と光量変化特性との組み合わせに基づく評価を特定する。ウインカー2a,2bの点滅周期の違いは、安静や緊張に関わる評価となり、ウインカー2a,2bの光量変化特性は、鮮明さに関わる評価となるので、安静/緊張/鮮明の観点においてユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
なお、この構成に限定されず、灯火器2の点灯パターンは、ウインカー2a,2bの点滅周期、及び、ウインカー2a,2bの光量変化特性の少なくともいずれかを含み、相対評価として、ウインカー2a,2bの点滅周期期、及び光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価を特定するようにすればよい。ウインカーの点滅周期、及び光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価を特定するので、点滅周期及び光量変化特性の少なくともいずれかに影響する所定の観点(本実施形態では安静/緊張/鮮明の観点)において、ユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。なお、所定の観点は、安静/緊張/鮮明に限定されず、適宜に設定可能である。
【0041】
また、出力部15は、確認用画像GKを表示する機能を有し、確認用画像GKは、車両1の走行環境に対応する天気、照度、及び場所の少なくともいずれかを反映した画像であるので、ユーザーが走行環境を反映した点灯状態を確認でき、より走行状況を考慮して意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0042】
上述の実施形態は本発明の一態様を示すものであり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、細部等の構成は適宜に変更してもよい。
例えば、灯火器制御システム10の各構成を、車両1と、ユーザーが携帯する携帯装置20とに振り分けて配置する場合を説明したが、車両1だけに配置してもよく、灯火器制御システム10の構成は自由に変更可能である。
さらに、上述の実施形態において、点灯制御部12が、車両1の周囲状況や車両1の走行状況に応じて灯火器2の点灯パターンを変更する他の点灯パターン変更制御を行うようにしてもよい。
【0043】
図8は、灯火器制御システム10を車両1だけで構成し、かつ他の点灯パターン変更制御を行う場合の構成例を示す図である。
図8に示すように、車両1は、指示入力部11、点灯制御部12、画像生成部13、相対評価特定部14、及び出力部15に加えて、車両1の周囲状況や車両1の走行状況を検出する検出部41を備える。
検出部41は、カメラ、ライダ及びレーダーといった車両1の周囲状況を検出可能な周囲検出デバイスを利用して車両1の周囲状況を検出し、また、車両1に設けられた各種のセンサーを用いて、車速等の車両1の走行状況を検出する。
【0044】
また、図8中の指示入力部11は、車両1に設けられた操作スイッチ等の公知の入力デバイスであり、点灯制御部12、画像生成部13、及び相対評価特定部14は、車両側ECUによって実現される構成である。なお、点灯制御部12、画像生成部13、及び相対評価特定部14は、ソフトウェア処理によって実現される構成でもよいし、ハードウェアによって実現される構成でもよい。また、出力部15の表示パネル15aは、車両1のメーター等に設けられ、車両1の運転者等のユーザーが容易に視認可能である。
【0045】
図9及び図10は、他の点灯パターン変更制御の動作例をそれぞれ示すフローチャートである。図9及び図10に示すフローは、車両1が走行中の場合に実行される。まず、図9のフローについて説明する。
ステップS1Aにおいて、点灯制御部12は、検出部41の検出結果に基づいて、車両1の周囲状況と走行状況を監視する監視処理を開始する。この監視処理においては、車両1の走行中に、図11に示すように、車両1が他車両1Xの死角(図11に例示する死角B1,B2)に入ったか否かを判定する処理を行う。
【0046】
ステップS2Aにおいて、点灯制御部12は、車両1が他車両1Xの死角に入った場合、灯火器2の点灯パターンを第1点灯パターンに変更する。
ステップS3Aにおいて、点灯制御部12は、車両1が他車両1Xの死角から出た場合、灯火器2の点灯パターンを元の点灯パターンに戻す。
【0047】
第1点灯パターンには、所定の点灯パターンが選択される。所定の点灯パターンは、少なくとも最大光量が所定時間以下の点灯パターンであり、灯火器2の光を、例えば、閃光(瞬間的に明るい光に相当)のように出射させることが可能な点灯パターンである。これにより、車両1が他車両1Xの死角に位置する場合に、最大光量が所定時間以下であるため、他車両の運転者が灯火器2の点灯を鮮明に、又は明暗を大きく感じ、車両1を周囲から認識し易くすることができる。所定時間は、例えば、ウインカー2a,2bの点滅周期の半分の時間であるが、適宜な時間に設定すればよい。
【0048】
本構成の灯火器2は、ウインカー2a,2bであるので、ウインカー2a,2bを作動させる進路変更時に、ウインカー2a,2bが第1点灯パターンで点灯する。これにより、車両1の進路変更を他車両1Xの運転者等に気づかせやすくなる。また、仮に、ユーザーが、点滅周期が長い点灯パターンに変更した場合でも、車両1が他車両1Xの死角に位置する場合に点滅周期が短い点灯パターンに自動的に変更され、車両1の周囲からの識別性を高めることができる。
なお、第1点灯パターンを規定する所定時間等の条件は、車両1の製造メーカーやユーザー等が適宜な値に設定すればよい。
【0049】
なお、第1点灯パターンは、一種類の点灯パターンに限定されず、最大光量が所定時間以下の範囲で、複数種類の点灯パターンを含んでもよい。また、第1パターンは、複数種類の点灯パターンからランダムに選択するようにしてもよい。ランダムに選択することで、車両1が他車両1Xの死角に位置する場合に、車両1を周囲からより認識し易くすることができる。
また、元の点灯パターンは、図5に示すフローチャートによって設定された点灯パターンである。これにより、車両1が他車両1Xの死角に入った場合以外は、ユーザーが選択した点灯パターンでウインカー2a,2bが点灯する。
【0050】
続いて、図10のフローについて説明する。
ステップS1Bにおいて、点灯制御部12は、検出部41の検出結果に基づいて、車両1の走行状況を監視する監視処理を開始する。この監視処理においては、車両1の車速が所定速度以上か否かを判定する処理を行う。
ステップS2Bにおいて、点灯制御部12は、車両1が所定速度以上の場合、灯火器2の点灯パターンを第2点灯パターンに変更する。
ステップS3Bにおいて、点灯制御部12は、車両1が所定速度未満の場合、灯火器2の点灯パターンを元の点灯パターンに戻す。
【0051】
第2点灯パターンは、点滅周期が所定値以下の点灯パターンであり、車両1が所定速度以上で高速走行中でも、点滅周期が所定値以下であるため、他車両の運転者が所定回数以上の点滅を確認できることで車両1を周囲から認識し易くなる。また、第2点灯パターンにより、車両1が所定速度以上で高速走行中に進路変更する場合に、進路変更に要する一般的な所要時間内(例えば数秒内)に複数回の点滅を実行させることができ、車両1の進路変更を周囲から認識し易くなる。
また、仮に、ユーザーが、点滅周期が長い点灯パターンに変更した場合でも、車両1が高速走行中の場合、点滅周期が短い点灯パターンに自動的に変更され、車両1の周囲からの識別性を高めることができる。
なお、第2点灯パターンを規定する所定速度等の条件は、車両1の製造メーカーやユーザー等が適宜な値に設定すればよい。
【0052】
また、本発明を、ウインカー2a,2bを制御する灯火器制御システム10に適用する場合を説明したが、ウインカー2a,2b以外の灯火器を制御する灯火器制御システムに本発明を適用してもよい。また、本発明を、自動二輪車の灯火器制御システム10、灯火器制御方法、及び、プログラム32に適用する場合を説明したが、これに限定されず、本発明を、任意の鞍乗り型車両等の車両が備える灯火器を制御する灯火器制御システム、灯火器制御方法、及び、プログラム32に適用してもよい。なお、鞍乗り型車両は、二輪車両に限定されず、三輪車両、及び四輪車両等でもよい。
【0053】
また、本発明を、灯火器2の点灯パターンを変更可能で、かつ、点灯パターンの相対評価を特定する灯火器制御システム10、灯火器制御方法、及び、プログラム32に適用する場合を説明したが、これに限定されず、本発明を、点灯パターンを評価する評価システム、評価方法、及びプログラムに適用することが可能である。
例えば、評価システム、評価方法、及びプログラムは、灯火器2の点灯パターンを変更するための構成、評価方法、及びプログラム内容を備えていなくてもよい。この場合、評価システムは、車両1の点灯パターンを取得する手段と、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、点灯パターンの相対評価を特定する手段とを備えていればよい。各手段は、図1及び図2等に示した構成で実現してもよいし、他の構成で実現してもよい。なお、各手段には、ハードウェアによって実現される構成、及び、ソフトウェア処理によって実現される構成等を広く適用可能である。
【0054】
また、評価方法は、情報処理装置を利用して、車両1が備える灯火器2の点灯パターンを評価する評価方法であって、車両1の点灯パターンを取得するステップと、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、点灯パターンの相対評価を特定するステップと、を実行すればよい。
また、プログラムは、情報処理装置を利用して、車両1が備える灯火器2の点灯パターンを評価するためのプログラムであって、車両1の点灯パターンを取得するステップと、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定するステップと、を実行すればよい。
各ステップは、上述した評価特定処理、及び、この評価特定処理に必要な適宜な処理等を適宜に割り振ればよい。
【0055】
また、本発明の灯火器制御システム、評価システム、評価方法、及びプログラムが利用する情報処理装置は、スマートフォン等の携帯型の情報処理装置、及び情報処理機能(例えば演算処理機能)を備える車両に限定されず、情報処理機能を有する任意の装置を適用してもよく、また、情報処理装置の台数は一台でもよいし、複数台でもよい。
複数台の情報処理装置を利用して、各システム、評価方法、及びプログラムを実現する場合、複数台の情報処理装置は、例えば、無線又は有線で互いに通信可能に構成され、各装置に、本発明を実現するためのハードウェア、ソフトウェア処理を実行する構成、及びプログラム等の少なくともいずれかを備えるように構成すればよい。
これにより、本発明の灯火器制御システム、評価システム、評価方法、及びプログラムによれば、灯火器の点灯パターンの相対評価をユーザーが確認でき、ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくなる、といった効果が得られる。また、この相対評価は、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含むので、他ユーザーの利用度の観点においてユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
さらに、相対評価は、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価であるので、ウインカーの点滅周期及び光量変化特性の少なくともいずれかに影響する所定の観点において、ユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0056】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0057】
(構成1)車両が備える灯火器の点灯パターンの変更指示を入力する指示入力部と、前記変更指示に基づいて前記点灯パターンを変更する点灯制御部と、前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定する処理を実行する相対評価特定部と、特定した前記相対評価を出力する出力部と、を備える灯火器制御システム。
この構成によれば、灯火器の点灯パターンをカスタムできると共に、その点灯パターンの相対評価をユーザーが確認でき、ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくなる。この相対評価は、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含むので、ユーザーが他ユーザーの利用度を考慮して点灯パターンを選択することができ、他ユーザーの利用度の観点においてユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0058】
(構成2)前記灯火器の点灯パターンは、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかを含み、前記相対評価特定部は、前記相対評価として、前記ウインカーの点滅周期、及び前記光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価を特定する、構成1に記載の灯火器制御システム。
この構成によれば、ウインカーの点滅周期、及び光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価を特定するので、点滅周期及び光量変化特性の少なくともいずれかに影響する所定の観点において、ユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0059】
(構成3)点灯パターン変更後の前記灯火器の点灯状態を確認可能な確認用画像を生成する画像生成部を有し、前記出力部は、前記確認用画像を表示する機能を有し、前記確認用画像は、前記車両の走行環境に対応する天気、照度、及び場所の少なくともいずれかを反映した画像である、構成1又は2に記載の灯火器制御システム。
この構成によれば、ユーザーが走行環境を反映した点灯状態を確認でき、より走行状況を考慮して意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0060】
(構成4)前記車両の周囲状況を検出する検出部を有し、前記点灯制御部は、検出した前記周囲状況に基づいて前記車両が他車両の死角に入った場合、前記灯火器の点灯パターンを所定の点灯パターンに変更し、前記所定の点灯パターンは、最大光量が所定時間以下である、構成1から3のいずれか一項に記載の灯火器制御システム。
この構成によれば、車両が他車両の死角に位置する場合に、最大光量が所定時間以下であるため、他車両の運転者が灯火器の点灯を鮮明に、又は明暗を大きく感じ、車両を周囲から認識し易くすることができる。仮に、ユーザーが、点滅周期が長い点灯パターンに変更した場合でも、車両が他車両の死角に位置する場合に点滅周期が短い点灯パターンに自動的に変更され、車両の周囲からの識別性を高めることができる。
【0061】
(構成5)前記車両の周囲状況を検出する検出部を有し、前記点灯制御部は、検出した前記周囲状況に基づいて前記車両が他車両の死角に入った場合、前記灯火器の点灯パターンを、所定の点灯パターンに変更し、前記所定の点灯パターンは、ウインカーの点滅周期の半分の時間である、構成1から4のいずれか一項に記載の灯火器制御システム。
この構成によれば、最大光量がウインカーの点滅周期の半分の時間以下であるため、他車両の運転者が灯火器の点灯を鮮明に、又は明暗を大きく感じ、車両を周囲から認識し易くすることができる。
【0062】
(構成6)前記車両の車速を検出する検出部を有し、前記点灯制御部は、前記車速が所定速度上の場合、前記灯火器の点灯パターンを、点滅周期が所定値以下の点灯パターンに変更する、構成1から5のいずれか一項に記載の灯火器制御システム。
この構成によれば、車両が所定速度以上で高速走行中でも、点滅周期が所定値以下であるため、他車両の運転者が所定回数以上の点滅を確認できることで車両を周囲から認識し易くなる。仮に、ユーザーが、点滅周期が長い点灯パターンに変更した場合でも、車両が高速走行中の場合、点滅周期が短い点灯パターンに自動的に変更され、車両の周囲からの識別性を高めることができる。
【0063】
(構成7)前記灯火器の点灯パターンは、ウインカーの点灯パターンである、構成3から6のいずれか一項に記載の灯火器制御システム。
この構成によれば、車両の進路変更を他車両の運転者等に気づかせやすくなる。
【0064】
(構成8)車両が備える灯火器の点灯パターンを評価する評価システムであって、前記車両の点灯パターンを取得する手段と、前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定する手段と、を備える評価システム。
この構成によれば、灯火器の点灯パターンの相対評価をユーザーが確認でき、ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくなる。この相対評価は、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含むので、他ユーザーの利用度の観点においてユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0065】
(構成9)前記相対評価は、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価である、構成8に記載の評価システム。
この構成によれば、ウインカーの点滅周期及び光量変化特性の少なくともいずれかに影響する所定の観点において、ユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
(構成10)車両が備える灯火器の点灯パターンを評価する評価方法であって、前記車両の点灯パターンを取得するステップと、前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定するステップと、を実行する評価方法。
この方法によれば、灯火器の点灯パターンの相対評価をユーザーが確認でき、ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくなる。この相対評価は、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含むので、他ユーザーの利用度の観点においてユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0066】
(構成11)前記相対評価は、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価である、構成10に記載の評価方法。
この方法によれば、ウインカーの点滅周期及び光量変化特性の少なくともいずれかに影響する所定の観点において、ユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
(構成12)情報処理装置を利用して、車両が備える灯火器の点灯パターンを評価するためのプログラムであって、前記車両の点灯パターンを取得するステップと、前記点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含む、前記点灯パターンの相対評価を特定するステップと、を実行するプログラム。
このプログラムによれば、灯火器の点灯パターンの相対評価をユーザーが確認でき、ユーザーが意図する点灯パターンを選択しやすくなる。この相対評価は、点灯パターンの他ユーザーの利用度に関連する情報を含むので、他ユーザーの利用度の観点においてユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【0067】
(構成13)前記相対評価は、ウインカーの点滅周期、及び、ウインカーの光量変化特性の少なくともいずれかに基づく評価である、構成12にプログラム。
このプログラムによれば、ウインカーの点滅周期及び光量変化特性の少なくともいずれかに影響する所定の観点において、ユーザーがより意図する点灯パターンを選択しやすくなる。
【符号の説明】
【0068】
1 車両
1X 他車両
1a 車両側通信部
2 灯火器
2a フロントウインカー
2b リアウインカー
10 灯火器制御システム(評価システム)
11 指示入力部
12 点灯制御部
13 画像生成部
14 相対評価特定部
15 出力部
20 携帯装置
20a 携帯側通信部
20b 携帯側ECU
20c メモリ
31 点灯パターン設定部
32 プログラム
33 処理用データ
41 検出部
G1 点灯パターン変更画面
G2 相対評価画面
GK 確認用画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11