(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013251
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ハンドスキャナ汚れ廃プラ処理システム、汚れ廃プラ処理方法、資源物質回収システム及び資源物質回収方法
(51)【国際特許分類】
C10G 1/10 20060101AFI20240125BHJP
C08J 11/12 20060101ALI20240125BHJP
B29B 17/04 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
C10G1/10
C08J11/12 ZAB
B29B17/04
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115184
(22)【出願日】2022-07-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】517045093
【氏名又は名称】タオ・エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】弁理士法人日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅波 耕三
(72)【発明者】
【氏名】ナカムラ カイル ジョージス
【テーマコード(参考)】
4F401
4H129
【Fターム(参考)】
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA11
4F401AA27
4F401AB10
4F401AC10
4F401BA02
4F401CA14
4F401CA22
4F401CA30
4F401CA70
4F401CB01
4F401CB10
4F401DB01
4H129AA01
4H129BA04
4H129BB03
4H129BC02
4H129BC03
4H129BC04
4H129BC06
4H129BC33
4H129BC35
4H129BC37
4H129BC38
4H129BC39
4H129NA21
4H129NA43
(57)【要約】
【課題】水分が混在し、有機質機物で汚染された汚れ廃プラスチックを廃プラスチック処理と同等に処理する手段、方法を提供する。
【解決手段】形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機質汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する廃プラガス成分分離手段を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理システムにおいて、
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラが集合された汚れ廃プラを供給する汚れ廃プラ供給手段、
供給された汚れ廃プラを固液分離処理して固体状汚れ廃プラを回収する固体状汚れ廃プラ回収手段、
回収された固体状汚れ廃プラを破砕して、破砕汚れ廃プラを形成する破砕汚れ廃プラ形成手段、
形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機質汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する廃プラガス成分分離手段、
分離された廃プラガス成分を冷却して油化成分を形成する油化成分形成手段、
油化成分を貯油する貯油手段、
貯油された油化成分を回収する油化成分回収手段、
を有して構成されるクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理システム。
【請求項2】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理方法において、
集合された汚れ廃プラが供給される汚れ廃プラ供給ステップ、
供給された汚れ廃プラが固液分離処理されて固体状汚れ廃プラが回収される固体状汚れ廃プラ回収ステップ、
回収された固体状汚れ廃プラが破砕されて、破砕汚れ廃プラが形成される破砕汚れ廃プラ形成ステップ、
形成された破砕汚れ廃プラが、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物が炭化するに十分な温度で加熱処理されて、有機質汚染物が有機質炭化物に固定され、廃プラガス成分と有機質炭化物とが形成、分離される廃プラガス成分分離ステップ、
分離された廃プラガス成分が冷却されて油化成分が形成される油化成分形成ステップ、
油化成分が貯油される貯油ステップ、
貯油された油化成分が回収される油化成分回収ステップ、
を有して構成されるクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理方法。
【請求項3】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分と固形化された有機質炭化物を資源として生成する汚れ廃プラからの資源物質生成システムにおいて、
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラが集合された汚れ廃プラを供給する汚れ廃プラ供給手段、
供給された汚れ廃プラを固液分離処理して固体状汚れ廃プラを回収する固体状汚れ廃プラ回収手段、
回収された固体状汚れ廃プラを破砕して、破砕汚れ廃プラを形成する破砕汚れ廃プラ形成手段、
形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する成分別分離手段、
分離された廃プラガス成分を冷却して、クリーンな油化成分を生成するクリーン油化成分生成手段、
分離された有機質炭化物を固化して、固形有機質炭化物生成手段、
を有して構成されることを特徴とする汚れ廃プラからの資源物質回収システム。
【請求項4】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分と固形化された有機質炭化物を資源として生成する資源物質生成方法において、
集合された汚れ廃プラが供給される汚れ廃プラ供給ステップ、
供給された汚れ廃プラが固液分離処理されて固体状汚れ廃プラが回収される固体状汚れ廃プラ回収ステップ、
回収された固体状汚れ廃プラが破砕されて、破砕汚れ廃プラが形成される破砕汚れ廃プラ形成ステップ、
形成された破砕汚れ廃プラが、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物が炭化するに十分な温度で加熱処理されて、有機質汚染物が有機質炭化物に固定され、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離される成分別分離ステップ、
分離された廃プラガス成分が冷却されて、クリーンな油化成分として生成されるクリーン油化成分生成手段、
分離された有機質炭化物が固化されて、固形有機質炭化物が生成される固形有機質炭化物生成手段、
を有して構成されることを特徴とする汚れ廃プラからの資源物質回収システム。
【請求項5】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラから生成されたものであって、当該廃プラから水分が除去され、加熱処理で生成された汚れ有機質の炭化物が除去された油化成分と当該油化成分が除去された汚れ有機質の炭化物を材料として生成された有機質炭化物含有ペレットの組み合わせ。
【請求項6】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理するものであって、当該汚れ廃プラに対する水分除去処理及び加熱処理で生成された汚れ有機質の炭化物を除去する工程を経ることで油化成分を取得する汚れ廃プラからの資源物質回収システムに付随して設けられる資源物質回収情報取得装置において、
前記資源物質回収情報取得装置のデータベースに、油量(重量)と廃プラの量(重量)との関係が記録され、
当該資源物質回収システムによって、当該汚れ廃プラに対する水分除去処理及び加熱処理で生成された汚れ有機質の炭化物を除去して油化成分を取得したときに、当該油化成分の生成油量データから当該資源物質回収システムで消費された油化成分の消費油量データを差し引いた資源として活用可能な油化成分の資源油量データを取得し、
前記データベースに記録された、油量(重量)と廃プラの量(重量)との関係を参照し、取得した資源油量データから処理された汚れ廃プラに関しての処理廃プラ量データを取得すること
を特徴とする資源物質回収システムに付随して設けられる資源物質回収情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理システム、汚れ廃プラ処理方法、油化成分と有機質炭化物含有ペレットとの組み合わせ及び資源物質回収情報取得装置に係る。
【背景技術】
【0002】
廃プラスチックを加熱処理して油成分にして回収する技術が知られる。
【0003】
廃プラスチックを油成分に戻すことは周知である。その原理は極めて簡単で、加熱することによって「個体」→「液体」→「気体」へと変化させ、最終的には気体を冷却して油成分に戻す。その過程で炭素と水素が高分子材を分断して、最終的に6~15程度の低分子材とする。
【0004】
油化装置もその特徴と共に構造がよく知られている。油化成分の生成油は、軽質油相当(ガソリン相当)、灯油相当、軽油相当、重油相当が混ざった混合油となる。
【0005】
一方、食品廃棄物の有機質廃棄物を加熱処理することで炭化物を形成することが知られる。
【0006】
特許文献1には、破砕された廃プラスチックを350~500℃の温度で熱分解して熱分解状生成物を得る熱分解手段を備える廃プラスチクの油回収装置が記載される。
特許文献2には、有機質廃棄物に熱可塑性樹脂を含浸して樹脂含浸物を調整し、樹脂含浸物を非酸化性雰囲気中で熱可塑性樹脂を600~1000℃の温度で加熱して樹脂含浸物を炭化する炭化物の製造方法が記載される。
【0007】
特許文献3には、食品包装と包装食品を、機械的手段を用いて分別する手段が記載される。
【0008】
非特許文献1には、食品系バイオマスを対象とした炭化リサイクルシステムにおいて、食品系バイオマスを構成する構成要素(穀類、植物性残渣、動物性残渣)を500℃で炭化した例が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3372509号公報
【特許文献2】特開2002-274824号公報
【特許文献3】特許第6842788号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】廃棄物資源循環学会論文誌 Vol.22.No.3.pp.201-209,2011 食品系バイオマスを対象とした炭化リサイクルシステムの開発
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンのいわゆる「油化適正3樹脂」になるプラスチック製容器、包装は、食品関連事業者に広く採用される。
【0012】
上述した特許公報に記載されるように、廃プラスチック(廃プラという)あるいは食品残渣単体の場合には、効率的に処理され、リサイクル製品として回収される。複合された廃材の場合には、性状が不均一であるなどの理由によりリサイクル製品として回収が困難である。
【0013】
廃プラスチックに付着する有機質汚染物は、穀類、植物性残渣、動物性残渣などの構成要素を含んでいる。上述した構成要素を含む汚れ廃プラスチックは、水分が多量に混在している。水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラスチックが多量に発生し、貯蔵されている。
【0014】
上述した特許公報に記載された発明によっては、水分が混在し、有機物で汚染された汚れ廃プラスチックを廃プラスチックの場合の処理を採用して同等に処理することはできない。
【0015】
有機質物で汚染された汚れ廃プラスチックは、地域に広く散在し、性状が不均一であるなどの理由により、廃プラスチックに比べて再処理がなされていない。特に食品関連分野において、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラスチックの処理に燃焼方式を採用あるいは水洗洗浄方式を採用することには、多大の費用を要するばかりでなく炭酸ガス削減のニーズに逆行することになって大きな負担となっている。
【0016】
本発明は、係る点に鑑み、水分が混在し、有機物で汚染された汚れ廃プラスチックについて、廃プラスチックの場合と同等に処理することができ、処理した生成物を資源として活用することのできる手段、方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
図1は、本発明の汚れ廃プラスチック処理システムを示す図である。
【0018】
図1に、本発明の汚れ廃プラスチック処理システム100に関連して、汚れ廃プラスチックを処理して資源物としてのクリーンな油化成分及び有機質炭化物を生成する手段、方法が示される。
【0019】
本発明は、
図1に示されるように、汚れ廃プラスチック処理システム100は、前処理段階101、資源化処理段階102及び後処理段階103から構成され、資源104が生成される。
【0020】
前処理段階101として、
・汚れ廃プラスチック供給手段111
有機物で汚染され、水分を包含する汚れ廃プラスチックが集合体を形成
・固体状汚れ廃プラスチック回収手段112
汚れ廃プラスチックを固液分離して前処理を実施
・破砕汚れ廃プラスチック形成手段113
固体状汚れ廃プラスチックの破砕
資源化処理段階102として、
・廃プラスチックガス成分分離手段114
有機質汚染物が炭化するに十分な温度で加熱処理
リアクターが用いられる。リアクターは、加熱手段を備えた資源化処理装置であり、典型的には廃プラガス成分分離装置としての機能を有する。加熱手段が廃プラを加熱して、有機質汚染物が炭化するに十分な温度で加熱される加熱処理がなされる。
【0021】
汚れ廃プラスチックに付着あるいは混在する有機質汚染物を炭化して有機質炭化物として固定化することのできる加熱処理を採用して、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する。廃プラスチックについての加熱処理で、廃プラスチックを溶融して油化成分を有機質残渣と分離する方式では、有機質残渣を溶融した油化成分から有効的に効率的に分離することができない。
【0022】
上述した加熱処理で、有機質汚染物を炭化して固定化することのできる加熱温度で、有機質汚染物を炭化し、廃プラをガス化して、廃プラガス成分と有機質炭化物とに有効的に効率的に分離する。典型的には、廃プラガス成分が固定化された炭化有機質汚染物から分離される。
【0023】
後処理段階103として、
・油化成分形成手段115
廃プラスチックガス成分を冷却して油化
・油化成分貯油手段116
油化成分の貯油
・油化成分回収手段117
油化成分の回収
及び
・有機質炭化物回収手段118
・回収有機質炭化物の固化手段119
が設けられる。以上の手段を備えることで、クリーンな油化成分が生成され、燃料ペレットが生成される。「手段」は、「ステップ」に読み替え可能である。
【0024】
資源104として、油化成分121と有機質炭化物含有ペレット122の組み合わせが形成される。
【0025】
油化成分は、生成油となり、クリーンな生成油として資源化され、回収有機質炭化物は、ペレットとなり、燃料ペレットとして資源化される。
【0026】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラから生成されたものであって、当該廃プラから水分が除去され、加熱処理で生成された汚れ有機質の炭化物が除去された油化成分と当該油化成分が除去された汚れ有機質の炭化物を材料として生成された有機質炭化物含有ペレットの組み合わせが提供される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、有機質汚染物を炭化して有機質炭化物として固定化することのできる加熱処理が採用可能であり、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離することができる。
【0028】
これによれば、水分が混在し、有機物で汚染された水分を包含する汚れ廃プラスチックについて、廃プラスチックの場合と同等に処理することができ、処理した生成物を資源として活用することのできる手段、方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の汚れ廃プラスチック処理システムを示す図。
【
図2】本発明の実施例である汚れ廃プラスチック処理システムの詳細を示す図。
【
図3】リアクターに投入される廃プラの状態を示す図。
【
図6】汚れ廃プラスチック処理システム100に資源物質回収情報取得装置が付随して設けられた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図2は、本発明の実施例である汚れ廃プラスチック処理システムを示す図である。
【0031】
水分が混在し、有機質物で汚染された廃プラを汚れ廃プラと称する。
【0032】
図2において示される汚れ廃プラスチック処理システム100を構成する装置、部材と関連番号との関係は次のとおりである。
【0033】
1:廃プラ供給コンベヤー、2:廃プラ圧搾機、3:サイクロン、4:ペレット供給コンベヤー、5:破砕機、6:破砕廃プラ移送コンベヤー、7:定量供給コンベヤーを備えた汚れ廃プラ重量計測器、8:押し出し機、9:リアクター、10:ガス冷却器、11:オイル移送ポンプNo.1、12:一次貯油槽、13:オイル移送ポンプNo.2、14:精油貯槽、15:ローリー車、16:発電機、17:有機質炭化物回収装置、18:有機質炭化物ペレット化装置、19:高濃度廃液希釈槽、20:原水移送ポンプNo.1、21:凝縮剤タンク、22:加圧浮上装置、23:一次処理水移送ポンプ、24:調整槽(膜気式)、25:原水移送ポンプNo.2、26:浄水装置
図1に示される各手段と
図2に記載される装置、部材との関連は、次のとおりである。
【0034】
段階
・汚れ廃プラスチック供給手段 1:廃プラ供給コンベヤー
・固体状汚れ廃プラスチック回収手段 2:廃プラ圧搾機、3:サイクロン、4:ペレット供給コンベヤー
・破砕汚れ廃プラスチック形成手段 5:破砕機、6:破砕廃プラ移送コンベヤー、7:定量供給コンベヤーを備えた汚れ廃プラ重量計測器、
資源化処理段階
・廃プラスチックガス成分分離手段 8:押し出し機、9:リアクター
後処理段階
・油化成分形成手段 10:ガス冷却器
・油化成分貯油手段 11:オイル移送ポンプNo.1、12:一次貯油槽、13:オイル移送ポンプNo.2、14:精油貯槽
・油化成分回収手段 15:ローリー車、16:発電機
及び
・有機質炭化物回収手段 17:有機質炭化物回収装置
・回収有機質炭化物の固化手段 18:有機質炭化物ペレット化装置
図2において、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラは、缶、瓶、金属などの異物が分別された後に集合され、廃プラトラックによって廃プラ供給コンベヤー1に搬送される。
【0035】
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラは、典型的には食品関連事業者から排出され、有機質物は、主要な構成要素(穀類、植物性残渣、動物性残渣)からなり、廃プラスチックに付着あるいは内蔵される。廃プラスチックは、典型的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンのいわゆる「油化適正3樹脂」になるプラスチック製容器、包装である。
【0036】
廃プラ供給コンベヤー1に搬送された汚れ廃プラは、廃プラ圧搾機2で圧搾され、高濃度で取り出された廃液が高濃度廃液希釈槽19に導出され、廃液が取り除かれた汚れ廃プラはサイクロン3に導出され、ペレット状の汚れ廃プラとなる。
【0037】
ペレット状の汚れ廃プラは、ペレット供給コンベヤー4により破砕機5に導出される。
【0038】
ペレット状の汚れ廃プラは、破砕機5で細かく破砕され、破砕プラ移送コンベヤー6によって汚れ廃プラ重量計測器7に備えた定量供給コンベヤーに送られ、定量供給ごとに汚れ廃プラ量が計測され、押し出し機8へ導出される。すなわち定量供給コンベヤーには、重量計測ロードセルが設けられている。汚れ廃プラ重量計測器7は、それ付随して設けられた通信機(図示せず)を介して、設定された汚れ廃プラ処理単位ごとに計測された汚れ廃プラ重量データを
図6に示すパソコン(PC)31へ送信することができる。パソコン(PC)31は、そのデータベース204に汚れ廃プラ重量情報を格納する。
【0039】
定量ごとに押し出し機8によってリアクター9へと、破砕された廃プラ絞り体状で導出される。
【0040】
重量計測器によって、汚れ廃プラの投入量ごと、あるいは汚れ廃プラの所定の投入量ごとの汚れ廃プラの重量を計測して
図6に示すパソコン(PC)に送信し、データベース204に汚れ廃プラの投入量として記憶しておくことができる。
【0041】
リアクター9は、加熱手段(図示せず)を備えた資源化処理装置であり、典型的には廃プラガス成分分離装置としての機能を有する。加熱手段が廃プラを加熱して、有機質汚染物が炭化するに十分な温度で加熱される加熱処理がなされる。この加熱処理で、廃プラをガス化し、有機質汚染物を炭化して固定化することで、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する。典型的には、廃プラガス成分が固定化された炭化有機質汚染物から分離される。
【0042】
廃プラは、例えば数気圧下、250~500℃の加熱時間で熱分解することが知られており、食品に関連した有機質汚染物は、例えば数気圧下、500℃近辺で炭化することが知られており、500℃近辺の加熱時間にして適宜加熱時間を維持することで、廃プラをガス化し、有機質汚染物を炭化して固定化することができ、リアクター内を2層化して、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離することができる。
【0043】
本実施例では、0.105~0.55MPa×300~500℃が採用される。好ましくは、0.105MPa×350~450℃が採用される。
【0044】
生成された廃プラガス成分は、リアクター9の上部から、そして有機質炭化物は、リアクター9の下部から取り出され得る。
【0045】
リアクター9は、破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機質汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する廃プラガス成分分離手段として形成される。
【0046】
リアクター9では、例えば0.105MPa×350~450℃で処理される。
【0047】
リアクター9の機能については、
図1についての説明で述べたので、これ以上繰り返さない。
【0048】
図3は、リアクターに投入される廃プラの状態を示す写真である。
【0049】
廃プラは、絞り体状の固体状で取得され、押し出し機8によって、写真に示される破砕された廃プラ絞り体状の廃プラがリアクター9に送り出され、投入される。
【0050】
図4は、取得された有機物炭化物の状態を示す図である。
【0051】
図4に示されるように、有機物炭化物が固形体状で取得される。取得された有機物炭化物の95%以上が炭素であった。
【0052】
廃プラガス成分は、熱交換器を内部に備えたガス冷却器10に導出され、冷却され、油化成分となる。
【0053】
クリーン化された油化成分は、廃プラが食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラから生成されたもので、当該廃プラから水分が除去され、加熱処理で生成された汚れ有機質の炭化物が除去された油化成分である。
【0054】
油化成分は、オイル移送ポンプNo.1によって精油貯槽14に導出され、精油貯槽14に貯蔵される。
【0055】
精油貯槽14に貯蔵された生成油は、その一部が精油貯槽14から引き抜かれてローリー車15によって石油元売業者へと搬送される。
【0056】
分析結果を示すデータ図である。
【0057】
廃プラの種類PE、PP、PS及びこれらの混合物PE.PP.PSから取得された油化成分(熱分解油のこと)についての分析結果を示すデータが得られた。
【0058】
精油貯槽14に貯蔵された生成油は、他の一部が精油貯槽14から引き抜かれて発電機16に送られて発電に供され、発電電力は送電システムに送電される。
【0059】
リアクター9から取り出された有機質の炭化物は、有機質炭化物回収手段としての有機質炭化物回収装置17に導出され、回収有機質炭化物の固化手段としての有機質炭化物ペレット化装置18でペレット化され、有機質炭化物ペレットとなり、乾燥されて燃料として使用される。
【0060】
ペレット形成に際しては、ペレット全体が有機質炭化物で形成されもよいし、ペレットの主要構成として有機質炭化物が用いられ、一部に可燃性物質あるいは不燃性物質が用いられて混合されてもよい。形成されたペレットは、燃料として用いられてもよいし、家庭菜園における肥料としてあるいはその他の用途に用いられる。
【0061】
有機質炭化物ペレットは、廃プラが、食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、主としてポリプロピレン、ポリエチレン及びポリスチレンのいずれかからになり、水分が混合され、有機質物で汚染された汚れ廃プラから生成されたものであって、水分が除去され、加熱処理で油化成分が除去された汚れ有機質の炭化物からなる。
【0062】
以上のように、本実施例によれば、食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理システムが構成される。
廃プラが、主としてポリプロピレン、ポリエチレン及びポリスチレンのいずれかからになり、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する。
【0063】
汚れ廃プラ処理システムは、
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラが集合された汚れ廃プラを供給すること、
供給された汚れ廃プラを固液分離処理して固体状汚れ廃プラを回収すること、
回収された固体状汚れ廃プラを破砕して、破砕汚れ廃プラを形成すること、
形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機質汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離すること、
分離された廃プラガス成分を冷却して油化成分を形成すること、
油化成分を貯油すること、
貯油された油化成分を回収することの構成を有する。
【0064】
また、本実施例によれば、汚れ廃プラ処理システム及び方法は、汚れ廃プラからの資源物質回収システム及び方法として把握することが可能である。
【0065】
この場合、食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分と固形化された有機質炭化物を資源として生成する汚れ廃プラからの資源物質生成システムが構成され、汚れ廃プラからの資源物質生成システムは、
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラが集合された汚れ廃プラを供給すること、
供給された汚れ廃プラを固液分離処理して固体状汚れ廃プラを回収すること、
回収された固体状汚れ廃プラを破砕して、破砕汚れ廃プラを形成するおこと、
形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離すること、
分離された廃プラガス成分を冷却して、クリーンな油化成分を生成すること、
分離された有機質炭化物を固化して、固形有機質炭化物を生成することになる構成を有する。
【0066】
廃プラ圧搾機2で取り出された高濃縮液は、高濃縮廃液希釈槽19に導出される。高濃縮廃液希釈槽19に給水がなされ、高濃縮液は希釈され、希釈水とされる。
【0067】
希釈水は、原水移送ポンプNo.1 20によって加圧浮上装置22に送られる。希釈水には、加圧浮上装置22への導入直前に凝縮剤タンク21から凝縮剤が添加される。
【0068】
凝縮剤によって凝縮され、加圧浮上装置22の上部に浮上した浮上物であるスラッジは排出され、処理水は、一次処理水移送ポンプ23によって調整槽(膜気式)24に送られ、pHなどが調整され、原水移送ポンプNo.2 25によって浄水装置26に導出され、浄水される。
【0069】
浄水された水は、一般河川に放流される。
【0070】
図6及び
図7は、資源物質回収システム(あるいは汚れ廃プラスチック処理システム)100に付随して設けられる資源物質回収情報取得装置を示す図である。
【0071】
図6は、汚れ廃プラスチック処理システム100に資源物質回収情報取得装置が付随して設けられた状態を示す図である。
【0072】
図6において、汚れ廃プラスチック処理システム100で発生したデータを取得、監視するパソコン(PC)31が設けられる。パソコン(PC)31にデータの提供するために、計測器1(32)、計測器2(33)、計測器3(34)及び定量供給コンベヤー7に備えられた汚れ廃プラ重量計測器39が設けられる。
【0073】
精油貯槽14の出口側配管35に分岐配管36が設けられ、分岐配管36は、分岐管37及び分岐管38となる。出口側配管35の分岐点の下流側に計測器1(32)が設置され、分岐管37に計測器2(33)が設置され、計測器3(34)が設置される。
【0074】
分岐管38に冷気製造装置42が、そして分岐管37に燃焼器41が設けられる。
計測器1(32)を分岐配管36の分岐後の位置に設ける場合には、計測器2(33)、計測器3(34)を設けなくてもよい。
計測器1(32)、計測器2(33)、計測器3(34)及び汚れ廃プラ重量計測器39からの計測データがパソコン(PC)31に送信される。パソコン(PC)31には、投入された汚れ汚れ廃プラ重量計測器7から廃プラ重量データが送信され、データベース204に汚れ廃プラ重量情報として格納される。
【0075】
図7は、資源物質回収情報取得装置の構成を示す図である。
【0076】
資源物質回収情報取得装置200は、汚れ廃プラからの資源物質回収システム100に付随して設けられる。
【0077】
資源物質回収情報取得装置200は、パソコン(PC)31の内部に構成され、外部の計測器1(32)、計測器2(33)、計測器3(34)及び定量供給コンベヤー7に備えられた汚れ廃プラ重量計測器に通信手段207で接続され、内部に入力手段201,演算処理手段202,出力手段203,データベース204及び画面表示手段205を備えて、連結回路206で各連結することで構成される。
データベース204に、
・油量と廃プラ量との関係データが予め計測された実測値に基づいて記録される。
入力手段201に、
・油化成分の生成量
・油化成分の内部の消費量
・定量供給毎に計測された汚れ廃プラ重量データ
が入力される。
演算処理手段202で、
・資源油量データ
・汚れ廃プラに関しての処理廃プラ重量データ
・容器包装リサイクルデータ
が演算処理されて取得される。
【0078】
資源物質回収システム100によって、当該汚れ廃プラに対する水分除去処理及び加熱処理で生成された汚れ有機質の炭化物を除去して油化成分を取得したときに、当該油化成分の生成油量データから当該資源物質回収システムで消費された油化成分の消費油量データを差し引いた資源として活用可能な油化成分の資源油量データを取得する。
【0079】
データベース204に記録された、油量(重量)と廃プラの量(重量)と汚れ廃プラの量(重量)の関係を参照し、取得した資源油量データから処理された汚れ廃プラ及び廃プラに関しての処理廃プラ量データを取得する。
【0080】
汚れ廃プラに関しての処理される廃プラ量データが参照されて、プラ業者、本件の場合、食品関連業者に求められる廃プラの量(重量)に基づく容器包装リサイクルデータが演算処理され、取得される。業者は、法律上の要求である容器包装リサイクル量に関するデータを取得し、法律上の要求に対応することができ、またCO2の排出を削減し、CO2排出削減権を取得することができる。
【0081】
出力手段からは、演算処理手段で取得された各データが画面表示手段205の画面205Aあるいは外部に出力される。
【符号の説明】
【0082】
100…汚れ廃プラスチック処理システム(あるいは資源物質回収システム)、200…資源物質回収情報取得装置、1…廃プラ供給コンベヤー、2…廃プラ圧搾機、3…サイクロン、4…ペレット供給コンベヤー、5…破砕機、6…破砕プラ移送コンベヤー、7…汚れ廃プラ重量計測器を備える定量供給コンベヤー、8…押し出し機、9…リアクター、10…ガス冷却器、11…オイル移送ポンプNo.1、12…一次貯油槽、13…オイル移送ポンプNo.2、14…精油貯槽、15…ローリー車、16…発電機、17…有機質炭化物回収装置、18…有機質炭化物ペレット化装置、19…高濃度廃液希釈槽、20…原水移送ポンプNo.1、21…凝縮剤タンク、22…加圧浮上装置、23…一次処理水移送ポンプ、24…調整槽(膜気式)、25…原水移送ポンプNo.2、26…浄水装置、31…パソコン(PC)。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理システムにおいて、
食品関連容器あるいは包装に用いられ、缶、瓶、金属などの異物が分別された後に集合された、水分が混在し、食品関連事業者排出残渣の有機質物で汚染された汚れ廃プラを供給する汚れ廃プラ供給手段、
供給汚染された汚れ廃プラを圧搾し、汚れ廃プラから高濃度廃液を分離して、固液分離処理し、異物が分別され、固液分離された汚れ廃プラからペレット状の汚れ廃プラを形成するペレット状固体状汚れ廃プラ形成手段、
形成されたペレット状の固体状汚れ廃プラを破砕して、破砕汚れ廃プラを形成する破砕汚れ廃プラ形成手段、
形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機質汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する廃プラガス成分分離手段、
分離された廃プラガス成分を冷却して油化成分を形成する油化成分形成手段、
油化成分を貯油する貯油手段、
貯油された油化成分を回収する油化成分回収手段、
分離された有機質炭化物を固化して、固化有機質炭化物を生成する固化有機質炭化物生成手段、
を有して構成される汚れ廃プラ処理システム。
【請求項2】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理方法において、
食品関連容器あるいは包装に用いられ、缶、瓶、金属などの異物が分別された後に集合された、水分が混在し、食品関連事業者排出残渣の有機質物で汚染された汚れ廃プラを供給する汚れ廃プラ供給ステップ、
供給汚染された汚れ廃プラが圧搾され、汚れ廃プラから高濃度廃液が分離されて、固液分離処理され、異物が分別され、固液分離された汚れ廃プラからペレット状の汚れ廃プラが形成される固体状汚れ廃プラ形成ステップ、
形成されたペレット状の固体状汚れ廃プラが破砕されて、破砕汚れ廃プラが形成される破砕汚れ廃プラ形成ステップ、
形成された破砕汚れ廃プラが、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物が炭化するに十分な温度で加熱処理されて、有機質汚染物が有機質炭化物に固定され、廃プラガス成分と有機質炭化物とが形成、分離される廃プラガス成分分離ステップ、
分離された廃プラガス成分が冷却されて油化成分が形成される油化成分形成ステップ、
油化成分が貯油される貯油ステップ、
貯油された油化成分が回収される油化成分回収ステップ、
分離された有機質炭化物が固化されて、固化有機質炭化物が生成される固化有機質炭化物生成ステップ、
を有して構成される汚れ廃プラ処理方法。
【請求項3】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分と固形化された有機質炭化物を資源として生成する汚れ廃プラからの資源物質生成システムにおいて、
食品関連容器あるいは包装に用いられ、缶、瓶、金属などの異物が分別された後に集合された、水分が混在し、食品関連事業者排出残渣の有機質物で汚染された汚れ廃プラを供給する汚れ廃プラ供給手段、
供給汚染された汚れ廃プラを圧搾し、汚れ廃プラから高濃度廃液を分離して、固液分離処理し、異物が分別され、固液分離された汚れ廃プラからペレット状の汚れ廃プラを形成するペレット状の固体状汚れ廃プラ形成手段、
形成されたペレット状の固体状汚れ廃プラを破砕して、破砕汚れ廃プラを形成する破砕汚れ廃プラ形成手段、
分離された高濃度廃液を浄化する浄化手段、
形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する成分別分離手段、
分離された廃プラガス成分を冷却して、クリーンな油化成分を生成するクリーン油化成分生成手段、
分離された有機質炭化物をペレット状に固化して、ペレット有機質炭化物を生成するペレット有機質炭化物生成手段、
を有して構成されることを特徴とする汚れ廃プラからの資源物質回収システム。
【請求項4】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分と固形化された有機質炭化物を資源として生成する資源物質回収方法において、
食品関連容器あるいは包装に用いられ、缶、瓶、金属などの異物が分別された後に集合された、水分が混在し、食品関連事業者排出残渣の有機質物で汚染された汚れ廃プラを供給する汚れ廃プラ供給ステップ、
供給汚染された汚れ廃プラが圧搾され、汚れ廃プラから高濃度廃液が分離されて、固液分離処理され、異物が分別され、固液分離された汚れ廃プラからペレット状の汚れ廃プラが形成されるペレット状の固体状汚れ廃プラ形成ステップ、
形成されたペレット状の固体状汚れ廃プラが破砕されて、破砕汚れ廃プラが形成される破砕汚れ廃プラ形成ステップ、
分離された高濃度廃液が浄化される浄化ステップ、
形成された破砕汚れ廃プラが、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物が炭化するに十分な温度で加熱処理されて、有機質汚染物が有機質炭化物に固定され、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離される成分別分離ステップ、
分離された廃プラガス成分が冷却されて、クリーンな油化成分として生成されるクリーン油化成分生成ステップ、
分離された有機質炭化物がペレット状に固化されて、ペレット有機質炭化物が生成されるペレット有機質炭化物生成ステップ、
を有して構成されることを特徴とする汚れ廃プラからの資源物質回収方法。
【請求項5】
請求項3に記載された資源物質回収システムにおいて、
汚れ廃プラの重量を測定する汚れ廃プラ重量測定手段、
形成された油化成分で、資源として活用可能な油化成分の資源油量データを取得する資源油量データ取得手段、
汚れ廃プラ重量測定手段で取得された汚れ廃プラ重量データ及び資源油量データ取得手段で取得された資源油量データから処理廃プラ量データを取得する処理廃プラ量データ取得手段、
を有して構成されることを特徴とする資源物質回収システム。
【請求項6】
請求項4に記載された資源物質回収方法において、
汚れ廃プラの重量が測定される汚れ廃プラ重量測定ステップ、
形成された油化成分で、資源として活用可能な油化成分の資源油量データを取得する資源油量データ取得ステップ、
汚れ廃プラ重量測定ステップで取得された汚れ廃プラ重量データ及び資源油量データ取得ステップで取得された資源油量データから処理廃プラ量データが取得される処理廃プラ量データ取得ステップ、
を有して構成されることを特徴とする資源物質回収方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラは、典型的には食品関連事業者から排出され、有機質物は、主要な構成要素(穀類残渣、植物性残渣、動物性残渣)からなり、廃プラスチックに付着あるいは内蔵される。廃プラスチックは、典型的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンのいわゆる「油化適正3樹脂」になるプラスチック製容器、包装である。