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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132510
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】投射制御装置および投射制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/26 20060101AFI20240920BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240920BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240920BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B60Q1/26 Z
G08G1/16 C
G08G1/00 J
B60Q1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043302
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志田 来夢
(72)【発明者】
【氏名】中西 遥香
(72)【発明者】
【氏名】風越 真一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 忍
(72)【発明者】
【氏名】浦 航介
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 克浩
【テーマコード(参考)】
3K339
5H181
【Fターム(参考)】
3K339AA25
3K339AA43
3K339BA22
3K339BA25
3K339BA30
3K339CA30
3K339DA05
3K339EA01
3K339EA10
3K339FA03
3K339FA20
3K339HA01
3K339JA21
3K339KA06
3K339LA06
3K339MA01
3K339MA10
3K339MB05
3K339MC16
3K339MC25
3K339MC26
3K339MC27
3K339MC36
3K339MC41
3K339MC49
3K339MC52
3K339MC53
5H181AA05
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF22
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かに応じて、映像を適切に表示すること。
【解決手段】投射制御装置20は、マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かを判定する走行路判定部24と、マイクロモビリティの周辺に映像を投射するよう制御する投射制御部29と、を備え、投射制御部29は、走行路判定部24の判定結果に応じて、映像の投射位置と映像の内容との少なくともどちらかを切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かを判定する走行路判定部と、
前記マイクロモビリティの周辺に映像を投射するよう制御する投射制御部と、
を備え、
前記投射制御部は、前記走行路判定部の判定結果に応じて、前記映像の投射位置と前記映像の内容との少なくともどちらかを切り替える、
投射制御装置。
【請求項2】
前記投射制御部は、前記走行路判定部によって前記走行路が車道であると判定される場合、前記マイクロモビリティの後方に投射し、前記走行路判定部によって前記走行路が歩道であると判定される場合、前記マイクロモビリティの前方に投射する、
請求項1に記載の投射制御装置。
【請求項3】
前記マイクロモビリティの周辺の歩行者を検出する歩行者検出部、
を備え、
前記投射制御部は、前記歩行者検出部が前記マイクロモビリティの前方の前記歩行者を検出した場合、前記歩行者に対して前記マイクロモビリティの接近中であることを示す内容の映像、または、前記マイクロモビリティの走行方向を報知する内容の映像を投射する、
請求項1または2に記載の投射制御装置。
【請求項4】
前記マイクロモビリティが走行する走行路の路面の異常を検出する路面異常検出部、
を備え、
前記投射制御部は、前記路面異常検出部が前記マイクロモビリティの前方の前記路面の異常を検出した場合、前記路面の異常を報知する内容の映像を投射する、
請求項1または2に記載の投射制御装置。
【請求項5】
前記投射制御部は、
前記走行路判定部によって、
前記走行路が歩道であると判定され、前記路面異常検出部が前記路面の異常を検出した場合、前記路面の異常を報知する内容の映像を前記マイクロモビリティの前方に投射し、
前記走行路が車道であると判定され、前記路面異常検出部が前記路面の異常を検出した場合、前記路面の異常を避けて前記マイクロモビリティが迂回することを報知する内容の映像を前記マイクロモビリティの後方に投射する、
請求項4に記載の投射制御装置。
【請求項6】
マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かを判定する走行路判定ステップと、
前記マイクロモビリティの周辺に映像を投射するよう制御する投射制御ステップと、
を含み、
前記投射制御ステップは、前記走行路判定ステップにおける判定結果に応じて、前記映像の投射位置と前記映像の内容との少なくともどちらかを切り替える、
投射制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射制御装置および投射制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩道および路側帯を走行可能な車両に搭載される車両制御装置であって、走行場所が歩道であるか路側帯であるかを判定する処理の判定結果に応じて車両制御の内容を変更する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-157739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、自転車および電動アシスト自転車を含む二輪車、および、キックボードなどのようなマイクロ(超小型)モビリティは、車道と歩道とをどちらも走行可能である。マイクロモビリティから周辺の路面に映像を投射する場合、走行路が車道であるか歩道であるかに関わらず、同じ位置、同じ表示内容の映像を投射すると、周辺の車両や歩行者に対して映像が分かりにくかったり、不適切になったりすることがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かに応じて、映像を適切に表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る投射制御装置は、マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かを判定する走行路判定部と、前記マイクロモビリティの周辺に映像を投射するよう制御する投射制御部と、を備え、前記投射制御部は、前記走行路判定部の判定結果に応じて、前記映像の投射位置と前記映像の内容との少なくともどちらかを切り替える。
【0007】
本発明に係る投射制御方法は、マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かを判定する走行路判定ステップと、前記マイクロモビリティの周辺に映像を投射するよう制御する投射制御ステップと、を含み、前記投射制御ステップは、前記走行路判定ステップにおける判定結果に応じて、前記映像の投射位置と前記映像の内容との少なくともどちらかを切り替える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かに応じて、映像を適切に表示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第一実施形態に係る投射装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、投射範囲の一例を説明する概略図である。
図3図3は、投射される映像の一例を示す概略図である。
図4図4は、投射される映像の一例を示す概略図である。
図5図5は、第一実施形態に係る投射制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、第二実施形態に係る投射装置の構成例を示すブロック図である。
図7図7は、第二実施形態に係る投射制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、第三実施形態に係る投射装置の構成例を示すブロック図である。
図9図9は、歩道に投射される映像の一例を示す概略図である。
図10図10は、車道に投射される映像の他の例を示す概略図である。
図11図11は、第三実施形態に係る投射制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る投射制御装置および投射制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[第一実施形態]
(投射装置)
図1は、第一実施形態に係る投射装置の構成例を示すブロック図である。図2は、投射範囲の一例を説明する概略図である。投射装置10は、マイクロモビリティの周辺に映像を投射する。投射装置10は、マイクロモビリティの走行路に応じて、映像の投射位置と内容とを切り替えて投射する。
【0012】
マイクロモビリティとは、車道と歩道とをどちらも走行可能な移動体である。マイクロモビリティとは、自動車よりコンパクトで機動性が高く地域の手軽な移動の足となる1人または2人乗り程度の車両である。マイクロモビリティは、例えば、電動キックボード、電動自転車、および、電動車椅子などである。マイクロモビリティは、動力の有無は問わない。
【0013】
投射装置10は、センサユニット11と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部12と、地図情報記憶部13と、投射部19と、投射制御装置20とを有する。
【0014】
センサユニット11は、マイクロモビリティに搭載された各種センサである。本実施形態では、センサユニット11は、マイクロモビリティが走行している走行路を検出可能な各種センサである。センサユニット11は、例えば、マイクロモビリティの周辺の路面を含む範囲を撮影するカメラである。
【0015】
センサユニット11は、マイクロモビリティの走行状態を示す情報を検出可能なセンサでもよい。センサユニット11は、例えば、マイクロモビリティが走行中か否かを示す情報を検出するセンサ、マイクロモビリティが停止または減速を行う情報を検出するセンサ、マイクロモビリティの方向変更を示す情報を検出するセンサ、マイクロモビリティの各部の操作量を検出するセンサ、および、マイクロモビリティの挙動を検出する、加速度センサやジャイロセンサなどでもよい。
【0016】
GNSS受信部12は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部12は、受信したGNSS信号を位置情報取得部22に出力する。
【0017】
地図情報記憶部13は、地図情報を記憶する。地図情報は、例えば、道路の形状、交差点、道路幅などを含む道路地図である。地図情報は、例えば、車道に加えて歩道など、マイクロモビリティが通行可能な道路の情報を含む。地図情報記憶部13は、記憶している地図情報を地図情報取得部23へ出力する。地図情報記憶部13は、図示しない通信部などによる通信機能を介して地図情報を取得する外部サーバ等の記憶装置であってもよい。
【0018】
投射部19は、マイクロモビリティの周辺の路面に映像を投射可能に配置される。投射部19は、マイクロモビリティに設置されている。投射部19は、例えば、マイクロモビリティの前方、後方、左側方、および、右側方に配置されている。投射部19は、例えば、液晶を使用したプロジェクタ、または、レーザ光源を使用したプロジェクタである。投射部19は、投射制御部29が出力した映像信号に基づいて情報を示す映像を投射する。例えば、投射部19が、マイクロモビリティの前方に配置されている場合、前方の路面に向けて投射する。例えば、投射部19が、マイクロモビリティの後方に配置されている場合、後方の路面に向けて投射する。例えば、投射部19が、マイクロモビリティの左側方に配置されている場合、左側方の路面に向けて投射する。例えば、投射部19が、マイクロモビリティの右側方に配置されている場合、右側方の路面に向けて投射する。
【0019】
図2は、投射範囲の一例を説明する概略図である。図2は、マイクロモビリティ1の周辺の投射範囲の一例を示す。図2では、投射部19は、マイクロモビリティ1の前方、後方、左側方、および、右側方に配置されている。前方に配置された投射部19は、投射範囲A1に映像を投射する。後方に配置された投射部19は、投射範囲A2に映像を投射する。左側方に配置された投射部19は、投射範囲A3に映像を投射する。右側方に配置された投射部19は、投射範囲A4に映像を投射する。
【0020】
(投射制御装置)
投射制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。投射制御装置20は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。投射制御装置20は、センサデータ取得部21と、位置情報取得部22と、地図情報取得部23と、走行路判定部24と、投射映像生成部28と、投射制御部29とを備える。投射制御装置20には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは投射制御装置20におけるデータの一時記憶などに用いられる。本実施形態では、投射制御装置20は、マイクロモビリティに載置されているものとして説明するが、可搬型であってもよい。
【0021】
センサデータ取得部21は、センサユニット11からセンサデータを取得する。センサデータ取得部21は、例えば、マイクロモビリティの周辺の路面を含む範囲を撮影した撮影データを取得する。センサデータ取得部21は、取得したセンサデータを走行路判定部24へ出力する。
【0022】
位置情報取得部22は、マイクロモビリティの現在位置を示す位置情報を取得する。本実施形態では、位置情報取得部22は、GNSS受信部12が取得した電波の信号に基づいて、マイクロモビリティの位置情報を取得する。位置情報取得部22は、取得した位置情報を走行路判定部24へ出力する。
【0023】
地図情報取得部23は、地図情報記憶部13から地図情報を取得する。地図情報取得部23は、取得した地図情報を走行路判定部24へ出力する。
【0024】
走行路判定部24は、マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かを判定する。走行路判定部24は、センサデータに基づいて、走行路が車道か歩道かを判定する。
【0025】
本実施形態では、走行路判定部24は、例えば、センサデータとして取得した撮影データに画像処理を行って、マイクロモビリティが走行中の走行路が車道か歩道かを判定する。走行路判定部24は、例えば、画像から、マイクロモビリティの走行路が車道と区画された、道路の側方に位置していることを認識した場合、歩道であると判定する。走行路判定部24は、例えば、画像から、マイクロモビリティの走行路に歩道であることを示す標識が設置されていることを認識した場合、歩道であると判定する。
【0026】
走行路判定部24は、例えば、現在地の位置情報と、地図情報とに基づいて、マイクロモビリティが走行中の走行路が車道か歩道かを判定してもよい。走路判定部24は、マイクロモビリティの現在地が、道路地図上の歩道に位置している場合、歩道であると判定する。走路判定部24は、歩道であると判定しない場合、車道であると判定する。
【0027】
投射映像生成部28は、投射部19から投射する映像データを生成する。より詳しくは、投射映像生成部28は、走行路判定部24の判定結果に応じた映像を生成する。投射映像生成部28は、生成した映像を、投射制御部29に出力する。
【0028】
投射映像生成部28は、例えば、走行路判定部24によって走行路が車道であると判定される場合、マイクロモビリティが走行中であることを示す映像を投射用に生成する。走行中であることを示す映像とは、例えば、マイクロモビリティが走行中であることを示す、簡潔なメッセージである文字の映像、または、図形の映像である。
【0029】
マイクロモビリティが車道を走行している場合、後方から接近する車両に対して、自車の存在を知らせる映像を、自車の後方を含む周辺の地面などに投射する。
【0030】
図3は、投射される映像の一例を示す概略図である。図3に示す映像101は、マイクロモビリティが走行中であることを示すメッセージの映像である。映像101は、車道R2に表示される。映像101は、車道R2の車両に、マイクロモビリティの存在を知らせる。
【0031】
投射映像生成部28は、例えば、走行路判定部24によって走行路が車道であると判定される場合、マイクロモビリティの停止、減速または右左折などの走行状態を示す映像を投射用に生成する。走行中であることを示す映像とは、例えば、マイクロモビリティの停止、減速または右左折していることを示す、簡潔なメッセージである文字の映像、または、図形の映像である。
【0032】
投射映像生成部28は、例えば、走行路判定部24によって走行路が歩道であると判定される場合、マイクロモビリティが接近中であることを示す映像を投射用に生成する。走行中であることを示す映像とは、例えば、マイクロモビリティが接近中であることを示す、簡潔なメッセージである文字の映像、または、図形の映像を生成する。
【0033】
マイクロモビリティが歩道を走行している場合、前方から歩行者に接近したり、前方の歩行者を後方から追い抜いたりする状況が想定される。歩道では、歩行者は歩きスマホやイヤホンの装着などにより、背後からの追い抜きに気づかない可能性がある。そこで、マイクロモビリティが歩道を走行している場合、マイクロモビリティの前方にいる歩行者に対して、自車の存在を知らせる映像を、マイクロモビリティの前方の地面などに投射する。
【0034】
図4は、投射される映像の一例を示す概略図である。図4に示す映像102は、マイクロモビリティが接近中であることを示す図形の映像である。映像102は、波紋状の図形の映像である。映像102は、歩道R1に表示される。映像102は、歩道R1の歩行者Mに、マイクロモビリティの接近を知らせる。
【0035】
投射制御部29は、マイクロモビリティの周辺に映像を投射するよう制御する。投射制御部29は、投射映像生成部28が生成した映像データを、投射部19によって投射させる。投射制御部29は、走行路判定部24の判定結果に応じて、映像の投射位置と映像の内容との少なくともどちらかを切り替えて投射する。
【0036】
本実施形態では、投射制御部29は、走行路判定部24によって走行路が車道であると判定される場合、マイクロモビリティの後方に投射し、走行路判定部24によって走行路が歩道であると判定される場合、マイクロモビリティの前方に投射する。
【0037】
(投射制御装置における処理)
次に、図5を用いて、投射装置10の投射制御装置20における処理の流れについて説明する。図5は、第一実施形態に係る投射制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
投射装置10の起動中、常時、センサユニット11が、マイクロモビリティの周辺を撮影して、撮影した撮影データを、投射制御装置20のセンサデータ取得部21へ出力する。投射装置10の起動中、投射制御装置20によって、ステップS101ないしステップS105の処理が繰り返し実行される。
【0039】
投射制御装置20は、センサデータを取得する(ステップS101)。より詳しくは、投射制御装置20は、センサデータ取得部21によって、センサユニット11からセンサデータとして撮影データを取得する。投射制御装置20は、ステップS102に進む。
【0040】
投射制御装置20は、走行路が歩道であるか否かを判定する(ステップS102)。より詳しくは、投射制御装置20は、走行路判定部24によって、センサデータとして取得した撮影データに画像処理を行って、マイクロモビリティが走行中の走行路が車道か歩道かを判定する。投射制御装置20は、走行路が歩道であると判定する場合(ステップS102でYes)、ステップS103へ進む。投射制御装置20は、走行路が歩道であると判定しない場合(ステップS102でNo)、ステップS104へ進む。
【0041】
走行路が歩道であると判定する場合(ステップS102でYes)、投射制御装置20は、マイクロモビリティの前方に映像を投射する(ステップS103)。より詳しくは、投射制御装置20は、投射映像生成部28によって、投射用の映像を生成する。投射制御装置20は、投射映像生成部28によって、マイクロモビリティが接近中であることを示す図形の映像を生成する。投射制御装置20は、投射制御部29によって、生成した投射用の映像を、投射部19を介して、マイクロモビリティの前方へ向けて投射する。投射制御装置20は、ステップS105に進む。
【0042】
走行路が歩道であると判定しない場合(ステップS102でNo)、投射制御装置20は、マイクロモビリティの後方に映像を投射する(ステップS104)。より詳しくは、投射制御装置20は、投射映像生成部28によって、投射用の映像を生成する。投射制御装置20は、投射映像生成部28によって、マイクロモビリティが走行中であることを示すメッセージの映像を生成する。投射制御装置20は、投射制御部29によって、生成した投射用の映像を、投射部19を介して、マイクロモビリティの後方へ向けて投射する。投射制御装置20は、ステップS105に進む。
【0043】
投射制御装置20は、投射を終了するか否かを判定する(ステップS105)。投射制御装置20は、例えば、図示しない走行情報取得部が取得した、マイクロモビリティの走行情報に基づいて、投射の終了を判断する。投射制御装置20は、例えば、投射を終了するためのユーザの操作を受け付けた場合、マイクロモビリティが停止した場合、または、マイクロモビリティが停止してから所定期間が経過した場合、投射を終了すると判定する。投射制御装置20は、投射を終了すると判断する場合(ステップS105でYes)、処理を終了する。投射制御装置20は、投射を終了すると判断しない場合(ステップS105でNo)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0044】
(効果)
以上のように、本実施形態では、マイクロモビリティの走行路が車道であるか歩道であるかに応じて、映像の投射位置と映像の内容との少なくともどちらかを切り替える。本実施形態は、マイクロモビリティの走行路が車道か歩道かに応じて、映像を適切に表示することができる。
【0045】
本実施形態では、走行路が車道であると判定される場合、マイクロモビリティの後方に投射し、走行路が歩道であると判定される場合、マイクロモビリティの前方に投射する。本実施形態によれば、マイクロモビリティの車道走行時は、後方から接近する車両に対して、自車の存在を知らせる映像などを表示できる。本実施形態によれば、マイクロモビリティの歩道走行時は、前方の歩行者に対して、自車の存在を知らせる映像などを表示できる。
【0046】
[第二実施形態]
図6図7を参照しながら、本実施形態に係る投射装置10Aについて説明する。図6は、第二実施形態に係る投射装置の構成例を示すブロック図である。図7は、第二実施形態に係る投射制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。投射装置10Aは、基本的な構成は第一実施形態の投射装置10と同様である。以下の説明においては、第一実施形態の投射装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態は、歩行者検出部25Aを備える点と、センサユニット11Aと、センサデータ取得部21Aと、投射映像生成部28Aと、投射制御部29Aとにおける処理とが、第一実施形態と異なる。
【0047】
センサユニット11Aは、マイクロモビリティの前方の歩行者を検出可能な各種センサである。センサユニット11Aは、例えば、マイクロモビリティの前方を含む範囲を撮影するカメラである。
【0048】
センサデータ取得部21Aは、例えば、マイクロモビリティの前方を含む範囲を撮影した撮影データを取得する。
【0049】
歩行者検出部25Aは、マイクロモビリティの周辺の歩行者を検出する。本実施形態では、歩行者検出部25Aは、マイクロモビリティの前方の歩行者を検出する。歩行者検出部25Aは、例えば、センサデータとして取得した撮影データに画像処理を行って、歩行者を検出する。画像処理によって歩行者を認識する方法は公知の方法を使用可能であり、限定されない。
【0050】
投射映像生成部28Aは、歩行者検出部25Aがマイクロモビリティの前方の歩行者を検出した場合、歩行者に対してマイクロモビリティが接近中であることを示す映像を生成する。
【0051】
投射映像生成部28Aは、歩行者検出部25Aがマイクロモビリティの前方の歩行者を検出した場合、歩行者に対してマイクロモビリティの走行方向を報知する内容の映像を生成してもよい。走行方向を報知する内容の映像とは、例えば、マイクロモビリティの進行方向を示す、帯状、波紋状、または、矢印形状、などの図形の映像である。
【0052】
投射制御部29Aは、歩行者検出部25Aがマイクロモビリティの前方の歩行者を検出した場合、歩行者に対してマイクロモビリティが接近中であることを示す映像を投射する。
【0053】
投射制御部29Aは、歩行者検出部25Aがマイクロモビリティの前方の歩行者を検出した場合、歩行者に対してマイクロモビリティの走行方向を報知する内容の映像を投射してもよい。
【0054】
(投射制御装置における処理)
次に、図7を用いて、投射装置10Aの投射制御装置20Aにおける処理の流れについて説明する。ステップS111、ステップS112、ステップS115、ステップS116の処理は、図5に示すフローチャートのステップS101、ステップS102、ステップS104、ステップS105と同様の処理を行う。
【0055】
投射制御装置20Aは、前方に歩行者がいるか否かを判定する(ステップS113)。より詳しくは、投射制御装置20Aは、歩行者検出部25Aによって、撮影データに画像認識処理を行って、マイクロモビリティの前方の歩行者を検出したか否かを判定する。投射制御装置20Aは、前方に歩行者がいると判定する場合(ステップS113でYes)、ステップS114へ進む。投射制御装置20Aは、前方に歩行者がいると判定しない場合(ステップS113でNo)、ステップS116へ進む。
【0056】
前方に歩行者がいると判定する場合(ステップS113でYes)、投射制御装置20Aは、マイクロモビリティの前方に、マイクロモビリティの走行方向を示す映像を投射する(ステップS114)。より詳しくは、投射制御装置20Aは、投射映像生成部28Aによって、投射用の映像を生成する。投射制御装置20Aは、投射映像生成部28Aによって、マイクロモビリティの走行方向を報知する内容の映像を生成する。投射制御装置20Aは、投射制御部29Aによって、生成した投射用の映像を、投射部19を介して、マイクロモビリティの前方へ向けて投射する。投射制御装置20Aは、ステップS116に進む。
【0057】
(効果)
以上のように、本実施形態では、マイクロモビリティの前方の歩行者を検出した場合、歩行者に対してマイクロモビリティが接近中であることを示す内容の映像を投射する。本実施形態によれば、前方の歩行者に対して、接近中のマイクロモビリティに対する注意を促すことができる。
【0058】
本実施形態では、マイクロモビリティの前方の歩行者を検出した場合、歩行者に対してマイクロモビリティの走行方向を報知する内容の映像を投射する。本実施形態によれば、前方の歩行者に対して、マイクロモビリティに対する注意をより適切に促すことができる。
【0059】
[第三実施形態]
図8ないし図11を参照しながら、本実施形態に係る投射装置10Bについて説明する。図8は、第三実施形態に係る投射装置の構成例を示すブロック図である。図9は、歩道に投射される映像の一例を示す概略図である。図10は、車道に投射される映像の他の例を示す概略図である。図11は、第三実施形態に係る投射制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。投射装置10Bは、基本的な構成は第一実施形態の投射装置10と同様である。本実施形態は、路面異常検出部26Bを備える点と、センサユニット11Bと、センサデータ取得部21Bと、投射映像生成部28Bと、投射制御部29Bとにおける処理とが、第一実施形態と異なる。
【0060】
センサユニット11Bは、マイクロモビリティの前方の路面の異常を検出可能な各種センサである。センサユニット11Bは、例えば、マイクロモビリティの前方の路面を含む範囲を撮影するカメラである。
【0061】
センサデータ取得部21Bは、例えば、マイクロモビリティの前方の路面を含む範囲を撮影した撮影データを取得する。
【0062】
路面異常検出部26Bは、マイクロモビリティが走行する走行路の路面の異常を検出する。路面異常検出部26Bは、例えば、センサデータとして取得した撮影データに画像処理を行って、路面の異常を検出する。路面異常検出部26Bは、例えば、路面異常の認識辞書データを用いたパターンマッチングを行って、撮影データから路面の異常を認識する。
【0063】
路面の異常とは、例えば、路面の凹凸、段差、水たまり、水がたまったマンホール、側溝、および、道路工事箇所など、マイクロモビリティによる走行に影響する程度の異常のことである。
【0064】
投射映像生成部28Bは、路面異常検出部26Bがマイクロモビリティの前方の路面の異常を検出した場合、路面の異常を報知する内容の映像を生成する。
【0065】
投射映像生成部28Bは、走行路判定部24Bによって走行路が歩道であると判定され、路面異常検出部26Bが路面の異常を検出した場合、路面の異常を報知する内容の映像を生成する。路面の異常を報知する内容の映像は、例えば、異常箇所に注意を促す文字または図形の映像である。
【0066】
図9に示す映像103は、路面の異常を報知する内容の映像である。映像103は、歩道R1に表示される。映像103は、路面の異常部分Xに注意を促す図形の映像を投射する。マイクロモビリティのユーザおよび歩道R1の歩行者に、路面の異常を知らせる。
【0067】
投射映像生成部28Bは、走行路判定部24Bによって走行路が車道であると判定され、路面異常検出部26Bが路面の異常を検出した場合、路面の異常を避けてマイクロモビリティが迂回することを報知する内容の映像を生成する。迂回することを報知する内容の映像は、例えば、迂回方向を示す矢印形状、または、迂回する進路を示す帯状の図形の映像である。
【0068】
図10に示す映像104は、路面の異常を避けてマイクロモビリティが迂回することを報知する内容の映像である。映像104は、車道R2に表示される。映像104は、迂回方向を示す矢印形状である。映像104は、車道R2の車両に、先行するマイクロモビリティが迂回のために進路を変更することを知らせる。
【0069】
投射制御部29Bは、路面異常検出部26Bがマイクロモビリティの前方の路面の異常を検出した場合、路面の異常を報知する内容の映像を投射する。
【0070】
投射制御部29Bは、走行路判定部24Bによって走行路が歩道であると判定され、路面異常検出部26Bが路面の異常を検出した場合、路面の異常を報知する内容の映像をマイクロモビリティの前方の路面に投射する。
【0071】
投射制御部29Bは、走行路判定部24Bによって走行路が車道であると判定され、路面異常検出部26Bが路面の異常を検出した場合、路面の異常を避けてマイクロモビリティが迂回することを報知する内容の映像をマイクロモビリティの後方に投射する。
【0072】
(投射制御装置における処理)
次に、図11を用いて、投射装置10Bの投射制御装置20Bにおける処理の流れについて説明する。ステップS121、ステップS122、ステップS125、ステップS128、ステップS129の処理は、図5に示すフローチャートのステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS104、ステップS105と同様の処理を行う。
【0073】
投射制御装置20Bは、前方の路面に異常があるか否かを判定する(ステップS123)。より詳しくは、投射制御装置20Bは、路面異常検出部26Bによって、マイクロモビリティが走行する歩道の前方の路面の異常を検出したか否かを判定する。投射制御装置20Bは、前方の路面に異常があると判定する場合(ステップS123でYes)、ステップS124へ進む。投射制御装置20Bは、前方の路面に異常があると判定しない場合(ステップS123でNo)、ステップS125へ進む。
【0074】
前方の路面に異常があると判定する場合(ステップS123でYes)、投射制御装置20Bは、マイクロモビリティの前方に、路面の異常を知らせる映像を投射する(ステップS124)。より詳しくは、投射制御装置20Bは、投射映像生成部28Bによって、投射用の映像を生成する。投射制御装置20Bは、投射映像生成部28Bによって、路面の異常を報知する内容の映像を生成する。投射制御装置20Bは、投射制御部29Bによって、生成した投射用の映像を、投射部19を介して、マイクロモビリティの前方へ向けて投射する。投射制御装置20Bは、ステップS129に進む。
【0075】
投射制御装置20Bは、前方の路面に異常があるか否かを判定する(ステップS126)。より詳しくは、投射制御装置20Bは、路面異常検出部26Bによって、マイクロモビリティが走行する車道の前方の路面の異常を検出したか否かを判定する。投射制御装置20Bは、前方の路面に異常があると判定する場合(ステップS126でYes)、ステップS127へ進む。投射制御装置20Bは、前方の路面に異常があると判定しない場合(ステップS126でNo)、ステップS128へ進む。
【0076】
前方の路面に異常があると判定する場合(ステップS126でYes)、投射制御装置20Bは、マイクロモビリティの前方に、路面の異常を知らせる映像を投射する(ステップS127)。より詳しくは、投射制御装置20Bは、投射映像生成部28Bによって、投射用の映像を生成する。投射制御装置20Bは、投射映像生成部28Bによって、路面の異常を避けてマイクロモビリティが迂回することを報知する内容の映像を生成する。投射制御装置20Bは、投射制御部29Bによって、生成した投射用の映像を、投射部19を介して、マイクロモビリティの後方へ向けて投射する。投射制御装置20Bは、ステップS129に進む。
【0077】
(効果)
以上のように、本実施形態は、マイクロモビリティの前方の路面の異常を検出した場合、路面の異常を報知する内容の映像を投射する。本実施形態によれば、マイクロモビリティの安全な走行を支援できる。
【0078】
本実施形態では、走行路が歩道であると判定され、路面の異常を検出した場合、路面の異常を報知する内容の映像をマイクロモビリティの前方に投射する。本実施形態によれば、マイクロモビリティのユーザおよび歩行者に対して、前方の路面の異常を知らせることができる。
【0079】
本実施形態では、走行路が車道であると判定され、路面の異常を検出した場合、路面の異常を避けて前記マイクロモビリティが迂回することを報知する内容の映像をマイクロモビリティの後方に投射する。本実施形態によれば、マイクロモビリティの後方の車両に対して、マイクロモビリティが迂回のために進路を変更することを知らせることができる。
【0080】
さて、これまで本発明に係る投射装置について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0081】
図示した投射装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0082】
投射装置の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0083】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0084】
(その他の実施形態)
投射制御部29は、路面に描かれた制限速度の標示、停止線、車線、路側帯を区画する線などを撮影データから認識して、路面においてこれらの部分に映像を重畳して投射しないようにしてもよい。
【0085】
投射制御装置20は、マイクロモビリティの走行路が歩道であって、前方に歩行者がいない場合、すなわち、図7に示すフローチャートのステップS113でNoの場合、前方にエンターテインメント性の高い映像を投射映像生成部28によって生成し、投射制御部29によって投射してもよい。エンターテインメント性の高い映像とは、マイクロモビリティの接近を示す映像、存在を知らせる映像などではない映像である。エンターテインメント性の高い映像とは、例えば、海を漂う映像、森林を走行する映像などである。エンターテインメント性の高い映像は、走行の妨げにならないように、一点を注視する映像、激しく動く映像などは避けた映像が望ましい。
【0086】
投射制御装置20は、図7に示すフローチャートのステップS112でNoの場合、マイクロモビリティの走行路である場合にも、ステップS113と同様に、マイクロモビリティの前方に歩行者がいるか否かを判定してもよい。歩行者がいない場合、ステップS115の処理を行って、後方に映像を投射する。歩行者がいる場合、ステップS115の処理で後方に映像を投射するとともに、ステップS114の処理を行って、前方に映像を投射する。これにより、歩道のない道路の路側帯の歩行者へも注意を促すことができる。
【0087】
投射制御部20は、マイクロモビリティが停止したときに、広告の映像を投射映像生成部28によって生成し、投射制御部29によって投射してもよい。マイクロモビリティの走行路が車道であって、停止が検出されたとき、車両の運転者をターゲットにした広告を生成して、投射する。マイクロモビリティの走行路が歩道であって、停止が検出されたとき、歩行者をターゲットにした広告を生成して、投射する。
【符号の説明】
【0088】
1 投射装置
11 センサユニット
13 GNSS受信部
14 地図情報記憶部
19 投射部
20 投射制御装置
21 センサデータ取得部
22 位置情報取得部
23 地図情報取得部
24 走行路判定部
28 投射映像生成部
29 投射制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11