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特開2024-132540印刷装置、印刷制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132540
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 3/36 20060101AFI20240920BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20240920BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20240920BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20240920BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B41J3/36 T
B41J5/30 Z
H04N1/387
B41J11/42
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043345
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】大越 元裕
【テーマコード(参考)】
2C055
2C058
2C187
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C058AB08
2C058AB12
2C058AC06
2C058AC12
2C058AD06
2C058AE04
2C058AE14
2C058AF51
2C058GD01
2C058GE10
2C058LA03
2C058LB09
2C058LC12
2C058LC16
2C187AC05
2C187AD06
2C187AE01
2C187AG07
2C187BF60
2C187CC04
2C187CD07
2C187CD12
2C187CD19
(57)【要約】
【課題】従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用する。
【解決手段】印刷装置100は、被印刷媒体に印刷を行う印刷部150と、被印刷媒体を切断する切断部170と、制御部110と、を備え、制御部110は、印刷に関する情報である印刷情報を取得し、印刷情報に基づく第1の印刷内容を印刷部150により被印刷媒体に印刷し、第1の印刷内容を印刷してから被印刷媒体を切断部170へ搬送するまでの間に、印刷の用途に関する情報である用途情報に基づく第2の印刷内容を印刷部150により被印刷媒体に印刷する、ことを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記被印刷媒体を切断する切断部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記印刷に関する情報である印刷情報を取得し、
前記印刷情報に基づく第1の印刷内容を前記印刷部により前記被印刷媒体に印刷し、
前記第1の印刷内容を印刷してから前記被印刷媒体を前記切断部へ搬送するまでの間に、印刷の用途に関する情報である用途情報に基づく第2の印刷内容を前記印刷部により前記被印刷媒体に印刷する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷情報には、印刷する内容に関する内容情報と、前記用途情報と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記内容情報に基づいて前記第1の印刷内容を印刷し、前記用途情報に基づいて前記第2の印刷内容を印刷する、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記被印刷媒体に基づいて前記用途情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、
ユーザによる設定に基づいて前記用途情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、
ユーザの個人情報を取得し、
前記個人情報に基づいて前記用途情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記用途情報を複数取得したら、それぞれの取得頻度に基づいて前記第2の印刷内容を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1の印刷内容を連続して印刷することを指示された場合、又は、複数の段数に渡って前記第1の印刷内容を印刷することを指示された場合、ユーザからの入力に基づいて前記第2の印刷内容を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記被印刷媒体を切断する切断部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
第1の印刷内容を前記印刷部により前記被印刷媒体に印刷した後に、前記印刷部による印刷位置から前記切断部による切断位置までの距離に応じて発生する前記被印刷媒体の余白に前記印刷部により第2の印刷内容を印刷する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
制御部が、
印刷に関する情報である印刷情報を取得し、
前記印刷情報に基づく第1の印刷内容を印刷部により被印刷媒体に印刷し、
前記第1の印刷内容を印刷してから前記被印刷媒体を切断部へ搬送するまでの間に、印刷の用途に関する情報である用途情報に基づく第2の印刷内容を前記印刷部により前記被印刷媒体に印刷する、
ことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項11】
制御部に、
印刷に関する情報である印刷情報を取得し、
前記印刷情報に基づく第1の印刷内容を印刷部により被印刷媒体に印刷し、
前記第1の印刷内容を印刷してから前記被印刷媒体を切断部へ搬送するまでの間に、印刷の用途に関する情報である用途情報に基づく第2の印刷内容を前記印刷部により前記被印刷媒体に印刷する、
処理を行わせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置等の電子機器においては、様々な設定が可能なものが存在する。そして、このような様々な設定を容易にするための技術も開発されている。例えば特許文献1には、各種設定項目の設定状態を容易に実現することができる印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-161856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている印刷装置では、印字テープを収納するカートリッジが各種の設定を記憶するカートリッジメモリを備えており、印刷装置はカートリッジメモリから各種の設定を読み込むことにより、テープの余白の長さ等の各種項目を容易に設定可能である。しかし、このような従来技術では、テープの余白部分を有効に活用することができず、余白部分が無駄になってしまっていた。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用することができる印刷装置、印刷制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置は、
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記被印刷媒体を切断する切断部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記印刷に関する情報である印刷情報を取得し、
前記印刷情報に基づく第1の印刷内容を前記印刷部により前記被印刷媒体に印刷し、
前記第1の印刷内容を印刷してから前記被印刷媒体を前記切断部へ搬送するまでの間に、印刷の用途に関する情報である用途情報に基づく第2の印刷内容を前記印刷部により前記被印刷媒体に印刷する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】印刷装置で被印刷媒体に余白が生じる理由を説明するための図である。
図2】実施形態1に係る印刷装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る印刷装置により印刷される内容の具体例を示す図である。
図4】実施形態1に係る印刷装置の印刷制御処理のフローチャートの一例である。
図5】実施形態1に係る印刷装置での用途選択画面の一例を示す図である。
図6】実施形態1に係る印刷装置での候補選択画面の一例を示す図である。
図7】実施形態1に係る印刷装置での定型フォーマット選択画面の一例を示す図である。
図8】実施形態2に係る印刷装置の印刷履歴記憶部の一例を示す図である。
図9】実施形態3に係る印刷装置の個人情報記憶部の一例を示す図である。
図10】実施形態3に係る印刷装置でのユーザ選択画面の一例を示す図である。
図11】実施形態3に係る印刷装置での個人情報設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0010】
(実施形態1)
実施形態に係る印刷装置100は、テープ状の被印刷媒体(感熱テープ)に印刷を行うラベルライターである。印刷装置100は、図1に示すように、テープカートリッジ装着部165にセットされたテープカートリッジ161に収納されている被印刷媒体162にプリントヘッド151で印刷し、搬送モータ152で搬送して、カッター171で切断することで、ラベルシールを作成することができる。
【0011】
ただし、図1に示すように、カッター171による切断位置とプリントヘッド151による印刷位置との間には一定(2cm弱ほど)の間隔があるため、被印刷媒体162に余白163が発生してしまう。そこで、本実施形態ではこの余白163に絵文字等、ユーザがシールとして利用しそうなものを印刷することにより、余白163の部分を有効利用できるようにする。
【0012】
印刷装置100は機能構成として、図2に示すように、制御部110、記憶部120、表示部130、操作入力部140、印刷部150、媒体部160、切断部170を備える。
【0013】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成される。制御部110は、記憶部120に記憶されているプログラムにより、印刷装置100の各機能を実現する処理や後述する印刷制御処理等を実行する。また、制御部110はマルチスレッドに対応し、複数の処理を並行して実行することができる。
【0014】
記憶部120は、制御部110が実行するプログラムや、必要なデータを記憶する。記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を含み得るが、これらに限られるものではない。記憶部120が記憶するデータのうち、プログラム、表示用の文字フォントや画像データ(イラストデータ、ロゴデータ等)、印刷用の文字フォントや画像データは、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに格納され、プログラム実行中に用いる作業用のデータは原則としてRAMに記憶される。なお、記憶部120は、制御部110の内部に設けられていてもよい。
【0015】
表示部130は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを備え、操作入力部140から入力された文字等の表示、印刷される内容を確認するためのプレビュー表示、操作メニューや設定等の表示を行う。
【0016】
操作入力部140は、押しボタンスイッチ、キーボード、タッチパネル等のユーザインタフェースであり、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作入力部140がタッチパネルを備える場合は、表示部130のディスプレイと一体化したタッチパネルであってもよい。
【0017】
印刷部150は、プリントヘッド151を備え、操作入力部140から入力された印刷内容を被印刷媒体162に印刷する。また、印刷部150は搬送モータ152も備え、印刷時に被印刷媒体162を少しずつ搬送して、印刷後に切断部170で切断された被印刷媒体162が排出口164から排出されるようにする。
【0018】
媒体部160は、テープカートリッジ装着部165を備える。テープカートリッジ装着部165には、被印刷媒体162が収納されたテープカートリッジ161が装着される。テープカートリッジ161には収納されている被印刷媒体162の種類により、様々なバリエーションが存在する。ユーザは印刷するラベルシールの用途(ファイル用、CD用、宛名用等)等により、テープカートリッジ装着部165に装着するテープカートリッジ161を変更することができる。そして、媒体部160は、装着されたテープカートリッジ161の種類を示す情報(テープ種情報)を制御部110に送信することができるので、制御部110は、現在テープカートリッジ装着部165にセットされているテープカートリッジ161の種類(すなわち、被印刷媒体162の種類)を取得することができる。
【0019】
切断部170は、カッター171を備え、制御部110からの指示に基づき、被印刷媒体162を切断する。カッター171で切断された被印刷媒体162は、テープカートリッジ161から引き出されている被印刷媒体162から切り離され、排出口164から排出される。
【0020】
印刷装置100により、どのような印刷が行われるかについて、図3を参照して説明する。まず、図3の(1)に示すように、前回ユーザが印刷させた住所201(第1の印刷内容)が印刷された被印刷媒体162Aは、カッター171で切り離されてラベルシールとして使用されたはずだが、その際に印刷装置100の筐体内に残った被印刷媒体162Bの余白部分には郵便受けのマーク202(第2の印刷内容)が印刷されていた。
【0021】
そして、今回ユーザが別の住所203(第1の印刷内容)を印刷させると、図3の(2)に示すように、被印刷媒体162Bには、住所203(第1の印刷内容)とともに郵便記号のマーク204(第2の印刷内容)が印刷される。
【0022】
そして、被印刷媒体162Bはカッター171で切断(自動カット)され、図3の(3)に示すように、前回の第2の印刷内容である郵便受けのマーク202と今回の第1の印刷内容である住所203が印刷された被印刷媒体162Cが切り離され、今回の第2の印刷内容である郵便記号のマーク204が印刷された被印刷媒体162Dは、印刷装置100の筐体内に残る。
【0023】
ユーザが、被印刷媒体162Cをハサミ等で切断(手動カット)することにより、図3の(4)に示すように、前回の第2の印刷内容である郵便受けのマーク202が印刷された被印刷媒体162Eと、今回の第1の印刷内容である住所203が印刷された被印刷媒体162Fとに分かれる。そして、ユーザは、それぞれ郵便受けのマーク202が印刷されたラベルシール及び住所203が印刷されたラベルシールとして使用することができる。
【0024】
この例では、ユーザは住所を印刷するために印刷装置100を使用している(すなわち用途は「住所(の印刷)」である)ので、印刷装置100は、住所のラベルシールと一緒に使用することが期待される郵便関係のマーク(郵便受けのマーク202、郵便記号のマーク204)を余白部分に印刷している。
【0025】
しかし、余白部分に印刷する内容(第2の印刷内容)は郵便関係のマークに限定する必要はない。印刷装置100は、ユーザに指示された印刷内容(第1の印刷内容)等に基づき、一緒に印刷しておくと今後利用されることが予想される任意の内容(余白のサイズに印刷可能な絵文字、言葉等)を余白部分に印刷することができる。
【0026】
印刷装置100がこのように余白部分を有効活用できるような印刷を行うための処理である印刷制御処理について図4を参照して説明する。印刷制御処理は、ユーザが操作入力部140から印刷制御処理の開始を指示すると開始される。
【0027】
まず、制御部110は、用途情報を取得する(ステップS101)。用途情報とは、今回印刷するラベルの用途を示す情報である。印刷装置100は、図5に示すように、表示部130に「用途選択画面」を表示して、ユーザに印刷するラベルの用途を選択させることができる。ここで選択された内容(例えば図5の選択枠131で囲われている「住所」)が用途情報である。
【0028】
次に、制御部110は、第1の印刷内容を取得する(ステップS102)。第1の印刷内容とは、ユーザがラベルシールに印刷したいと考えている内容であり、例えば具体的な住所(例えば「千代田区神田1-2-3」)である。ユーザが操作入力部140から印刷したい内容を入力することにより、制御部110は第1の印刷内容を取得することができる。その際、ユーザは被印刷媒体162に第1の印刷内容がどのように印刷されるか(プレビュー画面)を表示部130で確認することができる。
【0029】
そして、制御部110は、第2の印刷内容を決定する(ステップS103)。第2の印刷内容とは、印刷装置100が被印刷媒体162の余白に自動的に印刷する内容であり、制御部110は用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定する。
【0030】
例えば、用途情報が「住所」なら、制御部110は、第2の印刷内容の候補として、郵便受けのマーク、郵便記号のマーク、手紙のマーク等、郵便関係のマークを選択し、これらの候補の中から第2の印刷内容を決定する。決定方法は任意だが、例えば、選択した候補の中からランダムに決定してもよいし、図6に示すように、表示部130に候補を一覧表示する「候補選択画面」を表示して選択枠131によりユーザに決定してもらってもよい。
【0031】
次に、制御部110は、印刷される内容をプレビュー画面として表示部130に表示する(ステップS104)。プレビュー画面では制御部110は、第1の印刷内容と第2の印刷内容を両方とも確認できるように表示してもよいし、(第1の印刷内容については、ユーザはステップS102の時点で把握できているので)第2の印刷内容だけを表示してもよい。
【0032】
そして、制御部110は、印刷を行うか否かを判定する(ステップS105)。例えば、制御部110は表示部130に「印刷しますか?」等と表示して、ユーザに印刷するか否かを問い合わせることにより、印刷を行うか否かを判定する。印刷を行わない場合は(ステップS105;No)、ステップS102に戻る。なお、制御部110が「印刷しますか?」等と表示する際に、表示部130に「最初からやり直す」、「印刷内容の入力をやり直す」、「余白に印刷される内容を変更する」等の選択肢を表示して、印刷しない場合の処理をユーザに選択してもらってもよい。この例の場合、「最初からやり直す」が選択されたらステップS101に、「印刷内容の入力をやり直す」が選択されたらステップS102に、「余白に印刷される内容を変更する」が選択されたらステップS103に戻ることになる。
【0033】
印刷を行う場合は(ステップS105;Yes)、制御部110は、第1の印刷内容を印刷部150で印刷し(ステップS106)、第2の印刷内容を印刷部150で印刷する(ステップS107)。印刷部150での印刷の際に、被印刷媒体162は搬送モータ152により少しずつ搬送され、第2の印刷内容を印刷した時点では、カッター171が存在する位置(切断位置)は、第1の印刷内容が印刷された部分と第2の印刷内容が印刷された部分の間の位置になる。
【0034】
そして、制御部110は、切断部170で被印刷媒体162を切断して(ステップS108)、印刷制御処理を終了する。
【0035】
以上の印刷制御処理により、制御部110は、印刷に関する情報(印刷情報)として、用途情報と第1の印刷内容を取得し、用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定し、第1の印刷内容を印刷してから、被印刷媒体162の当該第1の印刷内容が印刷された部分を切断部170へ搬送するまでの間に、被印刷媒体162(の切断部170で切断されない部分)に第2の印刷内容を印刷するので、被印刷媒体162に今回シールラベルとして用いる第1の印刷内容だけでなく、次回の印刷時に切り離される小さな(2cm弱の)シールラベル用に第2の印刷内容も印刷することができる。用途情報はユーザによる用途選択(すなわちユーザによる設定)に基づいて取得されるので、ユーザが使用する可能性の高い内容が第2の印刷内容として印刷される可能性が高くなる。したがって、印刷装置100は、従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用することができる。
【0036】
また、第1の印刷内容はユーザから指示された印刷する内容に関する情報(内容情報)であり、制御部110が取得する印刷情報には、印刷する内容に関する内容情報と、用途情報とが含まれる。そして、制御部110は、内容情報に基づいて第1の印刷内容を印刷するだけでなく、用途情報に基づいて第2の印刷内容を被印刷媒体162の余白部分に印刷するので、従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用することができる。
【0037】
また、制御部110は、第1の印刷内容を印刷部150により被印刷媒体162に印刷した後に、印刷部150による印刷位置から切断部170による切断位置までの距離に応じて発生する被印刷媒体162の余白163に印刷部150により第2の印刷内容を印刷するので、従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用することができる。
【0038】
(テープカートリッジの種類による用途情報)
なお、上述の印刷制御処理のステップS101では、表示部130に表示された用途選択画面からユーザが選択した用途を用途情報として制御部110が取得した。しかし、用途情報は、用途選択画面から選択された用途に限定されない。制御部110は、用途選択画面での選択情報を用いずに、テープカートリッジ装着部165に装着されているテープカートリッジ161の種類に基づいて用途情報を取得してもよい。
【0039】
テープカートリッジ161の種類に基づいて、制御部110が用途情報を取得する方法であるが、まず、テープカートリッジ161は、その種類に応じて、収納しているテープ(被印刷媒体162)の種類が異なる。そして、テープの種類が例えばマグネットテープの場合は冷蔵庫に貼ることが想定され、太いテープ(幅3cm以上)はファイル、ノート、下駄箱等に貼ることが想定され、細いテープ(幅1cm未満)はCDケース等の背表紙に貼ることが想定される。
【0040】
したがって、制御部110は、装着されているテープカートリッジ161の種類に応じて、マグネットテープなら「冷蔵庫用」、太いテープなら「ファイル用」、細いテープなら「CD用」といった用途情報をステップS101で取得することができる。
【0041】
用途情報をテープカートリッジ161の種類に応じて取得する(すなわち被印刷媒体162に基づいて用途情報を取得する)ことにより、ユーザが用途選択画面で用途を選択しなくても制御部110は用途情報を取得可能になり、用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定できる。よって、印刷装置100は、ユーザが用途を指定しなくても、従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用することができる。
【0042】
(複数段印刷)
印刷装置100は、図7に示すような「定型フォーマット選択画面」を表示部130に表示して、選択枠131により「拡大印刷」、「カレンダー」、「POPラベル」、「バーコード」等の定型フォーマットを選択できてもよい。
【0043】
この例で「拡大印刷」とは、印刷する文字を複数のテープに分けて(複数の段数で)印刷し、複数のテープを並べて貼ることにより、大きな文字が印刷されたラベルを作成することができる機能である。例えば「禁」という文字を2つのテープで(2段で)拡大印刷する場合は、1枚目のテープに「林」、2枚目のテープに「示」を印刷して、この2つのテープを上下に並べて貼ることにより大きな「禁」という文字が印刷されたラベルが作成できる。
【0044】
拡大印刷の場合には、複数のテープに印刷する必要があるため、少なくとも1つの余白部分(上記の例では「林」が印刷された後で、「示」が印刷される直前の余白部分)は、当該印刷時に印刷装置100から排出される。したがって、制御部110は、拡大印刷の指示を受けたら、その印刷で排出される余白部分に印刷したい内容を直接ユーザに入力してもらってもよい。
【0045】
この場合、制御部110は、印刷制御処理のステップS101で、ユーザが定型フォーマット選択で「拡大印刷」を選択したか判定し、「拡大印刷」を選択していた場合には、「拡大印刷を選択」という情報も用途情報に含めて取得する。そして、印刷制御処理のステップS103では、用途情報に「拡大印刷を選択」が含まれていた場合には、余白部分に印刷したい内容を直接ユーザに入力してもらう。
【0046】
「拡大印刷」以外の定型フォーマット(「カレンダー」、「POPラベル」、「バーコード」等)においても、2段以上の段数で拡大印刷する場合には、同様の処理を行うことにより、その印刷で排出される余白部分に印刷したい内容を直接ユーザに入力してもらうことができる。
【0047】
このように、制御部110は、複数の段数に渡って第1の印刷内容を印刷することを指示されたら、その印刷時に排出される被印刷媒体162に余白部分が生じるので、その余白部分に印刷する内容をユーザに直接入力してもらうことにより、従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用することができる。
【0048】
(連続印刷時)
印刷装置100は、同一の印刷内容(第1の印刷内容)を繰返して印刷する連続印刷機能を持っていてもよい。連続印刷機能を用いて複数のテープに印刷する場合、少なくとも1つの余白部分(1回目の印刷の後で、2回目の印刷が行われる直前の余白部分)は、当該印刷時に印刷装置100から排出される。したがって、制御部110は、連続印刷の指示を受けたら、その印刷で排出される余白部分に印刷したい内容を直接ユーザに入力してもらってもよい。
【0049】
この場合、制御部110は、ユーザが連続印刷を指示していた場合には、「連続印刷を指示」という情報も用途情報に含めて取得する。そして、印刷制御処理のステップS103では、用途情報に「連続印刷を指示」が含まれていた場合には、余白部分に印刷したい内容を直接ユーザに入力してもらう。
【0050】
このように、制御部110は、第1の印刷内容を連続して印刷することを指示されたら、その印刷時に排出される被印刷媒体162に余白部分が生じるので、その余白部分に印刷する内容をユーザに直接入力してもらうことにより、従来では無駄となっていた余白部分を有効に活用することができる。
【0051】
(実施形態2)
実施形態1では、印刷装置100は、印刷制御処理を実行した際に取得された用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定した。しかし、それまでにどのような用途に使用されていたかという履歴の情報も考慮して第2の印刷内容を決定した方が、より適切な内容を余白部分に印刷できる可能性が高まると考えられる。このような実施形態2に係る印刷装置101について説明する。
【0052】
印刷装置101の機能構成は図2に示すように印刷装置100と同様であるため、説明を省略する。ただし、印刷装置101の記憶部120は印刷履歴記憶部121を備える。
【0053】
印刷履歴記憶部121には、図8に示すように、印刷が指示された日時(印刷日時)、その印刷が行われた時に装着されていたテープカートリッジの種類(テープカートリッジ)、その印刷で選択されていた用途(用途)が、印刷が行われる度に記憶されていく。なお、図8で2022年12月30日19時31分の印刷では「用途」が「-」になっているが、これはこの印刷時にはユーザは用途を選択しなかったことを意味する。また、図8には示されていないが、制御部110は、印刷させた具体的な内容(第1の印刷内容及び第2の印刷内容)も印刷履歴記憶部121に記憶するようにしてもよい。
【0054】
実施形態2に係る印刷装置101の印刷制御処理も、図4に示す実施形態1に係る印刷装置100の印刷制御処理と同様である。ただし、ステップS101及びステップS103では、追加の処理が行われるので、以下に説明する。
【0055】
ステップS101では制御部110は、用途情報を取得した後に、記憶部120に記憶されている印刷履歴記憶部121に今回取得した用途情報等(図8に示す例では印刷日時、装着されているテープカートリッジの種類、用途)を追加記憶する処理も行う。
【0056】
また、ステップS103では、制御部110は、印刷履歴記憶部121に記憶されている各用途情報の個数(これは各用途が選択された回数であり、用途情報の取得頻度と言うことができる)をカウントし、最も多い用途情報(取得頻度が最大の用途情報)に基づいて、第2の印刷内容を決定する。図8に示す例では、2023年3月3日15時31分の印刷においては、「住所」が3回、「ファイル」が2回、「CDケース」が1回であり、「住所」の回数が最も多いので、制御部110は、「住所」という用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定することになる。
【0057】
なお、制御部110はステップS103では、単純に用途情報の個数をカウントするのではなく、現在装着されているテープカートリッジと一致する用途情報の個数をカウントして、それが最も多い用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定してもよい。
【0058】
例えば、「黒色18mm」のテープカートリッジが装着されている場合は、制御部110は、用途情報「住所」に基づいて第2の印刷内容を決定する。また、「カラー36mm」のテープカートリッジが装着されている場合は、制御部110は、用途情報「ファイル」に基づいて第2の印刷内容を決定する。また、「カラー36mm」のテープカートリッジが装着されている場合は、制御部110は、用途情報「ファイル」に基づいて第2の印刷内容を決定する。また、「マグネット18mm」のテープカートリッジが装着されている場合は、制御部110は、用途情報が「-」なので、テープカートリッジの種類(マグネットテープ)に基づいて第2の印刷内容を決定する。
【0059】
実施形態2では、制御部110は、ユーザのそれまでの印刷履歴に基づいて第2の印刷内容を決定するので、より適切な印刷内容が第2の印刷内容として決定される可能性が高くなる。したがって、制御部110は、従来では無駄となっていた余白部分をより有効に活用することができる。
【0060】
(実施形態3)
実施形態3として、個人情報に基づいて余白部分に印刷する内容を決定する印刷装置102について説明する。
【0061】
印刷装置102の機能構成は図2に示すように印刷装置100と同様であるため、説明を省略する。ただし、印刷装置102の記憶部120は、個人情報記憶部122を備える。
【0062】
個人情報記憶部122には、図9に示すように、ユーザ毎に「名前」、「年齢」、「性別」、「趣味」等の個人情報が記憶されている。印刷装置102を起動すると図10に示すような「ユーザ選択画面」が表示部130に表示され、ユーザが自分の名前を選択枠131で選択すると、ラベルライターとして使用可能となる。
【0063】
図10に示すように「ユーザ選択画面」には削除ボタン301、追加ボタン302、編集ボタン303等が存在する。削除ボタン301により選択枠131で選択されているユーザの個人情報を削除できる。追加ボタン302により新規ユーザを登録できる。編集ボタン303により選択枠131で選択されているユーザの個人情報を(図11に示すような「個人情報設定画面」で)編集できる。
【0064】
図11に示すように「個人情報設定画面」には、個人情報が一覧表示されるとともに、と取消ボタン304と登録ボタン305が存在している。取消ボタン304により「個人情報設定画面」で今回行った編集はキャンセルされる。登録ボタン305により「個人情報設定画面」で今回行った編集の内容が個人情報記憶部122に記憶される。
【0065】
実施形態3に係る印刷装置102の印刷制御処理も、図4に示す実施形態1に係る印刷装置100の印刷制御処理と同様である。ただし、ステップS101で取得する用途情報は、選択されているユーザの個人情報記憶部122に記憶されている個人情報に基づいて取得される。
【0066】
例えば、印刷装置102の起動時に「ユーザ選択画面」で、「太郎」が選択されていた場合、制御部110は、個人情報記憶部122に太郎の趣味として記憶されている「音楽鑑賞」をステップS101で用途情報として取得する。
【0067】
そして、制御部110はステップS103では、「音楽鑑賞」という用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定する。この場合、第2の印刷内容として、「音楽鑑賞」に関係した絵文字や言葉(例えば、音楽関係のマーク(音符のマーク、ト音記号のマーク、CDのイラスト等)や、言葉(音楽用語、音楽のジャンル(クラシック、ロック、ジャズ等
)、作曲家名、アーティスト名等))から決定されることになる。
【0068】
実施形態3では、制御部110は、ユーザの個人情報に基づいて第2の印刷内容を決定するので、ユーザが用途を選択しなくても、適切な印刷内容が第2の印刷内容として決定される可能性が高くなる。したがって、制御部110は、従来では無駄となっていた余白部分をより有効に活用することができる。
【0069】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施形態が本発明の範囲に含まれる。
【0070】
例えば、実施形態1と実施形態2とを組み合わせることが可能である。この場合、制御部110は、例えば、印刷履歴記憶部121に印刷履歴が所定の印刷履歴閾値(例えば10)だけ記憶されるまでは実施形態1と同様に、用途設定画面で取得した用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定する。そして、印刷履歴記憶部121に記憶されている印刷履歴の個数が印刷履歴閾値を超えたら、実施形態2と同様に、制御部110は、印刷履歴記憶部121から最も頻度の高い用途情報を取得し、その用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定する。
【0071】
同様に、実施形態2と実施形態3を組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせ方にも様々なバリエーションが考えられるが、例えば、印刷履歴記憶部121に、ユーザの名前の情報も記憶し、制御部110は現在使用しているユーザの印刷履歴に基づいて、最も頻度の高い用途情報を取得してもよい。
【0072】
また、いずれの場合も、ステップS104でプレビュー画面を表示する際に、どの用途情報に基づいて第2の印刷内容を決定したかの情報(決定基準情報)も表示してもよい。この決定基準情報は、例えば「用途選択画面で選択された用途」、「テープカートリッジの種類」、「印刷履歴」、「個人情報」、「ユーザ毎の印刷履歴」等である。そして、ユーザがこの決定基準情報に納得できない場合に、用途情報の取得方法をユーザが直接指定できるようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、印刷装置100,101,102は感熱方式のラベルライターを想定していたが、印刷装置はラベルライターに限らず、カッター171とプリントヘッド151とを備え、カッター171とプリントヘッド151との間の距離の分だけ余白が生じてしまう感熱方式のプリンタでもよい。また、印刷装置は、感熱紙への印刷だけでなく感熱インクリボンを用いて普通紙に印刷できる熱転写方式のプリンタでもよい。
【0074】
なお、上記実施形態では、制御部110のCPUが記憶部120に記憶されたプログラムを実行することによって、印刷装置100,101,102の各部を制御した。しかしながら、本発明において、制御部110は、CPUの代わりに、例えばASIC(Application Specifi Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、各種制御回路等の専用のハードウェアを備え、専用のハードウェアが、印刷装置100,101,102の各部を制御してもよい。この場合、制御部110の各機能を個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。また、各機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。
【符号の説明】
【0076】
100,101,102…印刷装置、110…制御部、120…記憶部、121…印刷履歴記憶部、122…個人情報記憶部、130…表示部、131…選択枠、140…操作入力部、150…印刷部、151…プリントヘッド、152…搬送モータ、160…媒体部、161…テープカートリッジ、162,162A,162B,162C,162D,162E,162F…被印刷媒体、163…余白、164…排出口、165…テープカートリッジ装着部、170…切断部、171…カッター、201,203…住所、202,204…マーク、301,302,303,304,305…ボタン
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